JPH08267210A - 大型薄肉一体鋳造品,製造方法及び鋳造用金型 - Google Patents

大型薄肉一体鋳造品,製造方法及び鋳造用金型

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JPH08267210A
JPH08267210A JP8021748A JP2174896A JPH08267210A JP H08267210 A JPH08267210 A JP H08267210A JP 8021748 A JP8021748 A JP 8021748A JP 2174896 A JP2174896 A JP 2174896A JP H08267210 A JPH08267210 A JP H08267210A
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die
mold
runner
casting
cast product
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JP8021748A
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Shogo Mochizuki
省吾 望月
Hiroaki Mori
宏昭 森
Toshiya Anami
敏也 穴見
Isao Miki
功 三木
Katsuya Nishiguchi
勝也 西口
Yukio Yamamoto
幸男 山本
Yukihiro Sugimoto
幸弘 杉本
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Mazda Motor Corp
Nippon Light Metal Co Ltd
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Mazda Motor Corp
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉不足,形状不良等の鋳造欠陥がない大型薄
肉一体鋳造品を得る。 【構成】 中間型12と固定型11との合せ面に第1の
ランナー35が形成され、第1のランナー35から直交
して延びる第2のランナー35,36が中間型を貫通し
て設けられ、可動型12側に位置する第2のランナー3
5,36の開口部にゲート37,38が形成され、可動
型13を貫通して中間型12の面にまで延びた貫通孔に
押出しピン39が挿入されている金型10を使用して大
型薄肉一体鋳造品を鋳造する際、製品板厚の50〜10
0倍を直径とする円内に少なくとも1個以上設けられた
ゲート37,38を介し、中間型12と可動型13との
間に形成されている鋳造空間14に溶湯を供給する。 【効果】 各部分に十分な量の溶湯が供給されるため、
肉不足,形状不良等の鋳造欠陥の発生が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、肉不足,形状不良等の
欠陥を発生させることなく、面積に比較して肉厚が小さ
い大型薄肉一体鋳造品とその製造方法及び鋳造金型に関
する。
【0002】
【従来の技術】面積の大きなインスツルメントパネル等
の大型部材をアルミ材料等で作成するとき、一体的な成
形が困難なことから、各パーツを分割してプレス成形
し、成形された各パーツを組み立てていた。このとき、
製品ごとに金型形状が異なることから、多数の金型を用
意している。このことは、製造工程での工数が多いこと
と相俟つて、製造コストを上昇させる原因となる。しか
も、補強のために板厚が異なる部分を溶接しているの
で、溶接工程が必要とされることは勿論、得られる製品
形状に制約が加わる。その結果、多種多様な形状をもつ
製品需要に対応できない。一体成形に適した方法とし
て、鋳造が知られている。しかし、重力鋳造や低圧力鋳
造は、薄肉品の鋳造に向いておらず、製品の重量が大き
くなりがちであり、軽量化が強く要求される自動車用部
品を製造することは困難である。この点、溶湯を高圧で
金型に注入するダイカスト法が有望な鋳造法である。ダ
イカスト法では、通常、固定型と可動型とを合わせ、両
者の合せ面に鋳造空間を形成している。そして、アルミ
ニウム合金等の溶湯をランナーから鋳造空間に供給し、
冷却凝固させることにより鋳造品を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固定型及び可動型の2
枚金型を使用するダイカスト法では、鋳造空間に溶湯を
送り込むランナーの設計に問題がある。通常、ランナー
は、固定型と可動型との合せ面に形成されているが、大
型薄肉製品の目標形状に対応して鋳造空間に対して十分
な量の溶湯を送り込むことができない。この傾向は、特
に肉厚部や複雑形状をもつ製品を鋳造する際に肉不足,
形状不良等の鋳造欠陥となって現れる。溶湯の供給を改
善したものとして、固定型と可動型との間に中間型を配
置した3枚金型を使用するダイカスト法も採用されてい
る。3枚金型では、中間型と可動型との合せ面に鋳造空
間が形成されている。溶湯は、合せ面に直交する方向に
沿って中間型に設けられたランナーから供給される。本
発明は、この3枚金型を使用するダイカスト法で大型薄
肉品を鋳造する際、製品肉厚に応じてゲートが設けられ
た金型を使用することにより、鋳造空間の隅々まで十分
な量の溶湯を供給し、肉不足や形状不良等の鋳造欠陥が
ない大型薄肉一体鋳造品を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、そ
の目的を達成するため、固定型と可動型との間に中間型
を介在させ、中間型と固定型との合せ面に第1のランナ
ーが形成され、第1のランナーから直交して延びる第2
のランナーが中間型を貫通して設けられ、可動型側に位
置する第2のランナーの開口部にゲートが形成され、可
動型を貫通して中間型の面にまで延びた貫通孔に押出し
ピンが挿入されている金型を使用して大型薄肉一体鋳造
品を鋳造する際、製品板厚の50〜100倍を直径とす
る円内に少なくとも1個以上設けられたゲートを介し、
中間型と可動型との間に形成されている鋳造空間に溶湯
を供給することを特徴とする。本発明で使用される溶湯
としては、Si:3〜12重量%,Fe:0.3〜2.
0重量%,Mg:0.1〜1.0重量%及びMn:0.
3〜1.0重量%を含むアルミニウム合金や、Al:
2.0〜7.0重量%を含むマグネシウム合金等があ
る。この方法で製造された大型薄肉一体鋳造品は、板厚
に比較して極めて大きな面積をもつ形状であるにも拘ら
ず、肉不足や形状不良等の鋳造欠陥がないため、従来の
スチール製品に匹敵する十分な機械的特性を呈する。
【0005】また、本発明に従った鋳造用金型は、固定
型と、可動型と、固定型と可動型との間に配置された中
間型とを備え、中間型と固定型との合せ面に形成された
第1のランナーが固定型に設けられたスプルーに接続
し、第1のランナーから直交して延びる第2のランナー
が中間型を貫通して設けられ、可動型側に位置する第2
のランナーの開口部にゲートが形成され、可動型を貫通
して中間型の面にまで延びた貫通孔に押出しピンが挿入
されている。そして、製品板厚の50〜100倍を直径
とする円内に少なくとも1個以上のゲートを設けてい
る。本発明に従ったドアパネルは、たとえば図1に示す
金型を使用してダイカストされる。金型10は、固定型
11,中間型12及び可動型13を組み合わせた構造を
もち、中間型12と可動型13との間に製品形状に対応
した鋳造空間14が形成される。固定型11,中間型1
2及び可動型13は、固定プラテン21と可動プラテン
22との間で挟持される。可動型13と可動プラテン2
2との間に、ダイベース23を挿入している。
【0006】鋳造される合金溶湯30は、一端がプラン
ジャー31で閉塞されるスリーブ32に収容されてい
る。スリーブ32の他端は、固定型11に形成したスプ
ルー33に開口している。スプルー33は、固定型11
に形成した第1のランナー34を経て中間型12に形成
した第2のランナー35,36及びゲート37,38を
経て鋳造空間14に連通している。合金溶湯30は、プ
ランジャー31で加圧され、ランナー34〜36を経て
複数のゲート37,38・・から鋳造空間14に圧入さ
れる。合金溶湯30は、鋳造空間14内で金型10によ
り冷却され、凝固する。鋳造された合金が所定温度まで
降温したとき、ダイベース23側から押出しピン39,
39・・を鋳造空間14に向けて押し出し、鋳造製品を
金型10から分離する。このように固定型11,中間型
12及び可動型13で構成した金型10を使用する鋳造
では、固定型11及び中間型12を貫通するランナー3
4〜36を介して合金溶湯30が鋳造空間14に供給さ
れ、他側から押し出される押出しピン39,39・・に
よって鋳造製品が金型10から分離される。
【0007】そのため、厚みに比較して面積が広い目標
形状であっても、鋳造空間14の中央部に溶湯を供給す
ることができ、各部に十分な量の溶湯が充満する。結果
として、製品の側面から合金溶湯を供給する2枚金型の
ダイカスト金型設計に比較して、鋳造される製品形状に
加わる制約が少なく、大きな面積をもつ鋳造品も容易に
製造できる。大きな面積をもつ製品のダイカストでは、
各部に十分な量の合金溶湯を行き渡らせることが必要で
ある。特に、図2に示すように比較的薄い部分が多い鋳
造品を製造する場合、薄肉部に供給される溶湯量が不足
し、製品に肉厚変動や形状不良等の欠陥を発生させ易
い。
【0008】本発明では、厚肉部に溶湯を供給するゲー
ト37や薄肉部に溶湯を供給するゲート38を図2に示
すように分布させることによって、溶湯の供給量不足を
解消している。各部で十分な溶湯供給量を確保するため
には、隣接するゲート間隙を板厚の50〜100倍にす
る必要があることが本発明者等の実験から明らかになっ
た。すなわち、板厚の50〜100倍を直径とする円内
に少なくとも1個のゲートを設けるとき、各部に対して
十分な量の溶湯が供給される。具体的には、板厚2mm
の付近ではゲート間隙が100〜200mmになるよう
に半径50〜100mmの円内に少なくとも1個のゲー
トを設ける。これによって、肉不足や形状不良等の欠陥
がない鋳造製品が得られ、機械的特性の向上が図られ
る。ゲートの数を前述した実験値よりも多く設けると、
すなわちゲート間隔を小さくすると、金型設計が複雑に
なり経済的でない。一方、ゲート間隔が広すぎると、溶
湯移動範囲の増加に伴って金型による溶湯からの抜熱が
大きくなる。その結果、溶湯の温度低下が生じ、溶湯の
粘性増加に起因した溶湯供給不足や湯皺,湯境等の鋳造
欠陥が発生し易くなる。この金型で鋳造される合金溶湯
30としては、アルミニウム合金又はマグネシウム合金
がある。
【0009】アルミニウム合金としては、Si:3〜1
2重量%,Fe:0.3〜2.0重量%,Mg:0.1
〜1.0重量%及びMn:0.3〜1.0重量%を含む
アルミニウム合金が使用される。或いは、更にCu:
1.0〜5.0重量%含むアルミニウム合金も使用可能
である。各合金成分は、次のように得られた鋳造品の特
性に影響を及ぼす。Si:3〜12重量% 鋳造性に影響を及ぼす合金元素であり、3重量%以上の
Si含有で良好な湯流れ性が得られる。しかし、12重
量%を超える多量のSi含有は、初晶Siの晶出を促進
させ、得られた鋳造品の靭性を低下させ易い。 Fe:0.3〜2.0重量% 冷却・凝固した鋳造品の金型10内面に対する分離性を
向上させる有効元素である。Fe含有量が0.3重量%
未満では、金型10の内面に対する焼付きが生じ易く、
分離性が低下すると共に、得られた鋳造品に表面欠陥が
生じ易くなる。しかし、2.0重量%を超える多量のF
eが含まれると、巨大なFe系金属間化合物が生成し易
くなり、鋳造品の靭性を低下させる。
【0010】Mg:0.1〜1.0重量% Mg2 Siとなってアルミニウムマトリックスに析出
し、鋳造品の強度を向上させる。このような効果は、M
g含有量が0.1重量%以上で顕著となる。しかし、
1.0重量%を超えるMg含有量では、溶湯の流動性が
低下し、肉不足等の欠陥が生じ易くなる。 Mn:0.3〜1.0重量% Feと共に粒状のAl−Fe−Mn系金属間化合物をつ
くり、鋳造品の靭性を向上させる。しかし、Al−Fe
−Mn系金属間化合物は、Mn含有量が0.3重量%未
満では十分な粒状化作用を発揮しない。また、1.0重
量%を超える多量のMnが含まれると、巨大な塊状Al
−Fe−Mn系金属間化合物が生成し、ハードスポット
の原因となる。 Cu:1.0〜5.0重量% 必要に応じて添加される合金元素であり、耐力等の機械
的強度を向上させる作用を呈する。このような効果は、
1.0重量%以上のCu含有量で顕著となる。しかし、
5.0重量%を超える多量のCuが含まれると、伸び及
び耐食性が劣化する傾向がみられる。
【0011】他方、マグネシウム合金としては、Al:
2.7〜7.0重量%を含むものが使用される。Al
は、マグネシウム合金の鋳造性及び機械的性質に影響を
及ぼす合金元素であり、2.0重量%以上の含有量で鋳
造性及び機械的強度が向上する。しかし、7.0重量%
を超える多量のAlが含まれると、伸び,衝撃値等が劣
化する。図1に示した構成をもつ金型10では、補強用
の肉厚部を容易に作ることができる。しかし、鋳造品が
凝固・冷却するときの収縮を考慮するとき、冷却が遅れ
がちな肉厚部には種々の鋳造欠陥が発生し易い。そのた
め、肉厚部は、ヒケ巣の発生防止を考慮したサイズをも
つリブで構成することが好ましい。また、肉厚部の金型
にチル材を組み込み、各部の冷却条件を均一化すること
も有効な手段である。
【0012】鋳造空間14は、製品形状に対応して設計
されている。たとえば、製品形状が図3に示すように複
数の開口部51,51・・を持つ場合、開口部51,5
1・・に相当する箇所では、合金溶湯が侵入しないよう
に、中間型12と可動型13とを密着させる。開口部5
1,51・・の縁部では強度が不足しがちであるから、
肉厚を比較的大きく設定する。また、中間型12と可動
型13との接触面を湾曲させておくとき、断面形状が所
定形状の曲面をもつ製品が得られる。得られた鋳造品
は、肉厚に比較して面積が格段に広いものの、ゲートの
配置によって各部に十分な肉が行き渡り、従来のスチー
ル製品に匹敵する強度をもつ。そのため、車両の軽量化
等に好適な各種パネルが得られる。
【0013】鋳造品は、鋳放なしのままで使用されるこ
ともあるが、用途に応じて要求される性能を考慮して
〜の熱処理が必要に応じて施される。これら熱処理に
よって、共晶Siの微細化及び球状化が進行し、伸びが
3%以上改善される。 300℃以上の温度に1時間以上保持した後で放冷
する焼きなまし処理であり、引張り強さ及び耐力が低下
するものの、伸びが向上する。十分な伸びを得るために
は、300℃以上の加熱温度及び1時間以上の保持時間
が必要である。 合金成分をマトリックスに固溶させる処理であり、
450〜550℃に10分以上保持した後、急冷する。
この処理を施すことにより、鋳造品が軟らかくなり、引
張り強さが低下し、伸びが増加する。合金成分を固溶さ
せるためには450℃以上の加熱温度が必要であるが、
550℃を超える加熱温度では局部的な溶解が生じる虞
れがある。また、10分未満の加熱では、固溶体化が十
分に進行しない。
【0014】 ダイカストによって強制的に固溶され
た合金元素を析出させ、強度の向上を図る熱処理であ
る。130〜250℃に1〜5時間保持した後で放冷す
ることにより、材料の引張り強さ及び耐力が向上する。
130℃未満の加熱温度及び1時間に満たない加熱時間
では、十分な析出反応が得られない。しかし、250℃
を超える加熱温度や5時間を超える長時間加熱では、却
って過時効に起因した軟化現象が起こり易い。 450〜550℃×10分以上→急冷の溶体化後
に、100〜250℃×1〜5時間の人工時効を行わ
せ、溶体化処理によって固溶した合金元素を析出させる
熱処理である。この熱処理により、伸びが若干低下する
ものの、引張り強さ及び耐力が上昇する。
【0015】
【実施例】3枚金型を使用して、裏面を図2(a)に、
側面を図2(b)に示す形状をもつインスツルメントパ
ネルを鋳造した。インスツルメントパネルは、図3に示
す全体形状をもっており、目標サイズが長さ800m
m,幅60mm及び高さ200mmで、肉厚が2〜3m
m,最小肉厚が1.5mmである。ただし、両端部の縦
壁部及びステアリング取付け部の肉厚については、平均
肉厚の1.2〜3倍とした。各ゲート37,38・・の
断面積を400mm2 に設計した図1の金型10を使用
し、金型10を190℃に加温した。ゲート位置は、図
2に示す分布でゲートを製品部に直接設けた。隣接する
ゲート間の距離は、製品肉厚に応じ最大半径90mm及
び最小半径40mmの範囲で変化させた。すなわち、最
大半径90mm及び最小半径40mmの範囲で1個のゲ
ートが存在する分布で、計19本のゲートを鋳造空間に
開口させた。
【0016】鋳造される合金溶湯として、Al:6.0
重量%を含むマグネシウム合金をスリーブ32に収容し
た。鋳造圧力が600kgf/cm2 となるように移動
速度1.8m/秒でスリーブ32に侵入するプランジャ
ー31でマグネシウム合金溶湯を加圧し、ゲート37,
38を流動速度70m/秒で通過させた。このようにし
て、マグネシウム合金溶湯を鋳造温度690℃で鋳造し
た。鋳造されたマグネシウム合金が冷却した後で、鋳造
品を金型10から取り出した。得られた鋳造品を観察し
たところ、厚肉部及び薄肉部の双方共に肉不足や形状不
良等の鋳造欠陥は観察されなかった。同様に、Fe:
0.47重量%,Mn:0.34重量%及びMg:0.
27重量%を含むアルミニウム合金からインスツルメン
トパネルを鋳造したところ、本発明に従ったゲート分布
をもつ金型を使用したものでは、肉不足,形状不良等の
欠陥が鋳造品に観察されなかった。これに対し、隣接間
距離を200mmの一定値として計10本のゲートを設
けた3枚金型を使用して鋳造したものでは、肉厚部や形
状が複雑に入り組んでいる箇所への湯回りが不足しがち
となり、肉不足や形状不良が発生した。
【0017】次いで、ゲート間隔が異なる金型を使用し
て種々の肉厚をもつ鋳造品を製造した。そして、鋳造品
を外観観察し、融合不良,肉不足等の鋳造欠陥がないも
のを○として品質評価した。鋳造欠陥に及ぼすゲート間
隔の影響を調査したところ、表1に示すように、本発明
に従ってゲート間隔/板厚比を50〜100の範囲に設
定した金型を使用したものでは、鋳造欠陥の発生が検出
されなかった。これに対し、ゲート間隔/板厚比が10
0を超えるものでは、何れも融合不良や肉不足等の欠陥
が検出された。一方、50未満のものは、何れも欠陥が
なく良好であるが、ゲートの本数が多すぎることから金
型設計上で経済的でない。
【0018】 また、以上のようにして得られた鋳造ドアインナーパネ
ル実体品から、図4に示す位置で採取された試験片の材
料特性を調査した。表2の調査結果にみられるように、
鋳放しのままでは下部平板部が平均1.7%と低い値を
示した。他方、鋳造品に510℃×1時間の溶体化処理
を施し、空冷したものでは伸びが大幅の上昇し、最小で
も3.6%の伸びを示した。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、固定型,中間型及び可動型を組み合わせた3枚金型
を使用してダイカストする際、製品肉厚に応じてゲート
を設け、製品各部に対する合金溶湯の供給量を確保して
いる。これにより、薄肉部や形状が複雑に入り組んでい
る部分に対しても十分な量の溶湯が供給され、肉不足,
形状不良等の鋳造欠陥がなく、大型でしかも薄肉の一体
鋳造品が得られる。このようにして得られた鋳造品は、
各パーツを溶接等で組み立てる従来の製品に比較して工
数が大幅に節減され、しかも材質が高位に安定した製品
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する金型装置の断面図
【図2】 ダイカストされたインスツルメントパネルの
裏面図(a)及び側面図(b)
【図3】 同インスツルメントパネルの斜視図
【図4】 実施例で製造された鋳造ドアインナーパネル
実体品の試験片採取位置を示す図
【符号の説明】
10:金型 11:固定型 12:中間型 1
3:可動型 14:鋳造空間 21:固定プラテン
22:可動プラテン 30:合金溶湯 31:プランジャー 32:スリ
ーブ 33:スプルー34:第1のランナー 3
5,36:第2のランナー 37〜38:ゲート3
9:押出しピン 50:インスツルメントパネル 51:開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 23/02 C22C 23/02 (72)発明者 穴見 敏也 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 三木 功 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 西口 勝也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山本 幸男 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 杉本 幸弘 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定型と可動型との間に中間型を介在さ
    せ、中間型と固定型との合せ面に第1のランナーが形成
    され、第1のランナーから直交して延びる第2のランナ
    ーが中間型を貫通して設けられ、可動型側に位置する第
    2のランナーの開口部にゲートが形成され、可動型を貫
    通して中間型の面にまで延びた貫通孔に押出しピンが挿
    入されている金型を使用して大型薄肉一体鋳造品を鋳造
    する際、製品板厚の50〜100倍を直径とする円内に
    少なくとも1個以上設けられたゲートを介し、中間型と
    可動型との間に形成されている鋳造空間に溶湯を供給す
    ることを特徴とする大型薄肉一体鋳造品の製造方法。
  2. 【請求項2】 Si:3〜12重量%,Fe:0.3〜
    2.0重量%,Mg:0.1〜1.0重量%及びMn:
    0.3〜1.0重量%を含むアルミニウム合金溶湯を使
    用する請求項1記載の大型薄肉一体鋳造品の製造方法。
  3. 【請求項3】 Al:2.0〜7.0重量%を含むマグ
    ネシウム合金溶湯を使用する請求項1記載の大型薄肉一
    体鋳造品の製造方法。
  4. 【請求項4】 固定型と、可動型と、固定型と可動型と
    の間に配置された中間型とを備え、中間型と固定型との
    合せ面に形成された第1のランナーが固定型に設けられ
    たスプルーに接続し、第1のランナーから直交して延び
    る第2のランナーが中間型を貫通して設けられ、可動型
    側に位置する第2のランナーの開口部にゲートが形成さ
    れ、可動型を貫通して中間型の面にまで延びた貫通孔に
    押出しピンが挿入されており、前記ゲートは、製品板厚
    の50〜100倍を直径とする円内に少なくとも1個以
    上設けられていることを特徴とする大型薄肉一体鋳造品
    の鋳造用金型。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法で製造され、1.5
    〜3mmの厚みをもつ大型薄肉一体鋳造品。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の鋳造品に更に熱処理を施
    し伸びを3%以上にした大型薄肉一体鋳造品。
JP8021748A 1995-01-19 1996-01-12 大型薄肉一体鋳造品,製造方法及び鋳造用金型 Pending JPH08267210A (ja)

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JP8021748A JPH08267210A (ja) 1995-01-19 1996-01-12 大型薄肉一体鋳造品,製造方法及び鋳造用金型

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JP2474095 1995-01-19
JP7-24740 1995-01-19
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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