JPH08239543A - 熱硬化性樹脂組成物、塗料組成物、塗装方法及び塗装物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、塗料組成物、塗装方法及び塗装物

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JPH08239543A
JPH08239543A JP7462295A JP7462295A JPH08239543A JP H08239543 A JPH08239543 A JP H08239543A JP 7462295 A JP7462295 A JP 7462295A JP 7462295 A JP7462295 A JP 7462295A JP H08239543 A JPH08239543 A JP H08239543A
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JP
Japan
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group
coating
unsaturated monomer
ethylenically unsaturated
coating composition
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Pending
Application number
JP7462295A
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English (en)
Inventor
Makoto Shimizu
誠 清水
Takeshi Takagi
雄 高木
Nariyuki Sasaki
成幸 佐々木
Yoshitaka Okude
芳隆 奥出
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高性能クリヤーコート用塗料組成物をその上
に塗布しても優れた仕上がり外観を持つ塗膜を形成する
ことができ、かつ、相溶性が改善され、耐チッピング
性、付着性、耐水性に優れた効果を有するベースコート
用塗料組成物を提供する。 【構成】 ジアルキルアミド基含有エチレン性不飽和モ
ノマー(a)1〜50重量%、長鎖カルボキシル基含有
エチレン性不飽和モノマー(b)1〜65重量%、水酸
基含有エチレン性不飽和モノマー(c)2〜70重量
%、及び、他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー
(d)の適切な量を共重合させることにより得られる組
成物であって、水酸基価10〜300、酸価2〜10
0、数平均分子量500〜50000である樹脂組成物
(e)を前記樹脂組成物(e)に対して固形分換算で1
〜50重量%の熱硬化性アミノ樹脂(f)で変性するこ
とにより得られる熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成物に
関し、更に詳しくは、多官能基性の樹脂を使用した架橋
度の高い塗膜を形成するクリヤーコート用塗料組成物
を、その上に塗布しても、優れた仕上がり外観の塗膜を
形成することができる熱硬化性樹脂組成物、それを利用
した塗料組成物、塗装方法及び塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の塗装その他の、防食とともに良
好な装飾性を持つ塗膜が必要とされる分野においては、
被塗物である基板を数種の塗料で仕上げ塗りするのが通
例である。上記仕上げ塗りは、通常2工程で塗布され
る。まず、着色顔料、メタリック効果を高めるための金
属粉顔料等の素材、フリップフロップ効果を呈するに必
要な素材、その他装飾性を有する素材等を含有するベー
スコートを塗布し、続いてその上に、上記装飾性を有す
るベースコートの機能を更に高めつつ耐水性、耐食性、
耐擦傷性等を高める機能を有するクリヤーコートを塗布
する。
【0003】上記ベースコートは、上記クリヤーコート
と一体となって塗膜を形成するべく、近年はウエット・
オン・ウエットと呼ばれる手法により、ベースコート塗
布時には焼き付けをせず、ベースコート塗布の後、引き
続いてクリヤーコート塗布を行い、その後両者を同時に
焼き付けるいわゆる2コート1ベーク塗装法が主流とな
っている。
【0004】上記クリヤーコートに関しては、機能性等
を高める工夫が種々なされている。例えば、従来は耐擦
傷性等を高める目的でメラミン樹脂等のアミノプラスト
硬化剤を使用していたが、酸性雨に対する抵抗性を高め
る目的でこの硬化系を用いない種々のクリヤーコート用
硬化性樹脂組成物が提案されている。特開平4−363
374号公報には、ハーフエステル化された共重合体、
エポキシ基及び水酸基をともに有する化合物、アクリル
共重合体等、及び、メラミン樹脂を含有させ、かつその
構成比を工夫することにより耐酸性と耐擦傷性とを共に
獲得する技術が開示されている。
【0005】上記クリヤーコートの改良に関しては、更
に研究が進み、硬化系において官能基濃度を高くしても
溶媒量を低く抑える必要性から、高固形分濃度のいわゆ
るハイソリッド型組成物として、シリコーンポリマーを
含有させる技術が創案された。また、より高度な外観性
及び耐擦傷性を獲得するため、更にアルキド樹脂等の顔
料分散樹脂等を一定量配合する技術に想到した。また、
本質的にアミノプラスト硬化剤を用いることなく目的を
達成するものとして、ハーフエステル化された共重合
体、及び、エポキシ基と水酸基との両者をともに有する
ポリマーを基本成分とし、これらに更にエポキシ基とア
ルコキシル基との両者をともに有するシリコーンポリマ
ーを第三の成分として配合する技術が確立された。今日
では、いわゆるノン・サンド・リコート性をも充分に満
足させることができるクリヤーコート用塗料組成物も開
発されている。
【0006】ところで、上記クリヤーコート用塗料組成
物は、ベースコートの上に塗布して最終的な塗装を行う
ものであるから、高外観の仕上げ塗膜を得るためには、
クリヤーコートばかりではなくベースコートについて
も、これに見合う性能の向上のための工夫が必要であっ
た。
【0007】上記高性能クリヤーコート用塗料組成物
は、耐酸性等を向上させるために官能基濃度の高い樹脂
を使用しており、SP値(溶解度パラメーター)が高
く、クリヤーコート用塗料組成物としてはこれまでのも
のよりもベースコートを侵食する力が大きくなってい
た。従って、水酸基含有ポリマー及びアミノプラスト硬
化剤等に光輝剤、着色顔料、その他の添加剤等を加えて
構成される既存のベースコート用塗料組成物からなる塗
膜の上に塗布すると、上記クリヤーコート用塗料組成物
がベースコートを侵食し、目的とする顔料のベース色を
阻害し、本来の光輝性を失い、光沢感を喪失し、又は、
甚だしい場合には、ベースコートの膨潤によりいわゆる
ウジウジ感(見苦しい歪曲感)を呈することとなった。
【0008】そこで、上記高性能クリヤーコート用塗料
組成物に見合うベースコート用塗料組成物を構成するた
めに、その凝集力を高めて、極性の高いクリヤーコート
用塗料組成物との組み合わせにおいても良好な仕上がり
外観が得られるようなベースコート塗料が必須と考えら
れ、例えば、アミド基含有エチレン性不飽和モノマー、
長鎖カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー、水
酸基含有エチレン性不飽和モノマー、及び、他の共重合
可能なエチレン性不飽和モノマーを共重合させて得られ
る硬化性樹脂組成物よりなる塗料組成物等が提案され
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記硬化性樹脂組成物
よりなる塗料組成物は、上記高性能クリヤーコート用塗
料組成物をその上に塗布しても、優れた仕上がり外観を
持つ塗膜を形成することができ、かつ、耐チッピング性
にも良好な効果を発揮することができるものであった。
しかし、上記硬化性樹脂組成物は、その含有するモノマ
ーの特性上、他の樹脂との相溶性に劣るという不利を内
包するものであり、このため、その硬化性に問題があ
り、特に120〜140℃程度の低温焼き付け時におけ
る硬化性が不充分であった。その結果、低温焼き付け条
件の塗装ライン等を使用した場合、塗膜の耐チッピング
性、付着性、耐水性が低下する等の欠点があった。
【0010】本発明は、上述の現況に鑑みてなされたも
のであり、上記高性能クリヤーコート用塗料組成物をそ
の上に塗布しても優れた仕上がり外観を持つ塗膜を形成
することができ、かつ、相溶性が改善され、耐チッピン
グ性、付着性、耐水性に優れた効果を有するベースコー
ト用塗料組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ジアル
キルアミド基含有エチレン性不飽和モノマー(a)1〜
50重量%、長鎖カルボキシル基含有エチレン性不飽和
モノマー(b)1〜65重量%、水酸基含有エチレン性
不飽和モノマー(c)2〜70重量%、及び、他の共重
合可能なエチレン性不飽和モノマー(d)の適切な量を
共重合させることにより得られる組成物であって、水酸
基価10〜300、酸価2〜100、数平均分子量50
0〜50000である樹脂組成物(e)を、前記樹脂組
成物(e)に対して固形分換算で1〜50重量%の熱硬
化性アミノ樹脂(f)で変性することにより得られる熱
硬化性樹脂組成物そのものにある。上記(a)〜(d)
の各モノマーにおける含有比は、上記樹脂組成物(e)
全体に対する固形分換算重量%を意味する。本発明の要
旨は、また、上記熱硬化性樹脂組成物を用いる塗料組成
物、それを使用する塗装方法及び上記塗料組成物を塗装
してなる塗装物にもある。以下に本発明を詳述する。
【0012】本発明においては、ジアルキルアミド基含
有エチレン性不飽和モノマー(a)、長鎖カルボキシル
基含有エチレン性不飽和モノマー(b)、水酸基含有エ
チレン性不飽和モノマー(c)、及び、他の共重合可能
なエチレン性不飽和モノマー(d)を共重合させること
により得られる樹脂組成物(e)を熱硬化性アミノ樹脂
(f)によって変性した熱硬化性樹脂組成物(以下この
ものを「アミノ変性熱硬化性樹脂組成物」ともいう)を
使用する。
【0013】上記樹脂組成物(e)の第一の成分は、ジ
アルキルアミド基含有エチレン性不飽和モノマー(a)
である。上記ジアルキルアミド基含有エチレン性不飽和
モノマー(a)は、エチレン性不飽和モノマーであっ
て、炭素数1〜10のアルキル基を有するジアルキルア
ミド基を含有するものである。このようなジアルキルア
ミド基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例え
ば、N,N′−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,
N′−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジ
オクチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メ
タ)アクリルアミド等を挙げることができる。これらの
うち、好ましくは、N,N′−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N′−ジメチルメタクリルアミド、N,N′−
ジブチルアクリルアミド、N,N′−ジブチルメタクリ
ルアミドであり、更に好ましくはN,N′−ジメチルア
クリルアミド、N,N′−ジメチルメタクリルアミドで
ある。これらのモノマーは、1種又は2種以上を併用し
てもよい。
【0014】上記ジアルキルアミド基含有エチレン性不
飽和モノマー(a)は、上記樹脂組成物(e)全量に対
して固形分換算で1〜50重量%使用する。ジアルキル
アミド基含有エチレン性不飽和モノマー(a)の含有量
が1重量%未満であると仕上がり外観の低下、耐チッピ
ング性の悪化を生じ、50重量%を超えると溶剤洗浄
性、耐水性が低下するので、上記範囲内に限られる。好
ましくは3〜40重量%、より好ましくは5〜25重量
%である。本発明においては、硬化性の観点から、ジア
ルキルアミド基含有エチレン性不飽和モノマー(a)を
必須成分とするが、上記ジアルキルアミド基含有エチレ
ン性不飽和モノマー(a)の代わりに、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽
和モノマーを使用しても、本発明の効果を一定程度達成
することが可能である。
【0015】上記樹脂組成物(e)の第二の成分は、長
鎖カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー(b)
である。上記長鎖カルボキシル基含有エチレン性不飽和
モノマー(b)は、下記一般式(I)で示されるヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート(b2 )を、酸無水
物基含有化合物(b3 )と等モルとなる割合でハーフエ
ステル化反応させることにより得られる。
【0016】
【化1】
【0017】式中、Rは、水素又はメチル基を表す。m
は、2〜8、好ましくは2〜6の整数である。nは、3
〜7、好ましくは3〜5の整数である。qは、0〜4、
好ましくは0〜2の整数である。
【0018】上記一般式(I)で示されるヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート(b2)としては、例え
ば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチ
ルアクリレート等を挙げることができる。更に、これら
のε−カプロラクトンとの反応物等を挙げることができ
る。このような化合物としては、例えば、ダイセル化学
工業社製「プラクセルFA−1」、「プラクセルFM−
1」、「プラクセルFA−2」、「プラクセルFM−
2」、「プラクセルFA−3」、「プラクセルFM−
3」等を挙げることができる。これらのうち、好ましく
はヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、「プラクセ
ルFA−1」、「プラクセルFM−1」であり、より好
ましくはヒドロキシエチルアクリレートである。
【0019】上記酸無水物基含有化合物(b3 )として
は、室温〜150℃、常圧のような通常の反応条件にお
いて水酸基と反応することができるカルボキシ官能性を
有する化合物であれば特に限定されず、例えば、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、無水フタル酸、無水コハク酸、テトラメチル無水
マレイン酸、無水マレイン酸等を挙げることができる。
これらのうち、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸が好ましく、
無水コハク酸がより好ましい。
【0020】上記一般式(I)で示されるヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート(b2)と上記酸無水物基
含有化合物(b3 )とのハーフエステル化反応は通常の
方法に従い、室温〜150℃で行なわれる。この際、未
反応の酸無水物基を残存させないため、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート(b2 )を過剰量用いること
が好ましい。
【0021】上記ハーフエステル化反応において、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート(b2 )をハーフ
エステル化に必要な量よりも過剰量加えて無水物基含有
化合物(b3 )と反応させた場合、長鎖カルボキシル基
含有エチレン性不飽和モノマーと水酸基含有エチレン性
不飽和モノマーとのモノマー混合物が得られるが、上記
水酸基含有エチレン性不飽和モノマーは、後に述べる他
の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(d)として
利用することができる。
【0022】上記ハーフエステル化反応においては、上
記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(b2 )と
上記酸無水物基含有化合物(b3 )との混合比は、(酸
無水物基のモル数)/(水酸基のモル数)=0.5/
1.0〜1/1.0であることが好ましい。上記混合比
が0.5/1.0未満であるとカルボキシル基の量が少
なすぎて硬化性が不充分となり、1/1.0を超えると
ハーフエステル化に時間がかかりモノマーがゲル化する
おそれがある。より好ましくは、0.8/1.0〜1/
1.0である。
【0023】上記長鎖カルボキシル基含有エチレン性不
飽和モノマー(b)は、上記樹脂組成物(e)全量に対
して固形分換算で1〜65重量%使用する。長鎖カルボ
キシル基含有エチレン性不飽和モノマー(b)の含有量
が1重量%未満であると仕上がり外観の悪化、耐チッピ
ング性の低下を生じ、65重量%を超えると硬度、耐水
性が低下するので、上記範囲内に限られる。好ましくは
3〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%であ
る。
【0024】上記樹脂組成物(e)の第三の成分は、水
酸基含有エチレン性不飽和モノマー(c)である。上記
水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(c)としては特
に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げる
ことができ、更に、これらのε−カプロラクトンとの反
応物等を挙げることができる。このような化合物として
は、例えば、ダイセル化学工業社製「プラクセルFA−
1」、「プラクセルFM−1」、「プラクセルFA−
2」、「プラクセルFM−2」、「プラクセルFA−
3」、「プラクセルFM−3」等を挙げることができ
る。これらのうち2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、「プ
ラクセルFA−1」、「プラクセルFM−1」、「プラ
クセルFA−2」、「プラクセルFM−2」が好まし
い。
【0025】上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマー
(c)が用いられないと、得られるコポリマーの官能基
濃度が充分高くならず好ましくない。上記水酸基含有エ
チレン性不飽和モノマー(c)は、上記樹脂組成物
(e)全量に対して固形分換算で2〜70重量%使用す
る。水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(c)の含有
量が2重量%未満であると硬化性、耐水性、耐候性が低
下し、70重量%を超えると耐水性が低下し、可撓性が
不足するので、上記範囲内に限られる。好ましくは3〜
50重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
【0026】上記樹脂組成物(e)の第四の成分は、他
の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(d)であ
る。上記他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー
(d)としては、中性エチレン性不飽和モノマーが使用
されるが、その他に、カルボキシル基含有エチレン性不
飽和モノマー、脂環式炭化水素含有エチレン性不飽和モ
ノマー等を用いることができる。
【0027】上記中性エチレン性不飽和モノマーとして
は特に限定されず、例えば、スチレン;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−n−ブチル、
アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル
等のアクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0028】上記カルボキシル基含有エチレン性不飽和
モノマーとしては特に限定されず、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、長鎖カルボン酸等を挙げることがで
きる。好ましくは長鎖カルボン酸である。
【0029】上記脂環式炭化水素含有エチレン性不飽和
モノマーとしては、例えば、有橋炭化水素含有エチレン
性不飽和モノマー等を挙げることができ、具体的には、
例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メ
タ)アクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニル
(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら
のうち好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジ
ヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートで
あり、より好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレー
トである。
【0030】上記樹脂組成物(e)の水酸基価は、10
〜300である。水酸基価が10未満であると硬化性、
耐水性、耐候性が不足し、300を超えると可撓性が不
足するので、上記範囲内に限られる。好ましくは20〜
200であり、より好ましくは40〜100である。
【0031】上記樹脂組成物(e)の酸価は、2〜10
0である。酸価が2未満であると硬化性が不足し、10
0を超えると耐水性が不足するので、上記範囲内に限ら
れる。好ましくは5〜80であり、より好ましくは10
〜50である。
【0032】上記樹脂組成物(e)の数平均分子量は、
500〜50000である。数平均分子量が500未満
であると仕上がり外観が悪く、硬化性が不足し、500
00を超えても仕上がり外観が悪化するので、上記範囲
内に限られる。好ましくは1000〜30000であ
り、より好ましくは1500〜20000である。上記
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー法(GPC)等により求めることができる。
【0033】上記(a)〜(d)の成分の共重合反応
は、公知の方法を採用して行うことができ、例えば、ラ
ジカル重合等の溶液重合により、常圧又は加圧下で、重
合温度80〜140℃、重合時間3〜8時間で行うこと
ができる。この際使用される重合開始剤としては、例え
ば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド等のパーオキサイド系のも
の;アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリ
ル等の有機アゾ化合物等のアゾ系のもの等を挙げること
ができ、これらのうち、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート等が好適に用いられる。これらは、
全モノマー100重量部に対して1〜20重量部の添加
量が好ましい。上記共重合反応の反応溶媒としては特に
限定されず、例えば、トルエン、n−ブタノール、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることが
できる。
【0034】本発明においては、このようにして得るこ
とができる上記樹脂組成物(e)を、熱硬化性アミノ樹
脂(f)によって変性することによりアミノ変性熱硬化
性樹脂組成物を得る。上記熱硬化性アミノ樹脂(f)と
してはアミノ基を有する熱硬化性樹脂であれば特に限定
されず、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとの付加
反応生成物を重合させたメラミン樹脂、それをアルコー
ル変性したもの、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒド
との付加反応生成物を重合させたグアナミン樹脂、それ
をアルコール変性したもの、尿素とホルムアルデヒドと
の付加反応生成物を重合させた尿素樹脂、それをアルコ
ール変性したもの等を挙げることができる。これらのう
ち、メラミン樹脂又はそのアルコール変性物としては、
例えば、下記一般式(II)で表されるメラミン又はそ
の誘導体を含有するもの等を挙げることができる。
【0035】
【化2】
【0036】式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R
6 は、同一若しくは異なって、水素、−CH2 OH基又
は−CH2 OR基を表す。Rは、低級アルキル基であ
り、例えば、メチル基、n−ブチル基、イソブチル基等
を挙げることができる。
【0037】上記一般式(II)で表されるメラミン又
はその誘導体は、その含有するR1及びR2 を有するア
ミノ基又は置換されたアミノ基、R3 及びR4 を有する
アミノ基又は置換されたアミノ基、R5 及びR6 を有す
るアミノ基又は置換されたアミノ基のそれぞれが、同一
に又は異なって、下記の置換されたアミノ基(A)、
(B)、(C)及び(D)から選択された少なくとも1
種であるものが好ましい。
【0038】
【化3】
【0039】式中、Rは、上記と同じ。
【0040】より好ましくは、上記置換されたアミノ基
(A)、(B)及び(C)よりなる群から選択された少
なくとも1種であるものである。このようなものとして
は、例えば、ユーバン20N60(三井東圧化学社
製)、サイメル327(三井サイテック社製)、サイメ
ル254(三井サイテック社製)、サイメル1128
(三井サイテック社製)等を挙げることができる。
【0041】上記熱硬化性アミノ樹脂(f)の分子量
は、140〜6000であることが好ましい。分子量が
140未満であると相溶性向上の効果が得られず硬化性
不足となり、6000を超えると変性時にゲル化を起こ
したり、貯蔵安定性が低下したりする。より好ましくは
140〜4000であり、更に好ましくは500〜30
00である。
【0042】本発明のアミノ変性熱硬化性樹脂組成物
中、上記熱硬化性アミノ樹脂(f)の含有量は、本発明
のアミノ変性熱硬化性樹脂組成物に対して固形分換算で
1〜50重量%である。1重量%未満であると相溶性の
改善が充分でなく、硬化性が不足するので、耐水性、付
着性、耐チッピング性が低下し、50重量%を超えると
変性時にゲル化を引き起こしたり、貯蔵安定性が低下し
たりするので、上記範囲に限定される。好ましくは3〜
30重量%であり、より好ましくは5〜20重量%であ
る。
【0043】上記樹脂組成物(e)を上記熱硬化性アミ
ノ樹脂(f)によって変性し、本発明のアミノ変性熱硬
化性樹脂組成物を得るには、樹脂製造分野において一般
的に使用される手法を採用することができ、例えば、上
記成分(a)〜(d)を反応容器に仕込み、重合させた
後、更に、上記熱硬化性アミノ樹脂(f)を反応容器に
添加して反応させる方法等を使用することができる。
【0044】塗料組成物において、メラミン樹脂等で変
性した樹脂を使用する技術は、顔料分散性の向上等を目
的として開発されたものが知られており、例えば、特開
昭58−21468号公報には顔料分散性の向上等を目
的として、ポリエステル系樹脂をメラミン樹脂等で変性
する技術が開示されており、また、同様の目的で、特開
昭58−154762号公報にはアクリル樹脂をメラミ
ン樹脂等によって変性する技術的手法が開示されてい
る。しかし、これらの技術は、塗膜自体の性能の向上を
図るものではなく、樹脂ビヒクルと顔料との均一な混合
を達成することを技術的課題とするものであるのに対
し、本発明においては、塗料組成物を構成するバインダ
ー樹脂自体の相溶性を改善し、特に硬化性、耐チッピン
グ性、付着性、耐水性等の塗膜自体の性能の向上を図る
ものであり、その目的とするところは全く別異のもので
ある。このような技術的課題を解決するために、メラミ
ン樹脂等で変性した樹脂を使用する技術的手法は、いま
だ知られるところではない。
【0045】本発明においては、上記アミノ変性熱硬化
性樹脂組成物を、バインダー成分として用いることによ
り本発明の塗料組成物を得る。上記塗料組成物には、上
記アミノ変性熱硬化性樹脂組成物のほか、顔料分散用樹
脂としてアミド基を含有しない樹脂を用いることができ
る。本明細書において、「アミド基を含有しない樹脂」
とは、アミド基を含有しないアクリル樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂又はポリエステル樹脂をいう。本発明
においては、上記アミド基を含有しない樹脂としては、
水酸基価20〜100、酸価5〜50であって、分子量
が5000〜30000であるものを好適に用いること
ができる。
【0046】上記塗料組成物において、本発明のアミノ
変性熱硬化性樹脂組成物と上記アミド基を含有しない樹
脂の配合は、(アミノ変性熱硬化性樹脂組成物の重量)
/(アミド基を含有しない樹脂の重量)=10/0〜2
/8となる割合が好ましく、10/0〜1/2となる割
合がより好ましい。
【0047】上記塗料組成物は、硬化剤としてメラミン
樹脂を含有してもよい。上記メラミン樹脂としては、溶
剤型のものが好ましく、例えば、三井東圧化学社製ユー
バン128、ユーバン20N60、ユーバン225等を
挙げることができ、これらの1種又は2種以上を併用す
ることができる。また、その添加量は、本発明のアミノ
変性熱硬化性樹脂組成物と上記アミド基を含有しない樹
脂を合計した樹脂の重量に対して、(アミノ変性熱硬化
性樹脂組成物及びアミド基を含有しない樹脂の合計重
量)/(メラミン樹脂の重量)=9/1〜4/6となる
割合が好ましく、7/3〜5/5となる割合がより好ま
しい。
【0048】上記塗料組成物は、上記成分の他に顔料を
含有する。上記顔料は着色付与顔料成分、光沢付与顔料
成分を、ソリッドカラー膜、メタリック膜等の使用目的
に応じて組み合わせて使用することができる。上記顔料
としては、公知の着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等を
挙げることができる。上記着色顔料としては、例えば、
二酸化チタン、鉛白、黒鉛、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化
クロム、クロム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウム、クロ
ム酸バリウム、黄色ニッケルチタン、黄色クロムチタ
ン、グラファイト、カーボンブラック、酸化鉄、黄色酸
化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン、ウルトラマリンブルー、
キナクリドン類、インダンスロン、イソインドリノン、
ペリレン、アンスラピリジン、ベンズイミダゾリン、硫
化カドミウム、ジケトピロロピロール等を挙げることが
できる。上記体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウ
ム系、炭酸マグネシウム系、硫酸バリウム系、ケイ酸
系、ケイ酸塩系、アルミニウム水和物系、硫酸カルシウ
ム系等の無機物等を挙げることができる。上記光輝性顔
料としては、例えば、マイカ顔料;アルミニウム箔;ブ
ロンズ箔;錫箔;金箔;銀箔;銅箔;金属チタン箔;ス
テンレススチール箔;ニッケル箔;クロム、硫化コバル
ト、硫化マンガン、硫化チタニウム及びこれら金属の合
金箔;プラスチックで被覆された金属箔;箔状フタロシ
アニンブルー等から選ばれた金属箔状顔料等を挙げるこ
とができる。
【0049】上記塗料組成物中の顔料含有量は、通常、
塗料組成物中の固形分に対する重量百分率として表さ
れ、1〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより
好ましい。上記顔料は、上記アミノ変性熱硬化性樹脂組
成物、上記分散樹脂とともに顔料ペーストを形成して塗
料組成物中に含有される。顔料ペーストの形成方法は、
例えば、ボールミル、サンドミル等を用いる公知の方法
等により行うことができる。
【0050】本発明の塗料組成物を製造する際には、溶
剤として、塗料において通常使用されている任意の有機
溶剤又はこれらの混合溶液を使用できる。このような溶
剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、イソプロパノール、エトキシエタ
ノール、エトキシプロパノール、メトキシプロパノール
等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチ
ル等のエステル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン
類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジブチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエ
ーテル類;N−メチルピロリドン等のアミド類等が好適
に用いられる。
【0051】上記塗料組成物には、塗膜の耐候性を高め
るために、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール系等の
紫外線吸収剤、ヒンダードアミド系光安定剤、フェノー
ル系等の酸化防止剤等が添加されてもよい。また、その
他の添加剤として、レオロジーコントロール剤(垂れ性
等のコントロール剤)として架橋樹脂粒子、塗膜外観の
調整のための表面調整剤等が配合されてもよい。上記塗
料組成物の粘度調整等のため、希釈剤として、例えば、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール系;ハイドロカーボン系;エステル系等の
溶剤を使用してもよい。
【0052】本発明においては、上記塗料組成物は、ス
プレー塗装、刷毛塗り塗装、浸漬塗装、ロール塗装、流
し塗装等により塗装することができる。上記塗料組成物
を被塗物上に塗布する場合の塗装方法は、通常の方法で
もよいが、被塗物上に下塗り及び必要に応じて中塗り塗
膜を形成した後、上記塗料組成物をベースコートとして
塗布し、更にその上に、いわゆるウエット・オン・ウエ
ット塗装法でクリヤーコートを塗装する方法を採用して
もよい。
【0053】本発明の上記塗料組成物と組み合わせて使
用するクリヤーコート用塗料組成物としては、メラミン
樹脂等のアミノプラスト硬化剤を用いたものであっても
よいが、アミノプラスト硬化剤を用いないものであって
もよい。このような、アミノプラスト硬化剤を用いない
クリヤーコート用塗料組成物としては、例えば、カルボ
キシル基含有樹脂(g)、及び、エポキシ基含有樹脂
(h)の双方を含有するクリヤーコート用塗料組成物が
好適に用いられる。
【0054】上記カルボキシル基含有樹脂(g)とは、
分子内にカルボキシル基を含有するアクリルポリマー
(g2 )あるいはポリエステルポリマー(g3 )であ
る。上記分子内にカルボキシル基を含有するアクリルポ
リマー(g2 )としては特に限定されず、例えば、エチ
レン性不飽和モノマーを公知の方法により重合して得ら
れるもの等を挙げることができる。上記エチレン性不飽
和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有エチレン
性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸
n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン等のスチレン誘導体等を挙げることが
できる。更に、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル等の
ヒドロキシル基を含有するエチレン性不飽和モノマーで
あってもよい。
【0055】上記分子内にカルボキシル基を含有するア
クリルポリマー(g2 )は、酸基を有するエチレン性不
飽和モノマー3.5〜45重量%、好ましくは7〜40
重量%、より好ましくは10〜30重量%と、他の共重
合可能なモノマー97.5〜55重量%、好ましくは9
3〜60重量%、より好ましくは90〜70重量%とを
共重合することにより得られるもの(g23)等を好適に
使用することができる。上記分子内にカルボキシル基を
含有するアクリルポリマー(g2 )は、数平均分子量5
00〜20000、好ましくは1000〜12000、
より好ましくは1500〜8000であり、酸価30〜
250、好ましくは60〜200、より好ましくは90
〜160のものである。
【0056】上記アクリルポリマー(g2 )の更に好ま
しいものとしては、酸無水物基含有ポリマー(g2 a)
とモノアルコール(g2 b)とを反応させることにより
得られる、カルボキシル基とカルボン酸エステル基とを
含有するポリマー(g24)を挙げることができる。
【0057】上記酸無水物基含有ポリマー(g2 a)
は、酸無水物基含有エチレン性不飽和モノマーと他の共
重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを共重合させる
ことにより得られる。上記酸無水物基含有エチレン性不
飽和モノマーとしては、例えば、無水イタコン酸、無水
マレイン酸、無水シトラコン酸等を挙げることができ
る。上記他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーと
しては、酸無水基に悪影響を与えないものであれば特に
限定されず、例えば、スチレン;α−メチルスチレン;
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の
(メタ)アクリル酸エステル;シェル社製Veova−
9、シェル社製Veova−10;アクリル酸;メタク
リル酸等を挙げることができる。
【0058】上記酸無水物基含有エチレン性不飽和モノ
マーは、全モノマーに対して15〜40重量%用いる。
使用量が15重量%未満であると硬化性が不足し、40
重量%を超えると固くなりすぎて耐候性が不足する。好
ましくは15〜30重量%である。
【0059】上記酸無水物基含有ポリマー(g2 a)の
数平均分子量は、500〜20000が好ましい。数平
均分子量が20000を超えるとポリマーの粘度が高く
なり高固形分の塗料組成物を調製することが困難とな
り、500未満であると塗料組成物の硬化性が不充分と
なる。より好ましくは1000〜10000である。上
記酸無水物基含有ポリマー(g2 a)は、1分子中に平
均2個〜15個の酸無水基を有することが好ましい。1
分子中の酸無水基が平均2個未満であると得られる塗料
組成物の硬化性が不充分となり、15個を超えると固く
なりすぎて耐候性が不充分となる。
【0060】上記モノアルコール(g2 b)としては、
炭素数1〜12のもの、より好ましくは炭素数1〜8の
ものが、加熱時に揮発するのでアルコールを揮発させて
酸無水物基を再生するうえで好適であり、例えば、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、t−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノ
ール、t−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエ
タノール、アセトール、アリルアルコール、プロパギル
アルコール等を挙げることができる。より好ましくはア
セトール、アリルアルコール、プロパギルアルコール、
メタノールである。
【0061】上記カルボキシル基とカルボン酸エステル
基を有するポリマー(g24)は、上記酸無水物基含有ポ
リマー(g2 a)と上記モノアルコール(g2 b)と
を、(酸無水基のモル数)/(水酸基のモル数)=1/
1.5〜1/1.0となる割合で反応させることにより
得られる。上記モル比が1/1.5未満であるとアルコ
ールが過剰となり硬化時にワキが生じ、1/1.0を超
えると未反応の酸無水基が残存し貯蔵安定性が悪くな
る。好ましくは1/1.5〜1/1.3である。
【0062】上記カルボキシル基とカルボン酸エステル
基を有するポリマー(g24)は、固形分換算で酸価30
〜250mgKOH/gのものが好ましい。酸価が30
mgKOH/g未満であると硬化性が不充分となり、2
50mgKOH/gを超えると固くなりすぎて耐候性が
不良となる。より好ましくは80〜200mgKOH/
gのものである。
【0063】上記カルボキシル基含有ポリマー(g)に
おいて、カルボキシル基含有ポリエステルポリマー(g
3 )としては、例えば、多価アルコールと多塩基酸又は
多塩基酸無水物との縮合反応により調製される末端カル
ボキシル基を有するもの等を挙げることができる。上記
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノール
A、フェノールジヒドロキシプロピルエーテル、グリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等
を挙げることができる。
【0064】上記多塩基酸又は多塩基酸無水物として
は、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テ
トラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン
酸、フマル酸等の二塩基酸;無水コハク酸、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、無水ハイミック酸、無水トリメリット酸、メチル
シクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリッ
ト酸等の酸無水物等を挙げることができる。更に、例え
ば、ヒマシ油、ヤシ油、アマニ油、パーム核油、サフラ
ワー油、大豆油、キリ油、トール油等の油脂類;脂肪
酸;脱水ヒマシ油等の単官能カルボン酸をも使用するこ
とができる。
【0065】上記ポリエステルポリマー(g3 )は、通
常のエステル化反応により得ることができ、数平均分子
量は500〜20000、好ましくは600〜1000
0、より好ましくは700〜6000であり、酸価は3
0〜250mgKOH/g、好ましくは60〜200m
gKOH/g、より好ましくは90〜160mgKOH
/gのものである。
【0066】上記エポキシ基含有樹脂(h)は、1分子
中にエポキシ基を2〜10個、好ましくは3〜8個有
し、エポキシ当量280〜900のものが好ましい。エ
ポキシ当量が280未満であると固くなりすぎて得られ
る塗膜がもろくなり、900を超えると塗料組成物の硬
化性が不充分となる。より好ましくは300〜800で
ある。
【0067】上記エポキシ基含有樹脂(h)としては、
エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマー10〜6
0重量%と他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー
90〜40重量%とを共重合して得られるアクリルポリ
マー(h2 )等を挙げることができる。
【0068】上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和
モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、3,4−エポキシシクロヘキサニルメチル(メ
タ)アクリレート等のグリシジル基を有するもの等を挙
げることができる。
【0069】上記他の共重合可能なエチレン性不飽和モ
ノマーとしては、例えば、スチレン;α−メチルスチレ
ン;アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル
等の(メタ)アクリル酸エステル;シェル社製Veov
a−9、シェル社製Veova−10;アクリル酸;メ
タクリル酸等を挙げることができる。
【0070】上記エポキシ基含有樹脂(h)の更に好ま
しいものとしては、水酸基当量280〜1200であっ
て、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマー10
〜60重量%、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマ
ー5〜40重量%及び他のエチレン性不飽和モノマーの
適量を共重合して得られる分子量500〜20000、
好ましくは1000〜12000のアクリルポリマー
(h3 )を挙げることができる。
【0071】上記アクリルポリマー(h3 )は、1分子
中に水酸基を2〜12個、好ましくは4〜10個含有す
る。上記アクリルポリマー(h3 )の水酸基当量は28
0〜1200が好ましい。水酸基当量が280未満であ
ると得られる塗膜の耐水性が不充分となり、1200を
超えると硬化性が不充分となる。
【0072】上記アクリルポリマー(h3 )に含有され
る上記エポキシ基を有するエチレン性不飽和モノマーと
しては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、3,
4−エポキシシクロヘキサニルメチル(メタ)アクリレ
ート等を挙げることができる。上記エポキシ基を有する
エチレン性不飽和モノマーの含有量は、10〜60重量
%が好ましい。10重量%未満であると硬化性が不足
し、60重量%を超えると得られる塗膜の耐候性が不充
分となる。より好ましくは15〜50重量%である。
【0073】上記アクリルポリマー(h3 )に含有され
る上記水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーとして
は、下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキル等を挙げることができる。上記(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキルの含有量は、5〜4
0重量%が好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
ルキルの含有量が5重量%未満であると硬化性が不足
し、40重量%を超えると他のモノマーとの相溶性が不
足して反応が充分進行しない。より好ましくは15〜3
0重量%である。
【0074】
【化4】
【0075】式中、Rは、水素又はメチル基を表す。m
は、2〜8、好ましくは2〜6の整数である。nは、3
〜7、好ましくは3〜5の整数である。qは、0〜4、
好ましくは0〜2の整数である。
【0076】上記アクリルポリマー(h3 )に含有され
る上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、例え
ば、スチレン;α−メチルスチレン;アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル;シェル社製Veova−9、シェル社製
Veova−10;アクリル酸、メタクリル酸等を挙げ
ることができる。本発明により得られた塗料組成物は、
上に詳細に説明したようなカルボキシル基含有樹脂
(g)及びエポキシ基含有樹脂(h)の双方を含有する
クリヤーコート用塗料組成物と組み合わせてベースコー
トとした場合に、より優れた効果を発揮するものであ
る。
【0077】本発明により得られた塗料組成物は、
(A)被塗物上に下塗り及び必要に応じて中塗り塗膜を
形成する工程、(B)形成された上記塗膜の上に塗料組
成物を塗布する工程、(C)塗布された上記塗料組成物
を硬化させずに、又は、塗布された上記塗料組成物を硬
化させた後、この上にクリヤーコート用塗料組成物を塗
布する工程、(D)塗布された上記塗料組成物及び塗布
された上記クリヤーコート用塗料組成物の両者、又は、
塗布された上記クリヤーコート用塗料組成物のみを硬化
させる工程、によって塗装することができる。本発明の
塗装方法は、本質的に任意の被塗物に適用でき、例え
ば、木、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体等の
表面に、又は、種々のプライマー面に適用できが、特に
プラスチック及び金属表面に好適に使用できる。膜厚は
用途により所望の値とすることができるが、多くの場合
10〜50μmが好ましい。
【0078】本発明の塗装方法は、塗装後ベース塗料の
塗膜のみ硬化させてもよいが、ベース塗料を硬化させる
ことなく、その表面に更に、クリヤーコート用塗料組成
物を塗装した後に両方の塗膜を硬化させる、いわゆる2
コート1ベーク塗装方法が好適に用いられる。塗膜の硬
化は、高い架橋密度の硬化塗膜を得るには、100〜1
80℃、好ましくは120〜160℃で行う。硬化時間
は、硬化温度により変化するが、120〜160℃の範
囲の場合、10〜30分間が好ましい。
【0079】本発明のアミノ変性熱硬化性樹脂組成物を
バインダー成分として含有する塗料組成物は、各種被塗
物に塗装して使用することができる。上記被塗物として
は、熱硬化性樹脂組成物を加熱硬化することができるも
のであれば特に限定されず、例えば、自動車車体;ホイ
ール、バンパー等の自動車部品;エアコン室外機等の家
電製品;外壁材等の建材等を挙げることができる。
【0080】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、以下、配合量は重量部(以下、単に
「部」という)である。
【0081】製造例1 長鎖カルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和モノマー 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた2Lの反
応容器に、アーコソルブPMA、並びに、表1に示す水
酸基含有エチレン性不飽和モノマー及び酸無水物基含有
化合物を表1に示す配合量で仕込み、約30分間で15
0℃付近まで昇温し、20分間保持した。その後、冷却
し、反応容器から取り出すことによりカルボキシル基含
有エチレン性不飽和モノマー(A−i〜A−vi)を得
た。なお、表1中HEAはヒドロキシエチルアクリレー
トを、HEMAはヒドロキシエチルメタクリレートを、
FA−1及びFM−1はダイセル化学工業社製「プラク
セルFA−1」及び「プラクセルFM−1」を、SAn
は無水コハク酸を、HHPAはヘキサヒドロ無水フタル
酸を、4MHHPAは4−メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸をそれぞれ表す。
【0082】製造例2 熱硬化性アミノ樹脂変性N,
N′−ジメチルアクリルアミド含有樹脂 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備
えた200mlの反応容器に、トルエン、n−ブタノー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルを表2に
示す配合量で仕込み、110℃に昇温し、製造例1で得
た長鎖カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマー
(A−i〜A−vi)及び表2に示すその他のモノマー
を表2に示す配合量で含有し、かつ、開始剤としてt−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.50
部含有する溶液を、3時間で滴下し、30分間110℃
に保持した後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート0.5部、トルエン12.69部を30分間
で滴下した。更に90分間攪拌を継続した後、表2に示
す配合量の熱硬化性アミノ樹脂を仕込み、60分間、1
10℃で変性し、70℃まで冷却して、長鎖カルボン酸
を含有するN,N′−ジメチルアクリルアミド含有樹脂
であって、熱硬化性アミノ樹脂で変性した熱硬化性樹脂
(A−1〜A−6)を得た。また、熱硬化性アミノ樹脂
で変性する前の樹脂組成物の不揮発分量(%)、数平均
分子量、酸価及び水酸基価を表2に示した。
【0083】また、同様にして、表3に示す配合によっ
て、N,N′−ジメチルアクリルアミド基を含有しない
アクリル樹脂であって、熱硬化性アミノ樹脂で変性しな
いもの(B−1〜B−6)、及び、表4に示す配合によ
って、長鎖カルボン酸を含有するN,N′−ジメチルア
クリルアミド含有樹脂であって、熱硬化性アミノ樹脂で
変性しないもの(C−1)を得た。得られた樹脂組成物
の不揮発分量(%)、数平均分子量、酸価及び水酸基価
も合わせて表3及び表4に示した。
【0084】製造例3 クリヤー塗料 クリヤー塗料(I) ダイヤナールHR−554(三菱レーヨン社製熱硬化型
アクリル樹脂ワニス、固形分60%)58.3部、AC
R−461(日本ペイント社製熱硬化型アクリル樹脂ワ
ニス、固形分55%)63.6部、ユーバン20N−6
0(三井東圧化学社製、メラミン樹脂)50.0部、チ
ヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤)2.0
部、サノールLS−292(三共有機合成社製酸化防止
剤)1.0部、n−ブタノール1.3部、ソルベッソ1
00(エッソ社製、溶剤)5.0部を配合して調製し
た。
【0085】クリヤー塗料(II) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管を備えた1リット
ルの反応容器に、トリメチロールプロパン400部、キ
シレン130部、ヘキサヒドロ無水フタル酸123部を
仕込み、130℃で60分攪拌することによりカルボキ
シル基を有するポリマー(イ)を得た。一方、温度計、
攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備えた2リ
ットルの反応容器に、酢酸ブチル500部を仕込み、1
25℃に昇温した。滴下ロートにスチレン50部、メタ
クリル酸グリシジル400部、メタクリル酸ブチル35
0部、アクリル酸2−エチルヘキシル200部及びt−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート70部から
なるモノマー及び開始剤溶液を3時間で滴下した。滴下
終了後30分間125℃で保持した後、t−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート10部及びキシレン2
50部からなる溶液を30分間で滴下した。滴下終了
後、更に2時間、125℃にて反応を継続し、不揮発分
59重量%、数平均分子量4000、エポキシ当量35
5のエポキシ基を有するポリマー(ロ)を得た。上記ポ
リマー(イ)200部、上記ポリマー(ロ)140部、
テトラブチルアンモニウムブロミド0.3部、テトラブ
チルアンモニウムサリチレート0.6部、マグネシウム
ドデシルベンゼンスルホネート1.0部、チヌビン90
0(チバガイギー社製紫外線吸収剤)2.0部、チヌビ
ン123(チバガイギー社製紫外線吸収剤)1.0部を
配合して調製した。
【0086】クリヤー塗料(III) 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、滴下ロートを備
えた1リットルの反応容器に、キシレン80部を仕込
み、115℃に昇温し、スチレン25部、アクリル酸n
−ブチル21部、メタクリル酸n−ブチル95部、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル34部、無水マレイン酸5
0部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート100部及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート10部からなるモノマー及び開始剤溶液を3
時間で滴下し、更に2時間攪拌を継続し、不揮発分53
重量%、数平均分子量5500の酸無水物基を有するポ
リマー(ハ)を得た。得られたポリマー(ハ)の415
部にメタノール24.5部を加え、65℃で24時間反
応させることによりカルボキシル基とカルボン酸エステ
ル基とを有するポリマー(ニ)を得た。
【0087】一方、温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入
管、滴下ロートを備えた2リットルの反応容器に、キシ
レン450部、n−ブタノール50部を仕込み、125
℃に昇温した。滴下ロートにスチレン220部、メタク
リル酸グリシジル320部、メタクリル酸4−ヒドロキ
シブチル220部、アクリル酸2−エチルヘキシル24
0部及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト50部からなるモノマー及び開始剤溶液を3時間で滴
下した。滴下終了後30分間125℃で保持した後、t
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート10部及
びキシレン250部からなる溶液を30分間で滴下し
た。滴下終了後、更に2時間、125℃にて反応を継続
し、数平均分子量7000、エポキシ当量444、ヒド
ロキシ当量650の水酸基とエポキシ基を有するポリマ
ー(ホ)を得た。上記ポリマー(ニ)200部、上記ポ
リマー(ホ)180部、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド0.3部、テトラブチルアンモニウムサリチレート
0.6部、マグネシウムドデシルベンゼンスルホネート
1.0部、チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸
収剤)2.0部、チヌビン123(チバガイギー社製紫
外線吸収剤)1.0部を配合して調製した。
【0088】実施例1〜7、比較例1 表5に示す配合で、酢酸エチル、ユーバン128(三井
東圧化学社製、メラミン樹脂)、ユーバン20N60
(三井東圧化学社製、メラミン樹脂)、ユーバン225
(三井東圧化学社製、メラミン樹脂)、アルペースト7
160N(東洋アルミ社製)、製造例2で得たポリマー
A−1〜A−6、ポリマーB−1〜B−6、ポリマーC
−1、紫外線吸収剤としてチヌビン900(チバガイギ
ー社製)及びサノールLS−292(チバガイギー社
製)、n−ブタノールを、上記の順にディスパーで攪拌
しながら配合し、シルバーベース塗料を調製した。実施
例6については、シアニンブルーG314(山陽色素社
製、着色顔料)5部をポリマー(B−5)58部にて、
卓上SGミルを使用し顔料分散を実施した後、他の成分
を配合した。また、実施例7については、シアニンブル
ーG314(山陽色素社製、着色顔料)10部をポリマ
ー(B−6)58部にて、卓上SGミルを使用し顔料分
散を実施した後、他の成分を配合した。
【0089】りん酸亜鉛処理した厚さ0.8mmのダル
鋼板に、カチオン電着塗装(日本ペイント社製パワート
ップU−50)を乾燥膜厚が約25μmとなるように電
着塗装し、160℃、30分間焼き付けた。得られた電
着塗装塗膜上に、中塗り塗料(日本ペイント社製オルガ
P−2)を乾燥膜厚が約40μmとなるようにスプレー
塗装し、140℃、30分間焼き付けて、中塗り塗装塗
板を得た。冷却後、得られた中塗り塗装塗板に、表5に
掲げる各実施例及び比較例のベース塗料を、乾燥膜厚が
約16μmになるようにスプレー塗装し、約7分間セッ
ティングした。
【0090】次に、製造例3で得たクリヤー塗料
(I)、クリヤー塗料(II)又はクリヤー塗料(II
I)を、フォードカップNo.4で20秒に粘度調整
し、静電塗装機Auto REA(ランズバーグゲマ社
製)により、霧化圧5kg/cm2 で乾燥膜厚が約40
μmとなるように塗装し、約7分間セッティング後、1
40℃で25分間焼き付けた。なお、各実施例及び比較
例については、それぞれ表5に示す2種類のクリヤー塗
料を使用した。
【0091】塗膜性能評価 得られた上塗り塗板について、下記の性能評価を行っ
た。 1.耐チッピング性 グラベロ試験機(飛び石試験機;スガ試験機社製)のホ
ルダー部に、得られた上塗り塗板を−20℃に冷却した
ものを、石の進入角が45度になるように取り付け、下
記の条件で砕石を塗膜に衝突させた。 石の大きさ:7号砕石(JIS A 5001による) 石の量 :50g 石を飛ばすエアー圧:4.0kg/cm2 石の飛び出し口から塗膜までの距離:35cm 試験温度:−20℃ 石の進入角:45度 衝突させた時の剥がれ傷の程度を目視観察した。評価は
以下の基準で行い、結果を表5に示した。 ○:剥がれがまったく無し。 △:わずかに小さな浅い剥がれが認められる。 ×:剥がれが著しく目立つ。
【0092】2.耐水性 得られた上塗り塗板の試験片を、40℃の温水中に浸漬
し、10日間放置後、試験片の塗膜状態を目視観察し
た。評価は以下の基準で行い、結果を表5に示した。 ○:変化が観察されない。 △:わずかに痕跡がみられる。 ×:塗膜に異常がみられる。
【0093】3.リコート付着性 リコート付着性の試験に供した上塗り塗板の作製は、下
記によった。上述の方法で作製された中塗り塗料塗装塗
板に、ベース塗料(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が
約16μmになるようにスプレー塗装し、約7分間セッ
ティングした。次に、製造例3で得たクリアー塗料
(I)、クリアー塗料(II)、クリアー塗料(II
I)をフォードカップNo.4で20秒に粘度調整し、
静電塗装機Auto REA(ランズバーグゲマ社製)
により霧化圧5kg/cm2 で乾燥膜厚が約40μmと
なるように塗装し、約7分間セッティング後、160℃
で25分間焼き付けた。焼き付け後、デシケーター中で
30分間放置した後、この上に、更に、表5に掲げる各
実施例及び比較例のベース塗料を、乾燥膜厚が約16μ
mとなるようにスプレー塗装し、約7分間セッティング
した。次に、製造例3で得た、クリアー塗料(I)、ク
リアー塗料(II)、クリアー塗料(III)をフォー
ドカップNo.4で20秒に粘度調整し、静電塗装機A
uto REA(ランズバーグゲマ社製)により霧化圧
5kg/cm2 で乾燥膜厚が約40μmとなるように塗
装し、約7分間セッティング後、140℃で25分間焼
き付けて試験片とした。
【0094】このようにして得た試験片の塗面にカッタ
ー(NTカッター(商品名)S型、A型又はその相当
品)の切り刃を塗面に対して約30度に保持して素地に
達する2mmのごばん目を形成し、その上に粘着テープ
(ニチバン社製セロテープ)を気泡が残らないように指
先で均一に圧着させた。直ちに粘着テープの一端を持
ち、塗面に対して垂直に急激に引っ張って試験片から粘
着テープを剥がした。このときの剥離面積を測定して評
価した。評価基準は下記のものとした。結果を表5に示
した。 ○:剥離面積率が0% △:剥離面積率が35%未満 ×:剥離面積率が35%以上
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】実施例から、本発明の塗料組成物を使用し
た塗膜は、140℃の低温で焼き付けた場合にも、硬化
性が低下することはなく、相溶性に優れていることが判
明した。
【0101】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、他の樹脂との相
溶性に優れているので、硬化性が低下することがない。
本発明により、多官能性の樹脂を使用した架橋度の高い
塗膜を形成するクリヤー塗料をその上に塗布しても、耐
チッピング性、耐水性、付着性に優れ、高品質の外観を
呈するメタリック塗膜の形成が可能な2コート1ベーク
用ベースコート塗料組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 161/32 PHK C09D 161/32 PHK (72)発明者 奥出 芳隆 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアルキルアミド基含有エチレン性不飽
    和モノマー(a)1〜50重量%、長鎖カルボキシル基
    含有エチレン性不飽和モノマー(b)1〜65重量%、
    水酸基含有エチレン性不飽和モノマー(c)2〜70重
    量%、及び、他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマ
    ー(d)の適切な量を共重合させることにより得られる
    組成物であって、水酸基価10〜300、酸価2〜10
    0、数平均分子量500〜50000である樹脂組成物
    (e)を、前記樹脂組成物(e)に対して固形分換算で
    1〜50重量%の熱硬化性アミノ樹脂(f)で変性する
    ことにより得られることを特徴とする熱硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 熱硬化性アミノ樹脂(f)が、メラミン
    とホルムアルデヒドとの付加反応生成物を重合したも
    の、それをアルコール変性したもの、ベンゾグアナミン
    とホルムアルデヒドとの付加反応生成物を重合したも
    の、それをアルコール変性したもの、尿素とホルムアル
    デヒドとの付加反応生成物を重合したもの、及び、それ
    をアルコール変性したものからなる群より選択された少
    なくとも1種である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 ジアルキルアミド基含有エチレン性不飽
    和モノマー(a)が、N,N′−ジメチルアクリルアミ
    ド基、N,N′−ジメチルメタクリルアミド基、N,
    N′−ジブチルアクリルアミド基、及び、N,N′−ジ
    ブチルメタクリルアミド基からなる群より選択された少
    なくとも1種を含有するエチレン性不飽和モノマーであ
    る請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 長鎖カルボキシル基含有エチレン性不飽
    和モノマー(b)が、ヒドロキシルアルキル(メタ)ア
    クリレートと酸無水物とを、(酸無水物基のモル数)/
    (水酸基のモル数)=0.5/1.0〜1.0/1.0
    となる割合で反応させることにより得られるものである
    請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の熱硬化性
    樹脂組成物をバインダー成分として含有することを特徴
    とする塗料組成物。
  6. 【請求項6】 (A)被塗物上に下塗り及び必要に応じ
    て中塗り塗膜を形成する工程、(B)形成された前記塗
    膜の上に請求項5記載の塗料組成物を塗布する工程、
    (C)塗布された前記塗料組成物を硬化させずに、又
    は、塗布された前記塗料組成物を硬化させた後、この上
    にクリヤーコート用塗料組成物を塗布する工程、(D)
    塗布された前記塗料組成物及び塗布された前記クリヤー
    コート用塗料組成物の両者、又は、塗布された前記クリ
    ヤーコート用塗料組成物のみを硬化させる工程、の前記
    (A)、(B)、(C)及び(D)よりなることを特徴
    とする塗装方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の塗料組成物を塗装してな
    ることを特徴とする塗装物。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の塗装方法により塗装して
    なることを特徴とする塗装物。
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