JPH08266701A - 打球追跡表示装置 - Google Patents

打球追跡表示装置

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JPH08266701A
JPH08266701A JP7099686A JP9968695A JPH08266701A JP H08266701 A JPH08266701 A JP H08266701A JP 7099686 A JP7099686 A JP 7099686A JP 9968695 A JP9968695 A JP 9968695A JP H08266701 A JPH08266701 A JP H08266701A
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JP
Japan
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ball
radio wave
golf ball
flight
radio
Prior art date
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Pending
Application number
JP7099686A
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English (en)
Inventor
Junichi Hori
準一 堀
Hiroyuki Ishizaka
宏幸 石坂
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Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際のゴルフ場において、打球されたゴルフ
ボールの飛行速度、飛距離及び位置を高精度で求め、表
示装置に飛行速度、飛距離及び飛行軌跡を表示してゴル
ファにデータを提供できるようにする。 【構成】 ゴルフコース9に沿って複数の電波レーダ2
を配置し、該電波レーダ2から周波数の異なる2つの電
波f1 ,f2 をゴルフボール6に向けて発射し、該ゴル
フボール6から反射した電波f3 ,f4 のドップラ周波
数fd 及び位相差Δφからゴルフボール6の飛行速度
V、距離Rを求め、更に三角測量法に基いてゴルフボー
ル6の位置を制御装置4で演算して求め、表示装置5に
刻々と表示するようにした構成を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、打球追跡表示装置に係
り、特に打球後のボールをFM−CW電波レーダ装置に
よって検出し、検出信号を該ボールの飛行速度に応じて
フィルタ周波数を次々と切り換えながらフィルタリング
してボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離を高精度で
演算して表示装置に表示するようにし、特にゴルフ場に
設置するのに好適な打球追跡表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルファにとって、自分が打ったゴルフ
ボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離は、スコアを上
げるための参考として重要な資料となり、正確なデータ
を知りたいという要求がゴルファには常に強くある。
【0003】従来の打球計測装置としては、実公昭55
−55081に開示された発明があるが、該従来例は、
ゴルフクラブを振ったとき、クラブヘッドに組み込まれ
た発音装置が発する音によってクラブヘッドのスイング
速度及び角度を推定するものであり、実際に打球された
ゴルフボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離を示すも
のではなかった。
【0004】他の打球計測装置としては、特開平6−7
9028に開示された発明があるが、該従来例は、2つ
の平面を通過するゴルフボールを検出してゴルフボール
の速度、飛出し角度を演算し、その後のゴルフボールの
飛行軌跡を表示するようにしたものであり、ゴルフボー
ルの回転、風等による影響が考慮されておらず、室内練
習場においてのみ利用するようにしたものであり、実際
のゴルフ場でのゴルフボールの挙動とは細部において異
なるものであった。
【0005】また、上記した2つの従来例は、いずれも
練習場に設置して使用するものであり、実際のゴルフ場
では使用することができず、本発明の打球追跡表示装置
とは全く異なるものである。
【0006】ゴルフ場において実際の打球を検出する従
来例としては、米国特許第4673183号に開示され
た発明があるが、これは多数の電波レーダを直線上に配
置して飛行するゴルフボールを検出するようにしたもの
であり、ゴルフボールを検出できた電波レーダのうち、
ティーグラウンドから最も遠方の電波レーダの位置から
ゴルフボールの飛距離を算出するようようにしたもの
で、スライス、フック等の飛行軌跡、ゴルフボールの飛
行速度等は知ることができない欠点があり、ゴルファへ
の提供データとしては不十分であり改善の余地があっ
た。
【0007】電波レーダ装置を用いてゴルフボールを検
出する他の従来例としては、特開平6−86845に開
示された発明があるが、該従来例は、電波レーダ装置を
用いてドップラ効果からゴルフボールの飛行速度及び飛
距離を演算して求める点において本発明と類似している
が、1台の電波レーダ装置をティーグラウンドに設置し
てゴルフボールを検出するようにしたものであって、測
定に先立って使用するゴルフクラブの種類を入力装置か
ら入力することによりゴルフボールの飛行角度を決定し
た後、該電波レーダ装置でゴルフボールの飛行速度を検
出して飛距離を推定して求めるようにしたものであり、
正確な飛行距離を知ることはできず、また飛行軌跡は知
ることができないという欠点があった。
【0008】またゴルフボールの飛行速度及び飛距離の
演算にはパルス発信機からのパルスを利用して演算する
ようになっており、「同期した2つの異なる周波数の電
波を発信してドップラ効果によるドップラ周波数及び位
相差からゴルフボールの実際の飛行速度及び飛距離、更
には刻々と変化するゴルフボールの位置を知り、表示装
置に表示することができる」本発明の打球追跡表示装置
とは異なるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、少なくとも2台の電波レーダによ
り同一空間にあるボールを同時に走査可能な如く電波レ
ーダを設置し、該2台の電波レーダで検出したボールか
らの反射波を速度に応じて予め定められた周波数のフィ
ルタに次々と切り換えながらフィルタリングすることに
より、検出信号のS/N比を大きくして検出精度を向上
させ、ボールの飛行速度及び飛距離を正確に演算できる
ようにすることである。
【0010】また他の目的は、上記構成により2台の電
波レーダからボールまでの距離を正確に演算することに
より、三角測量法に基いて該ボールの位置を知ることで
あり、またボールの位置を刻々と表示することによりボ
ールの飛行軌跡を知ることができるようにすることであ
る。
【0011】更に他の目的は、2台の電波レーダを同一
空間にあるボールを同時に走査可能な如く設置し、夫々
の電波レーダから周波数の異なる2つの同期した電波を
発射してボールからの反射波を受信することにより、該
受信信号のドップラ周波数及び2つの受信信号の位相差
からボールの飛行速度及び飛距離を演算できるようにす
ることであり、また2台の電波レーダからボールまでの
距離から三角測量法に基いて該ボールの位置を演算によ
り知ることができるようにすることである。
【0012】また他の目的は、FM−CW電波レーダ装
置によりボールの飛行速度、飛距離及び位置を演算する
と共に、演算結果を表示する表示装置を備えることによ
り、該ボールの飛行速度、飛距離及び位置を刻々と表示
できるようにすることである。
【0013】更に他の目的は、ボールの単位時間後の飛
行速度を予測し、フィルタの周波数を該予測飛行速度に
応じて予め定められた周波数に次々と切り換えながら電
波レーダで受信したボールからの反射波をフィルタリン
グ処理してドップラ周波数及び反射波の位相差を高精度
に検出することにより、高S/N比の検出信号を得るこ
とであり、またこれによってボールの飛行速度及び飛距
離を精度よく演算できるようにすることである。
【0014】また他の目的は、ゴルフコースにFM−C
W電波レーダ装置を設置して打たれた後のゴルフボール
を追跡することにより、コンパクトな装置で広大なゴル
フ場のどの位置にあるゴルフボールをも検知できるよう
にすることであり、またこれによってゴルフボールをさ
がす時間を短縮できるようにすることである。
【0015】更に他の目的は、上記構成により、ゴルフ
ボールを目視により確認することが困難な雨中又は霧等
の発生した場合でも容易にゴルフボールの飛行状態を確
認できるようにすることである。
【0016】また他の目的は、同一空間を少なくとも2
台の電波レーダで同時に走査可能となるようにゴルフコ
ースに沿って多数の電波レーダを設置し、該電波レーダ
の各々から周波数の異なる2つの同期した電波を発射し
てゴルフボールからの反射波を受信し、該反射波のドッ
プラ周波数及び位相差を検出することにより、飛行する
ゴルフボールの実際の飛行速度、飛距離及び飛行軌跡を
演算し、表示装置に表示して知ることができるようにす
ることであり、またこれによってゴルファに直ちに打球
した後のゴルフボールのデータを知らせることができる
ようにすることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】要するに本発明(請求項
1)は、電波を送受信し少なくとも2台の装置により同
一空間を同時に走査可能に設置された複数の電波レーダ
と、前記空間を通過するボールからの反射波を受信し該
ボールの速度に応じて予め定められた周波数のフィルタ
を次々と切り換えながら前記受信信号をフィルタリング
して高S/N比の検出信号を出力するフィルタ装置と、
少なくとも2台の前記電波レーダの前記検出信号を解析
して前記ボールまでの距離及び飛行速度を演算する制御
装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】また本発明(請求項2)は、電波を送受信
し少なくとも2台の装置により同一空間を同時に走査可
能に設置された複数の電波レーダと、前記空間を通過す
るボールからの反射波を受信し該ボールの速度に応じて
予め定められた周波数のフィルタを次々と切り換えなが
ら前記受信信号をフィルタリングして高S/N比の検出
信号を出力するフィルタ装置と、2台の前記電波レーダ
からの前記検出信号のドップラ周波数及び2つの同期し
た前記電波の前記反射波の位相差から前記ボールの飛行
速度及び距離を演算すると共に該演算された2台の前記
電波レーダからの距離から三角測量法により前記ボール
の位置を演算する制御装置とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0019】また本発明(請求項3)は、電波を送受信
し少なくとも2台の装置により同一空間を同時に走査可
能に設置された複数の電波レーダと、前記空間を通過す
るボールからの反射波を受信し該ボールの速度に応じて
予め定められた周波数のフィルタを次々と切り換えなが
ら前記受信信号をフィルタリングして高S/N比の検出
信号を出力するフィルタ装置と、2台の前記電波レーダ
からの前記検出信号のドップラ周波数及び2つの同期し
た前記電波の前記反射波の位相差から前記ボールの飛行
速度及び距離を演算すると共に該演算された2台の前記
電波レーダからの距離から三角測量法により前記ボール
の位置を演算する制御装置と、前記ボールの飛行軌跡、
飛行速度及び飛距離を表示する表示装置とを備えたこと
を特徴とするものである。
【0020】また本発明(請求項4)は、電波を送受信
し少なくとも2台の装置により同一空間を同時に走査可
能に設置された複数の電波レーダと、前記空間を通過す
るボールからの反射波を受信し単位時間後の前記ボール
の飛行速度を予測しフィルタの周波数を該予測飛行速度
に応じて予め定められた周波数に次々と切り換えながら
前記受信信号をフィルタリングして高S/N比の検出信
号を出力するフィルタ装置と、2台の前記電波レーダか
らの前記検出信号のドップラ周波数及び2つの同期した
前記電波の前記反射波の位相差から前記ボールの飛行速
度及び距離を演算すると共に該演算された2台の前記電
波レーダからの距離から三角測量法により前記ボールの
位置を演算する制御装置と、前記ボールの飛行軌跡、飛
行速度及び飛距離を表示する表示装置とを備えたことを
特徴とするものである。
【0021】また本発明(請求項5)は、電波を送受信
し少なくとも2台の装置により同一空間を同時に走査可
能にゴルフコースに沿って設置された複数の電波レーダ
と、前記空間を通過するゴルフボールからの反射波を受
信し該ゴルフボールの速度に応じて予め定められた周波
数のフィルタを次々と切り換えながら前記受信信号をフ
ィルタリングして高S/N比の検出信号を出力するフィ
ルタ装置と、少なくとも2台の前記電波レーダの前記検
出信号を解析して前記ゴルフボールまでの距離、該ゴル
フボールの位置及び飛行速度を演算する制御装置と、前
記ゴルフボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離を表示
する表示装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】また本発明(請求項6)は、電波を送受信
し少なくとも2台の装置により同一空間を同時に走査可
能にゴルフコースに沿って設置された複数の電波レーダ
と、前記空間を通過するゴルフボールからの反射波を受
信し該ゴルフボールの速度に応じて予め定められた周波
数のフィルタを次々と切り換えながら前記受信信号をフ
ィルタリングして高S/N比の検出信号を出力するフィ
ルタ装置と、2台の前記電波レーダからの前記検出信号
のドップラ周波数及び2つの同期した前記電波の前記反
射波の位相差から前記ゴルフボールの飛行速度及び距離
を演算すると共に該演算された2台の前記電波レーダか
らの前記距離から三角測量法により前記ゴルフボールの
位置を演算する制御装置と、前記ゴルフボールの飛行軌
跡、飛行速度及び飛距離を表示する表示装置とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0023】また本発明(請求項7)は、電波を送受信
し少なくとも2台の装置により同一空間を同時に走査可
能にゴルフコースに沿って設置され1台はティーグラウ
ンドの後方に配置された複数の電波レーダと、前記空間
を通過するゴルフボールからの反射波を受信し該ゴルフ
ボールの速度に応じて予め定められた周波数のフィルタ
を次々と切り換えながら前記受信信号をフィルタリング
して高S/N比の検出信号を出力するフィルタ装置と、
2台の前記電波レーダからの前記検出信号のドップラ周
波数及び2つの同期した前記電波の前記反射波の位相差
から前記ゴルフボールの飛行速度及び距離を演算すると
共に該演算された2台の前記電波レーダからの前記距離
から三角測量法により前記ゴルフボールの位置を演算す
る制御装置と、前記ゴルフボールの飛行軌跡、飛行速度
及び飛距離を表示する表示装置とを備えたことを特徴と
するものである。
【0024】
【作用】ティーグラウンドでゴルファがゴルフボールを
打球すると、ティーグラウンドの後方に設置した電波レ
ーダから発射された周波数の異なる2つの同期した電波
がゴルフクラブのクラブヘッドで反射し、該反射波が電
波レーダで受信される。
【0025】受信された電波は、クラブヘッドが移動し
ていることにより、ドップラシフトを受けており、該信
号を制御装置で演算処理してクラブヘッドの移動速度を
求め、更に該クラブヘッドの移動速度に定数を乗ずるこ
とによりゴルフボールの初速度を推定する。
【0026】次いで、少なくとも2台の電波レーダから
発射された電波が、打球されたゴルフボールで反射して
受信されて制御装置に伝達され、制御装置は受け取った
信号を先に推定したゴルフボールの飛行速度に対応した
周波数のフィルタにかけてフィルタリングし、ドップラ
周波数及び2つの電波の位相差を検出してゴルフボール
の実際の飛行速度及び電波レーダからゴルフボールまで
の距離を夫々演算すると共に、三角測量法に基いてゴル
フボールの位置を演算して表示装置に表示する。
【0027】制御装置は、演算されたゴルフボールの飛
行速度から単位時間後のゴルフボールの飛行速度を風
向、風速等を考慮して物理法則から推定すると共に、該
単位時間後に電波レーダから発射された電波の反射波を
受信し、該信号を上述したと同様に新しく推定したゴル
フボールの飛行速度に応じた周波数のフィルタにかけて
フィルタリングし、ドップラ周波数及び位相差から該時
点でのゴルフボールの実際の飛行速度及び距離、位置を
演算して表示装置に表示する。
【0028】上記した操作をゴルフボールが停止するま
で繰り返し実行し、最終の演算結果は次のゴルファが装
置をリセットするまで表示している。
【0029】なお、ゴルフボールの飛行に伴なってゴル
フボールが電波レーダの走査範囲を飛び出すが、制御装
置によりゴルフボールを探知することができる電波レー
ダ中の最も検出力の高い2台の電波レーダからの信号に
自動的に次々と切り換えながら演算し、該演算結果を刻
々と表示する。
【0030】また、同時に3台の電波レーダからの信号
を用いて同様に演算することにより、ゴルフボールの飛
距離だけでなく、ゴルフボールの立体的な位置を刻々と
求めて表示することもでき、より正確なデータをゴルフ
ァに伝達することができる。
【0031】
【実施例】以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明
する。本発明に係る打球追跡表示装置1は、図1から図
4において、複数の電波レーダ2(2A,2B,2C,
2D,2E,2F)と、フィルタ装置3と、制御装置4
と、表示装置5とを備えている。
【0032】電波レーダ2は、異なる周波数の同期した
2つの電波をゴルフボール6に向けて発射し、該ゴルフ
ボール6からの反射波を受信するためのものであって、
ゴルフ場8のゴルフコース9に沿って複数台配置されて
いる。
【0033】電波レーダ2の走査範囲10(図1及び図
3の扇状の破線で示す範囲)は、少なくとも2台の電波
レーダ2が同一範囲を同時に走査できるようにしてゴル
フコース9の全域をカバーするように配置されている。
【0034】電波レーダ2は、筺体2a中に収納された
基本周波数f0 を発振する発振器(図示せず)、該基本
周波数f0 を2つの異なる周波数に変調する変調器(図
示せず)、方向結合器(図示せず)、サーキュレータ
(図示せず)及びアンテナ2bとから構成されており、
発振器で生成された基本周波数f0 を変調器により2つ
の異なる周波数に変調した後、方向結合器、サーキュレ
ータを介してアンテナ2bからゴルフボール6に向けて
発射するようになっている。
【0035】電波レーダ2から発射される電波の周波数
は、例えば10GHz程度の基本周波数の電波を2.5
MHzずつ増加及び減少させて変調した同期した2つの
電波であり、これはゴルフボール6を識別できる3cm
程度の分解能を持つ周波数差(5MHz)から決定され
る値である。
【0036】また、複数の電波レーダ2のうちの1台の
電波レーダ2Aは、ティーグラウンド9aの後方に設置
されており、ゴルファ11がスイングするゴルフクラブ
12のクラブヘッド12aの速度を検出できるように構
成されている。
【0037】フィルタ装置3は、電波レーダ2が受信し
たゴルフボール6からの反射波をフィルタリングして所
定の周波数の電波のみを抽出して他の周波数の電波を除
去し、受信波中のノイズ成分を除去し、信号のS/N比
を向上させるためのものであって、制御装置4内に内蔵
された電子回路として構成されている。
【0038】フィルタ装置3は、連続した複数の周波数
帯域を持ち、受信された電波のフィルタリングに使用さ
れる周波数帯域は、ゴルフボール6の飛行速度に応じて
決められ、次々と周波数帯域を切り換えながら使用され
るようになっており、該切換操作は電子回路により自動
的に切り換えられるようになっている。
【0039】ゴルフボール6の飛行速度に対応する周波
数とは、飛行するゴルフボール6によって反射する電波
が飛行速度によって決まる値だけ周波数シフト(ドップ
ラシフト)するので、該ドップラ周波数近傍の周波数を
用いるのが適当である。
【0040】制御装置4は、ドップラシフトを受けた電
波のドップラ周波数及び受信された2つの電波の位相差
からゴルフボール6の飛行速度及び電波レーダ2からの
距離を演算すると共に、三角測量法によってゴルフボー
ル6の位置を演算し、表示装置5に表示させるためのも
のであって、コンピュータを含む電子回路として構成さ
れ、ゴルフコース9に沿って設置された複数の電波レー
ダ2及び表示装置5と導線13,14により電気的に接
続され、電波レーダ2から導線13を介して信号を受け
取り、演算処理した結果を表示装置5に導線14を介し
て出力するようになっている。
【0041】表示装置5は、ゴルフボール6の飛行速
度、飛行軌跡及び飛距離を表示するためのものであっ
て、図2に示す実施例では、液晶表示装置を用いてゴル
フコース9を表示すると共に、飛行するゴルフボール6
の位置を刻々とゴルフコース9上に表示することにより
飛行軌跡を表示し、また飛行速度及び飛距離は数字で表
示してゴルファ11に知らせるようになっている。
【0042】表示装置5は、ティーグラウンド9aの近
傍に設置しておくことも、またゴルフカート15に設置
してゴルファ11が次のコースに移動しながら確認でき
るようにすることも、更には手持ち型表示装置としてゴ
ルファ11が携帯するようにしてもよい。手持ち型表示
装置とするには、制御装置4との電気的接続を導線14
によらず、電波で接続する必要がある。
【0043】本発明は、上記のように構成されており、
以下その作用について説明する。図5から図8におい
て、先ずFM−CW電波レーダの作動原理について説明
すると、図5において、電波レーダ2から中心周波数f
0 (例えば10GHz)の電波を互いに近い周波数を持
つ2つの同期した電波f1 ,f2 に変調し、時間τごと
に切り換えながらアンテナ2bから発射する。
【0044】発射された電波は、ゴルフボール6等の対
象物で反射され、電波レーダ2によって受信されるが、
該反射波はゴルフボール6の飛行速度及び電波レーダ2
からの距離に比例して図6に示す如く周波数及び位相が
変化した信号f3,f4 として受信される。
【0045】即ち、周波数f1 ,f2 の電波は、周波数
がfd だけ変位する(ドップラ周波数)と共に、位相差
Δφだけずれた信号として受信される。ドップラ周波数
d とゴルフボール6の飛行速度Vとの間には、数式1
に示す関係が成立し、また電波レーダ2とゴルフボール
6との距離Rとの間には数式2に示す関係が成立するこ
とが知られている。
【0046】
【数1】
【0047】
【数2】 従って、受信した信号のドップラ周波数fd と2つの受
信信号f3 及びf4 の位相差Δφを求めることにより、
そのときのゴルフボール6の飛行速度V及び距離Rを演
算により知ることができる。
【0048】本発明の打球追跡表示装置1は、上述した
FM−CW電波レーダを応用してゴルフボール6を検知
するようにしたものであり、図3において、ゴルファ1
1がティーグラウンド9aに設置されている表示装置5
のリセットボタン(図示せず)を押して前のゴルファ1
1のデータをクリアする。
【0049】図7において、ゴルファ11がゴルフクラ
ブ12を矢印A方向にスイングしてクラブヘッド12a
でゴルフボール6を打球すると、ティーグラウンド9a
の後方に設置されている電波レーダ2Aから発射されて
いる電波がクラブヘッド12aで反射して電波レーダ2
Aで受信され、前述したFM−CW電波レーダの作動原
理によりクラブヘッド12aの速度V1 が演算により求
められる。
【0050】ゴルフボール6の初速度V2 は、クラブヘ
ッド12aの速度V1 に比例することは知られており、
その間には数式3に示す関係が成立し、制御装置4は数
式3からゴルフボール6の初速度V2 を演算して求めて
推定する。
【0051】
【数3】 図3において、飛行するゴルフボール6は、電波レーダ
2A及び2Bで捕捉され、該ゴルフボール6からの反射
波が電波レーダ2A及び2Bで受信されるが、受信信号
15は、ゴルフボール6以外からも反射するので、図8
に示す如く、不必要な信号がノイズとして重畳したもの
となっている。
【0052】ゴルフボール6の初速度V2 は、クラブヘ
ッド12aの速度V1 から推定されているので、速度V
2 で飛行するゴルフボール6の反射波が持つドップラ周
波数fB 近傍の周波数のフィルタ16を用いて図8の受
信信号15をフィルタリングしてフィルタ16の周波数
帯域以外のノイズを除去することにより、図9に示すゴ
ルフボール6からの反射信号18だけを抽出して高S/
N比の受信信号とする。
【0053】上記の如く、ノイズの除去された信号はF
M−CW電波レーダの原理に従ってドップラ周波数fd
及び位相差Δφからゴルフボール6の飛行速度V3 及び
電波レーダ2からゴルフボール6までの飛距離R1 が求
められる。
【0054】図3において、2つの電波レーダ2A,2
B間の距離Rcは分かっているので、2つの電波レーダ
2A,2Bからゴルフボール6までの距離Ra,Rbが
測定されると三角形の3辺が決定され、三角測量法の原
理によりゴルフボール6の位置が制御装置4で演算され
される。
【0055】演算により求められたその時点のゴルフボ
ール6の飛行速度V3 、飛距離R1 及び位置は、表示装
置5に導線14を介して出力されて表示される。
【0056】制御装置4はまた、測定されたゴルフボー
ル6の飛行速度V3 から単位時間後のゴルフボール6の
飛行速度V4 を物理法則により演算して推定する。この
とき、風向、風速をゴルフコース9に設置したセンサ
(図示せず)で検出して考慮するようになっているの
で、精度の高い飛行速度V4 を推定することができる。
【0057】そして、単位時間後に電波レーダ2がゴル
フボール6からの反射波を受信し、上述したと全く同様
にしてドップラ周波数fd 及び位相差Δφからその時点
のゴルフボール6の飛行速度V4 、各電波レーダ2から
の距離R2 を演算し、更に三角測量法にからゴルフボー
ル6の位置を求め、表示装置5に導線14を介して出力
して表示する。
【0058】上記した操作をゴルフボール6が停止する
まで繰り返し行い、刻々とゴルフボール6の飛行速度
V、飛距離R及び位置を演算して表示して、従来困難で
あったスライス、フック等のゴルフボール6の飛行軌跡
も目視して確認することができる。
【0059】なお、電波レーダ2の測定可能範囲は使用
する電波の周波数差によって限定されているので、ゴル
フボール6の飛行に伴なってゴルフコース9に沿って設
置されている電波レーダ2の中から次々と最も感度の高
い電波レーダ2に切り換え、該電波レーダ2からの受信
信号を用いて演算することにより正確なデータを得るこ
とができる。
【0060】表示装置5の表示は、次のゴルファ11が
表示装置5のボタンを押してリセットするまで表示する
ようになっており、表示内容をゆっくりと解析して次の
プレーの参考とすることができる。
【0061】なお、上記実施例においては、ゴルフボー
ルとして説明したが、ゴルフボールに限定されるもので
はなく、移動するボールであればどのようなものでもよ
く、例えば野球ボール、サッカーボール等であってもよ
い 。
【0062】
【発明の効果】本発明は、上記のように少なくとも2台
の電波レーダにより同一空間にあるボールを同時に走査
可能な如く電波レーダを設置し、該2台の電波レーダで
検出したボールからの反射波を速度に応じて予め定めら
れた周波数のフィルタに次々と切り換えながらフィルタ
リングするようにしたので、検出信号のS/N比を大き
くして検出精度を向上させ、ボールの飛行速度及び飛距
離を正確に演算できるという効果がある。
【0063】また上記構成により2台の電波レーダから
ボールまでの距離を正確に演算するようにしたので、三
角測量法に基いて該ボールの位置を知ることができ、ま
たボールの位置を刻々と表示するようにしたので、ボー
ルの飛行軌跡を知ることができるという効果がある。
【0064】更には、2台の電波レーダを同一空間にあ
るボールを同時に走査可能な如く設置し、夫々の電波レ
ーダから周波数の異なる2つの同期した電波を発射して
ボールからの反射波を受信するようにしたので、該受信
信号のドップラ周波数及び2つの受信信号の位相差から
ボールの飛行速度及び飛距離を演算できることとなり、
また2台の電波レーダからボールまでの距離から三角測
量法に基いて該ボールの位置を演算により知ることがで
きる効果がある。
【0065】またFM−CW電波レーダ装置によりボー
ルの飛行速度、飛距離及び位置を演算すると共に、演算
結果を表示する表示装置を備えたので、該ボールの飛行
速度、飛距離及び位置を刻々と表示できるという効果が
ある。
【0066】更には、ボールの単位時間後の飛行速度を
予測し、フィルタの周波数を該予測飛行速度に応じて予
め定められた周波数に次々と切り換えながら電波レーダ
で受信したボールからの反射波をフィルタリング処理し
てドップラ周波数及び反射波の位相差を高精度に検出す
るようにしたので、高S/N比の検出信号を得ることが
でき、またこの結果ボールの飛行速度及び飛距離を精度
よく演算できるという効果が得られる。
【0067】またゴルフコースにFM−CW電波レーダ
装置を設置して打たれた後のゴルフボールを追跡するよ
うにしたので、コンパクトな装置で広大なゴルフ場のど
の位置にあるゴルフボールをも検知できるという効果が
あり、またこの結果ゴルフボールをさがす時間を短縮で
きるという効果がある。
【0068】更には、上記構成により、ゴルフボールを
目視により確認することが困難な雨中又は霧等の発生し
た場合でも容易にゴルフボールの飛行状態を確認できる
という効果がある。
【0069】また同一空間を少なくとも2台の電波レー
ダで同時に走査可能となるようにゴルフコースに沿って
多数の電波レーダを設置し、該電波レーダの各々から周
波数の異なる2つの同期した電波を発射してゴルフボー
ルからの反射波を受信し、該反射波のドップラ周波数及
び位相差を検出するようにしたので、飛行するゴルフボ
ールの実際の飛行速度、飛距離及び飛行軌跡を演算し、
表示装置に表示して知ることができ、またこの結果ゴル
ファに直ちに打球した後のゴルフボールのデータを知ら
せることができるという画期的な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】打球追跡表示装置が設置されたゴルフ場の部分
斜視図である。
【図2】表示装置の斜視図である。
【図3】ゴルフボールを検知し、表示装置に表示する状
態を示すブロック図である。
【図4】打球追跡表示装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】基本周波数の電波が同期した2つの周波数の電
波に変調された状態を示す波形図である。
【図6】ゴルフボールで反射した電波の波形を示す波形
図である。
【図7】ゴルフクラブで打球されるゴルフボールの状態
を示す平面図である。
【図8】電波レーダの受信波をフィルタにかける状態を
示す波形図である。
【図9】フィルタリングされてゴルフボールからの信号
だけが抽出された波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 打球追跡表示装置 2 電波レーダ 2A 電波レーダ 2B 電波レーダ 2C 電波レーダ 2D 電波レーダ 2E 電波レーダ 2F 電波レーダ 3 フィルタ装置 4 制御装置 5 表示装置 6 ゴルフボール 9 ゴルフコース 9a ティーグラウンド f1 電波 f2 電波 f3 反射波 f4 反射波 fd ドップラ周波数 Δφ 位相差 V 飛行速度 R 飛距離

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波を送受信し少なくとも2台の装置に
    より同一空間を同時に走査可能に設置された複数の電波
    レーダと、前記空間を通過するボールからの反射波を受
    信し該ボールの速度に応じて予め定められた周波数のフ
    ィルタを次々と切り換えながら前記受信信号をフィルタ
    リングして高S/N比の検出信号を出力するフィルタ装
    置と、少なくとも2台の前記電波レーダの前記検出信号
    を解析して前記ボールまでの距離及び飛行速度を演算す
    る制御装置とを備えたことを特徴とする打球追跡表示装
    置。
  2. 【請求項2】 電波を送受信し少なくとも2台の装置に
    より同一空間を同時に走査可能に設置された複数の電波
    レーダと、前記空間を通過するボールからの反射波を受
    信し該ボールの速度に応じて予め定められた周波数のフ
    ィルタを次々と切り換えながら前記受信信号をフィルタ
    リングして高S/N比の検出信号を出力するフィルタ装
    置と、2台の前記電波レーダからの前記検出信号のドッ
    プラ周波数及び2つの同期した前記電波の前記反射波の
    位相差から前記ボールの飛行速度及び距離を演算すると
    共に該演算された2台の前記電波レーダからの距離から
    三角測量法により前記ボールの位置を演算する制御装置
    とを備えたことを特徴とする打球追跡表示装置。
  3. 【請求項3】 電波を送受信し少なくとも2台の装置に
    より同一空間を同時に走査可能に設置された複数の電波
    レーダと、前記空間を通過するボールからの反射波を受
    信し該ボールの速度に応じて予め定められた周波数のフ
    ィルタを次々と切り換えながら前記受信信号をフィルタ
    リングして高S/N比の検出信号を出力するフィルタ装
    置と、2台の前記電波レーダからの前記検出信号のドッ
    プラ周波数及び2つの同期した前記電波の前記反射波の
    位相差から前記ボールの飛行速度及び距離を演算すると
    共に該演算された2台の前記電波レーダからの距離から
    三角測量法により前記ボールの位置を演算する制御装置
    と、前記ボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離を表示
    する表示装置とを備えたことを特徴とする打球追跡表示
    装置。
  4. 【請求項4】 電波を送受信し少なくとも2台の装置に
    より同一空間を同時に走査可能に設置された複数の電波
    レーダと、前記空間を通過するボールからの反射波を受
    信し単位時間後の前記ボールの飛行速度を予測しフィル
    タの周波数を該予測飛行速度に応じて予め定められた周
    波数に次々と切り換えながら前記受信信号をフィルタリ
    ングして高S/N比の検出信号を出力するフィルタ装置
    と、2台の前記電波レーダからの前記検出信号のドップ
    ラ周波数及び2つの同期した前記電波の前記反射波の位
    相差から前記ボールの飛行速度及び距離を演算すると共
    に該演算された2台の前記電波レーダからの距離から三
    角測量法により前記ボールの位置を演算する制御装置
    と、前記ボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離を表示
    する表示装置とを備えたことを特徴とする打球追跡表示
    装置。
  5. 【請求項5】 電波を送受信し少なくとも2台の装置に
    より同一空間を同時に走査可能にゴルフコースに沿って
    設置された複数の電波レーダと、前記空間を通過するゴ
    ルフボールからの反射波を受信し該ゴルフボールの速度
    に応じて予め定められた周波数のフィルタを次々と切り
    換えながら前記受信信号をフィルタリングして高S/N
    比の検出信号を出力するフィルタ装置と、少なくとも2
    台の前記電波レーダの前記検出信号を解析して前記ゴル
    フボールまでの距離、該ゴルフボールの位置及び飛行速
    度を演算する制御装置と、前記ゴルフボールの飛行軌
    跡、飛行速度及び飛距離を表示する表示装置とを備えた
    ことを特徴とする打球追跡表示装置。
  6. 【請求項6】 電波を送受信し少なくとも2台の装置に
    より同一空間を同時に走査可能にゴルフコースに沿って
    設置された複数の電波レーダと、前記空間を通過するゴ
    ルフボールからの反射波を受信し該ゴルフボールの速度
    に応じて予め定められた周波数のフィルタを次々と切り
    換えながら前記受信信号をフィルタリングして高S/N
    比の検出信号を出力するフィルタ装置と、2台の前記電
    波レーダからの前記検出信号のドップラ周波数及び2つ
    の同期した前記電波の前記反射波の位相差から前記ゴル
    フボールの飛行速度及び距離を演算すると共に該演算さ
    れた2台の前記電波レーダからの前記距離から三角測量
    法により前記ゴルフボールの位置を演算する制御装置
    と、前記ゴルフボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離
    を表示する表示装置とを備えたことを特徴とする打球追
    跡表示装置。
  7. 【請求項7】 電波を送受信し少なくとも2台の装置に
    より同一空間を同時に走査可能にゴルフコースに沿って
    設置され1台はティーグラウンドの後方に配置された複
    数の電波レーダと、前記空間を通過するゴルフボールか
    らの反射波を受信し該ゴルフボールの速度に応じて予め
    定められた周波数のフィルタを次々と切り換えながら前
    記受信信号をフィルタリングして高S/N比の検出信号
    を出力するフィルタ装置と、2台の前記電波レーダから
    の前記検出信号のドップラ周波数及び2つの同期した前
    記電波の前記反射波の位相差から前記ゴルフボールの飛
    行速度及び距離を演算すると共に該演算された2台の前
    記電波レーダからの前記距離から三角測量法により前記
    ゴルフボールの位置を演算する制御装置と、前記ゴルフ
    ボールの飛行軌跡、飛行速度及び飛距離を表示する表示
    装置とを備えたことを特徴とする打球追跡表示装置。
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