JPH08235637A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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Publication number
JPH08235637A
JPH08235637A JP7302728A JP30272895A JPH08235637A JP H08235637 A JPH08235637 A JP H08235637A JP 7302728 A JP7302728 A JP 7302728A JP 30272895 A JP30272895 A JP 30272895A JP H08235637 A JPH08235637 A JP H08235637A
Authority
JP
Japan
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wavelength
layer
optical
recording
recording medium
Prior art date
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Pending
Application number
JP7302728A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Umehara
英樹 梅原
Masatoshi Yanagimachi
昌俊 柳町
Yoshiteru Taniguchi
義輝 谷口
Sumio Hirose
純夫 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP7302728A priority Critical patent/JPH08235637A/ja
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 基板上に記録層、光干渉層、反射層及
び保護層を有する光記録媒体において、該記録層と光干
渉層が有機色素を主成分とする層であり、波長λ1のレ
ーザー光を用いて記録及び/又は再生が可能であり、波
長λ1より短波長側の波長λ2のレーザー光を用いて記
録及び/又は再生が可能であり、かつ、記録層の屈折率
が波長λ1で1.8以上、λ2で1.0以上、消衰係数
がλ1で0.04〜0.20、λ2で0.04〜0.
6、および光干渉層の屈折率が波長λ1で1.5以上、
λ2で1.7以上、消衰係数がλ1で0.02〜0.1
5、λ2で0.04〜0.25であることを特徴とする
光記録媒体。 【効果】 波長620〜690nmの赤色レーザーで
記録及び/又は再生可能で、且つ、770〜830nm
から選ばれるレーザーで記録及び/又は再生可能なCD
規格に準拠した互換性のある光記録媒体が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体、特に
複数のレーザー波長に対して記録及び又は再生可能な光
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(以下、CDと略
す)規格に対応した追記型光記録媒体としてCD−R
(CD−Recordable)が提案・開発されてい
る[例えば、日経エレクトロニクス No. 465,
P.107, 1989年1月23日号、OPTICAL DA
TA STORAGE DIGEST SERIES vol.1 P45, 1989 等]。こ
のCD−Rは、〔図1〕に示すように、透明樹脂基板1
上に記録層2、反射層3、保護層4がこの順で積層され
ており、該記録層に高パワーのレーザー光を照射するこ
とにより、記録層が物理的あるいは化学的変化を起こ
し、ピットの形で情報を記録する。形成されたピット部
位に、低パワーのレーザー光を照射し、反射率の変化を
検出することによりピットの情報を再生することができ
る。このような光記録媒体の記録・再生には一般に、波
長770〜830nmの近赤外半導体レーザーを用いて
おり、レッドブックやオレンジブック等のCDの規格に
準拠しているため、CDプレーヤーやCD−ROMプレ
ーヤーと互換性を有するという特徴を有する。
【0003】最近、770nmよりも短波長の半導体レ
ーザーの開発が進み、波長680nm及び630nmの
の赤色半導体レーザーが実用化されている[例えば、日
経エレクトロニクス、No.592、P.65、199
3 年10月11日号]。このように、記録・再生用レ
ーザーの短波長化によりビームスポットを小さくするこ
とで、高密度な光記録媒体が可能になる。実際にも、半
導体レーザーの短波長化とデータ圧縮技術などにより、
動画を長時間記録できる大容量の光記録媒体及びプレー
ヤーが検討されている[例えば、日経エレクトロニク
ス、No.589、P.55、1993年8月30日
号、No.594、P.169、1993年11月8日
号]。630nmよりさらに短波長の490nmの青/
緑色半導体レーザーも研究されているが、まだ実用化の
段階まで至っていない[例えば、Applied Ph
ysics Letter,P.1272−1274,
Vol.59(1991)や『日経エレクトロニクス』
No.552,P.90,1992年4月27日号]。
【0004】しかしながら、このような赤色レーザーを
用いた高密度光記録媒体及びプレーヤーが検討されて
も、ソフトの継続性の観点からも、既に大量に普及して
いる従来のシステムとの互換性を無視することはできな
い。即ち、赤色レーザーで記録及び/又は再生が可能
で、且つ、従来の780nm近赤外半導体レーザーでの
記録及び/又は再生が可能であるという互換性のある光
記録媒体が必要となる。
【0005】従来のCDやCD−ROM媒体は反射率に
関して波長依存性が少なく、高密度対応プレーヤーで容
易に再生が可能である。一方、従来のCD−R媒体は記
録層に色素を用いているため、光学特性の波長依存性が
大きく、その結果CD−R媒体の反射率が波長によって
大きく変化する。例えば、780nm付近の光に対する
反射率は65%以上有するが、620〜690nmから
選ばれた赤色光に対しては記録層に用いている色素の吸
収が大きく屈折率が小さいため、反射率は10%程度と
小さく、また変調度も小さく、且つ記録波形に大きな歪
が観測される。このように、反射率が10%程度では、
信号の検出が困難になり、検出できてもエラーレートや
ジッターが大きくなり高密度対応再生プレーヤーで再生
することは難しい。また再生光安定性に劣り、同じトラ
ックを数回連続再生しても劣化が生じ、実用に耐えるこ
とが出来ないという問題も生じた。
【0006】二層色素膜を設けた光記録媒体の例とし
て、特開昭58−112794号公報においては、レー
ザービームで変化を生じない高反射率の色素層と、光吸
収能を有する有機物質を順次積層した機能分離記録膜を
提案している。特開昭60−239948号公報では、
高反射率のシアニン色素またはメロシアニン色素と、有
機光吸収層を積層した媒体を提案している。特開昭63
−153192号公報では、異なる光学定数を有する色
素記録層を提案している。特開平1−110193号公
報は、あるレーザー波長に対して透過率・吸収率の異な
る二種の有機色素の積層媒体を提案している。特開平4
−330649号公報は、あるレーザー光に対しての吸
収率または融点の異なる有機二層記録層の積層を提案し
ている。
【0007】しかしながら、これらの提案は、いずれ
も、ある一つの波長のレーザー光に対する反射率、光劣
化、高感度記録、エラー発生率等に対する改良にとどま
るものであって、複数のレーザー光に対して記録・再生
の互換性を有する光記録媒体ではない。また、特開昭6
1−74149号公報は、吸収波長の異なる有機色素を
積層して、ピットの深さ方向の差をつけることで記録容
量を上げることを提案しているが、これも複数のレーザ
ー光に対して記録・再生の互換性を有する光記録媒体で
はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
光記録媒体では記録層に用いている有機色素が、波長6
20〜690nmで吸収が大きく屈折率が小さいため反
射率が低く、波長620〜690nmの赤色レーザーで
の再生が困難であることを見出した。しかして、本発明
の目的は、CD規格を満足する記録再生信号を得ること
ができ、且つ波長620〜690nmの範囲から選択さ
れる赤色レーザーを用いて記録及び/又は再生可能な光
記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下の技術的事項により特定されるものである。
【0010】〔項1〕 基板上に記録層、光干渉層、反
射層及び保護層を有する光記録媒体において、該記録層
と光干渉層が有機色素を主成分とする層であり、波長λ
1のレーザー光を用いて記録及び/又は再生が可能であ
り、波長λ1より短波長側の波長λ2のレーザー光を用
いて記録及び/又は再生が可能であり、かつ、記録層の
屈折率が、波長λ1において1.8以上、λ2において
1.0以上、消衰係数がλ1において0.04〜0.2
0、λ2において0.04〜0.6であり、および、光
干渉層の屈折率が、波長λ1において1.5以上、λ2
において1.7以上、消衰係数がλ1において0.02
〜0.15、λ2において0.04〜0.25であるこ
とを特徴とする光記録媒体。
【0011】〔項2〕 レーザー光の波長λ1が770
〜830nmの範囲から選択され、λ2が620〜69
0nmの範囲から選択される項1記載の光記録媒体。 〔項3〕 記録層の屈折率が、波長λ1において1.9
〜2.7、λ2において1.0〜1.6、消衰係数がλ
1において0.04〜0.16、λ2において0.1〜
0.6、および、光干渉層の屈折率が、波長λ1におい
て1.7〜2.2、λ2において1.8〜2.7、消衰
係数がλ1において0.04〜0.10、λ2において
0.04〜0.15である項1または2記載の光記録媒
体。 〔項4〕 記録層と光干渉層の屈折率及び消衰係
数の平均が、波長λ1においてそれぞれ1.8〜2.
4、0.04〜0.16、λ2においてそれぞれ1.5
〜2.1、0.08〜0.3である項1〜3の何れかに
記載の光記録媒体。
【0012】〔項5〕 波長λ1のレーザー光を用いて
記録及び再生が可能であり、波長λ1より短波長側の波
長λ2のレーザー光を用いて再生が可能である項1〜4
の何れかに記載の光記録媒体。 〔項6〕 基板を通して測定した波長λ1におけるレー
ザー光の反射率が65%以上で、且つ、λ2におけるレ
ーザー光の反射率が15%以上である項1〜5の何れか
に記載の光記録媒体。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様につい
て詳細に説明する。本発明に従えば、上記のような屈折
率および消衰係数を有する異なる有機色素を積層した記
録層と干渉層とすることより、波長620〜690nm
の赤色レーザーで記録及び/又は再生可能で、且つ、7
70〜830nmから選ばれたレーザーで記録及び/又
は再生可能な光記録媒体が実現される。すなわち、それ
ぞれのレーザー波長において光の多重干渉によるエンハ
ンス効果があり、反射率が向上することで、変調度の大
きい記録・再生が可能となる。各膜厚は各波長における
各n、kの値及び各波長でのバランスを考慮し、設定す
ること各波長で大きなエンハンス効果を得ることができ
る。
【0014】本発明でいう波長620〜690nmの赤
色レーザーは680nm、650及び635nm付近の
発振波長の半導体レーザーであり、本発明の光記録媒体
は、この三波長から選択される一波長または複数波長に
おいて記録及び/又は再生可能で、且つ770〜830
nmから選ばれたレーザーで記録及び/又は再生可能で
ある。また、本発明のおいて、記録及び/又は再生可能
とは、その波長で記録及び再生が可能、記録のみ可能、
及び他の波長で記録したものの再生のみ可能の三つの場
合を意味するものである。
【0015】本発明の具体的特定事項について以下に説
明する。本発明において、光記録媒体とは、予め情報を
記録されている再生専用の光再生専用媒体及び情報を記
録してかつ再生することのできる光記録媒体の両方を示
すものである。但し、ここでは適例として後者の情報を
記録して再生のできる光記録媒体、特に基板上に記録
層、光干渉層、反射層及び保護層をこの順で形成した光
記録媒体に関して説明する。この光記録媒体は、〔図
2〕に示すような5層構造を有している。即ち、基板
1’上に記録層2’、光干渉層3’が形成されており、
その上に密着して反射層4’が設けられており、さらに
その上に保護層5’が反射層4’を覆っている。ただ
し、記録層2’と光干渉層3’は積層順序が逆転しても
かまわない。
【0016】基板の材質としては、基本的には記録光及
び再生光の波長で透明である以外に特に限定はない。例
えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメ
タクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹
脂、エポキシ樹脂等の高分子材料やガラス等の無機材料
が好適に利用される。これらの基板材料は、射出成形法
等により円盤状に基板に成形される。必要に応じて、基
板表面に溝を形成することもある。通常CDとして用い
る場合は、厚さ1.2mm程度、直径80ないし120
mm程度の円盤状であり、中央に直径15mm程度の穴
が開いている。
【0017】本発明における記録層を構成する有機色素
または記録層に含有される有機色素は、λmaxが700
nm付近に存在し、770〜830nmでの屈折率が大
きく、吸光度が小さいものである。具体例として、ペン
タメチンシアニン系色素、ヘプタメチンシアニン系色
素、スクアリリウム系色素、アゾ系色素、アントラキノ
ン系色素、インドフェノール系色素、フタロシアニン系
色素、ナフタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、チ
オピリリウム系色素、アズレニウム系色素、トリフェニ
ルメタン系色素、キサンテン系色素、インダンスレン系
色素、インジゴ系色素、チオインジゴ系色素、メロシア
ニン系色素、チアジン系色素、アクリジン系色素、オキ
サジン系色素、ジチオール金属錯体系色素などから、こ
の光学特性を有するものが選択され、好ましくはフタロ
シアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、アゾ系色
素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、スチリル系
色素、アズレニウム系色素から選択されるものであり、
複数の色素であってもよい。
【0018】一方、本発明において光干渉層を構成する
有機色素または光干渉層に含有される有機色素は、λma
xが500nm付近に存在し、620〜690nmでの
屈折率が大きく、吸光度が小さいものである。具体的に
は、シアニン系色素、スクアリリウム系色素、アゾ系色
素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ポル
フィリン系色素、テトラピラポルフィラジン系色素、イ
ンドフェノール系色素、ピリリウム系色素、チオピリリ
ウム系色素、アズレニウム系色素、トリフェニルメタン
系色素、キサンテン系色素、インダンスレン系色素、イ
ンジゴ系色素、チオインジゴ系色素、メロシアニン系色
素、チアジン系色素、アクリジン系色素、オキサジン系
色素などからこの光学特性を有するものが選択され、好
ましくはアゾ系色素、ポルフィリン系色素、シアニン系
色素から選択されるものであり、複数の色素であっても
よい。
【0019】なお、以上の色素を使用して、記録層2’
および光干渉層3’を形成する際には、記録特性、光学
特性等を改良するために、さらに、メタロセン等の有機
金属錯体あるいはニトロセルロース、エチルセルロー
ス、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ウレタン樹脂等
の樹脂やレベリング剤、消泡剤等の添加剤を本発明の効
果を損なわない程度に於いて併用することができる。ま
た、必要に応じて、消光剤や紫外線吸収剤等の添加剤を
混合あるいは置換基として導入することも可能である。
例えば、以下の式(1)〜(7)〔化1〕〜〔化7〕示
されるものが挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】 (式中、A、A’はベンゼン環あるいは置換ベンゼン環
を形成するか、またはナフタレン環あるいは置換ナフタ
レン環を形成する原子群であり、同種であっても異種で
あっても良い。これらの置換基としては単数である場合
も複数である場合もあるが、アルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ア
リル基、アルキルカルボキシル基、アルキルアルコキシ
ル基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、金属イオ
ンと結合したスルホネートアルキル基、ニトロ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、フェニル基、フェニルエチレ
ン基等がある。R9〜R23は置換または未置換のアルキ
ル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、
ハロゲン原子、アリル基、アルキルカルボキシル基、ア
ルキルアルコキシル基、アラルキル基、アルキルカルボ
ニル基、金属イオンと結合したスルホネートアルキル
基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、フェニル
基、フェニルエチレン基等がある。Mは、Ni、Co、
Mn、Cu、Pd及びPtなどの遷移金属を示してい
る。Mは電荷を持ち、カチオンと塩構造をとっても良
い。aはイオン体の電価数を表し、0を含む正の整数で
ある。Zはカチオンを示し、a=b・cであり、a=0
のときは、b・c=0でZは存在せず、化合物は中性体
となる。) これらの記録層で使用する有機色素の含有量は、30%
以上、好ましくは60%以上であり、実質的に100%
であってもよい。光学定数は、複素屈折率(n+ki)
で表現される。なお、式中のn,kは、実数部nと虚数
部kに相当する係数である。ここでは、nを屈折率、k
を消衰係数とする。一般に有機色素は、波長λに対し、
屈折率nと消衰係数kが大きく変化する特徴がある。こ
の特徴を利用して各レーザー波長において好ましい光学
定数を有する有機色素を用いて光干渉層を成膜する。こ
れにより、各レーザー波長において、高い反射率を得る
ことができる。
【0027】本発明において、記録層が具備すべき光学
定数(屈折率n、消衰係数k)は前記レーザー光の波長
λ1において、nが1.8以上で、且つ、kが0.04
〜0.20である。λ2においては、nが1.0以上
で、且つ、kが0.04〜0.6である。波長λ1にお
いて、nがこれより小さい値になると、CD規格を満足
する反射率と信号変調度は得られない。波長λ2におい
ても、nがこれより小さい値となると正確な信号読みと
りに必要な反射率が得られない。また、波長λ1におい
て、kが0.20を越えると反射率が低下してCD規格
を満足することが困難であり、kが0.02未満だと記
録ができない。また波長λ2において、kが0.6を越
えると吸収が大きくなりすぎ再生に必要な反射率が得ら
れないだけでなく、再生光により信号が変化しやすくな
り実用に適さない。
【0028】また、本発明において、光干渉層が具備す
べき光学定数は、前記レーザー光の波長λ1において、
nが1.5以上で、且つ、kが0.02〜0.15であ
る。λ2においては、nが1.7以上、且つ、kが0.
04〜0.25である。波長λ1において、nがこれよ
り小さい値になると、CD規格を満足する反射率と信号
変調度は得られず、波長λ2においても、nがこれより
小さい値となると正確な信号読みとりに必要な反射率が
得られない。また、波長λ1において、kが0.15を
越えると反射率が低下してCD規格を満足することが困
難であり、また波長λ2において、kが0.25を越え
ると吸収が大きくなりすぎ再生に必要な反射率が得られ
ないだけでなく、再生光により信号が変化しやすくなり
実用に適さない。
【0029】有機色素の特性を考慮した場合、記録層の
光学定数は、波長λ1において、nが1.9〜2.7
で、且つ、kが0.04〜0.16である。λ2におい
ては、nが1.0〜1.6で、且つ、kが0.1〜0.
6を満足する必要があり、光干渉層の光学定数は、波長
λ1において、nが1.7〜2.2で、且つ、kが0.
04〜0.10である。λ2においては、nが1.8〜
2.7で、且つ、kが0.04〜0.15を満足する必
要があり、さらには、記録層と光干渉層の波長λ1にお
ける屈折率及び消衰係数の平均がそれぞれ1.8〜2.
4、0.04〜0.16、λ2における屈折率及び消衰
係数の平均がそれぞれ1.5〜2.1、0.08〜0.
3であることが好ましい。なお、本発明における光干渉
層は、記録層がレーザー光で分解、燃焼、変形する際に
一部は化学変化及び物理変化を生じることが観測されて
いるが、各レーザー波長における反射率を向上させるこ
とが主な役割である。
【0030】上記の化合物・色素により、記録層や干渉
層を形成させるには、スピンコート法やキャスト法等の
塗布法やスパッタ法や化学蒸着法、真空蒸着法等によっ
て基板上に、それぞれ厚さ30〜300nm、好ましく
は厚さ50〜150nmの層を形成させる。記録層の膜
厚をこれよりあまり薄くすると、熱拡散が大きいため記
録出来ないか、または記録信号に歪が発生する上、信号
振幅が小さくなりCD規格を満足しなくなる。また、膜
厚がこれよりあまり厚い場合は反射率が低下し、再生信
号特性が悪化する。一方、光干渉層の膜厚を30nmよ
りあまり薄くすると、光エンハンス効果が小さくなり反
射率向上効果が得られない。さらに、光干渉層の厚さ
は、下記の式〔数1〕を満足し、各レーザー波長に対し
て、反射率が高くなる値に合わすことが好ましい。
【0031】
【数1】0.6xλ/4n<d<1.5xλ/4n (ただし、λはレーザー波長、nは光干渉層の屈折率、
dは光干渉層の膜厚) 特に塗布法においては色素を溶解あるいは分散させた塗
布溶媒を用いるが、この際溶媒は基板にダメージを与え
ないものを選ぶことが好ましい。例えば、メタノール、
エタノール、イソプロピリアルコール、アルリアルコー
ル、メチルセロソルブ、テトラフルオロプロパノール等
のアルコール系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメ
チルシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶
媒;トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素
系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶
媒;アセトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステ
ル系溶媒、水などが1種あるいは複数混合して用いられ
る。
【0032】また、記録層に使用する有機色素と光干渉
層に使用する有機色素は各々異なる極性の溶媒に溶解
し、もう一方の溶媒には溶解せず、2層目の色素層を塗
布する際には一層目の層に障害を与えないようにするこ
とが好ましい。たとえば、一方の色素層に使用する色素
は、極性の高い溶媒、アルコール系溶媒、水等に溶解
し、もう一方の色素層に使用する色素は、極性の低い溶
媒、例えば、脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒、芳香族
炭化水素系溶媒、四塩化炭素、エーテル系溶媒に溶解し
て塗布することが好ましい。なお、樹脂性基板への障
害、あるいは多層膜の影響を減少させるためためには、
各色素層塗布成膜のための溶媒は、脂肪族又は脂環式炭
化水素系溶媒およびこれらと他溶媒の混合溶媒と、アル
コール系溶媒およびこれらと他溶媒の混合溶媒であり、
それぞれに可溶な色素の組み合わせが特に望ましい。
【0033】一般に色素の溶解性の改良は、色素分子内
に適当な置換基を導入することで可能になる。例えば、
極性の低い溶媒に溶解しやすくするには、たとえば次の
ような置換基、例えばアルキル基、アルケニル基、アル
コキシ基、アルキルアリル基、アルキルカルボニル基、
アルコキシカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキル
イミノ基、アルキルカルボキシアミド基、アルカノイル
イミノ基、アルカンスルファニル基、アルカンスルフェ
ニル基、アルカンスルフォンアミド基等の導入を行えば
よい。
【0034】一方、極性の高い溶媒に溶解しやすくする
には、次のような置換基、たとえば末端がアミノ基、カ
ルボキシル基、カルバモイル基、メルカプト基、メルカ
プトアミノ基、スルファモイル基、スルホン酸基、スル
ホンアミノ基等の導入を行えばよい。なお、記録層は前
記した範囲の含有量の範囲で、色素をレジナスバインダ
ーからなる高分子薄膜などに分散して用いたりすること
もできる。また、基板にダメージを与えない溶媒を選択
できない場合は、スパッタ法、化学蒸着法や真空蒸着法
などが有効である。
【0035】記録層( 場合によっては光干渉層 )の上に
は、厚さ50〜300nm程度、好ましくは100〜1
50nm程度の反射層を形成する。反射層の材料として
は、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、A
u、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、T
a、Cr及びPdの金属を単独あるいは合金にして用い
ることが可能である。このなかでも、AuやAlは反射
率が高く反射層の材料として適している。これ以外でも
下記のものを含んでいてもよい。例えば、Mg、Se、
Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、
Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、G
e、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金
属を挙げることができる。また、Auを主成分としてい
るものは反射率の高い反射層が容易に得られるため好適
である。ここで主成分というのは含有率が50%以上の
ものをいう。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率
薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層として
用いることも可能である。
【0036】反射層を形成する方法としては、例えば、
スパッタ法、イオンプレーテイング法、化学蒸着法、真
空蒸着法等が挙げられる。また、反射率を高めるためや
密着性をよくするために、記録層と反射層の間にそれぞ
れ反射増幅層や接着層を設けることもできる。さらに、
反射層の上に保護層を形成することが好ましい。この保
護層の材料としては、反射層を外力から保護するもので
あれば特に限定しない。有機物質としては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂
等を挙げることができる。又、無機物質としては、Si
2、SiN4、MgF2、SnO2等が挙げられる。熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂などは適当な溶剤に溶解して塗
布液を塗布し、乾燥することによって形成することがで
きる。UV硬化性樹脂は、そのまま、もしくは適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって形成する
ことができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレ
タンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステ
ルアクリレートなどのアクリレート樹脂を用いることが
できる。これらの材料は単独であるいは混合して用いて
も良いし、1層だけでなく多層膜にして用いてもいっこ
うに差し支えない。
【0037】保護層の形成の方法としては、記録層と同
様にスピンコート法やキャスト法などの塗布法やスパッ
タ法や化学蒸着法等の方法が用いられるが、このなかで
もスピンコート法が好ましい。保護層の膜厚は、一般に
は0.1〜100μm程度の範囲であるが、本発明にお
いては、3〜30μm程度であり、好ましくは5〜20
μm程度がより好ましい。保護層の上に更にレーベル等
の印刷を行うこともできる。
【0038】また、反射層面に保護シートまたは基板を
貼り合わせる、あるいは反射層面相互を内側とし対向さ
せ光記録媒体2枚を貼り合わせる等の手段を用いてもよ
い。このようにして得られる本発明の光記録媒体は、基
板上に記録層、光干渉層及び反射層が形成された媒体
で、620〜690nmの範囲から選ばれた波長λ2の
レーザー光に対する基板側からの反射率が15%以上、
好ましくは20%以上あり、また、770nm〜830
nmの範囲から選ばれた波長λ1のレーザー光に対する
基板側からの反射率が65%以上、好ましくは70%以
上有するものであって、レッドブック(CD)規格及び
オレンジブック(CD−R)規格の反射率に満足するも
のである。これらの規格を満足すれば、従来より市販さ
れているCDプレーヤーでも良好に再生することができ
る。
【0039】本発明における赤色レーザーは、620〜
690nmの波長のレーザーであれば何でも良い。例え
ば、可視領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザー
や、波長633nmのヘリウムネオンレーザー、最近開
発されている波長680、650、635nmの高出力
半導体レーザーなどがあるが、装置に搭載することを考
えると半導体レーザーが好適である。また、近赤外レー
ザーは、770〜830nmの波長のレーザーであれば
何でも良いが、市販のCDプレーヤーやCDレコーダー
に用いられている半導体レーザーが適している。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、法第70条
に規定する本発明の技術的範囲はこれによりなんら限定
的に解釈されるものではない。 〔実施例1〕式(8)〔化8〕に示されるアゾ化合物
0.2gを、2,2,3,3,-テトラフルオロ-1-プロパノール
10mlに溶解し、色素溶液1を調製する。基板は、ポ
リカーボネート樹脂製で連続した案内溝(トラックピッ
チ:1.6μm)を有する直径120mmφ、厚さ1.
2mmの円盤状のものを用いた。
【0041】
【化8】 この基板上に、色素溶液1を回転数1500rpmでス
ピンコートし、70℃2時間乾燥して、80nmの光干
渉層を形成した。この光干渉層の光学定数は、780n
mでnが1.9、kは0.05であり、680nmでは
nが2.1、kは0.04であり、650nmではnが
2.2、kは0.05であり、635nmではnが2.
4、kは0.08である。
【0042】さらに、式(9)〔化9〕に示されるフタ
ロシアニン化合物0.25gを、ジメチルシクロヘキサ
ン10mlに溶解した色素溶液2を回転数1600rp
mでスピンコートし、70℃2時間乾燥して、記録層を
形成した。この記録層の光学定数は、780nmでnが
2.2、kは0.08であり、680nmではnが1.
2、kは0.50であり、650nmではnが1.2、
kは0.51であり、635nmではnが1.1、kは
0.34である。
【0043】
【化9】 この記録層の上にバルザース社製スパッタ装置(CDI
−900)を用いてAuをスパッタし、厚さ100nm
の反射層を形成した。スパッタガスには、アルゴンガス
を用いた。スパッタ条件は、スパッタパワー2.5k
W、スパッタガス圧1.0×10-2Torrで行った。
さらに反射層の上に紫外線硬化樹脂SD−17(大日本
インキ化学工業製)をスピンコートした後、紫外線照射
して厚さ6μmの保護層を形成し、光記録媒体を作製し
た。
【0044】この光記録媒体を、780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライター(CDD
−521)を用いて、線速度2.8m/s、レーザーパ
ワー8mWでEFM信号を記録した。記録後、市販CD
プレーヤー(YAMAHACDX−1050、レーザー
波長786nm)を用いて信号を再生し、反射率、エラ
ーレート及び変調度を測定した。いずれもオレンジブッ
ク規格を満足した良好な値を示した。次にこの記録した
媒体を680nm、650nm及び635nm赤色半導
体レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製光ディ
スク評価装置(DDU−1000)を用いて信号を再生
し、反射率、エラーレート及び変調度を測定した。いず
れも良好な値を示した。
【0045】この媒体を680nm赤色半導体レーザー
ヘッドを搭載したパルステック工業製光ディスク評価装
置(DDU−1000)及びKENWOOD製EFMエ
ンコーダーを用いて、線速度5.6m/s、レーザーパ
ワー10mWで記録した。記録後、680nm及び63
5nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載した評価装置を
用いて信号を再生し、反射率、エラーレート及び変調度
を測定した結果、いずれも良好な値を示した。この記録
した媒体を、市販CDプレーヤー(YAMAHA CD
X−1050、レーザー波長786nm)を用いて、前
記680nmのドライブ(DDU−1000)で記録し
た信号の再生を行い、反射率、エラーレート及び変調度
を測定した結果、いずれもオレンジブック規格を満足し
た良好な値であった。
【0046】このように、この媒体は複数のレーザー波
長で記録及び再生を良好に行うことが出来た。なお、エ
ラーレートはケンウッド社製CDデコーダー(DR35
52)を用いて計測し、変調度は以下の式により求め
た。 変調度={(信号の最大強度)−(信号の最小強度)}
/(信号の最大強度) 〔実施例2〕実施例1において、塗布順序を逆にして、
記録層としてフタロシアニン化合物(式(9))を塗布・
乾燥した後、光干渉層としては、アゾ化合物(式(8))
を塗布すること以外は同様にして光記録媒体を作製し
た。作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体
レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと6
80nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステ
ック工業製光ディスク評価装置DDU−1000及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。
記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、いずれも
良好な記録特性を示した。
【0047】〔実施例3〕実施例1において、光干渉層
として、アゾ化合物(式(10))〔化10〕0.2gを
用いること以外は同様にして光記録媒体を作製した。光
干渉層の光学定数は、780nmでnが1.8、kは
0.06であり、680nmではnが2.0、kは0.
05であり、650nmではnが2.1、kは0.08
であり、635nmではnが2.3、kは0.09であ
った。
【0048】
【化10】 作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680
nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック
工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。
記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、いずれも
良好な記録特性を示した。
【0049】〔実施例4〕実施例3において、塗布順序
を逆にして、記録層としてフタロシアニン化合物(式
(9))を塗布・乾燥した後、光干渉層としてアゾ化合物
(式(10))を塗布すること以外は同様にして光記録媒
体を作製した。作製した媒体を実施例1と同様に780
nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ラ
イターと680nm赤色レーザーヘッドを搭載したパル
ステック工業製光ディスク評価装置(DDU−100
0)及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて
記録した。記録後、実施例1と同様の測定を行った結
果、いずれも良好な記録特性を示した。
【0050】〔実施例5〕実施例1において、光干渉層
に、シアニン化合物(NK-737;日本感光色素研究所製)
(式(11))〔化11〕0.2g、記録層にフタロシア
ニン化合物(式(12))〔化12〕0.25gを用いる
こと以外は同様にして光記録媒体を作製した。光干渉層
の光学定数は、780nmでnが1.9、kは0.07
であり、680nmではnが2.1、kは0.04であ
り、650nmではnが2.2、kは0.06であり、
635nmではnが2.4、kは0.07であった。記
録層の光学定数は、780nmでnが2.2、kは0.
09であり、680nmではnが1.3、kは0.49
であり、650nmではnが1.2、kは0.51であ
り、635nmではnが1.2、kは0.35であっ
た。
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】 作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680
nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック
工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。
記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、いずれも
良好な記録特性を示した。
【0053】〔実施例6〕実施例5において、塗布順序
を逆にして、記録層としてフタロシアニン化合物(式
(12))を塗布・乾燥した後、光干渉層としてアゾ化合
物(式(11))を塗布すること以外は同様にして光記録
媒体を作製した。作製した媒体を実施例1と同様に78
0nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製
ライターと680nm近赤外半導体レーザーヘッドを搭
載したパルステック工業製光ディスク評価装置(DDU
−1000)(線速度2.8m/s、レーザーパワー7
mW)及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用い
て記録した。記録後、実施例1と同様の測定を行った結
果、良好な記録特性を示した。
【0054】〔実施例7〕実施例1において、光干渉層
として、ポルフィリン化合物(式(13))〔化13〕
0.3gと、記録層として、フタロシアニン化合物(式
(12))0.25gを用いること以外は同様にして光記
録媒体を作製した。光干渉層の光学定数は、780nm
でnが1.9、kは0.05であり、680nmではn
が2.0、kは0.04であり、650nmではnが
2.0、kは0.10であり、635nmではnが2.
0、kは0.15であった。
【0055】
【化13】 作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680
nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック
工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。
記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、いずれも
良好な記録特性を示した。
【0056】〔実施例8〕実施例7において、塗布順序
を逆にして、記録層としてフタロシアニン化合物(式
(12))を塗布・乾燥した後、光干渉層として、ポルフ
ィリン化合物(式(13))を塗布すること以外は同様に
して光記録媒体を作製した。作製した媒体を実施例1と
同様に780nm半導体レーザーヘッドを搭載したフィ
リップス製ライターと680nm赤色半導体レーザーヘ
ッドを搭載したパルステック工業製光ディスク評価装置
(DDU−1000)及びKENWOOD製EFMエン
コーダーを用いて記録した。記録後、実施例1と同様の
測定を行った結果、いずれも良好な記録特性を示した。
【0057】〔実施例9〕実施例1において、光干渉層
を、テトラピラポルフィラジン化合物(式(14))〔化
14〕0.25gをエチルシクロヘキサン10mlに溶
解した溶液を塗布して形成し、その後、記録層を、アズ
レニウム化合物(式(15))〔化15〕0.3gをジア
セトンアルコール10mlに溶解した溶液を塗布して形
成したこと以外は、同様して光記録媒体を作製した。光
干渉層の光学定数は、780nmでnが1.8、kは
0.06であり、680nmではnが2.0、kは0.
05であり、650nmではnが2.0、kは0.09
であり、635nmではnが2.1、kは0.11であ
った。記録層の光学定数は、780nmでnが2.2、
kは0.10であり、680nmではnが1.5、kは
0.51であり、650nmではnが1.6、kは0.
57であり、635nmではnが1.3、kは0.52
であった。
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】 作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680
nm赤色レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製
光ディスク評価装置DDU−1000及びKENWOO
D製EFMエンコーダーを用いて記録した。記録後、実
施例1と同様の測定を行った結果、良好な記録特性を示
した。
【0060】〔実施例10〕実施例9における塗布順序
を逆にして、記録層としてアズレニウム化合物(式(1
5))を塗布・乾燥した後、光干渉層として、テトラピ
ラポルフィラジン化合物(式(14))を塗布すること以
外は同様にして光記録媒体を作製した。作製した媒体を
実施例1と同様に780nm半導体レーザーヘッドを搭
載したフィリップス製ライターと680nm赤色半導体
レーザーヘッドを搭載したパルステック工業製光ディス
ク評価装置(DDU−1000)及びKENWOOD製
EFMエンコーダーを用いて記録した。記録後、実施例
1と同様の測定を行った結果、いずれも良好な記録特性
を示した。
【0061】〔実施例11〕実施例1において、光干渉
層を式(8)に示されるアゾ化合物0.1gと、(1
3)に示されるポルフィリン化合物0.15gを、2,2,
3,3,-テトラフルオロ-1-プロパノール10mlに溶解し
た溶液を塗布して形成し、その後、記録層を式(16)
〔化16〕に示されるフタロシアニン化合物0.25g
をジメチルシクロヘキサン10mlに溶解した溶液を塗
布して形成したこと以外は、同様にして光記録媒体を作
製した。この光干渉層の光学定数は、780nmでnが
1.8、kは0.04であり、680nmではnが1.
8、kは0.04であり、650nmではnが1.9、
kは0.08であり、635nmではnが2.1、kは
0.15であった。記録層の光学定数は、780nmで
nが2.6、kは0.16であり、680nmではnが
1.3、kは0.52であり、650nmではnが1.
2、kは0.33であり、635nmではnが1.1、
kは0.15であった。
【0062】
【化16】 この光記録媒体を780nm半導体レーザーヘッドを搭
載したフィリップス製ライター(CDD−521)を用
いて、線速度2.8m/s、レーザーパワー9mWでE
FM信号を記録した。記録後、市販CDプレーヤー(Y
AMAHA CDX−1050、レーザー波長786n
m)を用いて信号を再生し、反射率、エラーレート及び変調度
を測定した結果、いずれもオレンジブック規格を満足し
た良好な値を示した。次にこの記録した媒体を680n
m、650nm及び635nm赤色半導体レーザーヘッ
ドを搭載したパルステック工業製光ディスク評価装置
(DDU−1000)を用いて信号を再生し、反射率、
エラーレート及び変調度を測定した結果、いずれも良好な値を
示した。
【0063】〔実施例12〕実施例1において、記録層
を式(17)〔化17〕に示されるフタロシアニン化合
物0.25gをジメチルシクロヘキサン10mlに溶解
した溶液を塗布して形成し、その後、光干渉層を式(1
8)〔化18〕に示されるアントラキノン系化合物0.
2gを、2,2,3,3,-テトラフルオロ-1-プロパノール10
mlに溶解した溶液を塗布して形成したこと以外は、同
様にして光記録媒体を作製した。この記録層の光学定数
は、780nmでnが1.9、kは0.05であり、6
80nmではnが1.4、kは0.58であり、650
nmではnが1.3、kは0.50であり、635nm
ではnが1.1、kは0.36であった。光干渉層の光
学定数は、780nmでnが1.8、kは0.05であ
り、680nmではnが2.0、kは0.04であり、
650nmではnが2.1、kは0.06であり、63
5nmではnが2.1、kは0.09であった。
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】 この光記録媒体を、780nm半導体レーザーヘッドを
搭載したフィリップス製ライター(CDD−521)を
用いて、線速度1.4m/s、レーザーパワー8mWで
EFM信号を記録した。記録後、市販CDプレーヤー
(YAMAHACDX−1050、レーザー波長786
nm)を用いて信号を再生し、反射率、エラーレート及び変調
度を測定した結果、いずれもオレンジブック規格を満足
した良好な値を示した。次にこの記録した媒体を680
nm、650nm及び635nm赤色半導体レーザーヘ
ッドを搭載したパルステック工業製光ディスク評価装置
(DDU−1000)を用いて信号を再生し、反射率、
エラーレート及び変調度を測定した結果、いずれも良好な値を
示した。
【0066】〔比較例1〕実施例1において、記録層を
積層せず、アゾ化合物(式(8))含有の光干渉層のみに
すること以外は、同様にして光記録媒体を作製した。作
製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レーザ
ーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680n
m赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック工
業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びKE
NWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録すること
を試みたが、780nmでは記録ができず、680nm
でも感度が低くきれいに記録することができなかった。
【0067】〔比較例2〕実施例1において、光干渉層
を積層せず、フタロシアニン色素(式(9))含有の色素
層のみにすること以外は、同様にして光記録媒体を作製
した。作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導
体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと
680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルス
テック工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)
及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録
した。記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、波
形が歪み680、650及び635での反射率が低かっ
た。
【0068】〔比較例3〕実施例5において、記録層を
積層せず、シアニン色素(式(11))含有の光干渉層の
みにすること以外は同様にして光記録媒体を作製した。
作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680
nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック
工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録するこ
とを試みたが、780nmでは記録ができず、680n
mでも感度が低くきれいに記録することができなかっ
た。
【0069】〔比較例4〕実施例9において、光干渉層
を積層せず、アズレニウム化合物(式(15))含有の記
録層のみにすること以外は同様にして光記録媒体を作製
した。作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導
体レーザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと
680nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルス
テック工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)
及びKENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録
した。記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、波
形が歪み680、650及び635nmでの反射率が低
かった。
【0070】〔比較例5〕実施例1において、式(1
9)〔化19〕に示されるシアニン化合物(NK2929:日
本感光色素研究所製)0.2gを、2,2,3,3,-テトラフ
ルオロ-1-プロパノール10mlに溶解したものを塗布
して記録層を形成した後、式(20)〔化20〕に示さ
れるキノノイド色素0.2gをジメチルシクロヘキサン
10mlに溶解したものを塗布して光干渉層を形成した
以外は同様にして光記録媒体を作製した。この記録層の
光学定数は、780nmでnが2.6、kは0.11で
あり、680nmではnが1.9、kは1.31であ
り、650nmではnが1.5、kは1.38であり、
635nmではnが1.2、kは1.26であった。光
干渉層の光学定数は、780nmでnが1.8、kは
0.05であり、680nmではnが2.1、kは0.
04であり、650nmではnが2.3、kは0.15
であり、635nmではnが2.3、kは0.20であ
った。
【0071】
【化19】
【0072】
【化20】 作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680
nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック
工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。
記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、波形が歪
み680、650及び635nmでの反射率が低かっ
た。
【0073】〔比較例6〕実施例1において、光干渉層
を式(21)〔化21〕に示されるシアニン化合物(NK
3:日本感光色素研究所製)0.25gを、2,2,3,3,-テ
トラフルオロ-1-プロパノール10mlに溶解した溶液
を塗布して形成する以外は同様にして光記録媒体を作製
した。この光干渉層の光学定数は、780nmでnが
2.1、kは0.12であり、680nmではnが2.
3、kは0.32であり、650nmではnが2.3、
kは0.60であり、635nmではnが2.2、kは
0.62であった。
【0074】
【化21】 作製した媒体を実施例1と同様に780nm半導体レー
ザーヘッドを搭載したフィリップス製ライターと680
nm赤色半導体レーザーヘッドを搭載したパルステック
工業製光ディスク評価装置(DDU−1000)及びK
ENWOOD製EFMエンコーダーを用いて記録した。
記録後、実施例1と同様の測定を行った結果、波形が歪
み680、650及び635nmでの反射率が低かっ
た。以上の各媒体を780及び680nmで記録した各
々の場合で、786、680、650、635nmでの
再生時の反射率、エラーレート、変調度を〔表1〕〜
〔表3〕にまとめて示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、有機色素が主成分であ
り適当な屈折率と消衰係数を有する記録層と光干渉層を
積層することにより、波長620〜690nmの赤色レ
ーザーで記録及び/又は再生可能で、且つ、770〜8
30nmから選ばれるレーザーで記録及び/又は再生可
能なCD規格を満足する互換性のある光記録媒体を提供
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光記録媒体の層構成を示す断面構造図
【図2】本発明の光記録媒体の層構成を示す断面構造図
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 反射層 4 保護層 1’基板 2’記録層 3’光干渉層 4’反射層 5’保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 純夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録層、光干渉層、反射層及び
    保護層を有する光記録媒体において、該記録層と光干渉
    層が有機色素を主成分とする層であり、波長λ1のレー
    ザー光を用いて記録及び/又は再生が可能であり、波長
    λ1より短波長側の波長λ2のレーザー光を用いて記録
    及び/又は再生が可能であり、かつ、記録層の屈折率
    が、波長λ1において1.8以上、λ2において1.0
    以上、消衰係数がλ1において0.04〜0.20、λ
    2において0.04〜0.6であり、および、光干渉層
    の屈折率が、波長λ1において1.5以上、λ2におい
    て1.7以上、消衰係数がλ1において0.02〜0.
    15、λ2において0.04〜0.25であることを特
    徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 レーザー光の波長λ1が770〜830
    nmの範囲から選択され、λ2が620〜690nmの
    範囲から選択される請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録層の屈折率が、波長λ1において
    1.9〜2.7、λ2において1.0〜1.6、消衰係
    数がλ1において0.04〜0.16、λ2において
    0.1〜0.6、および、光干渉層の屈折率が、波長λ
    1において1.7〜2.2、λ2において1.8〜2.
    7、消衰係数がλ1において0.04〜0.10、λ2
    において0.04〜0.15である請求項1または2記
    載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層と光干渉層の屈折率及び消衰係数
    の平均が、波長λ1においてそれぞれ1.8〜2.4、
    0.04〜0.16、λ2においてそれぞれ1.5〜
    2.1、0.08〜0.3である請求項1〜3の何れか
    に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 波長λ1のレーザー光を用いて記録及び
    再生が可能であり、波長λ1より短波長側の波長λ2の
    レーザー光を用いて再生が可能である請求項1〜4の何
    れかに記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 基板を通して測定した波長λ1における
    レーザー光の反射率が65%以上で、且つ、λ2におけ
    るレーザー光の反射率が15%以上である請求項1〜5
    の何れかに記載の光記録媒体。
JP7302728A 1994-11-24 1995-11-21 光記録媒体 Pending JPH08235637A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100266219B1 (ko) * 1997-06-25 2000-09-15 구자홍 상변화 광기록매체와 그 제조방법
US6277460B1 (en) 1998-04-09 2001-08-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Optical recording medium

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