JPH08252254A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JPH08252254A
JPH08252254A JP5926995A JP5926995A JPH08252254A JP H08252254 A JPH08252254 A JP H08252254A JP 5926995 A JP5926995 A JP 5926995A JP 5926995 A JP5926995 A JP 5926995A JP H08252254 A JPH08252254 A JP H08252254A
Authority
JP
Japan
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circuit
blood flow
component
reception
signal
Prior art date
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Pending
Application number
JP5926995A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichi Shiki
栄一 志岐
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Toshiba Corp
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Medical Systems Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Medical Systems Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、クラッタ成分と血流成分との
弁別能を向上すると共に、血流成分のサイドローブを低
減させることによりS/N及び測定精度の向上を図るこ
とができる超音波診断装置を提供することである。 【構成】本発明は、超音波パルスを被検体内に所定回数
繰返し送信し、前記被検体内の音響インピーダンスの不
連続面からのエコーを所定回数繰返し受信して得られた
受信信号に基づいてドプラ信号を検出し、MTIフィル
タ5Fにより前記ドプラ信号からクラッタ成分を除去す
ることにより血流成分を取り出し、前記血流成分から血
流情報を求める超音波診断装置において、前記ドプラ信
号に対して重み付け関数を時間軸上で掛け合わせ、MT
Iフィルタ5Fに受け渡す重み付け回路5Hを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、MTIフィルタを用い
てクラッタを除去し被検体内の血流情報を得る超音波診
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波診断装置の構成を図4に示
す。プローブ1の先端には圧電セラミック等の音響/電
気可逆的変換素子としての圧電振動子が並列される。プ
ローブ1には送信系2と受信回路3とが接続される。送
信系2は、パルス発生器2A、送信回路2Bとからな
る。パルス発生器2Aからは例えば5KHzのレート周
波数(レート周期Tr )でパルス(レートパルス)がチ
ャンネル数に応じて分配されて送信回路2Bに送られ
る。送信回路2Bは遅延回路とパルスドライバから構成
される。遅延回路は、超音波をビーム状に集束し且つ送
信指向性を決定するのに必要な遅延時間を各レートパル
スに与える。パルスドライバは、遅延回路からレートパ
ルスを受けたタイミングで駆動パルス(電圧パルス)を
プローブ1の圧電振動子にチャンネル毎に印加する。こ
れによりビーム状の超音波パルスが送信指向性に応じた
方向に送信される。被検体内の音響インピーダンスの不
連続面で反射したエコーはプローブ1を介して受信回路
3でチャンネル毎に受信される。受信回路3はプリアン
プ、遅延回路、加算器から構成される。遅延回路は受信
指向性を決定するのに必要な遅延時間を各受信信号に与
える。加算器は、遅延時間を与えられた受信信号を加算
する。これにより受信指向性に応じた方向からのエコー
を受信できる。この送信指向性と受信指向性とにより超
音波送受信の総合的な指向性が決定される。一般的には
送信指向性と受信指向性は一致される。このような送受
信を総合的指向性を変化させながら繰り返すことで1フ
レーム分の走査が終了する。なお、BモードとCFMモ
ード(カラーフローマッピングモード)とでは、若干動
作が異なる。Bモードでは1回の送受信毎に総合的指向
性を順次変化させる。一方、周波数偏移が血流速度に比
例することに基づいて血流速度を計測するCFMモード
では、同じ総合的指向性で送受信をN回(例えばN=1
6)繰り返す毎に総合的指向性を順次変化させる。
【0003】受信回路3から出力される受信信号は、B
モード処理系4とCFM処理系5とに送られる。Bモー
ド処理系4は受信信号の包絡線を検波する。この検波信
号は画像メモリ6Aを介してTVモニタ6Bに輝度変調
信号として供給され、Bモード画像(組織断層像)とし
てビジュアルに濃淡表示される。
【0004】CFM処理系5は、直交位相検波回路、ロ
ーパスフィルタ(LPF)5Da,5Db、アナログデ
ィジタル変換器(A/D−C)5Ea,5Eb、MTI
フィルタ5Fa,5Fb、演算回路5Gとから構成され
る。直交位相検波回路は、位相検波回路5Aa,5A
b、発振器5B、π/2移位器5Cとからなる。発振器
5Bは送信周波数と同一の周波数を有する参照波信号を
発生する。位相検波回路5Aa,5Abは、参照波信
号、π/2移相した参照波信号をそれぞれ受信信号に混
合して、位相が90°異なる一対のドプラ偏移周波数で振
動するドプラ信号を検波する。混合の際発生する高調波
成分はローパスフィルタ5Da,5Dbで除去される。
なお、一方のドプラ信号は実数部、他方は虚数部として
最終的に演算回路5Gの自己相関器で取り扱われる。
【0005】ローパスフィルタ5Da,5Dbからのド
プラ信号は、アナログディジタル変換器5Ea,5Eb
を介してMTIフィルタ5Fa,5Fbに取り込まれ
る。ドプラ信号には臓器壁等の緩動部分からのクラッタ
成分と血流成分とが含まれる。MTIフィルタ5Fa,
5Fbは、ドプラ信号からクラッタ成分を除去し、血流
成分だけのドプラ信号をビーム軸上の複数点についてリ
アルタイムで抽出するためのレーダ分野から流用された
移動目標指示装置である。
【0006】演算回路5Gは自己相関器、平均速度演算
回路、分散演算回路、パワー演算回路とから構成され
る。自己相関器は、周期Tr を隔てて連続する送受信に
よる2つのドプラ信号の位相差をN番目のドプラ信号ま
で繰り返し求め、これら位相差を平均化して平均位相差
を求める。平均速度演算回路は、平均位相差に基づいて
平均速度を求める。分散演算回路、パワー演算回路それ
ぞれは、速度の乱れ度(分散)、反射強度(パワー)を
求める。演算回路5Gからの出力は画像メモリ6Aを介
してTVモニタ6Bに、平均速度画像、分散画像、パワ
ー画像、これらの適当な組み合わせ画像としてビジュア
ルにカラー表示される。
【0007】上述したように同一方向に関する送受信は
有限のN回で打ち切られる。これは同一点からのドプラ
信号の時間的変化をTr ×N長の矩形の時間窓で打ち切
ったことに相当する。これを周波数軸上で考えれば、本
来のドプラスペクトラムにシンク関数を畳み込んだこと
に等価であり、本来のドプラスペクトラムにシンク関数
特有のサイドローブが生じてしまう。図5(a)は観測
時間が無限長の場合における或る点に関するドプラ信号
の時間波形を示し、同図(b)はこのスペクトラムを示
す。図5(c)は観測時間が有限長の場合における或る
点に関するドプラ信号の時間波形を示し、同図(d)は
このスペクトラムを示す。なお、図5(b),(d)に
おいて、fr は、レート周波数であり、1/Tr で定義
される。図5(b)に示すように、観測時間が無限長で
あればクラッタ成分はfCLの、血流成分はfd の線スペ
クトラムになり、クラッタ成分と血流成分との弁別は容
易である。しかし、図5(d)に示すように観測時間を
有限長に打ち切ったことにより、実際には、クラッタ成
分と血流成分はそれぞれfCL、fd を中心周波数として
サイドローブが生じる。シンク関数のサイドローブの最
大値はメインローブに対して-13dB であるのに対し、血
流成分の大きさはクラッタ成分に対して-30dB 程度であ
るから、血流成分がクラッタ成分のサイドローブに埋も
れてしまい、クラッタ成分と血流成分との弁別能は低下
する。さらに、クラッタ成分のスペクトラムが広がるの
と同様にやはり血流成分のスペクトラムも広がるので、
MTIフィルタ5Fa,5Fbで血流成分のサイドロー
ブが除去される。したがって、血流成分のパワーが低下
してS/Nが劣化し、また血流スペクトラムに偏りが生
じるために平均速度の測定精度が低下してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するべくなされたもので、その目的は、クラ
ッタ成分と血流成分との弁別能を向上すると共に、血流
成分のサイドローブを低減させることによりS/N及び
測定精度の向上を図ることができる超音波診断装置を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、超音波パルス
を被検体内に所定回数繰返し送信し、前記被検体内の音
響インピーダンスの不連続面からのエコーを所定回数繰
返し受信して得られた受信信号に基づいてドプラ信号を
検出し、MTIフィルタにより前記ドプラ信号からクラ
ッタ成分を除去することにより血流成分を取り出し、前
記血流成分から血流情報を求める超音波診断装置におい
て、前記ドプラ信号に対して重み付け関数を時間軸上で
掛け合わせ、前記MTIフィルタに受け渡す手段を備え
る。
【0010】
【作用】ドプラ信号に重み付け関数を時間軸上で掛け合
わせることにより、超音波送受信を前記所定回数で打ち
切ることにより不可避で生じるクラッタ成分のサイドロ
ーブを、大幅に低減することができる。例えば、重み付
け関数としてハミング窓関数を用いればサイドローブの
最大値は-41dB となり、またブラックマン窓を用いれば
サイドローブの最大値は-57dB となる。したがって、血
流成分がクラッタ成分のサイドローブに埋もれることな
く、クラッタ成分と血流信号とを良好に弁別することが
可能となる。また、クラッタ成分同様に生じる血流成分
のサイドローブもクラッタ成分と同様に大幅に低減でき
るため、MTIフィルタで除去される血流成分のサイド
ローブのパワーが減少して、S/Nが向上し、また血流
成分のスペクトラムの偏りが少なくなって平均速度等の
測定精度が向上する。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明による超音波
診断装置の一実施例について説明する。図1は本実施例
に係る超音波診断装置の構成を示す。プローブ1の先端
には圧電セラミック等の音響/電気可逆的変換素子とし
ての圧電振動子が並列される。プローブ1には送信系2
と受信回路3とが接続される。送信系2は、パルス発生
器2A、送信回路2Bとからなる。パルス発生器2Aか
らは例えば5KHzのレート周波数(レート周期Tr )
でパルス(レートパルス)がチャンネル数に応じて分配
されて送信回路2Bに送られる。送信回路2Bは遅延回
路とパルスドライバから構成される。遅延回路は、超音
波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必
要な遅延時間を各レートパルスに与える。パルスドライ
バは、遅延回路からレートパルスを受けたタイミングで
駆動パルス(電圧パルス)をプローブ1の圧電振動子に
チャンネル毎に印加する。これによりビーム状の超音波
パルスが送信指向性に応じた方向に送信される。被検体
内の音響インピーダンスの不連続面で反射したエコーは
プローブ1を介して受信回路3でチャンネル毎に受信さ
れる。受信回路3はプリアンプ、遅延回路、加算器から
構成される。遅延回路は受信指向性を決定するのに必要
な遅延時間を各受信信号に与える。加算器は、遅延時間
を与えられた受信信号を加算する。これにより受信指向
性に応じた方向からのエコーを受信できる。この送信指
向性と受信指向性とにより超音波送受信の総合的な指向
性が決定される。一般的には送信指向性と受信指向性は
一致される。このような送受信を総合的指向性を変化さ
せながら繰り返すことで1フレーム分の走査が終了す
る。なお、BモードとCFMモード(カラーフローマッ
ピングモード)とでは、若干動作が異なる。Bモードで
は1回の送受信毎に総合的指向性を順次変化させる。一
方、位相偏移が血流速度に比例することに基づいて血流
速度を計測するCFMモードでは、同方向に送受信をN
回(例えばN=16)繰り返す毎に総合的指向性を順次
変化させていく。
【0012】受信回路3から出力される受信信号は、B
モード処理系4とCFM処理系5とに送られる。Bモー
ド処理系4は受信信号の包絡線を検波する。この検波信
号は画像メモリ6Aを介してTVモニタ6Bに輝度変調
信号として供給され、Bモード画像(組織断層像)とし
てビジュアルに濃淡表示される。
【0013】CFM処理系5は、直交位相検波回路、ロ
ーパスフィルタ(LPF)5Da,5Db、アナログデ
ィジタル変換器(A/D−C)5Ea,5Eb、重み付
け回路5Ha,5Hb、MTIフィルタ5Fa,5F
b、演算回路5Gとから構成される。直交位相検波回路
は、位相検波回路5Aa,5Ab、発振器5B、π/2
移位器5Cとからなる。発振器5Bは送信周波数と同一
の周波数を有する参照波信号を発生する。位相検波回路
5Aa,5Abは、参照波信号、π/2移相した参照波
信号をそれぞれ受信信号に混合して、位相が90°異なる
一対のドプラ偏移周波数で振動するドプラ信号を検波す
る。混合の際発生する高調波成分はローパスフィルタ5
Da,5Dbで除去される。なお、一方のドプラ信号は
実数部、他方は虚数部として、最終的に演算回路5Gの
自己相関器に取り込まれることになる。
【0014】ローパスフィルタ5Da,5Dbからのド
プラ信号は、アナログディジタル変換器5Ea,5Eb
を介して重み付け回路5Ha,5Hbに送り込まれる。
実際には、重み付け回路5Ha,5Hbには、アナログ
ディジタル変換器5Ea,5Ebからバッファメモリを
介して、或るビーム軸上の或る点(或る深度)毎に、有
限個(N個)のデータXi (1≦i≦N)が収集順序に
したがって周期Tr で連続的に送り込まれる。重み付け
回路5Haは、このデータXi 各々に対して、観測時間
を有限長に打ち切ったことにより発生する周波数軸上に
おけるサイドローブを低下させるためのハミング窓関数
やブラックマン窓関数等の重み付け関数の時間波形に沿
って設定されている繰り返し番目iに応じた重み係数W
i (1≦i≦N)を順次乗算する。この乗算値X'i(1
≦i≦N)は、MTIフィルタ5Fa,5Fbに供給さ
れる。
【0015】図2に示すように、重み付け回路5Ha
は、乗算器5Haa、重み付け関数メモリ5Habとか
ら構成される。重み付け回路5Hbの構成は、重み付け
回路5Haと同じである。重み付け関数メモリ5Hab
には、繰り返し回数Nと同数の重み係数Wi (1≦i≦
N)が記憶されている。重み係数Wi は、例えばハミン
グ関数にしたがって、次の(1)式で示される繰り返し
番目iに依存した値に設定されている。 Wi = 0.54-0.46×cos( 2×π×(i-1) / (N-1)) …(1) 重み付け関数メモリ5Habからは、重み係数Wi が、
バッファメモリから読み出されるデータXi に同期して
周期Tr で乗算器5Haaに読み出される。乗算器5H
aaは、データXi に重み係数Wi を乗算し、乗算値
X'i(X'i=Xi×Wi )を求める。
【0016】MTIフィルタ5Fa,5Fbは、一連の
ドプラ信号X'iからクラッタ成分を除去し、血流成分だ
けのドプラ信号を高効率で抽出する。演算回路5Gは自
己相関器、平均速度演算回路、分散演算回路、パワー演
算回路とから構成される。自己相関器は、周期Tr を隔
てて連続する送受信による2つのドプラ信号の位相差
(位相偏移ともいう)をN番目のドプラ信号まで繰り返
し求め、これら位相差を平均化して平均位相差を求め
る。平均速度演算回路は、平均位相差に基づいて平均速
度を求める。この平均化処理は、超音波を反射する血球
は波長より短い間隔で無数にランダムに存在することに
起因するエコーの受信毎のばらつきを抑えるために行わ
れる。分散演算回路、パワー演算回路それぞれは、速度
の乱れ度(分散)、反射強度(パワー)を求める。演算
回路5Gからの出力は画像メモリ6Aを介してTVモニ
タ6Bに、平均速度画像、分散画像、パワー画像、これ
らの適当な組み合わせ画像としてビジュアルにカラー表
示される。
【0017】次に本実施例の作用について重み付け処理
を中心に説明する。図3(a)は或る点(或るビーム軸
上の或る深度の点)に関するドプラ信号Xi の時間波形
を示し、同図(b)はこのスペクトラムを示す。図3
(c)は重み付け関数としてハミング関数を採用した場
合における重み係数Wi の時間波形を示し、同図(d)
はこのスペクトラムを示す。図3(e)は重み付け処理
後のドプラ信号の時間波形を示し、同図(f)はこのス
ペクトラムを示す。図3(g)はMTIフィルタ5F
a,5Fbのフィルタ特性図である。図3(h)はMT
Iフィルタ処理後のドプラ信号の時間波形を示し、同図
(i)はこのスペクトラムを示す。
【0018】まず、時間軸上では、図3(a)に示すよ
うに、バッファメモリからは或る点のドプラ信号のデー
タXi が収集順序にしたがって順番に周期Tr で読み出
され、重み付け回路5Haの乗算器5Haaに送られ
る。また、重み付け関数メモリ5Habからは、バッフ
ァメモリから読み出されるデータXi に同期して重み係
数Wi が周期Tr で乗算器5Haaに読み出される。乗
算器5Haaでは、データXi は重み係数Wi と掛け合
わされる。乗算値X'i(X'i=Xi ×Wi )を求め、M
TIフィルタ5Faに供給する。MTIフィルタ5Fa
は乗算値X'iを用いてクラッタ成分を除去する。
【0019】この重み付け処理は、周波数軸上では、図
3(b)のドプラ信号のスペクトラムに、ハミング窓関
数(図3(c))のスペクトラム(図3(d))を畳み
込む処理に等価的である。この畳み込み処理により、図
3(f)に示すように周波数軸上においてクラッタ成分
のサイドローブレベルは、ハミング窓関数のサイドロー
ブレベルまで低下する。同様に、血流成分のサイドロー
ブレベルは、ハミング窓関数のサイドローブレベルまで
低下する。したがって、血流成分がクラッタ成分のサイ
ドローブに埋もれてしまうことが防止される。
【0020】クラッタ成分の時間波形を A× cosωctで
表し、血流成分の時間波形を a× cosωdtで表し、ハミ
ング窓関数の時間波形をωt で表すと、ドプラ信号S1
は両成分が混合したものであるから、(2)式で表現さ
れる。 S1 = A× cosωct+ a× cosωdt …(2) 重み付け処理(畳み込み処理)後のドプラ信号S2 は、
(3)式で表現される。 S2 =( A× cosωct+ a× cosωdt)×ωt …(3) (3)式は、(4)式に変形できる。 S2 = A× cosωct×ωt + a× cosωdt×ωt …(4) ハミング窓関数は、サイドローブを低下させる作用があ
るので、(4)式から、クラッタ成分のサイドローブと
血流成分のサイドローブは個々に低下することが理解さ
れる。
【0021】このように、血流成分がクラッタ成分のサ
イドローブに埋もれてしまうことが防止されるので、M
TIフィルタリングにより、図3(i)に示すように、
血流成分とクラッタ成分とを良好に弁別してクラッタ成
分を除去することが可能となる。
【0022】また、血流成分のサイドローブもハミング
関数のサイドローブレベルまで低下するので、MTIフ
ィルタ5Hで除去される血流成分のサイドローブのパワ
ーは減少して、その結果、より多くの血流成分パワーが
MTIフィルタ5Hを通過することになる。したがっ
て、血流成分を検出する際のS/Nは向上する。
【0023】さらに、血流成分のスペクトラムは、平均
周波数fd を中心とした偏りが減少されているので、平
均速度等の血流情報を演算する際の精度が向上する。本
発明は上述した実施例に限定されることなくその要旨を
逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は、超音波パルスを被検体内に所
定回数繰返し送信し、前記被検体内の音響インピーダン
スの不連続面からのエコーを所定回数繰返し受信して得
られた受信信号に基づいてドプラ信号を検出し、MTI
フィルタにより前記ドプラ信号からクラッタ成分を除去
することにより血流成分を取り出し、前記血流成分から
血流情報を求める超音波診断装置において、前記ドプラ
信号に対して重み付け関数を時間軸上で掛け合わせ、前
記MTIフィルタに受け渡す手段を備える。
【0025】ドプラ信号に重み付け関数を時間軸上で掛
け合わせることにより、超音波送受信を前記所定回数で
打ち切ることにより不可避で生じるクラッタ成分のサイ
ドローブを、大幅に低減することができる。例えば、重
み付け関数としてハミング窓関数を用いればサイドロー
ブの最大値は-41dB となり、またブラックマン窓を用い
ればサイドローブの最大値は-57dB となる。したがっ
て、血流成分がクラッタ成分のサイドローブに埋もれる
ことなく、クラッタ成分と血流信号とを良好に弁別する
ことが可能となる。また、クラッタ成分同様に生じる血
流成分のサイドローブもクラッタ成分と同様に大幅に低
減できるため、MTIフィルタで除去される血流成分の
サイドローブのパワーが減少して、S/Nが向上し、ま
た血流成分のスペクトラムの偏りが少なくなって平均速
度等の測定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波診断装置の一実施例の構成
図。
【図2】図1の重み付け回路のブロック図。
【図3】本実施例の作用説明図。
【図4】従来の超音波診断装置の構成図。
【図5】従来の問題点の説明図。
【符号の説明】
1…プローブ、 2…送信系、2A…パル
ス発生器、 2B…送信回路、3…受信回路、
4…Bモード処理系、5…CFM処理系、
5A…位相検波回路、5B…発振器、
5C…π/2移相器、5D…ローパスフィル
タ、 5E…アナログディジタル変換器、5H…重み
付け回路、 5F…MTIフィルタ、5G…演算
回路、 6…表示系、6A…画像メモリ、
6B…TVモニタ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波パルスを被検体内に所定回数繰返
    し送信し、前記被検体内の音響インピーダンスの不連続
    面からのエコーを所定回数繰返し受信して得られた受信
    信号に基づいてドプラ信号を検出し、MTIフィルタに
    より前記ドプラ信号からクラッタ成分を除去することに
    より血流成分を取り出し、前記血流成分から血流情報を
    求める超音波診断装置において、 前記ドプラ信号に対して重み付け関数を時間軸上で掛け
    合わせ、前記MTIフィルタに受け渡す手段を備えるこ
    とを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記重み付け関数は超音波送受信を所定
    回数で打ち切るために生じる周波数軸上のサイドローブ
    を低下させる特性を持つことを特徴とする請求項1記載
    の超音波診断装置。
  3. 【請求項3】 前記重み付け関数はハミング窓関数であ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の超音波
    診断装置。
  4. 【請求項4】 前記重み付け関数はブラックマン窓関数
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の超
    音波診断装置。
JP5926995A 1995-03-17 1995-03-17 超音波診断装置 Pending JPH08252254A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100742466B1 (ko) * 1999-11-26 2007-07-25 지이 메디컬 시스템즈 글로발 테크놀러지 캄파니 엘엘씨 이미징 방법 및 장치와 그를 이용한 혈액 움직임 이미징 시스템
KR100742467B1 (ko) * 1999-11-26 2007-07-25 지이 메디컬 시스템즈 글로발 테크놀러지 캄파니 엘엘씨 촬상 시스템, 촬상 방법 및 혈액 움직임 촬상 시스템

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100742466B1 (ko) * 1999-11-26 2007-07-25 지이 메디컬 시스템즈 글로발 테크놀러지 캄파니 엘엘씨 이미징 방법 및 장치와 그를 이용한 혈액 움직임 이미징 시스템
KR100742467B1 (ko) * 1999-11-26 2007-07-25 지이 메디컬 시스템즈 글로발 테크놀러지 캄파니 엘엘씨 촬상 시스템, 촬상 방법 및 혈액 움직임 촬상 시스템

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