JPH0825850B2 - 抗菌性組成物およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性組成物およびその製造方法

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JPH0825850B2
JPH0825850B2 JP13383993A JP13383993A JPH0825850B2 JP H0825850 B2 JPH0825850 B2 JP H0825850B2 JP 13383993 A JP13383993 A JP 13383993A JP 13383993 A JP13383993 A JP 13383993A JP H0825850 B2 JPH0825850 B2 JP H0825850B2
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cellulose acetate
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憲司 中村
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NAKAMURA BUTSUSAN KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】銀付加無機抗菌剤を用いた抗菌処
理組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗菌性ゼオライトはゼオライトに抗菌力
のある金属、例えば銀、亜鉛、銅などをイオン交換法に
よって反応させた無機質の粉末状の抗菌剤である。水お
よび有機溶剤に不溶で安定な化合物であり、水棲菌に対
して抗菌力が優れており、人に対して安全性が高いこ
と、並びに抗菌性が恒久的であることなどから、水処理
その他広い分野での利用が期待されている。
【0003】しかしながら、抗菌性ゼオライトは1μ前
後の大きさの粉末であるため、他の物質で固定して使用
し易い形態にしないと使用困難である。その場合に、抗
菌性能を阻害しないように加工することが難しく、まだ
水処理用などに高濃度で利用する技術はできていない。
【0004】抗菌性ゼオライトを用いた従来の抗菌加工
方法には、大別して次の2つがある。
【0005】その1つは、塩化ビニール、ナイロン、ポ
リエステル、ポリエチレン、FRP等の合成樹脂に抗菌
性ゼオライト(粒径1μ程度の粉末)をブレンドして、
繊維状に成形したり(例えば、特公昭61−22977
号公報)、フィルム状に成形したり(例えば、特開昭6
3−154746号公報)、器具や容器類に成形したり
(例えば、特開平1−8019号公報)して、用いる方
法である。
【0006】他の1つは、エポキシ系、アクリル系、ポ
リウレタン系等のバインダー樹脂、あるいはゴム系の接
着剤を用いて抗菌性ゼオライトを加工対象物の表面に接
着する方法である(例えば、特公平3−18119号公
報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
方法では、抗菌性ゼオライトを混入した合成樹脂を繊維
等の形状に成形するためには、抗菌性ゼオライトは紡糸
可能性からして1〜2%程度しか添加できず、またフィ
ルムとする場合も高濃度の添加はフィルム物性上困難で
ある。
【0008】抗菌性ゼオライトは水分と接触することに
よりイオン化が起こり、抗菌作用を奏する。しかし、抗
菌性ゼオライトを合成樹脂或いは合成樹脂バインダーな
どに混合した場合には、抗菌性ゼオライトが合成樹脂成
分によって包込まれて、抗菌性ゼオライトに水が到達し
ないため、抗菌性金属イオンが微生物から遮蔽されるの
で、金属イオンが微生物に作用せず、抗菌性が発揮され
ない。繊維、フィルム等の極表面に存在する抗菌性ゼオ
ライトのみが抗菌性を発揮するだけである。
【0009】後者の方法でも、抗菌性ゼオライトが粒径
1μ程度の粉末であるので、バインダー樹脂や接着剤に
より抗菌性ゼオライトが包み込まれてしまい、水分と遮
蔽され、その結果抗菌性が充分発揮されない。
【0010】従来の技術で抗菌性を向上させるために、
親水性高分子を混合する提案もあるが、水で組成物が膨
潤変形したり、成分が溶出したりして組成物の安定性が
悪く、また組成物表面に水ゲルが生成して抗菌の遮蔽と
なるなどの問題もあった。
【0011】従って、従来の方法では何れの場合も抗菌
性ゼオライトの含有量(添加量)を高めても抗菌性は期
待されるように向上しない。
【0012】一方、水処理の場合、特に大量の水を抗菌
処理する場合(例えば、20t〜30tの水を処理する
場合)、従来の方法では効率が低いために、多量の抗菌
性組成物を必要とし、その結果大きな容積の設備が必要
となるので、実際上適用が困難であった。家庭用浄水器
のように流水を抗菌性ゼオライトを用いて殺菌処理しよ
うとすると、やはり従来の方法では殺菌効率が低いの
で、不適当であった。
【0013】また、最近では銀付加無機抗菌剤として抗
菌性ゼオライト以外にも次のようなものが市販された
り、開発されたりしている。例えば、燐酸ジルコニウム
に銀をイオン交換により担持させたもの、シリカゲルに
銀を担持したもの、アパタイト(水和燐酸カルシウム)
に銀をイオン交換により担持させたもの、含水チタンに
銀を付加したもの、ガラス粉末に銀を担持したもの、モ
ンモリロナイト(含水珪酸アルミニウム)に銀をイオン
交換により担持させたものなどがある。しかしながら、
これらのものは何れも0.5〜5μ前後の大きさの粉末
であり、前述した抗菌性ゼオライトと同様の問題があ
る。
【0014】
【発明の目的】本発明は、前述したような従来の問題を
解決し、2%以上、好ましくは10%以上の高濃度に、
銀付加無機抗菌剤を含有し、しかも銀付加無機抗菌剤を
全て無駄なく機能させることができるような抗菌性組成
物を提供することおよびそのような抗菌性組成物の製造
方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、銀付加
無機抗菌剤と微多孔質のセルロースアセテートとからな
り、または銀付加無機抗菌剤と充填賦形剤と微多孔質の
セルロースアセテートとからなり、またはアルカリ金属
の珪酸塩からなる多孔質無機カプセルと、該カプセル内
に内包された銀付加無機抗菌剤と、微多孔質のセルロー
スアセテートとからなり、径が0.5mm以上の造粒体で
あることを特徴とする抗菌性組成物により、前記目的を
達成した。
【0016】本発明によれば、セルロースアセテートを
溶剤に溶解した溶液と銀付加無機抗菌剤とを混合して練
込む第一の工程と、前記第一の工程で得られた混練物を
造粒機により径が0.5mm以上の造粒体とする第二の工
程と、前記第二の工程で得られた造粒体を脱溶媒してセ
ルロースアセテートの微多孔化を行う第三の工程よりな
ることを特徴とする抗菌性組成物の製造方法により、前
記目的を達成した。
【0017】また、本発明によれば、前記第一の工程に
おいて更に充填賦形剤とを添加して練込んでもよいし、
或は前記第一の工程における銀付加無機抗菌剤の代わり
に銀付加無機抗菌剤を内包したアルカリ金属の珪酸塩か
らなる多孔質無機カプセルを使用してもよい。
【0018】
【作用】本発明によれば、セルロースアセテートを溶剤
に溶解した溶液と銀付加無機抗菌剤を混練して径が0.
5mm以上の造粒体とした後、脱溶媒によって固化層の生
成時に内部の溶剤が上部の固化層を突き破って脱出する
ため、固化層に微細孔を作る。その結果、脱溶媒後のセ
ルロースアセテートは微多孔質となり、造粒体の内部ま
で水の浸透が可能である。従って、造粒体表面の銀付加
無機抗菌剤のみでなく、造粒体内部に存在する銀付加無
機抗菌剤も水と接触できて、抗菌金属イオンを発生す
る。造粒体に含有されている銀付加無機抗菌剤が非常に
効率よく機能して、微生物に作用し、抗菌性を発揮す
る。
【0019】更に、セルロースアセテートは95%の相
対湿度で10%〜11%の水分率を有し、水をよく吸収
するが、膨潤変形がなく形態安定性に優れていてる。し
かも、長時間の水中使用では、セルロースアセテートが
徐々に加水分解するので水の新しい浸透が生じ、セルロ
ースアセテート内部に包埋されていた銀付加無機抗菌剤
が新たに水と接触し次々と機能する(なお、ポリウレタ
ン系、アクリル系の従来公知のバインダーでは、長時間
水中で使用したとしても加水分解は生ぜず、上記の水の
浸透性は得られず、バインダーに包埋された銀付加無機
抗菌剤は抗菌性を発揮できない)。
【0020】
【実施例】本発明の抗菌性組成物は径が0.5mm以上の
造粒体であり、銀付加無機抗菌剤:2〜98重量%と、
微多孔質のセルロースアセテート:98〜2重量%から
なる。好ましくは、銀付加無機抗菌剤を10〜90重量
%とし、特に大量の水処理に使用する場合等は銀付加無
機抗菌剤を40〜60重量%とすることが好ましい。微
多孔質セルロースアセテートの微細孔の大きさは数十オ
ングストローム〜1μ程度である。
【0021】また、銀付加無機抗菌剤と微多孔質のセル
ロースアセテートの他に充填賦形剤を加えてもよい。こ
の場合、充填賦形剤は10〜60重量%とし、銀付加無
機抗菌剤は2〜88重量%、微多孔質のセルロースアセ
テートは88〜2重量%である。この場合も銀付加無機
抗菌剤を10〜90重量%とすることが好ましい。
【0022】本発明における銀付加無機抗菌剤として
は、無機物に抗菌力のある銀を付加した粉末状物を使用
できる。例えば、ゼオライトに銀を担持させたもの
(例:「バクテキラー」鐘紡株式会社製品、「ゼオミッ
ク」株式会社シナネンゼオミック製品)、燐酸ジルコニ
ウムに銀をイオン交換により担持させたもの(例:「ノ
バロン」東亜合成化学工業株式会社製品)、シリカゲル
に銀を担持したもの(例:「アメニトップ」富士デヴィ
ソン株式会社製品)、アパタイト(水和燐酸カルシウ
ム)に銀をイオン交換により担持させたもの(例:「ア
パサイザーA」株式会社サンギ製品)、含水チタンに銀
を付加したもの(例:クリエートメディク株式会社の製
品)、ガラス粉末に銀を担持したもの、モンモリロナイ
ト(含水珪酸アルミニウム)に銀をイオン交換により担
持させたものなどである。
【0023】上述した本発明の抗菌性組成物の製造方法
を説明する。
【0024】本発明では、セルロースアセテートは酢化
度が45%〜60%で、平均重合度は140〜180の
ものを使用する。このセルロースアセテートを溶剤に溶
解して溶液とする。
【0025】この溶剤としては、アセトン、エタノー
ル、セロソルブ系、トリアセチン、ブチルラクトン、メ
チルエチルケトン、ジオキサン、メチレンクロライド、
エチレングリコールフェニールエーテル、ポリエチレン
グリコールジアセテート、ジプロピオネート、ジブチレ
ートなどを単独または2種以上配合して用いる。
【0026】前記セルロースアセテート溶剤溶液に銀付
加無機抗菌剤および必要により充填賦形剤を加えて攪拌
し練り込んで、この混練物を造粒機により径が0.5mm
以上の造粒体とする。セルロースアセテートと銀付加無
機抗菌剤のと配合割合、またはセルロースアセテートと
銀付加無機抗菌剤と充填賦形剤の配合割合は前述した抗
菌性組成物が得られるように選定する(なお、溶剤は後
に脱溶媒によりなくなるので、配合割合に関しては考慮
しなくてよい)。
【0027】充填賦形剤は造粒する際の形状を整え易く
するためのものであり、充填賦形剤としては次のものが
用いられる。アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸銅)、アルカリ土
類金属珪酸塩(例えば、珪酸カルシウム、珪酸マグネシ
ウム、珪酸アルミニウム)、金属酸化物(例えば、酸化
鉄、アルミナ、無水珪酸)、珪藻土、ゼオライト、ベン
トナイト、セラミックス等の粉末が使用できる。また有
機微多孔質粉粒体としてはキトサンボール、ポリエチレ
ン多孔質粉粒体、メチルメタアクリレート多孔質粉粒
体、その他ポリエステル、ポリアミドなどの多孔質粉粒
体、セルロースアセテート粉末、活性炭等が使用でき、
それらを単独または2種以上配合して用いる。
【0028】充填賦形剤である粉粒体は0.5μ〜20
00μ程度の大きさのものが使用できるが、1μ〜10
0μ程度のものが好ましい。粉粒体の形状は特に限定さ
れないが多孔質性であると水の浸透に好ましい。
【0029】銀付加無機抗菌剤と充填賦形剤およびセル
ロースアセテートの溶剤溶液を混練して造粒機により径
が0.5mm以上の造粒体とするが、造粒体の状態はペレ
ット状、顆粒状、球状、錠剤状などとできる。この造粒
体は直径(ペレット状、顆粒状、球状、錠剤状)が0.
5mm〜20mm、長さ(ペレット状、錠剤状)が0.5mm
〜30mmとすることが好ましい。
【0030】造粒した後に脱溶媒を行い、セルロースア
セテートの微多孔化を進める。この際、造粒体をオーブ
ンに入れて熱処理を行って脱溶媒を加速化して行うこと
が好ましい。このようにして本発明の抗菌性組成物を得
られる。微細孔の大きさは溶剤の種類、熱処理の温度等
を選定することにより、数十オングストローム〜1μの
範囲で調節可能である。
【0031】前述した実施例とは別の実施例として、前
述した実施例の銀付加無機抗菌剤の代りに、アルカリ金
属の珪酸塩からなる多孔質無機カプセル内に銀付加無機
抗菌剤を内包したものを使用してもよい。その他は前述
した実施例と同様にして、本発明の抗菌性組成物を製造
できる。このようにして得られた抗菌性組成物は銀付加
無機抗菌剤による着色を防止できる。
【0032】前記銀付加無機抗菌剤を内包したアルカリ
金属の珪酸塩からなる多孔質無機カプセルは次のように
して製造できる。
【0033】まず、アルカリ金属の水酸化化合物の水溶
液を用いて、銀付加無機抗菌剤をスラリーとする。アル
カリ金属の水酸化化合物としては、例えば苛性ソーダ、
苛性カリ、水酸化リチウム等の水溶液を用いる。その水
溶液におけるアルカリ金属の水酸化化合物の濃度は0.
1〜10%が用いられ、銀付加無機抗菌剤がpH7以上
になる程度とする。銀付加無機抗菌剤としては、その粒
径は0.5〜5μ前後が用いられるが、好ましくは1μ
以下がよい。スラリーにおける銀付加無機抗菌剤の濃度
は好ましくは50〜60%程度とする。
【0034】前記スラリーを、アルカリ金属の珪酸塩水
溶液に攪拌添加して分散液とする。アルカリ金属の珪酸
塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム等の珪酸
塩が使用できる。この珪酸塩の添加量はSiO2 に換算
して2〜6.5mol/lが適当であり、得られる分散
液における銀付加無機抗菌剤の濃度は10〜50%程度
とする。
【0035】上記分散液に、水に対する溶解度が7%以
下の有機溶液を混合してW/O型のエマルジョンとす
る。この際の有機溶媒として例えば以下のものが挙げら
れる。 《脂肪族炭化水素類》n−ヘキサン、イソヘキサン、n
−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタ
ン、ガソリン、石油エーテル、灯油、ベンジン、ミネラ
ルスプリット等 《脂環族炭化水素類》シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロヘキセン、シクロノナン等 《芳香族炭化水素類》ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、メシチレ
ン、テトラリン、スチレン等 《エーテル類》プロピルエーテル、イソプロピルエーテ
ル等 《ハロゲン化炭化水素類》塩化メチレン、クロロフォル
ム、塩化エチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチ
レン等 《エステル類》酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸
イソプロピル、酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、乳
酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、
酪酸メチル等。
【0036】この際に用いる有機溶媒としては、水に対
する溶解度が7%以下のものを使用する。7%を越える
ものを使用するとエマルジョンが良好(均一)なものに
ならないので望ましくない。
【0037】上記例示した有機溶媒の1種または2種以
上を上記分散液に混合してエマルジョンとする。また、
これ等有機溶媒には、約10重量%までのアルコール類
等が混在していても差し支えない。有機溶媒の使用量
は、得られるエマルジョンがW/O型となる限り特に限
定されないが、エマルジョンの50重量%以上、好まし
くは70/80重量%とするのがよい。エマルジョンと
する方法は、攪拌方法、震盪方等の常法によればよい。
エマルジョン化に際しては、公知の乳化剤を添加するこ
とができる。乳化剤としては、好ましくはHLBが3.
5〜6.0の範囲にある非イオン性界面活性剤が使用で
き、これを例示すれば次のものがある。
【0038】ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレェート、ポリリオキ
シエチレン高級アルコールエーテル系、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル系、グリセリン脂肪酸エステル系、
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル系、
等。
【0039】これらの乳化剤は、有機溶媒に対して10
重量%以下、好ましくは0.01〜3重量%の範囲で使
用される。
【0040】次いで上記W/O型エマルジョンに、上記
アルカリ金属の珪酸塩を不溶化し得る化合物の水溶液を
加えて、20分〜30分間攪拌して反応させ、銀付加無
機抗菌剤の周囲に多孔質無機質カプセルを形成させる。
次いで常法に従い、濾過、洗浄、乾燥すればよい。
【0041】上記不溶化し得る化合物の水溶液として
は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩
化バリウム等が使用できる。
【0042】
【実施例1】セルロースアセテート100gをガンマー
ブチルラクトン800gに溶解し、これにエタノール2
00gに水180gを溶解した溶液を攪拌添加してセル
ロースアセテート溶液とした。抗菌性ゼオライト(ゼオ
ミックAJ−10N:株式会社シナネンゼオミック製
品)1600gに前記セルロースアセテート溶液を加え
て混練した。次いで造粒機によって直径3mmの球状粒子
にした。造粒した球状粒子をオーブンに入れて100℃
で1時間脱溶媒を行って、本発明の抗菌性組成物を得
た。
【0043】20tの水槽に径3インチのバイパス配管
を取付け、水槽内の水を循環するようにした。前記抗菌
性組成物2.5kgを上記3インチ配管内に詰め込んで両
側をステンレス網で固定し、ポンプで水槽の水を循環し
た。その結果、前記抗菌性組成物を設置する以前は水槽
の水中に一般細菌が2×102 /mlあったが、前記抗菌
組成物を設置して水を1日循環処理した後にには水中の
一般細菌数はゼロに低下させることができた。一般細菌
試験は水質基準に関する厚生省令第56号に基づく検査
方法によった。
【0044】
【実施例2】セルロースアセテート100gをアセトン
500g、トリアセチン500g、エタノール300g
に溶解してセルロースアセテート溶液とした。活性炭5
00g、抗菌性ゼオライト(ゼオミックAK−80N:
株式会社シナネンゼオミック製品)1000gを混合し
て前記セルロースアセテート溶液を加えて混練した。次
いで造粒機によって直径1.5mm、長さ6mmのペレッ
ト状に造粒した。ペレットはオーブンに入れて110℃
で1時間脱溶媒を行って、抗菌性ペレットを得た。
【0045】500ccの浄水容器に前記抗菌ペレットを
400g入れて井戸水の蛇口の元に設置した。井戸水に
は一般細菌が1.6×102 /mlであったのが、前記抗
菌性組成物を設置した後は一般細菌数をゼロにすること
ができた。一般細菌試験は水質基準に関する厚生省令第
56号に基づく検査方法によった。
【0046】
【実施例3】セルロースアセテート10gをトリアセチ
ン350gに溶解してセルロースアセテート溶液とし
た。抗菌性ゼオライト700g、セルロースアセテート
フレーク700gを混合して前記セルロースアセテート
溶液を加えて混練した。次いで造粒機によって直径4mm
の球状顆粒にした後120℃で50分加熱して脱溶媒を
行って、本発明に係る顆粒状の抗菌性組成物を得た。
【0047】前記抗菌顆粒剤1gを加湿機の水槽(容量
5リットル)に入れて、抗菌顆粒の使用前と添加試用後
の水質の一般細菌試験を行った結果、抗菌顆粒の使用前
は一般細菌が3.5×102 /mlであったが添加使用後
は1日後以降は一般細菌をゼロに維持することができ
た。一般細菌試験は水質基準に関する厚生省令第56号
に基づく検査方法によった。
【0048】
【実施例4】抗菌性ゼオライト300gを、水500g
に苛性ソーダ10gを溶解した溶液に加えてスラリーと
した。次いで該スラリーを、珪酸ソーダ(6.5モル/
l)1800ccに攪拌添加して分散液とした。この分
散液に、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート
150g/lを含むノルマルヘキサンとシクロヘキサン
の1:1の混合液6000ccを加えて、6000rp
mで1分間攪拌してW/O型のエマルジョンを得た。W
/O型エマルジョンに、炭酸水素アンモン(1.5モル
/l)10リットルを混合して30分間常法で攪拌して
反応を行った。次いで、濾過し、水洗、エタノール洗浄
を行い、110℃で24時間乾燥した。このようにして
抗菌性ゼオライトを内包する粒径20μの抗菌多孔質カ
プセル1000gを製造した。
【0049】セルロースアセテート100gをガンマー
ブチルラクトン800gに溶解し、これにエタノール2
00gに水180gを溶解した溶液を攪拌添加してセル
ロースアセテート溶液とした。前記抗菌多孔質カプセル
1000gに前記セルロースアセテート溶液を加えて混
練した。次いで造粒機によって直径3mmの球状粒子にし
た。造粒した球状粒子をオーブンに入れて100℃で1
時間脱溶媒を行って、本発明の球状をした抗菌性組成物
を得た。
【0050】
【実施例5】セルロースアセテート100gをガンマー
ブチルラクトン800gに溶解し、これにエタノール2
00gに水180gを溶解した溶液を攪拌添加してセル
ロースアセテート溶液とした。抗菌性燐酸ジルコニウム
(ノバロン:東亜合成化学工業株式会社製品)1600
gにセルロースアセテート粉末1600gを加えてニー
ダーで混合し、次いで前記セルロースアセテート溶液を
混練した。次いで造粒機によって直径5mmの粒子にし
た。該粒子をオーブンに入れて100℃で1時間脱溶媒
を行って、本発明の抗菌性組成物を得た。
【0051】15tの水槽に3インチのバイパスとポン
プ配管を行い水槽内の水を循環するようにして、前記抗
菌性組成物1.5kgをバイパスにセットして両側をステ
ンレス網で固定しポンプで水槽の水を循環した。その結
果、前記抗菌性組成物を設置する以前は水槽の水中に一
般細菌として2×102 /mlあったが、前記抗菌性組成
物を設置して水を1日循環処理した後には水中の細菌数
はゼロに低下させることができた。一般細菌試験は水質
基準に関する厚生省令第56号に基づく検査方法によっ
た。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌性組成物が径が
0.5mm以上の造粒体であるので使用し易い。水処理等
で使用する場合、本発明の抗菌性組成物の容積は従来技
術のものに比較して数十分の1程度に縮小されるので、
設備が小型でよく、適用が極めて容易になる。
【0053】本発明によれば、セルロースアセテートが
微多孔質であるので、造粒体の内部まで水が浸透でき、
造粒体表面の銀付加無機抗菌剤のみでなく、造粒体内部
に存在する銀付加無機抗菌剤も水と接触できて、抗菌金
属イオンを発生する。従って、造粒体に含有されている
銀付加無機抗菌剤が非常に効率よく機能して、微生物に
作用し、抗菌性を発揮できる。
【0054】更に、本発明によれば、セルロースアセテ
ートは水をよく吸収するが、膨潤変形がなく、形態安定
性に優れていてる。しかも、長時間、水中で使用する場
合、セルロースアセテートが徐々に加水分解するので、
セルロースアセテートに包埋されていた銀付加無機抗菌
剤が新たに水と接触し次々と抗菌性を発揮できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀付加無機抗菌剤と微多孔質のセルロー
    スアセテートとからなり、径が0.5mm以上の造粒体で
    あることを特徴とする抗菌性組成物。
  2. 【請求項2】 銀付加無機抗菌剤と充填賦形剤と微多孔
    質のセルロースアセテートとからなり、径が0.5mm以
    上の造粒体であることを特徴とする抗菌性組成物。
  3. 【請求項3】 充填賦形剤がアルカリ土類金属炭酸塩、
    アルカリ土類金属珪酸塩、金属酸化物、珪藻土、ゼオラ
    イト、ベントナイト、セラミックス、キトサンボール、
    ポリエチレン多孔質粉粒体、メチルメタアクリレート多
    孔質粉粒体、ポリエステル、ポリアミド、セルロースア
    セテートおよび活性炭からなるグループの中から選んだ
    1種または2種以上の粉粒体であることを特徴とする請
    求項2記載の抗菌性組成物。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属の珪酸塩からなる多孔質無
    機カプセルと、該カプセル内に内包された銀付加無機抗
    菌剤と、微多孔質のセルロースアセテートとからなり、
    径が0.5mm以上の造粒体であることを特徴とする抗菌
    性組成物。
  5. 【請求項5】 銀付加無機抗菌剤がゼオライトに銀を担
    持させたもの、燐酸ジルコニウムに銀を担持させたも
    の、シリカゲルに銀を担持させたもの、アパタイトに銀
    を担持させたもの、含水チタンに銀を担持させたもの、
    ガラス粉末に銀を担持させたものおよびモンモリロナイ
    トに銀を担持させたものからなるグループの中から選ん
    だ1種または2種以上の粉粒体であることを特徴とする
    請求項1から4の何れか1項に記載の抗菌性組成物。
  6. 【請求項6】 セルロースアセテートを溶剤に溶解した
    溶液と銀付加無機抗菌剤を混合して練込む第一の工程
    と、前記第一の工程で得られた混練物を造粒機により径
    が0.5mm以上の造粒体とする第二の工程と、前記第二
    の工程で得られた造粒体を脱溶媒してセルロースアセテ
    ートの微多孔化を行う第三の工程よりなることを特徴と
    する抗菌性組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 セルロースアセテートを溶剤に溶解した
    溶液と銀付加無機抗菌剤および充填賦形剤とを混合して
    練込む第一の工程と、前記第一の工程で得られた混練物
    を造粒機により径が0.5mm以上の造粒体とする第二の
    工程と、前記第二の工程で得られた造粒体を脱溶媒して
    セルロースアセテートの微多孔化を行う第三の工程より
    なることを特徴とする抗菌性組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 セルロースアセテートを溶剤に溶解した
    溶液と銀付加無機抗菌剤を内包したアルカリ金属の珪酸
    塩からなる多孔質無機カプセルとを混合して練込む第一
    の工程と、前記第一の工程で得られた混練物を造粒機に
    より径が0.5mm以上の造粒体とする第二の工程と、前
    記第二の工程で得られた造粒体を脱溶媒してセルロース
    アセテートの微多孔化を行う第三の工程よりなることを
    特徴とする抗菌性組成物の製造方法。
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