JPH08246026A - 溶鋼の介在物形態制御方法 - Google Patents

溶鋼の介在物形態制御方法

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JPH08246026A
JPH08246026A JP4576695A JP4576695A JPH08246026A JP H08246026 A JPH08246026 A JP H08246026A JP 4576695 A JP4576695 A JP 4576695A JP 4576695 A JP4576695 A JP 4576695A JP H08246026 A JPH08246026 A JP H08246026A
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JP
Japan
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molten steel
oxygen
gas
inclusions
steel
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Pending
Application number
JP4576695A
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English (en)
Inventor
Eiju Matsuno
英寿 松野
Ryuji Yamaguchi
隆二 山口
Takeshi Murai
剛 村井
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶鋼中の非金属介在物を効率的に多量に微細
分布させることができる溶鋼の介在物形態制御方法を提
供する。 【構成】 溶鋼に脱酸剤を添加した後に、キルド状態の
溶鋼1トン当たり1×10-2〜6×10-2kgの酸素分
を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶鋼中に存在する非金属
介在物の形態を制御する溶鋼の介在物形態制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼中には酸化物が主体の非金属介在物
が存在し、その存在量が過剰になると、短時間でノズル
詰まりを生じるばかりでなく、さらに非金属介在物が除
去されることなく凝固後においても鋼中に残留した場合
には鋼材製品の重大な欠陥を生じる。このため従来から
溶鋼中の非金属介在物量が増えないように、製鋼プロセ
スの各工程において脱酸生成物などの非金属介在物を徹
底的に除去している。
【0003】しかし、このような非金属介在物を少なく
するという清浄鋼の狙いとは逆の発想として、製品欠陥
にならないほどの粒径の小さな介在物を積極的に増加さ
せることにより鋼材特性を向上させる試みもなされてい
る。例えば、日本鉄鋼協会発行「材料とプロセス」3(19
90) ,276 頁及び「鉄と鋼」78(1992),1697頁では鋼中
の酸化物を硫化物の析出核として利用し、硫化物の分散
制御を図る方法が提案されている。
【0004】核となる酸化物の多量微細分散法として
は、溶鋼成分及びスラグ成分を調整することにより生成
酸化物の組成を変える方法、Zr脱酸等の比重の大きい
酸化物を生じさせ溶鋼からの浮上比率を低減させて溶鋼
中の残留割合を増加させる方法等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法を用いたとしても鋼中に分散する介在物の個数が
十分でなく、その分布のばらつきが大きいこと、また、
鋼中にZrが残留すると材質硬度に及ぼす影響が大きい
ため、その添加量と添加方法が難しいこと等の問題点が
あり、現状では必ずしも要求を満足するものはない。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、溶鋼中の非金属介在物を効率的に多量に
微細分布させることができる溶鋼の介在物形態制御方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶鋼の介在
物形態制御方法は、溶鋼に脱酸剤を添加した後に、キル
ド状態の溶鋼1トン当たり1×10-2〜6×10-2kg
の酸素分を供給することを特徴とする。
【0008】なお、この場合に酸素含有量が1〜10体
積%の気体をキルド状態の溶鋼中に吹き込むことが望ま
しい。また、一次添加の脱酸剤としてはSi,Mn,T
i等の成分元素を含む金属又は化合物を用いることが好
ましい。
【0009】
【作用】本発明に係る溶鋼の介在物形態制御方法におい
ては、溶鋼中にSi,Mn,Ti等の脱酸剤を添加した
後に、各元素もしくは複合の脱酸平衡で規定される溶存
酸素分を除き、初期の酸素分に対応していわゆる一次脱
酸生成物が生じる。その後、溶鋼の冷却凝固に伴って溶
存可能な酸素量が減少するため、その余剰酸素分に対応
して二次脱酸生成物が生じる。
【0010】溶鋼中の流動及び攪拌等で生じた非金属介
在物は系外に除去されるが、一次脱酸生成物の一部と二
次脱酸生成物の大部分は溶鋼中にそのまま残存し、冷却
凝固後も鋼塊中に持ち込まれる。
【0011】通常の場合は二次脱酸生成物のほうが一次
脱酸生成物より粒径が小さい。この理由は、二次では温
度降下するにしたがって溶存酸素量が徐々に減少して脱
酸生成物の量が少なく、一次のように瞬間的に多量に脱
酸生成物が生成されないからであり、さらに二次では介
在物同士が凝集・合体して肥大化するための時間的余裕
がないからである。
【0012】従って、粒径の小さな微細介在物を多量に
分布させるには脱酸剤の成分元素の脱酸平衡値で規定さ
れる二次で生成する分を多くすることが考えられる。そ
こで、脱酸剤を添加した後に、さらに酸素を強制的に溶
鋼中に供給することにより非平衡状態とし、いったん休
止していた脱酸生成物の生成を再開させ、微細介在物を
増加させる。ただし、酸素供給量が過剰になると、溶鋼
界面では一次で生成する条件と近くなるため、粒径の大
きい粗大介在物が発生しやすくなる。つまり、微細な介
在物を多量に分布させるためには、適切な酸素供給条件
が存在することになる。
【0013】酸素分供給量の下限値をキルド状態の溶鋼
1トン当たり1×10-2kgとした理由は、図2に示す
ように3μm以下の微細な介在物の個数がこのあたりか
ら急激に増加するからである。一方、酸素分供給量の上
限値をキルド状態の溶鋼1トン当たり6×10-2kgと
した理由は、酸素供給量が過剰になり、粒径の大きい粗
大介在物が発生しやすくなるからである。
【0014】
【実施例】以下、添付の図面を参照しながら本発明の実
施例について説明する。 (実施例1)図1に示すようなアルゴンガス雰囲気とさ
れたチャンバ4のなかに真空高周波誘導炉1を設け、炉
内で溶鋼2を溶解するようにしている。炉内で溶解した
溶鋼2を、成分調整した後に、脱酸剤を添加した3〜4
分後にタンディッシュ7を介して金型鋳型8に鋳造し
た。成分調整後の溶鋼2は、C;0.08〜0.12重
量%,Si;0.02〜0.06重量%,Mn;0.8
〜1.0重量%,P;0.007重量%以下,S;0.
005重量%以下,Ti;0.02〜0.15重量%,
Al;0.001重量%以下の組成である。成分調整さ
れた溶鋼2の重量は約5000kgである。
【0015】なお、タンディッシュ7は溶鋼2を受鋼す
る前から予熱してある。次に、酸素分の添加について説
明する。試薬の酸化鉄(Fe23 )の添加量を0.0
8〜1.0kgの範囲で種々変えて溶鋼2に添加した。
炉底部に埋め込んだポーラスプラグ5を介して毎分10
0Nlの流量でアルゴンガスを溶鋼2のなかに吹き込
み、十分に攪拌した。酸化鉄添加終了から3〜4分間経
過した後に、これを金型鋳型8内に鋳造し、凝固させ
た。
【0016】鋼塊の冷却速度は熱電対を用いて鋳型半径
方向の約D/4(鋳型直径Dの4分の1)の位置で測定
した。冷却速度の測定結果は毎分20℃程度であった。
鋼塊の上部、中央部、下部の3箇所につきそれぞれ半径
方向D/2,D/4,D/8の3箇所から合計9個のサ
ンプルを切り出した。各サンプルの切断面を鏡面研磨
し、約800倍の倍率の顕微鏡下で研磨面を観察するこ
とにより、被検面1cm2 当たりにつき介在物の存在量
及び分布を測定した。
【0017】非金属介在物はその粒径を1μmごとに区
切ってそれぞれの個数をカウントした。なお、サンプル
の介在物総数は上記9個のサンプルの測定値の平均をも
って代表値とした。
【0018】図2は、横軸に溶鋼1トン当たりの酸素原
単位(×10-2kg/トン)をとり、縦軸に鋼材断面積
1cm2 当たりに存在する直径3μm以下の介在物の個
数(個/)をとって、酸素原単位(酸素添加量)が介在
物存在量に及ぼす影響について調べた結果を示す特性線
図である。図から明らかなように、酸素原単位が1×1
-2kg/トン以上で直径3μm以下の微細な介在物の
個数が増加した。この結果から、今回の水準にはない
が、さらに酸素原単位を増量すると界面での酸素濃度が
増え、介在物が肥大化しやすくなり、微細なものの個数
が減少することが予想される。 (実施例2)上記の実施例1と同様の装置を用いて酸素
分の添加方法を気体で供給する方法を行なった。炉底部
のポーラスプラグ5を介してガス供給源6からアルゴン
ガス及び酸素ガスをともに溶鋼2のなかに吹き込み、十
分に攪拌した。
【0019】この場合に、吹き込みガス量は毎分500
〜1500Nlとし、かつ、酸素原単位は溶鋼1トン当
たり0.01kgと一定とし、ガス中の酸素濃度を0〜
10体積%の範囲で種々変えた。
【0020】ガス吹き込み終了から3〜4分間経過した
後に、これを金型鋳型8内に鋳造し、凝固させた。実施
例1と同様の評価法を用いて鋳塊のなかに含まれる非金
属介在物について調べた。
【0021】図3は横軸に吹込ガス中の酸素濃度(体積
%)をとり、縦軸に鋼材断面積1cm2 当たりに存在す
る直径3μm以下の非金属介在物の個数(個/cm2
をとって、吹込ガス中の酸素濃度が介在物の個数に及ぼ
す影響について調べた特性線図である。図中の曲線Gは
吹き込みガス量が毎分500Nlのときの結果を示し、
曲線Hは吹き込みガス量が毎分1500Nlのときの結
果を示す。
【0022】図から明らかなように、吹込ガス中の酸素
濃度が1〜10(体積%)のときに介在物の個数が多く
なった。とくに、吹込ガス中の酸素濃度が3〜8体積%
の範囲では直径3μm以下の微細な非金属介在物の個数
が著しく増大する結果を得た。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、いったん脱酸剤を添加
してキルド状態にした溶鋼中にさらに適切に酸素分を供
給することにより、溶鋼中の非金属介在物を効率的に多
量に微細分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る溶鋼の介在物形態制御方
法に用いた装置の概要を示す模式図である。
【図2】本発明の効果を示す特性線図である。
【図3】本発明の効果を示す特性線図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼に脱酸剤を添加した後に、キルド状
    態の溶鋼1トン当たり1×10-2〜6×10-2kgの酸
    素分を供給することを特徴とする溶鋼の介在物形態制御
    方法。
  2. 【請求項2】 酸素含有量が1〜10体積%の気体をキ
    ルド状態の溶鋼中に吹き込むことを特徴とする請求項1
    記載の溶鋼の介在物形態制御方法。
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