JPH0825837B2 - 分子線エピタキシー装置 - Google Patents

分子線エピタキシー装置

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JPH0825837B2
JPH0825837B2 JP62115100A JP11510087A JPH0825837B2 JP H0825837 B2 JPH0825837 B2 JP H0825837B2 JP 62115100 A JP62115100 A JP 62115100A JP 11510087 A JP11510087 A JP 11510087A JP H0825837 B2 JPH0825837 B2 JP H0825837B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (ア) 技術分野 この発明は、低エネルギーイオンビーム照射を併用し
た分子線エピタキシー装置に関する。
分子線エピタキシーは、膜厚などの制御性に優れ、非
平衡状態での成長であるため適用可能な物質の範囲が広
いなど、優れた長所がある。
超高真空中に於て加熱された基板に、エピタキシヤル
成長膜を形成すべき元素の分子線を照射する。基板表面
で分子線が運動エネルギーを失い、表面に吸着される。
(イ) 従来技術 分子線エピタキシー装置は、いくつかの真空室、真空
排気装置、真空室の間を仕切るゲートバルブ、基板ホル
ダを真空室間で搬送する搬送機構などよりなつている。
たとえば、試料準備室、分析室、分子線結晶成長室か
らなるものもなる。どのような真空室を設けるかという
事は、目的によつて決まる。
分子線結晶成長室は、分子線エピタキシー装置の中で
最も重要な真空室である。
分子線結晶成長室の壁面には、適数の分子線源セルが
設けられる。中央にはマニピユレータが設けられる。基
板を取付けた基板ホルダがマニピユレータに把持され
る。
マニピユレータの背面にはヒータがある。基板を加熱
するためである。また基板を回転する機構もある。これ
は面内でのエピタキシヤル成長膜の一様性を高めるため
である。
真空度は10-11〜10-10Torrの超高真空とする。分子線
源セルから出た分子線が、他のガス分子に衝突する異な
く基板に到達しなければならないから、超高真空とな
る。
基板加熱は分子線エピタキシーに於て不可欠な事であ
る。もつとも、気相エピタキシー、液相エピタキシーに
於ても基板は高温状態にあるのがふつうである。
例えばGaAsを母材とする基板にGaAsエピタキシヤル成
長層を形成する場合、基板の温度は500〜1000℃程度に
加熱しなければならない。
200℃〜500℃であつても、Gaの分子線とAsの分子線と
が同時に入射していればエピタキシヤル成長が可能であ
る。しかし低温でエピタキシーを行なうと、成長速度が
遅い。膜の結晶性も劣る。
高温にすればよいのか、というとそうでもない。
GaAs結晶の場合、Asの解離圧が高い。高温にすると、
基板の表面からAsが脱離する。600℃以上になると、Aa
の脱離は著しくなる。基板からAsが抜けると、表面が粗
面化し、この上に良質のエピタキシヤル成長層を形成さ
せることは難しい。
また、Asの抜けにより、GaとAsとの化学量論比に狂い
が生じ、目的とするGaAsの結晶構造が得られない。
基板加熱のためには、ヒータを用いるが、基板を高温
に加熱するために、ヒータパワーも強力でなければなら
ない。
ところが、超高真空にしなければならないから、分子
線結晶成長室の内壁にそつて液体窒素シユラウドが設け
られる。液体窒素であるからこの部分は77Kになつてい
る。成長室の中央ではヒータにより大量の熱が発生して
いる。
このヒータの熱は、液体窒素シユウラウドに吸収され
る事になる。液体窒素は加熱され気体となつて失われ
る。
このように、狭い空間内で、加熱機構と冷却機構があ
るので、基板を高温に加熱するとエネルギー的に無駄が
多い。
このように、従来の分子線エピタキシーでは、基板を
高温に加熱しなければならない、という要求があつた。
高温加熱すると、基板を傷めるし、ヒータパワー損失も
大きいし、液体窒素の消費も大きい、という問題があつ
た。
基板がGaAsである場合、加熱温度が500℃以下であれ
ばAs抜けがない。
500℃以下の加熱温度で、良好なエピタキシヤル成長
膜の得られる方法が強く要望される。
(ウ) イオン蒸着薄膜形成方法 しばらく分子線エピタキシーから離れる。
本出願人は、イオン照射と蒸着とを同時に行なうこと
により、基板の上へ薄膜を形成する方法を既に開発して
いる。これに適した装置も製作した。
イオン照射と蒸着とを組み合わせているので、多様な
化合物の薄膜を形成できる。
イオン照射と蒸着とを同時に行なうので、イオン蒸着
という事にした。これにより薄膜を形成するので、イオ
ン蒸着薄膜形成と呼ぶこともある。
蒸着は、金属の被覆を形成するのに頻繁に用いられ
る。安直な方法で比較的きれいな多結晶膜を得ることが
できる。しかし、金属以外のものを飛ばすことが難し
い。
蒸着と平行して行なうイオン照射にはいくつかの異な
つた目的がある。ひとつには、蒸着によつて飛ばしうる
金属と、イオンの構成元素の化合物を作るということで
ある。もうひとつは、金属蒸着膜の品質を高めるという
事である。
イオンビーム打込み装置も、既に広く用いられてい
る。半導体ウエハに不純物をドープする場合に例えば用
いる。GaAsウエハの場合、拡散によつて不純物をドープ
するという事が難しい。そこで、例えば、n型不純物の
SiをGaAsウエハにドープする場合、Si4+イオンを数十ke
Vに加速して打込む。この後アニーリングして、表層部
の結晶構造を回復させ、n型領域を形成する。
蒸着もイオン打ち込みも薄膜技術に於て周知の技術で
ある。
イオン蒸着薄膜形成方法は新しい方法である。周知技
術とはいえないので、簡単に説明する。
イオン蒸着薄膜形成装置は、蒸着装置とイオンビーム
打込装置とをひとつの真空装置の中へ組込んだものであ
る。
イオンビームの成分と、蒸着材料の成分とを同時に基
板へ当てる事ができる。このため、両者の化合物の薄膜
を基板の上へ形成することができる。
イオンとしては、例えば、N+、C+、Ar+、…のような
イオンを用いる。
蒸着物としては、Ti、Si、B、Al、…などを用いる。
これは電子ビーム加熱又は抵抗加熱による。
イオン照射と蒸着とを同時に行うことにより、例えば
TiN、BN、AlN、SiN、…などの薄膜を形成することがで
きる。
蒸発物としては、金属の選ばれる事が多い。
たとえば、Fe、Moを蒸発物とし、N+イオンを照射する
と、FeN、MoNなど新規な薄膜を作ることができる。
このような化合物薄膜のあるものは、熱CVD法でも作
る事ができる。
イオン蒸着法は、熱CVD法と異なつて、金属を含むガ
ス化しうる化合物を利用する必要がない。また、励起の
エネルギーが熱ではなく、イオンの運動エネルギーであ
るので、基板をそれほど高温にしなくてもよい、という
長所がある。
イオン蒸着薄膜形成法は、イオンと蒸着物の化合物を
作るという以外に、蒸着の品質を上げるために使う事が
できる。
低いエネルギーの不活性ガスのイオンを、蒸着材料と
ともに基板に当てる。基板は任意であるが、金属、合
金、ガラスなどである。
そうすると、金属は基板に蒸着されてゆくのである
が、イオンは基板の中へ入らない。イオンは基板から単
に弾きとばされる。この時に運動エネルギーを失う。こ
れは、基板表面で金属原子を励起し、移動させるエネル
ギーに転化する。金属原子は、エネルギーの谷を求めて
動き、安定な状態となる。このようにして、強固な金属
蒸着膜ができる。Al、Ag、Cu、…などの良質の蒸着膜を
うる。
このとき、基板を加熱しておくが、通常の場合より、
低温であつてもよい、という事が重要である。
より低温で良質の蒸着膜が得られる。基板の種類によ
つては、これは極めて好都合な事である。
これは、本出願人による特願昭61−283808号(S61.1
1.27出願)、特願昭61−283809号(S61.11.27出願)に
於て説明されている。
イオン蒸着法の2つの用途を説明した。
イオンビーム成分と蒸着成分の化合物を作る場合、イ
オンビームの加速電圧は10keV〜40keV程度である。かな
り高い。イオンビームの一部は基板の中へ入る。このた
め強固な化合物薄膜を形成することができる。
低温蒸着を行うためのイオンビーム加速電圧はずつと
低い。100V〜1000V程度である。これより高電圧である
と、膜中に欠陥が多数残留してしまう。
これらは、その組合わせの妙から、用途を拡げつつあ
る。
イオン蒸着法は、蒸着法を発展させたものである。蒸
着膜は低温でも良質のものを得る事ができる。良質とい
つても、蒸着であるから、多結晶である。粒界、粒径、
配向がそろうという事である。
多結晶であるのは当然のことである。基板との格子整
合の問題もない。
(エ) 目的 GaAsまたはInPを母材とする基板の加熱温度をより低
温にする事のできる分子線エピタキシヤル成長装置を提
供することが本発明の目的である。
(オ) 本発明の構成 分子線エピタキシー、イオン蒸着について説明した。
分子線エピタキシーは、蒸着の一種とみなせないこと
もない。材料を加熱し蒸発させて、加熱してある基板の
上へ薄膜を形成するという点で同じである。
そうであれば、分子線エピタキシヤル結晶成長法も、
低いエネルギーのイオンビームによつて、基板加熱温度
を下げる事ができるかも知れない。
分子線エピタキシーに於て、基板温度は極めて重要な
因子である。特に、化合物の薄膜を形成させようとする
場合、温度は重要である。
分子線は基板に接近し、物理吸着される。これは弱い
力である。フアンデルワールス力などである。物理吸着
された分子を、格子状に規則正しく配列させなければな
らない。
このためには、いくつかのポテンシヤルの山を越えな
ければならない。ポテンシヤルの山を越えるためのエネ
ルギーを活性化エネルギーと呼んでいる。
従来の分子線エピタキシーにあつては、基板温度を高
く保つことにより、活性化エネルギーを吸着分子に与え
るようにしていた。基板表面の格子振動が吸着分子を運
動させ、活性化する。
この結果、基板の表面に吸着された分子の表面拡散が
起こる。吸着された分子の解離、原子の衝突による核の
生成、安定核の成長などの現象が起る。さらに、安定点
へ向つて原子が移動し、ここで化学吸着される。隣接原
子との間に結合軌道を形成する。
こうして、飛来した材料の原子が格子構造の一部を形
成するようになる。
物理吸着された分子に活性化エネルギーを与える手段
として、低エネルギーイオンビームの照射が有効ではな
いか?と本発明者は考えた。
低エネルギーイオンビームを基板へ照射すると、大部
分は非弾性散乱して、基板から弾じき飛ばされる。基板
の中へ進入するような高エネルギーイオンであつてはい
けない。
この時に基板表面に、格子振動のエネルギーを与え
る。格子振動が励起される。基板表面の温度がミクロな
範囲で上りはじめる。
基板の表面だけに格子振動が励起されるという事が重
要である。低エネルギーイオンであるから、表面で散乱
され、表面にしかエネルギーを与えない。
吸着された分子は表面にあるので、この格子振動エネ
ルギーを吸着して活性化する。そして、表面拡散し、吸
着原子どおしの衝突による核の形成、安定核の成長な
ど、平衡に向う運動を開始する。さらに、安定位置へ移
動し、その位置で化学結合する。
つまり、基板加熱にかえて、イオンビームのエネルギ
ーが、吸着分子に活性化エネルギーを与えることにな
る。
基板の上からいえば、イオンビームによる方がよい。
基板加熱は、基板ホルダの裏側に設けた抵抗加熱ヒー
タにより、基板ホルダと基板の全体を均一に加熱する。
基板加熱は基板の全体を高温にしてしまう。GaAsまたは
InPを母材とする基板場合、基板および成長中のエピタ
キシャル成長層からAsまたはPの抜けなどが起こりう
る。
ところが、イオンビーム照射によると、基板の表層だ
けが格子振動を起こし、吸着分子を励起する。このた
め、GaAsまたはInPを母材とする基板であつてもAsまた
はPが抜けない。
図面によつて本発明の装置をGaAsを母材とする基板に
GaAsをエピタキシャル成長する場合について説明する。
超高真空チヤンバ1は、超高真空10-11Torrに引くこ
とのできる空間である。分子線結晶成長室である。この
空間で、GaとAsの分子線とAr、Ne、HeおよびKrから選ば
れた不活性ガスからなるイオンビームが基板に照射され
て、分子線エピタキシヤル成長が行なわれる。また、前
段にある他の真空室とゲートバルブを介してつながつて
いる。これら他の真空室の図示を略した。
GaAsを母材とする基板2は、基板ホルダ8に取付けら
れた状態でマニピユレータ7の先端に保持されている。
基板ホルダ8と基板2の取付構造は任意である。Moホル
ダにIn金属で基板2を取付けるものもあるし、基板ホル
ダがウエハ穴のある箱状の容器でこの中へウエハを収容
するタイプのものもある。基板は複数枚収容できるもの
もある。
加熱用ヒータ4は基板ホルダ8を背面から加熱し、Ga
Asを母材とする基板2を500℃以下に加熱する。基板加
熱によつて、良好なエピタキシヤル成長膜を得ることが
できる。
マニピユレータ7は基板ホルダ8を保持し、これを回
転させることができる。
超高真空チヤンバ1の内壁にそつてシユラウド10が設
けられる。これは液体窒素を収容し、ガス分子を吸着す
るためのものである。
また真空排気装置6があり、超高真空チヤンバ1の中
を超高真空に引いている。これはイオンポンプ、チタン
サブリメーシヨンポンプなどを併用している。
超高真空チヤンバ1の壁には、適数(この例ではGa用
とAs用の2個)の分子線源セル3が設けられている。
分子線源セル3は、原料融液15を収容したるつぼ12
と、るつぼ12のまわりにあつて、原料融液15を加熱する
ヒータ11を有する。
ヒータ11の周囲には熱遮蔽板13がある、この他にるつ
ぼの温度を測定する熱電対がある。また、分子線の流れ
をオン・オフするため、るつぼ開口の上にシヤツタ14が
設けられる。
以上に説明したものは、従来の分子線結晶成長室に於
ても、具備されているものである。
本発明に於ては、これらの他に、差動排気型イオンソ
ース5が超高真空チヤンバ1の中に設けられている。
イオンソース5は低エネルギーのAr、Ne、HeおよびKr
から選ばれた不活性ガスからなるイオンビームを発生す
る。低エネルギーというのは1000eV以下ということであ
る。このうち、特に20〜200eV程度が良い。
1000eVを越えると、イオンビームのエネルギーによつ
て、分子線エピタキシーがかえつてさまたげられる。ま
た基板の格子構造が損傷を受けることもある。
それゆえ1000eV以下である必要がある。イオン打込み
に使うのが数十keV〜百keVである事を考えれば、これは
極めて低いエネルギーであることが分る。
膜の構成材料としない前記イオンビームは、基板加熱
のエネルギーと相補的な関係にある。基板加熱温度が高
ければ、イオンビームのエネルギーEwは小さくてよい。
基板加熱温度が低ければ、イオンビームのエネルギーEw
は大きい事が必要である。
Ar、Ne、HeおよびKrから選ばれた不活性ガスを、1価
のイオンにし、電極間に電圧をかけて加速する。
イオンソース5の内部は公知であるから簡単に説明す
る。イオンソースは真空排気装置につながれた容器であ
る。この中にフイラメントがある。前記不活性ガスはイ
オンソース容器へ、ガスボンベから供給される。フイラ
メントを加熱すると熱電子が放出される。フイラメント
と、別に設けた電極の間に電圧をかけておく。電子が加
速されて、不活性ガスに当り、これをイオン化する。
イオン化された不活性ガス原子は、加速電極によつて
加速され、イオンソース5から放射される。イオンのエ
ネルギーEwやイオン電流は任意に制御可能である。
このようなイオンソースの構造は公知であるが、この
他に、レンズを入れてビームを絞るという事も有効であ
る。イオンソースの内部構造は任意である。加速電圧が
低く、エネルギーは1000eV以下でよいので、小型のイオ
ンソースで足りる。
差動排気型というのは、イオンソースの内部の真空度
と、超高真空チヤンバの真空度が異なるので、この真空
度の差を維持でるようになつているという事である。超
高真空チヤンバ1は、分子線のない時10-11Torrの超高
真空でなければならない。一方、イオンソースは、10-5
〜10-7Torr程度であるから、差動排気型でなければなら
ない。
イオンソース5は、左右に動きうるようになつている
のが望ましい。基板に対するイオンの入射角度を変える
ためである。
基板表面に立てた法線と、イオンビームのなす角度を
入射角と定義する。
入射角は0゜(ビームと基板面が直交)でもよいが、
0゜〜90゜の範囲で調整できたほうがよい。特に、0〜
60゜の調整が可能である事が望まれる。0゜以外の最適
角Λが存在するかも知れないからである。
イオンソース5を左右に動かす装置は、回転導入機
や、直線導入機によつて構成することができる。
(カ) 作用 超高真空チヤンバ1を開いて、分子線源セル3をるつ
ぼ12に原料固体を充填する。準備が終ると超高真空チヤ
ンバ1を閉じて、真空に引く。全体をベーキングして時
間をかけて内部を超高真空にする。
真空度が上つてから、シユラウドに液体窒素を入れ、
より一層、真空度を上げる。そうして、10-10〜10-11To
rrの超高真空にする。数日かかる事もある。
ガスソースを用いる分子線源セルの場合は、このよう
な事は不必要である。
一方、GaAsを母材とする基板の方は、エツチング、洗
浄を繰返えして清浄にし、ホルダにとりつける。
ホルダにとりつけた前記基板は、試料準備室へ入れ
る。順次、真空室を通して、分子線結晶成長室である超
高真空チヤンバ1に入れる。
十分に真空度を上げてから、分子線結晶成長を行な
う。
分子線源セル3のヒータに通電し、原料融液15を加熱
し、気化させる。超高真空中であるので、平均自由行程
が長く、気化した分子は、直進する分子線M、Nとな
る。
他方、Ar、Ne、He、およびKrから選ばれた不活性ガス
からなるイオンビームWをイオンソース5から発生させ
る。
母材と同一元素からなる分子線M、N、…および前記
イオンビームWは、前記基板2に照射される。分子線の
方は、一部が基板で運動エネルギーを失い物理吸着され
る。分子状態で、或は解離して原子になつて基板表面を
動き安定な位置に入る。そして、エピタキシヤル成長膜
9を形成する。
イオンビームの方は、分子線源セルから照射された母
材と同一の元素とは反応する事なく、従って基板にとり
こまれ膜の構成材料となることはない。非弾性散乱され
るが、この時にエネルギーを基板表面の格子構造に与え
る。
このエネルギーを受けて、分子が表面を移動するので
ある。基板加熱温度をこれによつて500℃以下に下げる
事ができる。
どの程度下げられるかというと、これはイオンビーム
のエネルギーにもよるが、これを用いない場合に比べ50
゜〜100℃下げる事ができる。
600℃に基板加熱していたGaAsを母材とする基板につ
いて、500℃の加熱でもよい事になる。これは、同じ程
度の品質のGaAsエピタキシヤル膜が得られるという事で
ある。
GaAsを母材とする基板の場合、加熱温度を100℃下げ
る事ができれば、基板および成長中のエピタキシャル成
長層からのAs抜けを有効に防ぐことができる。また、加
熱用ヒータ4の電力も少なくて済む。ヒータの劣化も遅
くなる。
(キ) 効果 分子線エピタキシヤル成長に於て、GaAsまたはInPを
母材とする基板の加熱温度をより低くする事ができる。
より低くても良質のエピタキシヤル成長膜が得られる。
このため、基板が加熱による損傷を受けない。GaAsまた
はInPを母材とする基板の場合、基板温度が低いから、A
s抜け、P抜けなどが起らない。
従って、As或いはP抜けによる化学量論比に狂いが生
じないので、目的とする結晶構造の良質な膜が得られ
る。
加熱用ヒータのパワーを減ずる事ができる。ヒータ駆
動電力を節減できる。ヒータ構造をより単純化する事が
できる。また、真空室内に入る熱量が減ずるので、液体
窒素の消費量も節減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の薄膜形成装置の概略断面図。 1……超高真空チヤンバ 2……基板 3……分子線源セル 4……加熱用ヒータ 5……差動排気型イオンソース 6……真空排気装置 7……マニピユレータ 8……基板ホルダ 9……エピタキシヤル成長膜 10……シユラウド 11……ヒータ 12……るつぼ 13……熱遮蔽板 14……シヤツタ M、N……分子線 W……イオンビーム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】GaAsまたはInPを母材とする基板上に、エ
    ピタキシャル成長させる分子線エピタキシー装置であっ
    て、超高真空にする事のできる超高真空チャンバと、超
    高真空チャンバの中にあって前記基板を取り付けた基板
    ホルダを保持できるマニピュレータと、前記基板を500
    ℃以下に加熱するための加熱用ヒータと、超高真空チャ
    ンバの中にあって、前記母材と同一の元素から成る分子
    線を発生し前記基板へ照射することのできる分子線源セ
    ルと、超高真空チャンバの中にあって、Ar、Ne、He及び
    Krから選ばれた不活性ガスのイオンビームを発生し基板
    へ照射することのできるイオンソースとよりなり、前記
    イオンビームの加速電圧が1000V以下である事を特徴と
    する分子線エピタキシー装置。
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