JPH0826105B2 - 低比重で耐衝撃性の優れた光学材料、該光学材料を用いた光学成形体およびそれらの製法 - Google Patents

低比重で耐衝撃性の優れた光学材料、該光学材料を用いた光学成形体およびそれらの製法

Info

Publication number
JPH0826105B2
JPH0826105B2 JP2319108A JP31910890A JPH0826105B2 JP H0826105 B2 JPH0826105 B2 JP H0826105B2 JP 2319108 A JP2319108 A JP 2319108A JP 31910890 A JP31910890 A JP 31910890A JP H0826105 B2 JPH0826105 B2 JP H0826105B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
polymerizable
group
optical
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2319108A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04126710A (ja
Inventor
立人 松田
保明 船江
政弘 吉田
哲也 山本
学 竹村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2319108A priority Critical patent/JPH0826105B2/ja
Publication of JPH04126710A publication Critical patent/JPH04126710A/ja
Publication of JPH0826105B2 publication Critical patent/JPH0826105B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れると共に
低比重で軽量であり、しかも高屈折率の成形体を与える
光学材料、および該光学材料を用いた光学成形体、並び
にそれらの製造方法に関するものである。本発明の光学
成形体は光学機器や眼鏡等に用いられる各種レンズの
他、プリズム、光導波路、ディスク基盤等として有用で
ある。
[従来の技術] レンズ、プリズム、光導波路、ディスク基盤のような
光学部材等を製造するために使用される材料は無色透明
であることが必要であるが、更に軽量性、耐衝撃性、成
形加工性、染色性等が良好であるという理由から透明合
成樹脂の無機光学材料に替わる素材として注目されてい
る。
光学材料として用いられる透明合成樹脂には、上記の
他種々の特性が要求されるが、中でも屈折率は極めて重
要である。例えばレンズの場合を例にとると、高屈折率
の透明合成樹脂を使用すれば、低屈折率の材料を用いる
ときに比べて同一焦点距離を得るためのレンズ厚さを薄
くすることが可能である為、光学集成体中におけるレン
ズの占有空間を縮小することができ、光学装置を軽量小
型化する利点が生じる。また透明合成樹脂はガラス等の
無機光学材料に比べて優れた衝撃強度を有しているの
で、耐久性においても優れたものと言える。
ところでプラスチックレンズ等の光学材料として用い
られている樹脂としては、ジエチレングリコールビスア
リルカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポ
リカーボネート等が一般に知られているが、ジエチレン
グリコールビスアリルカーボネート樹脂及びポリメチル
メタクリレートは屈折率が1.49〜1.50と小さいため、こ
れらの樹脂をプラスチックレンズ等に成形すると、無機
光学ガラスレンズに比較して中心厚、コバ厚及び曲率が
大きくなるという欠点があった。また、ポリカーボネー
トは屈折率が1.58〜1.59と高いが、成形時に複屈折が生
じ易く、光学的均一性において欠点があった。更に、ポ
リメチルメタクリレートやポリカーボネートは、非架橋
構造の熱可塑性樹脂であるために切削加工や玉摺加工時
に樹脂が融着し、このような加工が必要とされる分野、
例えば精密光学機器用レンズ、光学素子や眼鏡レンズ材
料としては好ましいものとは言えない。
上記のごとき熱可塑性樹脂の欠点を改善するために、
架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレートを併
用して架橋構造の樹脂とする方法も知られている(特開
昭49-64691号)が、この架橋構造の樹脂は耐衝撃性が悪
い。
また、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ートを用いて架橋構造の樹脂を製造する方法(特開昭63
-291841号)もあるが、この樹脂材料は金属酸化物の水
和物を分散して硬化させたものであって透明性が悪いた
め光学材料としては実用できない。
また特開昭62-34102号には、高屈折率成分として芳香
環がハロゲンで置換されたスチレン誘導体を用いたもの
が開示されているが、ハロゲン置換スチレン誘導体を使
用すると光学材料としたときの比重が大きくなり、しか
も耐候性が悪くなるという欠点がある。
また、前記欠点を改善するために、高屈折率の樹脂を
用いた眼鏡用プラスチックレンズ等の光学材料,光学成
形体が開発されている。そして高屈折率樹脂を用いてプ
ラスチックレンズ等の光学成形体を製造するに当たって
は、塩素や臭素原子のようなハロゲン原子;ウレタン等
の窒素原子含有成分;チオール等の硫黄原子含有成分;
あるいは芳香環等を分子中に有する重合性成分、たとえ
ばビニルモノマー,プレポリマーもしくは(重)縮合型
モノマーを、成形用型に注入して重合を行なう注型重合
法が採用されている。
しかし、上記の重合性成分を注型重合して高屈折率の
光学成形体を製造する方法は、アリルカーボネート等を
素材として使用する場合に比べて成形歩留まりが悪い。
一般に上記の様な重合性成分はアリルカーボネートに比
べて重合の制御が難しく、光学成形体に歪が残ったり、
モールドとの密着性が不十分で型から剥れてしまうとい
う難点がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の様な従来技術の問題点に着目してなさ
れたものであって、その目的は、透明性、耐熱性、耐衝
撃性に優れると共に低比重で軽量であり、しかも高屈折
率で光学特性の優れた新規な光学材料を提供しようとす
るものである。本発明の他の目的は上記の光学材料より
なる透明性、耐熱性、耐衝撃性及び光学特性の優れた光
学成形体を提供しようとするものである。本発明の更に
他の目的は、上記の光学材料および光学成形体を効率良
く製造することのできる方法を提供しようとするもので
ある。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決することのできた本発明の光学材料
は、 (A)下記一般式(A)で示される2官能(メタ)アク
リレートの1種または2種以上:30〜80重量% (B)芳香族ビニル単量体の1種または2種以上:20〜7
0重量% (C)重合性2重結合を有する分子量98以上の重合性単
量体もしくは重合性オリゴマーの1種または2種以上:0
〜50重量% と、下記成分(D)または(E)とからなる重合性単量
体混合物をラジカル共重合することによって得られる。
一般式 [式中、R1,R2およびR3は夫々独立にHまたはCH3を表
わし、nは3〜18の整数である]。
(D)分子中に、アルコキシシリル基、エポキシ基、ア
ルコール性水酸基、カルボキシル基よりなる群から選択
される少なくとも1種の官能基とラジカル重合性2重結
合を有する重合性単量体もしくは重合性オリゴマーの1
種または2種以上:上記成分(A),(B),(C)の
総和100重量部に対して0.0001〜30重量部 (E)分子中にアルコキシシリル基、エポキシ基、アル
コール性水酸基、カルボキシル基の少なくとも1種を有
し、重合性2重結合を有しない化合物の1種もしくは2
種以上:上記成分(A),(B),(C)の総和100重
量部に対し0.0001〜30重量部 また本発明の光学成形体は、上記成分(A),
(B),および(C)よりなる重合性単量体混合物をラ
ジカル重合開始剤と共に型内へ入れ、あるいは上記成分
(A),(B),(C)を上記成分(D)または(E)
及びラジカル重合開始剤と共に型内に入れ、20〜60℃で
重合を開始し、8〜48時間かけて90〜140℃まで徐々に
昇温して重合し硬化させることによって得ることができ
る。
[作用] 本発明で用いられる成分(A)としては、前記一般式
(A)で示されるものであれば特に制限されず、例え
ば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノ
ナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げ
ることができ、これらの1種または2種以上を用いるこ
とができる。
この成分(A)は、光学材料に架橋構造を付与して耐
熱性を高め、切削加工や玉摺加工時に融着や目詰まりを
起こしたり、加工工具に樹脂材料が付着するのを防止
し、更には得られる光学成形体に優れた耐衝撃性を付与
するために用いられるものであり、このような特徴を発
現させるためには、前記一般式(A)におけるnが3〜
18のものを使用しなければならない。nが3未満のもの
では耐衝撃性付与効果が不十分であり、一方18を超える
ものでは耐熱性を十分に高めることができない。
またこの成分(A)を2種以上m個併用する場合、そ
れらの下記数式で定義される「モル平均(N)」は3.2
〜10の範囲のものが好ましい。
Nが3.2未満のものでは十分な耐衝撃性が得られ難
く、一方、10を超えるものでは耐熱性改善効果が不十分
になる。
この成分(A)は、成分(A),(B),(C)の全
量に占める量で30〜80重量%の割合で使用される。30重
量%未満では得られる光学材料の架橋密度が小さくなっ
て耐熱性や切削加工性、玉摺加工性、耐衝撃性等の向上
に対する効果が不十分となり、一方80重量%を超える量
では、得られる光学材料の屈折率が小さくなったり、重
合硬化物が柔らかくなって形状保持性が悪くなる。成分
(A)のより好ましい配合量は35〜70重量%の範囲であ
る。
本発明で用いられる成分(B)としては、スチレンお
よび各種スチレン誘導体が挙げられるが、低比重であり
優れた耐候性の光学材料を得るにはハロゲン置換してい
ないスチレン誘導体が望ましく、好ましいものとしては
スチレン、α‐メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が
挙げられる。中でも特に好ましいのは、スチレン、α‐
メチルスチレンである。
該成分(B)は、得られる光学材料および光学成形体
に高屈折率を付与する機能を果たすものであり、その効
果を有効に発現させるためには、成分(B)を成分
(A),(B),(C)の全量に占める量で20〜70重量
%の範囲で使用しなければならない。20重量%未満では
得られる光学材料の屈折率変化に及ぼす寄与が小さく、
一方70重量%を超えると前記成分(A)の使用量が前記
規定量に達し得なくなって、得られる光学成形体の架橋
密度が小さくなり、耐熱性や切削加工性、玉摺加工性、
耐衝撃性等の向上に対する効果を確保できなくなる。成
分(B)のより好ましい配合量は、25〜60重量%の範囲
である。
本発明に係る光学材料および光学成形体の原料となる
重合性単量体成分は、上記成分(A)及び成分(B)、
あるいはこれらと後述する成分(D)または(E)から
なるもであるが、さらに他の物性を付与する目的で他の
成分(C)を共重合成分として用いることも有効であ
る。使用できる他の成分(C)としては、前記成分
(A),(B)あるいは後述する成分(D)または
(E)とラジカル共重合可能で且つ分子量が98以上のも
のであれば特に制限されず、成分(A),(B)あるい
は後述する成分(D)または(E)に該当しない単官能
基モノマー、多官能性モノマーのほかオリゴマーと総称
される重合性高分子が使用できる。このような成分
(C)の具体例としては、例えば、メチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、4-t-ブチルシクロヘキシルメタクリレート、2,3-
ジブロモプロピルメタクリレート、フェニル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-メタク
リロイルオキシメチルチオフェン、3-メタクリロイルオ
キシメチルチオフェン、2-(2-メタクリロイルオキシエ
チル)チオフェン、2-トリシクロ[5.2.1.02,6]‐3-デ
セニルオキシエチルメタクリレート、メチル‐2-クロロ
アクリレート、メチル‐2-ブロモアクリレート、シクロ
ヘキシル‐2-クロロアクリレート、シクロヘキシル‐2-
ブロモアクリレート、2-トリシクロ[5.2.1.02,6]‐3-
デセニルオキシエチル‐2-クロロアクリレート等の単官
能(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の
多官能(メタ)アクリレート;安息香酸(メタ)アリ
ル、フタル酸ジ(メタ)アリル、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート、2,2-ビス(4-アリルオキシカ
ルボニルオキシエトキシ‐3,5-ジブロモフェニル)プロ
パン、2,2-ビス(4-アリルオキシ‐3,5-ジブロモフェニ
ル)プロパン等の(メタ)アリルエステル、アリルカー
ボネート、アリルエーテル類;エポキシ(メタ)アクリ
レート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート等の反応性オリゴマー類を挙げる
ことができる。中でも、共重合性や得られる光学材料の
均質性、耐熱性等を考慮すると(メタ)アクリレート系
の単量体が好ましい。
本発明において、上記重合性単量体(C)は、得られ
る光学材料に対し、必要により上で述べた以外の種々の
特性を付加するために使用されるものであるが、本発明
の特徴を損なわない為に、その使用量には限界があり、
成分(A),(B),(C)の全量中に占める量で50重
量%以下に抑えるべきである。本発明においては上記成
分(C)の少なくとも1つとして、溶解度パラメータ
(SP値;Solbility Paramater)が8.0〜9.3(cal/cm3)1/2
である単官能重合性単量体を使用することにより、得ら
れる光学材料の均質性が向上するので好ましく、その使
用量は成分(A),(B),(C)の全量中に占める量
で5〜30重量%の範囲である。
上記成分(C)のうち単官能(メタ)アクリレート類
は、得られる光学材料の屈折率、耐熱性、成形加工性等
を任意に調節する上で前記成分(A)及び前記成分
(B)を補う作用がある。また多官能(メタ)アクリレ
ート類は、得られる光学材料の耐熱性を更に上げる作用
がある反面、耐衝撃性を低下させる。従って該成分
(C)として多官能(メタ)アクリレート類を使用する
ときは、得られる光学材料の綜合物性を考慮し、成分
(A),(B),(C)の全量中に占める量で0.1〜50
重量%、より好ましくは5〜35重量%の範囲で使用する
のがよい。
尚本発明においては、上記成分(C)の少なくとも1
つとして、下記式の要件を満たす多官能(メタ)アクリ
レートを使用することにより、重合硬化物の架橋密度が
増大し耐熱性の一段と優れた光学材料が得られるので好
ましい。しかし多過ぎると硬質化しすぎて耐衝撃性が悪
くなるので、その使用量は成分(A),(B),(C)
の全量中に占める量で30重量%程度以下に抑えるのがよ
い。
85≦MW/r≦128 式中MWは多官能(メタ)アクリレートの分子量 rは多官能(メタ)アクリレート中の重合性官能基の数 また、成分(C)として上記多官能(メタ)アクリレ
ート類を使用するときにおける前記成分(A),成分
(B)および多官能(メタ)アクリレート以外の成分
(C)の好ましい使用量は、成分(A),(B),
(C)の全量に占める量で夫々30〜75重量%、20〜65重
量%および0〜20重量%の範囲である。
また、(メタ)アリルエステル、アリルカーボネー
ト、アリルエーテル類は、重合性単量体混合物の重合反
応性を抑制する上で有用であり、特に注型重合において
は生産歩留りを上げる効果があり、成分(A),
(B),(C)の全量中に占める量で0.1〜30重量%、
更に好ましくは0.5〜20重量%含有させることによって
その効果が有効に発揮される。更に成分(C)のうちポ
リエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)ア
クリレート等の反応性オリゴマー類は、重合時の収縮率
を緩和する効果があり、注型重合における生産歩留りを
高めるのに有効であり、成分(A ),(B),(C)
の全量中に占める量で1〜35重量%、更に好ましくは5
〜30重量%の量で使用することによってその効果が有効
に発揮される。
尚、この成分(C)としてアクリロニトリルやメタク
リロニトリルを使用することも考えられるが、これらは
分子量が98未満であって沸点が低く、後述する様な注型
重合時に沸騰して光学材料内に空孔欠陥を生ずる恐れが
あるので、本発明では分子量が98未満であるものは使用
すべきでない。
本発明の光学材料は、前述の成分(A)および成分
(B)、更に成分(D)または(E)を必須成分とし、
更に必要により前記成分(C)を含む重合性単量体混合
物をラジカル重合することにより得られるものである。
そして上記特定の組成の重合性単量体混合物に重合開
始剤を加えて注型重合すると、重合と共に型内で硬化し
て光学成形体が得られる。
ところで一般に、ビニル系単量体を含む単量体成分の
重合は、アリル系化合物を重合する場合に比較して重合
制御が難しい。これは重合による発熱が大きいためで、
重合が短時間に進みすぎ、レンズ等としての光学物性を
満足し得なくなることがあるからであり、殊に重合時の
内部歪およびレンズ等のモールド成形面からの剥れによ
る転写不完全に起因する問題が生じ易いからである。
ところが、前記成分(A),(B)あるいはこれらと
成分(C)に加えて、分子中にアルコキシシリル基、エ
ポキシ基、アルコール性水酸基およびカルボキシル基の
少なくとも1つと重合性2重結合を有する重合性単量体
(D)[以下、アルコキシシリル基を有する重合性単量
体を成分(DS)、エポキシ基を有する重合性単量体を成
分(DE)、アルコール性水酸基を有する重合性単量体を
成分(DA)、カルボキシル基を有する重合性単量体を成
分(DC)と表わすことがある]を、前記成分(A),
(B),(C)の総和100重量部に対して0.0001〜30重
量部使用すると、モールドと光学成形体の間の密着力が
向上し、光学成形体の成形精度を高めると共に成形歩留
りを向上させることができる。特にアルコキシシリル基
を有する成分(DS)は、ガラス製のモールドを用いた時
に上記の効果が顕著に発揮され、少量の添加でモールド
と光学材料の密着性を向上させることができる。
ここで使用されるアルコキシシリル基を有する成分
(DS)としては、一般にシランカップリング剤として知
られたもののうちラジカル重合性2重結合を分子中に有
するものを総称するものであり、たとえば3-メタクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の重合性シ
ランカップリング剤を挙げることができる。
該アルコキシシリル基を有する成分(DS)は、前記成
分(A),(B),(C)の総和100重量部に対し0.000
1重量部以上使用することによって有効に発揮される
が、使用量が多過ぎると光学材料のモールドに対する密
着力が強くなりすぎて離型が困難になるので、0.5重量
部以下に抑えるのがよい。アルコキシシリル基を有する
成分(DS)のより好ましい使用量は0.001〜0.2重量部の
範囲である。
また分子中にエポキシ基を有する成分(DE)としては
グリシジル(メタ)アクリレートが代表的なものとして
例示される。該エポキシ基を有する成分(DE)は、前記
成分(A),(B),(C)の総和100重量部に対して
0.1重量部以上配合することによってその効果が有効に
発揮されるが、多過ぎると光学材料のモールドに対する
密着力が強くなりすぎて離型が困難になるので、20重量
部以下に抑えるのがよい。該成分(DE)のより好ましい
配合量は1〜10重量部である。
また分子中にアルコール性水酸基を有する成分(DA
としては、分子中にアルコール性水酸基と重合性2重結
合例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル
基等を有しているものであり、特に2級または3級アル
コール性水酸基を有する重合性単量体が好ましい。
具体例を挙げると、アリルアルコール、2-ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロー
ルプロパンジアリルエーテルのような1級アルコール性
水酸基を有する重合性単量体や;2-ヒドロキシプロパン
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレート、3-クロロ‐2-ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、2-ヒドロキシ‐3-フェノキシプロピル
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ‐3-(メタ)アク
リロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,2-ビ
ス(2-ヒドロキシ‐3-(メタ)アクリロイルオキシプロ
ポキシ)エタン、1,2-ビス(2-ヒドロキシ‐3-(メタ)
アクリロイルオキシプロポキシ)プロパン、1,3-ビス
(2-ヒドロキシ‐3-(メタ)アクリロイルオキシプロポ
キシ)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ‐3-(メ
タ)アクリロイルオキシプロポキシ)‐3,5-ジブロモフ
ェニル]プロパンのような2級および3級アルコール性
水酸基を有する重合性単量体や;2,3-ジヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレートのような1級および2,3級ア
ルコール性水酸基を有する重合性単量体を挙げることが
できる。
これらのアルコール性水酸基を有する成分(DA)の効
果は、前記成分(A),(B),(C)の総和100重量
部に対して0.1重量部以上配合することによって有効に
発揮されるが、多過ぎると成形体とモールドとの密着力
が強くなりすぎて離型が困難になるので、20重量部以下
に抑えるのがよい。該成分(DA)のより好ましい配合量
は1〜10重量部である。
次に分子内にカルボキシル基を有する成分(DC)とし
ては、分子内にカルボキシル基と共に重合性2重結合例
えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基等
を有しているものが挙げられ、具体例としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、ケイ皮
酸、イタコン酸、メタコン酸、シトラコン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等を挙げること
ができる。
これらカルボキシル基を有する成分(DC)の効果は、
前記成分(A),(B),(C)の総和100重量部に対
し0.1重量部以上配合することによって有効に発揮され
るが、多過ぎると成形体とモールドの密着力が強くなり
すぎて離型が困難になるので、10重量部以下に抑えるべ
きである。該成分(DC)のより好ましい配合量は0.5〜
8重量部の範囲である。
上記の様に本発明では、前記成分(A),(B),
(C)と共に、アルコキシシリル基を有する重合性単量
体(DS)、エポキシ基を有する重合性単量体(DE)、ア
ルコール性水酸基を有する重合性単量体(DA)またはカ
ルボキシル基を有する重合性単量体(DC)を使用するこ
とによって、成形体とモールドの密着性を高めて成形精
度を高めることができる。
また本発明においては上記成分(DS),(DE),
(DA),(DC)に代わるモールドとの密着性改善成分と
して、分子中にアルコキシシリル基、エポキシ基、アル
コール性水酸基またはカルボキシル基を有し且つ重合性
2重結合を有しない化合物(E)[以下、アルコキシシ
リル基を有する化合物を成分(ES)、エポキシ基を有す
る化合物を成分(EE)、アルコール性水酸基を有する化
合物を成分(EA)、カルボキシル基を有する化合物を成
分(EC)と表わすことがある]の少なくとも1種を配合
した場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
この様な効果を有する化合物の具体例としては、 アルコキシシリル基を有する成分(ES)として、3-グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロ
プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルト
リメトキシシラン等の非重合性シランカップリング剤; エポキシ基を有する成分(EE)として、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、2,2-ビス(4-グリシドキシシクロヘ
キシル)プロパン、2,2-ビス(4-グリシドキシフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス[4-(グリシドキシプロポキ
シ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[3,5-ジブロモ‐4-
(2-グリシドキシプロポキシ)フェニル]プロパン等、 アルコール性水酸基を有する成分(EA)として、オク
タノール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコー
ル、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、シクロ
ヘキシルアルコール、4-t-ブチルシクロヘキシルアルコ
ール、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニ
ルプロパン等、 カルボキシル基を有する成分(EC)として、吉草酸、
カプロン酸、エナント酸、ウンデカン酸、アジピン酸、
安息香酸、フタル酸等、 が夫々好ましいものとして挙げられる。
尚これらアルコキシシリル基、エポキシ基、アルコー
ル性水酸基またはカルボキシル基を有する各成分
(ES),(EE),(EA)および(EC)の好ましい使用量
は、前記成分(DS),(DE),(DA)および(DC)の好
ましい使用量として定めた範囲およびその設定理由と夫
々同じである。
本発明に係る光学材料を得るための原料成分は以上の
通りであるが、必要によっては更に他の成分としてイソ
シアネート系化合物等の密着性向上助剤を併用したり、
他の公知の添加剤、たとえば紫外線吸収剤、酸化防止
剤、防滴剤、着色剤、離型剤等を適量添加することもで
きる。
本発明の光学材料および光学成形体は、前記成分
(A)及び成分(B)を必須成分とし、必要により成分
(C)を含む重合性単量体混合物、あるいは更に必要に
より分子中にアルコキシシリル基、エポキシ基、アルコ
ール性水酸基またはカルボキシル基を有する前記成分
(DS),(DE),(DA)または(DC)、もしくは成分
(ES),(EE),(EA)または(EC)を配合した混合物
を、ラジカル重合開始剤の存在下で反応させることによ
って得られるものである。ラジカル重合の方法は特に制
限されることなく従来から周知の方法を採用できるが、
その具体例としては例えば、 上記混合物をラジカル重合開始剤の存在下に加熱重
合する方法、 上記混合物を光増感剤の存在下に紫外線重合する方
法、 上記混合物を電子線重合する方法、 等を挙げることができる。
の方法は最も一般的な方法であり、装置も簡便である
上に、ラジカル重合開始剤も比較的安価である。
の方法による場合は、硬化速度が速く、重合時間を短
くすることができる。
の方法では、ラジカル重合開始剤や光増感剤の不存在
下でも重合できるので、高屈折率樹脂中への不純物の混
入を少なくすることもできる。
の方法の具体例としては、例えば塊状重合、溶液重
合、懸濁重合等の方法を挙げることができる。これらの
方法のうち、レンズ等の光学成形体を製造する際におい
ては、重合と同時に所望の形状に整えることのできる注
型重合法が好ましく、たとえばラジカル重合開始剤を加
えた前述の重合性単量体混合物をガラス製のモールドに
注入して昇温し、重合させる方法が挙げられる。この場
合、重合時の内部歪によって硬化物がモールドの内面か
ら剥れて光学面の転写が不完全になるのを防止しつつ、
光学的に均一な光学成形体を得るためには、モールドの
注入後20〜60℃で重合を開始し、8〜48時間かけて90〜
140℃まで徐々に昇温させて重合反応を進めるのがよ
い。特に重合性単量体混合物がゲル化するまでの温度を
70℃以下の低温に抑え、重合反応をゆっくり進めると、
重合時の内部歪が抑えられ、モールド面からの剥離が防
止されて光学面の転写はより完全となり、且つ光学的均
一性の高い成形体を得ることができる。
上記の様に、重合開始温度や重合温度、重合時間の特
定された型内重合法を採用すれば、光学成形体を構成す
る単量体成分として前記成分(A),(B),(C)と
成分(D)または(E)を用いた場合はもとより、成分
(A),(B),(C)を使用した場合でも、それなり
に優れた特性の光学成形体を得ることができる。
この様に70℃程度以下の温度でゲル化を生じさせるた
めには、使用するラジカル重合開始剤の少なくとも1種
として“10時間半減期温度が70℃未満”の開始剤を選ぶ
ことが望まれる。この様な選択基準にかなう低温分解性
のラジカル重合開始剤の具体例としては、t-ブチルパー
オキシネオデカネート、t-ヘキシルパーオキシネオヘキ
サネート、t-ブチルパーオキシピバレート、3,5,5-トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド等の過酸化物系重合開始剤、および2,2′‐ア
ゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2′‐アゾ
ビス(イソブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2-メ
チルブチロニトリル)等のアゾ化合物系重合開始剤等が
好ましいものとして挙げられる。尚化合物自体は70℃以
上で分解するものであっても、還元剤や分解促進剤との
併用によって実質的に70℃未満で分解するものも同様に
好ましいラジカル重合開始剤として使用することができ
る。
また注型重合終了時点での残存モノマー量を極力低減
させるためには、重合末期の温度を90〜140℃とし、且
つラジカル重合開始剤の少なくとも1種として“10時間
半減期温度が70℃超”の開始剤を併用することが望まれ
る。この様な高温分解性のラジカル重合開始剤として
は、たとえば、t-ブチルパーオキシ‐2-エチルヘキサネ
ート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)‐3,3,5-トリメ
チルシクロヘキサン、t-ブチルパーオキシラウレート、
t-ブチルパーオキシアリルカーボネート等の過酸化物系
重合開始剤、および1,1′‐アゾビス(シクロヘキサン
‐1-カルボニトリル)、1-[(1-シアノ‐1-メチルエチ
ル)アゾ]ホルムアミド等のアゾ化合物系重合開始剤が
挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は、通常重合性単量体混
合物に対し0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%
の範囲で使用される。
ところで注型重合により光学成形体を製造するための
具体的方法としてはオールキャスト法、セミフィニッシ
ュ法等公知の方法を採用することができるが、好ましい
方法を例示すると次の通りである。
即ち、ガラスもしくは金属製のモールドと樹脂製ガス
ケットあるいは粘着剤付テープとで構成されたキャビテ
ィー内に、前述の原料成分とラジカル重合開始剤の混合
物(以下、原料混合物という)を注入し、必要によりバ
ネ付のクリップ等で固定した後、前述の条件を満たす様
に加熱・昇温することによって重合を行なう。樹脂製ガ
スケットあるいは粘着剤付テープの材質は、注液時にキ
ャビティーの形状を保持するに足りる剛性を有するもの
であれば、特に制限されないが、重合の進行に伴なって
生ずる収縮によって応力や歪が生ずるのを緩和するうえ
では、弾性質の素材を使用するのが好ましい。
樹脂製ガスケットと呼ばれるスペーサー材料として
は、低密度ポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニル、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン‐エチルアクリレー
ト共重合体、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエス
テル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の合
成樹脂材が好ましいものとして例示される。
本発明においては、前述の如く重合性単量体成分の1
つとして芳香族ビニル単量体(B)が使用されるが、該
芳香族ビニル単量体(B)は、ガスケットを構成する樹
脂中に含まれる可塑剤や低分子量成分を加熱重合時に溶
出せしめ、光学成形体を白濁させたり、あるいはガスケ
ットが膨潤して原料混合物の一部が漏れ出し、光学成形
体に形状欠陥を生じさせるといった問題が生じてくる。
従って注型重合を行なうに当たっては、原料混合物を注
入するに先立ってモールドの内面(成形面)を飽和炭化
水素、ハロゲン化炭化水素、ジメチホルムアミド等の有
機溶剤によって洗浄し、モールド内面のごみやほこり等
を除去すると共に、成形面近傍の可塑剤や低分子量成分
を予め除去しておくのが良い。尚洗浄法としては超音波
洗浄法が最も効果的である。またモールド内面に熱可塑
性ポリアミド等の被膜を形成しておき、モールド構成材
からの可塑材や低分子量成分の溶出を防止することも可
能である。
かくして得られる光学成形体は、透明度が高く且つ優
れた耐熱性や耐衝撃性を有し、しかも低比重で高屈折率
の成形体であり、光学機器や眼鏡等に用いられる各種レ
ンズやプリズム、高導波路、ディスク基盤等として有用
である。
[実施例] 次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚下
記の実施例では光学成形体としてプラスチックレンズを
選択した。
また下記実施例における物性評価の方法は次の通りで
ある。
(外観) 注型重合により得た厚さ1.5mmのシート状重合物もし
くはプラスチックレンズの色相、透明性、光学的面状態
を目視観察し、無色透明で面状態の良いものを「良好」
と表示した。それ以外のものについては、その状態を記
述した。「面状態不良」とあるのは、重合体(成形体)
がモールドの成形面から剥離し、レンズ面の転写が不完
全なものとなったものを示す。
(屈折率およびAbbe数) JIS K7105に準じてAbbeの屈折計を用いて測定した。
(全光線透過率) 注型重合により得た厚さ1.5mmのシート状重合物につ
いて濁度計を用いて測定した。
(歩留まり) レンズ20枚中、光学的面状態の良いものの割合を示し
た。
(切削加工性) 玉摺り機によってレンズのコバ部を研磨し、その状態
を観察した。割れ、ヒビ、融着等が全く見られないもの
を○で示した。
(耐熱性) レンズを所定温度の熱風乾燥器中に2時間入れ、その
際のソリ等の変形の有無を観察した。全く変形の認めら
れなかったものを○印で示した。
(耐衝撃性) ASTM F659に準じて評価した。即ち、中心厚Tc(mm)
のレンズにW(g)の硬球をH(cm)の高さより落下さ
せ、レンズの割れないものを(W×H)/Tcとして表示
した。またこのときの衝撃エネルギーを位置エネルギー
で算出し併せて表示した。また「FDA不合格」とあるの
は、ASTM F659に準じて16.2gの鋼球を127cmの高さから
落下させたとき、レンズが割れたものを示す。
実施例1 テトラエチレングリコールジメタクリレート40重量
部、ノナエチレングリコールジメタクリレート10重量
部、スチレン50重量部からなる重合性単量体混合物に2,
2′‐アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトル)0.1重量部
を加えた原料混合物を、2枚のガラス板とシリコンラバ
ー製のガスケットからなるモールド中に注入し、50℃で
6時間保持し、次いで、110℃まで16時間かけて昇温し
重合した。更に110℃で2時間保持し後重合した。得ら
れた平板状の光学材料は無色透明であった。この光学材
料の諸物性を第2表(1)に示した。
実施例2〜20および比較例1〜4 第1表(1)〜(3)に示した組成の重合性単量体混
合物を用い、実施例1と同じ操作をくり返して平板状の
光学材料を得た。これら光学材料の諸物性を第2表
(1)〜(3)に示した。
実施例21 テトラエチレングリコールジメタクリレート50重量
部、スチレン50重量部、エポキシエステル(共栄社油脂
社製商品名“200PA")3重量部からなる重合性単量体混
合物に2,2′‐アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトル)
0.1重合部と、2,2-ビス(4-グリシドキシフェニル)プ
ロパン2重量部を加えた原料混合物を用い、実施例1と
同じ操作をくり返して平板状の光学材料を得た。これら
光学材料の諸物性を第2表(3)に併せて示した。
実施例22 テトラエチレングリコールジメタクリレート40重量
部、スチレン50重量部、ノナエチレングリコールジメタ
クリレート10重量部、メタクリル酸5重量部からなる重
合性単量体混合物にラウロイルパーオキサイド0.2重量
部とt-ブチルパーオキシ‐2-エチルヘキサノエート0.1
重量部を加えた原料混合物を、内径75mmで度数が−3.00
Dのレンズが得られるように設計されたガラス型と、中
心厚が1.5mmとなるように設計され、且つアルコール可
溶性ポリアミド(BASF社製商品名“ウルトラアミド1
C")で内面を被覆したポリオレフィンエラストマー(三
井石油化学社製商品名“ミラストマー”)からなるガス
ケットで作られたモールドのキャビティー内に注入し
た。
これを恒温槽中、50℃で4時間保った後、15時間かけ
て120℃まで徐々に昇温し、更に120℃で30分間保持する
ことにより注型重合を行った。次いで、ガラス型とガス
ケットを重合生成物から脱離することにより直径75mmで
度数−3.00Dのプラスチックレンズを得た。得られたプ
ラスチックレンズの光学的面状態は良好であり、レンズ
としての諸物性は第4表(1)に示した様に優れたもの
であった。
実施例23〜36 第3表(1),(2)に示した組成の重合性単量体混
合物、重合開始剤および下記ガスケットを用い、実施例
22と同じ操作をくり返してプラスチックレンズを得た。
得られたプラスチックレンズの諸物性は第4表(1),
(2)に示したように優れたものであった。
ガスケットA:アルコール可溶性ポリアミド(“ウルトラ
アミド1C";BASF社製)で内面を被覆したポリオレフィン
エラストマー(“ミラストマー";三井石油化学社製)ガ
スケット。
ガスケットB:アルコール可溶性ポリアミド(“ウルトラ
アミド1C";BASF社製)で内面を被覆したエチレン‐酢酸
ビニル共重合体製ガスケット。
ガスケットC:n-ヘプタン中で5分間超音波洗浄した低密
度ポリエチレン(“エクセレン":住友化学社製)ガスケ
ット。
ガスケットD:未処理のエチレン‐酢酸ビニル共重合体製
ガスケット。
比較例5〜9 第3表(1),(2)に示した組成の重合性単量体混
合物、重合開始剤およびガスケットを用い、実施例22と
同じ操作をくり返して比較用レンズを得た。この比較用
レンズの諸物性は第4表(1),(2)に示す通りであ
り、レンズとして要求される物性を満足していなかっ
た。
下記第1表(1)〜(3)、第2表(1)〜(3)、
第3表(1),(2)および第4表(1),(2)に示
した化合物の略号は以下の通りである。
(A):2官能(メタ)アクリレート(A) (B):芳香族ビニル単量体(B) (C):(A),(B)以外の重合性単量体(C) (DC):分子中にカルボキシル基と重合性2重結合を有
する重合性単量体 (DS):分子中にアルコキシシリル基と重合性2重結合
を有する重合性単量体 (DE):分子中にエポキシ基と重合性2重結合を有する
重合性単量体 (DA):分子中にアルコール性水酸基と重合性2重結合
を有する重合性単量体添加剤 (E)分子中にカルボキシル基、アルコキシシリル基、
エポキシ基またはアルコール性水酸基を有し、重合性2
重結合を有しない化合物 EG:エチレングリコールジメタクリレート 3EG:トリエチレングリコールジメタクリレート 4EG:ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート
(新中村化学社製) 4EG′:ポリエチレングリコール#200ジアクリレート
(新中村化学社製) 9EG:ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート
(新中村化学社製) 9PG:ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート
(新中村化学社製) 14EG:ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート
(新中村化学社製) 23EG:ポリエチレングリコール#1000ジメタクリレート
(新中村化学社製) St:スチレン α‐St:α‐メチルスチレン BzMA:ベンジルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート BG:1,3-ブチレングリコールジメタクリレート ADC:ジエチレングリコールビスアリルカーボネート MAA:メタクリル酸 AA:アクリル酸 MOPS-M:3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン CPS-M:3-クロロプロピルトリメトキシシラン GMA:グリシジルメタクリレート GPP:2,2-ビス(4-グリシドキシフェニル)プロパン HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート BPPP:2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシプロポキシ)フェニ
ル]プロパン 40EM:1,2-ビス(2-ヒドロキシ‐3-メタクリロイルオキ
シプロポキシ)エタン(共栄社油脂社製) V65:2,2′‐アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル) V60:2,2′‐アゾビス(イソブチロニトリル) V40:1,1′‐アゾビス(シクロヘキサン‐1-カルボニト
リル) IPP:イソプロピルパーオキシジカーボネート LPO:ラウロイルパーオキサイド BEH:t-ブチルパーオキシ‐2-エチルヘキサノエート [発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、使用する重合性
単量体の種類を特定し、あるいは特定の官能基を有する
化合物を加えてラジカル重合することにより透明性、耐
衝撃性、耐熱性に優れ且つ低比重で高屈折率の光学材料
及びこの光学材料よりなる光学成形体を提供し得ること
になった。そしてこの光学成形体は、眼鏡レンズ、各種
光学機器用レンズ等のレンズ、プリズム、光ファイバ
ー、光導波路、光ディスク等の部材として広く活用し得
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平2 −146166 (32)優先日 平2(1990)6月6日 (33)優先権主張国 日本(JP) 審査前置に係属中 (72)発明者 山本 哲也 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触媒 化学工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 竹村 学 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触媒 化学工業株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−201812(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(A)で示される2官能
    (メタ)アクリレートの1種または2種以上:30〜80重
    量% (B)芳香族ビニル単量体の1種または2種以上:20〜7
    0重量% (C)重合性2重結合を有する分子量98以上の重合性単
    量体もしくは重合性オリゴマーの1種または2種以上:0
    〜50重量% (D)分子中に、アルコキシシリル基、エポキシ基、ア
    ルコール性水酸基、カルボキシル基よりなる群から選択
    される少なくとも1種の官能基とラジカル重合性2重結
    合を有する重合性単量体もしくは重合性オリゴマーの1
    種または2種以上:上記成分(A),(B),(C)の
    総和100重量部に対して0.0001〜30重量部 をラジカル重合して得られる樹脂よりなるものであるこ
    とを特徴とする低比重で耐衝撃性の優れた光学材料。 一般式 (式中、R1、R2およびR3は夫々独立にHまたはCH3を表
    わし、nは3〜18の整数である)
  2. 【請求項2】(A)下記一般式(A)で示される2官能
    (メタ)アクリレートの1種または2種以上:30〜80重
    量% (B)芳香族ビニル単量体の1種または2種以上:20〜7
    0重量% (C)重合性2重結合を有する分子量98以上の重合性単
    量体もしくは重合性オリゴマーの1種または2種以上:0
    〜50重量% を、 (E)分子中にアルコキシシリル基、エポキシ基、アル
    コール性水酸基、カルボキシル基の少なくとも1種を有
    し、重合性2重結合を有しない化合物の1種もしくは2
    種以上:上記成分(A),(B),(C)の総和100重
    量部に対し0.0001〜30重量部 の存在下でラジカル重合して得られる樹脂よりなるもの
    であることを特徴とする低比重で耐衝撃性の優れた光学
    材料。 一般式 (式中、R1、R2、R3およびnは前記と同じ意味)
  3. 【請求項3】請求項(1)または(2)に記載の光学材
    料の成形体からなる光学成形体。
  4. 【請求項4】(A)下記一般式(A)で示される2官能
    (メタ)アクリレートの1種または2種以上:30〜80重
    量% (B)芳香族ビニル単量体の1種または2種以上:20〜7
    0重量% (C)重合性2重結合を有する分子量98以上の重合性単
    量体もしくは重合性オリゴマーの1種または2種以上:0
    〜50重量% よりなる混合物を、ラジカル重合開始剤と共に型内に注
    入し、20〜60℃で重合を開始し、8〜48時間かけて90〜
    140℃まで徐々に昇温して、重合し硬化させることを特
    徴とする光学成形体の製造法。 一般式 (式中、R1、R2、R3およびnは前記と同じ意味)
  5. 【請求項5】(A)下記一般式(A)で示される2官能
    (メタ)アクリレートの1種または2種以上:30〜80重
    量% (B)芳香族ビニル単量体の1種または2種以上:20〜7
    0重量% (C)重合性2重結合を有する分子量98以上の重合性単
    量体もしくは重合性オリゴマーの1種または2種以上:0
    〜50重量% (D)分子中に、アルコキシシリル基、エポキシ基、ア
    ルコール性水酸基、カルボキシル基よりなる群から選択
    される少なくとも1種の官能基とラジカル重合性2重結
    合を有する重合性単量体もしくは重合性オリゴマーの1
    種または2種以上:上記成分(A),(B),(C)の
    総和100重量部に対して0.0001〜30重量部 よりなる混合物を、ラジカル重合開始剤と共に型内に注
    入し、20〜60℃で重合を開始し、8〜48時間かけて90〜
    140℃まで徐々に昇温して重合し硬化させることを特徴
    とする光学成形体の製造法。 一般式 (式中、R1、R2、R3およびnは前記と同じ意味)
  6. 【請求項6】(A)下記一般式(A)で示される2官能
    (メタ)アクリレートの1種または2種以上:30〜80重
    量% (B)芳香族ビニル単量体の1種または2種以上:20〜7
    0重量% (C)重合性2重結合を有する分子量98以上の重合性単
    量体もしくは重合性オリゴマーの1種または2種以上:0
    〜50重量% を、 (E)分子中にアルコキシシリル基、エポキシ基、アル
    コール性水酸基、カルボキシル基の少なくとも1種を有
    し、重合性2重結合を有しない化合物の1種もしくは2
    種以上:上記成分(A),(B),(C)の総和100重
    量部に対し0.0001〜30重量部 およびラジカル重合開始剤と共に型内に注入し、20〜60
    ℃で重合を開始し、8〜48時間かけて90〜140℃まで徐
    々に昇温して重合し硬化させることを特徴とする光学成
    形体の製造法。 一般式 (式中、R1、R2、R3およびnは前記と同じ意味)
JP2319108A 1989-11-22 1990-11-21 低比重で耐衝撃性の優れた光学材料、該光学材料を用いた光学成形体およびそれらの製法 Expired - Lifetime JPH0826105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2319108A JPH0826105B2 (ja) 1989-11-22 1990-11-21 低比重で耐衝撃性の優れた光学材料、該光学材料を用いた光学成形体およびそれらの製法

Applications Claiming Priority (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30209389 1989-11-22
JP30339589 1989-11-24
JP30907989 1989-11-30
JP8481990 1990-04-02
JP14616690 1990-06-06
JP2-146166 1990-06-06
JP2-84819 1990-06-06
JP1-303395 1990-06-06
JP1-309079 1990-06-06
JP1-302093 1990-06-06
JP2319108A JPH0826105B2 (ja) 1989-11-22 1990-11-21 低比重で耐衝撃性の優れた光学材料、該光学材料を用いた光学成形体およびそれらの製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04126710A JPH04126710A (ja) 1992-04-27
JPH0826105B2 true JPH0826105B2 (ja) 1996-03-13

Family

ID=27551629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2319108A Expired - Lifetime JPH0826105B2 (ja) 1989-11-22 1990-11-21 低比重で耐衝撃性の優れた光学材料、該光学材料を用いた光学成形体およびそれらの製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0826105B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5389722A (en) * 1992-06-05 1995-02-14 Nippon Shokubai Co., Ltd. Hydrophilic resin and method for production thereof
JP4162591B2 (ja) * 2001-06-04 2008-10-08 電気化学工業株式会社 光ディスク基板
BRPI0506446A (pt) * 2004-01-08 2006-12-26 Hercules Inc espessante sintético compatìvel colorante para pintura
US20100317766A1 (en) * 2008-01-29 2010-12-16 Hiroaki Ando Optical Composite Material And Optical Device Using the Same
CN115058215B (zh) * 2022-06-28 2024-05-03 万华化学集团股份有限公司 一种高折射光伏组件封装胶膜及其制备方法和用途

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58201812A (ja) * 1982-05-19 1983-11-24 Olympus Optical Co Ltd 透明プラスチツク

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04126710A (ja) 1992-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5132384A (en) Optical material of low specific gravity and excellent impact resistance, optical molding product using the optical material and manufacturing method thereof
KR20090034378A (ko) 광학적 특성이 우수한 경화성 조성물
JPH05287050A (ja) 高屈折率光学材料およびその製造法
JPH0826105B2 (ja) 低比重で耐衝撃性の優れた光学材料、該光学材料を用いた光学成形体およびそれらの製法
JP3556332B2 (ja) プラスチックレンズ成形用組成物及びそれを用いたプラスチックレンズ
US6677420B2 (en) Polymerisable compositions for making transparent polymer substrates, resulting transparent polymer substrates, and uses thereof in optics
JPH05303003A (ja) 光学材料用組成物及び光学材料
US7049381B2 (en) Polymerizable compositions for making transparent polymer substrates, resulting polymer substrates, and uses thereof in optics
JP2707653B2 (ja) 高アッベ数レンズ
JPH11152317A (ja) プラスチックレンズ用組成物
JP4678008B2 (ja) プラスチックレンズ用硬化性組成物
JPH1024097A (ja) 軟質眼用レンズおよびその製法
JPH0228841B2 (ja) Purasuchitsukurenzu
JPH0338561B2 (ja)
JPH04225007A (ja) 高屈折率高強度光学用樹脂
JPH08157540A (ja) 高屈折率レンズ用樹脂の製造法
JPS60258501A (ja) 高屈折率プラスチツクレンズ
JPH08176240A (ja) 透明樹脂、その製造法及びプラスチックレンズ
JP2900597B2 (ja) 光学用樹脂
JPH11174201A (ja) プラスチックレンズ用組成物およびプラスチックレンズ
WO1998020373A1 (en) Uv-cured optical elements
JPH06116337A (ja) 重合性組成物
JPH06184241A (ja) 重合性組成物
JPH065322B2 (ja) 光学材料の製造方法
KR101452440B1 (ko) 열안정성이 우수한 광학 렌즈용 수지 조성물