JPH08245612A - 2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペントピラノースの製造法 - Google Patents
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペントピラノースの製造法Info
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- JPH08245612A JPH08245612A JP8017509A JP1750996A JPH08245612A JP H08245612 A JPH08245612 A JP H08245612A JP 8017509 A JP8017509 A JP 8017509A JP 1750996 A JP1750996 A JP 1750996A JP H08245612 A JPH08245612 A JP H08245612A
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- C07H5/00—Compounds containing saccharide radicals in which the hetero bonds to oxygen have been replaced by the same number of hetero bonds to halogen, nitrogen, sulfur, selenium, or tellurium
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- C07D317/08—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3
- C07D317/10—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings
- C07D317/14—Heterocyclic compounds containing five-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms having the hetero atoms in positions 1 and 3 not condensed with other rings with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms
- C07D317/18—Radicals substituted by singly bound oxygen or sulfur atoms
- C07D317/20—Free hydroxyl or mercaptan
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 3,3−ジフルオロ−4,5,6−トリヒド
ロキシ−5,6−O−(1−エチルプロピリデン)ヘキ
セン(I)から、抗ウイルス剤の2’−デオキシ−
2’,2’−ジフルオロシチジンを製造するのに使用す
る中間体化合物である2−デオキシ−2,2−ジフルオ
ロ−β−D−リボ−ペントピラノース(III)を製造
する。 【解決手段】 D−グリセルアルデヒドペンタニドと3
−ブロモ−3,3−ジフルオロ有機金属コンプレックス
を反応させることにより中間体の(I)を得、(I)か
らオゾン分解、次いで加水分解により(III)を製造
する。
ロキシ−5,6−O−(1−エチルプロピリデン)ヘキ
セン(I)から、抗ウイルス剤の2’−デオキシ−
2’,2’−ジフルオロシチジンを製造するのに使用す
る中間体化合物である2−デオキシ−2,2−ジフルオ
ロ−β−D−リボ−ペントピラノース(III)を製造
する。 【解決手段】 D−グリセルアルデヒドペンタニドと3
−ブロモ−3,3−ジフルオロ有機金属コンプレックス
を反応させることにより中間体の(I)を得、(I)か
らオゾン分解、次いで加水分解により(III)を製造
する。
Description
【0001】本発明は、ペントピラノース異性体(II
IA)を選択的に製造する、3,3−ジフルオロ−4,
5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチルプ
ロピリデン)ヘキセン(I)からの2−デオキシ−2,
2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペントピラノース(I
II)の製造法に関する。このヘキセン(I)は新規な
方法によってグリセルアルデヒドペンタニドから製造さ
れる。ペントピラノース異性体(IIIA)は既知の抗
ウイルス剤である2’−デオキシ−2’,2’−ジフル
オロシチジンの中間体である。
IA)を選択的に製造する、3,3−ジフルオロ−4,
5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチルプ
ロピリデン)ヘキセン(I)からの2−デオキシ−2,
2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペントピラノース(I
II)の製造法に関する。このヘキセン(I)は新規な
方法によってグリセルアルデヒドペンタニドから製造さ
れる。ペントピラノース異性体(IIIA)は既知の抗
ウイルス剤である2’−デオキシ−2’,2’−ジフル
オロシチジンの中間体である。
【0002】HanzawaらはTetrahedron Letters,28,659-
662(1987)で、ブロモジフルオロメチルアセチレン化
合物と種々のアルデヒドとの反応について記載してい
る。この反応は0℃で行われ、亜鉛を活性化するには塩
化第一水銀が必要であった。保護環境は不用であった。
アセチレンのジフルオロアセトニドの収率は50〜78
%の範囲であった。一連の複雑な反応を用いて中間体の
ジフルオロアセトニドから2,2−ジフルオロリボース
が製造された。この文献には、いかなる異性体生成物に
対する優先性も記載されていない。
662(1987)で、ブロモジフルオロメチルアセチレン化
合物と種々のアルデヒドとの反応について記載してい
る。この反応は0℃で行われ、亜鉛を活性化するには塩
化第一水銀が必要であった。保護環境は不用であった。
アセチレンのジフルオロアセトニドの収率は50〜78
%の範囲であった。一連の複雑な反応を用いて中間体の
ジフルオロアセトニドから2,2−ジフルオロリボース
が製造された。この文献には、いかなる異性体生成物に
対する優先性も記載されていない。
【0003】YangらはJ.Organic Chem.,56,1037-1041
(1991)で、アルデヒド、亜鉛および3−ブロモ−3,
3−ジフルオロプロペンの反応によるα,α−ジフルオ
ロ−ホモアリルアルコールの一般的製造法について記載
している。いかなる反応も保護グリセルアルデヒドもし
くは他のキラルアルデヒドが関与するものではなく、し
たがっていかなる異性体に対する優先性も示されていな
い。この文献は、様々な金属、特にカドミウムと錫を用
いてコンプレックスを形成することができることを示し
ている。Seyferthらは、J.Am.Chem.,105,4634-4639(19
83)で、アルデヒドを用いる一般的反応におけるリチウ
ムコンプレックスの使用について示しているが保護グリ
セルアルデヒドやキラルアルデヒドについては記載して
いない。異性体の選択的な生成は示されていない。Hert
elらの、J.Org.Chem.,53,2406-2409(1988)はジフルオ
ロアセテートからのペントピラノース異性体(III
A)の製造法を開示しており、一方、Nagarajanの特許
(米国特許第4,954,623号)ではヌクレオシドを分解す
ることによって該異性体を製造している。しかし、Naga
rajanの特許が、HertelとChouの2’−デオキシ−
2’,2’−ジフルオロシチジンを製造するための論文
(Chouらの、Synthesis,565-570(1992))に用いられ
ているリボフラノ−1,4−ラクトン中間体を製造する
ためのジフルオロデオキシリボースIIIAの使用も開
示していることは重要である。HertelとNagarajanのI
IIAの製造法ではこのキシロ異性体IIIBは存在し
ないため、2つの異性体の分離は示されていない。Hanz
awaらの、Tet.Lett.,28,659-662(1987)は、ジフルオ
ロデオキシリボースを製造するための一般的方法を示し
ているが、この方法はヌクレオシドの形成には適してい
なかった。トリアセトキシジフルオロ−デオキシピラノ
シルリボースは単離されたが、これは2’−デオキシ−
2’,2’−ジフルオロシチジンの形成に必要な非保護
形ではない。
(1991)で、アルデヒド、亜鉛および3−ブロモ−3,
3−ジフルオロプロペンの反応によるα,α−ジフルオ
ロ−ホモアリルアルコールの一般的製造法について記載
している。いかなる反応も保護グリセルアルデヒドもし
くは他のキラルアルデヒドが関与するものではなく、し
たがっていかなる異性体に対する優先性も示されていな
い。この文献は、様々な金属、特にカドミウムと錫を用
いてコンプレックスを形成することができることを示し
ている。Seyferthらは、J.Am.Chem.,105,4634-4639(19
83)で、アルデヒドを用いる一般的反応におけるリチウ
ムコンプレックスの使用について示しているが保護グリ
セルアルデヒドやキラルアルデヒドについては記載して
いない。異性体の選択的な生成は示されていない。Hert
elらの、J.Org.Chem.,53,2406-2409(1988)はジフルオ
ロアセテートからのペントピラノース異性体(III
A)の製造法を開示しており、一方、Nagarajanの特許
(米国特許第4,954,623号)ではヌクレオシドを分解す
ることによって該異性体を製造している。しかし、Naga
rajanの特許が、HertelとChouの2’−デオキシ−
2’,2’−ジフルオロシチジンを製造するための論文
(Chouらの、Synthesis,565-570(1992))に用いられ
ているリボフラノ−1,4−ラクトン中間体を製造する
ためのジフルオロデオキシリボースIIIAの使用も開
示していることは重要である。HertelとNagarajanのI
IIAの製造法ではこのキシロ異性体IIIBは存在し
ないため、2つの異性体の分離は示されていない。Hanz
awaらの、Tet.Lett.,28,659-662(1987)は、ジフルオ
ロデオキシリボースを製造するための一般的方法を示し
ているが、この方法はヌクレオシドの形成には適してい
なかった。トリアセトキシジフルオロ−デオキシピラノ
シルリボースは単離されたが、これは2’−デオキシ−
2’,2’−ジフルオロシチジンの形成に必要な非保護
形ではない。
【0004】したがって、本発明の目的は2’−デオキ
シ−2’,2’−ジフルオロシチジンを製造するための
リボ−ペントピラノース中間体の新規製造法を提供する
ことである。さらに、本発明の目的は、特に著しく過剰
のエリスロ異性体を含有する3,3−ジフルオロ−4,
5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチルプ
ロピリデン)ヘキセン(I)を製造するための新規反応
を提供することである。これらおよび他の目的は、以下
の明細書の内容によって次第に明らかとなるであろう。
シ−2’,2’−ジフルオロシチジンを製造するための
リボ−ペントピラノース中間体の新規製造法を提供する
ことである。さらに、本発明の目的は、特に著しく過剰
のエリスロ異性体を含有する3,3−ジフルオロ−4,
5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチルプ
ロピリデン)ヘキセン(I)を製造するための新規反応
を提供することである。これらおよび他の目的は、以下
の明細書の内容によって次第に明らかとなるであろう。
【0005】本発明は、反応混合物中にD−3,3−ジ
フルオロ−4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−
(1−エチルプロピリデン)ヘキセン(I)が形成され
るまで、反応混合物中で3−ブロモ−3,3−ジフルオ
ロプロペンの有機金属コンプレックスを非反応性有機溶
媒中、D−グリセルアルデヒドペンタニドと反応させる
ことを改良点とすることを特徴とする該ヘキセン(I)
の製造法に関する。本反応ではエリスロ異性体ヘキセン
(IA)が実質的に過剰である。
フルオロ−4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−
(1−エチルプロピリデン)ヘキセン(I)が形成され
るまで、反応混合物中で3−ブロモ−3,3−ジフルオ
ロプロペンの有機金属コンプレックスを非反応性有機溶
媒中、D−グリセルアルデヒドペンタニドと反応させる
ことを改良点とすることを特徴とする該ヘキセン(I)
の製造法に関する。本反応ではエリスロ異性体ヘキセン
(IA)が実質的に過剰である。
【0006】本発明は更に、2−デオキシ−2,2−ジ
フルオロ−β−D−リボ−ペントピラノース(III)
を製造するにあたって、第一反応混合物中でD−3,3
−ジフルオロ−4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−
O−(1−エチルプロピリデン)ヘキセン(I)を非反
応性有機溶媒中、オゾンと反応させ、得られるD−2,
2−ジフルオロ−3,4,5−トリヒドロキシ−4,5
−O−(1−エチルプロピリデン)−ペンタアルデヒド
(II)を含有する生成物を該有機溶媒から取り出し、
得られた該ペンタアルデヒド(II)を含有する生成物
を第二反応混合物中で水と反応させ、この第二反応混合
物中で該ペントピラノース(III)を製造し、該ペン
トピラノース(III)を第二反応混合物から分離する
ことを特徴とする該ペントピラノース(III)の製造
法にも関する。本反応からは、2’−デオキシ−2’,
2’−ジフルオロシチジンを製造するのに必要な過剰の
ペントピラノース異性体IIIが得られ、この反応によ
りIIIを予期しなかった純粋な形で容易に単離するこ
とができる。
フルオロ−β−D−リボ−ペントピラノース(III)
を製造するにあたって、第一反応混合物中でD−3,3
−ジフルオロ−4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−
O−(1−エチルプロピリデン)ヘキセン(I)を非反
応性有機溶媒中、オゾンと反応させ、得られるD−2,
2−ジフルオロ−3,4,5−トリヒドロキシ−4,5
−O−(1−エチルプロピリデン)−ペンタアルデヒド
(II)を含有する生成物を該有機溶媒から取り出し、
得られた該ペンタアルデヒド(II)を含有する生成物
を第二反応混合物中で水と反応させ、この第二反応混合
物中で該ペントピラノース(III)を製造し、該ペン
トピラノース(III)を第二反応混合物から分離する
ことを特徴とする該ペントピラノース(III)の製造
法にも関する。本反応からは、2’−デオキシ−2’,
2’−ジフルオロシチジンを製造するのに必要な過剰の
ペントピラノース異性体IIIが得られ、この反応によ
りIIIを予期しなかった純粋な形で容易に単離するこ
とができる。
【0007】中間体ヘキセン(I)を製造するための反
応は、優先的に非反応性環境中で行われる。この環境は
窒素またはアルゴンなどであることができる。この反応
はまた、非反応性溶媒中、好ましくはテトラヒドロフラ
ン(THF)中で行われる。他の溶媒はジエチルエーテ
ルおよびグリムの様なエチレングリコールエーテル類で
ある。 中間体のヘキセン(I)の製造において有機金
属コンプレックスを形成するのに使用する金属は亜鉛で
あることが好ましい。リチウムを用いることもできる。
他の金属はマグネシウム、セシウム、鉛、ビスマス、イ
ンジウム、錫、カドミウムおよびマグネシウムである。
応は、優先的に非反応性環境中で行われる。この環境は
窒素またはアルゴンなどであることができる。この反応
はまた、非反応性溶媒中、好ましくはテトラヒドロフラ
ン(THF)中で行われる。他の溶媒はジエチルエーテ
ルおよびグリムの様なエチレングリコールエーテル類で
ある。 中間体のヘキセン(I)の製造において有機金
属コンプレックスを形成するのに使用する金属は亜鉛で
あることが好ましい。リチウムを用いることもできる。
他の金属はマグネシウム、セシウム、鉛、ビスマス、イ
ンジウム、錫、カドミウムおよびマグネシウムである。
【0008】中間体のヘキセン(I)を製造するための
反応温度と時間はその有機金属コンプレックスによって
異なる。亜鉛を用いる場合の温度は0〜50℃、1〜7
0時間が好ましい。リチウムにおける温度は−90〜−
100℃、5〜60分が好ましい。より反応温度が高
く、収率がよいので亜鉛が好ましい。この反応に過剰の
3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロペンを使用して中
間体のヘキセン(I)を製造することができる。プロペ
ンの量は1.0〜2.0モル当量であることが好まし
い。
反応温度と時間はその有機金属コンプレックスによって
異なる。亜鉛を用いる場合の温度は0〜50℃、1〜7
0時間が好ましい。リチウムにおける温度は−90〜−
100℃、5〜60分が好ましい。より反応温度が高
く、収率がよいので亜鉛が好ましい。この反応に過剰の
3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロペンを使用して中
間体のヘキセン(I)を製造することができる。プロペ
ンの量は1.0〜2.0モル当量であることが好まし
い。
【0009】反応混合物に水を加え、有機金属コンプレ
ックスを加水分解する。次に、通常反応混合物からジエ
チルエーテルの様な水と混和しない有機溶媒で抽出する
ことによって中間体のヘキセン(I)を分離する。次に
有機溶媒を蒸留などによって除去する。中間体のペンタ
アルデヒド(II)を形成するための反応には、本反応
に不活性な有機溶媒中のオゾンを使用することが含まれ
る。好ましい溶媒は塩化メチレンである。他の溶媒は例
えば、クロロホルムの様なハロゲン化炭化水素、酢酸エ
チルの様なエステル、およびベンゼンならびにヘキサン
の様な芳香族もしくは脂肪族炭化水素である。本反応は
−20〜+30℃で行うことが好ましい。ペントピラノ
ース(III)を形成する反応には加水分解反応が含ま
れる。アセトニトリルの様な有機溶媒を反応体の共溶媒
として用いることが好ましい。加水分解反応は20〜1
00℃で行うことが好ましい。この反応はペントピラノ
ース(IIIA)に好都合であろうことは予期されてい
なかった。これは2’−デオキシ−2’,2’−ジフル
オロシチジンを製造する上で重要な利点である。
ックスを加水分解する。次に、通常反応混合物からジエ
チルエーテルの様な水と混和しない有機溶媒で抽出する
ことによって中間体のヘキセン(I)を分離する。次に
有機溶媒を蒸留などによって除去する。中間体のペンタ
アルデヒド(II)を形成するための反応には、本反応
に不活性な有機溶媒中のオゾンを使用することが含まれ
る。好ましい溶媒は塩化メチレンである。他の溶媒は例
えば、クロロホルムの様なハロゲン化炭化水素、酢酸エ
チルの様なエステル、およびベンゼンならびにヘキサン
の様な芳香族もしくは脂肪族炭化水素である。本反応は
−20〜+30℃で行うことが好ましい。ペントピラノ
ース(III)を形成する反応には加水分解反応が含ま
れる。アセトニトリルの様な有機溶媒を反応体の共溶媒
として用いることが好ましい。加水分解反応は20〜1
00℃で行うことが好ましい。この反応はペントピラノ
ース(IIIA)に好都合であろうことは予期されてい
なかった。これは2’−デオキシ−2’,2’−ジフル
オロシチジンを製造する上で重要な利点である。
【0010】以下の実施例において、一般的なNMRス
ペクトルをBruker AC300分光計で記録した(1H NMR
は300MHz、19F NMRは282MHz、13C N
MRは75MHz)。1H NMRの化学シフトは溶媒に
対するδppmで報告する(アセトン−d6、2.04
ppm;CDCl3、7.24ppm;DMSO−d6、
2.49ppm)。19F NMRの化学シフトはC6F6
(−162.9ppm)に対するδppmで報告する。
13C NMRの化学シフトは溶媒に対するδppmで報
告する(アセトン−d6、29.8ppm;CDCl3、
77.0ppm;DMSO−d6、39.5ppm)。
多重度はs(一重項)、brs(広幅一重項)、d(二
重項)、brd(広幅二重項)、t(三重項)、dd
(二重項の二重項)、およびdq(四重項の二重項)で
記載する。フラッシュクロマトグラフィーはEM Science
シリカゲル(60、230−400メッシュ)を用いて
実施し、TLCはMerckガラス担持シリカゲル60プレ
ート(厚さ0.25mm、蛍光指標254nm)を用い
て実施した。ガスクロマトグラフィーは30m×0.1
mm ID DB1キャピラリーカラムを用いるHP58
90において、ヘリウムを流し、分割注入および火炎イ
オン化検出により実施した。カラム温度は50℃3分
間、15℃/分で250℃とし、5分間この温度に保持
した。融点はMeltemp装置を用いて測定し、補正してい
ない。
ペクトルをBruker AC300分光計で記録した(1H NMR
は300MHz、19F NMRは282MHz、13C N
MRは75MHz)。1H NMRの化学シフトは溶媒に
対するδppmで報告する(アセトン−d6、2.04
ppm;CDCl3、7.24ppm;DMSO−d6、
2.49ppm)。19F NMRの化学シフトはC6F6
(−162.9ppm)に対するδppmで報告する。
13C NMRの化学シフトは溶媒に対するδppmで報
告する(アセトン−d6、29.8ppm;CDCl3、
77.0ppm;DMSO−d6、39.5ppm)。
多重度はs(一重項)、brs(広幅一重項)、d(二
重項)、brd(広幅二重項)、t(三重項)、dd
(二重項の二重項)、およびdq(四重項の二重項)で
記載する。フラッシュクロマトグラフィーはEM Science
シリカゲル(60、230−400メッシュ)を用いて
実施し、TLCはMerckガラス担持シリカゲル60プレ
ート(厚さ0.25mm、蛍光指標254nm)を用い
て実施した。ガスクロマトグラフィーは30m×0.1
mm ID DB1キャピラリーカラムを用いるHP58
90において、ヘリウムを流し、分割注入および火炎イ
オン化検出により実施した。カラム温度は50℃3分
間、15℃/分で250℃とし、5分間この温度に保持
した。融点はMeltemp装置を用いて測定し、補正してい
ない。
【0011】
【実施例】実施例1
【化1】 D−3,3−ジフルオロ−4,5,6−トリヒドロキシ
−5,6−O−(1−エチルプロピリデン)ヘキセン
(IAおよびIB)
−5,6−O−(1−エチルプロピリデン)ヘキセン
(IAおよびIB)
【0012】機械式撹拌器、還流凝縮器および窒素吹き
込み装置を取り付けた乾燥250mL丸底フラスコに、
亜鉛塵4.6g(70mモル、1.2当量)、新たに蒸
留したD−グリセルアルデヒドペンタニド9.3g(5
9mモル)、および無水THF100mLを加えた。3
−ブロモ−3,3−ジフルオロプロペン(6.6mL、
65mモル、1.1当量)を加え、スラリーを窒素下、
周囲温度で3日間撹拌した。フラスコにエーテル100
mL、5%重炭酸ナトリウム水溶液40mLおよびフィ
ルター助剤2gを加えた。スラリーを濾過し、塊をエー
テルと水で洗浄し、相を分けた。水相をエーテル10m
Lで抽出し、混合したエーテル相を水20mLで洗浄し
た。溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮
し、黄色油状物13.8gを得た。減圧蒸留からカット
した中心を取ることによって生成物(IAおよびIB)
を精製した(bp76〜81℃、0.7mmHg)。精
製したホモアリルアルコールの収量は5.7gであっ
た。全体の純度はGCで95%であり、エリスロ:スレ
オ比は2.7:1であった(蒸留前のその比は3.3:
1)。GCにおける保持時間はスレオ体(IB)が1
2.96分、エリスロ体(IA)が13.16分であっ
た。
込み装置を取り付けた乾燥250mL丸底フラスコに、
亜鉛塵4.6g(70mモル、1.2当量)、新たに蒸
留したD−グリセルアルデヒドペンタニド9.3g(5
9mモル)、および無水THF100mLを加えた。3
−ブロモ−3,3−ジフルオロプロペン(6.6mL、
65mモル、1.1当量)を加え、スラリーを窒素下、
周囲温度で3日間撹拌した。フラスコにエーテル100
mL、5%重炭酸ナトリウム水溶液40mLおよびフィ
ルター助剤2gを加えた。スラリーを濾過し、塊をエー
テルと水で洗浄し、相を分けた。水相をエーテル10m
Lで抽出し、混合したエーテル相を水20mLで洗浄し
た。溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮
し、黄色油状物13.8gを得た。減圧蒸留からカット
した中心を取ることによって生成物(IAおよびIB)
を精製した(bp76〜81℃、0.7mmHg)。精
製したホモアリルアルコールの収量は5.7gであっ
た。全体の純度はGCで95%であり、エリスロ:スレ
オ比は2.7:1であった(蒸留前のその比は3.3:
1)。GCにおける保持時間はスレオ体(IB)が1
2.96分、エリスロ体(IA)が13.16分であっ
た。
【0013】エリスロ体(IA):1H NMR(CDC
l3)6.15(m,1H),5.85(d,J=16
Hz,1H),5.62(d,J=11Hz,1H),
4.4(m,1H),4.2(m,1H),4.1
(m,1H),1.75(m,4H),1.05(m,
6H)。19 F NMR(DMSO−d6) −108.6(d,t
J=250 Hz,J=15Hz),−111.5
(t,d J=250Hz,J=12Hz)。13 C NMR(CDCl3)130.2(t,J=25H
z),129.9(t,J=25Hz),121.0
(t,J=10Hz),120.7(q,J=240H
z),112.7, 74.3, 73.1(t,J=3
0Hz), 65.4, 29.4, 28.9, 8.
1, 8.0。 ms(EI)207(M−Et), 129, 57。
l3)6.15(m,1H),5.85(d,J=16
Hz,1H),5.62(d,J=11Hz,1H),
4.4(m,1H),4.2(m,1H),4.1
(m,1H),1.75(m,4H),1.05(m,
6H)。19 F NMR(DMSO−d6) −108.6(d,t
J=250 Hz,J=15Hz),−111.5
(t,d J=250Hz,J=12Hz)。13 C NMR(CDCl3)130.2(t,J=25H
z),129.9(t,J=25Hz),121.0
(t,J=10Hz),120.7(q,J=240H
z),112.7, 74.3, 73.1(t,J=3
0Hz), 65.4, 29.4, 28.9, 8.
1, 8.0。 ms(EI)207(M−Et), 129, 57。
【0014】スレオ体(IB):1H NMR(CDCl
3)6.2(m,1H),5.85(d,J=16H
z,1H),5.68(d,J=12Hz,1H),
4.4(m,1H),4.2(m,1H),3.9
(m,1H),1.75(m,4H),1.05(m,
6H)。19 F NMR(DMSO−d6) −106.1(d,t
J=250 Hz,J=15Hz),−111.3
(t,d J=250Hz,J=12Hz)。13 C NMR(CDCl3)130.0(t,J=25H
z),130.0(t,J=25Hz),121.1
(t,J=10Hz),120.7(q,J=240H
z),112.7, 74.2, 73.0(t,J=3
0Hz),66.8, 29.5, 29.0, 8.
1, 8.0。 ms(EI)207(M−Et), 129, 57。
3)6.2(m,1H),5.85(d,J=16H
z,1H),5.68(d,J=12Hz,1H),
4.4(m,1H),4.2(m,1H),3.9
(m,1H),1.75(m,4H),1.05(m,
6H)。19 F NMR(DMSO−d6) −106.1(d,t
J=250 Hz,J=15Hz),−111.3
(t,d J=250Hz,J=12Hz)。13 C NMR(CDCl3)130.0(t,J=25H
z),130.0(t,J=25Hz),121.1
(t,J=10Hz),120.7(q,J=240H
z),112.7, 74.2, 73.0(t,J=3
0Hz),66.8, 29.5, 29.0, 8.
1, 8.0。 ms(EI)207(M−Et), 129, 57。
【0015】実施例2
【化2】 2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペ
ントピラノース(III)
ントピラノース(III)
【0016】反応はエリスロ異性体(IA)およびスレ
オ異性体(IB)において同じである。ホモアリルアル
コール(0.53g、2.2mモル)とエリスロ異性体
(IA)およびスレオ異性体(IB)の2.7:1の混
合物を塩化メチレン50mLに溶解し、この溶液をガス
吹き込みラインとマグネチックスターラーを取り付けた
50mL丸底三首フラスコに入れた。溶液を氷浴中で撹
拌し、本溶液中に青色が持続するまでオゾン2%を含む
空気流を吹き込んだ。過剰のオゾンを吹き込んだ後、7
%チオ硫酸ナトリウム水溶液7mLを加えた。5分後、
相を分け、下相を水洗(10mL)し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。周囲温度、減圧下で溶媒を除去し、無
色油状物0.31gを得た。NMRスペクトルはアルデ
ヒドII(異性体IIAおよびスレオ異性体IIBを含
む)は水和物形成によって分かりにくくなったが、上記
のgc/ms分析(水和物はおそらく注入ポート中で分
解する)の結果は、2つのジアステレオマーアルデヒド
(EI,209、Et欠失)、特に所望のエリスロ異性
体アルデヒド(IIA)の存在を示唆した。この油状物
にアセトニトリル(15mL)と水1mLを加え、溶液
を53℃で一夜撹拌した。本溶液を高減圧下で留去し、
無色の油状物0.21gを得た。薄層クロマトグラフィ
ーによって、ペントピラノース異性体IIIAとペント
ピラノース異性体IIIB(シリカをトルエン:イソプ
ロピルアルコール(5:1)で溶離した場合、RF0.
2および0.3)を含むペントピラノース(III)の
2つの主要な異性体が示された。下記で製造される真正
なペントフラノース異性体(IIIA)はRF0.2で
溶離した。異性体IIIは同じ溶媒系を用いるシリカフ
ラッシュクロマトグラフィーによって分離し、RF0.
3の無色の油状物として化合物(III)のペントピラ
ノース異性体(IIIB)40mgおよびクロマトグラ
フィーおよび分光学において真正のペントピラノース異
性体(IIIA)と同一であるRF0.2のペントピラ
ノース異性体(IIIA)100mgを得た。
オ異性体(IB)において同じである。ホモアリルアル
コール(0.53g、2.2mモル)とエリスロ異性体
(IA)およびスレオ異性体(IB)の2.7:1の混
合物を塩化メチレン50mLに溶解し、この溶液をガス
吹き込みラインとマグネチックスターラーを取り付けた
50mL丸底三首フラスコに入れた。溶液を氷浴中で撹
拌し、本溶液中に青色が持続するまでオゾン2%を含む
空気流を吹き込んだ。過剰のオゾンを吹き込んだ後、7
%チオ硫酸ナトリウム水溶液7mLを加えた。5分後、
相を分け、下相を水洗(10mL)し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。周囲温度、減圧下で溶媒を除去し、無
色油状物0.31gを得た。NMRスペクトルはアルデ
ヒドII(異性体IIAおよびスレオ異性体IIBを含
む)は水和物形成によって分かりにくくなったが、上記
のgc/ms分析(水和物はおそらく注入ポート中で分
解する)の結果は、2つのジアステレオマーアルデヒド
(EI,209、Et欠失)、特に所望のエリスロ異性
体アルデヒド(IIA)の存在を示唆した。この油状物
にアセトニトリル(15mL)と水1mLを加え、溶液
を53℃で一夜撹拌した。本溶液を高減圧下で留去し、
無色の油状物0.21gを得た。薄層クロマトグラフィ
ーによって、ペントピラノース異性体IIIAとペント
ピラノース異性体IIIB(シリカをトルエン:イソプ
ロピルアルコール(5:1)で溶離した場合、RF0.
2および0.3)を含むペントピラノース(III)の
2つの主要な異性体が示された。下記で製造される真正
なペントフラノース異性体(IIIA)はRF0.2で
溶離した。異性体IIIは同じ溶媒系を用いるシリカフ
ラッシュクロマトグラフィーによって分離し、RF0.
3の無色の油状物として化合物(III)のペントピラ
ノース異性体(IIIB)40mgおよびクロマトグラ
フィーおよび分光学において真正のペントピラノース異
性体(IIIA)と同一であるRF0.2のペントピラ
ノース異性体(IIIA)100mgを得た。
【0017】実施例3
【化3】 2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペ
ントピラノース(IIIA)
ントピラノース(IIIA)
【0018】機械式撹拌器、還流凝縮器および窒素吹き
込み装置を取り付けた乾燥した250mL丸底フラスコ
に、亜鉛塵4.6g(70mモル、1.2当量)、新た
に蒸留したD−グリセルアルデヒドペンタニド9.3g
(59mモル)および無水THF100mLを加えた。
3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロペン(7.2m
L、70mモル、1.2当量)を加え、スラリーを窒素
下、周囲温度で3日間撹拌した。フラスコにエーテル1
00mL、10%重炭酸ナトリウム水溶液40mLおよ
びフィルター助剤4gを加えた。スラリーを濾過し、塊
(ケーキ)をエーテルで洗浄し、相を分けた。水相をエ
ーテル10mLで抽出し、混合したエーテル相を減圧下
で濃縮し、黄色油状のD−3,3−ジフルオロ−4,
5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチルプ
ロピレン)ヘキセン(I)を得た。この油状物を塩化メ
チレン100mLに溶解し、この溶液を吹き込みライン
とマグネチックスターラーを取り付けた250mL丸底
三首フラスコに入れた。本溶液を氷・アセトン浴中で撹
拌し、この溶液に薄い青色が続くまでオゾン2%を含む
空気流を吹き込んだ。過剰のオゾンを吹き込んだ後、7
%チオ硫酸ナトリウム水溶液20mLと固体のチオ硫酸
ナトリウム20gを加えた。
込み装置を取り付けた乾燥した250mL丸底フラスコ
に、亜鉛塵4.6g(70mモル、1.2当量)、新た
に蒸留したD−グリセルアルデヒドペンタニド9.3g
(59mモル)および無水THF100mLを加えた。
3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロペン(7.2m
L、70mモル、1.2当量)を加え、スラリーを窒素
下、周囲温度で3日間撹拌した。フラスコにエーテル1
00mL、10%重炭酸ナトリウム水溶液40mLおよ
びフィルター助剤4gを加えた。スラリーを濾過し、塊
(ケーキ)をエーテルで洗浄し、相を分けた。水相をエ
ーテル10mLで抽出し、混合したエーテル相を減圧下
で濃縮し、黄色油状のD−3,3−ジフルオロ−4,
5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチルプ
ロピレン)ヘキセン(I)を得た。この油状物を塩化メ
チレン100mLに溶解し、この溶液を吹き込みライン
とマグネチックスターラーを取り付けた250mL丸底
三首フラスコに入れた。本溶液を氷・アセトン浴中で撹
拌し、この溶液に薄い青色が続くまでオゾン2%を含む
空気流を吹き込んだ。過剰のオゾンを吹き込んだ後、7
%チオ硫酸ナトリウム水溶液20mLと固体のチオ硫酸
ナトリウム20gを加えた。
【0019】一夜放置した後、固形物を濾過して除去
し、相を分け、水相を塩化メチレン20mLで抽出し、
混合した有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液20mL
で洗浄し、減圧下で溶媒を除去して無色の油状物を得
た。アセトニトリル(100mL)と水(10mL)を
加え、溶液を42℃で一夜撹拌した。溶媒の一部を減圧
蒸留によって除去し、再度アセトニトリル100mLと
水10mLを加えた。48℃で一夜、39℃で4日間撹
拌した後、減圧下で溶媒を留去した。残留物を水50m
Lに溶解し、エーテル20mLで抽出した。水相を減圧
下で濃縮し、残留物をほぼ還流温度で酢酸エチル40m
Lで抽出した。この酢酸エチル溶液を不溶性残留物から
デカントし、容量を約半分に濃縮し、周囲温度に冷却し
た。所望の精製物の種結晶を加え、ゆるやかな窒素流を
用いて容量が約5mLとなるまで2日間かけて酢酸エチ
ルを留去した。生成物を濾過して分離し、酢酸エチル1
mLで洗浄し、40℃、減圧下で乾燥して、白色固形の
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペ
ントピラノース(IIIA)1.09g(11%)を得
た。 融点129〜137℃。 本化合物の19Fおよび1H NMRスペクトルは真正物質
のものおよび文献の報告と同じであった。
し、相を分け、水相を塩化メチレン20mLで抽出し、
混合した有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液20mL
で洗浄し、減圧下で溶媒を除去して無色の油状物を得
た。アセトニトリル(100mL)と水(10mL)を
加え、溶液を42℃で一夜撹拌した。溶媒の一部を減圧
蒸留によって除去し、再度アセトニトリル100mLと
水10mLを加えた。48℃で一夜、39℃で4日間撹
拌した後、減圧下で溶媒を留去した。残留物を水50m
Lに溶解し、エーテル20mLで抽出した。水相を減圧
下で濃縮し、残留物をほぼ還流温度で酢酸エチル40m
Lで抽出した。この酢酸エチル溶液を不溶性残留物から
デカントし、容量を約半分に濃縮し、周囲温度に冷却し
た。所望の精製物の種結晶を加え、ゆるやかな窒素流を
用いて容量が約5mLとなるまで2日間かけて酢酸エチ
ルを留去した。生成物を濾過して分離し、酢酸エチル1
mLで洗浄し、40℃、減圧下で乾燥して、白色固形の
2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペ
ントピラノース(IIIA)1.09g(11%)を得
た。 融点129〜137℃。 本化合物の19Fおよび1H NMRスペクトルは真正物質
のものおよび文献の報告と同じであった。
【0020】比較実施例4 本実施例は真正のペントピラノース(IIIA)の製造
法を示す。
法を示す。
【化4】 2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペ
ントピラノース(IIIA)
ントピラノース(IIIA)
【0021】温度計、加熱マントル、凝縮器および窒素
流入口を備えた1L三首フラスコに3,5−ジ−O−ベ
ンゾイル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−α−お
よびβ−D−リボ−ペントフラノース97.85g
(0.26モル)およびCH3OH500mLを入れ
た。この混合物にトリエチルアミン53mL(0.38
モル、1.5当量)を加え、本溶液を加熱還流し、蒸留
によりCH3OH500mLを除去した。酢酸エチルを
加え、溶液を50℃に加熱し、24時間撹拌した。蒸留
温度が100℃に達するまで蒸留して除去した(4回、
各250mL)。この混合物を周囲温度で15時間、0
℃で30分間撹拌し、次いで濾過し、エーテルで洗浄
し、β−立体配置のみである2−デオキシ−2,2−ジ
フルオロ−D−リボ−ペントピラノース40.7gを製
造した。粗2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D
−リボ−ペントピラノースを酢酸エチルから再結晶し、
以下の物理学的特性とスペクトル特性を有する白色固形
のIIIA 24.8g(収率46%)を得た。
流入口を備えた1L三首フラスコに3,5−ジ−O−ベ
ンゾイル−2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−α−お
よびβ−D−リボ−ペントフラノース97.85g
(0.26モル)およびCH3OH500mLを入れ
た。この混合物にトリエチルアミン53mL(0.38
モル、1.5当量)を加え、本溶液を加熱還流し、蒸留
によりCH3OH500mLを除去した。酢酸エチルを
加え、溶液を50℃に加熱し、24時間撹拌した。蒸留
温度が100℃に達するまで蒸留して除去した(4回、
各250mL)。この混合物を周囲温度で15時間、0
℃で30分間撹拌し、次いで濾過し、エーテルで洗浄
し、β−立体配置のみである2−デオキシ−2,2−ジ
フルオロ−D−リボ−ペントピラノース40.7gを製
造した。粗2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D
−リボ−ペントピラノースを酢酸エチルから再結晶し、
以下の物理学的特性とスペクトル特性を有する白色固形
のIIIA 24.8g(収率46%)を得た。
【0022】Rf0.04、0.12(酢酸エチル7
5:ヘプタン50:メタノール5)。 融点137〜139℃。1 H NMR(アセトン−d6)δ3.64(1H),
3.91(1H),3.94(1H),4.05(1
H),5.02(1H)。19 F NMR(アセトン−d6)δ −123.1(br
d,JFF=253H),−119.2(dq,JHF=
3.7, 13.6Hz,JFF=250Hz)。13 C NMR(アセトン−d6)δ63.56, 68.
55, 68.55, 91.89 , 117.30。 C5H8O4F2の元素分析: 理論値:C,35.30;H,4.74;F,22.3
4。 実測値:C,35.59;H,4.74;F,22.5
2。 以上の説明は本発明を例示するのみであって、本発明は
特許請求の範囲によってのみ制限されるべきものであ
る。
5:ヘプタン50:メタノール5)。 融点137〜139℃。1 H NMR(アセトン−d6)δ3.64(1H),
3.91(1H),3.94(1H),4.05(1
H),5.02(1H)。19 F NMR(アセトン−d6)δ −123.1(br
d,JFF=253H),−119.2(dq,JHF=
3.7, 13.6Hz,JFF=250Hz)。13 C NMR(アセトン−d6)δ63.56, 68.
55, 68.55, 91.89 , 117.30。 C5H8O4F2の元素分析: 理論値:C,35.30;H,4.74;F,22.3
4。 実測値:C,35.59;H,4.74;F,22.5
2。 以上の説明は本発明を例示するのみであって、本発明は
特許請求の範囲によってのみ制限されるべきものであ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 反応混合物中にD−3,3−ジフルオロ
−4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エ
チルプロピリデン)ヘキセン(I)が形成されるまで、
反応混合物中で3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロペ
ンの有機金属コンプレックスと非反応性有機溶媒中、D
−グリセルアルデヒドペンタニドを反応させることを特
徴とする当該ヘキセン(I)の製造法。 - 【請求項2】 2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β
−D−リボ−ペントピラノース(IIIA)の製造法で
あって、 (a)第一反応混合物中のD−3,3−ジフルオロ−
4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチ
ルプロピリデン)ヘキセン(I)を非反応性有機溶媒
中、オゾンと反応させ、得られるD−2,2−ジフルオ
ロ−3,4,5−トリヒドロキシ−4,5−O−(1−
エチルプロピリデン)ペンタアルデヒド(II)を含有
する生成物を該有機溶媒から取り出し、 (b)得られた該ペンタアルデヒド(II)を含有する
生成物を第二反応混合物中、水と反応させ、この第二反
応混合物中で該ペントピラノース(IIIA)を製造
し、 (c)該ペントピラノース(IIIA)を第二反応混合
物から分離することを特徴とする該ペントピラノース
(IIIA)の製造法。 - 【請求項3】 D−3,3−ジフルオロ−4,5,6−
トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチルプロピリデ
ン)ヘキセン(I)。 - 【請求項4】 エリスロ−D−3,3−ジフルオロ−
4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−(1−エチ
ルプロピレン)ヘキセン(IA)。 - 【請求項5】 D−2,2−ジフルオロ−3,4,5−
トリヒドロキシ−4,5−O−(1−エチルプロピリデ
ン)ペンタアルデヒド(II)。 - 【請求項6】 エリスロ−D−2,2−ジフルオロ−
3,4,5−トリヒドロキシ−4,5−O−(1−エチ
ルプロピリデン)ペンタアルデヒド(IIA)。 - 【請求項7】 2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β
−D−リボ−ペントピラノース(IIIA)の製造法で
あって、 (a)第一反応混合物中で3−ブロモ−3,3−ジフル
オロプロペンの有機金属コンプレックスと非反応性有機
溶媒中、D−グリセルアルデヒドペンタニドをD−3,
3−ジフルオロ−4,5,6−トリヒドロキシ−5,6
−O−(1−エチルプロピリデン)ヘキセン(I)が形
成されるまで反応させ、 (b)第二反応混合物中で、得られたD−3,3−ジフ
ルオロ−4,5,6−トリヒドロキシ−5,6−O−
(1−エチルプロピリデン)ヘキセン(I)を非反応性
有機溶媒中、オゾンと反応させ、得られるD−2,2−
ジフルオロ−3,4,5−トリヒドロキシ−4,5−O
−(1−エチルプロピリデン)ペンタアルデヒド(I
I)を含有する生成物を該有機溶媒から取り出し、 (c)得られた該ペンタアルデヒド(II)を含有する
生成物を第三反応混合物中で水と反応させて該ペントピ
ラノース(IIIA)を製造し、 (d)第三反応混合物から該ペントピラノース(III
A)を分離することを特徴とする該ペントピラノース
(IIIA)の製造法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US383047 | 1995-02-03 | ||
US08/383,047 US5602262A (en) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | Process for the preparation of 2-deoxy-2,2-difluoro-β-D-ribo-pentopyranose |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08245612A true JPH08245612A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=23511480
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8017509A Withdrawn JPH08245612A (ja) | 1995-02-03 | 1996-02-02 | 2−デオキシ−2,2−ジフルオロ−β−D−リボ−ペントピラノースの製造法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5602262A (ja) |
EP (1) | EP0727432A1 (ja) |
JP (1) | JPH08245612A (ja) |
CA (1) | CA2167895A1 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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US20070191598A1 (en) * | 2006-02-07 | 2007-08-16 | Chemagis Ltd. | Process for Preparing Gemcitabine and Associated Intermediates |
US20070249823A1 (en) * | 2006-04-20 | 2007-10-25 | Chemagis Ltd. | Process for preparing gemcitabine and associated intermediates |
US20080262215A1 (en) * | 2007-04-23 | 2008-10-23 | Chemagis Ltd. | Gemcitabine production process |
Family Cites Families (1)
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---|---|---|---|---|
US4954623A (en) * | 1989-03-20 | 1990-09-04 | Eli Lilly And Company | Recovery of difluoro sugar |
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1995
- 1995-02-03 US US08/383,047 patent/US5602262A/en not_active Expired - Lifetime
-
1996
- 1996-01-22 EP EP96300418A patent/EP0727432A1/en not_active Withdrawn
- 1996-01-23 CA CA002167895A patent/CA2167895A1/en not_active Abandoned
- 1996-02-02 JP JP8017509A patent/JPH08245612A/ja not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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CA2167895A1 (en) | 1996-08-04 |
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