JPH08254845A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JPH08254845A
JPH08254845A JP5601295A JP5601295A JPH08254845A JP H08254845 A JPH08254845 A JP H08254845A JP 5601295 A JP5601295 A JP 5601295A JP 5601295 A JP5601295 A JP 5601295A JP H08254845 A JPH08254845 A JP H08254845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
layer
charge
compound
photoconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5601295A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Hashimoto
充 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP5601295A priority Critical patent/JPH08254845A/ja
Publication of JPH08254845A publication Critical patent/JPH08254845A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高耐久で高感度であり、正帯電で作動可能な
電子写真感光体を提供することを目的とする。 【構成】 導電性基体上に、下記の一般式(化1)で表
される化合物を含有する感光層を形成した電子写真感光
体である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式による複
写機、プリンター、及びファクシミリ等で用いられる電
子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた複写機、プ
リンター、及びファクシミリ等の発展は目覚ましく、企
業のオフィスはもとより広く一般家庭にまで普及しつつ
ある状況にある。
【0003】この発展の背景には、電子写真方式で用い
られる感光体として、従来からのセレン及びその合金、
あるいは硫化カドミウムなどの無機材料を用いた無機系
感光体に変わって、有機物を用いた有機系感光体の出現
によるところが大きい。
【0004】というのは、この有機系感光体は、一般に
有害性がなく、またコスト的に無機系感光体に比較して
有利であるだけではなく、本質的に、適切な材料の選択
によりその分光感度を任意にコントロールすることがで
きるという優れた特性を有する。
【0005】よって、例えば、現在のレーザープリンタ
ーで書き込み光源として広く用いられている半導体レー
ザーに対し、感度の整合性が良好な感光体を開発するこ
とができ、現在の電子写真方式用いた複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の発展を支えて来たと考えることが
できる。
【0006】ところで、現在最も広く用いられている有
機系感光体は、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層した
積層感光体である。
【0007】この積層感光体は、これまで検討された有
機系感光体の中で、高い感度、高い耐久性を与えたこと
から広く実用化されるに至っている。
【0008】具体的には、現在の積層感光体は、そのほ
とんどが電荷発生層の上に正孔輸送性の電荷輸送層を積
層したものであり、その作動は負帯電で行われる。
【0009】ところが、コロナ放電器等による負の帯電
工程は、正の帯電工程に対し、より多くのオゾンの発生
を伴い、複写機、プリンター、ファクシミリ等の使用環
境に対して悪影響を及ぼしたり、また感光体の劣化を促
進するなど必ずしも好ましいものとはいえない。
【0010】このような背景を持ちながらも、現在の積
層感光体が負帯電性に限られるのは、一つには、これま
でに優れた電子輸送性の電荷輸送材料を見出し得てない
ことから、電子輸送性の電荷輸送層を実現できず、原理
的に正帯電積層感光体が実現し得ないことに起因する。
【0011】一方、上記のような背景から、既存の電荷
輸送材(正孔輸送性)及び/又は電荷発生材を用いて、
有機感光体の作動極性を正とするものとして、いくつか
の試みがなされている。
【0012】一つの例としては、上記の積層感光体の逆
積層、すなわち正孔輸送性の電荷輸送層の上に電荷発生
層を積層したものがあり、この場合は、更に必要に応じ
表面保護層が設けられている。
【0013】又、他の例としては、電荷発生材を必要に
よって電荷輸送材と共に結着樹脂に分散した単層感光体
があげられる。
【0014】しかし、これらの感光体において、逆積層
の感光体では、その表層が機械的強度に乏しい電荷発生
層であることから、本質的に繰り返し使用に耐えられな
いという短所を有し、更に、表面保護層を設けたもので
は、繰り返し使用時にその表面保護層に低抵抗物質が付
着しやすいがために、いわゆる「画像流れ」を起こしや
すいという短所を有している。
【0015】又、単層感光体においては、特異な光減衰
(インダクション)特性を示す場合が見られたり、感光
層における電子の輸送特性に関する課題が付きまとう場
合があり、結果的に、残留電位が大きい場合や低感度で
あったりする場合が見られることがある。
【0016】以上まとめれば、従来の逆積層感光体や単
層感光体は、未だ広く実用に供されるには至っておら
ず、依然として、有機感光体は負帯電作動のものが主流
となっているのが実情である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述したように従来の
感光体の多くは、負帯電作動であるために、多くのオゾ
ンの発生を伴い、複写機等の使用環境に対して悪影響を
及ぼしたり、かつ感光体自身の劣化が促進されやすいた
めに、耐久性が乏しい等の課題を有している。
【0018】本発明の目的は、従来の有機感光体の負帯
電作動を正帯電作動とするべく、新たに電子輸送可能な
物理的性質を有する相を提供し、その新規な相に基ずく
層を有する電子写真感光体を提供しようとするものであ
る。
【0019】更に、本発明に関わる化合物の電子輸送性
を利用して、正帯電または正負両帯電で作動する積層感
光体、及び正帯電または正負両帯電で作動する単層感光
体を提供することをも目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、下
記(化2)で表される化合物を含有する感光層を形成し
た構成であることを特徴とする。
【0021】
【化2】
【0022】(但し上記式中、A1及びA2は置換若しく
は非置換の芳香環又は芳香族複素環を表し、R1、R2
3は水素、アルキル基、シアノ基、芳香族基、又は芳
香族複素環基を表し、nは、0、1、2の整数を表
す。) より具体的には、本発明による電子写真感光体の一つの
主形態は、導電性基体上に電荷発生材、又はその電荷発
生材と必要により各種の添加物や結着樹脂とからなる電
荷発生層を形成し、その上に、上記の(化2)で表され
る化合物、又はその化合物と必要により各種の添加物や
結着樹脂とからなる電荷輸送層を形成した積層感光体で
ある。
【0023】そして、この電荷輸送層を、上記の(化
2)で表される化合物、又はその化合物と必要により各
種の添加物や結着樹脂に加え、従来の正孔輸送材を含ま
せて積層感光体を構成してもよい。
【0024】又、本発明による電子写真感光体の他の一
つの主形態は、導電性基体上に電荷発生材、又はその電
荷発生材と必要によって各種の添加物や結着樹脂、及び
上記の(化2)で表される化合物とからなる感光層を形
成した単層感光体である。
【0025】そして、この構成の感光層に、従来の正孔
輸送材を含ませて単層感光体を構成してもよい。
【0026】なお、(化2)で表される化合物の電子輸
送性を利用した上記と逆積層の負帯電感光体であっても
よい。
【0027】又、従来の正孔輸送性の電荷輸送層を有す
る積層感光体の、特性改良等を目的として電荷発生層、
又は電荷輸送層へ、上記(化2)で表される化合物を添
加した感光体であってもよい。
【0028】又、以上の感光体において、導電性基体と
感光層の間に、接着性の改良や電荷注入の阻止などを目
的とした下引き層を設けた感光体であってもよい。
【0029】そして、以上の感光体において、表面に保
護層を設けた感光体としてもよい。さて、上記のよう
に、本発明は、導電性基体上に、(化2)で示される化
合物を含有する感光層を形成したものであるが、更に、
以下に、その構成要素ごとに詳細な説明を行う。
【0030】まず、(化2)におけるA1及びA2の具体
的な例としては、置換若しくは非置換のベンゼン環、ナ
フタレン環、アントラセン環、ピレン環等の芳香環、置
換又は非置換のフラン環、ピロール環、チオフェン環、
ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン
環、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾチオフェン
環、インドール環、ベンゾフラン環、又はカルバゾール
環等の芳香族複素環を挙げることができる。
【0031】又、A1及びA2上の置換基としては、アミ
ノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アセチルア
ミノ基、若しくはベンゾイルアミノ基等の置換又は非置
換のアミノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、2−エチルへキシル基、ベンジル基、
フェネチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエ
チル基、クロルメチル基、ヒドロキシメチル基、若しく
は2,2−ジフェニルエチル基等の置換又は非置換のア
ルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オク
チルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、2
−エチルへキシルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェネ
チルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、若しくはパー
フルオロエトキシ基等の置換又は非置換のアルコキシ
基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブ
チルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチ
ルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、ベンジルチ
オ基等の置換又は非置換のアルキルメルカプト基、メチ
ルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホ
ニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、
ヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、デシル
スルホニル基、ドデシルスルホニル基、若しくはベンジ
ルスルホニル基等の置換又は非置換のアルキルスルホニ
ル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘキ
サノイル基、オクタノイル基、メタクリロイル基、ベン
ゾイル基、トルオイル基、プロピルベンゾイル基、若し
くはフェニルアセチル基等の置換又は非置換のアシル
基、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、ブ
トキシスルホニル基、若しくはベンジルスルホニル基等
の置換又は非置換のアルコキシスルホニル基、フェニル
基、トリル基、若しくはナフチル基等の置換又は非置換
の芳香族基、ピリジル基又はチエニル基等の複素環基、
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキ
シカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、若しく
はベンジルオキシカルボニル基等の置換又は非置換のア
ルコキシカルボニル基、ビニル基、2−フェニルビニル
基、2−トリルビニル基、2,2−ジフェニルビニル
基、2,2,−ジトリルビニル基、若しくは2,2−ジ
シアノビニル基等の置換又は非置換のビニル基、その他
ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基、アシルオキシ基、ア
シルメルカプト基、アシルスルホニル基、ホルミル基、
カルボキシリル基、ベンゼンスルホニル基等が挙げら
れ、これらの置換基は複数置換されていても良く、また
複数置換の場合はそれらは互いに同一もしくは異なって
いても良いものである。
【0032】又、R1,R2及びR3におけるアルキル基
の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ベンジル基、フェネチル基、トリフルオロメチル
基、パーフルオロエチル基、クロルメチル基、若しくは
ヒドロキシメチル基等の置換又は非置換のアルキル基、
又、芳香族基の具体例としては、置換若しくは非置換の
フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナント
リル基、又はピレニル基、芳香族複素環基の具体例とし
ては、置換若しくは非置換のチエニル基、ピリジル基、
又はキノリル基等が挙げられる。これらの化合物は、そ
れぞれの化学構造に対応するビンドン誘導体と、アルデ
ヒド誘導体とを脱水縮合することにより合成することが
できる。
【0033】ここで、以下の(化3)から(化66)
に、(化2)で示される本発明に係わる化合物の更なる
具体例を示す。
【0034】
【化3】
【0035】ここで、(化3)中のR、R2からR6は、
以下の(表1)中に示されるものを代表的にとり得、各
々(表1)中に記載されているような化合物番号を付与
する。
【0036】
【表1】
【0037】ついで、(化4)から(化66)に示す化
合物を以下に示すが、各々化学式の上に記載する化合物
番号を付与する。
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】
【化17】
【0052】
【化18】
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】
【化26】
【0061】
【化27】
【0062】
【化28】
【0063】
【化29】
【0064】
【化30】
【0065】
【化31】
【0066】
【化32】
【0067】
【化33】
【0068】
【化34】
【0069】
【化35】
【0070】
【化36】
【0071】
【化37】
【0072】
【化38】
【0073】
【化39】
【0074】
【化40】
【0075】
【化41】
【0076】
【化42】
【0077】
【化43】
【0078】
【化44】
【0079】
【化45】
【0080】
【化46】
【0081】
【化47】
【0082】
【化48】
【0083】
【化49】
【0084】
【化50】
【0085】
【化51】
【0086】
【化52】
【0087】
【化53】
【0088】
【化54】
【0089】
【化55】
【0090】
【化56】
【0091】
【化57】
【0092】
【化58】
【0093】
【化59】
【0094】
【化60】
【0095】
【化61】
【0096】
【化62】
【0097】
【化63】
【0098】
【化64】
【0099】
【化65】
【0100】
【化66】
【0101】もちろん、これらの例示は、本発明を何等
限定するものではないことはいうまでもない。
【0102】又、本発明にかかわる電子輸送材が適用さ
れる感光体で用いることが可能な電荷発生材は、特に限
定されるものではなく、照射光を吸収し、効率良く電荷
を発生するものであれば有機あるいは無機材料いずれで
も良く、もちろん従来の電荷発生材は、すべて用いるこ
とが可能である。
【0103】例えば、有機材料としては、モノアゾ顔
料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、テトラキスアゾ顔
料などのアゾ顔料、α型、β型、τ型、X型等の各種結
晶型の無金属フタロシアニン顔料、各種結晶型の銅フタ
ロシアニン、各種結晶型のオキソチタニウムフタロシア
ニン等の金属フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、縮合
多環キノン顔料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ス
クアリウム塩、アズレニウム塩、ジチオケトピロロピロ
ール顔料等が挙げられる。
【0104】又、無機材料の例としては、酸化亜鉛、硫
化カドミウム、セレン、セレン合金、アモルファスシリ
コン等が挙げられる。
【0105】又、必要により用いられる結着樹脂として
は、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリア
クリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリアクリルニトリル、ポ
リアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスル
ホン、シリコン樹脂等が用いられる。
【0106】又、添加物の例としては、感光体の安定性
を増すための酸化防止剤や、分散剤、接着剤、増感剤等
が挙げられる。
【0107】更に、必要によって共に用いることが可能
な正孔輸送材の例としては、ヒドラゾン系化合物、オキ
サジアゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル
系化合物、トリフェニルアミン系化合物、オキサゾール
系化合物、カルバゾール系化合物等が挙げられる。
【0108】又、導電性基体としては、例えばアルミニ
ウム、銅、錫、ニッケル、ステンレス鋼等の金属や、金
属がラミネートあるいは蒸着されたプラスチック材料等
が使用可能である。
【0109】そして、このような導電性基体の形状とし
ては、シート状、ドラム状等電子写真方式を用いるシス
テムの、その時々の要求により、適宜適切な形状が選択
され得る。
【0110】又、本発明の積層感光体における電荷発生
層の厚みとしては、0.01〜5μm、好ましくは0.
1〜2μmである。
【0111】そして、電荷発生層の形成には、電荷発生
材を真空蒸着する方法や、電荷発生材を必要によって結
着樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノ
ン、アルコール類、ハロゲン系溶剤などの分散媒中でボ
ールミル等の方法により微細粒子として分散させた分散
液を調整した後、浸漬塗工法、カラーパンビード塗工
法、スプレー塗工法等により行うことができる。
【0112】又、電化発生層における電化発生材は、単
独又は複数の混合物として用いられる。
【0113】又、電荷輸送層の厚みについては、5〜5
0μm、好ましくは10〜30μmである。そして、電
荷輸送層における電荷輸送材の占める割合については、
電荷輸送材それ自体に被膜形成能がある場合には、結着
樹脂なしでも良いが、通常20〜90重量パーセント、
好ましくは30〜70重量パーセントとし、残りを結着
樹脂が占めることになる。ここでの電荷輸送材は単独又
は複数の混合物として用いられる。
【0114】更に、電荷輸送層の形成については、電荷
輸送材および必要により結着樹脂や添加物を、テトラヒ
ドロフラン、ジクロルメタン、シクロヘキサノン、トル
エンなどの有機溶剤に溶解した溶液を、浸漬塗工法、カ
ラーパンビード塗工法、スプレー塗工法等により塗工す
ることにより形成することができる。
【0115】そして、電荷輸送層に正孔輸送材を併用す
る場合の電子輸送材と正孔輸送材の比率は、重量比率で
1対99から99対1の範囲内である。ここでも、電子
輸送材、正孔輸送材はそれぞれ単独又は複数の混合物と
して用いられる。
【0116】又、本発明の単層感光体にについては、そ
の感光層の厚みは、5〜50μm、好ましくは10〜3
0μmである。
【0117】又、単層感光体における電荷発生材と電荷
輸送材の比率は、重量比率で1対99から1対1の範囲
内である。ここでの電荷輸送材は単独又は複数の混合物
として用いられる。
【0118】そして、感光層に正孔輸送材を併用する場
合の電子輸送材と正孔輸送材の比率は、重量比率で1対
99から99対1の範囲内である。ここでも、電子輸送
材、正孔輸送材はそれぞれ単独又は複数の混合物として
用いられる。
【0119】そして、この感光層の形成は、ボールミル
等の方法により微細粒子とした電荷発生材、電荷輸送材
および必要によって結着樹脂や添加物をテトラヒドロフ
ラン、シクロヘキサノン、アルコール類、ハロゲン系溶
剤等の溶剤に分散・溶解した塗工液を調整した後、浸漬
塗工法、カラーパンビード塗工法、スプレー塗工法等に
より形成することができる。
【0120】なお、単層感光体を形成するに当たり、電
荷輸送材それ自身が被膜形成能がある場合には、結着樹
脂なしでも良いが、通常は電荷発生材及び電荷輸送材の
合計重量1に対し0.2から10重量の範囲内の結着樹
脂が用いられる。
【0121】
【作用】本発明にかかわる上記(化2)で示される化合
物は、良好な電子輸送性を有する。
【0122】従って、上記主形態として説明した積層感
光体の場合、電荷輸送層は電子輸送層となることから、
感光体としは正帯電で作動することが可能である。
【0123】又、この積層感光体において、電荷輸送層
に従来の正孔輸送材を共存させた積層感光体は、正負両
帯電で作動する。
【0124】更に、上記他の主形態として説明した単層
感光体においては、本発明にかかわる上記の(化2)で
表される化合物が電子輸送性を有するがために、正帯電
時における単層感光体の電子の輸送が改善され、残留電
位が小さくなり、かつ高感度となる。
【0125】又、この単層感光体において、従来の正孔
輸送性の電荷輸送材を共に用いた感光体は、正負両帯電
で作動することが可能である。
【0126】
【実施例】以下、本発明について、具体的な実施例を、
図面を参照しながら、より詳細に説明する。
【0127】(実施例1)以下、本発明の実施例1につ
いて、図1を参照しながら説明する。
【0128】図1において、1は導電性基体、2は電荷
発生層、3は電荷輸送層、4は感光層である。
【0129】まず、厚さ約75μmのポリエステルフィ
ルム上に、アルミニウム約800Åを蒸着した導電性基
体1を用意する。
【0130】次に、導電性基体1のアルミニウム面上
に、オキソチタニウムフタロシアニン75重量部、ポリ
エステル樹脂25重量部、及びテトラヒドロフラン49
00重量部からなる混合物をボールミルにて粉砕・混合
して得た分散液を、ドクターブレードを用いて塗布し、
室温にて5分間乾燥して厚さ約0.5μmの電荷発生層
2を形成した。
【0131】そして次に、この電荷発生層の上に前述の
(化11)で示される化合物番号35の化合物0.8重
量部と、ポリカーボネート樹脂1.2重量部及びテトラ
ヒドロフラン8重量部からなる溶液をドクターブレード
を用いて塗布し、120°Cで10分間乾燥して厚さ約
20μmの電荷輸送層3を形成して、電荷発生層2と電
荷輸送層3とが4で示すように感光層を形成するように
積層された積層感光体を作製し、感光体番号1とした。
【0132】(実施例2)以下、本発明の実施例2につ
いて説明する。
【0133】本実施例では、実施例1において用いた化
合物番号35の化合物の代わりに、前述の(化18)の
化合物番号42の化合物を用いた以外は、実施例1と全
く同様に積層感光体を作製し、感光体番号2とした。
【0134】(実施例3)以下、本発明の実施例3につ
いて説明する。
【0135】本実施例では、実施例1において用いたオ
キソチタニウムフタロシアニンの代わりに、4,4’,
4’’−トリス{2−ヒドロキシ−3−(2−エチルフ
ェニルカルバモイル)−11H−ベンゾ[a]カルバゾ
ール−1−イルアゾ}−トリフェニルアミンを用いた以
外は、実施例1と全く同様に積層感光体を作製し、感光
体番号3とした。
【0136】(実施例4)以下、本発明の実施例4につ
いて、図2を参照しながら説明する。
【0137】図2において、11は導電性基体、22は
電荷輸送機能を有する相を呈する電荷輸送層、33は電
荷発生材、44は感光層である。
【0138】本実施例では、厚さ約75μmのポリエス
テルフィルム上に、アルミニウム約800Åを蒸着した
導電性基体11のアルミニウム面上に、オキソチタニウ
ムフタロシアニン10重量部、ポリカーボネート樹脂4
5重量部、前述の(化25)の化合物番号49の化合物
45重量部、及びテトラヒドロフラン400重量部から
なる混合物をボールミルにて粉砕・混合して得た分散液
を、ドクターブレードを用いて塗布し、120°Cで1
0分間乾燥して厚さ約20μm感光層44を形成して、
単層感光体を作製し、感光体番号4とした。
【0139】(実施例5)以下、本発明の実施例5につ
いて説明する。
【0140】本実施例では、実施例4において用いた化
合物番号49の化合物の代わりに、前述の(表1)に詳
細が示される化合物番号4の化合物を用いた以外は、実
施例4と全く同様に単層感光体を作製し、感光体番号5
とした。
【0141】(実施例6)以下、本発明の実施例6につ
いて説明する。
【0142】本実施例では、実施例4において用いた化
合物番号49の化合物の代わりに、前述の(表1)に詳
細が示される化合物番号6の化合物を用いた以外は、実
施例4と全く同様に単層感光体を作製し、感光体番号6
とした。
【0143】(実施例7)以下、本発明の実施例7につ
いて説明する。
【0144】本実施例では、実施例4において用いた化
合物番号49の化合物の代わりに、前述の(表1)中に
詳細が示される化合物番号9の化合物を用いた以外は、
実施例4と全く同様に単層感光体を作製し、感光体番号
7とした。
【0145】(実施例8)以下、本発明の実施例8につ
いて説明する。
【0146】本実施例では、実施例4において用いた化
合物番号49の化合物の代わりに、前述の(化5)の化
合物番号29の化合物を用いた以外は、実施例4と全く
同様に単層感光体を作製し、感光体番号8とした。
【0147】(実施例9)以下、本発明の実施例9につ
いて説明する。
【0148】本実施例では、実施例4において用いた化
合物番号49の化合物の代わりに、前述の(化12)の
化合物番号36の化合物を用いた以外は、実施例4と全
く同様に単層感光体を作製し、感光体番号9とした。
【0149】(実施例10)以下、本発明の実施例10
について説明する。
【0150】本実施例では、実施例4において用いた化
合物番号49の化合物の代わりに、前述の(化15)の
化合物番号39の化合物を用いた以外は、実施例4と全
く同様に単層感光体を作製し、感光体番号10とした。
【0151】次に、上記の実施例により、作成した各感
光体について、感光体特性を評価した。
【0152】感光体特性の評価は、川口電気製作所製静
電複写紙試験装置8100型を用い、プラス6KVのコ
ロナ放電により感光体を帯電し、10秒間暗減衰させた
後の表面電位をVoとし、その後、露光面照度で波長7
80nm、光強度2μ/cm2 の単色光を照射した時の
光減衰曲線から、Voが1/2になるのに要する露光量
(半減露光量)を求め、感度とした。
【0153】以下の(表2)に、本発明の感光体の評価
結果を示した。
【0154】
【表2】 (表2)の結果より、本発明の感光体が、非常に高感度
であり、充分実用に供する優れた特性を有する正帯電で
作動する積層有機感光体、及び単層有機感光体を実現し
得たことがわかった。
【0155】
【発明の効果】以上のように、本発明の電子輸送材を用
いた感光体は、積層型、単層型ともに、正帯電作動で高
い感度を示すという優れた特性を呈する。
【0156】又、(化2)の化学式で表現される化合物
の電子輸送性を利用して、正負両帯電で作動する積層感
光体、及び正負両帯電で作動する単層感光体をも、簡便
に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の一実施例である積層感光体の
模式断面図
【図2】同単層感光体の模式断面図
【符号の説明】
1 導電性基体 2 電荷発生層 3 電荷輸送層 4 感光層 11 導電性基体 22 電荷輸送相(層) 33 電荷発生材 44 感光層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、下記の一般式(化1)
    で表される化合物を含有する感光層を形成した電子写真
    感光体。 【化1】 (但し上記式中、A1及びA2は置換若しくは非置換の芳
    香環又は芳香族複素環を表し、R1、R2、R3は水素、
    アルキル基、シアノ基、芳香族基、又は芳香族複素環基
    を表し、nは、0、1、2の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 導電性基体上に、電荷発生層、及び(化
    1)で表される化合物を含有する電荷輸送層とを組み合
    わせて構成される請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性基体上に、電荷発生材、及び(化
    1)で表される化合物を含有する感光層を単一な層とし
    て形成した請求項1記載の電子写真感光体。
JP5601295A 1995-03-15 1995-03-15 電子写真感光体 Pending JPH08254845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5601295A JPH08254845A (ja) 1995-03-15 1995-03-15 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5601295A JPH08254845A (ja) 1995-03-15 1995-03-15 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08254845A true JPH08254845A (ja) 1996-10-01

Family

ID=13015151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5601295A Pending JPH08254845A (ja) 1995-03-15 1995-03-15 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08254845A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2763315B2 (ja) 電子写真感光体
JPH03284759A (ja) 電子写真感光体
JPH04287049A (ja) ビススチリル化合物及び電子写真感光体
JPH1090925A (ja) 有機光導電性材料及びそれを用いた電子写真感光体
JPH08254845A (ja) 電子写真感光体
JPH04290852A (ja) ビススチリル化合物及び電子写真感光体
JPH05204175A (ja) 電子写真用感光体
JPH07253680A (ja) 電子写真感光体
JPH04321649A (ja) ビススチリル化合物、亜燐酸化合物及び電子写真感光体
JPH08179527A (ja) 電子写真感光体
JPH037945A (ja) 電子写真感光体
JP3255525B2 (ja) ピラジン化合物及びそれを含有する電子写真感光体
JPH08254846A (ja) 電子写真感光体
JPH01263657A (ja) 電子写真感光体
JP2816064B2 (ja) 電子写真感光体
JP2604858B2 (ja) 電子写真用感光体
JP2515386B2 (ja) 電子写真用感光体
JPH07253681A (ja) 電子写真感光体
JPH0836269A (ja) 電子写真感光体
JPH08179528A (ja) 電子写真感光体
JP2507559B2 (ja) 電子写真感光体
JP2000206713A (ja) 電子写真用感光体
JPH0990654A (ja) 電子写真感光体
JPH0611869A (ja) 電子写真感光体
JPH02154267A (ja) 電子写真感光体