JPH08260739A - スポーツ施設用膜構造体 - Google Patents

スポーツ施設用膜構造体

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JPH08260739A
JPH08260739A JP6408095A JP6408095A JPH08260739A JP H08260739 A JPH08260739 A JP H08260739A JP 6408095 A JP6408095 A JP 6408095A JP 6408095 A JP6408095 A JP 6408095A JP H08260739 A JPH08260739 A JP H08260739A
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JP
Japan
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membrane structure
sports facilities
sports
facilities according
membrane
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JP6408095A
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Hideyuki Yamamoto
英行 山本
Hiroshi Kawanishi
洋 川西
Akimasa Tomioka
昭匡 富岡
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、夏は涼しく、冬は暖かく、風通しが
良好で、太陽光線を柔らかく透過させ、明るく清潔さに
溢れたスポーツ施設用膜構造体、特に、テニスコートに
好適な施設用膜構造体を提供せんとするものである。 【構成】本発明のスポーツ施設用膜構造体は、本発明の
スポーツ施設用膜構造体は、全光線透過率が14〜70
%の範囲にある膜材と骨組みとからなる構造体であっ
て、かつ、周辺が弧状の開口部を有する膜材で構成され
ていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、風通しがよくて、太陽
光線を柔らかく透過させる明るいスポーツ施設の建築物
の構造体に関するものであり、特に、テニスコート用と
して好適に用いられるスポーツ施設用膜構造体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、テニス等のスポーツを雨天時でも
プレー可能にせしめんとし、テニスコートを覆う建物が
建てられている。とりわけ、膜材よりなる膜構造体は、
軽量な屋根により柱間のスパンを大きく取ることができ
ること、および、施工期間が短いことより、スポーツ施
設とりわけテニス施設としてよく用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の膜材よりなる膜構造体は、曇りの日などは、構造体内
部は暗いため、昼間でも照明が必要であり、さらに、断
熱性能が低いため、夏などでは構造体内部は暑いという
欠点があった。また、この欠点を解消する目的で、壁を
解放とした膜構造体も知られているが、この場合には、
夏は涼しいかわりに冬は寒いという欠点があった。
【0004】本発明の目的は、夏は涼しく、冬は暖か
く、さらに照明が不要で、風通しが良好で、太陽光線を
柔らかく透過させ、明るく清潔さに溢れたスポーツ施設
用膜構造体、特に、テニスコートに好適な施設用膜構造
体を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的を
達成する本発明のスポーツ施設用膜構造体の構成は、次
の通りである。
【0006】すなわち、本発明のスポーツ施設用膜構造
体は、全光線透過率が14〜70%の範囲にある膜材と
骨組みとからなる構造体であって、かつ、周辺が弧状の
開口部を有する膜材で構成されていることを特徴とする
ものである。
【0007】
【作用】本発明に用いる建築用構造材により組み立てら
れた骨組み(枠体)としては、鉄骨よりなるトラス、ラ
チスの他、建築構造用鉄骨、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄
筋コンクリート、集成木材、アルミパイプなどを使用す
ることがでまきる。
【0008】本発明の特徴は、特定な全光線透過率を有
する膜材で、屋根も壁も構成した点にあり、さらには、
該膜材によって構成された壁部に相当する周辺部が、開
口部を有する膜材で構成して、開放した点にある。すな
わち、かかる構成を採用したことによって、風通しが良
好で、太陽光線を柔らかく透過させ、汗臭さの充満しな
い、明るく涼しい清潔さに溢れたスポーツ施設を提供し
得たことにある。
【0009】本発明では、かかる風通しのよい構造体を
複数の弧状構造の骨組みで構成したもので、好ましくは
該弧状骨組みを複数並列に配置した点に特徴を有するも
のであり、かかる構成にしたことにより、周辺に開口部
を有する構造とすることができたものである。
【0010】屋根ならびに壁に用いる膜材としては、全
光線透過率を満足するものであれば、フィルムをはじ
め、織物および編物および不織布などのシート状物に樹
脂をコーティングした複合材を用いることができる。か
かるシート状物を構成する繊維としては、ガラス繊維、
アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維およびポ
リエステル繊維など、好ましくは耐候性に優れた高強
力、耐熱性の繊維が使用される。また、該シート状物に
複合する樹脂としては、たとえばフッ素樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエ
チレンゴムおよびアクリル樹脂など、その他これらに類
するものから選ばれて使用される。かかる樹脂は、上述
シート状物に含浸、コーティングおよびラミネートなど
の方法から選ばれた少なくと1種の方法により複合され
る。これらの複合膜材の中でも、たとたえば、ガラス繊
維織物にフッ素樹脂をコーティングしたもの、ポリエス
テル繊維、ガラス繊維織物に塩ビ樹脂をコーティングし
たものなどの組合せがよい。
【0011】かかる膜材としては、たとえば、熱可塑性
樹脂からなる基材層(A)の表面に熱可塑性樹脂からな
る表皮層(B)が積層されているシートを使用すること
ができる。
【0012】ここでいう熱可塑性樹脂としては、各種添
加剤を配合してなる樹脂であって、たとえばポリオレフ
ィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、さらに
はゴム弾性を有するSBR、NBR、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂などのエラストマーを使用する
ことができる。これらの中でも塩化ビニル系樹脂が代表
的であり、以下これに代表させて説明する。
【0013】ここでいう塩化ビニル系樹脂としては、塩
化ビニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体などであり、これらを単独ある
いは二種以上を混合したものに可塑剤、安定剤、充填
剤、酸化防止剤、耐候剤、防炎剤などの添加剤を混合し
たものを使用することができる。かかる塩化ビニル系樹
脂の平均重合度は600〜3500であり、好ましくは
800〜2500のものを使用する。
【0014】可塑剤としては、一般に使用されているも
のを使用することができるが、例えば、フタル酸エステ
ル系、脂肪族二塩基酸系エステル、エポキシ系、リン酸
エステル系、ポリエステル系、トリメリット酸系などの
他に2−エチルヘキシルピロメリレートなどのピロメリ
ット酸系、ビフェニルテトラカルボン酸エステル系など
を使用することができ、これらを単独あるいは混合した
ものが軟質塩化ビニル樹脂の場合、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し通常30〜10重量部使用される。ま
た、無可塑用として一般に使用されるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、およびこれらに一酸化炭素を導入したELVALO
Y(三井デュポンポリケミカル株式会社製)、塩素化パ
ラフィンなども使用することができ通常塩化ビニル系樹
脂100重量部に対し50〜120重量部使用される。
【0015】かかる熱可塑性樹脂には、安定剤、安定助
剤を配合することができ、例えば、カルシュウム・亜鉛
系、カルシュウム・亜鉛有機複合体系、有機錫ラウレー
ト、有機錫メルカプタイト、有機錫オクチルなどを単独
あるいは混合したものを塩化ビニル系樹脂100重量部
に対し、0.1〜10重量部使用する。また、充填剤も
配合することができ、たとえばシリカ、タルク、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、リン酸カ
ルシウムなどを、単独あるいは混合したものを塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対し、3〜25重量部使用す
る。酸化防止剤を配合する場合は、2、6−ジ−t−ブ
チル−メチルフェノール、ジラウリルチオジプロピオネ
ートなどを塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.
05〜2.5重量部使用する。耐候剤を配合する場合
は、トリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫
外線吸収剤、ハイドロキノン系紫外線吸収剤、サリチル
酸系紫外線吸収剤などを使用することができ、これらを
単独あるいは混合したものを塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して0.25〜3重量部添加して使用すること
ができる。さらに必要ならば、酸化防止剤を塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して0.1〜1重量部添加して
使用することができる。
【0016】また、必要により防炎剤、たとえば三酸化
アンチモン、トリクレジルホスヘートなどを塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して3〜10重量部添加する場
合もある。その他、2、4、5、6−テトラクロロイソ
フタロニトリル、10、10′オキシビスフェノキシア
ルシンなどの防黴剤、フタロシニアンブルー、フタロシ
ニアングレーン、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛
華、カーボンブラックなどの着色剤を塩化ビニル系樹脂
100重量部に対してそれぞれ0.001〜2重量部、
添加する0.001〜1重量部添加してもよい。なお、
ここに例示した対外の化合物も必要に応じて添加しても
さしつかえない。
【0017】かかる熱可塑性樹脂からなる基材層(A)
と表皮層(B)との積層シートにおいて、島津製作所製
の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−200型の三
角錘圧子115°で測定した数値(硬度)が、基材層
(A)の表面に該基材層の樹脂よりも表面硬度の大きい
熱可塑性樹脂表皮層(B)を接合することによって、防
汚性に優れた積層シートを提供することができたもので
ある。
【0018】すなわち、かかる膜材において、該基材層
(A)と表皮層(B)の表面硬度は、基材層(A)が
0.2以下で、表皮層(B)は0.2を越えるものであ
る。基材層(A)は従来の軟質塩化ビニル樹脂であり、
可塑剤として一般的に使用されるジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート(DOP)の例で示すと塩化ビニル系樹脂
100重量部に対し40重量部添加したものは、約0.
2であり、基材層に要求される柔軟性を考慮すると硬度
は0.15以下である。基材層(A)の汚染性に対し、
明らかに防汚性が向上する表皮層(B)の硬度は基材層
(A)より0.2以上、好ましくは0.35以上大きい
ものである。また、表皮層(B)の硬度が0.5以上、
好ましくは0.6以上であると極めて優れた防汚機能を
発揮する。かかる積層シートの可塑剤量は表皮層(B)
が基材層(A)より少ないものであり、例えば、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対する可塑剤の配合量で示す
と、可塑剤が同一の場合、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート(DOP)では、基材層(A)が50重量部の場
合、表皮層(B)は35重量部以下であり、好ましく
は、30重量部以下である。可塑剤がテトラオクチルピ
ロメリメートの場合は、基材層(A)が65重量部の場
合、表皮層(B)は45重量部以下、好ましくは、40
重量部以下である。
【0019】該積層シートの基材層(A)と表皮層
(B)の可塑剤の種類が異なっていてもよい。この場
合、基材層(A)にピロメリット酸エステル系またはト
リメリット酸エステル系またはポリエステル系を使用
し、表皮層(B)にフタル酸エステル系を使用するのが
好ましく、例えば、基材層(A)にテトラオクチルピロ
メリメートを65重量部、表皮層(B)にジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート(DOP)を35重量部以下、好
ましくは30重量部以下とするとシートが使用される温
度、湿度などの環境に左右されにくい、優れた防汚性を
発揮させることができる。可塑剤を使用する限り、基材
層(A)と表皮層(B)間の可塑剤の移行が避けられな
いので、基材層(A)から表皮層(B)への移行をでき
るだけ阻止して、表皮層(B)の硬度を維持することが
重要であり、そのためには上述した可塑剤の種類を変え
ることが有効である。また、可塑化成分としてエチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸アルキル
共重合体、およびこれらに一酸化炭素を導入したELV
ALOY(三井デュポンポリケミカル株式会社製)、塩
素化パラフィンなどの無可塑用高分子を使用すると、可
塑剤の移行を全く心配することがないので極めて安定し
た積層体を形成することができる。例えば、ELVAL
OY−HP533(エチレン−アクリル酸アルキル共重
合体系)を使用した場合、基材層(A)に100重量部
配合した場合は表皮層(B)には70重量部以下、好ま
しくは50重量部以下配合しして形成されてなる積層膜
材は、可塑剤の移行が全くないので、優れた防汚性を維
持できる。かかる膜材において、基材層(A)と表皮層
(B)の塩化ビニル系樹脂の平均重合度が異なるものを
使用し、好ましくは表皮層(B)に高重合度のものを使
用するのが好ましい。かかる構成により、基材層(A)
と表皮層(B)の重合度が同一の場合より表皮層(B)
の硬度を維持しやすいものとなる。重合度差は、好まし
くは500以上、さらに好ましくは800以上である。
該膜材の表皮層(B)の厚さは、5〜300μ、好まし
くは10〜200μ、さらに好ましくは30〜100μ
である。かかる表皮層は、少なくとも1層以上の複数層
で構成されていてもよい。
【0020】かかる膜材において、基材層(A)と表皮
層(B)の接合体で使用されるより、繊維基布で補強さ
れたものとして使用されることが多い。かかる繊維基布
としては、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン等の合
成繊維や、木綿、麻などの天然繊維を単独あるいは混合
した編織物であり、繊維は長繊維でも短繊維でもよい。
【0021】かかる膜材の製造は、繊維基布に基材層
(A)を張合わせた後、表皮層(B)を接合するか、あ
るいは基材層(A)と表皮層(B)を接合したものを繊
維基布に張合わせてもよく特に限定されるものではな
い。該積層体の製造にあたっては、接着剤法、加圧下で
の加熱圧着法、ラミネーター法、エクストルージョンラ
ミネーター法などが使用できるが、これらに限定される
ものではないが、繊維基布に基材層(A)を被覆し、そ
の表面に表皮層(B)をラミネートするのが好ましい。
さらに積層シートの表面を凹凸のある加圧体で処理し、
表面を賦型してもよい。
【0022】本発明のスポーツ施設用膜構造体は、上述
効果を達成するために特定な全光線透過率を有する膜材
で構成される。すなわち、本発明の膜材は、JIS K-7105
に基いて、スガ試験機(株)ヘイズメータを用いた測定
方法にて測定された全光線透過率、すなわち、かかるヘ
イズメータの光源としてハロゲンランプを使用し、平行
光線透過率および拡散光透過率をそれぞれ測定した値の
合計が、14〜70%、好ましくは20〜35%の範囲
にあるものが使用される。14%未満であれば、太陽光
の透過が少なく、曇った日には照明が必要となる欠点が
生じ、70%より大きければ、太陽光の透過が多すぎ、
夏も涼しいという効果を達成できなくなる。特に、球技
施設としては、35%より大きいと、太陽が眩しく感じ
られる。特に、テニスにおいてサーヴを行うにあった
て、トスを上げた球が太陽により眩しく感じられる。
【0023】以上の説明によって明らかのように、本発
明によるスポーツ施設用膜構造体は、テニスコートの上
に建設された場合に最も好ましく、さらに、テニスコー
トの床面は、人工芝であることが好ましい。その理由
は、使用される膜材の全光線透過率は、高めに設定され
ているといえども、天然芝の成長には充分とはいえない
ことにもよる。特に好ましくは、砂入りの人工芝が好ま
しく用いられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0025】実施例1 図1に示すスポーツ施設用膜構造体を建造した。
【0026】骨組みとして、鉄骨のトラス構造を選び、
アーチ型の形状とした。アーチ型の屋根部分に、全光線
透過率が21%である膜材を展張した。該膜材は、ポリ
エチレンテレフタレート繊維よりなる織物に半透明の塩
化ビニル樹脂をコーティングした複合膜材である。この
膜材を用いて図1のようにアーチ型の骨組みを一方の端
部から他端部にかけて被覆した。このスポーツ施設用膜
構造体は、テニスコートの上に建設し、かつ、該コート
の横方向の対応する面は膜材を展張しないで開放した構
造とした。また、該テニスコートの床面には、砂入りの
人工芝を敷設した。骨組の端部は、クッション材を巻い
て衝撃緩衝機能をもたせた。
【0027】この実施例1によるスポーツ施設用膜構造
体は、夏は風通しが良好で、かつ、全光線透過率が21
%で、日陰があるので涼しく、冬は21%もの太陽光線
を透過するために暖かくて、曇りの日でも照明不要であ
った。さらには、テニスプレー時にサーヴのトスを上げ
ても太陽による眩しさを感じることもなく、快適にプレ
ーをすることができた。
【0028】骨組みとして、鉄骨のトラス構造を選び、
アーチ型の形状とした。アーチ型の屋根部分に、全光線
透過率が21%である膜材を展張した。該膜材は、ポリ
エチレンテレフタレート繊維よりなる織物に半透明の塩
化ビニル樹脂をコーティングした複合膜材である。この
膜材を用いて図1のようにアーチ型の骨組みを一方の端
部から他端部にかけて被覆した。このスポーツ施設用膜
構造体は、テニスコートの上に建設し、かつ、該コート
の横方向の対応する面は膜材を展張しないで開放した構
造とした。また、該テニスコートの床面には、砂入りの
人工芝を敷設した。
【0029】この実施例1によるスポーツ施設用膜構造
体は、夏は風通しが良好で、かつ、全光線透過率が21
%で、日陰があるので涼しく、冬は21%もの太陽光線
を透過するために暖かくて、曇りの日でも照明不要であ
った。さらには、テニスプレー時にサーヴのトスを上げ
ても太陽による眩しさを感じることもなく、快適にプレ
ーをすることができた。
【0030】実施例2 実施例1において、膜材のみ次の複合膜材に代える以外
は全て同一方法、条件で図1の構造のスポーツ施設用膜
構造体をつくった。
【0031】まず、縦糸、緯糸に1000デニール、9
6フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(東
レ株式会社製)を使用した平織物を常法により精練、乾
燥、ヒートセットした。この織物の全透過率は59%で
あった。
【0032】該織物の両面に0.23mm厚みの下記ター
ポリン塩化ビニル樹脂組成のものからなる層を、180
℃の温度でカレンダー法によりそれぞれ被覆加工しター
ポリンを製造した。ここで外気にさらされる面を表面、
室内側を裏面とする。次いで、このターポリン表面側
に、下記表皮の塩化ビニル樹脂組成によりつくられたフ
ィルムを150℃の温度で熱ラミネートした。
【0033】(ターポリン塩化ビニル樹脂組成)塩化ビ
ニル樹脂平均重合度1000のもの100重量部に対
し、可塑剤としてアデカサイザーPN1430(ポリエ
ステル系可塑剤:旭電化工業株式会社製)65重量部、
三酸化アンチモン(平均粒子径7μm )7重量部、紫外
線吸収剤としてチヌビンP(ベンゾトリアゾール系:日
本チバガイギー株式会社製)0.8重量部、光安定剤と
してキマソーブ944(ヒンダードアミン系:日本チバ
ガイギー株式会社製)0.2重量部、難燃剤として硼酸
亜鉛5重量部を、それぞれ配合したものを使用した。
【0034】(表皮の塩化ビニル樹脂組成)塩化ビニル
樹脂平均重合度1000のもの100重量部に対し、可
塑剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレート20重量
部、紫外線吸収剤としてチヌビンP(ベンゾトリアゾー
ル系:日本チバガイギー株式会社製)1.0重量部、ユ
ビナールN539(ヒンダードアミン系:日本チバガイ
ギー株式会社製)0.5重量部、光安定剤としてキマソ
ーブ944(ヒンダードアミン系:日本チバガイギー株
式会社製)0.2重量部を、それぞれ配合したものを、
厚さ50μm のフィルムにしたもの使用した。
【0035】得られた膜材の全光線透過率は、41%で
あった。
【0036】この実施例2によるスポーツ施設用膜構造
体は、実施例1に比してやや全光線透過率が高いので、
明るさの点で相違するものの、その他の性能、機能は同
じであり、すなわちテニスプレー時にサーヴのトスを上
げても太陽による眩しさを感じることもなく、快適にプ
レーをすることができた。
【0037】実施例3、4 縦糸、緯糸に1000デニール、96フィラメントのポ
リエチレンテレフタレート繊維(東レ株式会社製)を使
用した平織物を常法により精練、乾燥、ヒートセットし
た。該織物の両面に次に示す樹脂組成で、180℃の温
度でカレンダー法により基材層(A)を被覆加工した。
【0038】 (基材A)塩化ビニル樹脂(平均重合度1000) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 50 Cd−Zn系安定剤 3 炭酸カルシウム 10 酸化チタン 7 該シートの両面に次に示す表皮材フィルム(B)2種を
180℃で熱圧着した。
【0039】 [表皮材B:フィルム厚さ40μ] (表皮組成)塩化ビニル樹脂(平均重合度1000) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 10 エポキシ化大豆油 6 Ba−Zn系安定剤 3 MBS樹脂 10 [表皮材C:フィルム厚さ100μ] (表皮組成)前記表皮組成のジ−2−エチルヘキシルフ
タレートを30重量部とした。
【0040】得られた膜材の全光線透過率は、実施例3
のA/B=45%、実施例4のA/C=40%であっ
た。いずれも明るいスポーツ施設で、太陽の眩しさも感
じることなく、快適なプレーをすることができるもので
あった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、上記の構成としたことによ
り、次の如き優れた効果を奏する。
【0042】(1) 夏は涼しく、冬は暖かくプレーが可能
となる。
【0043】(2) 曇りの日でも照明が不要である。
【0044】(3) テニスプレー時、サーブでトスを上げ
た時でも、太陽が眩しくない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明のスポーツ施設用膜構造体の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1:アーチ状の骨組み 2:膜材よりなる屋根 3:開口部を有する膜材部(壁に相当する部分) 4:砂入り人工芝のテニス床面
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 B32B 27/30 D 101 101 27/36 27/36 E04B 1/32 101 7121−2E E04B 1/32 101A E04H 15/54 E04H 15/54

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全光線透過率が14〜70%の範囲にある
    膜材と骨組みとからなる構造体であって、かつ、周辺に
    弧状の開口部を有することを特徴とするスポーツ施設用
    膜構造体。
  2. 【請求項2】該開口部が、少なくとも2つの対向する面
    に存在する請求項1記載のスポーツ施設用膜構造体。
  3. 【請求項3】該膜構造体の骨組みが、弧状骨組みを複数
    連結してなる構造を有する請求項1〜2記載のスポーツ
    施設用膜構造体。
  4. 【請求項4】該弧状骨組みが、並列に配置されている請
    求項3記載のスポーツ施設用膜構造体。
  5. 【請求項5】該膜材の全光線透過率が、20〜35%で
    ある請求項1記載のスポーツ施設用膜構造体。
  6. 【請求項6】請求項1のスポーツ施設用膜構造体の床面
    に人工芝が敷設されていることを特徴とするスポーツ施
    設用膜構造体。
  7. 【請求項7】スポーツ施設用膜構造体が、テニスコート
    の上に建設されたものである請求項1〜6記載のスポー
    ツ施設用膜構造体。
  8. 【請求項8】該骨組みが、端部において、クッション材
    または緩衝材によって被覆されている請求項1〜7記載
    のスポーツ施設用膜構造体。
  9. 【請求項9】該膜材が、高強力繊維布帛と樹脂との複合
    膜である請求項1〜7記載のスポーツ施設用膜構造体。
  10. 【請求項10】該高強力繊維が、ガラス繊維、アラミド
    繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維およびポリエステ
    ル繊維から選ばれた少なくとも1種である請求項9記載
    のスポーツ施設用膜構造体。
  11. 【請求項11】該樹脂が、フッ素樹脂、塩化ビニル樹
    脂、クロロプレン樹脂およびクロロスルフォン化ポリエ
    チレン樹脂から選ばれた少なくとも1種である請求項9
    記載のスポーツ施設用膜構造体。
  12. 【請求項12】 該膜材が、熱可塑性樹脂からなる基材
    層(A)の表面に熱可塑性樹脂からなる表皮層(B)が
    積層されているシートであって、島津製作所製の島津ダ
    イナミック超微小硬度計DUH−200型の三角すい圧
    子115°を使用し、温度25℃で湿度65%RHの雰
    囲気で、荷重0.1mg、押込み速度定数10、保持時間
    5秒の条件で測定した該熱可塑性樹脂のダイナミック硬
    度が、基材層(A)に対し、表皮層(B)が0.2以上
    大きいことを特徴とする請求項1記載のスポーツ施設用
    膜構造体。
  13. 【請求項13】 該熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂
    である請求項12記載のスポーツ施設用膜構造体。
  14. 【請求項14】 該表皮層(B)の可塑剤配合量が基材
    層(A)より少ないものである請求項12記載のスポー
    ツ施設用膜構造体。
  15. 【請求項15】 該表皮層(B)の樹脂100重量部に
    対する可塑剤配合量が基材層(A)より5重量部以上少
    ないものである請求項14記載のスポーツ施設用膜構造
    体。
  16. 【請求項16】 該基材層(A)と該表皮層(B)に配
    合される可塑剤が、異なる種類のものである請求項14
    記載のスポーツ施設用膜構造体。
  17. 【請求項17】 該熱可塑性樹脂の平均重合度が、表皮
    層(B)の方が基材層(A)より大きいものである請求
    項12記載のスポーツ施設用膜構造体。
  18. 【請求項18】 該基材層(A)の少なくとも片面に表
    皮層(B)としてアクリル系樹脂を積層したシートであ
    って、該基材層(A)の可塑剤がピロメリット酸系、ト
    リメリット酸系およびポリエステル系から選ばれた少な
    くとも1種である請求項12記載のスポーツ施設用膜構
    造体。
  19. 【請求項19】 該可塑剤が、無可塑用のエチレン−酢
    酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
    合体またはこれらに一酸化炭素を導入したELVALO
    Y(三井デュポンケミカル株式会社製)または塩素化パ
    ラフィンから選ばれた少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項12記載のスポーツ施設用膜構造体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001032574A (ja) * 1999-07-23 2001-02-06 Shimizu Corp 開閉式簡易フード
JP2003073978A (ja) * 2001-09-03 2003-03-12 Du Pont Toray Co Ltd 開繊されたテープ状糸条の製造方法
JP2010052370A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Hiraoka & Co Ltd 透明性複合シート
JP2016000659A (ja) * 2015-08-25 2016-01-07 日特エンジニアリング株式会社 フィルムの間欠搬送装置及びフィルムの間欠搬送方法

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