JPH08252474A - 破砕機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 破砕物ａ’の大きさを調整するスクリーンの
網目の大きさを容易に調整する。 【構成】 破砕軸１と固定刃２ａ、２ｂとの協働によ
り、フィーダ４に押し込まれる破砕物ａを切り裂く。そ
の破砕物ａはスクリーン５ａ、５ｂに至り、その網目
（長孔６ａ、６ｂ）の大きさになれば、そのスクリーン
５ａ、５ｂを通る。すなわち、長孔６ａ、６ｂの大きさ
によって決定される大きさの破砕物ａ’を得る。スクリ
ーンは２枚５ａ、５ｂからなり、その長孔６ａ、６ｂの
長軸方向に一方のものが移動・固定可能である。このた
め、両スクリーン５ａ、５ｂの重なり度合を調整するこ
とにより、網目の大きさが変化し、その大きさに応じた
大きさの破砕物ａ’を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、破砕後、その破砕物
をスクリーンを通して一定の大きさ（粒度）にして排出
する破砕機に関する。

【０００２】

【技術的背景】例えば、産業廃棄物は、埋立て処理、焼
却処理などをする場合、一定の大きさに破砕したのち、
それらの処理をする。また、プラスチック、鉄類などの
資源ゴミにおいても、再加工前には一定の大きさに破砕
する必要がある。一定の大きさでないと、円滑な埋立
て、又は焼却・再加工が行い得ないからである。

【０００３】このため、この種の破砕機においては、破
砕刃の回転数、噛み合い度合などの調節によって、破砕
物の大きさの調整を行うのが一般的である。しかし、こ
の回転数等の調節では、所要範囲の大きさの破砕物を円
滑に得ることは困難である。

【０００４】したがって、この発明の一実施例を示す図
１に示すように、破砕ゾーンの周りに、多孔のスクリー
ン（符号、５ａ、５ｂ参照）を設け、このスクリーン５
ａ、５ｂの孔６ａ、６ｂから破砕物ａ’を排出する破砕
機が開発されている。このものは、スクリーンの孔の大
きさによって、破砕物の大きさが決定され、所要範囲の
大きさの破砕物を比較的容易に得ることができる（実公
平６−４６５０５号公報、実開平１−８８７４７号公報
等参照）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このスクリーンを有す
る破砕機において、従来では、一定の大きさの孔（網
目）のスクリーンを固定的に組み込んでいた。このた
め、排出される破砕物の大きさを変えたい場合、所望の
大きさの孔を有するスクリーンに取替えていた。この取
替え作業は、スクリーンの取外し、取付けが伴うため、
非常に煩わしいものであった。

【０００６】とくに、一定の種類の破砕物を破砕する場
合でも、その性状によって、スクリーンを通過し得る大
きさが異なり、所要の大きさの破砕物を得られない場合
がある。例えば、破砕物の硬軟によってスクリーンを通
り得る度合が異なり、その通過後の大きさが異なる。こ
のとき、その性状によってスクリーンを交換すればよい
が、上述のごとく、その交換は煩わしく、交換せずに、
作業を行い、所要の範囲外の大きさの破砕物を得ている
のが実情である。

【０００７】また、その交換作業中、破砕機は停止させ
ることとなり、作業能率の点からも問題となる。

【０００８】このような実情の下、上述の実開平１−８
８７４７号公報には、２枚のスクリーンを重ねた技術が
開示されており、その明細書に、スクリーンの重なり位
置を調節することにり、穴あき面積（破砕物通過面積）
を調節でき、このようにすれば、破砕物の材質やサイズ
に応じて、その面積を適宜に調節できる、旨の記載があ
る。

【０００９】しかしながら、この記載は、破砕物の通過
面積の調節可能性の示唆だけで、具体的なものはない。
このため、同公開公報の図面において、そのスクリーン
の孔は円孔であり、本願図４ｂに示す問題がある。すな
わち、同図のごとく、円孔６ａ’、６ｂ’同士である
と、その調節後の孔（通過面積）は同図斜線内のものと
なり、スクリーンの移動によって、極端に小さな面積と
なる。すなわち、調節度合がきびしく、現実には、破砕
物を所望の大きさとできないのが実情である。

【００１０】この発明は、以上の点に鑑み、複数のスク
リーンの相互移動によるその破砕物通過面積の調節を、
その移動に応じて所要の大きさに容易に行い得るように
することを課題とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明にあっては、破砕軸と固定刃の協働又は複
数の破砕軸同士の協働により破砕作用を行う破砕ゾーン
の周りに、多孔のスクリーンを設け、このスクリーンの
孔から破砕された処理物を排出する上述の従来周知の破
砕機において、上記スクリーンを複数枚５ａ、５ｂを重
ねたものとし、各スクリーン５ａ、５ｂを相互に移動可
能かつ固定可能にして、各スクリーン５ａ、５ｂの孔６
ａ、６ｂの重なり度合を調整可能とし、かつ、その各ス
クリーン５ａ、５ｂの上下に重なる孔６ａ、６ｂを、一
定方向に長い長孔とするとともにその長軸を上下方向に
おいて一致させ、各スクリーン５ａ、５ｂの移動方向を
その長孔６ａ、６ｂの長軸方向とした構成としたのであ
る。

【００１２】

【作用】このように構成するこの発明に係る破砕機は、
破砕軸同士の協働、又は破砕軸１と固定刃２ａ、２ｂの
協働によって破砕作用が行われ、所要の大きさになった
破砕物ａ’がスクリーンの孔６ａ、６ｂを通って排出さ
れる。すなわち、そのスクリーンの孔６ａ、６ｂの重な
り度合によって決定される大きさの破砕物ａ’を得るこ
とができる。

【００１３】したがって、各スクリーン５ａ、５ｂの重
なり度合を調節することにより、破砕物ａ’の排出方向
の孔の断面積が変化するため、その断面積が所要の大き
さとなるように各スクリーンの重なり度合を調節して、
所要の大きさの破砕物を得る。

【００１４】このとき、図４ａに示すように、スクリー
ンの孔６ａ、６ｂが長孔であって、その上下の長孔６
ａ、６ｂの長軸ｃが一致して、その長軸方向のスクリー
ンの移動によって通過面積が調節される。このため、同
図、鎖線又は実線のごとく、スクリーンが相対的に移動
して孔６ａ、６ｂの重なり度合が変化すると、通過面積
は、鎖線斜線内又は実線斜線内となり、大部分の移動に
おいて長軸方向のみが変化し、短軸方向は変化しない。
すなわち、スクリーンの相対移動に対し、通過面積は、
図４ｂのものに比べて緩やかにほぼ比例的に変化する。

【００１５】

【実施例】図１乃至図３に一実施例を示し、この実施例
は、破砕軸１と第１、第２固定刃２ａ、２ｂの協働によ
って、破砕物ａを破砕するものである。第２固定刃２ｂ
は削除し得る。

【００１６】破砕軸１は、その周面に切断チップ３を設
けてあり、このチップ３が固定刃２ａ、２ｂと噛み合う
ことにより、プッシャーフィーダ４により押し込まれる
破砕物ａを破砕する。

【００１７】第１、第２固定刃２ａ、２ｂ間の破砕軸１
の周りには、２枚のスクリーン５ａ、５ｂがボルト７に
よってフレーム８に固定されている。スクリーン５ａ、
５ｂは、各図に示すように複数の長孔６ａ、６ｂを形成
したものであり、両スクリーン５ａ、５ｂを相対的に移
動させることにより、その上下の長孔６ａ、６ｂは長軸
方向が一致して、その長軸方向に移動して、通過有効隙
間ｔが変化する。すなわち、破砕物の通過面積が変化す
る（図４ａ参照）。この調節には、スクリーン５ａ、５
ｂの少なくとも一方は、移動・固定しなければならない
ため（図１矢印参照）、そのフレーム８へのボルト締め
は、移動方向に長い長孔９ｂにそのボルト７を通して行
う。

【００１８】この実施例は、以上の構成であり、図１に
示すように、プッシャーフィーダ４により、破砕物ａを
破砕ゾーンに送り込むと、まず、その破砕物ａは、破砕
軸１のチップ３と第１固定刃２ａにより切断され、その
破片ａ’がスクリーン５ａ、５ｂに送られる。

【００１９】つぎに、破片ａ’は、その大きさがスクリ
ーン５ａ、５ｂの有効隙間ｔを通り得れば、スクリーン
５ａ、５ｂを通って、排出され、通り得なければ、スク
リーン５ａ、５ｂと破砕軸１（チップ３）の協働により
破砕が続行され、第２固定刃２ｂに至れば、その固定刃
２ｂと破砕軸１の協働によって破砕される。これらの破
砕作用によって、スクリーン５ａ、５ｂ（有効隙間ｔ）
を通り得る大きさになった破砕物（破片ａ’）が排出さ
れる。すなわち、所要の大きさの破片ａ’を得る。スク
リーン５ａ、５ｂの重なり度合を調整して、有効隙間ｔ
を調整すれば、その隙間ｔに応じた大きさの破片ａ’を
得ることができる。

【００２０】上記長孔６ａ、６ｂの長軸方向は破砕軸１
の周方向でもよく、このとき、スクリーン５ａ又は５ｂ
は同じく周方向に移動・固定可能とする。

【００２１】なお、この発明における破砕作用は、破砕
軸１と固定刃２ａ、２ｂの協働によらず、２軸の破砕
軸、３軸の破砕軸の協働による等、全ての破砕作用を含
み、その全ての破砕態様の破砕機にこの発明を採用し得
ることは言うまでもない。

【００２２】

【発明の効果】この発明は以上のように構成し、スクリ
ーンの通過面積を長孔の重なり度合でもって緩やか、か
つほぼ比例的に調節し得るようにしたので、破砕物の種
類、性状が異なっても、容易にその破砕物に応じたスク
リーンの通過面積とし得て、所要の大きさの破砕物を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の概略斜視図

【図２】同実施例のスクリーンの分解斜視図

【図３】同実施例のスクリーンの切断図

【図４】作用説明図

【符号の説明】

１ 破砕軸 ２ａ、２ｂ 固定刃 ３ 切断チップ ４ プッシャーフィーダ ５ａ、５ｂ スクリーン ６ａ、６ｂ スクリーンの長孔 ７ ボルト ８ フレーム ａ 破砕物 ａ’ 破片（破砕後の破砕物）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 破砕軸１と固定刃２ａ、２ｂの協働又は
   複数の破砕軸１同士の協働により破砕作用を行う破砕ゾ
   ーンの周りに、多孔のスクリーンを設け、このスクリー
   ンの孔から破砕された処理物ａ’を排出する破砕機にお
   いて、 上記スクリーンを複数枚５ａ、５ｂを重ねたものとし、
   各スクリーン５ａ、５ｂを相互に移動可能かつ固定可能
   にして、各スクリーン５ａ、５ｂの孔６ａ、６ｂの重な
   り度合を調整可能とし、 かつ、上記各スクリーン５ａ、５ｂの上下に重なる孔６
   ａ、６ｂを、一定方向に長い長孔とするとともにその長
   軸を上下方向において一致させ、各スクリーン５ａ、５
   ｂの上記移動方向をその長孔６ａ、６ｂの長軸方向とし
   たことを特徴とする破砕機。