JPH0823208B2 - エンジン駆動型コンクリ−ト床面仕上げ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、コンクリート打設後の未硬化状態の床面を
均し仕上げするコンクリート床面仕上げや、養生硬化後
のコンクリート表面を砥石またはブラシ研磨でレイタン
ス処理する清掃等に用いられるコンクリート床面仕上げ
機に係り、特に走行ローラを介して自走する機体本体の
走行制御および回転部片の回転駆動制御を、遠隔操作に
より行うようにしたエンジン駆動型コンクリート床面仕
上げ機に関するものである。

［従来の技術］ 従来、コンクリート打設後の未硬化状態の床面を直接
均し仕上げする、いわゆるモノリシック仕上げや、養生
硬化後のコンクリート表面を砥石、ブラシ等を用いて研
磨、レイタンス処理を行うコンクリート床仕上げ機とし
ては、電動モータを回転部片の駆動源として備えたもの
が知られており、外部に設置した電源から給電ケーブル
を介して上記電動モータ駆動型のコンクリート床面仕上
げ機に電力を供給するようになっている。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記従来のコンクリート床面仕上げ機においては、施
工の前後に電源から引いた給電ケーブルの取付け、取外
しを行わなければならず、その作業に際してメッセンジ
ャワイヤまたはケーブルリール等を必要とするため、仕
上げ作業が煩雑となるばかりでなく、仕上げ作業中に床
面上で引き回される給電ケーブルにより仕上げ面の荒れ
を誘発しやすく、しかも回転部片によって給電ケーブル
を切断する惧れがあるうえ、電源の得られない場所では
床面仕上げ作業を行うことができない、等の実用上にお
いて種々の問題を有するものであった。

本発明は、上記従来の問題点に鑑み、エンジンを駆動
源として自転しながら公転する回転部片により仕上げ精
度を高めることができるものでありなから、回転部片の
始動、停止および回転数の制御を含む機体本体の駆動制
御を、自走する機体の走行制御とともに遠隔操作で円滑
かつ的確に行うことができ、床面仕上げ作業の効率を向
上させることができるエンジン駆動型コンクリート床面
仕上げ機を提供しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 問題点を解決するために、本発明が採用した技術的手
段は、機体本体の中心位置に垂設される中心軸に、複数
の支持アームを等角放射状に取付けたスリーブを遊嵌
し、かつ上記中心軸の下端に固設した一対の走行ローラ
に、各別に駆動制御される走行モータをそれぞれ内装し
て、機体本体を自走可能となす一方、上記各支持フレー
ムの先端部に、回転自在な複数の回転部片を等角放射状
に取付け、同方向に自転する当該各回転部片が、中心軸
を回転中心として同一方向に公転するように構成すると
共に、上記各回転部片を回転駆動するセルモータ付きの
エンジンと、該エンジンの回転数を制御する電動シリン
ダと、上記エンジンに併設した発電機と、受信機を備え
た走行用制御装置およびエンジン始動用のバッテリを、
隣設する支持フレーム間にそれぞれ設け、エンジンの始
動時に、上記バッテリから走行用制御装置に電力を供給
し、該走行用制御装置を介した送信機からの遠隔操作で
エンジンを始動した後には、自走する機体本体の発電機
で走行用制御装置への供給電力を自給するようにしたこ
とを特徴とするものである。

［作 用］ したがって、本発明によれば、コンクリートの床面仕
上げ作業にあたって、機体本体のバッテリをONした後に
は、エンジンの始動、停止や、回転部片の回転制御よび
機体の走行制御を、送信機を介した遠隔操作で簡単に行
うことができ、電源、給電ケーブル等を不要にして、円
滑な床面仕上げ作業を速やかに行うことができる。

［実施例］ 以下本発明の構成を、図示の実施例に基づいて詳細に
説明する。

第１図、第２図において、１はコンクリート床面仕上
げ機であって、このコンクリート床面仕上げ機１は、走
行手段を有する機枠２に３基の回転鏝３を回転自在に搭
載してなるものである。

上記機枠２は、枠材によって篭型に組立てられてお
り、その中心には中心軸４が下向きに固着され、この中
心軸４には、スリーブ４′を介して120度角で放射状に
取付けられた各支持アーム６に、回転部片として回転鏝
３がそれぞれ下向きに支持されており、かつ上記中心軸
４の下端には、走行手段として左右一対の走行用ローラ
７が装着されている。

また、上記スリーブ４′には、各支持アーム６の間に
位置してセルモータ付きガソリンエンジン８、発電機９
および制御盤10がそれぞれ支持枠を介して取付けられて
いる。

上記ガソリンエンジン８と各回転鏝３は、入力側ユニ
バーサルジョイント11、ギヤボックス12を介して、当該
ギヤボックスの出力側ユニバーサルジョイント13で連動
連結されており、各回転鏝３と出力側ユニバーサルジョ
イント13との間には、Ｖプーリ、Ｖベルトにより減速機
14が介装されている。

一方、第３図には、上記コンクリート床面仕上げ機１
の制御盤10に内蔵させた走行用制御装置の回路構成がブ
ロック図で示されている。

すなわち、20はCPUであって、その入力部INには受信
機16およびタッチセンサ18が接続されていると共に、そ
の出力部OUTには、ガソリンエンジン８のセルモータ2
1、電動シリンダ15、方向指示ランプ19および左右一対
の走行用ローラ７を駆動する左右走行モータ22、23がそ
れぞれ所定のリレー接点を介して接続され、かつ上記CP
U20と左右走行モータ22、32との間には、D/A変換部を介
してモータコントローラ24、25が介装されている。

上記方向指示ランプ19は、一端を発電機９に接続した
リレー接点の他端に接続され、出力部OUTからの接点制
御信号でリレー接点を開閉することにより、走行方向の
ランプ表示を行っている。

また、前記発電機９はガソリンエンジン８に連動連結
されており、バッテリ26に接続したセルモータ21でガソ
リンエンジン８を始動した際に、該エンジン８の回転駆
動に連動して上記発電機９を回転し、その発生電力を走
行用制御装置に供給するようになっている。

28はコンクリート床面仕上げ機１を遠隔操作するため
の送信機であり、該送信機28から発信した無線制御信号
を、上記走行用制御装置に内装した受信機16のアンテナ
17で受けて、CPU20による各種の制御動作を行うように
なっている。

なお、27はガソリンエンジン８の回転数を調整するス
ロットルレバーであり、該スロットルレバー27は電動シ
リンダ15の伸縮作動に連動する構成となっており、ま
た、前記タッチセンサ18は、コンクリート床面仕上げ機
１が走行中に何かの物体に接触した時に、物体検知信号
をCPU20に発信し、該CPU20を介してコンクリート床面仕
上げ機１を自動的に一定距離だけ後退させ、その後退位
置で走行を停止させものである。

叙上の如き構成において、コンクリート床面仕上げ機
１を稼動する場合、該コンクリート床面仕上げ機１本体
に設けた図示しない起動スイッチをONすると、ガソリン
エンジン８の始動に先立って、バッテリ26から走行用制
御装置に電力が供給され、走行用制御装置は送信機28か
らの遠隔制御が可能な待機状態に保持される。

次いで、上記送信機28からエンジン始動の無線信号が
発信されると、第３図に示すように、上記走行用制御装
置に装備した「START」のリレー接点が閉成され、バッ
テリ26からの電力供給を受けたセルモータ21によりガソ
リンエンジン８が回転駆動を開始すると共に、その回転
駆動力により、回転鏝３も回転駆動を開始する。また、
上記ガソリンエンジン８に併設した発電機９も回転を開
始することにより、走行用制御装置への電力供給がバッ
テリ26から発電機９に切り替わる。

上記のように稼動状態に保持されたコンクリート床面
仕上げ機１は、送信機28からの無線制御信号で、ガソリ
ンエンジン８に対する始動、停止制御を行い、同様に送
信機28からの無線制御信号で、電動シリンダ15に対する
伸縮制御を行うことにより、スロットルレバー27を可変
して回転鏝３の回転速度を増減制御することになる。

また、上記コンクリート床面仕上げ機１の走行方向
は、送信機28からの無線制御信号をCPU20で受けてモー
タコントローラ24、25を制御し、左右走行モータ22、23
を各別に異なる回転数に変更することにより行われると
共に、上記コンクリート床面仕上げ機１が走行中に何か
の物体に接触した時には、タッチセンサ18から物体検知
信号をCPU20に発信し、該CPU20を介してコンクリート床
面仕上げ機１を自動的に一定距離だけ後退させ、その後
退位置で走行を停止させる。

そして、前記のようにコンクリート床面仕上げ機１の
走行方向が変化する際には、出力部OUTから断続接点信
号が方向指示ランプ19に送出されて走行方向の表示がな
され、さらにCPU20を含む走行用制御装置になんらかの
異常が発生した場合には、上記方向指示ランプ19を点滅
作動させて、送信機28で遠隔操作を行っているオペレー
タに警報を発する。

なお、本実施例では、回転鏝３によるコンクリート床
面仕上げ機１の構成を示したが、これに限定されること
なく、回転鏝の代りに回転部片として砥石またはブラシ
を取り付けて回転駆動するように構成してもよく、この
場合には、床面仕上げ機を研磨機あるいはレイタンス処
理等の清掃機として使用することができるようになる。

［発明の効果］ これを要するに本発明は、機体本体の中心位置に垂設
される中心軸に、複数の支持アームを等角放射状に取付
けたスリーブを遊嵌し、かつ上記中心軸の下端に固設し
た一対の走行ローラに、各別に駆動制御される走行モー
タをそれぞれ内装して、機体本体を自走可能となす一
方、上記各支持フレームの先端部に、回転自在な複数の
回転部片を等角放射状に取付け、同方向に自転する当該
各回転部片が、中心軸を回転中心として同一方向に公転
するように構成すると共に、上記各回転部片を回転駆動
するセルモータ付きのエンジンと、該エンジンの回転数
を制御する電動シリンダと、上記エンジンに併設した発
電機と、受信機を備えた走行用制御装置およびエンジン
始動用のバッテリを、隣設する支持フレーム間にそれぞ
れ設け、エンジンの始動時に、上記バッテリから走行用
制御装置に電力を供給し、該走行用制御装置を介した送
信機からの遠隔操作でエンジンを始動した後には、自走
する機体本体の発電機で走行用制御装置への供給電力を
自給するようにしたから、 エンジンを駆動源としてコンクリート床面仕上げ機を
構成するものでありながら、エンジンの始動、停止や、
自走する機体本体の走行制御および回転部片の回転制御
を、遠隔操作で円滑かつ的確に行うことができる。

コンクリート床面仕上げ機の本体に、エンジンの回転
駆動力で電力を発生する発電機を内装したので、床面仕
上げ機の稼動中においては、制御系の電力供給を十分に
自給することができ、遠隔制御操作における不安定な電
力状態を一掃して確実な床面仕上げ作業を遂行すること
ができる。

コンクリート床面仕上げ機を送受信機による遠隔操作
で稼動させるので、従来のように外部の電力源から給電
ケーブルを取り付けるような煩わしい準備作業を一掃す
ることができ、床面仕上げ機に接続されたケーブル等に
よる引き回しで、未硬化状態にある床面の仕上げ面を荒
らしてしまうような不具合も全くなく、しかも走行ロー
ラの外周域で公転する各回転部片により該走行ローラの
走行軌跡を完全に解消することができるので、仕上げ面
の品質を維持しながら速やかに床面仕上げ作業を行うこ
とができる。

電源の得られない場所でも、床面仕上げ作業を円滑に
行うことができるばかりでなく、各種の回転部片の交換
で簡単に床面仕上げ機を他の用途に転用させることがで
き、その利用範囲を拡大することができる。

等という極めて有用な新規的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】 図面は本発明の一実施例を示す図面であって、第１図は
一部省略全体平面図、第２図は同上縦断側面図、第３図
は走行用制御装置の回路構成を示すブロック図である。 １……コンクリート床面仕上げ機、２……機枠、３……
回転鏝、４……中心軸、４′……スリーブ、６……支持
アーム、７……走行用ローラ、８……ガソリンエンジ
ン、９……発電機、10……制御盤、11……入力側ユニバ
ーサルジョイント、12……ギヤボックス、13……出力側
ユニバーサルジョイント、14……減速機、15……電動シ
リンダ、16……受信機、17……アンテナ、18……タッチ
センサ、19……方向指示ランプ、20……CPU、21……セ
ルモータ、22、23……左右走行モータ、24、25……モー
タコントローラ、26……バッテリ、27……スロットルレ
バー、28……送信機。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機体本体の中心位置に垂設される中心軸
   に、複数の支持アームを等角放射状に取付けたスリーブ
   を遊嵌し、かつ上記中心軸の下端に固設した一対の走行
   ローラに、各別に駆動制御される走行モータをそれぞれ
   内装して、機体本体を自走可能となす一方、上記各支持
   フレームの先端部に、回転自在な複数の回転部片を等角
   放射状に取付け、同方向に自転する当該各回転部片が、
   中心軸を回転中心として同一方向に公転するように構成
   すると共に、上記各回転部片を回転駆動するセルモータ
   付きのエンジンと、該エンジンの回転数を制御する電動
   シリンダと、上記エンジンに併設した発電機と、受信機
   を備えた走行用制御装置およびエンジン始動用のバッテ
   リを、隣設する支持フレーム間にそれぞれ設け、エンジ
   ンの始動時に、上記バッテリから走行用制御装置に電力
   を供給し、該走行用制御装置を介した送信機からの遠隔
   操作でエンジンを始動した後には、自走する機体本体の
   発電機で走行用制御装置への供給電力を自給するように
   したことを特徴とするエンジン駆動型コンクリート床面
   仕上げ機。