JPH08236807A - 半導体発光素子及び半導体発光素子アレイチップ - Google Patents

半導体発光素子及び半導体発光素子アレイチップ

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JPH08236807A
JPH08236807A JP3685295A JP3685295A JPH08236807A JP H08236807 A JPH08236807 A JP H08236807A JP 3685295 A JP3685295 A JP 3685295A JP 3685295 A JP3685295 A JP 3685295A JP H08236807 A JPH08236807 A JP H08236807A
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light emitting
light
film
wavelength
layer
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JP3685295A
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English (en)
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Shunichi Sato
俊一 佐藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、デバイスの材料及び構造によら
ず、面発光型及び端面発光型を問わず、デバイスの寿命
が短く信頼性に乏しいという問題を発生することなく、
発光素子単体や発光素子アレイチップ単体での光出力の
温度による変動を小さくでき、更に高歩留まりで得るこ
とができるようにすることを目的とする。 【構成】 この発明は、光出射部にモノリシックに設け
た多層透過膜27が、発光層24から放射される光の発
光強度が低い時の発光波長で高い透過率となり、発光層
24から放射される光の発光強度が高い時の発光波長で
低い透過率となる透過率の発光波長依存性を有する半導
体膜であるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光通信装置、光情報処理
装置等に用いられる半導体発光素子及び半導体発光素子
アレイチップに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体発光素子は、電流注入型の
デバイスであり、電流注入によって自己発熱して温度が
上昇してしまう。また、半導体発光素子は、自己発熱や
周囲の熱源による加熱で動作温度が上昇すると、発光強
度が低下するという特性を有する。しかし、このように
半導体発光素子からの光出力が動作温度により変動する
ことは、実用上大きな問題である。
【0003】この問題を解決する方法としては、厳密な
半導体発光素子からの光出力の制御が必要である場合に
は、一般に、半導体発光素子の光出力をモニター素子で
モニタして半導体発光素子の光出力が一定の出力となる
ようにAPC(オートパワーコントロール)回路を設け
ることにより、半導体発光素子からの光出力を温度変化
に対して一定にしている。
【0004】しかし、このAPC回路では、モニター素
子やその他の回路を設けるので、装置が複雑になった
り、コストがかかったりするという問題がある。さら
に、アレイ状半導体発光素子では、ビット毎の光出力制
御が必要であるので、かなりの手間がかかるという問題
がある。このため、半導体発光素子自身の光出力の温度
による変動を低減させることが望まれている。
【0005】半導体発光素子単体において、光出力の温
度による変動を低減させる方法としては、一般に、注入
キャリアのオーバーフローを低減するためにヘテロ障壁
を高くする方法、つまり、ダブルヘテロ接合においてバ
ンドギャップ差を大きくとること、クラッド層のキャリ
ア濃度を高くすること等を行って光出力の温度による変
動を低減する方法が用いられている。しかし、このよう
な方法だけでは、十分であるとは言えない。
【0006】そこで、光出力の温度による変動を非常に
小さくするために、活性層の禁制帯幅を変化させるとと
もに活性層の禁制帯幅が相対的に狭い領域に非発光中心
となる不純物をドープした構造の半導体発光素子が提案
されている(特公平5ー77310号公報参照)。この
半導体発光素子では、活性層に注入されたキャリアは低
温では禁制帯幅が相対的に狭い領域に多く存在し、温度
が上昇するとキャリアのエネルギー分布の範囲が広が
る。つまり、一般に発光効率の高い状態である低温では
非発光中心の影響を大きく受けるが、発光効率が低下す
る高温では非発光中心の影響は小さくなる。このため、
見かけ上の光出力の温度による変動を小さくできる。
【0007】また、信頼性などに影響を与えないように
するため光の取り出し方に工夫をした構造の半導体発光
素子が提案されている。例えば、特開平4ー13227
4号公報には、発光層に対して光取り出し部とは反対と
なる位置に、発光層から放射される光の強度及びスペク
トルの温度による変化を補償する波長依存性を有する反
射器を有する発光ダイオードが記載されている。この発
光ダイオードでは、発光層は発光する光の強度及びスペ
クトルが温度に依存して変化する特性を有する。一方、
反射器は、発光層から放射される光の強度及びスペクト
ルの温度による変化を補償する波長依存性を有する。つ
まり、例えば、動作温度の上昇によって発光強度が低下
し、且つ、発光層から放射される光の中心波長が長波長
側に移動する特性を有する場合、反射器は発光層から放
射される光の中心波長よりも長波長側で高い反射率とな
る発光波長依存性を有する。
【0008】また、実開昭61ー1858号公報には、
面発光型のデバイスと端面発光型のデバイスの両方に応
用できる例として、発光素子の発する光をレンズ系を通
して出射させ、そのレンズ系に透過率が透過光の波長が
長くなるほど増大する光学フィルタを設けた発光ダイオ
ード光源が記載されている。この発光ダイオード光源で
は、見かけ上の光出力の温度による変動を小さくでき
る。また、光学フィルタは発光素子とは独立に形成され
ていて実装時に組み立てるものであり、発光素子は面発
光型、端面発光型のいずれでもかまわない。
【0009】また、特開平5ー283735号公報に
は、モノリシックに光学フィルタを設け、光出力の温度
による変動を小さくした発光素子が記載されている。図
10はその発光素子の1例を示す。p型不純物が拡散さ
れたp型半導体層11がn型半導体層12上に形成さ
れ、p型半導体層11の上面にp側電極13が設けられ
てp型半導体層11の上にSiNx膜14が形成され、
n型半導体層12の下にn側電極15が設けられて発光
素子が構成される。更に、SiNx膜14の上に屈折率
が違うTiO2の膜16とSiO2の膜17とが交互に計
20層積層され、これらにより光学フィルタ18が構成
される。この発光素子では、高温になると、発光波長が
長波長側にシフトするので、光学フィルタ18の透過率
が透過光の波長が長くなるほど増大するようにTiO2
の膜16とSiO2の膜17の厚さを形成すれば見かけ
上の光出力の温度による変動を小さくできる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平5ー773
10号公報記載の半導体発光素子では、活性層に非発光
中心となる不純物をドープした構造であるので、その非
発光中心が元になって通電による結晶欠陥の増殖が進み
易くなり、光量劣化を引き起こす原因となる。このた
め、デバイスの寿命が短く、信頼性に乏しいという問題
がある。また、上記実開昭61ー1858号公報記載の
発光ダイオード光源では、光学フィルタは発光素子と独
立に形成されていて実装時に組み立てるものであるの
で、部品点数が増えることになり、好ましくない。更
に、モノリシック集積素子のような同一チップ上で光を
やりとりするような構造のデバイスに応用するのはむず
かしい。
【0011】上記特開平5ー283735号公報記載の
発光素子では、光学フィルタ18の材料として誘電体多
層膜を用いているので、光学フィルタ18は半導体層の
外側にしか形成できず、電極は誘電体多層膜の上には形
成できないから多様なデバイスに応用することができな
い。また、屈折率が違う複数の薄膜16,17を交互に
積層した光学フィルタ18の波長対透過率特性曲線は、
各層の膜厚、屈折率に非常に敏感である。ところが、現
在の技術では、化合物半導体の上にTiO2の膜、Si
2の膜、Al23の膜等を用いた誘電体多層膜を狙い
通りの厚さに、しかもウェハー面内で均一に再現性良く
形成することは非常に難しいので、ばらつきが大きく、
歩留まりが低いという欠点がある。
【0012】また、上記特開平4ー132274号公報
記載の発光ダイオードでは、活性層で発生した光は活性
層自身で吸収してしまうので、面発光型のデバイスには
応用可能であるが、共振器長(素子長)の長い端面発光
型のデバイスでは効果が小さいという問題がある。本発
明は、デバイスの材料及び構造によらず、面発光型及び
端面発光型を問わず、デバイスの寿命が短く信頼性に乏
しいという問題を発生することなく、発光素子単体や発
光素子アレイチップ単体での光出力の温度による変動を
小さくすることができ、更に高歩留まりで得ることがで
きる半導体発光素子及び半導体発光素子アレイチップを
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、発光強度及び発光波長の中
心が温度に依存して変化する特性を有する発光層と、こ
の発光層からの光を外部へ放射する光出射部にモノリシ
ックに屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層してなる
多層透過膜とを有し、該多層透過膜を通して外部に光を
照射する半導体発光素子において、前記多層透過膜は、
前記発光層から放射される光の発光強度が低い時の発光
波長で高い透過率となり、前記発光層から放射される光
の発光強度が高い時の発光波長で低い透過率となる透過
率の発光波長依存性を有する半導体膜であることを特徴
とするものである。
【0014】請求項2記載の発明は、動作温度の上昇に
よって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中心波長
が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特性を有
する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射する光
出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄膜を順
次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透過膜を
通して外部に光を照射する半導体発光素子において、前
記多層透過膜は、前記発光層から放射される光の中心波
長よりも長波長側で高い透過率となる透過率の発光波長
依存性を有する半導体膜であることを特徴とするもので
ある。
【0015】請求項3記載の発明は、動作温度の上昇に
よって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中心波長
が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特性を有
する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射する光
出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄膜を順
次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透過膜を
通して外部に光を照射する半導体発光素子において、前
記多層透過膜は、透過率の発光波長依存性における極小
値であって波長λ1の光に対して透過率が極小となる値
1と、この極小値Y1と隣合う極値であって波長λ
2(λ2>λ1)の光に対して透過率が極大となる値Y2
の間に前記発光層の発光波長λ0が入ってλ1<λ0<λ2
となるようにλ1を選んで各層の厚さがλ1に対して4分
の1波長となるように構成した半導体膜であることを特
徴とするものである。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1,2また
は3記載の半導体発光素子において、前記多層透過膜が
前記発光層に対して基板と反対側となるように前記発光
層及び前記多層透過膜を前記基板上に積層したことを特
徴とするものである。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1,2また
は3記載の半導体発光素子において、前記多層透過膜が
前記発光層に対して基板と同じ側となるように前記発光
層及び前記多層透過膜を前記基板上に積層したことを特
徴とするものである。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1,2,
3,4または5記載の半導体発光素子において、前記多
層透過膜を構成する各半導体膜は1原子層づつ成長させ
る原子層成長法により形成したものであることを特徴と
するものである。
【0019】請求項7記載の発明は、発光強度及び発光
波長の中心が温度に依存して変化する特性を有する発光
層と、この発光層からの光を外部へ放射する光出射部に
モノシリックに屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層
してなる多層透過膜とを有し、前記多層透過膜を通して
外部に光を照射する半導体発光素子において、前記多層
透過膜は、前記発光層から放射される光の発光強度が低
い時の発光波長で高い透過率となり、前記発光層から放
射される光の発光強度が高い時の発光波長で低い透過率
となる透過率の発光波長依存性を有し、前記発光層から
の光を外部へ放射する光出射部が積層端面であって該積
層端面上に前記多層透過膜を形成したことを特徴とする
ものである。
【0020】請求項8記載の発明は、動作温度の上昇に
よって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中心波長
が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特性を有
する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射する光
出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄膜を順
次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透過膜を
通して外部に光を照射する半導体発光素子において、前
記多層透過膜は、前記発光層から放射される光の中心波
長よりも長波長側で高い透過率となる透過率の発光波長
依存性を有し、前記発光層からの光を外部へ放射する光
出射部が積層端面であって該積層端面上に前記多層透過
膜を形成したことを特徴とするものである。
【0021】請求項9記載の発明は、動作温度の上昇に
よって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中心波長
が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特性を有
する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射する光
出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄膜を順
次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透過膜を
通して外部に光を照射する半導体発光素子において、前
記多層透過膜は、透過率の発光波長依存性における極小
値であって波長λ1の光に対して透過率が極小となる値
1と、この極小値Y1と隣合う極値であって波長λ
2(λ2>λ1)の光に対して透過率が極大となる値Y2
の間に前記発光層の発光波長λ0が入ってλ1<λ0<λ2
となるようにλ1を選んで各層の厚さがλ1に対して4分
の1波長となるように構成し、前記発光層からの光を外
部へ放射する光出射部が積層端面であって該積層端面上
に前記多層透過膜を形成したことを特徴とするものであ
る。
【0022】請求項10記載の発明は、請求項7記載の
半導体発光素子において、光出射部となる積層端面とは
反対側の積層端面上に屈折率の異なる複数の薄膜を順次
に積層してなる多層反射膜を有し、該多層反射膜は、前
記発光層から放射される光の発光強度が低い時の発光波
長で高い反射率となり、前記発光層から放射される光の
発光強度が高い時の発光波長で低い反射率となる反射率
の発光波長依存性を有することを特徴とするものであ
る。
【0023】請求項11記載の発明は、請求項8,9記
載の半導体発光素子において、光出射部となる積層端面
とは反対側の積層端面上に屈折率の異なる複数の薄膜を
順次に積層してなる多層反射膜を有し、該多層反射膜
は、前記発光層から放射される光の中心波長よりも長波
長側で高い反射率となる反射率の発光波長依存性を有す
ることを特徴とするものである。
【0024】請求項12記載の発明は、請求項7,8ま
たは9記載の半導体発光素子において、光出射部となる
積層端面とは反対側の積層端面上に前記多層透過膜と同
様な多層膜上に金属膜を積層してなる多層反射膜を有す
ることを特徴とするものである。
【0025】請求項13記載の発明は、請求項1,2,
3,4,5,6,7,8,9,10,11または12記
載の半導体発光素子をモノリシックに並べたことを特徴
とするものである。
【0026】
【作用】請求項1記載の発明では、発光層は発光強度及
び発光波長の中心が温度に依存して変化し、発光層から
の光が多層透過膜を通して外部に照射される。多層透過
膜は、発光層から放射される光の発光強度が低い時の発
光波長で高い透過率となり、発光層から放射される光の
発光強度が高い時の発光波長で低い透過率となる。この
ため、発光強度の温度による変化が補償され、温度変化
に対する発光強度の変化が少なくなる。更に、多層透過
膜が半導体膜であることにより、電極を多層透過膜の上
に形成できるなど、多層透過膜の形成位置の制約が少な
くなる。
【0027】請求項2記載の発明では、発光層は、動作
温度の上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する
光の中心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動
する。発光層からの光は多層透過膜を通して外部に照射
され、多層透過膜は発光層から放射される光の中心波長
よりも長波長側で高い透過率となる。このため、温度上
昇による発光強度の低下が補償される。更に、多層透過
膜が半導体膜であることにより、電極を多層透過膜の上
に形成できるなど、多層透過膜の形成位置の制約が少な
くなる。
【0028】請求項3記載の発明では、発光層は、動作
温度の上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する
光の中心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動
する。発光層からの光は多層透過膜を通して外部に照射
される。この多層透過膜は、透過率の発光波長依存性に
おける極小値であって波長λ1の光に対して透過率が極
小となる値Y1と、この極小値Y1と隣合う極値であって
波長λ2(λ2>λ1)の光に対して透過率が極大となる
値Y2との間に発光層の発光波長λ0が入ってλ 1<λ0
λ2となるようにλ1を選んで各層の厚さがλ1に対して
4分の1波長となるように構成されていることにより、
発光層から放射される光の中心波長よりも長波長側で高
い透過率となる。このため、温度上昇による発光強度の
低下が補償される。更に、多層透過膜が半導体膜である
ことにより、電極を多層透過膜の上に形成できるなど、
多層透過膜の形成位置の制約が少なくなる。
【0029】請求項4記載の発明では、請求項1,2ま
たは3記載の半導体発光素子において、発光層及び多層
透過膜が基板上に積層されて多層透過膜が発光層に対し
て基板と反対側となり、温度上昇による発光強度の低下
が補償される。
【0030】請求項5記載の発明では、請求項1,2ま
たは3記載の半導体発光素子において、発光層及び多層
透過膜が基板上に積層されて多層透過膜が発光層に対し
て基板と同じ側となり、温度上昇による発光強度の低下
が補償される。
【0031】請求項6記載の発明では、請求項1,2,
3,4または5記載の半導体発光素子において、多層透
過膜を構成する各半導体膜は、1原子層づつ成長させる
原子層成長法により形成したものであり、歩留まりが良
く、多層透過膜が膜厚制御性良く形成されて温度変化に
対して発光強度の変化が少ない。
【0032】請求項7記載の発明では、発光層は発光強
度及び発光波長の中心が温度に依存して変化し、発光層
からの光が多層透過膜を通して積層端面より外部に照射
される。この多層透過膜は、発光層から放射される光の
発光強度が低い時の発光波長で高い透過率となり、発光
層から放射される光の発光強度が高い時の発光波長で低
い透過率となる。このため、発光強度の温度による変化
が補償され、発光強度の変化が少なくなる。
【0033】請求項8記載の発明では、発光層は、動作
温度の上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する
光の中心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動
する。発光層からの光は多層透過膜を通して積層端面よ
り外部に照射され、この多層透過膜は発光層から放射さ
れる光の中心波長よりも長波長側で高い透過率となる。
このため、温度上昇による発光強度の低下が補償され
る。
【0034】請求項9記載の発明では、発光層は、動作
温度の上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する
光の中心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動
する。発光層からの光は多層透過膜を通して積層端面よ
り外部に照射される。多層透過膜は、透過率の発光波長
依存性における極小値であって波長λ1の光に対して透
過率が極小となる値Y1と、この極小値Y1と隣合う極値
であって波長λ2(λ2>λ1)の光に対して透過率が極
大となる値Y2との間に発光層の発光波長λ0が入ってλ
1<λ0<λ2となるようにλ1を選んで各層の厚さがλ1
に対して4分の1波長となるように構成したことによ
り、発光層から放射される光の中心波長よりも長波長側
で高い透過率となり、温度上昇による発光強度の低下が
補償される。
【0035】請求項10記載の発明では、請求項7記載
の半導体発光素子において、光出射部となる積層端面と
は反対側の積層端面上に屈折率の異なる複数の薄膜を順
次に積層してなる多層反射膜は発光層から放射される光
の発光強度が低い時の発光波長で高い反射率となり、発
光層から放射される光の発光強度が高い時の発光波長で
低い反射率となる。このため、多層反射膜による反射光
が利用され、温度変化に対して発光強度の変化が少なく
なる。
【0036】請求項11記載の発明では、請求項8,9
記載の半導体発光素子において、光出射部となる積層端
面とは反対側の積層端面上に屈折率の異なる複数の薄膜
を順次に積層してなる多層反射膜は発光層から放射され
る光の中心波長よりも長波長側で高い反射率となる。こ
のため、多層反射膜による反射光が利用され、温度変化
に対して発光強度の変化が少なくなる。
【0037】請求項12記載の発明では、請求項7,8
または9記載の半導体発光素子において、光出射部とな
る積層端面とは反対側の積層端面上に多層透過膜と同様
な多層膜上に金属膜を積層してなる多層反射膜による反
射光が利用され、温度変化に対して発光強度の変化が少
なくなる。さらに、金属膜以外は多層透過膜と多層反射
膜を同時に形成可能となる。
【0038】請求項13記載の発明では、モノリシック
に並べられている請求項1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11または12記載の半導体発光素子
は、他の素子の動作による発熱の影響が小さく、チップ
内に温度分布が生じてもチップ内の光出力の分布が小さ
い。
【0039】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を示す。この第1
実施例は、請求項1,2,3,4,6記載の発明の実施
例であり、面発光型発光ダイオードからなる半導体発光
素子の例であって図1中の太い矢印の方向へ光を放出す
る。この面発光型発光ダイオードは、n型GaAsから
なる基板21の上にMOCVD法等を用いてn型GaA
sからなるバッファ層22、n型Al0.45Ga0.55As
からなるクラッド層23、発光層であるAl0.19Ga
0.81Asからなる活性層24、p型Al0.45Ga0.55
sからなるクラッド層25、p+型Al0.45Ga0.55
sからなる電流拡散層26が順次に積層されて発光部が
形成されている。これはダブルヘテロ構造となってい
る。そして、更にその発光部における電流拡散層26の
上にはAlAs/Al0.42Ga0.58AsからなるN層の
多層透過膜27が形成されている。この多層透過膜27
は、温度が上昇して発光部の発光波長が長波長側にシフ
トした時に透過率が上昇するように材料及びその膜厚と
屈折率が選択されており、光出射端面上に積層されてい
る。
【0040】ここで、多層膜の反射率と透過率の計算方
法として、マトリックス計算を用いた電磁気学的解法に
ついて説明する。屈折率n、厚さdの薄膜に波長λの光
が入射角φ0で入射すると、これに対応するマトリック
スは、
【0041】
【数1】
【0042】となる。ただし、δ=2π/λndcosφ1
で、φ1は薄膜内での屈折率であり、wはncosφ(p成
分)及びn/cosφ(s成分)である。N層の多層膜に
対するマトリックスは、
【0043】
【数2】
【0044】とすると、多層膜の反射率Rおよび透過率
Tは
【0045】
【数3】
【0046】で表わされる。ここで、ω0、ωgは屈折率
0の媒質ならびに屈折率ngの基板に対する値である。
【0047】図2は多層膜としての多層透過膜27の厚
さを波長λ1に対して4分の1波長となる厚さとして
(4)式を用いて多層膜27の透過率を求めた時の概念
図を示す。図2から分かるように多層膜27は波長λ1
で透過率が極小値Y1となる。また、図2に示す波長対
透過率特性曲線は波打っており、多層膜27は波長λ1
より長い波長λ2で透過率が極大値Y2をとっている。こ
こで、第1実施例では、多層膜としての多層透過膜27
が活性層24からの光を外部へ放射する光出射部に設け
られ、実際に使われている温度範囲で発光波長がλ1
らλ2までの間にあるので、温度が上昇して光出力の中
心波長λ0が長波長側にシフトした時に光出力に対する
多層膜27の透過率が高くなり、発光強度の温度依存性
が補償されることになる。つまり、多層膜27は、半導
体発光素子の発光強度の温度依存性を補償するために、
光出力の中心波長がλ0である半導体発光素子に対して
λ0がλ1からλ2までの間に入るようなλ1を選んで各層
の厚さをそのλ1に対して4分の1波長となるように決
めらいる。
【0048】この第1実施例では、具体的にはALE
(Atomic Layer Epitaxy)法により、屈折率n=
3.03のp型AlAsからなる層28と、屈折率n=
3.43のp型Al0.42Ga0.58Asからなる層29と
を交互に積層してN層の多層薄膜からなる多層透過膜2
7を形成している。すなわち、多層透過膜27は、初め
にp型AlAsからなる層28を561Å積み、次にp
型Al0.42Ga0.58Asからなる層29を496Å積
み、この順番で2つの層28,29を交互に合計6ペア
形成している。
【0049】そして、第1実施例では、多層透過膜27
の上にp型GaAsからなるコンタクト層30を形成し
ている。このコンタクト層30は選択的にエッチングさ
れており、コンタクト層30の上にのみp側電極31が
形成されている。また、基板21の下側にはn側電極3
2が形成されている。この第1実施例の面発光型発光ダ
イオードは、おもに、活性層24からの光を多層透過膜
27を通して外部へ放射し、つまり、多層透過膜27上
においてコンタクト層30がエッチングで除去された部
分から室温で中心波長約740nmの光を外部に照射す
る。
【0050】この第1実施例の面発光型発光ダイオード
では、多層透過膜27が無い場合の発光特性は図3及び
図4に示す通りである。つまり、発光出力は図3に示す
ように温度の上昇とともに低下し、発光出力の温度依存
性は活性層24とクラッド層23,25とのバンドギャ
ップエネルギー差がそれほど大きくないことから比較的
大きくなる。また、発光スペクトルは発光ピークの高さ
が温度の上昇とともに低下すると同時に発光スペクトル
全体が温度の上昇とともに長波長側にシフトする。
【0051】図5は第1実施例における上記条件の多層
透過膜27の発光波長に対する透過率の計算結果を示
す。多層透過膜27は活性層24から放射される光の中
心波長(ピーク波長)よりも長波長側で(第1実施例で
は785nmまでの波長で)高い透過率を持っている。
また、発光波長に対する多層透過膜27の透過率は透過
率の変化が大きいところ、つまり、透過率曲線の傾きが
大きいところに設定されている。
【0052】このように多層透過膜27は、その半導体
材料、膜厚および屈折率を第1実施例の面発光型発光ダ
イオードからの光出力の中心波長よりも短波長側に透過
率の極小値がきて光出力の中心波長よりも長波長側に透
過率の極大値がくるように選んでいる。つまり、多層透
過膜27は、膜厚が発光ピーク波長よりも幾分短い波長
に対して4分の1となるように選んでいる。
【0053】この場合、多層透過膜27の膜厚と屈折率
は正確に制御する必要がある。なぜならば、このような
多層透過膜27の波長対透過率特性曲線は多層透過膜2
7の膜厚と屈折率に対して非常に敏感であるからであ
る。図6は多層透過膜27の膜厚を上述の最適値、最適
値±10%とした例での波長対透過率特性の計算結果を
示す。この図6から分かるように多層透過膜27の膜厚
が最適値からずれると、上述した効果が無くなってしま
うので、多層透過膜27の膜厚と屈折率は正確に制御す
る必要がある。このような観点から、多層透過膜27の
作製は、通常のMOCVD法を用いて形成できるが、単
原子層づつ制御可能なALE(Atomic Layer Epitax
y)法を用いて形成すると、各層の膜厚をロット間、ウ
エハ面内で厳密に制御できるので、望ましい。
【0054】また、本実施例のような構造では、1台で
ALE法、MOCVD法の両方の成長モードで結晶を成
長できる装置を用いて、多層透過膜27は各層の膜厚を
厳密に制御できるALE法で形成して発光部は成長速度
がALE法より大きく且つ発光効率を高くできるMOC
VD法で形成することが望ましい。もちろん、多層透過
膜27の材料は発光層のエネルギーバンドギャップより
大きなエネルギーバンドギャップを有する材料であるこ
とが望ましい。
【0055】図7は本実施例において活性層24から多
層透過膜27を通して放射される光の発光強度の温度依
存性を示す。本実施例では、多層透過膜27を形成した
ために発光強度の温度依存性が平坦になっており、発光
強度の温度上昇による影響が打ち消されていることが分
かる。また、波長対透過率特性曲線の傾きが更に大きく
なるような条件の多層透過膜27を用いれば、更に発光
強度の温度依存性が平坦になる。また、多層透過膜27
の材料としては、例えば半導体膜上に誘電体膜を形成す
る構造のように半導体膜と誘電体膜を組み合わせて形成
してもかまわない。
【0056】この第1実施例は、請求項1記載の発明の
実施例であって、発光強度及び発光波長の中心が温度に
依存して変化する特性を有する発光層としての活性層2
4と、この発光層24からの光を外部へ放射する光出射
部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄膜28,2
9を順次に積層してなる多層透過膜27とを有し、該多
層透過膜27を通して外部に光を照射する半導体発光素
子において、多層透過膜27は、発光層24から放射さ
れる光の発光強度が低い時の発光波長で高い透過率とな
り、発光層24から放射される光の発光強度が高い時の
発光波長で低い透過率となる透過率の発光波長依存性を
有する半導体膜であるので、デバイスの寿命が短く信頼
性に乏しいという問題を発生することなく、発光強度の
温度による変化を補償することができて温度変化に対す
る発光強度の変化を少なくすることができ、温度分布や
周囲温度の変動に対して安定に動作する光集積素子、光
通信システム等を実現できる。更に、多層透過膜が半導
体膜であることにより、エピタキシャル成長可能な半導
体層の上ならどこでも多層透過膜を形成でき、また、電
極を多層透過膜の上に形成できるなど多層透過膜の形成
位置の制約が少なくてデバイスの材料及び構造によら
ず、面発光型及び端面発光型を問わずに様々なデバイス
に適用できる。
【0057】また、第1実施例は、請求項2記載の発明
の実施例であって、動作温度の上昇によって発光強度が
低下し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇
によって長波長側に移動する特性を有する発光層として
の活性層24と、この発光層24からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜28,29を順次に積層してなる多層透過膜27とを
有し、該多層透過膜27を通して外部に光を照射する半
導体発光素子において、多層透過膜27は、発光層24
から放射される光の中心波長よりも長波長側で高い透過
率となる透過率の発光波長依存性を有する半導体膜であ
るので、デバイスの寿命が短く信頼性に乏しいという問
題を発生することなく、温度上昇による発光強度の低下
を補償することができ、温度分布や周囲温度の変動に対
して安定に動作する光集積素子、光通信システム等を実
現できる。更に、多層透過膜が半導体膜であることによ
り、エピタキシャル成長可能な半導体層の上ならどこで
も多層透過膜を形成でき、また、電極を多層透過膜の上
に形成できるなど多層透過膜の形成位置の制約が少なく
てデバイスの材料及び構造によらず、面発光型及び端面
発光型を問わずに様々なデバイスに適用できる。
【0058】また、第1実施例は、請求項3記載の発明
の実施例であって、動作温度の上昇によって発光強度が
低下し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇
によって長波長側に移動する特性を有する発光層として
の活性層24と、この発光層24からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜28,29を順次に積層してなる多層透過膜27とを
有し、該多層透過膜27を通して外部に光を照射する半
導体発光素子において、多層透過膜27は、透過率の発
光波長依存性における極小値であって波長λ1の光に対
して透過率が極小となる値Y1と、この極小値Y1と隣合
う極値であって波長λ2(λ2>λ1)の光に対して透過
率が極大となる値Y2との間に発光層24の発光波長λ0
が入ってλ1<λ0<λ2となるようにλ1を選んで各層の
厚さがそのλ1に対して4分の1波長となるように構成
した半導体膜であるので、デバイスの寿命が短く信頼性
に乏しいという問題を発生することなく、温度上昇によ
る発光強度の低下を補償することができて温度変化に対
する発光強度の変化を少なくすることができ、温度分布
や周囲温度の変動に対して安定に動作する光集積素子、
光通信システム等を実現できる。更に、多層透過膜が半
導体膜であることにより、エピタキシャル成長可能な半
導体層の上ならどこでも多層透過膜を形成でき、また、
電極を多層透過膜の上に形成できるなど多層透過膜の形
成位置の制約が少なくてデバイスの材料及び構造によら
ず、面発光型及び端面発光型を問わずに様々なデバイス
に適用できる。
【0059】また、第1実施例は、請求項4記載の発明
の実施例であって、請求項1,2または3記載の半導体
発光素子において、多層透過膜27が発光層24に対し
て基板21と反対側となるように発光層24及び多層透
過膜27を基板21上に積層したので、上述のように温
度変化に対する発光強度の変化を少なくすることができ
る。
【0060】また、第1実施例は、請求項6記載の発明
の実施例であって、請求項1,2,3,4または5記載
の半導体発光素子において、多層透過膜27を構成する
各半導体膜28,29は1原子層づつ成長させる原子層
成長法により形成したものであるので、歩留まりが良
く、多層透過膜27を膜厚制御性良く形成できて温度変
化に対して発光強度の変化を少なくできる。
【0061】本発明の第2実施例は、請求項1,2,
3,4,6記載の発明の他の実施例であり、面発光型発
光ダイオードからなる半導体発光素子の例である。この
第2実施例の第1実施例と違うところは、多層透過膜2
7の各層の厚さである。第2実施例では、ALE(Ato
mic Layer Epitaxy)法により、屈折率n=3.03
のp型AlAsからなる層28と、屈折率n=3.43
のp型Al0.42Ga0.58Asからなる層29とを交互に
積層してN層の多層薄膜からなる多層透過膜27を形成
しているが、初めにp型AlAsからなる層28を54
5Å積み、次にp型Al0.42Ga0.58Asからなる層2
9を481Å積み、この順番で2つの層28,29を交
互に合計6ペア形成して多層透過膜27を形成してい
る。
【0062】この第2実施例の面発光型発光ダイオード
では、多層透過膜27が無い場合の発光特性は、第1実
施例において多層透過膜27が無い場合の発光特性と同
様である。本実施例において上述した条件の多層透過膜
27の発光波長に対する透過率の計算結果は図8に示す
ようになる。多層透過膜27は活性層24から放射され
る光のピーク波長よりも長波長側で高い透過率を持って
いる。このように、第2実施例では、その発光波長より
も短波長側に透過率の極小値が来て発光波長よりも長波
長側に透過率の極大値が来るように多層透過膜27の材
料及び膜厚、屈折率を選んでいる。つまり、多層透過膜
27の膜厚は発光波長よりも幾分短い波長に対して4分
の1波長となるようにしてある。
【0063】そして、第2実施例において第1実施例と
違うところは多層透過膜27の透過率が第1実施例に比
べて高くなるように設定されていることである。つま
り、発光波長が透過率の極大値に近いことである。第2
実施例では、第1実施例に比べて全般に透過率が高いの
で、光出力が高い。ただし、第2実施例では、第1実施
例に比べて透過率の変化率は小さくなるので、温度特性
の改善効果は小さい。このような第2実施例は、おも
に、高い光出力が必要であって、ある程度の温度特性の
改善効果があれば良いような場合に適用される。このよ
うに多層透過膜27の各層の厚さは用途に応じて選べば
良い。第2実施例では、上述した第1実施例と同様な効
果が得られる。
【0064】上記のように第1実施例及び第2実施例の
半導体発光素子では、活性層24及び多層透過膜27を
基板21上に積層して多層透過膜27を活性層24に対
して基板21とは反対側に設けた構造であるが、逆に多
層透過膜27を活性層24に対して基板21とは同じ側
に設ける構造、つまり、基板21側から光を取り出す構
造でも第1実施例及び第2実施例と同様な効果が得られ
る。ただし、この構造は、発光波長に対して光学的に透
明な基板を用いるか、基板の一部を除去して光取り出し
部を形成する必要がある。
【0065】図9は基板側から光を取り出す構造を持つ
本発明の第3実施例を示す。この第3実施例は、請求項
1,2,3,5,6記載の発明の他の実施例であり、面
発光型発光ダイオードからなる半導体発光素子の例であ
る。第3実施例は、n型GaAsからなる基板32の上
にMOCVD法等を用いてn型GaAsからなるバッフ
ァ層33を形成し、次にALE(Atomic Layer Epit
axy)法等により、屈折率n=3.03のp型AlAs
からなる層34と、屈折率n=3.43のp型Al0.42
Ga0.58Asからなる層35とを交互に積層してN層の
多層薄膜からなる多層透過膜36を形成している。この
場合、初めにp型AlAsからなる層34を561Å積
み、次にp型Al0.42Ga0.58Asからなる層35を4
96Å積み、この順番で2つの層34,35を交互に合
計6ペア形成して多層透過膜36を形成している。
【0066】次に、多層透過膜36の上にMOCVD法
等を用いてn型Al0.45Ga0.55Asからなるクラッド
層37、発光層であるAl0.19Ga0.81Asからなる活
性層38、p型Al0.45Ga0.55Asからなるクラッド
層39、p+型Al0.45Ga0.55Asからなる電流拡散
層40、p型GaAsからなるコンタクト層41が順次
に積層されて発光部が形成されている。これはダブルヘ
テロ構造となっている。そして、コンタクト層41の上
にはp側電極42が形成され、また、基板32側にはn
側電極43が形成されている。さらに、基板32及びバ
ッファ層33は選択的にエッチングされて光取り出し部
44が形成されている。
【0067】このような第3実施例の面発光型発光ダイ
オードは、おもに、活性層38からの光を多層透過膜3
6を通して光取り出し部44より外部へ放射し、つま
り、多層透過膜36上において基板32及びバッファ層
33がエッチングで除去された光取り出し部44から室
温で中心波長約740nmの光を外部に照射する。もち
ろん、多層透過膜36の材料は、発光層のエネルギーバ
ンドギャップより大きなエネルギーバンドギャップを有
する材料であることが望ましい。
【0068】多層透過膜36は、温度上昇により光出力
の中心波長が長波長側にシフトした時に透過率が上昇す
るように材料、膜厚および屈折率が選ばれている。すな
わち、第3実施例では、第1実施例及び第2実施例と同
様に、多層透過膜36は波長λ1で透過率が極小値Y1
なって波長λ1より長い波長λ2で透過率が極大値Y2
とり、実際に使われている温度範囲で発光部の発光波長
がλ1からλ2までの間にある。そして、温度が上昇して
光出力の中心波長λ0が長波長側にシフトした時に光出
力に対する多層透過膜36の透過率が高くなり、発光強
度の温度依存性が補償されることになる。つまり、多層
透過膜36は、半導体発光素子の発光強度の温度依存性
を補償するために、光出力の中心波長がλ0である半導
体発光素子に対してλ0がλ1からλ2までの間に入るよ
うなλ1を選んで各層の厚さをそのλ1に対して4分の1
波長となるように決めている。
【0069】ここで、第1実施例及び第2実施例と同様
な理由により、多層透過膜36は通常のMOCVD法を
用いて作製できるが、単原子層づつ制御可能なALE
(Atomic Layer Epitaxy)法を用いて形成すると、
各層の膜厚をロット間、ウエハ面内で厳密に制御できる
ので、望ましい。また、本実施例のような構造では、1
台でALE法、MOCVD法の両方の成長モードで結晶
を成長できる装置を用いて、多層透過膜36は各層の膜
厚を厳密に制御できるALE法で形成して発光部は成長
速度がALE法より大きく且つ発光効率を高くできるM
OCVD法で形成することが望ましい。このように、第
3実施例では、多層透過膜36は半導体膜であることに
より結晶層の上であれば基板の直上でも各層の間でも最
上部でも形成することができ、応用できるデバイスの幅
が広くなる。
【0070】このように、第3実施例は、請求項1記載
の発明の実施例であって、発光強度及び発光波長の中心
が温度に依存して変化する特性を有する発光層としての
活性層38と、この発光層38からの光を外部へ放射す
る光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄膜
34,35を順次に積層してなる多層透過膜36とを有
し、該多層透過膜36を通して外部に光を照射する半導
体発光素子において、多層透過膜36は、発光層38か
ら放射される光の発光強度が低い時の発光波長で高い透
過率となり、発光層38から放射される光の発光強度が
高い時の発光波長で低い透過率となる透過率の発光波長
依存性を有する半導体膜であるので、デバイスの寿命が
短く信頼性に乏しいという問題を発生することなく、発
光強度の温度による変化を補償することができて温度変
化に対する発光強度の変化を少なくすることができ、温
度分布や周囲温度の変動に対して安定に動作する光集積
素子、光通信システム等を実現できる。更に、多層透過
膜が半導体膜であることにより、エピタキシャル成長可
能な半導体層の上ならどこでも多層透過膜を形成でき、
また、電極を多層透過膜の上に形成できるなど多層透過
膜の形成位置の制約が少なくてデバイスの材料及び構造
によらず、面発光型及び端面発光型を問わずに様々なデ
バイスに適用できる。
【0071】また、第3実施例は、請求項2記載の発明
の実施例であって、動作温度の上昇によって発光強度が
低下し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇
によって長波長側に移動する特性を有する発光層として
の活性層38と、この発光層38からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜34,35を順次に積層してなる多層透過膜36とを
有し、該多層透過膜36を通して外部に光を照射する半
導体発光素子において、多層透過膜36は、発光層38
から放射される光の中心波長よりも長波長側で高い透過
率となる透過率の発光波長依存性を有する半導体膜であ
るので、デバイスの寿命が短く信頼性に乏しいという問
題を発生することなく、温度上昇による発光強度の低下
を補償することができ、温度分布や周囲温度の変動に対
して安定に動作する光集積素子、光通信システム等を実
現できる。更に、多層透過膜が半導体膜であることによ
り、エピタキシャル成長可能な半導体層の上ならどこで
も多層透過膜を形成でき、また、電極を多層透過膜の上
に形成できるなど多層透過膜の形成位置の制約が少なく
てデバイスの材料及び構造によらず、面発光型及び端面
発光型を問わずに様々なデバイスに適用できる。
【0072】また、第3実施例は、請求項3記載の発明
の実施例であって、動作温度の上昇によって発光強度が
低下し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇
によって長波長側に移動する特性を有する発光層として
の活性層38と、この発光層38からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜34,35を順次に積層してなる多層透過膜36とを
有し、該多層透過膜36を通して外部に光を照射する半
導体発光素子において、多層透過膜36は、透過率の発
光波長依存性における極小値であって波長λ1の光に対
して透過率が極小となる値Y1と、この極小値Y1と隣合
う極値であって波長λ2(λ2>λ1)の光に対して透過
率が極大となる値Y2との間に発光層38の発光波長λ0
が入ってλ1<λ0<λ2となるようにλ1を選んで各層の
厚さがそのλ1に対して4分の1波長となるように構成
した半導体膜であるので、デバイスの寿命が短く信頼性
に乏しいという問題を発生することなく、温度上昇によ
る発光強度の低下を補償することができて温度変化に対
する発光強度の変化を少なくすることができ、温度分布
や周囲温度の変動に対して安定に動作する光集積素子、
光通信システム等を実現できる。更に、多層透過膜が半
導体膜であることにより、エピタキシャル成長可能な半
導体層の上ならどこでも多層透過膜を形成でき、また、
電極を多層透過膜の上に形成できるなど多層透過膜の形
成位置の制約が少なくてデバイスの材料及び構造によら
ず、面発光型及び端面発光型を問わずに様々なデバイス
に適用できる。
【0073】また、第3実施例は、請求項5記載の発明
の実施例であって、請求項1,2または3記載の半導体
発光素子において、多層透過膜36が発光層38に対し
て基板32と同じ側となるように発光層38及び多層透
過膜36を基板32上に積層したので、上述のように温
度変化に対する発光強度の変化を少なくすることができ
る。
【0074】また、第1実施例は、請求項6記載の発明
の実施例であって、請求項1,2,3,4または5記載
の半導体発光素子において、多層透過膜36を構成する
各半導体膜34,35は1原子層づつ成長させる原子層
成長法により形成したものであるので、歩留まりが良
く、多層透過膜36を膜厚制御性良く形成できて温度変
化に対して発光強度の変化を少なくできる。
【0075】図11は本発明の第4実施例を示す。この
第4実施例は、請求項7,8,9記載の発明の実施例で
あり、端面発光型発光ダイオードからなる端面発光型半
導体発光素子の例であって図11中の太い矢印の方向へ
光を放出する。この端面発光型発光ダイオードは、n型
GaAsからなる基板51の上にMOCVD法等を用い
てn型GaAsからなるバッファ層52、n型Al0.45
Ga0.55Asからなるクラッド層53、発光層であるA
0.19Ga0.81Asからなる活性層54、p型Al0.45
Ga0.55Asからなるクラッド層55、p型GaAsか
らなるコンタクト層56が順次に積層されており、ダブ
ルヘテロ構造となっている。
【0076】また、コンタクト層56上にはp側電極5
7が形成され、基板51の下側にはn側電極58が形成
されている。このような端面発光型発光ダイオードの本
体は、おもに、へきかい法等により得られた光出射端面
から室温で波長745nmの発光が得られる。この端面
発光型発光ダイオードの本体は光出射端面となる積層端
面上に多層透過膜59が形成され、この多層透過膜59
は温度が上昇して端面発光型発光ダイオードの本体の発
光波長が長波長側にシフトした時に透過率が上昇するよ
うに材料とその膜厚及び屈折率が選ばれている。
【0077】多層透過膜59は、温度上昇により光出力
の中心波長が長波長側にシフトした時に透過率が上昇す
るように材料、膜厚および屈折率が選ばれている。すな
わち、第4実施例では、第1実施例と同様に、多層透過
膜59は図2に示すように透過率特性曲線が波打ってお
り、波長λ1で透過率が極小値Y1となって波長λ1より
長い波長λ2で透過率が極大値Y2をとる。この場合、端
面発光型発光ダイオードが実際に使われている温度範囲
で本体の発光波長がλ1からλ2までの間にある。そし
て、温度が上昇して光出力の中心波長λ0が長波長側に
シフトした時に光出力に対する多層透過膜59の透過率
が高くなり、発光強度の温度依存性が補償されることに
なる。つまり、多層透過膜59は、発光強度の温度依存
性を補償するために、光出力の中心波長がλ0である端
面発光型発光ダイオードの本体に対してλ0がλ1からλ
2までの間に入るようなλ1を選んで各層の厚さをそのλ
1に対して4分の1波長となるように決めている。
【0078】この第4施例では、具体的には屈折率n=
1.46のSiO2からなる層60と、屈折率n=2.
4のTiO2からなる層61とを交互に積層してN層の
多層薄膜からなる多層透過膜59を形成している。すな
わち、多層透過膜59は、スパッタ法等により、初めに
SiO2からなる層60を967Å積み、次にTiO2
らなる層61を589Å積み、これを交互に合計3ペア
積層している。
【0079】この第4実施例の端面発光型発光ダイオー
ドでは、多層透過膜59が無い場合の発光特性は図12
及び図13に示す通りであり、発光出力が図12に示す
ように温度の上昇とともに低下する。この端面発光型発
光ダイオードは、活性層54とクラッド層53,55の
バンドギャップエネルギー差がそれほど大きくないの
で、温度依存性が比較的大きくなる。また、発光スペク
トルは発光ピークの高さが温度の上昇とともに低下する
と同時に発光スペクトル全体が温度の上昇とともに長波
長側にシフトする。
【0080】第4実施例における上記条件の多層透過膜
59の発光波長に対する透過率の計算結果は図14に示
すようになる。多層透過膜59は活性層54から放射さ
れる光のピーク波長λ0よりも長波長側で高い透過率を
持っている。また、発光波長に対する多層透過膜59の
透過率は透過率の変化が大きいところ、つまり、波長対
透過率特性曲線の傾きが大きいところに設定されてい
る。
【0081】このように多層透過膜59は、材料、膜厚
および屈折率を端面発光型発光ダイオードの本体からの
光出力のピーク波長よりも短波長側に透過率の極小値が
きて光出力の中心波長よりも長波長側に透過率の極大値
がくるように選んでいる。つまり、多層透過膜59は、
膜厚が発光ピーク波長よりも幾分短い波長に対して4分
の1となるようにしてある。
【0082】図15は本実施例において活性層54から
多層透過膜59を通して放射される光の発光強度の温度
依存性を示す。本実施例では、多層透過膜59を形成し
たために発光強度の温度依存性が平坦になっており、発
光強度の温度上昇による影響が打ち消されていることが
分かる。また、波長対透過率特性曲線の傾きが更に大き
くなるような条件の多層透過膜59を用いれば、更に発
光強度の温度依存性が平坦になる。
【0083】この第4実施例は、請求項7記載の発明の
実施例であって、発光強度及び発光波長の中心が温度に
依存して変化する特性を有する発光層としての活性層5
4と、この発光層54からの光を外部へ放射する光出射
部にモノシリックに屈折率の異なる複数の薄膜60,6
1を順次に積層してなる多層透過膜59とを有し、多層
透過膜59を通して外部に光を照射する半導体発光素子
において、多層透過膜59は、発光層54から放射され
る光の発光強度が低い時の発光波長で高い透過率とな
り、発光層54から放射される光の発光強度が高い時の
発光波長で低い透過率となる透過率の発光波長依存性を
有し、発光層54からの光を外部へ放射する光出射部が
積層端面であって該積層端面上に多層透過膜59を形成
したので、デバイスの寿命が短く信頼性に乏しいという
問題を発生することなく、発光強度の温度による変化を
補償することができて温度変化に対する発光強度の変化
を少なくすることができ、温度分布や周囲温度の変動に
対して安定に動作する光集積素子、光通信システム等を
実現できる。
【0084】このように、従来の光出射面とは反対側に
反射率の波長依存性を有する反射器を用いたものでは、
活性層が反射器で反射された光を吸収してしまうことに
より、端面発光型発光ダイオードでは光の強度及びスペ
クトルの温度による変化を補償するという効果が小さか
ったが、第4実施例では、積層端面上に多層透過膜59
を形成したことにより、端面発光型発光ダイオードでも
高い温度特性の改善効果が得られる。
【0085】また、第4実施例は、請求項8記載の発明
の実施例であって、動作温度の上昇によって発光強度が
低下し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇
によって長波長側に移動する特性を有する発光層として
の活性層54と、この発光層54からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜60,61を順次に積層してなる多層透過膜59とを
有し、該多層透過膜59を通して外部に光を照射する半
導体発光素子において、多層透過膜59は、発光層54
から放射される光の中心波長よりも長波長側で高い透過
率となる透過率の発光波長依存性を有し、発光層54か
らの光を外部へ放射する光出射部が積層端面であって該
積層端面上に多層透過膜54を形成したので、デバイス
の寿命が短く信頼性に乏しいという問題を発生すること
なく、発光強度の温度による変化を補償することができ
て温度変化に対する発光強度の変化を少なくすることが
でき、温度分布や周囲温度の変動に対して安定に動作す
る光集積素子、光通信システム等を実現できる。
【0086】また、第4実施例は、請求項9記載の発明
の実施例であって、動作温度の上昇によって発光強度が
低下し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇
によって長波長側に移動する特性を有する発光層として
の活性層54と、この発光層54からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜60,61を順次に積層してなる多層透過膜59とを
有し、該多層透過膜59を通して外部に光を照射する半
導体発光素子において、多層透過膜59は、透過率の発
光波長依存性における極小値であって波長λ1の光に対
して透過率が極小となる値Y1と、この極小値Y1と隣合
う極値であって波長λ2(λ2>λ1)の光に対して透過
率が極大となる値Y2との間に発光層54の発光波長λ0
が入ってλ1<λ0<λ2となるようにλ1を選んで各層の
厚さがそのλ1に対して4分の1波長となるように構成
し、発光層54からの光を外部へ放射する光出射部が積
層端面であって該積層端面上に多層透過膜59を形成し
たので、デバイスの寿命が短く信頼性に乏しいという問
題を発生することなく、発光強度の温度による変化を補
償することができて温度変化に対する発光強度の変化を
少なくすることができ、温度分布や周囲温度の変動に対
して安定に動作する光集積素子、光通信システム等を実
現できる。
【0087】本発明の第5実施例は、請求項7,8,9
記載の発明の他の実施例であり、端面発光型発光ダイオ
ードからなる半導体発光素子の例である。この第5実施
例の第4実施例と違うところは、多層透過膜59の各層
の厚さである。第5実施例では、屈折率n=1.46の
SiO2からなる層60と、屈折率n=2.4のTiO2
からなる層61とを交互に積層して多層透過膜59を形
成しているが、この多層透過膜59は、スパッタ法等に
より、初めにSiO2からなる層60を925Å積み、
次にTiO2からなる層61を563Å積み、これを交
互に合計3ペア積層している。
【0088】この第5実施例の端面発光型発光ダイオー
ドでは、多層透過膜59が無い場合の発光特性は、第4
実施例において多層透過膜59が無い場合の発光特性と
同様である。図16は本実施例において上述した条件の
多層透過膜59の発光波長に対する透過率の計算結果を
示す。多層透過膜59は活性層54から放射される光の
ピーク波長よりも長波長側で高い透過率を持っている。
このように、第5実施例では、その発光波長よりも短波
長側に透過率の極小値が来て発光波長よりも長波長側に
透過率の極大値が来るように多層透過膜59の材料及び
膜厚、屈折率を選んでいる。つまり、多層透過膜59の
膜厚は発光波長よりも幾分短い波長に対して4分の1波
長となるようにしてある。
【0089】そして、第5実施例において第4実施例と
違うところは多層透過膜59の透過率が第4実施例に比
べて高くなるように設定されていることである。つま
り、発光波長が透過率の極大値に近いことである。第5
実施例では、第4実施例に比べて全般に透過率が高いの
で、光出力が高い。ただし、第5実施例では、第4実施
例に比べて、透過率の変化率は小さくなるので、温度特
性の改善効果は小さい。このような第5実施例は、おも
に、高い光出力が必要であって、ある程度の温度特性の
改善効果があれば良いような場合に適用される。このよ
うに多層透過膜59の各層の厚さは用途に応じて選べば
良い。第5実施例では、上述した第4実施例と同様な効
果が得られる。
【0090】図17は本発明の第6実施例を示す。この
第6実施例は、請求項10,11記載の発明の実施例で
あり、端面発光型発光ダイオードからなる半導体発光素
子の例である。この端面発光型発光ダイオードは、n型
GaAsからなる基板62の上にMOCVD法等を用い
てn型GaAsからなるバッファ層63、n型Al0. 45
Ga0.55Asからなるクラッド層64、発光層であるA
0.19Ga0.81Asからなる活性層65、p型Al0.45
Ga0.55Asからなるクラッド層66、p型GaAsか
らなるコンタクト層67が順次に積層されており、ダブ
ルヘテロ構造となっている。
【0091】また、コンタクト層67上にはp側電極6
8が形成され、基板62の下側にはn側電極69が形成
されている。このような端面発光型発光ダイオードの本
体は、おもに、へきかい法等により得られた光出射端面
から室温で波長745nmの発光が得られる。この端面
発光型発光ダイオードの本体は光出射端面となる積層端
面上に多層透過膜70が形成され、この多層透過膜70
は温度が上昇して端面発光型発光ダイオードの本体の発
光波長が長波長側にシフトした時に透過率が上昇するよ
うに材料とその膜厚及び屈折率が選ばれている。
【0092】すなわち、第6実施例では、第1実施例と
同様に、多層膜70は図2に示すように波長対透過率特
性曲線が波打っており、波長λ1で透過率が極小値Y1
なって波長λ1より長い波長λ2で透過率が極大値Y2
とる。この場合、端面発光型発光ダイオードが実際に使
われている温度範囲で本体の発光波長がλ1からλ2まで
の間にある。そして、温度が上昇して光出力の中心波長
λ0が長波長側にシフトした時に光出力に対する多層透
過膜70の透過率が高くなり、発光強度の温度依存性が
補償されることになる。つまり、多層透過膜70は、発
光強度の温度依存性を補償するために、光出力の中心波
長がλ0である端面発光型発光ダイオードの本体に対し
てλ0がλ1からλ2までの間に入るようなλ1を選んで各
層の厚さをそのλ1に対して4分の1波長となるように
決めている。
【0093】この第6施例では、具体的には屈折率n=
1.46のSiO2からなる層71と、屈折率n=2.
4のTiO2からなる層72とを交互に積層してN層の
多層薄膜からなる多層透過膜70を形成している。すな
わち、多層透過膜70は、スパッタ法等により、初めに
SiO2からなる層71を947Å積み、次にTiO2
らなる層72を579Å積み、これを交互に合計3ペア
積層している。
【0094】更に、端面発光型発光ダイオードの本体に
おける光出射端面とは反対側の積層端面上には多層反射
膜73が形成され、この多層反射膜73は温度が上昇し
て端面発光型発光ダイオードの本体の発光波長が長波長
側にシフトした時に反射率が上昇するように材料とその
膜厚及び屈折率が選ばれている。具体的には、第6実施
例では、屈折率n=1.46のSiO2からなる層74
と、屈折率n=2.4のTiO2からなる層75とを交
互に積層して多層反射膜73を形成している。すなわ
ち、多層反射膜73は、スパッタ法等により、初めにS
iO2からなる層74を1536Å積み、次にTiO2
らなる層75を938Å積み、これを交互に合計3ペア
積層している。
【0095】この第6実施例では、活性層65からの光
は、多層透過膜70を通して光出射端面から外部に放射
されるとともに、多層反射膜73で反射されて活性層6
5および多層透過膜70を通して光出射端面から外部に
放射される。また、第6実施例の端面発光型発光ダイオ
ードでは、多層透過膜70及び多層反射膜73が無い場
合の発光特性は第4実施例と同様に図12及び図13に
示す通りであり、発光出力が図12に示すように温度の
上昇とともに低下する。この端面発光型発光ダイオード
は、活性層65とクラッド層64,66のバンドギャッ
プエネルギー差がそれほど大きくないので、温度依存性
が比較的大きくなる。また、発光スペクトルは発光ピー
クの高さが温度の上昇とともに低下すると同時に発光ス
ペクトル全体が温度の上昇とともに長波長側にシフトす
る。
【0096】第6実施例における上記条件の多層透過膜
70の発光波長に対する透過率の計算結果は図14に示
すようになる。多層透過膜70は活性層65から放射さ
れる光のピーク波長よりも長波長側で高い透過率を持っ
ている。このように多層透過膜70は、その半導体材
料、膜厚および屈折率を端面発光型発光ダイオードの本
体からの光出力のピーク波長よりも短波長側に透過率の
極小値がきて光出力のピーク波長よりも長波長側に透過
率の極大値がくるように選んでいる。つまり、多層透過
膜70は、膜厚が発光ピーク波長よりも幾分短い波長に
対して4分の1となるようにしてある。
【0097】また、本実施例における上記条件の多層反
射膜73の発光波長に対する反射率の計算結果を図18
に示す。多層反射膜73は活性層65から放射される光
のピーク波長よりも長波長側で高い反射率を持ってい
る。このように多層反射膜73は、その半導体材料、膜
厚および屈折率を端面発光型発光ダイオードの本体から
の光出力のピーク波長よりも短波長側に反射率の極小値
がきて光出力のピーク波長よりも長波長側に反射率の極
大値がくるように選んでいる。つまり、多層反射膜73
は、膜厚が発光ピーク波長よりも幾分短い波長に対して
4分の1となるようにしてある。
【0098】この多層透過膜70及び多層反射膜73を
有する第6実施例の発光強度の温度依存性を図19に示
す。第6実施例では、多層反射膜73を形成したために
多層透過膜70と多層反射膜73との相乗効果により温
度特性が第5実施例に比べて更に平坦になっており、温
度上昇による影響が打ち消されていることが分かる。ま
た、波長に対する透過率及び反射率の傾きが更に大きく
なる条件を満たす多層透過膜70及び多層反射膜73を
用いれば、更に温度特性が平坦になる。
【0099】このように、従来の光出射面とは反対側に
反射率の波長依存性を有する反射器を用いたものでは、
活性層が反射器で反射された光を吸収してしまうことに
より、端面発光型発光ダイオードでは光の強度及びスペ
クトルの温度による変化を補償するという効果が小さか
ったが、第6実施例では、多層透過膜70及び多層反射
膜73を形成したことにより、端面発光型発光ダイオー
ドでも高い温度特性の改善効果が得られる。もちろん、
端面発光型発光ダイオードだけでなく、面発光型発光ダ
イオードでも多層透過膜及び多層反射膜を形成して同様
な効果を得ることが可能である。
【0100】この第6実施例は、請求項10記載の発明
の実施例であって、請求項7記載の半導体発光素子にお
いて、光出射部となる積層端面とは反対側の積層端面上
に屈折率の異なる複数の薄膜74,75を順次に積層し
てなる多層反射膜73を有し、該多層反射膜73は、発
光層65から放射される光の発光強度が低い時の発光波
長で高い透過率となり、発光層65から放射される光の
発光強度が高い時の発光波長で低い透過率となる透過率
の発光波長依存性を有するので、多層反射膜73による
反射光を利用することができ、第4実施例に比べて温度
変化に対して発光強度の変化が少なくなる。
【0101】また、第6実施例は、請求項11記載の発
明の実施例であって、請求項8,9記載の半導体発光素
子において、光出射部となる積層端面とは反対側の積層
端面上に屈折率の異なる複数の薄膜74,75を順次に
積層してなる多層反射膜73を有し、該多層反射膜73
は、発光層65から放射される光の中心波長よりも長波
長側で高い反射率となる反射率の発光波長依存性を有す
るので、多層反射膜73による反射光を利用することが
でき、第4実施例に比べて温度変化に対して発光強度の
変化が少なくなる。
【0102】図20は本発明の第7実施例を示す。この
第7実施例は、請求項12記載の発明の実施例であり、
端面発光型発光ダイオードからなる半導体発光素子の例
である。この端面発光型発光ダイオードは、n型GaA
sからなる基板76の上にMOCVD法等を用いてn型
GaAsからなるバッファ層77、n型Al0.45Ga
0.55Asからなるクラッド層78、発光層であるAl
0.19Ga0.81Asからなる活性層79、p型Al0.45
0.55Asからなるクラッド層80、p型GaAsから
なるコンタクト層81が順次に積層されており、ダブル
ヘテロ構造となっている。このようなエピウエハはレジ
スト等をエッチングマスクとして塩素ガス等をエッチン
グガスに用いたドライエッチング法等により、突起状の
端面発光型発光ダイオードウエハに形成している。
【0103】この端面発光型発光ダイオードウエハはド
ライエッチング法等により光出射端面となる積層端面が
形成されて端面発光型発光ダイオードの本体となり、こ
の本体は光出射端面から室温で波長745nmの発光が
得られる。この端面発光型発光ダイオードの本体は光出
射端面およびこれとは反対側の積層端面上に多層膜8
2,83が形成され、この多層膜82,83は温度が上
昇して端面発光型発光ダイオードの本体の発光波長が長
波長側にシフトした時に透過率が上昇するように材料と
その膜厚及び屈折率が選ばれている。多層膜82は多層
透過膜となって多層膜83は多層反射膜の一部となり、
活性層79からの光は、多層透過膜82を通して光出射
端面から外部に放射されるとともに、多層反射膜で反射
されて活性層79および多層透過膜82を通して光出射
端面から外部に放射される。
【0104】すなわち、第7実施例では、第1実施例と
同様に、多層膜82,83は図2に示すように波長対透
過率特性曲線が波打っており、波長λ1で透過率が極小
値Y1となって波長λ1より長い波長λ2で透過率が極大
値Y2をとる。この場合、端面発光型発光ダイオードが
実際に使われている温度範囲で本体の発光波長がλ1
らλ2までの間にある。そして、温度が上昇して光出力
の中心波長λ0が長波長側にシフトした時に光出力に対
する多層膜82,83の透過率が高くなり、発光強度の
温度依存性が補償されることになる。つまり、多層膜8
2,83は、発光強度の温度依存性を補償するために、
光出力の中心波長がλ0である端面発光型発光ダイオー
ドの本体に対してλ0がλ1からλ2までの間に入るよう
なλ1を選んで各層の厚さをそのλ1に対して4分の1波
長となるように決めている。
【0105】この第7施例では、具体的には屈折率n=
1.46のSiO2からなる層84と、屈折率n=2.
4のTiO2からなる層85とを交互に積層してN層の
多層薄膜からなる多層膜82,83を形成している。す
なわち、多層膜82,83は、プラズマCVD法等によ
り、突起状の端面発光型発光ダイオードウエハ上に、初
めにSiO2からなる層84を947Å積み、次にTi
2からなる層85を578Å(それぞれ積層端面上で
の厚さ)積み、これを交互に合計3ペア積層している。
この場合、多層膜82,83は端面発光型発光ダイオー
ドウエハの積層端面以外の平面部にも積層される。
【0106】そして、コンタクト層81上の多層膜の一
部にコンタクトホール86が開けられてそこにp側電極
87が形成され、光出射端面上の多層膜82が多層透過
膜となって光出射端面とは反対側の積層端面上の多層膜
83が多層反射膜の一部となる。多層膜83上にはAl
膜(金属膜)89が形成され、この多層膜83およびA
l膜89により多層反射膜が形成されている。更に、基
板76の下側にはn側電極88が形成されている。もち
ろん、上記金属膜89はAl膜でなくてもかまわない。
また、p側電極87はコンタクト層81とオーミックな
接触が得られない場合などには別途電極を形成してもか
まわない。
【0107】この第7実施例の端面発光型発光ダイオー
ドでは、多層透過膜82及び多層反射膜83が無い場合
の発光特性は第4実施例と同様に図12及び図13に示
す通りであり、発光出力が図12に示すように温度の上
昇とともに低下する。この端面発光型発光ダイオード
は、活性層79とクラッド層78,80のバンドギャッ
プエネルギー差がそれほど大きくないので、温度依存性
が比較的大きくなる。また、発光スペクトルは発光ピー
クの高さが温度の上昇とともに低下すると同時に発光ス
ペクトル全体が温度の上昇とともに長波長側にシフトす
る。
【0108】第7実施例における上記条件の多層透過膜
82の発光波長に対する透過率の計算結果は図14に示
すようになる。多層透過膜82は活性層79から放射さ
れる光のピーク波長λ0よりも長波長側で高い透過率を
持っている。このように多層透過膜82は、材料、膜厚
および屈折率を端面発光型発光ダイオードの本体からの
光出力のピーク波長よりも短波長側に透過率の極小値が
きて光出力の中心波長よりも長波長側に透過率の極大値
がくるように選んでいる。つまり、多層透過膜82は、
膜厚が発光ピーク波長よりも幾分短い波長に対して4分
の1となるようにしてある。
【0109】また、本実施例における上記条件の多層反
射膜83の発光波長に対する反射率は多層反射膜83を
形成する誘電体多層膜の透過率が高いほど高くなるの
で、多層反射膜83は活性層79から放射される光のピ
ーク波長よりも長波長側で高い反射率を持っている。こ
のように多層透過膜82及び多層反射膜83を有する第
7実施例の発光強度の温度依存性は、第6実施例と同様
な作用により、第4実施例に比べて平坦になる。
【0110】このように、従来の光出射面とは反対側に
反射率の波長依存性を有する反射器を用いたものでは、
活性層が反射器で反射された光を吸収してしまうことに
より、端面発光型発光ダイオードでは光の強度及びスペ
クトルの温度による変化を補償するという効果が小さか
ったが、第7実施例では、多層透過膜82及び多層反射
膜83を形成したことにより、端面発光型発光ダイオー
ドでも高い温度特性の改善効果が得られる。更に、多層
反射膜83は、多層透過膜82と同様の多層膜84,8
5上に金属膜89を積層して構成しているので、金属膜
89以外を同時に形成可能である。また、多層透過膜8
2と同じ多層膜84,85上の金属膜89(多層反射膜
83の一部)をp側電極87と同時に形成することが可
能である。このため、温度変化に対して発光強度の変化
の少ない半導体発光素子を容易に作製することができ
る。
【0111】このように第7実施例は、請求項12記載
の発明の実施例であって、請求項7,8または9記載の
半導体発光素子において、光出射部となる積層端面とは
反対側の積層端面上に多層透過膜82と同様な多層膜8
4,85上に金属膜89を積層してなる多層反射膜83
を有するので、多層反射膜83による反射光を利用する
ことができ、温度変化に対して発光強度の変化が少なく
なる。さらに、金属膜89以外は多層透過膜82と多層
反射膜83を同時に形成可能となる。
【0112】図21は本発明の第8実施例を示す。この
第8実施例は、請求項13記載の発明の実施例であり、
半導体発光ダイオードアレイチップからなる半導体発光
素子アレイチップの例である。この第8実施例は、64
ビット分の半導体発光ダイオードからなる半導体発光素
子911〜9164を一列にモノリシックに並べた半導体
発光ダイオードアレイチップ92であり、半導体発光ダ
イオード911〜916 4は上記第1実施例乃至第7実施
例のいずれかと同様なものである。また、第8実施例
は、半導体発光ダイオード911〜9164の個別電極9
1〜9364がそれぞれメタル配線941〜9464により
ワイヤボンディングパット951〜9564に接続されて
いる。
【0113】このように、第8実施例は、請求項13記
載の発明の実施例であって、請求項1〜12のいずれか
に記載の温度変化に対して発光強度の少ない半導体発光
ダイオード911〜9164がモノリシックに並んでいる
ので、半導体発光ダイオード911〜9164は互いに他
の素子が動作することによって生ずる発熱の影響が小さ
い。つまり、チップ92内に温度分布が生じてもチップ
92内の発光出力の分布を小さくすることができ、温度
変化に対して発光強度の少なく、発光強度分布の少ない
均一な半導体発光ダイオードアレイチップ92を得るこ
とができる。この半導体発光ダイオードアレイチップ9
2の応用例として例えば半導体発光ダイオードアレイチ
ップ92をアレイ状に並べてプリンタヘッドを構成すれ
ば、印字品質や記録濃度の均一な印字が可能となるプリ
ンタを実現できる。
【0114】上記第1実施例乃至第8実施例のAlGa
As系半導体発光素子は多層透過膜が無い場合に高温で
光出力が低下して発光波長が長波長側に移動するような
発光強度と発光スペクトルの温度依存性を有するデバイ
スの一例に過ぎず、発光強度と発光スペクトルに温度依
存性を有するデバイスであればどのような温度依存性を
有していても本発明を適用することができる。また、他
の構造のデバイス、他の材料のデバイスにも同様に本発
明を適用することができる。
【0115】また、本発明の多層透過膜については、例
えば上記実施例のように温度上昇時に発光波長が長波長
側にシフトして発光強度が低下するようなデバイスにお
いては長波長側で透過率が上昇するように設計すればよ
い。また、上記実施例の多層透過膜は厚さと屈折率の違
う2種類の材料をペアとして繰り返して形成した例であ
るが、多層透過膜は同じものを繰り返して形成せずに厚
さと屈折率の違う物を重ねるようにしてもよい。つま
り、デバイスの発光波長に対して透過性がある屈折率の
違う2種類以上の材料を選び、その厚さもそれぞれ適切
に選んで多層透過膜として半導体発光素子の光出射面上
に積層すればよい。また、デバイスの発光強度の温度依
存性が大きい場合は波長対透過率特性曲線の傾きが大き
くなる条件で材料およびその厚さを選んで多層透過膜と
して半導体発光素子の光出射面上に積層すればよい。
【0116】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、発光強度及び発光波長の中心が温度に依存して変化
する特性を有する発光層と、この発光層からの光を外部
へ放射する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複
数の薄膜を順次に積層してなる多層透過膜とを有し、該
多層透過膜を通して外部に光を照射する半導体発光素子
において、前記多層透過膜は、前記発光層から放射され
る光の発光強度が低い時の発光波長で高い透過率とな
り、前記発光層から放射される光の発光強度が高い時の
発光波長で低い透過率となる透過率の発光波長依存性を
有する半導体膜であるので、デバイスの寿命が短く信頼
性に乏しいという問題を発生することなく、発光強度の
温度による変化を補償することができ、温度変化に対す
る発光強度の変化が少なくなる。更に、多層透過膜が半
導体膜であることにより、電極を多層透過膜の上に形成
できるなど、多層透過膜の形成位置の制約が少なくてデ
バイスの材料及び構造によらず、面発光型及び端面発光
型を問わずに様々なデバイスに適用できる。
【0117】請求項2記載の発明によれば、動作温度の
上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中
心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特
性を有する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜を順次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透
過膜を通して外部に光を照射する半導体発光素子におい
て、前記多層透過膜は、前記発光層から放射される光の
中心波長よりも長波長側で高い透過率となる透過率の発
光波長依存性を有する半導体膜であるので、デバイスの
寿命が短く信頼性に乏しいという問題を発生することな
く、温度上昇による発光強度の低下を補償することがで
きる。更に、多層透過膜が半導体膜であることにより、
電極を多層透過膜の上に形成できるなど、多層透過膜の
形成位置の制約が少なくてデバイスの材料及び構造によ
らず、面発光型及び端面発光型を問わずに様々なデバイ
スに適用できる。
【0118】請求項3記載の発明によれば、動作温度の
上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中
心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特
性を有する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜を順次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透
過膜を通して外部に光を照射する半導体発光素子におい
て、前記多層透過膜は、透過率の発光波長依存性におけ
る極小値であって波長λ1の光に対して透過率が極小と
なる値Y1と、この極小値Y1と隣合う極値であって波長
λ2(λ2>λ1)の光に対して透過率が極大となる値Y2
との間に前記発光層の発光波長λ0が入ってλ1<λ0
λ2となるようにλ1を選んで各層の厚さがλ1に対して
4分の1波長となるように構成した半導体膜であるの
で、デバイスの寿命が短く信頼性に乏しいという問題を
発生することなく、温度上昇による発光強度の低下を補
償することができる。更に、多層透過膜が半導体膜であ
ることにより、電極を多層透過膜の上に形成できるな
ど、多層透過膜の形成位置の制約が少なくてデバイスの
材料及び構造によらず、面発光型及び端面発光型を問わ
ずに様々なデバイスに適用できる。
【0119】請求項4記載の発明によれば、請求項1,
2または3記載の半導体発光素子において、前記多層透
過膜が前記発光層に対して基板と反対側となるように前
記発光層及び前記多層透過膜を前記基板上に積層したの
で、温度上昇による発光強度の低下を補償することがで
きる。
【0120】請求項5記載の発明によれば、請求項1,
2または3記載の半導体発光素子において、前記多層透
過膜が前記発光層に対して基板と同じ側となるように前
記発光層及び前記多層透過膜を前記基板上に積層したの
で、温度上昇による発光強度の低下を補償することがで
きる。
【0121】請求項6記載の発明によれば、請求項1,
2,3,4または5記載の半導体発光素子において、前
記多層透過膜を構成する各半導体膜は1原子層づつ成長
させる原子層成長法により形成したものであるので、歩
留まりが良く、多層透過膜を膜厚制御性良く形成するこ
とができて温度変化に対して発光強度の変化が少なくな
る。
【0122】請求項7記載の発明によれば、発光強度及
び発光波長の中心が温度に依存して変化する特性を有す
る発光層と、この発光層からの光を外部へ放射する光出
射部にモノシリックに屈折率の異なる複数の薄膜を順次
に積層してなる多層透過膜とを有し、前記多層透過膜を
通して外部に光を照射する半導体発光素子において、前
記多層透過膜は、前記発光層から放射される光の発光強
度が低い時の発光波長で高い透過率となり、前記発光層
から放射される光の発光強度が高い時の発光波長で低い
透過率となる透過率の発光波長依存性を有し、前記発光
層からの光を外部へ放射する光出射部が積層端面であっ
て該積層端面上に前記多層透過膜を形成したので、デバ
イスの寿命が短く信頼性に乏しいという問題を発生する
ことなく、発光強度の温度による変化を補償することが
でき、発光強度の変化が少なくなる。更に、多層透過膜
が半導体膜であることにより、電極を多層透過膜の上に
形成できるなど、多層透過膜の形成位置の制約が少なく
てデバイスの材料及び構造によらずに様々なデバイスに
適用できる。
【0123】請求項8記載の発明によれば、動作温度の
上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中
心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特
性を有する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜を順次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透
過膜を通して外部に光を照射する半導体発光素子におい
て、前記多層透過膜は、前記発光層から放射される光の
中心波長よりも長波長側で高い透過率となる透過率の発
光波長依存性を有し、前記発光層からの光を外部へ放射
する光出射部が積層端面であって該積層端面上に前記多
層透過膜を形成したので、デバイスの寿命が短く信頼性
に乏しいという問題を発生することなく、温度上昇によ
る発光強度の低下を補償することができる。更に、多層
透過膜が半導体膜であることにより、電極を多層透過膜
の上に形成できるなど、多層透過膜の形成位置の制約が
少なくてデバイスの材料及び構造によらずに様々なデバ
イスに適用できる。
【0124】請求項9記載の発明によれば、動作温度の
上昇によって発光強度が低下し、且つ、放射する光の中
心波長が動作温度の上昇によって長波長側に移動する特
性を有する発光層と、この発光層からの光を外部へ放射
する光出射部にモノリシックに屈折率の異なる複数の薄
膜を順次に積層してなる多層透過膜とを有し、該多層透
過膜を通して外部に光を照射する半導体発光素子におい
て、前記多層透過膜は、透過率の発光波長依存性におけ
る極小値であって波長λ1の光に対して透過率が極小と
なる値Y1と、この極小値Y1と隣合う極値であって波長
λ2(λ2>λ1)の光に対して透過率が極大となる値Y2
との間に前記発光層の発光波長λ0が入ってλ1<λ0
λ2となるようにλ1を選んで各層の厚さがλ1に対して
4分の1波長となるように構成し、前記発光層からの光
を外部へ放射する光出射部が積層端面であって該積層端
面上に前記多層透過膜を形成したので、デバイスの寿命
が短く信頼性に乏しいという問題を発生することなく、
温度上昇による発光強度の低下を補償することができ
る。更に、多層透過膜が半導体膜であることにより、電
極を多層透過膜の上に形成できるなど、多層透過膜の形
成位置の制約が少なくてデバイスの材料及び構造によら
ずに様々なデバイスに適用できる。
【0125】請求項10記載の発明によれば、請求項7
記載の半導体発光素子において、光出射部となる積層端
面とは反対側の積層端面上に屈折率の異なる複数の薄膜
を順次に積層してなる多層反射膜を有し、該多層反射膜
は、前記発光層から放射される光の発光強度が低い時の
発光波長で高い反射率となり、前記発光層から放射され
る光の発光強度が高い時の発光波長で低い反射率となる
反射率の発光波長依存性を有するので、多層反射膜によ
る反射光を利用することができ、温度変化に対して発光
強度の変化が少なくなる。
【0126】請求項11記載の発明によれば、請求項
8,9記載の半導体発光素子において、光出射部となる
積層端面とは反対側の積層端面上に屈折率の異なる複数
の薄膜を順次に積層してなる多層反射膜を有し、該多層
反射膜は、前記発光層から放射される光の中心波長より
も長波長側で高い反射率となる反射率の発光波長依存性
を有するので、多層反射膜による反射光を利用すること
ができ、温度変化に対して発光強度の変化が少なくな
る。
【0127】請求項12記載の発明によれば、請求項
7,8または9記載の半導体発光素子において、光出射
部となる積層端面とは反対側の積層端面上に前記多層透
過膜と同様な多層膜上に金属膜を積層してなる多層反射
膜を有するので、多層反射膜による反射光を利用するこ
とができ、温度変化に対して発光強度の変化が少なくな
る。さらに、金属膜以外は多層透過膜と多層反射膜を同
時に形成可能となる。
【0128】請求項13記載の発明によれば、請求項
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11また
は12記載の半導体発光素子をモノリシックに並べたの
で、各半導体発光素子は他の素子の動作による発熱の影
響が小さく、チップ内に温度分布が生じてもチップ内の
光出力の分布が小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】多層膜の透過率を求めた時の概念図である。
【図3】同第1実施例で多層透過膜が無い場合の温度対
光出力特性を示す特性曲線図である。
【図4】同第1実施例で多層透過膜が無い場合の温度対
ピーク波長特性を示す特性曲線図である。
【図5】同第1実施例における多層透過膜の発光波長に
対する透過率の計算結果を示す図である。
【図6】多層透過膜の膜厚を最適値、最適値±10%と
した例での発光波長に対する透過率の計算結果を示す図
である。
【図7】上記第1実施例において活性層から多層透過膜
を通して放射される光の発光強度の温度依存性を示す特
性曲線図である。
【図8】本発明の第2実施例における多層透過膜の発光
波長に対する透過率の計算結果を示す図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図10】従来の半導体発光素子を示す断面図である。
【図11】本発明の第4実施例を示す断面図である。
【図12】同第4実施例の端面発光型発光ダイオードで
多層透過膜が無い場合の温度対光出力特性を示す特性曲
線図である。
【図13】同第4実施例の端面発光型発光ダイオードで
多層透過膜が無い場合の温度対ピーク波長特性を示す特
性曲線図である。
【図14】同第4実施例における多層透過膜の発光波長
に対する透過率の計算結果を示す図である。
【図15】同第4実施例において活性層から多層透過膜
を通して放射される光の発光強度の温度依存性を示す特
性曲線図である。
【図16】本発明の第5実施例における多層透過膜の発
光波長に対する透過率の計算結果を示す図である。
【図17】本発明の第6実施例を示す断面図である。
【図18】同第6実施例における多層反射膜の発光波長
に対する反射率の計算結果を示す図である。
【図19】同第6実施例の発光強度の温度依存性を示す
特性曲線図である。
【図20】本発明の第7実施例を示す断面図である。
【図21】本発明の第8実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
21,32 基板 23,25,37,39,53,55,64,66,7
8,80 クラッド層 24,38,54,65,79 活性層 27,36,59,70,82 多層透過膜 73,83 多層反射膜 911〜9164 半導体発光素子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光強度及び発光波長の中心が温度に依存
    して変化する特性を有する発光層と、この発光層からの
    光を外部へ放射する光出射部にモノリシックに屈折率の
    異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層透過膜とを
    有し、該多層透過膜を通して外部に光を照射する半導体
    発光素子において、前記多層透過膜は、前記発光層から
    放射される光の発光強度が低い時の発光波長で高い透過
    率となり、前記発光層から放射される光の発光強度が高
    い時の発光波長で低い透過率となる透過率の発光波長依
    存性を有する半導体膜であることを特徴とする半導体発
    光素子。
  2. 【請求項2】動作温度の上昇によって発光強度が低下
    し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇によ
    って長波長側に移動する特性を有する発光層と、この発
    光層からの光を外部へ放射する光出射部にモノリシック
    に屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層
    透過膜とを有し、該多層透過膜を通して外部に光を照射
    する半導体発光素子において、前記多層透過膜は、前記
    発光層から放射される光の中心波長よりも長波長側で高
    い透過率となる透過率の発光波長依存性を有する半導体
    膜であることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 【請求項3】動作温度の上昇によって発光強度が低下
    し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇によ
    って長波長側に移動する特性を有する発光層と、この発
    光層からの光を外部へ放射する光出射部にモノリシック
    に屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層
    透過膜とを有し、該多層透過膜を通して外部に光を照射
    する半導体発光素子において、前記多層透過膜は、透過
    率の発光波長依存性における極小値であって波長λ1
    光に対して透過率が極小となる値Y1と、この極小値Y1
    と隣合う極値であって波長λ2(λ2>λ1)の光に対し
    て透過率が極大となる値Y2との間に前記発光層の発光
    波長λ0が入ってλ1<λ0<λ2となるようにλ1を選ん
    で各層の厚さがλ1に対して4分の1波長となるように
    構成した半導体膜であることを特徴とする半導体発光素
    子。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3記載の半導体発光素
    子において、前記多層透過膜が前記発光層に対して基板
    と反対側となるように前記発光層及び前記多層透過膜を
    前記基板上に積層したことを特徴とする半導体発光素
    子。
  5. 【請求項5】請求項1,2または3記載の半導体発光素
    子において、前記多層透過膜が前記発光層に対して基板
    と同じ側となるように前記発光層及び前記多層透過膜を
    前記基板上に積層したことを特徴とする半導体発光素
    子。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5記載の半導
    体発光素子において、前記多層透過膜を構成する各半導
    体膜は1原子層づつ成長させる原子層成長法により形成
    したものであることを特徴とする半導体発光素子。
  7. 【請求項7】発光強度及び発光波長の中心が温度に依存
    して変化する特性を有する発光層と、この発光層からの
    光を外部へ放射する光出射部にモノシリックに屈折率の
    異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層透過膜とを
    有し、前記多層透過膜を通して外部に光を照射する半導
    体発光素子において、前記多層透過膜は、前記発光層か
    ら放射される光の発光強度が低い時の発光波長で高い透
    過率となり、前記発光層から放射される光の発光強度が
    高い時の発光波長で低い透過率となる透過率の発光波長
    依存性を有し、前記発光層からの光を外部へ放射する光
    出射部が積層端面であって該積層端面上に前記多層透過
    膜を形成したことを特徴とする半導体発光素子。
  8. 【請求項8】動作温度の上昇によって発光強度が低下
    し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇によ
    って長波長側に移動する特性を有する発光層と、この発
    光層からの光を外部へ放射する光出射部にモノリシック
    に屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層
    透過膜とを有し、該多層透過膜を通して外部に光を照射
    する半導体発光素子において、前記多層透過膜は、前記
    発光層から放射される光の中心波長よりも長波長側で高
    い透過率となる透過率の発光波長依存性を有し、前記発
    光層からの光を外部へ放射する光出射部が積層端面であ
    って該積層端面上に前記多層透過膜を形成したことを特
    徴とする半導体発光素子。
  9. 【請求項9】動作温度の上昇によって発光強度が低下
    し、且つ、放射する光の中心波長が動作温度の上昇によ
    って長波長側に移動する特性を有する発光層と、この発
    光層からの光を外部へ放射する光出射部にモノリシック
    に屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層
    透過膜とを有し、該多層透過膜を通して外部に光を照射
    する半導体発光素子において、前記多層透過膜は、透過
    率の発光波長依存性における極小値であって波長λ1
    光に対して透過率が極小となる値Y1と、この極小値Y1
    と隣合う極値であって波長λ2(λ2>λ1)の光に対し
    て透過率が極大となる値Y2との間に前記発光層の発光
    波長λ0が入ってλ1<λ0<λ2となるようにλ1を選ん
    で各層の厚さがλ1に対して4分の1波長となるように
    構成し、前記発光層からの光を外部へ放射する光出射部
    が積層端面であって該積層端面上に前記多層透過膜を形
    成したことを特徴とする半導体発光素子。
  10. 【請求項10】請求項7記載の半導体発光素子におい
    て、光出射部となる積層端面とは反対側の積層端面上に
    屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層反
    射膜を有し、該多層反射膜は、前記発光層から放射され
    る光の発光強度が低い時の発光波長で高い反射率とな
    り、前記発光層から放射される光の発光強度が高い時の
    発光波長で低い反射率となる反射率の発光波長依存性を
    有することを特徴とする半導体発光素子。
  11. 【請求項11】請求項8,9記載の半導体発光素子にお
    いて、光出射部となる積層端面とは反対側の積層端面上
    に屈折率の異なる複数の薄膜を順次に積層してなる多層
    反射膜を有し、該多層反射膜は、前記発光層から放射さ
    れる光の中心波長よりも長波長側で高い反射率となる反
    射率の発光波長依存性を有することを特徴とする半導体
    発光素子。
  12. 【請求項12】請求項7,8または9記載の半導体発光
    素子において、光出射部となる積層端面とは反対側の積
    層端面上に前記多層透過膜と同様な多層膜上に金属膜を
    積層してなる多層反射膜を有することを特徴とする半導
    体発光素子。
  13. 【請求項13】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11または12記載の半導体発光素子を
    モノリシックに並べたことを特徴とする半導体発光素子
    アレイチップ。
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