JPH08231914A - インキ組成物 - Google Patents

インキ組成物

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JPH08231914A
JPH08231914A JP35181295A JP35181295A JPH08231914A JP H08231914 A JPH08231914 A JP H08231914A JP 35181295 A JP35181295 A JP 35181295A JP 35181295 A JP35181295 A JP 35181295A JP H08231914 A JPH08231914 A JP H08231914A
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JP
Japan
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pigment
ink composition
release agent
room temperature
amount
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JP35181295A
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English (en)
Inventor
Hisanari Fujita
尚成 藤田
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Sakura Color Products Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】筆記板の材質に影響を受けることなく経時消去
性に優れ、隠蔽性が良好で鮮明な筆跡を得ることがで
き、塗布性も良好である。黒板、緑板等の着色板筆記用
として好適である 【解決手段】 少なくとも顔料、顔料分散樹脂、非水系
常温不揮発性液状剥離剤及び非水系常温揮発性有機溶剤
よりなり、顔料分散樹脂が顔料の量に対して2〜10%
含有するインキ組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、白板のほか、特
に黒板、緑板等の着色板に筆記するために、例えばフェ
ルト、繊維束等をペン先とする筆記具に好適に用いられ
るインキ組成物であり、さらに詳述すれば、当該着色板
又は白板(以下、着色板及び白板を総称して「筆記板」
と称する。)に筆記した後、フェルト等のイレーザーで
筆跡を消去することができるインキ組成物の経時消去性
及び隠蔽性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインキ組成物は、顔料、
顔料分散樹脂、常温不揮発性液状剥離剤及び常温揮発性
有機溶剤よりなり、筆記板に筆記後、常温揮発性有機溶
剤は揮発するが常温不揮発性液状剥離剤は揮発しないこ
とから、筆記板上に常温不揮発性液状剥離剤層を形成
し、さらにその上に顔料を含んだフィルム状の顔料分散
樹脂層が連続被膜形成するため、この常温不揮発性液状
剥離剤層を上記フェルト等のイレーザーで拭いて筆記板
上から筆跡を消去するものであった。関連する技術とし
ては、特公昭44−17616号、特公昭46−402
90号、特公昭47−29666号、特公昭48−14
690号、特開昭49−93123号、特公平5−71
066号公報が公表されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、筆記板は、材質
も表面の在り方も実に様々なものが用いられており、筆
跡の消去性は筆記板に大きく作用される。特に、多孔質
の筆記板、例えばメラミン塗装板では、多孔質が原因し
て、不揮発性液状剥離剤が筆記板に吸い取られ、被膜の
顔料分散樹脂層が筆記板に直接付着する結果、筆記後数
週間にわたり放置したのち消去しようとしてもフェルト
等のイレーザーで筆跡を消去することができず、やむな
くアルコール等を用いて消去しなければならず、この点
で従来のインキは経時消去性が問題となっていた。ま
た、多孔質でない筆記板であっても、不揮発性液状剥離
剤が筆記板の表面に拡散して被膜の顔料分散樹脂層が筆
記板に面接着して経時的に消去できなくなる場合があっ
た。
【0004】また、従来のインキ組成物は、筆記板上に
筆記した場合、筆記板上に常温不揮発性液状剥離剤層を
形成し、さらにその上にフィルム状の顔料分散樹脂層が
連続被膜形成するため、筆跡が透明色になり、顔料やチ
タン量をかなり多くして顔料分散樹脂層を形成しない
と、隠蔽性が低く、白板以外の着色板上では鮮明な筆跡
が得にくい問題があった。一方、顔料やチタン量を多く
すると、今度は粘度が増し、塗布性が低下する問題がで
てきた。
【0005】この発明の目的は、筆記板、特に黒板、緑
板等の着色板の材質に影響を受けることなく経時消去性
に優れ、かつ隠蔽性が良好で鮮明な筆跡を得ることがで
き、さらには塗布性も良好であるインキ組成物を提供す
る点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、少なくとも
顔料、顔料分散樹脂、非水系常温不揮発性液状剥離剤及
び非水系常温揮発性有機溶剤よりなり、顔料分散樹脂が
顔料の量に対して2〜10%含有することを特徴とする
インキ組成物である。
【0007】すなわち、従来のインキ組成物は、筆記板
と、顔料分散樹脂層の筆跡フィルムとの間に液状の剥離
剤層を介在させて消去させていたことから、既述の通
り、経時消去性の低下と隠蔽性の低下を余儀無くされ
た。
【0008】この発明は、従来の様に、顔料を多量の顔
料分散樹脂(顔料の重量の50〜250%程度)に分散
させて筆記板上に筆跡連続フィルムを形成して、筆記板
表面に面接触状態にある筆跡フィルムを取り去るのでは
なく、顔料粒子を連続フィルムを形成しないよう顔料分
散樹脂で包み、さらにその周囲に非水系の剥離剤を存在
させ、筆記板表面にはできる限り点接触状態を現出し、
かつまた白亜化による隠蔽性の向上を達成することがで
きる微粒子群の筆跡となり得る様なインキ組成物を開発
したものである。
【0009】かかるインキ組成は、非水系という条件下
で、顔料に対する顔料分散樹脂の量を従来の量よりも大
幅に減少させることで得られた。この数値範囲を検討し
た結果、顔料分散樹脂については、顔料の量に対して2
〜10%含有させることで達成できることが判明した。
特にポリビニールブチラール樹脂(PVB)、酢酸ビニ
ル・エチレン共重合体のいずれか1以上の樹脂は、顔料
の量に対して2〜10%、好ましくは3〜4.5%、特
に4.5%以下含有させると、顔料粒子の周囲に粒状化
層を形成し易いことが判明した。顔料に対して2%未満
の場合は、分散不良を生じ、再分散性が低下する。顔料
に対して10%を越える場合は従来のインキに近付き、
筆跡の経時消去性が低下し、また隠蔽率も低下する。
【0010】また、筆記板表面には点接触状態が現出す
る粒子群の筆跡となるインキ組成物となるためには、あ
たかも砂に含まれた水の様な状態で不揮発性液状剥離剤
が顔料分散樹脂の粒状化層の周りに剥離剤層を形成する
必要があるため、その最も好ましい常温不揮発性液状剥
離剤を検討した結果、脂肪酸エステル、ポリオキシプロ
ピレン化合物、界面活性剤のいずれか1以上の非水系不
揮発性液状剥離剤が好ましいことを判明した。特に、非
水系常温不揮発性液状剥離剤の配合量は顔料の量に対し
て20〜300%、好ましくは30〜250%含有する
ことが最適であることを認めた。300%を越えると筆
跡の乾燥が遅くなりかえって消えにくくなる。また微粒
子群の筆跡が非水系常温不揮発性液状剥離剤に浸漬埋没
して隠蔽率が低下し、着色板では筆跡が薄くなる。20
%未満では非水系常温不揮発性液状剥離剤の量が少なす
ぎるため、消えにくくなる。なお本発明でいう非水系常
温不揮発性液状剥離剤は、不揮発性の液状のほか、不揮
発性のペースト状の非水系剥離剤をも含む概念である。
また、常温不揮発性液状剥離剤は、常温揮発性有機溶剤
とともに、非水系でなければ、不揮発性液状剥離剤が顔
料分散樹脂の粒状化層の周りに剥離剤層を形成するとい
う構造とはなりにくい。またたとえ水系の剥離剤の場合
に顔料分散樹脂の粒状化層の周りに剥離剤層を一時的に
形成することがあっても、水分は蒸発してしまうので、
粒状化層は相互に固着してしまい、安定した剥離剤層と
しては機能しない。
【0011】
【発明の実施の形態】好適な脂肪酸エステルとしては、
高級脂肪酸エステル類、脂肪酸グリセライド、トリメチ
ロールプロパントリ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エチレン
グリコールを例示することができるが、特に限定される
ものではない。具体的には、高級脂肪酸エステル類とし
て、ステアリン酸イソオクチル、イソオクタン酸セチ
ル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソセチル、ミ
リスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル
が好ましい。また、トリメチロールプロパントリ脂肪酸
エステルの具体例としては、トリメチロールプロパント
リラウリン酸エステル、トリメチロールプロパントリオ
レイン酸エステル、トリメチロールプロパンラウリン酸
・ステアリン酸混合トリエステルが好ましい。また好適
なポリオキシプロピレン(POP)化合物には、ポリプ
ロピレングリコール・ポリエチレングリコールブロック
コポリマー、アルキルポリオキシプロピレンエーテル、
アルキルポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン、
脂肪酸ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチルエステ
ルなどのPOP誘導体が例示できる。好適な界面活性剤
としては、アルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル燐
酸エステルのナトリウム塩、アルキル硫酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキル硫酸エステルとそのアルキル
塩が例示できる。またオレイン酸のカリウム、ナトリウ
ム、アンモニウム等の脂肪酸石鹸も例示できる。
【0012】なお、いずれの成分も単独又は複数の混合
物の組み合わせにおいて使用することができる。
【0013】顔料は、フタロシアニン系、アゾ系、キナ
クリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、アンスラキ
ノン系、ペリノンペリレン系、ジケトピロロピロール
系、蛍光顔料のクマロン系、蛍光顔料のベンゾグアナミ
ン系等の公知の顔料や着色剤を使用することができる
が、本発明において特に好適に用いられる顔料として
は、酸化チタン、カーボンブラック、インダスレンブル
ー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ベンゾグアナミン系蛍光顔料(日本触媒製商品名「エポ
カラー」)、ウオッチングレッド、ペリノンオレンジ、
イソインドリンなどが例示できる。顔料の配合量も全配
合量に対して1〜28%、好ましくは2〜23%が好適
範囲である。28%を越えると、粘度が高くなり、かす
れ易くなる。1%未満では発色が不足し、筆跡が見えに
くくなる。
【0014】非水系常温揮発性有機溶剤は、顔料分散樹
脂及び非水系常温不揮発性液状剥離剤を溶解し、筆記後
速やかに蒸発するものであれば特に限定されるものでは
ないが、好ましい有機溶剤として、アセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン系溶剤、メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプ
ロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの
アルコールエーテル系溶剤を挙げることが出来る。これ
らの溶剤は単独又は混媒として使用することができる
が、特に、使用する樹脂等に応じてアルコール系溶剤又
はケトン系溶剤のいずれかを主溶剤として用いることが
好ましい。ケトン系の有機溶剤を用いる場合は、インキ
成分の少なくとも40%配合することが好ましい。
【0015】なお、必要に応じて、この発明のインクに
は、防錆剤、防黴剤、乾燥防止剤、ハジキ防止にシリコ
ーン系・弗素系界面活性剤、アセチレングリコール誘導
体などを配合することができる。
【0016】なお、この発明のインキ組成物は、例えば
フェルト、繊維束等をペン先とする筆記具に好適に用い
られるが、これに限定されるものではない。また、この
発明のインキ組成物は、例えばインキタンクに直接充填
する直液式(インキフリー式)の筆記具に好適に用いる
ことができるが、この点も限定されるものではない。
【0017】この発明は、少なくとも顔料、顔料分散樹
脂、非水系常温不揮発性液状剥離剤及び非水系常温揮発
性有機溶剤よりなり、顔料分散樹脂が顔料に対して2〜
10%、好ましくは4.5%以下、さらに好ましくは3
〜4.5%含有するインキ組成物として、顔料に対する
顔料分散樹脂の量を従来の量よりも大幅に減少させたこ
とから、筆記後の筆跡は、従来の様に、筆記板上に非水
系常温不揮発性液状剥離剤の剥離剤層を形成し、さらに
その剥離剤層上にフィルム状の顔料分散樹脂層が連続被
膜形成しているのではなく、顔料粒子を連続フィルムを
形成しないよう顔料分散樹脂で包み、さらにその周囲に
剥離剤を存在させ、筆記板表面にはできる限り点接触状
態を現出し得るようになっている。ここで「できる限
り」としているのは、顔料分散樹脂の含有量いかんによ
って、筆跡が完全な層状粒子群の集合体として形成され
る場合もあるが、相対的に層状粒子群の集合体に近付い
た状態で形成されている場合も含むことを意味する。
【0018】従って、メラミン塗装板などの多孔質の筆
記板に筆記し、非水系常温揮発性有機溶剤が揮発した
後、筆記板表面のインキは、丁度、砂を敷き詰めた様な
状態で存在し、剥離剤は微粒子群の隙間及び表面に存在
していることになり、フェルト等のイレーザーで消去す
ると、イレーザーにこの層状微粒子群がブルトーザーに
押される様にして消去されていく。因って、筆記後数週
間にわたり放置したのちも、非水系常温不揮発性液状剥
離剤はこの層状微粒子群の隙間に保持され、筆記板への
拡散を起きにくくしていると思われ、簡単に消去するこ
とができ、また層状微粒子群の集合体であるため光の乱
反射が顕著となり白亜化による隠蔽性が向上し、鮮明な
筆跡が得られる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)下記の顔料分散樹脂を下記の非水系常温揮
発性有機溶剤に溶解したものに、下記の顔料粉末、非水
系常温不揮発性液状剥離剤、その他の添加剤を加えてデ
スパー等でプレミックスを行った後、ビーズミルで分散
して実施例1のインキ組成物を得た。配合量はいずれも
重量部である。
【0020】次に、このインキを直接インキタンクに貯
蔵し、ペン先をインキ吸蔵体としていわゆる直液式(イ
ンキフリー式)の着色板筆記用の筆記具を作成した。こ
のインキは蛍光イエローの着色筆記板用インキ組成物で
ある。
【0021】この筆記具を用いてインキの経時消去性及
び隠蔽率を測定試験した。その結果は下記の通りであ
る。なお、筆記板はメラミン塗装着色板を用い、イレー
サーはフェルトの5×5cmで5往復での消去状況で評価
した。評価基準は以下の通りである。なお、比較のた
め、比較試験を行った。
【0022】評価5;100g荷重で消える、評価4;
200g荷重で消える、評価3;400g荷重で消え
る、評価2;800g荷重で消える、評価1;1kg荷
重で10往復で消える。
【0023】 比較例1 実施例1 チタン 4.8 4.8 蛍光黄色顔料 16.8 16.8 (日本触媒社製、蛍光顔料 商品名エポカラーFP300) PVB 2.4 0.9 (電気化学工業社製 商品名デンカブチラール2000L) イソプロピルアルコール 21 21 エタノール 46 47.5 イソオクタン酸セチル 3 3 (日光ケミカルズ社製 商品名ニッコールCIO) ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩 6 6 (第一工業製薬社製 商品名ハイテノール08E) 消去性 初期 評価4 評価5 室温1か月 評価1 評価5 隠蔽率 28% 39%
【0024】また、初期消去性を顕微鏡写真で撮影し
た。図1は顔料とPVBの重量比が100:100の場
合(ほぼすべての白板用筆記具が同成分比にあた
る。)、図2はその説明図、図3は顔料とPVBの重量
比が100:14.3の場合(比較例1に対応/黒板
用)、図4はその説明図、図5は顔料とPVBの重量比
が100:4.2の場合(実施例1に対応/黒板用)、
図6はその説明図である。いずれもイレーサーで消して
いく途中で消すことを中止し、消え始めの部分を上から
撮影している。顕微鏡写真は光ファイバーを用いたビデ
オ顕微鏡で倍率250倍のレンズにて撮影し、カラービ
デオコピー(三菱SCT−CP150)にて写真とし
た。
【0025】また図7は顔料とPVBの重量比が10
0:100の場合の消去時の挙動を模式化した図、図8
は顔料とPVBの重量比が100:14.3の場合の消
去時の挙動を模式化した図、図9は顔料とPVBの重量
比が100:4.2の場合の消去時の挙動を模式化した
図である。なお図2、図4、図6、図7、図8及び図9
中、1はメラミン塗装板の筆記面、2は筆跡を示す被
膜、3はイレーサーのフェルト面、4は筆跡を示す微粒
子群である。
【0026】顔料とPVBの重量比が100:100の
場合、筆跡の状況は、明かにフィルム状の被膜が形成さ
れており、消去時の挙動は、図7に示す様に、イレーサ
ー3に押されて被膜2が筆記面1を滑り、折り畳まれな
がら消去されていく。PVBの重量比が100:14.
3の比較例1の場合では、筆跡の状況は多孔質の脆い被
膜を形成しており、消去時の挙動は、図8に示す様に、
イレーサー3に押されて被膜2が折り畳まれながら消さ
れ、ある程度大きくなったところでちぎれる。PVBの
重量比が100:4.2の場合の筆跡の状況は、図9に
示す様に、イレーサー3に押されて砂(微粒子群4)が
ブルトーザーに押された様な状態で消去される。
【0027】これらのことから、顔料粒子を顔料分散樹
脂が包み、さらにその周囲に剥離剤が存在し、筆記板表
面には筆跡の微粒子群が可及的に点接触状態で接触して
いることが理解できる。
【0028】(実施例2)実施例1と同様にして、下記
の成分にてホワイトインキを得て、同様にインキの経時
消去性及び隠蔽率を測定試験した。その結果を次に示
す。
【0029】 比較例2 実施例2 チタン 21.0 21.0 PVB 3.6 0.9 (積水化学工業社製 商品名エッスレックBL-1) ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩 1.5 1.5 (第一工業製薬社製 商品名ハイテノール08E) イソステアリン酸ブチル 6.0 6.0 (日光ケミカルズ社製 商品名ニッコールBIS) イソプロピルアルコール 20.0 20.0 エタノール 49.7 50.6 消去性 室温1か月 評価1 評価4 隠蔽率 30% 47%
【0030】(実施例3)実施例1と同様にして、下記
の成分にて蛍光オレンジのインキ組成物を得て、同様に
インキ組成物の経時消去性及び隠蔽率を測定試験した。
その結果を次に示す。
【0031】 比較例3 実施例3 オレンジ蛍光顔料 18.4 18.4 (日本触媒製、蛍光顔料 商品名エポカラー FP40) PVB 2.1 0.7 (電気化学工業製商品名デンカブチラール2000L ) POP/POEブロックコポリマー 10.0 10.0 (旭電化製 商品名プルロニックL−61) イソオクタン酸セチル 3.0 3.0 (日光ケミカルズ社製 商品名ニッコールCIO) イソプロピルアルコール 25.0 25.0 エタノール 41.5 42.9 消去性 室温1か月 評価1 評価5 隠蔽率 30% 47%
【0032】(実施例4)実施例1と同様にして、下記
の成分にて蛍光ピンクのインキ組成物を得て、同様にイ
ンキ組成物の経時消去性及び隠蔽率を測定試験した。そ
の結果を次に示す。
【0033】 実施例4 チタン 4.0 蛍光ピンク顔料 17.8 (日本触媒製、蛍光顔料、商品名エポカラーFP2050N ) PVB 0.8 (積水化学工業社製 商品名エッスレックBL−1) ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル 1.5 (第一工業製薬社製 商品名プライサーフA−207H) イソオクタン酸セチル 7.0 (日光ケミカルズ社製 商品名ニッコールCIO) イソプロピルアルコール 30.0 エタノール 38.9 消去性 室温1か月 評価4 隠蔽率 44%
【0034】(実施例5及び実施例6)実施例1と同様
にして、下記の成分にて青のインキ組成物を得て、同様
にインキ組成物の経時消去性及び隠蔽率を測定試験し
た。その結果を次に示す。
【0035】 実施例5 実施例6 チタン 10.8 − P.Blue 3.0 3.5 (C.I.番号;74160/大日精化製商品名シアニンブルー4938) PVB(積水化学工業社製 商品名エッスレックBL-1) 0.6 0.3 ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル 3.0 3.0 (第一工業製薬社製 商品名プライサーフA-207H) トリメチロールプロパントリエステル 8.5 8.5 (日本油脂工業社製 商品名ユニスターH3334R) イソプロピルアルコール 20.0 20.0 エタノール 54.1 64.7 消去性 室温1か月 評価3 評価3 隠蔽率 32% 23%
【0036】(実施例7及び実施例8)実施例1と同様
にして、下記の成分にて赤のインキ組成物を得て、同様
にインキ組成物の経時消去性及び隠蔽率を測定試験し
た。その結果を次に示す。
【0037】 実施例7 比較例4 チタン 6.3 6.3 P.Red 2.0 2.0 (C.I.番号;254/チバガイギー製商品名クロモフタルDPPレッドBP) PVB 0.8 4.3 (電気化学工業製商品名デンカブチラール2000L ) ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩 2.0 2.0 (第一工業製薬社製 商品名ハイテノール08E) イソオクタン酸イソプロピル 8.0 8.0 イソプロピルアルコール 25.0 25.0 エタノール 55.9 52.4 消去性 室温1か月 評価4 消去不可 隠蔽率 37% 18%
【0038】 実施例8 比較例5 チタン − − P.Red 4.0 4.0 (C.I.番号;254/チバガイギー製商品名クロモフタルDPPレッドBP) PVB 0.3 4.0 (電気化学工業製商品名デンカブチラール2000L ) ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル 2.0 2.0 (第一工業製薬社製 商品名プライサーフA−207H) ジデカン酸プロピレングリコール 8.0 8.0 (日光ケミカルズ社製 商品名ニッコールPDD) イソプロピルアルコール 25.0 25.0 エタノール 60.7 57.0 消去性 室温1か月 評価4 消去不可 隠蔽率 29% 14%
【0039】(実施例9及び実施例10)実施例1と同
様にして、下記の成分にてそれぞれ黄色及び赤色のイン
キ組成物を得て、同様にインキ組成物の経時消去性及び
隠蔽率を測定試験した。その結果を次に示す。
【0040】 実施例9 実施例10 チタン 5.0 6.0 蛍光黄色顔料 18.0 − (日本触媒製、蛍光顔料、商品名「エポカラーFP300」) P.Red − 3.8 (C.I.番号;254/チバガイギー社製、商品名クロモフタルDPPレッドBP) 酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマー 1.0 − (日本合成化学社製、商品名「ソアレックスR−FH」、酢酸ビニル87%) 酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマー − 0.4 (日本合成化学社製、商品名「ソアレックスR−BH」、酢酸ビニル55%) メチルイソブチルケトン − 62.8 エチルアルコール 54.0 − プロピレングリコールモノメチルエーテル − 15.0 イソプロピルアルコール 10.0 − ステアリン酸イソオクチル 6.0 5.5 (日光ケミカルズ社製、商品名「ニッコールIOS」) ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル 3.0 4.0 (第一工業製薬社製、商品名「プライサーフA−2A2C」) トリメチロールプロパントリエステル 3.0 2.5 (日本油脂工業社製、商品名「ユニスターH334R」) 消去性 室温1か月 評価4 評価3 隠蔽率 37% 34%
【0041】上述の実施例及び比較例の結果より、顔料
分散樹脂を顔料の量に対して2〜10%含有するように
すれば、経時消去性が向上し、隠蔽率が増大することが
判明した。特に、顔料分散樹脂が顔料の量に対して4.
5%以下、特に3〜4.5%とした場合は、経時消去性
の評価がいずれも5となっており、顕著な経時消去性の
向上が達成された。また実施例のインクは顔料濃度が低
いため、塗布性が良好であった。
【0042】
【発明の効果】この発明は、少なくとも顔料、顔料分散
樹脂、非水系常温不揮発性液状剥離剤及び非水系常温揮
発性有機溶剤よりなり、顔料分散樹脂が顔料の量に対し
て2〜10%含有することを特徴とするインキ組成物で
ある。白板のほか、特に黒板、緑板等の着色板に筆記す
るインキ組成物として有用である。従って、筆記板の材
質に影響を受けることなく経時消去性に優れ、かつ隠蔽
性が良好で鮮明な筆跡を得ることができ、また従来の様
に顔料濃度を大にする必要がないため塗布性も良好であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】顔料とPVBの重量比が100:100である
場合において、筆記板表面を倍率250倍で撮影した顕
微鏡写真である。
【図2】図1の説明図である。
【図3】顔料とPVBの重量比が100:14.3の場
合において、筆記板表面を倍率250倍で撮影した顕微
鏡写真である。
【図4】図3の説明図である。
【図5】顔料とPVBの重量比が100:4.2の場合
において、筆記板表面を倍率250倍で撮影した顕微鏡
写真である。
【図6】図5の説明図である。
【図7】顔料とPVBの重量比が100:100の場合
の消去時の挙動を式化模式化した断面図である。
【図8】顔料とPVBの重量比が100:14.3の場
合の消去時の挙動を模式化した断面図である。
【図9】顔料とPVBの重量比が100:4.2の場合
の消去時の挙動を模式化した断面図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも顔料、顔料分散樹脂、非水系
    常温不揮発性液状剥離剤、及び非水系常温揮発性有機溶
    剤よりなり、顔料分散樹脂が顔料の量に対して2〜10
    %含有することを特徴とするインキ組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも顔料、顔料分散樹脂、非水系
    常温不揮発性液状剥離剤、及び非水系常温揮発性有機溶
    剤よりなり、顔料分散樹脂が顔料の量に対して2〜10
    %含有することを特徴とする筆記板用インキ組成物。
  3. 【請求項3】 顔料分散樹脂が顔料の量に対して4.5
    %以下含有する請求項1又は2記載のインキ組成物。
  4. 【請求項4】 顔料分散樹脂が顔料の量に対して3〜
    4.5%含有する請求項1、2又は3記載のインキ組成
    物。
  5. 【請求項5】 顔料分散樹脂がポリビニールブチラール
    樹脂である請求項1、2、3又は4記載のインキ組成
    物。
  6. 【請求項6】 顔料分散樹脂が酢酸ビニル・エチレン共
    重合体である請求項1、2、3、4又は5記載のインキ
    組成物。
  7. 【請求項7】 非水系常温不揮発性液状剥離剤が脂肪酸
    エステル、ポリオキシプロピレン化合物、界面活性剤の
    いずれか1以上である請求項1乃至6のいずれかに記載
    のインキ組成物。
  8. 【請求項8】 非水系常温不揮発性液状剥離剤が顔料の
    量に対して20〜300%含有する請求項1乃至7のい
    ずれかに記載のインキ組成物。
  9. 【請求項9】 非水系常温揮発性有機溶剤がアルコール
    系溶剤を主溶剤である請求項1乃至8のいずれかに記載
    のインキ組成物。
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