JPH08264848A - エッジジョセフソン接合素子およびその製造方法 - Google Patents

エッジジョセフソン接合素子およびその製造方法

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JPH08264848A
JPH08264848A JP7207977A JP20797795A JPH08264848A JP H08264848 A JPH08264848 A JP H08264848A JP 7207977 A JP7207977 A JP 7207977A JP 20797795 A JP20797795 A JP 20797795A JP H08264848 A JPH08264848 A JP H08264848A
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thin film
electrode
superconducting thin
superconducting
insulating film
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JP7207977A
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Inventor
Masashi Mukoda
昌志 向田
Shintaro Miyazawa
信太郎 宮澤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基板11上にc−軸配向性を有するYB
2Cu3x薄膜からなる下部電極12、上部電極15
を形成し、下部電極12にステップテラス17、ステッ
プ側面18を形成し、下部電極12のステップテラス1
7、ステップ側面18が形成された部分を含む領域と上
部電極15との間にペロウスカイト構造のPrGaO3
からなるトンネル絶縁膜14を設け、トンネル絶縁膜1
4の膜厚をYBa2Cu3x薄膜のc−軸方向のコヒー
レンス長よりも厚くかつa−軸方向、b−軸方向のコヒ
ーレンス長よりも薄くし、下部電極12、上部電極15
に接続された電極端子16a、16bを設け、電極端子
16aと上部電極15、電極端子16bとを分離する層
間絶縁膜13を設ける。 【効果】 素子特性が良好となり、また超伝導ジョセフ
ソントンネル接合を確実に実現することができ、さらに
高速化が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は超伝導薄膜を用い
たエッジジョセフソン接合素子およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】1986年に発見されたLa2-xxCu
4(M:Sr、Ba、0<x<1)は超伝導転移温度
Cが30〜40Kと従来の金属超伝導体の超伝導転移
温度TCと比較して著しく高いことから、酸化物超伝導
体の探索が進められ、超伝導転移温度TC〜90Kを有
するLnBa2Cu3x系酸化物超伝導体(Ln:Yお
よびランタニド元素)、超伝導転移温度TC〜110K
を有するBiSrCaCuOx系酸化物超伝導体、超伝
導転移温度TC〜120Kを有するTlBaCaCuOx
系酸化物超伝導体、超伝導転移温度TC〜160Kを有
するHgBaCaCuOx系酸化物超伝導体の発見が相
次いだ。これらの新しいいわゆる高温超伝導体の出現と
ともに、電子デバイスの応用に向けて高温超伝導体の研
究が活発化した。
【0003】電子デバイスに超伝導薄膜を用いる場合に
不可欠となる技術が超伝導薄膜/トンネル絶縁膜/超伝
導薄膜の接合作製技術である。酸化物超伝導体の発見当
初、超伝導転移温度TCの高い超伝導薄膜はc−軸配向
性を有していたため、c−軸配向性を有する超伝導薄膜
を用いた積層型ジョセフソン接合素子の作製が多く試み
られた。ところが、c−軸配向性を有する超伝導薄膜を
用いた積層型ジョセフソン接合素子においては2つの問
題点がある。
【0004】まず第1に、c−軸配向性を有する超伝導
薄膜の平坦化には大きな困難が伴う。すなわち、通常一
般的に用いられるスパッタリング法、レーザー蒸着法、
分子線エピタキシ法(MBE法)等の物理蒸着法による
酸化物高温超伝導薄膜の表面はスパイラル成長形態を持
っている。図9は通常の物理蒸着法による酸化物高温超
伝導薄膜の平面模式図、図10は図9のA−A断面図で
ある。図に示すように、基板1上にc−軸配向性を有す
る酸化物高温超伝導薄膜からなる下部電極2を形成した
ときには、超伝導薄膜が螺旋転位10を中心とするスパ
イラル成長し、超伝導薄膜にステップテラス7が形成さ
れ、ステップ側面8の高さは超伝導薄膜がYBa2Cu3
x薄膜の場合には12Å(c−軸長)の整数倍とな
る。このことはネイチャー(Ch. Geeber et al., Natur
e, 350 (1991) 279)等で明らかである。このため、超
伝導薄膜は成長するに従い螺旋転位10に起因するスパ
イラル成長が顕在化して、超伝導薄膜の表面は数百Å台
の大きな凹凸ができる。
【0005】第2に、YBa2Cu3x系酸化物高温超
伝導体、BiSrCaCuOx系酸化物高温超伝導体等
の酸化物高温超伝導体は異方性があり、c−軸方向のコ
ヒーレンス長ξc(〜2Å)はa−軸方向、b−軸方向
のコヒーレンス長ξa、ξb(〜20Å)に対して短いか
ら、トンネル絶縁膜を薄くする必要がある。このため、
YBa2Cu3x薄膜については超伝導接合を目指し
て、コヒーレンス長の点から有利なa−軸配向性を有す
る超伝導薄膜が作製されてきた。しかし、a−軸配向性
を有する超伝導薄膜は超伝導特性が劣るため、素子特性
が劣るという欠点がある。
【0006】このため、超伝導性に優れるc−軸配向性
を有する超伝導薄膜の一部をエッチングし、a−軸方
向、b−軸方向の露出した部分を用いるエッジ接合を有
するジョセフソン接合素子が考えられている。
【0007】図11はこのようなジョセフソン接合素子
を示す概略断面図である。図に示すように、基板1上に
c−軸配向性を有する超伝導薄膜たとえばc−軸配向性
を有するYBa2Cu3x薄膜からなる下部電極2、上
部電極5が形成され、下部電極2と上部電極5との間に
ジョセフソン接合となるトンネル絶縁膜4が設けられ、
下部電極2、上部電極5に接続された電極端子6a、6
bが設けられ、下部電極2、電極端子6aと上部電極5
とを分離する層間絶縁膜3が設けられている。
【0008】つぎに、図11に示したジョセフソン接合
素子の製造方法について説明する。まず、基板1上にc
−軸配向性を有する超伝導薄膜、絶縁膜を蒸着する。つ
ぎに、この蒸着膜の一部をマスクで覆い、たとえば40
°で斜めイオンミリングし、下部電極2のエッジ部分を
形成する。つぎに、絶縁膜を蒸着してトンネル絶縁膜4
を形成し、c−軸配向性を有する超伝導薄膜を蒸着して
上部電極5を形成する。つぎに、下部電極2上の絶縁膜
の一部をイオンミリングにより除去し、電極端子6aと
なる部分を除いて絶縁層上にさらに絶縁層を蒸着により
形成する。つぎに、蒸着により電極端子6a、6bを設
ける。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図11に示し
たジョセフソン接合素子においては、斜めイオンミリン
グにより下部電極2のエッジ部分を形成する際に、下部
電極2の接合部が加速されたイオンの照射を受け、ダメ
ージ部分9が生じ、下部電極2の界面部分の超伝導が劣
化し、超伝導ジョセフソントンネル接合とならないこと
がある。
【0010】この発明は上述の課題を解決するためにな
されたもので、素子特性が良好であり、また超伝導ジョ
セフソントンネル接合を確実に実現することができるエ
ッジジョセフソン接合素子、その製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明においては、超伝導薄膜を用いたエッジジ
ョセフソン接合素子において、c−軸配向性を有し、螺
旋転位を有する第1の超伝導薄膜からなる第1の電極の
ステップ側面に上記第1の超伝導薄膜のc−軸方向のコ
ヒーレンス長よりも厚くかつa−軸方向、b−軸方向の
コヒーレンス長よりも薄いトンネル絶縁膜を形成し、上
記トンネル絶縁膜にc−軸配向性を有する第2の超伝導
薄膜からなる第2の電極を形成する。
【0012】また、超伝導薄膜を用いたエッジジョセフ
ソン接合素子において、c−軸配向性を有し、ステップ
フロー成長によるステップ側面を有する第1の超伝導薄
膜からなる第1の電極の上記ステップ側面に、上記第1
の超伝導薄膜のc−軸方向のコヒーレンス長よりも厚く
かつa−軸方向、b−軸方向のコヒーレンス長よりも薄
いトンネル絶縁膜を形成し、上記トンネル絶縁膜にc−
軸配向性を有する第2の超伝導薄膜からなる第2の電極
を形成する。
【0013】これらの場合、上記トンネル絶縁膜をペロ
ウスカイト構造とする。
【0014】また、基板上にc−軸配向性を有し、ステ
ップ側面を有する第1の超伝導薄膜を形成する工程と、
上記第1の超伝導薄膜上に上記第1の超伝導薄膜のc−
軸方向のコヒーレンス長よりも厚くかつa−軸方向、b
−軸方向のコヒーレンス長よりも薄いトンネル絶縁膜を
形成する工程と、上記第1の超伝導薄膜の上記ステップ
側面上に形成された上記トンネル絶縁膜にc−軸配向性
を有する第2の超伝導薄膜を形成する工程とを行なう。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明に係る螺旋転位エ
ッジジョセフソン接合素子を示す概略断面図、図2は図
1に示した螺旋転位エッジジョセフソン接合素子の一部
を示す断面図である。図に示すように、基板11上にc
−軸配向性を有し、螺旋転位を有する第1の超伝導薄膜
であるYBa2Cu3x薄膜からなる下部電極12、c
−軸配向性を有する第2の超伝導薄膜であるYBa2
3x薄膜からなる上部電極15が形成され、下部電極
12にステップテラス17、ステップ側面18が形成さ
れ、下部電極12のステップテラス17、ステップ側面
18が形成された部分を含む領域と上部電極15との間
にジョセフソン接合となるトンネル絶縁膜14が設けら
れ、トンネル絶縁膜14は酸化物高温超伝導体の基本結
晶構造と類似のペロウスカイト構造のPrGaO3から
なり、トンネル絶縁膜14の膜厚はYBa2Cu3x
膜のc−軸方向のコヒーレンス長ξcよりも厚くかつa
−軸方向、b−軸方向のコヒーレンス長ξa、ξbよりも
薄い。また、下部電極12、上部電極15に接続された
電極端子16a、16bが設けられ、電極端子16aと
上部電極15、電極端子16bとを分離する層間絶縁膜
13が設けられている。
【0016】この螺旋転位エッジジョセフソン接合素子
においては、下部電極12、上部電極15の電極端子1
6a、16bのそれぞれにバイアス電流、電圧測定の端
子を接続し、電流を注入すると、たとえば上部電極15
に電流が流れ込み、トンネル絶縁膜14をトンネルし、
下部電極12に至る。このとき、ステップ側面18では
トンネル絶縁膜14の膜厚よりもコヒーレンス長ξa
ξbの方が大きいから、超伝導電流は矢印Aの方向に電
気抵抗なく流れる。また、ステップテラス17の面では
トンネル絶縁膜14の膜厚よりもコヒーレンス長ξc
方が小さいから、超伝導電流は矢印Bの方向には流れな
い。
【0017】つぎに、図1、図2に示した螺旋転位エッ
ジジョセフソン接合素子の製造方法すなわちこの発明に
係る製造方法について説明する。まず、基板11上にc
−軸配向性を有するYBa2Cu3x薄膜からなる下部
電極12を液層エピタキシャル法により形成する。この
場合、上述したように、c−軸配向性を有するYBa2
Cu3x薄膜は螺旋転位を中心としてスパイラル成長す
るから、広いステップテラス17と高さが大きいステッ
プ側面18とが形成される。つぎに、ステップテラス1
7の上面、ステップ側面18を含む領域にペロウスカイ
ト構造のPrGaO3からなるトンネル絶縁膜14をス
パッタリング法により形成する。つぎに、全面にc−軸
配向性を有するYBa2Cu3x薄膜をスパッタリング
法により形成する。この場合、このYBa2Cu3x
膜の厚さをステップ側面18の高さよりも大きくする。
つぎに、ステップ側面18部以外のYBa2Cu3x
膜をエッチングして、上部電極15を形成し、トンネル
絶縁膜14の電極端子16aが設けられる部分にコンタ
クトホールを設ける。つぎに、YBa2Cu3x薄膜を
エッチングした部分の電極端子16aが設けられる部分
を除いた部分に層間絶縁膜13を埋め込む。つぎに、蒸
着により電極端子16a、16bを設ける。
【0018】このような螺旋転位エッジジョセフソン接
合素子、その製造方法においては、下部電極12、上部
電極15をc−軸配向性を有するYBa2Cu3x薄膜
で構成しているから、下部電極12、上部電極15の超
伝導特性が良好であるので、素子特性が良好である。ま
た、斜めイオンミリングを行なわないから、下部電極1
2の界面部分の超伝導が劣化することがないので、超伝
導ジョセフソントンネル接合を確実に実現することがで
きる。また、ジョセフソン接合面はステップ側面18の
みとなるから、微小エッジ接合が実現できるので、ジョ
セフソン接合への電荷蓄積量、時間が少なくて済むた
め、高速化が実現できる。また、トンネル絶縁膜14を
ペロウスカイト構造としているから、トンネル絶縁膜1
4の表面濡れ性が良好であるので、素子特性が良好であ
る。また、下部電極12を液層エピタキシャル法により
形成しているから、ステップテラス17の幅、ステップ
側面18の高さを大きくすることができる。また、トン
ネル絶縁膜14をスパッタリング法により形成している
から、回り込みが大きいので、ステップ側面18にもト
ンネル絶縁膜14を形成することができる。
【0019】図3はこの発明に係る他の螺旋転位エッジ
ジョセフソン接合素子の一部を示す断面図である。図に
示すように、上部電極15が覆う領域に2つのステップ
側面18が存在する。
【0020】この螺旋転位エッジジョセフソン接合素子
においては、図4に示すように、2つのジョセフソン接
合19が並列に形成されるから、超伝導量子干渉計(S
QUID)としての検出感度を向上することができる。
【0021】図5はこの発明に係る他のエッジジョセフ
ソン接合素子を示す概略断面図である。図に示すよう
に、基板21上にc−軸配向性を有する第1、第2の超
伝導薄膜であるc−軸配向性を有するYBa2Cu3x
薄膜からなる下部電極22、上部電極25が形成され、
下部電極22にステップテラス27、ステップ側面28
が形成され、下部電極22のステップテラス27、ステ
ップ側面28が形成された部分を含む領域と上部電極2
5との間にジョセフソン接合となるトンネル絶縁膜24
が設けられ、トンネル絶縁膜24は酸化物高温超伝導体
の基本結晶構造と類似のペロウスカイト構造のPrGa
3からなり、トンネル絶縁膜24の膜厚はYBa2Cu
3x薄膜のc−軸方向のコヒーレンス長ξcよりも厚く
かつa−軸方向、b−軸方向のコヒーレンス長ξa、ξb
よりも薄い。また、下部電極22、上部電極25に接続
された電極端子26a、26bが設けられ、電極端子2
6aと上部電極25、電極端子26bとを分離する層間
絶縁膜23が設けられている。
【0022】このエッジジョセフソン接合素子において
は、下部電極22、上部電極25の電極端子26a、2
6bのそれぞれにバイアス電流、電圧測定の端子を接続
し、電流を注入すると、たとえば上部電極25に電流が
流れ込み、トンネル絶縁膜24をトンネルし、下部電極
22に至る。このとき、ステップ側面28ではトンネル
絶縁膜24の膜厚よりもコヒーレンス長ξa、ξbの方が
大きいから、超伝導電流は電気抵抗なく流れる。また、
ステップテラス27の面ではトンネル絶縁膜24の膜厚
よりもコヒーレンス長ξcの方が小さいから、超伝導電
流は流れない。
【0023】つぎに、図5に示したエッジジョセフソン
接合素子の製造方法すなわちこの発明に係る製造方法に
ついて説明する。まず、図6に示すように、基板21の
一部を基板21に接触しないマスク29で覆い、スパッ
タリング法により基板21上にc−軸配向性を有するY
Ba2Cu3x薄膜からなる下部電極22を成長させ
る。この場合、c−軸配向性を有するYBa2Cu3x
薄膜はステップフロー成長するから、マスク29で覆わ
れた領域ではマスク29によって覆われていないところ
からYBa2Cu3x薄膜の成長核がマイグレートして
くるので、マスク29によって覆われた基板21面上に
は広いステップテラス27と高さが大きいステップ側面
28とが形成される。つぎに、図7に示すように、マス
ク29を除去したのち、ステップテラス27、ステップ
側面28が形成された部分を含む領域にペロウスカイト
構造のPrGaO3からなるトンネル絶縁膜24をスパ
ッタリング法により形成する。つぎに、全面に上部電極
25となるc−軸配向性を有するYBa2Cu3x薄膜
をスパッタリング法により形成する。この場合、このc
−軸配向性を有するYBa2Cu3x薄膜の厚さをステ
ップ側面28の高さよりも大きくする。つぎに、ステッ
プテラス27、ステップ側面28が形成された領域およ
び下部電極22が存在しない領域をレジスト30によっ
て覆う。つぎに、レジスト30で覆われていない部分の
YBa2Cu3x薄膜をたとえば希硝酸でエッチング
し、トンネル絶縁膜24の電極端子26aが設けられる
部分にコンタクトホールを設ける。つぎに、電極端子2
6a、26bとなる部分を除いて全面に層間絶縁層23
を蒸着により形成する。つぎに、蒸着により電極端子2
6a、26bを設ける。
【0024】このようなエッジジョセフソン接合素子、
その製造方法においても、下部電極22、上部電極25
の超伝導特性が良好であるから、素子特性が良好であ
り、また下部電極22の界面部分の超伝導が劣化するこ
とがないから、超伝導ジョセフソントンネル接合を確実
に実現することができ、さらに微小エッジ接合が実現で
きるから、ジョセフソン接合への電荷蓄積量、時間が少
なくて済むので、高速化が実現できる。
【0025】図8はこの発明に係る他のエッジジョセフ
ソン接合素子を示す概略断面図である。図に示すよう
に、上面が微傾斜した基板31上に下部電極22、上部
電極25が形成され、下部電極22と上部電極25との
間にトンネル絶縁膜24が設けられている。
【0026】このエッジジョセフソン接合素子において
は、基板31の傾斜方向と接合部の傾斜方向とが反対方
向であるから、ステップフロー成長時のバンチングが強
調されるので、ステップ側面28の高さを大きくするこ
とができる。このため、基板31内における接合部の占
有面積を小さくすることができるから、高集積化に有利
である。
【0027】なお、上述実施の形態においては、第1、
第2の超伝導薄膜としてYBa2Cu3x薄膜を用いた
が、第1、第2の超伝導薄膜として他のLnBa2Cu3
x系酸化物超伝導体薄膜、BiSrCaCuOx系酸化
物超伝導体薄膜、TlBaCaCuOx系酸化物超伝導
体薄膜、HgBaCaCuOx系酸化物超伝導体薄膜を
用いてもよい。また、上述実施の形態においては、トン
ネル絶縁膜14、24をペロウスカイト構造のPrGa
3で構成したが、トンネル絶縁膜を他の材料で構成し
てもよいが、表面濡れ性が良好な絶縁膜を用いるのが望
ましい。また、上述実施の形態においては、トンネル絶
縁膜14、24をスパッタリング法により形成したが、
レーザー蒸着法、分子線エピタキシ法等によりトンネル
絶縁膜を形成してもよく、分子線エピタキシ法のように
回り込みが小さいときには、トンネル絶縁膜形成時に基
板を傾けるとともに回転させるのが望ましい。また、図
1に示した螺旋転位エッジジョセフソン接合素子におい
ては、下部電極12を液層エピタキシャル法により形成
したが、他の方法により第1の電極を形成してもよく、
ステップテラスの幅、ステップ側面の高さを大きくする
ことができる方法を用いるのが望ましい。また、図1、
図3に示した螺旋転位エッジジョセフソン接合素子にお
いては、ジョセフソン接合数が1つ、2つの場合につい
て説明したが、ジョセフソン接合数を3つ以上にしても
よい。また、図5、図8に示したエッジジョセフソン接
合素子においては、下部電極22をスパッタリング法に
より形成したが、レーザ蒸着法、MBE等の方法により
第1の電極を形成してもよい。また、図5に示したエッ
ジジョセフソン接合素子においては、c−軸配向性を有
するYBa2Cu3x薄膜をエッチングし、トンネル絶
縁膜24の電極端子26aが設けられる部分にコンタク
トホールを設けたのち、層間絶縁層23を形成したが、
c−軸配向性を有するYBa2Cu3x薄膜をエッチン
グし、層間絶縁層23を形成したのち、トンネル絶縁膜
24の電極端子26aが設けられる部分にコンタクトホ
ールを設けてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るエ
ッジジョセフソン接合素子、その製造方法においては、
第1、第2の電極をc−軸配向性を有する第1、第2の
超伝導薄膜で構成しているから、第1、第2の電極の超
伝導特性が良好であるので、素子特性が良好であり、ま
た斜めイオンミリングを行なわないから、第1の電極の
界面部分の超伝導が劣化することがないので、超伝導ジ
ョセフソントンネル接合を確実に実現することができ、
さらにジョセフソン接合面はステップ側面のみとなるか
ら、微小エッジ接合が実現できるので、ジョセフソン接
合への電荷蓄積量、時間が少なくて済むため、高速化が
実現できる。
【0029】また、トンネル絶縁膜をペロウスカイト構
造としたときには、トンネル絶縁膜の表面濡れ性が良好
であるため、素子特性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る螺旋転位エッジジョセフソン接
合素子を示す概略断面図である。
【図2】図1に示した螺旋転位エッジジョセフソン接合
素子の一部を示す断面図である。
【図3】この発明に係る他の螺旋転位エッジジョセフソ
ン接合素子の一部を示す断面図である。
【図4】図3に示した螺旋転位エッジジョセフソン接合
素子の電気回路図である。
【図5】この発明に係る他のエッジジョセフソン接合素
子を示す概略断面図である。
【図6】図5に示したエッジジョセフソン接合素子の製
造方法の説明図である。
【図7】図5に示したエッジジョセフソン接合素子の製
造方法の説明図である。
【図8】この発明に係る他のエッジジョセフソン接合素
子を示す概略断面図である。
【図9】通常の物理蒸着法による酸化物高温超伝導薄膜
の平面模式図である。
【図10】図9のA−A断面図である。
【図11】従来のジョセフソン接合素子を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
10…螺旋転位 11…基板 12…下部電極 14…トンネル絶縁膜 15…上部電極 18…ステップ側面 21…基板 22…下部電極 24…トンネル絶縁膜 25…上部電極 28…ステップ側面 31…基板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超伝導薄膜を用いたエッジジョセフソン接
    合素子において、c−軸配向性を有し、螺旋転位を有す
    る第1の超伝導薄膜からなる第1の電極のステップ側面
    に、上記第1の超伝導薄膜のc−軸方向のコヒーレンス
    長よりも厚くかつa−軸方向、b−軸方向のコヒーレン
    ス長よりも薄いトンネル絶縁膜を形成し、上記トンネル
    絶縁膜にc−軸配向性を有する第2の超伝導薄膜からな
    る第2の電極を形成したことを特徴とするエッジジョセ
    フソン接合素子。
  2. 【請求項2】超伝導薄膜を用いたエッジジョセフソン接
    合素子において、c−軸配向性を有し、ステップフロー
    成長によるステップ側面を有する第1の超伝導薄膜から
    なる第1の電極の上記ステップ側面に、上記第1の超伝
    導薄膜のc−軸方向のコヒーレンス長よりも厚くかつa
    −軸方向、b−軸方向のコヒーレンス長よりも薄いトン
    ネル絶縁膜を形成し、上記トンネル絶縁膜にc−軸配向
    性を有する第2の超伝導薄膜からなる第2の電極を形成
    したことを特徴とするエッジジョセフソン接合素子。
  3. 【請求項3】上記トンネル絶縁膜がペロウスカイト構造
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のエッ
    ジジョセフソン接合素子。
  4. 【請求項4】基板上にc−軸配向性を有し、ステップ側
    面を有する第1の超伝導薄膜を形成する工程と、上記第
    1の超伝導薄膜上に上記第1の超伝導薄膜のc−軸方向
    のコヒーレンス長よりも厚くかつa−軸方向、b−軸方
    向のコヒーレンス長よりも薄いトンネル絶縁膜を形成す
    る工程と、上記第1の超伝導薄膜の上記ステップ側面上
    に形成された上記トンネル絶縁膜にc−軸配向性を有す
    る第2の超伝導薄膜を形成する工程とを具備することを
    特徴とするエッジジョセフソン接合素子の製造方法。
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