JPH08253645A - 熱安定化された塩素含有樹脂組成物 - Google Patents

熱安定化された塩素含有樹脂組成物

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JPH08253645A
JPH08253645A JP5931895A JP5931895A JPH08253645A JP H08253645 A JPH08253645 A JP H08253645A JP 5931895 A JP5931895 A JP 5931895A JP 5931895 A JP5931895 A JP 5931895A JP H08253645 A JPH08253645 A JP H08253645A
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chlorine
stabilizer
resin composition
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Tamotsu Sato
有 佐藤
Atsushi Kagiyama
淳 鍵山
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Westlake Akishima Co Ltd
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Akishima Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は塩素含有樹脂に無毒性の安定剤を添加
することで硬質成形品のパイプやサイデング用に特に効
果のある熱安定化された塩素含有樹脂組成物を得ようと
するものである。 【構成】(a)ジ−n−オクチル錫ビス(メルカプト酢
酸イソオクチルエステル)60〜95重量%、(b)ポ
リ(チオビス−n−ブチル錫サルファイド)39〜4重
量%、(c)硫化ナトリウム1重量%以下の配合比で
(a)+(b)+(c)の合計が50〜98重量%と、
(d)マグネシウムの酸化物または水酸化物が50〜2
重量%の安定剤を、塩素含有樹脂100重量部に対し
て、0.1〜8重量部含有してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は熱安定化された塩素含
有樹脂組成物に関し、安定剤として無毒性のアルキル錫
化合物と硫化ナトリウムさらにマグネシウム無機化合物
を組み合わせてなる熱安定化された塩素含有樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルに代表される塩素含有樹
脂組成物は、熱成形加工時に脱塩化水素を伴う分解を起
こして成形品を着色させるため、従来より種々の安定剤
を添加してこれを防止することが採用されている。この
安定剤は、従来よりステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛あ
るいは二塩基性ステアリン酸鉛などが広く用いられてい
る。この塩素含有樹脂組成物の鉛系安定剤は、塩化水素
の捕捉作用に優れ加工性も良好でしかも安価であるが、
最近になってその毒性が問題となっている。その一例と
して、塩素含有樹脂組成物からなる上水道パイプ、継手
などの成形品に対して、鉛金属の溶出基準の改正がなさ
れ規制が強化されている。
【0003】このために、現在この分野では従来の鉛系
の安定剤が実質的に使用できなくなり、これに代わる安
定剤の開発が急がれている。こうしたことで、既に非鉛
系の安定剤による熱安定化方法が各種提案されている。
【0004】例えば、特公昭58−4561号、同58
−56539号、同59−49229号、特公平6−4
741号、同7−5805号、特開平6−2400号、
同7−3071号、同7−3087号、同7−1813
8号、同7−26094号、同7−33936号では、
パイプやサイデング用としてアルキル錫サルファイドの
併用、またはステアリン酸カルシウムなどとの組み合わ
せによる配合処方をそれぞれ提案している。
【0005】しかしながら、これらの配合処分で樹脂を
熱成形したとき、熱分解によって発生する塩化水素の捕
捉作用が鉛系安定剤に比較して依然として劣っており十
分な熱安定性が得られず、なお一層の改善が求められて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は塩素含有樹脂
に無毒性のアルキル錫化合物、少量の硫化ナトリウムお
よびマグネシウム化合物とを組み合わせた安定剤を添加
することで硬質成形品であるパイプやサイデング用に特
に効果のある熱安定化された塩素含有樹脂組成物を得よ
うとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ジ−n
−オクチル錫ビス(メルカプト酢酸イソオクチルエステ
ル)60〜95重量%、(b)ポリ(チオビス−n−ブ
チル錫サルファイド)39〜4重量%、(c)硫化ナト
リウム1重量%以下の配合比で(a)+(b)+(c)
の合計が50〜98重量%と、(d)マグネシウムの酸
化物または水酸化物が50〜2重量%の安定剤を、塩素
含有樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部含有
してなる熱安定化された塩素含有樹脂組成物である。以
下にこの発明をさらに説明する。
【0008】この発明で用いる安定化剤、(a)ジ−n
−オクチル錫ビス(メルカプト酢酸イソオクチルエステ
ル)、(b)ポリ(チオビス−n−ブチル錫サルファイ
ド)、(c)硫化ナトリウム及び(d)マグネシウムの
酸化物または水酸化物からなる。
【0009】この発明では上記の(a)、(b)、
(c)の3成分の割合を特定し、これらの3成分の合計
を100%として(a)のジ−n−オクチル錫ビス(メ
ルカプト酢酸イソオクチルエステル)を60〜95重量
%、(b)のポリ(チオビス−n−ブチル錫サルファイ
ド)を39〜4重量%、(c)の硫化ナトリウムを1重
量%以下とする。そしてこの安定剤は、これらの
(a)、(b)、(c)の合量の50〜98重量%と、
マグネシウムの酸化物または水酸化物の50〜2重量%
とからなる。
【0010】上記の(a)、(b)、(c)の3成分の
割合についていえば、(a)のジ−n−オクチル錫ビス
(メルカプト酢酸イソオクチルエステル)を60〜95
重量%としたのは、これが60重量%未満では効果がな
く、またこれが95重量%を超えると毒性が問題となる
ためである。(b)のポリ(チオビス−n−ブチル錫サ
ルファイド)を39〜4重量%としたことについても上
記と同様である。硫化ナトリウムを1重量%以下とした
のは毒性の点でこれを超えて添加することは好ましくな
い。本発明者は、これらの配合比で(a)、(b)、
(c)の3成分を所定の割合で併用することによって、
無毒でしかも熱安定化効果が鉛系安定剤と実質的に同等
の安定剤が得られることを見出だしたもので、これらの
いずれを欠いても十分な熱安定化効果は期待できない。
【0011】本発明で用いる安定剤は、上記の(a)、
(b)及び(c)の合量の50〜98重量%と、(d)
のマグネシウムの酸化物または水酸化物50〜2重量%
とからなる。(a)ないし(c)の合計であある(a)
+(b)+(c)が50重量%未満であると初期着色防
止効果が十分でなく熱安定化の効果がない。またこれが
98重量%を超えると他方の成分であるマグネシウムの
酸化物または水酸化物の配合比が少なく、持続耐熱性が
十分でない。マグネシウムの酸化物または水酸化物の配
合比は50重量%を超えると初期着色が生じる。マグネ
シウムの酸化物または水酸化物の配合比は、下限を2重
量%、上限を50重量%とする。この範囲で初期着色防
止性および持続耐熱性において相乗効果が出る。
【0012】この発明の塩素含有樹脂組成物では、かか
る安定剤を塩素含有樹脂100重量部に対し0.1〜8
重量部を含有する。さらに好ましい含有量は0.3〜5
重量部である。0.1重量部未満では十分な熱安定化効
果は得られず、8重量部を超えて添加しても添加量の割
には熱安定性はさ程改善されず、かえって軟化点などの
物性の低下をきたす。
【0013】本発明は、上記の安定剤成分を含む外に以
下のような安定剤成分、安定化助剤その他の添加剤を併
用することができる。例えば、金属石けん系化合物、ア
ルキル錫化合物、無機金属塩化合物およびこの複塩、多
価アルコールおよびこのエステル化合物、含窒素系安定
化助剤、β−ジケトン化合物、フェノール系および有機
亜リン酸エステル系の酸化防止剤、紫外線吸収剤などの
光安定剤、エステルまたはワックス系の加工助剤などで
ある。これらの添加剤は必要に応じて適宜に用いること
ができる。
【0014】金属石けん系化合物としては、無毒性の金
属であるカルシウム、マグネシウムまたは亜鉛であり、
これら金属と結合する有機酸基としては、例えば、2−
エチルヘキサン酸、イソデカン酸、ラウリン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オ
レイン酸、安息香酸などのカルボン酸であり、この金属
塩化合物である。
【0015】アルキル錫化合物としては、例えばジメチ
ル錫ビス(チオグリコール酸イソオクチルエステル)と
メチル錫トリス(チオグリコール酸イソオクチルエステ
ル)との混合物であって、混合比76:24または2
1:79、モノメチル錫ビス(2−メチルカプトエチル
トレート)サルファイドとジメチル錫(2−メチルカプ
トエチルオレート)サルファイドとの混合物であって、
混合比90:10、ポリ(チオビス−メチルスズサルフ
ァイド)とジメチルスズサルファイドとの混合物、ジ−
n−オクチル錫ジラウリン酸塩、ポリ(ジ−n−オクチ
ル錫マレイン酸塩)、n−オクチル錫トリス(チオグリ
コール酸イソオクチルエステル)などである。
【0016】無機金属塩化合物およびこの複塩は、例え
ば酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、合成ハイドロタルサイト、ワラストナイト、トベ
ルモライトそしてアルミノシリケートを主成分とするA
型、X型、Y型などの合成ゼオライトなどである。
【0017】多価アルコール、含窒素系化合物およびβ
−ジケトン化合物としては、例えばペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビト
ール、アジピン酸ジペンタエリスリトール、ピロリドン
カルボン酸ジペンタエリスリトール、ウッドロジンペン
タエリスリトール、無水マレイン酸変性ウッドロジンペ
ンタエリスリトール、β−アミノクロトン酸(1,3−
もしくは1,4−)ブタンジオール、トリス(ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレート、トリス(メルカプトエチ
ル)イソシアヌレートさらにはβ−ジケトン化合物であ
るジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、ステアロ
イルベンゾイルメタン、ベンゾイルテトラロン、ステア
ロイルテトラロンなどである。
【0018】フェノール系酸化防止剤としては、例えば
アルキル化フェノール、アルキル化フェノールエーテル
またはエステル、アルキレンまたはアルキリデンビスフ
ェノール、ポリアルキル化フェノール、チオビスアルキ
ル化フェノールそしてチオプロピオン酸エステルに代表
され、例えばブチル化ヒドロキシトルエン、4−ヒドロ
キシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ポリ
ブチル化−4,4′−イソプロピリデンジフェノール、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、テトラキス[メチレン−3(5,5′−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、チオビス(メチル−ブチルフェノール)
4,4′−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、そ
してジラウリルチオジプロピオン酸エステル、ジステア
リルチオジプロピオン酸エステル、2−メルカプトエチ
ルオレート、2−メチルカプトエチルトーレートなどで
ある。 有機亜リン酸エステル系の酸化防止剤として
は、例えばトリスノニルフェニルホスファイト、トリイ
ソトリデシルホスファイト、4,4′イソプロピリデン
ジフェニルアルキル(C12〜C15)ホスファイト、ジラ
ウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステア
リルペンタエリスリトールジホスファイト、ポリ(ジプ
ロピレングリコール)フェニルホスファイトそして2−
t−ブチル−α(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)p−クメニルビス(p−ノニルフェニル)ホスフ
ァイトなどである。
【0019】紫外線吸収剤などの光安定剤として用いら
れるものは、例えば2(5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2(3,5−ジ−t−ブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリア
ゾール系化合物である。また、コハク酸ジメチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレ
ン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ}]などのヒンダードアミン系化合物であ
る。
【0020】エステルまたはワックスなどの加工助剤と
しては、例えばベヘン酸、融点45℃以上のパラフィン
ワックス、融点60℃以上のマイクロクリスタリンワッ
クス、融点100℃以上のパラフィン系合成ワックス、
ポリエチレンワックスそして脂肪酸アミドなどである。
【0021】本発明によって熱安定化される塩素含有樹
脂としては、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化
ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共
重合体、後塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化されたポリエ
チレンまたはポリプロピレン、ポリ塩化ビニルと以下の
ポリマー、例えばポリブテン、ポリ−3−メチルブテ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエ
ン共重合体、メタアクリル酸エステル−ブタジエン−ス
チレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−ス
チレン共重合体などのポリマーとのブレンド品を挙げる
ことができる。
【0022】本発明の塩素含有樹脂組成物は、成形品の
用途に応じて可塑剤、エポキシ化合物、充填剤、顔料、
発泡剤などを適宜併用することができる。次に、実施例
に基いて本発明をさらに説明する。
【0023】
【実施例】
(実施例1〜2、比較例1〜5)本発明の安定剤成分
(a),(b),(c)さらに(d)を以下の基本配合
に添加した塩素含有樹脂組成物を用いて配合処方とし
た。これをシート状として試験片とし、この試験片を用
いて熱安定性を調べた。また、この塩素含有樹脂組成物
を用い、押出成形加工を行い、吐出量や成形性などの挙
動を調べた。
【0024】基本配合は以下の通りである。 ポリ塩化ビニル(重合度、1050) 100重量部 重質炭酸カルシウム 3 〃 ルチル型酸化チタン 0.6 〃 パラフィン・ワックス (注−1) 1.0 〃 酸化ポリエチレン・ワックス (注−2) 0.3 〃 カルシウムステアレート 0.7 〃 本発明の安定剤成分 (表1の1) 注−1 HNP−10、日本精蝋社製 注−2 ハイワックス−4202E、三井石油化学工業社製 塩素含有樹脂組成物の調整(ドライブレンド) 容量20リットルのヘンシェルミキサーにポリ塩化ビニ
ル3,000gに充填剤、滑剤などを規定量仕込み、回
転数500r.p.m.から加熱しながら撹拌した。徐
々に回転数を上昇させ1,000r.p.m.で樹脂の
温度が60℃まで上昇したとき、安定剤を順次添加して
撹拌した。温度120℃まで上昇したとき減速しながら
冷却して撹拌を行い、樹脂温が50℃のときドライブレ
ンドを完了した。
【0025】シートの作成および条件 上記のドライブレンドした塩素含有樹脂組成物を200
℃に設定した混練ロールにて3分間混練し、厚さ0.3
mmの均一なシートを作成し、これを原シートとした。
【0026】試験1 この原シートから試験片を採取し、195℃に設定した
ギヤー老化試験機中に一定時間入れ、熱劣化による着
色、黒色(かっ色)分解までの時間を調べた。この結果
を、表1の1と表1の2で示した。
【0027】表1の1と表1の2は、横方向に接合し一
体となって表示されるものである。表1の1は、配合処
方に用いた原料の種類の一覧と、試験条件を示した。ま
た表1の2は、実施例1、2及び比較例1ないし5の配
合処方と試験結果を示したものである。
【0028】試験2 原シートから試験片10枚を採取した。これを金型上に
重ね、180℃に設定したプレス成形機に入れ、150
kg/cm2 に加圧、一定時間後に取り出して厚さ3m
mのプレス板を得た。この長時間のプレス成形によって
生じた着色の度合いを調べた。この結果を、表1の1と
表1の2に示した。
【0029】試験3 下記の押出機および押出条件にて押出成形加工の特性を
調べた。 押出機:ラポプラストミル(東洋精機製作所製)、異方
向2軸型押出機、2D−25−S、スクリュー径20m
m×2、長さ600mm、L/D=25、回転数30
r.p.m.、ダイ/ガーベダイ(Garvey Di
e:ASTM−2230)、設定温度、C1:150
℃、C2:160℃、C3:170℃、ダイ:200℃
であり、この条件にて押出加工を行い、この成形加工時
の加工性などの挙動、特性をみた。この結果を、表1の
1と表1の2に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1の1と表1の2に見られるように、本
願発明の実施例1及び2は、ギヤーオープン試験では初
期着色もなく、黒色(かっ色)分解時間も長い。また、
プレス試験でも60分の着色が黄色で持続耐熱性があ
る。これに対し、比較例1、2、5は初期着色があって
使用できない。比較例3、4は初期着色はないものの、
持続耐熱性がない。さらに、実施例1及び2は加工性に
優れていることが明らかである。即ち、吐出量は多く従
って樹脂圧力も小さい。さらに、寸法安定性(ダイとの
同一性)、色相、表面光沢(平滑性)などは比較例と対
比していずれも優れている。
【0033】(実施例3〜4、比較例6〜10)この実
施例は塩素含有樹脂の耐衝撃強化剤であるメチルメタア
クリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS)を併
用した塩素含有樹脂組成物を用い、種々の挙動、特性を
調べた。
【0034】なお、ドライブレンドによる配合物の調
整、シートの作成および各種試験の方法、条件は実施例
1と同一の方法、条件で行った。基本配合は下記の通り
とした。安定剤処方および試験結果は、表3の1と表3
の2に示した。
【0035】 配合 ポリ塩化ビニル(重合度 1050) 100重量部 MBS (注−5) 8 〃 重質炭酸カルシウム 3 〃 ルチル型酸化チタン 0.6 〃 パラフィン・ワックス 1.0 〃 酸化ポリエチレン・ワックス 0.5 〃 カルシウムステアレート 1.0 〃 本発明の安定剤成分 (表2の1) 注−5 カネエース B−12 鐘渕化学工業社製
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表2の1と表2の2に見られるように、本
願発明の実施例3及び4は、ギヤーオープン試験では初
期着色もなく、黒色(かっ色)分解時間も長い。また、
プレス試験でも60分の着色が黄かっ色で持続耐熱性が
ある。これに対し、比較例6、7、10は初期着色があ
る。比較例8、9は初期着色はないものの、ギヤーオー
プン試験で黒色(かっ色)分解時間が60分、プレス試
験での60分の着色が黒色で、持続耐熱性がない。さら
に、実施例3及び4は加工性に優れていることが明らか
である。即ち、吐出量は多く従って樹脂圧力も小さい。
さらに、寸法安定性(ダイとの同一性)、色相、表面光
沢(平滑性)などは比較例と対比していずれも優れてい
る。
【0039】(実施例5〜6、比較例11〜15)この
実施例では、射出成形の配合処方を用いて実施した。な
お、配合の調整、各種試験の方法、条件は実施例1に準
じて行った。基本配合は下記の通りとした。安定剤処方
および試験結果は、表3の1と表3の2に示した。
【0040】 配合 ポリ塩化ビニル(重合度 800) 100重量部 ポリメチルメタクリレート (注−6) 2 〃 ルチル型酸化チタン 0.6 〃 多価アルコール脂肪酸エステル (注−7) 1.5 〃 グリセリンモノ・ジステアレート 1.0 〃 カルシウムステアレート 0.6 〃 本発明の安定剤 (表3の1) 注−6 PA−20、鐘渕化学工業社製 注−7 リケスターEW−200、理研ビタミン社製 注−8 リケマールS−200、 理研ビタミン社製
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】表3の1と表3の2に見られるように、本
願発明の実施例5及び6は、ギヤーオープン試験では初
期着色もなく、黒色(かっ色)分解時間も長い。また、
プレス試験でも60分の着色が黄かっ色で持続耐熱性が
ある。これに対し、比較例1、3、15は初期着色があ
る。比較例11、12、14は初期着色はないものの、
黒色(かっ色)分解までの時間が早く、プレス試験での
60分の着色が黒かっ色またはかっ色で持続耐熱性がな
い。さらに、実施例5及び6は、吐出量は多く従って樹
脂圧力も小さい。さらに、寸法安定性(ダイとの同一
性)、色相、表面光沢(平滑性)などは比較例と対比し
ていずれも優れている。
【0044】
【発明の効果】以上の通り、本願発明によれば、無毒で
初期着色に優れているとともに、持続耐熱性を有する塩
素含有樹脂組成物が得られるので、毒性の規制されてい
る水道パイプや各種成型品の押し出し加工に好適な塩素
含有樹脂組成物を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ジ−n−オクチル錫ビス(メルカ
    プト酢酸イソオクチルエステル)60〜95重量%、
    (b)ポリ(チオビス−n−ブチル錫サルファイド)3
    9〜4重量%、(c)硫化ナトリウム1重量%以下の配
    合比で(a)+(b)+(c)の合計が50〜98重量
    %と、(d)マグネシウムの酸化物または水酸化物が5
    0〜2重量%の安定剤を、塩素含有樹脂100重量部に
    対して、0.1〜8重量部含有してなる熱安定化された
    塩素含有樹脂組成物。
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