JPH0824460A - ミシンの糸切れ検出装置 - Google Patents

ミシンの糸切れ検出装置

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JPH0824460A
JPH0824460A JP18397594A JP18397594A JPH0824460A JP H0824460 A JPH0824460 A JP H0824460A JP 18397594 A JP18397594 A JP 18397594A JP 18397594 A JP18397594 A JP 18397594A JP H0824460 A JPH0824460 A JP H0824460A
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JP
Japan
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thread
sewing machine
breakage
thread breakage
upper thread
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Application number
JP18397594A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Hirayama
博之 平山
Mitsuru Inukai
充 犬飼
Mitsuo Takahashi
光夫 高橋
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NIPPON DENPA KK
Original Assignee
NIPPON DENPA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシンの縫い調子を悪化させることなく、上
糸等の糸切れを高精度に検出できるようにする。 【構成】 糸巻きと糸調子との間に位置してミシンヘッ
ドに設ける糸切れセンサ23を、ミシンヘッドに取付ら
れるケース本体26と、ケース本体26に各クッション
材30を介して設けた各支持板31と、各支持板31に
各弾性梁33を介して連結された糸切れ検知部32とか
ら構成する。これにより、ミシンヘッドから発生した振
動が、糸切れ検知部32の振動板35に伝播することな
く、各クッション材30によって吸収されるから、振動
板35に設けた圧電体38は、糸通し穴34に挿通され
た上糸が保護筒37に摺接することにより生じる振動板
35の振動に基づいて、糸切れの有,無を高精度に検出
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば刺繍用ミシン等
の糸切れを検出するのに好適に用いられるミシンの糸切
れ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、主軸を回転駆動する駆動源を備
えたミシン本体と、該ミシン本体に設けられ、前記主軸
の回転により駆動部を往復動させるヘッド部と、該ヘッ
ド部に往復動可能に設けられ、該ヘッド部の駆動部によ
り上,下に駆動される針軸と、該針軸の先端側に取付け
られ、上糸(刺繍糸)が挿通されるミシン針としての刺
繍針と、該刺繍針に上糸を供給すべく、前記上糸を巻回
状態で格納した上糸格納部と、前記ヘッド部に設けら
れ、該上糸格納部から刺繍針に供給する上糸に張力を与
える糸調子と、該糸調子と上糸格納部との間に位置して
前記ヘッド部に取付けられ、前記上糸格納部から糸調子
に導かれる上糸の途中部分が挿通される糸掛けと、前記
ヘッド部の下側に位置してミシン本体に設けられ、刺繍
布を展張状態で保持した刺繍枠をヘッド部に対して相対
的に枠移動させる枠移動機構と、前記ミシン本体に設け
られ、前記刺繍布に刺繍柄を実現すべく、刺繍用データ
に基づき該枠移動機構および前記ヘッド部の駆動部等を
作動させる制御装置とからなる刺繍用ミシンは知られて
いる。
【0003】この種の刺繍用ミシンでは、駆動源により
主軸を回転させつつ、ヘッド部の駆動部を往復動させ、
該駆動部で針軸を介して刺繍針を上,下に駆動すると共
に、刺繍布を展張状態に保持した刺繍枠を枠移動機構で
X軸、Y軸方向に枠移動させることにより、前記刺繍針
を刺繍布に対して運針させ、この刺繍布に所望色の上糸
を縫付けて所望の刺繍柄を実現するようにしている。
【0004】この場合、刺繍針は主軸が1回転する毎に
上死点から下死点に達して刺繍布に刺し込まれ、所望色
の上糸を下糸と絡ませつつ、下死点から上死点に達する
間に上糸を刺繍布に縫い付けるようにして刺繍布から抜
出される。しかし、この刺繍針の運針途中で上糸の糸切
れ等が発生すると、刺繍柄の作成が中断されるので、こ
れを糸切れセンサ等で検知し、周囲のオペレータ等に上
糸等の糸切れを報知するようにしている。
【0005】そして、この種の糸切れセンサとしては、
前記ヘッド部の駆動部により上,下に揺動される天秤と
ミシン針との間に設けられ、上糸が挿通される挿通部を
有したアクチュエータとしての板ばねと、該板ばねの振
動を電気信号に変換する圧電体とからなり、上糸が板ば
ねの挿通部を摺動するときの振動を圧電体で検出するこ
とにより、振動の有,無に基づいて上糸の糸切れが発生
しているか否かを判定するようにしたものが、例えば特
開昭63−242299号公報等によって知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるミシンの糸切れ検出装置では、天秤とミシ
ン針との間に糸切れセンサを設け、該糸切れセンサの板
ばねに上糸を強く摺動させているため、上糸と糸切れセ
ンサの板ばねとの摺動抵抗が過大になることがあり、上
糸に余分な負荷をかける結果となって、該上糸をミシン
針にスムーズに供給できず、縫い調子を悪くするという
問題がある。
【0007】また、ミシンはその作動時に常時振動を生
じているから、糸切れの有,無を検出すべく、上糸が板
ばねの挿通部を摺動するときの振動を検出する際に、ミ
シンの振動を誤検出することにより、糸切れセンサの信
頼性が損なわれてしまう。
【0008】さらに、ミシン針の針先よりも下方部分で
糸切れが発生し、上糸が針先の糸孔に引っかかったまま
の状態で、ミシン針が天秤と共に上,下動する場合に
は、天秤が上向きに駆動されるときに、該天秤とミシン
針との間で上糸に張力が付与されるから、天秤とミシン
針との間に設けた糸切れセンサはこの場合の糸切れを検
出できず、糸切れ時を高精度に検出するのが難しいとい
う問題がある。
【0009】一方、他の従来技術として、糸調子の糸取
りばねに電気的接点を設けた形式の糸切れセンサ等も知
られているが、この場合には、オペレータの糸通し時の
手からの汗や糸ほこり等によって接触不良が発生するこ
とがあり、また、針先よりも下方部分での糸切れ時を検
出するのが難しいという問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、縫い調子を悪化させることなく、上糸等
の糸切れを高精度に検出することができるようにしたミ
シンの糸切れ検出装置を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明が採用する構成は、ミシン本体と、
該ミシン本体に設けられ、ミシン針を往復動させるヘッ
ド部と、該ヘッド部のミシン針に上糸を供給すべく、上
糸を巻回状態で格納した上糸格納部と、前記ヘッド部に
設けられ、該上糸格納部からミシン針に供給する上糸に
張力を与える糸調子と、該糸調子と上糸格納部との間に
位置して前記ヘッド部に取付けられ、前記上糸格納部か
ら糸調子に導かれる上糸が挿通されることにより、該上
糸の振動に基づいて糸切れを検知する糸切れセンサとか
らなり、該糸切れセンサは、前記ヘッド部に取付けられ
る取付ブラケットと、該取付ブラケットにクッション材
を介して設けられた支持部と、該支持部に弾性梁を介し
て連結され、振動の有,無で糸切れを検知する糸切れ検
知部と、該糸切れ検知部に設けられ、前記上糸が挿通さ
れることにより上糸の摺動に応じて該糸切れ検知部に振
動を発生させる糸通し穴とから構成したことにある。
【0012】また、請求項2に記載したように、前記糸
切れ検知部は、前記支持部に前記弾性梁を介して一体形
成され、前記糸通し穴を有した振動板と、該振動板に設
けられ、該振動板の振動を電気信号として出力する圧電
体とから構成することができる。
【0013】さらに、請求項3の発明のように、前記支
持部、弾性梁および振動板を、単一の金属薄板から一体
成形し、該金属薄板の中央部には前記振動板を形成し、
該振動板の左,右両側には前記弾性梁を介して一対の前
記支持部を設ける構成とすることが望ましい。
【0014】さらにまた、請求項4に記載したように、
前記弾性梁は、前記振動板の左,右両側にそれぞれ設け
た細幅の梁として形成し、該各弾性梁は前記振動板の
前,後両端側から離間し、前記糸通し穴に近い位置に配
設するのがよい。
【0015】ここで、請求項5の発明のように、前記取
付ブラケットには、前記支持部および前記糸切れ検知部
を収納する箱形状のケースを一体に設け、該ケースの蓋
体側には、前記上糸格納部から前記糸通し穴内に向けて
導かれる上糸に一定の張力を与える上糸ガイドを設ける
構成とすることができる。
【0016】そして、請求項6に記載したように、前記
振動板には、前記糸通し穴を外部に開口させるスリット
を設けると共に、前記ケースには、その外部に開口し該
スリットに向かって延びる上糸案内部を形成し、前記上
糸を前記ケースの外部から該上糸案内部およびスリット
を介して前記糸通し穴に挿通する構成とするのが望まし
い。
【0017】また、請求項7の発明のように、前記ケー
ス内には、前記圧電体に接続され該圧電体からの出力に
基づいて糸切れを判定する糸切れ判定部を収納すること
ができる。
【0018】さらに、請求項8に記載したように、前記
支持部には前記圧電体に近い位置に中継端子を設け、前
記圧電体と前記糸切れ判定部とを該中継端子を介して接
続するのがよい。
【0019】さらにまた、請求項9の発明のように、前
記糸切れ判定部は、前記圧電体から出力される信号のう
ち、前記ミシン針が1往復して糸締めを行う期間に出力
される信号に基づいて糸切れの有,無を判定する構成と
するのが望ましい。
【0020】
【作用】請求項1の構成によれば、ミシン本体の振動
は、取付ブラケットを介して支持部に伝播する前にクッ
ション材により吸収されるから、糸切れ検知部は、ミシ
ン本体の振動に影響されることなく、糸通し穴に挿通さ
れた上糸の摺動に伴う振動を確実に検出することができ
る。
【0021】そして、請求項2の構成によれば、糸通し
穴に挿通された上糸の摺動に伴う振動板の振動を圧電体
が検知することにより、糸ほこりや塵等の影響を受けず
に糸切れの有,無を無接点で検出できる。
【0022】また、請求項3の構成によれば、支持部、
弾性梁および振動板を単一の金属薄板から一体成形する
ことにより、左,右の支持部間で各弾性梁を介して振動
板を安定させて弾性支持でき、しかも、糸切れ検知部の
構成を簡素化することができる。
【0023】さらに、請求項4の構成によれば、振動板
と支持部とを連結する細幅の弾性梁を、振動板の前,後
両端側から離間して糸通し穴の近傍となる位置に配設し
たから、糸通し穴に挿通された上糸の摺動により振動板
が的確に振動する。しかも、弾性梁を振動板の前,後両
端近傍のいずれか一方に配設する場合に比して、弾性梁
等の破断の原因となる振動板の過大な振動が抑制され
る。
【0024】さらにまた、請求項5の構成によれば、支
持部および糸切れ検知部が箱形状のケース内に収納され
るから、ミシンの外観(美観)を向上できる。しかも、
ケースの蓋体に設けた上糸ガイドにより、振動板の糸通
し穴に挿通される上糸に一定の張力が与えられるから、
上糸の弛みによる糸切れの誤検出を低減できる上に、糸
あばれが防止され安定した糸供給が実現できる。
【0025】そして、請求項6の構成によれば、上糸格
納部からミシン針に供給される上糸を、ケースの外部か
ら上糸案内部およびスリットを介して簡単に糸通し穴に
挿通させることができ、糸切れ検出の準備作業を迅速か
つ正確に行うことができる。
【0026】また、請求項7の構成によれば、ケース内
に圧電体および糸切れ判定部を収納することにより、圧
電体と糸切れ判定部とを接続する結線を短縮化できるか
ら、圧電体から糸切れ判定部に出力される検出信号にノ
イズ等が重畳するのを防止できる。
【0027】さらに、請求項8の構成によれば、圧電体
と糸切れ判定部とを中継端子を介して接続することによ
り、圧電体から中継端子までを可撓性を有する単線で接
続すると共に、中継端子から糸切れ判定部までを振動に
対して丈夫な編組線で接続できるから、例えば圧電体と
糸切れ判定部とを単線で接続する場合に比して断線等を
低減でき、圧電体と糸切れ判定部とを編組線で接続する
場合に比して振動板に作用する負荷を低減できる。
【0028】さらにまた、請求項9の構成によれば、糸
切れ判定部が、ミシン針が1往復して糸締めを行う期間
に圧電体から出力される信号に基づいて糸切れの有,無
を判定するから、不慮の振動やノイズ等により誤った糸
切れ検出がなされるのを確実に防止できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図10に
基づき説明する。
【0030】図中、1は刺繍用のミシン本体をなす基台
を示し、該基台1は複数本の脚部2,2,…と、該各脚
部2上に設けられた支持板3とからなり、該支持板3の
中央部には後述するミシンヘッド12が配設されてい
る。そして、支持板3における該ミシンヘッド12の下
側となる位置には、後述のミシン針15が挿通される針
穴が形成され、該針穴の下側には下糸用のボビン(いず
れも図示せず)が配設されている。
【0031】4はミシンヘッド12の下側に位置して、
支持板3上に移動可能に設けられた移動枠で、該移動枠
4は枠移動機構(図示せず)を介して支持板3に設けら
れ、ミシンヘッド12に対して前,後、左,右に移動で
きるようになっている。
【0032】5は支持板3上にブラケット6を介して設
けられた操作ボックスを示し、該操作ボックス5には、
表示器7、電源ON,OFFスイッチ8A,8B、ソフ
トキー9、キーボード10およびフロッピーディスク装
置11等の各操作機器が設けられ、該各操作機器に対す
る操作に応じて所望の色、柄等を有する刺繍が所定の運
針データに基づいて作成されるようになっている。
【0033】12は支持板3の中央部に配設された、ミ
シンのヘッド部としてのミシンヘッドを示し、該ミシン
ヘッド12は図3に示すように、基台1の支持板3上に
固着された大端部12Aと、該大端部12Aの上部で略
L字状に屈曲し、支持板3と略平行に延びる腕部12B
と、該腕部12Bの先端側から下向きに突出し、支持板
3上の刺繍枠(図示せず)と対向する小端部12Cとか
ら大略構成されている。
【0034】13はミシンヘッド12の腕部12B基端
側に設けられたはずみ車で、該はずみ車13は、ミシン
ヘッド12の腕部12B内を伸長する主軸に連結され、
この主軸にクラッチ、ベルト等を介して連結された駆動
源としてのモータ(いずれも図示せず)により回転駆動
するようになっている。そして、ミシンヘッド12の小
端部12C内には、前記主軸の回転をクランク軸等を介
して上,下方向の往復運動に変換する駆動部(図示せ
ず)が設けられ、小端部12Cから支持板3側に突出す
る針軸14と該針軸14の先端側に固着されたミシン針
15とが、この駆動部により、例えばクランク軸が1回
転する間に上死点と下死点との間を1往復するように
上,下に駆動(運針)されるようになっている。
【0035】16はミシンヘッド12の腕部12B上に
設けられた上糸台を示し、該上糸台16上には、それぞ
れ異なる色の上糸17を巻回状態で格納した上糸格納部
としての複数の糸巻き18,18,…と、該各糸巻き1
8からの上糸17をミシンヘッド12に向けて供給する
供給ガイド19等とが設けられ、上糸17はミシン針1
5の運針時に糸巻き18からミシン針15に向けて供給
される。なお、図1,図2中では、上糸台16上に配置
される複数の糸巻き18のうちの2個のみを図示してい
る。
【0036】20はミシンヘッド12の小端部12Cに
設けられた糸調子を示し、該糸調子20は外周側に上糸
17を引っ掛けることにより該上糸17に張力を与える
糸取りばね(ピンピンばね)21を備え、糸巻き18か
ら供給ガイド19等を介して導かれる上糸17を後述の
天秤22に補給すべく、低摩擦給糸を行う。そして、該
糸調子20は上糸17に、例えば30〜50g程度の張
力を与え、ミシン針15等により上糸17がこの張力を
越えて引っ張られるときに、この上糸17が天秤22側
に給糸されるのを許すようにしている。
【0037】22はミシンヘッド12の駆動部により
上,下に揺動される天秤を示し、該天秤22は前記ミシ
ン針15と同期して上,下動し、下向きに駆動されると
きにはミシン針15との間で上糸17に僅かなたるみを
与え、この上糸17をミシン針15側に給糸させる。そ
して、該天秤22は上向きに駆動されるときに、ミシン
針15により刺繍布上に形成した縫い目(いずれも図示
せず)と糸調子20等との間で上糸17に張力を与え、
このときに前記縫い目の縫い締め(糸締め)と上糸17
の繰り出しとを行うようになっている。
【0038】23は糸巻き18と糸調子20との間に位
置してミシンヘッド12の腕部12Bに設けられた糸切
れセンサを示し、該糸切れセンサ23は図4ないし図8
に示すように、後述する取付ブラケット24、各支持板
31および糸切れ検知部32等から大略構成されてい
る。
【0039】24はミシンヘッド12の腕部12Bにボ
ルト等を介して固定される一対の取付ブラケットで、該
取付ブラケット24は、各支持板31、糸切れ検知部3
2等を収納する後述のケース25と共に樹脂材料等によ
って一体成形されている。
【0040】25は取付ブラケット24に一体に設けら
れたケースを示し、該ケース25は、ケース本体26と
該ケース本体26を施蓋する蓋体27とから略直方体の
箱形状に構成され、内部に各支持板31、糸切れ検知部
32等の収納空間を形成している。
【0041】ここで、図7および図8等に示すように、
ケース本体26の長手方向中間部には糸抜き穴26Aが
形成され、該糸抜き穴26Aは、ケース本体26の長手
方向に沿って前端側から中間部まで延びる案内溝26B
を介してケース本体26の外部に開口している。26
C,26C,…はケース本体26内に立設され、後述す
る糸切れ判定回路40の基板40Aが取付けられる4個
のスペーサで、ケース本体26の長手方向後端側には、
該基板40Aに接続されるコネクタ(図示せず)が挿通
されるコネクタ穴26Dが形成されている。
【0042】一方、蓋体27の長手方向には、その前端
側から中間部まで延びる案内溝27Aが形成され、該案
内溝27Aは、ケース本体26の糸抜き穴26Aおよび
案内溝26Bと共に、ケース25の上糸案内部28を構
成している。
【0043】29は蓋体27の後端側に配設された上糸
ガイドを示し、該上糸ガイド29は、糸巻き18から糸
調子20に導かれる上糸17を糸切れ検知部32に案内
する糸掛け板29A、該糸掛け板29Aにより案内され
る上糸17を上下からつまむ一対の糸つまみ板29B,
29B、該各糸つまみ板29Bにばね圧を付与する圧縮
ばね29C、該圧縮ばね29Cの縮装長さを変化させて
各糸つまみ板29Bに作用するばね圧を調整するばね圧
調整つまみ29Dとから構成されている。そして、上糸
ガイド29は、ばね圧調整つまみ29Dの位置を調整す
ることにより、糸巻き18から糸切れ検知部32を介し
て糸調子20に導かれる上糸17に、例えば5g前,後
の張力を付与するようになっている。
【0044】30,30はケース25内に設けられたク
ッション材で、該各クッション材30は、ソルボセイン
等の発泡性弾性樹脂材料により直方体状に形成され、図
8に示すように、糸抜き穴26Aの左,右両側に位置し
てケース本体26の底部側の2か所に接着剤等により固
着されている。
【0045】31,31は各クッション材30を介して
ケース本体26に設けられた、支持部としての左,右一
対の支持板を示し、該各支持板31は各クッション材3
0の上面にそれぞれ接着剤等により固着され、後述の振
動板35等をケース本体26内に位置決めしている。こ
こで、ミシンヘッド12で発生した振動は各クッション
材30で吸収されことにより、この振動が各支持板31
に伝播するのを抑えるようになっている。
【0046】32はケース25内に位置してケース本体
26の糸抜き穴26A上に配設された糸切れ検知部を示
し、該糸切れ検知部32は、前記各支持板31の中間に
弾性梁33,33を介して連結され、糸通し穴34が穿
設された振動板35と、該振動板35上に設けられた後
述の圧電体38とから構成されている。
【0047】ここで、各支持板31、各弾性梁33およ
び振動板35は、例えばステンレス鋼やばね鋼等の単一
の金属薄板から一体成形されることにより構成の簡素化
を実現している。そして、各弾性梁33は、振動板35
の前,後両端の中間において糸通し穴34の近傍となる
位置に配設された細幅の梁として形成され、振動板35
を各支持板31に対して弾性的に支持している。
【0048】また、振動板35に穿設された糸通し穴3
4は、振動板35をケース本体26内に各クッション材
30および各支持板31等を介して位置決めするとき
に、ケース本体26の糸抜き穴26Aに対して糸通し穴
34の中心が同心となるように配設されている。
【0049】36は振動板35の前後方向に形成され、
糸通し穴34を振動板35の外部に開口させるスリット
を示し、該スリット36はケース本体26の案内溝26
Bに対して平行になるように形成されている。そして、
該スリット36の前端側は案内溝26Bの幅よりも若干
大きい幅を持って拡開し、案内溝26Bに案内された上
糸17が確実にスリット36に導入されるようになって
いる。
【0050】37は糸通し穴34に挿嵌された略円筒状
の保護筒で、該保護筒37は、例えばセラミックス等の
耐摩耗性に優れた材料から形成され、接着剤等によって
糸通し穴34の内周側に固着されている。また、該保護
筒37における振動板35のスリット36に対応する位
置には、スリット36と略等しい幅をもった切欠部37
Aが形成されている。そして、保護筒37は糸通し穴3
4に挿通される上糸17に摺接することにより上糸17
の摩擦を低減している。
【0051】38は振動板35の上側面に接着剤等で取
付けられた圧電体を示し、該圧電体38は、例えばチタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる薄板状の圧電セ
ラミックスによって構成されている。そして、該圧電体
38は振動板35に振動が発生すると、この振動を感知
して振動に応じた起電力(検出信号)を出力するように
なっている。38A,38Aは基端側が圧電体38に接
続された単線からなるリード線で、該各リード線38A
の先端側は、前記各支持板31に突設された中継端子3
9,39にそれぞれ接続されている。
【0052】40は各支持板31、糸切れ検知部32等
と共にケース25内に収納された糸切れ判定部としての
糸切れ判定回路を示し、該糸切れ判定回路40はその基
板40Aがケース本体26の各スペーサ26C上に配設
され、各中継端子39にそれぞれ接続された編組線から
なる信号線41,41および各リード線38Aを介して
圧電体38に接続されている。
【0053】ここで、圧電体38と各中継端子39とを
可撓性を有する単線からなる各リード線38Aで接続し
すると共に、各中継端子39と糸切れ判定回路40とを
振動に対して丈夫な編組線からなる各信号線41で接続
することにより、例えば圧電体38と糸切れ判定回路4
0とを単線のみで接続する場合に比して断線等を低減す
ることができ、また、圧電体38と糸切れ判定回路40
とを編組線のみで接続する場合に比して振動板35に作
用する負荷を低減することができるようになっている。
【0054】また、基板40A上に実現された糸切れ判
定回路40は図9に示すように、圧電体38に接続され
たアクティブフィルタ42、該アクティブフィルタ42
に接続されたコンパレータ43、該コンパレータ43に
接続された整流回路44、一方の入力端が該整流回路4
4に接続された論理積回路45、該論理積回路45の他
方の入力端に接続されたタイミング信号出力回路46等
から大略構成されている。
【0055】ここで、アクティブフィルタ42は、圧電
体38から出力される信号のうち、糸通し穴34に挿通
された上糸17が保護筒37に摺接することにより振動
板35が振動したことを示す、特定の周波数帯域(例え
ば10kHz〜100kHz)内の信号のみを選択的に
増幅してコンパレータ43に出力し、コンパレータ43
は、アクティブフィルタ42から出力された信号のレベ
ルを一定の閾値と比較し、閾値に満たないレベルをとる
信号をミシンヘッド12の振動に対応する信号として切
捨て、閾値以上のレベルをとる信号のみを選択的に整流
回路44に出力する。
【0056】そして、整流回路44はコンパレータ43
から出力された交流信号を直流信号に変換し、これを論
理積回路45の一方の入力端に出力する。
【0057】このとき、論理積回路45の他方の入力端
には、タイミング信号出力回路46から、後述するよう
にミシン針15が上死点と下死点との間で1往復すると
きに上糸17が糸締めされる期間(糸締め期間)を、ク
ランク軸の回転角(クランク角)に対応させ、クランク
軸がこの糸締め期間に対応するクランク角をとるときの
み信号が出力されるようになっている。
【0058】従って、論理積回路45からは、タイミン
グ信号出力回路46から信号が出力される糸締め期間の
み、整流回路44から振動板35が振動したか否か、即
ち、糸切れの有,無を示す信号が出力され、該検出信号
は基板40Aに設けられたコネクタを介して制御装置
(いずれも図示せず)に出力される。
【0059】本実施例によるミシンの糸切れ検出装置は
上述のような構成を有するもので、この糸切れ検出装置
を搭載したミシンを用いて刺繍を作成する場合には、ま
ず、各糸巻き18から所望の色の上糸17を繰り出し、
該上糸17を供給ガイド19を介して糸切れセンサ23
に導く。
【0060】次いで、上糸17を、糸切れセンサ23の
ケース25に設けられた上糸ガイド29の糸掛け板29
A、各糸つまみ板29Bを介して、糸切れ検知部32を
構成する振動板35の糸通し穴34に挿通し、保護筒3
7に摺接させた後、糸調子20、天秤22等を介してミ
シン針15に供給する。
【0061】このとき、振動板35にスリット36が形
成されると共に保護筒37に切欠部37Aが形成され、
かつ、ケース25にはスリット36に向かって延びる上
糸案内部28が形成されているから、上糸ガイド29か
ら糸調子20に供給される上糸17を、ケース25の外
部から上糸案内部28およびスリット36を介して簡単
に糸通し穴34に挿通することができる。
【0062】このようにして、上糸17をミシン針15
に供給した状態でモータによって主軸を回転させると、
ミシンヘッド12の駆動部によってミシン針15が上,
下に駆動され、該ミシン針15を刺繍布に対して運針さ
せる。これにより、刺繍布に所望色の上糸17が縫付け
られて所望の刺繍柄が作成され、ミシン針15が刺繍布
に縫い目を形成する毎に、上糸17は糸巻き18から糸
調子20を介してミシン針15側に供給される。
【0063】即ち、図10に示すように、クランク軸
(主軸)が1回転する間にミシン針15が上死点と下死
点との間で1往復すると、天秤22がミシン針15と同
期して上死点と下死点との間を1往復する。そして、天
秤22が下死点から上死点に移行するときに上糸17に
は張力が作用し、この張力は天秤22が上死点に到達す
る直前から急激に増大し、天秤22が上死点に到達した
ときにピーク値に達する。このとき、上糸17は刺繍布
の下面側で下糸に絡んだ後、天秤22の上昇によって糸
締めされ(糸締め期間)、この糸締め期間の後半に上糸
17の張力が糸調子20で設定された張力(例えば30
〜50g程度)を越えると、刺繍布に縫付けられた量に
応じた上糸17が、糸調子20を介して糸巻き18から
繰り出される(糸移動期間)。
【0064】このとき、糸切れセンサ23においては、
糸切れ検知部32を構成する振動板35の糸通し穴34
に挿通された上糸17が、糸通し穴34に挿嵌された保
護筒37に摺接して振動板35を振動させることによ
り、圧電体38がこの振動に応じた起電力を生じ、該起
電力に基づく検出信号を、各リード線38A、各中継端
子39および各信号線41を介して、糸切れ判定回路基
板40のアクティブフィルタ42に出力する。
【0065】ここで、振動板35は、ケース25内にお
いて各支持板31に各弾性梁33を介して弾性的に支持
され、各支持板31は、ケース本体26に各クッション
材30を介して設けられているから、ミシンヘッド12
がその作動時に発生する振動は、各クッション材30に
より吸収され、圧電体38は、糸通し穴34に挿通され
た上糸17の摺動に伴う振動板35の振動を、ミシンヘ
ッド12から伝播した振動から確実に区別して検出でき
る。
【0066】そして、アクティブフィルタ42は、圧電
体38から出力される検出信号のうち、糸通し穴34に
挿通された上糸17が保護筒37に摺接することにより
振動板35が振動したことを示す、特定の周波数帯域
(例えば10kHz〜100kHz)内の信号のみを選
択的に増幅してコンパレータ43に出力する。次いで、
コンパレータ43は、アクティブフィルタ42から出力
された信号のレベルを一定の閾値と比較し、閾値以上の
レベルをとる信号のみを選択的に整流回路44に出力す
る。そして、整流回路44はコンパレータ43から出力
された交流信号を直流信号に変換し、これを論理積回路
45の一方の入力端に出力する。
【0067】このとき、論理積回路45の他方の入力端
には、タイミング信号出力回路46から、例えばミシン
針15が上死点と下死点との間で1往復する間に上糸1
7が糸締めされる期間(糸締め期間)のみ信号が出力さ
れる。
【0068】これにより、論理積回路45は、タイミン
グ信号出力回路46から信号が出力される糸締め期間の
み、整流回路45から振動板35が振動したことを示す
信号を出力し、この検出信号は糸切れ判定回路40から
コネクタを介して制御装置に出力され、制御装置は糸切
れ判定回路40からの検出信号に基づき、上糸17が正
規に繰り出されているものとして判定する。
【0069】このように、糸切れ判定回路40は、ミシ
ン針15が上死点と下死点との間を1往復する期間のう
ち、確実に上糸17に張力が作用する糸締め期間に圧電
体38から出力される検出信号に基づいて糸切れの有,
無を検出するから、不慮の振動やノイズ等により誤った
糸切れ検出がなされるのを防止でき、糸切れの有,無を
高精度に検出することができる。
【0070】一方、上糸17が途中で切れたり、針先よ
りも下方部分で糸切れが発生した場合または下糸(図示
せず)が無くなって上糸17の移動が中断した場合に
は、糸巻き18と糸調子20との間で上糸17が振動板
35の保護筒37に対して摺動変位することがなくな
る。
【0071】これにより、振動板35の振動が停止して
圧電体38からの検出信号の出力が中断されるから、上
述した糸締め期間において、糸切れ判定回路基板40か
ら制御装置への信号の出力が中断し、制御装置は上糸1
7等が糸切れを起こしたと判定し、例えばモータと主軸
とを連結するクラッチを切離して主軸を停止させると共
に、オペレータ等に上糸17等の糸切れを報知する。
【0072】かくして、本実施例では、糸切れセンサ2
3を糸巻き18と糸調子20との間に位置してミシンヘ
ッド12の腕部12Bに設けたから、従来技術のように
糸調子20とミシン針15との間に糸切れセンサ等を設
ける必要がなくなり、ミシン針15の運針時にミシン針
15と糸調子20との間で上糸17に余分な負荷をかけ
るのを防止でき、縫い調子を損なわずに上糸17等の糸
切れを検出することができる。そして、針先よりも下方
部分で糸切れが発生したとき、または下糸がなくなった
ときでも上糸17の移動が中断されることにより、これ
を糸切れとして確実に検出できる。
【0073】そして、糸切れ検知部32を構成する振動
板35を、ケース本体26に各クッション材30を介し
て設けた各支持板31に、各弾性梁33を介して弾性的
に支持する構成としたから、モータの回転や駆動部の作
動等により発生してミシンヘッド12に伝播した振動を
各クッション材30により吸収できる。従って、糸通し
穴34に挿通された上糸17が保護筒37に摺接するこ
とにより生じる振動板35の振動を、ミシンヘッド12
を介して伝播した振動から確実に区別して検出すること
ができ、糸切れの有,無を高精度に検出することができ
る。
【0074】また、糸切れ検知部32は圧電体38を用
いた無接点構造であるから、糸ほこりや塵等の影響を受
けずに安定した糸切れ検出を行うことができる。
【0075】さらに、振動板35、各弾性梁33および
各支持板31を、ステンレス鋼やばね鋼等の単一の金属
薄板から一体成形することにより、各支持板31の間で
振動板35を安定させて弾性支持できる。また、糸切れ
検知部32等の構成を簡素化することができ、糸切れセ
ンサ23の組立時の作業性等を向上させることができ
る。
【0076】さらにまた、各弾性梁33を振動板35の
前,後両端の中間において糸通し穴34の近傍となる位
置に配設することにより、例えば振動板35の前端側ま
たは後端側に各弾性梁を配設する場合に比して、振動板
35の過大な振動に起因した弾性梁の破断等を防止で
き、振動板35の振動に基づく糸切れ検出を長期に亘っ
て安定して行うことができる。
【0077】そして、各支持板31および糸切れ検知部
32等を箱形状のケース25内に収納することにより、
ミシンの外観(美観)を向上でき、かつ、該ケース25
の蓋体27に上糸ガイド29を設けることにより、振動
板35の糸通し穴34に挿通される上糸17に一定の張
力を与える構成としたから、上糸17の弛みに伴う糸切
れの誤検知を低減することができる。
【0078】また、振動板35にスリット36を形成す
ると共に保護筒37に切欠部37Aを形成し、かつ、ケ
ース25にはスリット36に向かって延びる上糸案内部
28を形成したから、糸巻き18からミシン針15に供
給される上糸17を、ケース25の外部から上糸案内部
28、スリット36および切欠部37Aを介して簡単に
糸通し穴34に挿通することができ、糸切れ検出の準備
作業を迅速かつ正確に行うことができる。
【0079】さらに、ケース25内に、各支持板31お
よび糸切れ検知部32等と共に糸切れ判定回路40を配
設することにより、該糸切れ判定回路40と糸切れ検知
部32を構成する圧電体38とを接続する結線を短縮化
できるから、圧電体38から糸切れ判定回路40に出力
される検出信号にノイズが重畳するのを防止でき、糸切
れ判定の精度を向上させることができる。
【0080】さらにまた、各支持板31における圧電体
38の近傍となる位置に、それぞれ中継端子39,39
を設け、圧電体38と各中継端子39とを可撓性を有す
る単線からなる各リード線38Aで接続すると共に、各
中継端子39と糸切れ判定回路40とを振動に対して丈
夫な編組線からなる各信号線41で接続する構成とした
から、振動板35に作用する負荷が低減され、糸通し穴
34に挿通された上糸17と保護筒37との摺接により
振動板35を敏感に振動させることにより高精度な糸切
れ検出が行える上に、圧電体38の各リード線38Aが
振動板35の振動により断線してしまう等の不具合を解
消できる。
【0081】そして、糸切れ判定回路40は、ミシン針
15が上死点と下死点との間を1往復する期間のうち、
確実に上糸17に張力が作用する糸締め期間に圧電体3
8から出力される検出信号に基づいて、糸切れの有,無
を検出するように構成したから、ミシンヘッド12等か
らの振動やノイズ等により誤った糸切れ検出がなされる
のを防止でき、糸切れの有,無を高精度に検出すること
ができる。
【0082】なお、前記実施例では、上糸格納部として
の糸巻き18をミシンヘッド12上に配設した場合を例
に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば基
台1の上方でミシンヘッド12から離間した位置に該糸
巻き18等の上糸格納部を配設してもよい。
【0083】
【発明の効果】以上詳述した通り請求項1の発明によれ
ば、上糸を巻回状態で格納した上糸格納部と、該上糸格
納部からミシン針に供給する上糸に張力を与える糸調子
との間に位置して、ミシンのヘッド部に糸切れセンサを
取付け、該糸切れセンサを支持部と糸切れ検知部とから
構成し、支持部をミシン本体のヘッド部に取付けられた
取付ブラケットにクッション材を介して設けると共に、
糸切れ検知部を弾性梁を介して支持部に弾性的に連結し
たから、糸切れ検知部は、糸通し穴に挿通された上糸の
摺動に伴う振動を、ミシン本体から伝播した振動から確
実に区別して検知でき、糸切れの有,無を高精度に検出
することができる。しかも、縫い調子を損なわずに上糸
等の糸切れを検出でき、針先よりも下方部分で糸切れが
発生した場合、または下糸がなくなった場合でも、上糸
の移動が中断することにより、これを糸切れとして検出
できる。
【0084】そして、請求項2の発明によれば、糸通し
穴に挿通された上糸の摺動に伴う振動板の振動を圧電体
が検知することにより、糸切れの有,無を無接点で検出
できるから、糸ほこりや塵等の影響を受けずに安定した
糸切れ検出を行うことができる。
【0085】また、請求項3の発明によれば、支持部、
弾性梁および振動板を単一の金属薄板から一体成形する
ことにより、一対の支持部間で振動板を安定させて弾性
支持できる上に、糸切れ検知部の構成を簡素化でき、糸
切れセンサの組立時の作業性等を向上させることができ
る。
【0086】さらに、請求項4の発明によれば、振動板
の左,右両側にそれぞれ設けた細幅の弾性梁を、振動板
の前,後両端側から離間して糸通し穴に近い位置に配設
する構成としたから、糸通し穴に挿通された上糸の摺動
によって振動板を的確に振動させることができ、かつ、
振動板の過大な振動が抑制され、弾性梁の破断等を防止
することができる。
【0087】さらにまた、請求項5の発明によれば、支
持部および糸切れ検知部が箱形状のケース内に収納され
るから、ミシンの外観品質を向上できる。しかも、ケー
スの蓋体に上糸ガイドを設けることにより、振動板の糸
通し穴に挿通される上糸に一定の張力が与えられるか
ら、上糸の弛みによる糸切れの誤検出を低減できる。
【0088】そして、請求項6の発明によれば、振動板
に糸通し穴を外部に開口させるスリットを設けると共
に、ケースにその外部に開口しスリットに向かって延び
る上糸案内部を設ける構成としたから、上糸格納部から
ミシン針に供給される上糸を、ケースの外部から上糸案
内部およびスリットを介して簡単に糸通し穴に挿通させ
ることができ、糸切れ検出の準備作業を迅速かつ正確に
行うことができる。
【0089】また、請求項7の発明によれば、ケース内
に圧電体および糸切れ判定部を収納することにより、圧
電体と糸切れ判定部とを接続する結線を短縮化できるか
ら、圧電体から糸切れ判定部に出力される検出信号にノ
イズ等が重畳するのを防止でき、糸切れ判定の精度を向
上させることができる。
【0090】さらに、請求項8の発明によれば、支持部
における圧電体に近い位置に中継端子を設けることによ
り、圧電体から中継端子までを可撓性を有する単線で接
続すると共に、中継端子から糸切れ判定部までを振動に
対して丈夫な編組線で接続できるから、例えば圧電体と
糸切れ判定部とを単線あるいは編組線のみで接続する場
合に比して、振動板に作用する負荷を低減できて高精度
な糸切れ検出が行える上に、圧電体と糸切れ判定部とを
接続する結線が振動板の振動により断線してしまう等の
不具合を解消できる。
【0091】さらにまた、請求項9の発明によれば、糸
切れ判定部が、ミシン針が1往復して糸締めを行う期間
に圧電体から出力される信号に基づいて糸切れの有,無
を判定するように構成したから、ミシン本体からの振動
やノイズ等により誤った糸切れ検出がなされるのを確実
に防止でき、糸切れ検出の信頼性を著しく向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による糸切れ検出装置を備えた
ミシンを示す正面図である。
【図2】図1に示すミシンの右側面図である。
【図3】図2中のミシンヘッド等を拡大して示す外観図
である。
【図4】図3中の糸切れセンサを拡大して示す一部破断
の外観図である。
【図5】図4に示す糸切れセンサの平面図である。
【図6】図4中の矢示VI−VI方向断面図である。
【図7】糸切れセンサの糸切れ検知部等を拡大して示す
一部破断の斜視図である。
【図8】図6中の矢示VIII−VIII方向拡大断面図であ
る。
【図9】糸切れ判定回路の回路構成を示すブロック図で
ある。
【図10】本実施例によるミシン針および天秤の動作
と、上糸に作用する張力との関係を示す特性線図であ
る。
【符号の説明】
1 基台 12 ミシンヘッド(ヘッド部) 15 ミシン針 17 上糸 18 糸巻き(上糸格納部) 20 糸調子 23 糸切れセンサ 24 取付ブラケット 25 ケース 27 蓋体 28 上糸案内部 29 上糸ガイド 30 クッション材 31 支持板(支持部) 32 糸切れ検知部 33 弾性梁 34 糸通し穴 35 振動板 36 スリット 38 圧電体 39 中継端子 40 糸切れ判定回路(糸切れ判定部)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシン本体と、該ミシン本体に設けら
    れ、ミシン針を往復動させるヘッド部と、該ヘッド部の
    ミシン針に上糸を供給すべく、上糸を巻回状態で格納し
    た上糸格納部と、前記ヘッド部に設けられ、該上糸格納
    部からミシン針に供給する上糸に張力を与える糸調子
    と、該糸調子と上糸格納部との間に位置して前記ヘッド
    部に取付けられ、前記上糸格納部から糸調子に導かれる
    上糸が挿通されることにより、該上糸の振動に基づいて
    糸切れを検知する糸切れセンサとからなり、該糸切れセ
    ンサは、前記ヘッド部に取付けられる取付ブラケット
    と、該取付ブラケットにクッション材を介して設けられ
    た支持部と、該支持部に弾性梁を介して連結され、振動
    の有,無で糸切れを検知する糸切れ検知部と、該糸切れ
    検知部に設けられ、前記上糸が挿通されることにより上
    糸の摺動に応じて該糸切れ検知部に振動を発生させる糸
    通し穴とから構成してなるミシンの糸切れ検出装置。
  2. 【請求項2】 前記糸切れ検知部は、前記支持部に前記
    弾性梁を介して一体形成され、前記糸通し穴を有した振
    動板と、該振動板に設けられ、該振動板の振動を電気信
    号として出力する圧電体とから構成してなる請求項1に
    記載のミシンの糸切れ検出装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部、弾性梁および振動板を、単
    一の金属薄板から一体成形し、該金属薄板の中央部には
    前記振動板を形成し、該振動板の左,右両側には前記弾
    性梁を介して一対の前記支持部を設ける構成としてなる
    請求項2に記載のミシンの糸切れ検出装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性梁は、前記振動板の左,右両側
    にそれぞれ設けた細幅の梁として形成し、該各弾性梁は
    前記振動板の前,後両端側から離間し、前記糸通し穴に
    近い位置に配設してなる請求項3に記載のミシンの糸切
    れ検出装置。
  5. 【請求項5】 前記取付ブラケットには、前記支持部お
    よび前記糸切れ検知部を収納する箱形状のケースを一体
    に設け、該ケースの蓋体側には、前記上糸格納部から前
    記糸通し穴内に向けて導かれる上糸に一定の張力を与え
    る上糸ガイドを設けてなる請求項2,3または4に記載
    のミシンの糸切れ検出装置。
  6. 【請求項6】 前記振動板には、前記糸通し穴を外部に
    開口させるスリットを設けると共に、前記ケースには、
    その外部に開口し該スリットに向かって延びる上糸案内
    部を形成し、前記上糸を前記ケースの外部から該上糸案
    内部およびスリットを介して前記糸通し穴に挿通する構
    成としてなる請求項5に記載のミシンの糸切れ検出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ケース内には、前記圧電体に接続さ
    れ該圧電体からの出力に基づいて糸切れを判定する糸切
    れ判定部を収納してなる請求項5または6に記載のミシ
    ンの糸切れ検出装置。
  8. 【請求項8】 前記支持部には前記圧電体に近い位置に
    中継端子を設け、前記圧電体と前記糸切れ判定部とを該
    中継端子を介して接続してなる請求項7に記載のミシン
    の糸切れ検出装置。
  9. 【請求項9】 前記糸切れ判定部は、前記圧電体から出
    力される信号のうち、前記ミシン針が1往復して糸締め
    を行う期間に出力される信号に基づいて糸切れの有,無
    を判定する構成としてなる請求項7または8に記載のミ
    シンの糸切れ検出装置。
JP18397594A 1994-07-13 1994-07-13 ミシンの糸切れ検出装置 Pending JPH0824460A (ja)

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