JPH08229071A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JPH08229071A
JPH08229071A JP7341958A JP34195895A JPH08229071A JP H08229071 A JPH08229071 A JP H08229071A JP 7341958 A JP7341958 A JP 7341958A JP 34195895 A JP34195895 A JP 34195895A JP H08229071 A JPH08229071 A JP H08229071A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体吸収空間が大きく、液体の吸収透過性が
高く且つ液体の拡散性の高い吸収紙を具備して成り、し
かも、液体の吸収性が高く、液漏れが少なく且つ極薄で
快適な装着感を有する吸収性物品の提供。 【構成】 液透過性の表面材、液不透過性の防漏材並び
に該表面材及び該防漏材の間に介在する液保持性の吸収
体を具備して成る吸収性物品において、上記吸収体は、
吸収紙と高吸収性ポリマーとを具備して成り、上記吸収
紙は、嵩高性のセルロース繊維と親水性の微細繊維又は
親水性の微細粉体とを含み、上記親水性の微細繊維又は
親水性の微細粉体は、上記吸収紙の一方の面側における
存在割合が、他方の面側における存在割合よりも高く、
上記嵩高性のセルロース繊維の平均繊維長が1〜20mm
であり、上記親水性の微細繊維の平均繊維長が0.02
〜0.5mmであり、そして上記親水性の微細粉体の平均
粉体粒径が0.02〜0.5mmである、ことを特徴とす
る吸収性物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収性物品に関するも
のであり、更に詳しくは、液吸収透過性及び液拡散性に
優れた吸収紙を具備して成る薄型の吸収性物品に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】紙おむ
つ、生理用ナプキン及び失禁者用パッド等の吸収性物品
に関しては、その体液の吸収性の向上を目的とした技術
が数多く提案され、その改善がなされてきた。そして、
これらの改善の大部分は、液吸収速度の向上、吸収体か
ら表面材への液戻りの阻止及び液漏れ防止並びに吸収性
物品の身体に対するベタツキの低減にあった。
【0003】例えば、吸収体の素材に関しては、物理的
微細空間中に液体を吸収・保持する親水性の吸収紙やパ
ルプなどを使用することに代えて、液体を物理化学的な
作用、即ち、イオン浸透圧により液体を吸収・保持させ
ることによって液吸収容量を向上させると共に液吸収後
の液戻りを防止する高吸収性ポリマーを使用することが
提案されている。高吸収性ポリマーを使用することによ
り、液吸収性が向上し、現在ではパルプと高吸収性ポリ
マーとを併用した吸収体が殆どの吸収性物品に用いられ
ている。
【0004】しかし、このような吸収性物品であって
も、吸収性物品に対する不満の第一が液漏れにあること
から示唆されるように、液漏れ防止は依然として十分な
ものとはいえない。
【0005】即ち、イオン浸透圧により液体を吸収・保
持させる高吸収性ポリマーでは液体の吸収速度に限界が
ある。更に高吸収性ポリマーは液体で濡れないと液体を
吸収できないため、高吸収性ポリマーは、液吸収速度の
速いパルプや吸収紙などと併用せざるを得なかった。と
ころが、パルプは、吸収体として柔軟なフラッフ吸収層
を形成したときに、局所的に液体を吸収するために、吸
収体全体を効率よく利用するための拡散性に劣るという
問題がある。
【0006】また、パルプは乾燥時にはある程度の圧縮
回復性及び曲げ回復性を示すが、湿潤時には極度に強度
が低下し、殆どそれらの回復性を示さないため、湿潤し
たパルプに応力が加わると、パルプが圧縮変形(以下
「ヨレ」という)してその液体吸収空間が著しく減少す
る。その結果、一旦吸収した液体がヨレに伴って容易に
身体側に逆戻りしてしまい、ベタツキや液漏れの原因に
なってしまう。
【0007】また、このヨレに伴い液体吸収空間が減少
することによって、液体がポリマーへ移動する際の移動
抵抗が増大する。その結果、ポリマーの液吸収効率が低
下するばかりか、吸収体全体としてもヨレた後の再吸収
速度が著しく低下するため、液漏れの原因となることが
多い。
【0008】これらのフラッフパルプの拡散性の乏しさ
及びヨレに伴う液体吸収空間の減少を改善するため、パ
ルプを圧縮/高密度化することにより、拡散性や液戻り
性を向上させる技術もこれまでに報告されている。しか
し、それらの技術は、パルプは濡れると強度が極端に低
下してしまうという本質的な問題を解決していないばか
りか、逆にパルプの繊維間距離が密になり過ぎることに
より液体がポリマーへ移動する際の移動抵抗が非常に増
大してしまい、結果として、ポリマーの液吸収効率が悪
化してしまうという不都合を生じさせている。即ち、フ
ラッフパルプから成る吸収体では、液体の吸収性及び拡
散性が両立しておらず、依然として吸収性/漏れ防止性
に関して不十分なものであった。
【0009】一方、上記吸収紙としては、天然パルプを
湿式抄造した吸収紙が大部分を占めている。しかし、こ
のような方法で製造された吸収紙は抄造時の脱水/湿圧
/乾燥過程において、パルプの脱水及び乾燥の際に、パ
ルプ繊維間に、水の界面張力及び水素結合による強い緊
締力が働く。この緊締力により、パルプ繊維間は非常に
締まってしまう。その結果、パルプ繊維を湿式抄紙して
得られた吸収紙は、液体の吸収/透過が非常に遅いもの
となってしまうばかりか、液体を実質的に吸収するパル
プ繊維空間も極めて減少する。
【0010】また、吸収紙をクレープ処理やエンボス処
理して、吸収紙の嵩高性を向上させる方法も試みられて
いる。しかしながら、かかる方法では、吸収紙の見掛け
の厚みが向上するのみであり、パルプ繊維から構成され
る液体吸収空間は殆ど増加せず、液体の吸収透過性も改
善されていない。
【0011】また、嵩高性のセルロース繊維を主体とす
る吸収紙も提案されている。かかる吸収紙は繊維間距離
が大きいので液体の吸収速度及び液体の透過速度に優れ
るが、液体の拡散性が劣る。従って、吸収紙の表面に液
体が滞留してしまい、吸収紙表面のサラット感に欠け
る。更に、液体を吸収した状態で圧力が加わると、液戻
りが容易に起きてしまう。一方、繊維径の小さな針葉樹
パルプや広葉樹パルプを主体とする吸収紙も提案されて
いる。かかる吸収紙は密度が高いので毛細管現象により
液体の吸収性及び液体の拡散性に優れるが、液体の透過
性に劣るので、吸収紙の表面に液体が滞留したままであ
り、吸収紙表面のサラット感に欠ける。このように、一
枚の吸収紙のみで、液体の吸収透過性及び液体の拡散性
を発現せしめることは困難である。
【0012】吸収紙の製造にエアーレイ法等の乾式法を
用いて嵩高な吸収紙を製造することも試みられている。
即ち、パルプを嵩高に堆積し、これを適当な結合剤を用
いて結合させることによって、嵩高な吸収紙を製造す
る。この方法によれば、乾燥時の密度が非常に低く、パ
ルプ繊維間距離が大きく、しかも液体吸収空間の大きな
吸収紙を得ることができる。かかる吸収紙は、液体を吸
収した場合でも液体吸収空間は大きいが、拡散性が非常
に乏しいという欠点を有する。更に、かかる吸収紙が液
体に濡れた状態で加圧下にあると、フラッフパルプと同
様に、ヨレ/ヘタリが生じるという不具合もある。
【0013】また、レーヨンスパンボンド等のセルロー
ス系の不織布も吸収紙として用いられている。不織布は
単繊維からなるので、不織布の吸収紙は、その機能にお
いて液の拡散性と液の吸収透過性とが相反する関係にあ
る。つまり、液体の拡散性は単繊維の繊維径を小さくす
れば向上する傾向にあるが、これは繊維間距離を小さく
することにもなるので液体の吸収透過性は悪化してしま
う。逆に、単繊維の繊維径を大きくすると、液体の吸収
透過性は向上するが、液体の拡散性が劣ってしまう。こ
のように、不織布を用いた吸収紙では、液体の拡散性及
び液体の吸収透過性の双方を満たすことはできない。
【0014】特開平4−89053号公報には、液体の
吸収透過性及び液体の拡散性がそれぞれ異なる種々の吸
収紙と高吸収性ポリマーとを組み合わせて吸収体を構成
した高吸収性で極薄の吸収性物品が開示されている。し
かし、かかる吸収性物品では、液体の一時吸収/透過/
拡散/保持という吸収性物品のそれぞれの機能を、吸収
体を構成する吸収紙や高吸収性ポリマーなどの構成部材
のそれぞれに割り当てているので、吸収体の構成が複雑
になる欠点があり、コストアップという不具合が生じ
る。
【0015】従って、本発明の目的は、液体吸収空間が
大きく、液体の吸収透過性が高く、且つ液体の拡散性の
高い吸収紙を具備して成る吸収性物品を提供することに
ある。
【0016】また、本発明の目的は、液体の吸収性が高
く、液漏れが少なく且つ極薄で快適な装着感を有する吸
収性物品を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
をした結果、吸収性物品の吸収体に用いられる吸収紙に
関し、特定の繊維を組み合せて、その存在割合に勾配を
設けた吸収紙が、液体の拡散性及び液体の吸収透過性の
双方の性質を兼ね備えることを知見した。
【0018】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、液透過性の表面材、液不透過性の防漏材並びに
該表面材及び該防漏材の間に介在する液保持性の吸収体
を具備して成る吸収性物品において、上記吸収体は、吸
収紙と高吸収性ポリマーとを具備して成り、上記吸収紙
は、嵩高性のセルロース繊維と親水性の微細繊維又は親
水性の微細粉体とを含み、上記親水性の微細繊維又は親
水性の微細粉体は、上記吸収紙の一方の面側における存
在割合が、他方の面側における存在割合よりも高く、上
記嵩高性のセルロース繊維の平均繊維長が1〜20mmで
あり、上記親水性の微細繊維の平均繊維長が0.02〜
0.5mmであり、そして上記親水性の微細粉体の平均粉
体粒径が0.02〜0.5mmである、ことを特徴とする
吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成した
ものである。
【0019】
【作用】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙は、上
述の通り、嵩高性のセルロース繊維と親水性の微細繊維
又は親水性の微細粉体とを含む。上記嵩高性のセルロー
ス繊維は、上記吸収紙中において、嵩高なネットワーク
構造を形成する。一方、上記親水性の微細繊維又は親水
性の微細粉体は、上記吸収紙の一方の面側における存在
割合が、他方の面側における存在割合よりも高くなって
いる。その結果、上記親水性の微細繊維又は上記親水性
の微細粉体の存在割合の低い面側は、液体の吸収速度及
び局所的な液体の吸収性に優れると共に液体の透過も高
い。一方、上記親水性の微細繊維又は上記親水性の微細
粉体の存在割合の高い面側は、上記親水性の微細繊維又
は上記親水性の微細粉体が高い表面積を有しているが故
に、液体の拡散性に優れる。従って、上記親水性の微細
繊維又は上記親水性の微細粉体の存在割合の低い面側を
透過してきた液体を素早く拡散することができる。この
ように、本発明の吸収性物品に使用される吸収紙は、単
一の構造であるにも拘らず、液体の吸収透過性及び液体
の拡散性の双方の性質を兼ね備えたものである。このよ
うに、上記吸収紙は、その単一の構造中に液体の吸収拡
散勾配を有しているが故に、液体の吸収速度が速く、液
体のスポット吸収性並びに液体の透過性及び拡散性に優
れ、その結果、表面のサラット感が非常に高いものとな
る。従って、上記吸収紙を用いて構成した本発明の吸収
性物品は、上記吸収紙の機能により、液透過性の表面材
から液保持性の吸収体中に存在する高吸収性ポリマーま
での液体の流れを理想化でき、極めて高吸収性で、液漏
れが少なく、しかも極薄であり装着感に優れるものとな
る。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、本発明の吸収性物品に使用
される吸収紙を、図面を参照しつつ、その好ましい製造
方法と共に詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の
吸収性物品に使用される吸収紙の厚さ方向の断面を示す
模式図であり、図2は、上記吸収紙による液体の吸収・
拡散の状態を示す模式図である。
【0021】図1に示す如く、上記吸収紙11は、嵩高
性のセルロース繊維12と親水性の微細繊維13又は親
水性の微細粉体13とを含み、上記親水性の微細繊維1
3又は親水性の微細粉体13は、上記吸収紙11の一方
の面側における存在割合が、他方の面側における存在割
合よりも高く、上記嵩高性のセルロース繊維12の平均
繊維長が1〜20mmであり、上記親水性の微細繊維13
の平均繊維長が0.02〜0.5mmであり、そして、上
記親水性の微細粉体13の平均粉体粒径が0.02〜
0.5mmであることを特徴とする。
【0022】図1に示す如く、本発明の吸収性物品に使
用される吸収紙11に含まれる上記親水性の微細繊維1
3又は上記親水性の微細粉体13は、該吸収紙11の厚
さ方向において、その分布に勾配を有している。即ち、
上記吸収紙11の厚さ方向において、上記親水性の微細
繊維13又は上記親水性の微細粉体13は、上記吸収紙
11の一方の面側における存在割合が、他方の面側にお
ける存在割合よりも高くなっている。以下の説明におい
て、上記吸収紙11の面のうち、上記親水性の微細繊維
13又は上記親水性の微細粉体13の存在割合が低い方
の面を「表面」といい、上記親水性の微細繊維13又は
親水性の微細粉体13の存在割合が高い方の面を「裏
面」という。
【0023】図2に示す如く、本発明の吸収性物品に使
用される吸収紙11の、上記「表面」から「表面」近傍
にかけては、上記嵩高性のセルロース繊維12が主体と
なっているので、液体(図2中矢印で示す)を素早く吸
収し且つ上記「裏面」に液体を素早く透過させる機能を
有する。即ち、この領域は、主として液体の「吸収透過
層」として機能する。一方、上記「裏面」から「裏面」
近傍にかけては、上記親水性の微細繊維13又は上記親
水性の微細粉体13が主体となっているので、上記「表
面」から透過してきた液体を素早く拡散させる機能を有
する。即ち、この領域は、主として液体の「拡散層」と
して機能する。このように、本発明の吸収性物品に使用
される吸収紙11は、単一の構造中に、吸収透過層と拡
散層とを併せ持つことを特徴とし、その結果、液体の吸
収性が高く、しかも、液体吸収後はその表面が極めてさ
らっとしている(サラット感)。
【0024】上述の通り、上記「表面」と上記「裏面」
とでは、液体の拡散性に大きな差がある。即ち、上記親
水性の微細繊維又は上記親水性の微細粉体が主体となっ
ている「裏面」側(拡散層)では、液体は素早く拡散す
る。一方、上記嵩高性のセルロース繊維が主体となって
いる「表面」側(吸収透過層)では、液体の吸収及び透
過は迅速であるが液体の拡散はそれ程速くない。つま
り、本発明の吸収性物品に使用される吸収紙において
は、その厚さ方向における液体の拡散に関して拡散勾配
を有している。従って、例えば、液体の拡散性の尺度と
して、上記吸収紙に生理食塩水1gを吸収させたときの
拡散面積を採用すると、上記「裏面」側における拡散面
積は、上記「表面」側における拡散面積よりも大きくな
る。本発明においては、上記吸収紙における上記「裏
面」側の拡散面積と上記「表面」側との拡散面積との比
は、好ましくは1.2以上であり、一層好ましくは1.
5〜20であり、特に好ましくは2〜20である。な
お、上記拡散面積の測定方法の詳細については後述す
る。
【0025】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙に
おける上記親水性の微細繊維又は上記親水性の微細粉体
の存在割合は、上記「表面」から上記「裏面」に向かっ
て漸次増加していてもよいが、ある厚さを境としてステ
ップ状に増加していてもよい。
【0026】一方、上記嵩高性のセルロース繊維は、上
記吸収紙の厚さ方向において、均一に存在していてもよ
いが、より好ましくは上記吸収紙の「裏面」側よりも
「表面」側の方が、その存在割合が高くなっている。つ
まり、上記吸収紙の厚さ方向において、上記嵩高性のセ
ルロース繊維の存在割合に勾配があることが好ましい。
かかる存在割合は、上記「裏面」から上記「表面」に向
かって漸次増加していてもよいが、ある厚さを境として
ステップ状に増加していてもよい。
【0027】更に詳細には、上記吸収紙の「裏面」側か
ら厚さ方向に約1/3までの深さに、上記親水性の微細
繊維又は上記親水性の微細粉体が、その全量に基づき好
ましくは約5〜約70重量%、一層好ましくは約10〜
約50重量%存在し、上記親水性の微細繊維又は上記親
水性の微細粉体を主体とする上記拡散層が形成されてい
る。一方、上記吸収紙の「表面」側から厚さ方向に約2
/3までの深さに、上記嵩高性のセルロース繊維が、そ
の全量に基づき好ましくは約60〜約100重量%、一
層好ましくは約70〜約97重量%存在し、上記嵩高性
のセルロース繊維を主体とする上記吸収透過層が形成さ
れている。
【0028】上述の通り、上記吸収紙の厚さ方向におい
て、上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親水性の微細
繊維又は上記親水性の微細粉体の分布は、漸次増加して
いてもよく、ある厚さを境としてステップ状に増加して
いてもよい。そして、上記嵩高性のセルロース繊維及び
上記親水性の微細繊維又は上記親水性の微細粉体の双方
が吸収紙の厚さ方向において、その分布に勾配を有して
いる上記吸収紙の特に好ましい実施形態においては、液
体の吸収透過性と液体の拡散性とが一層顕著に発現し得
る。
【0029】上述の通り、本発明の吸収性物品に使用さ
れる吸収紙は、主として、その「表面」側が液体の吸収
透過性を有し、その「裏面」側が液体の拡散性を有す
る。従って、本発明の吸収性物品の使用に際しては、上
記吸収紙の「表面」側を最初に液体と接する側にするこ
とが好ましい。
【0030】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙に
おける、上記嵩高性のセルロース繊維及び上記親水性の
微細繊維又は上記親水性の微細粉体の配合割合には特に
制限はないが、上記嵩高性のセルロース繊維は、上記吸
収紙100重量部に基づいて50〜97重量部含まれる
ことが好ましく、70〜95重量部含まれることが一層
好ましい。上記嵩高性のセルロース繊維の配合割合が5
0重量部に満たないと、嵩高のネットワーク構造が不十
分で、透過と拡散を兼ね備えた吸収紙を得られない場合
があり、上記嵩高性のセルロース繊維の配合割合が97
重量部を超えると、親水性の微細繊維又は親水性の微細
粉体の配合割合が低くなり、拡散性が不十分となるの
で、上記範囲とすることが好ましい。
【0031】また、上記親水性の微細繊維又は上記親水
性の微細粉体は、上記吸収紙100重量部に基づいて3
〜50重量部含まれることが好ましく、5〜30重量部
含まれることが一層好ましい。上記親水性の微細繊維又
は上記親水性の微細粉体の配合割合が3重量部に満たな
いと、拡散性が不十分となり、上記親水性の微細繊維又
は上記親水性の微細粉体の配合割合が50重量部を超え
ると、「表面」側における親水性の微細繊維又は親水性
の微細粉体の配合割合が増加し、透過性が不十分となる
ので、上記範囲とすることが好ましい。
【0032】また、本発明の吸収性物品に使用される吸
収紙には、必要に応じて、加熱により溶融し相互に接着
する熱溶融性接着繊維を加えてもよい。かかる熱溶融性
接着繊維を加えることにより、上記吸収紙の湿潤時にお
ける構造安定性を保つことができる。
【0033】上記熱溶融性接着繊維は、上記吸収紙10
0重量部に基づき2〜30重量部添加することが好まし
く、より好ましくは3〜20重量部添加する。添加量が
2重量部未満であると、実際に液体を吸収した場合の強
力が不十分となったり、上記吸収紙における上記嵩高性
のセルロース繊維と上記親水性の微細繊維又は上記親水
性の微細粉体との混合状態が変わって拡散勾配が保たれ
ない場合がある。一方、添加量が30重量部を超える
と、吸収紙全体の親水性が低下し、液体の吸収速度や液
体の拡散能力が不十分となる場合があるので上記範囲と
することが好ましい。
【0034】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙に
添加することのできるその他の任意成分としては、例え
ば、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、ワラパルプ等の他の
パルプや強力補助剤としてのジアルデヒドデンプン、カ
イメン及びカルボキシメチルセルロース等を挙げること
ができる。これらの成分は、上記吸収紙100重量部に
基づき0〜20重量部添加することができる。
【0035】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙の
坪量に特に制限はないが、10〜200g/m2 である
ことが好ましく、20〜150g/m2 であることが一
層好ましい。坪量が10g/m2 に満たないと、吸収紙
が薄すぎて、透過と拡散のそれぞれの機能を発現し得な
い場合があり、坪量が200g/m2 を超えると、逆に
吸収紙が厚くなり過ぎ、透過と拡散という液体のスムー
ズな伝達が起こり難い場合があるので、上記範囲とする
ことが好ましい。
【0036】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙の
厚さに特に制限はないが、2.5g/m2 荷重下の厚み
が0.2〜2mmであることが好ましく、0.2〜1m
mであることが一層好ましい。厚さが0.2mmに満た
ないと、吸収紙が薄過ぎて、透過と拡散というそれぞれ
の機能を発現し得ない場合があり、厚さが2mmを超え
ると透過と拡散という液体のスムーズな伝達が起こり難
い場合があるので、上記範囲とすることが好ましい。
【0037】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙の
好ましい実施形態においては、上記吸収紙100重量部
に基づいて上記嵩高性のセルロース繊維を50〜97重
量部、及び上記親水性の微細繊維又は上記親水性の微細
粉体を3〜50重量部含む。
【0038】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙の
特に好ましい実施形態においては、上記吸収紙100重
量部に基づいて、上記嵩高性のセルロース繊維を70〜
95重量部、上記親水性の微細繊維又は上記親水性の微
細粉体を5〜30重量部、及び上記熱溶融性接着繊維を
2〜30重量部含み;そして上記吸収紙の坪量が10〜
200g/m2 である。
【0039】上記吸収紙は、好ましくは以下に述べる方
法によって製造される。即ち、上記吸収紙は、図3に示
す如く、平均繊維長が1〜20mmである上記嵩高性のセ
ルロース繊維12と平均繊維長が0.02〜0.5mmで
ある上記親水性の微細繊維13又は平均粉体粒径が0.
02〜0.5mmである上記親水性の微細粉体13とを水
中に分散せしめてスラリー14を形成する工程、上記ス
ラリー14を抄紙ワイヤー15上に散布して、該抄紙ワ
イヤー15上に紙層16を形成する工程、並びに上記紙
層16を脱水及び乾燥させる工程、から成る方法によっ
て好適に製造される。
【0040】このように、本発明の吸収性物品に使用さ
れる吸収紙は、好ましくは湿式抄紙法によって製造され
る。湿式抄紙機には特に制限はなく、例えば、丸網式抄
紙機、フォーマー式抄紙機及び長網式抄紙機等を用いる
ことができる。
【0041】上記抄紙法について、図3の(a)部分の
拡大図である図4を参照しつつ更に詳述する。上記スラ
リー14が上記抄紙ワイヤー15上に散布されると、上
記スラリー14中の水は上記抄紙ワイヤー15を通じて
除去されると同時に上記抄紙ワイヤー15上に紙層16
が形成される。該紙層16中において、上記嵩高性のセ
ルロース繊維12は、図4に示す如く、その厚さ方向に
わたって嵩高なネットワーク構造17を形成する。一
方、上記スラリー14中の上記親水性の微細繊維13又
は上記親水性の微細粉体13は、上記嵩高性のセルロー
ス繊維12よりも微細であるので、水と共に上記ネット
ワーク構造17中を通り抜け、上記抄紙ワイヤー15上
に堆積する。その結果、上記親水性の微細繊維13又は
上記親水性の微細粉体13は、吸収紙11の厚さ方向に
おいて、その分布に勾配を有している。即ち、図4に示
す如く、上記紙層16の面のうち、上記抄紙ワイヤー1
5に接している方の面における上記親水性の微細繊維1
3又は上記親水性の微細粉体13の存在割合は、他方の
面における存在割合よりも高くなっている。
【0042】このように、上記吸収紙の好ましい製造方
法においては、上記嵩高性のセルロース繊維12と、上
記親水性の微細繊維13又は上記親水性の微細粉体13
との繊維長及び繊維径の格差を利用して、上記吸収紙の
厚さ方向における上記親水性の微細繊維13又は上記親
水性の微細粉体13の存在割合に勾配を設けている。
【0043】上記スラリー中における上記嵩高性のセル
ロース繊維12の濃度は、上記スラリーの全量に基づ
き、好ましくは0.02〜1重量%であり、更に好まし
くは、0.03〜0.7重量%である。上記嵩高性のセ
ルロース繊維12の濃度が、0.02重量%に満たない
と、目的とする透過速度が不十分となったり、目的とす
る坪量を得る為の排水量が多くなりすぎて、エネルギー
的にロスが大きく、上記嵩高性のセルロース繊維12の
濃度が、1重量%を超えると、繊維の分散性が悪化し、
紙層ムラ等が生じたりするので、上記範囲とすることが
好ましい。
【0044】一方、上記スラリー中における上記親水性
の微細繊維13又は上記親水性の微細粉体13の濃度
は、上記スラリーの全量に基づき、好ましくは0.00
2〜0.5重量%であり、更に好ましくは、0.003
〜0.3重量%である。上記親水性の微細繊維13又は
上記親水性の微細粉体13の濃度が、0.002重量%
に満たないと、目的とする拡散性が得られない場合があ
り、上記親水性の微細繊維13又は上記親水性の微細粉
体13の濃度が、0.5重量%を超えると、「表面」側
にも、上記親水性の微細繊維13又は上記親水性の微細
粉体13が存在し、目的とする拡散勾配を得られない場
合があるので上記範囲とすることが好ましい。
【0045】また、上記吸収紙に任意に用いられる上記
熱溶融性接着繊維は、上記スラリー中において、その濃
度を0.001〜0.3重量%とすることが好ましく、
0.002〜0.2重量%とすることが一層好ましい。
上記濃度が0.001重量%に満たないと、吸収紙の構
造を安定に保つという目的が達成されない場合があり、
上記濃度が0.3重量%を超えると、吸収紙全体の親水
性が低下する場合があるので、上記範囲とすることが好
ましい。
【0046】上述の通り、本発明の吸収性物品に使用さ
れる吸収紙の好ましい製造方法においては、上記抄紙ワ
イヤー15上に上記スラリー14を散布すると、上記嵩
高性のセルロース繊維12から成る上記嵩高なネットワ
ーク構造17が形成され、かかる嵩高なネットワーク構
造17中の空間を上記親水性の微細繊維13又は上記親
水性の微細粉体13が通り抜けて上記抄紙ワイヤー15
上に堆積する。この目的のために、上記親水性の微細繊
維13の平均繊維長又は上記親水性の微細粉体13の平
均粉体粒径を、上記抄紙ワイヤー15のメッシュよりも
大きくすることが重要である。上記親水性の微細繊維1
3の平均繊維長又は上記親水性の微細粉体13の平均粉
体粒径が、上記抄紙ワイヤーのメッシュ15よりも小さ
いと、上記親水性の微細繊維13又は上記親水性の微細
粉体13が上記抄紙ワイヤー15を通り抜けてしまうの
で、上記吸収紙の厚さ方向において、上記親水性の微細
繊維13又は上記親水性の微細粉体13の存在割合に勾
配を設けることができなくなってしまい好ましくない。
また、上記抄紙ワイヤー15のメッシュが小さ過ぎる
と、上記抄紙ワイヤー15上において上記親水性の微細
繊維13又は上記親水性の微細粉体13が目詰まりを起
こしてしまうので好ましくない。従って、上記抄紙ワイ
ヤーのワイヤーの目開き径は、22〜300μm(58
0〜50メッシュ)であることが好ましく、45〜25
0μm(330〜60メッシュ)であることが一層好ま
しい(新JIS(1987)に基づく)。
【0047】上述の本発明の吸収性物品に使用される吸
収紙の好ましい製造方法によれば、上記吸収紙の厚さ方
向において、上記親水性の微細繊維13又は上記親水性
の微細粉体13の分布に勾配を特に容易に設けることが
できる。かかる勾配の程度は、上記抄紙ワイヤー15上
に形成された上記紙層16を脱水する際の速度(水抜き
速度)に依存する。即ち、抄紙速度及び吸収紙の坪量に
もよるが、上記脱水の速度が低いと上記勾配の程度が小
さくなり、結果として、上記吸収紙の厚さ方向におい
て、上記親水性の微細繊維13又は上記親水性の微細粉
体13がほぼ均一に分布してしまう場合がある。一方、
上記脱水の速度が高いと上記勾配の程度は大きくなるの
で好ましいが、脱水の速度を高めるために大きなエネル
ギーを要してしまう。これらを考慮して、本発明におい
ては、上記脱水の速度は2ml/〔cm 2 ・sec 〕以上とす
ることが好ましく、3〜30ml/〔cm2 ・sec 〕とする
ことが一層好ましい。脱水に際しては、例えば、通常の
湿式抄紙機に用いられているサクションボックスを用い
ることができる。
【0048】上述の方法によれば、一回の抄紙プロセス
で液体の吸収透過性及び液体の拡散性を発現し得る吸収
紙を製造することができ、抄紙プロセスを簡略化するこ
とが可能となる。
【0049】なお、本発明の吸収性物品に使用される吸
収紙の製造方法をその好ましい実施形態に基づいて説明
したが、上記吸収紙の製造方法は上記実施形態に限定さ
れず、他の実施形態、例えば乾式抄紙法等によっても上
記吸収紙を製造することができる。
【0050】別の製造方法としては、嵩高セルロース繊
維で繊維のウェブを形成しておき、その後、親水性の微
細繊維又は親水性の微細粉体をそのウェブ上から散布
し、その後、乾燥一体化することで、片面は嵩高セルロ
ース繊維層及びもう片面は親水性の微細繊維又は親水性
の微細粉体主体の層を有した吸収紙が得られる。この方
法によれば、厚さ方向における嵩高セルロース繊維と親
水性の微細繊維又は親水性の微細粉体との存在比率がス
テップ状に変化した吸収紙を製造することが出来る。
【0051】次に、上記吸収紙において用いられる上記
嵩高性のセルロース繊維について詳述する。
【0052】上記吸収紙においては、上記嵩高性のセル
ロース繊維によるネットワーク構造が形成されることが
好ましい。かかるネットワーク構造は液体を素早く吸収
し且つ上記「裏面」側に液体を素早く透過させるために
特に好ましい構造である。この目的のために、上記嵩高
性のセルロース繊維13の平均繊維長は1〜20mmであ
ることが必要であり、好ましい平均繊維長は2〜10mm
であり、一層好ましい平均繊維長は2〜5mmである。平
均繊維長が1mmに満たないと、上記嵩高なネットワーク
構造を形成することができず、しかも、上記親水性の微
細繊維又は上記親水性の微細粉体が上記嵩高なネットワ
ーク構造間を通り抜けることができない。平均繊維長が
20mmを超えると、水中での分散性が悪くなり均一なネ
ットワーク構造を形成することができない。
【0053】上記嵩高性のセルロース繊維としては、嵩
高であればどのようなセルロース繊維を用いてもよい。
セルロース繊維としては、例えば、木材パルプや綿等の
天然セルロース、レーヨンやキュプラ等の再生セルロー
スを用いることができる。コストの点からは、木材パル
プを用いることが好ましく、特に針葉樹クラフトパルプ
が好ましく用いられる。これらのセルロース繊維は1種
又は2種以上を用いることができる。
【0054】上記嵩高性のセルロース繊維の好ましいも
のの例として、セルロース繊維の分子内及び/又は分子
間を架橋させた架橋セルロース繊維がある。かかる架橋
セルロース繊維は湿潤状態でも嵩高構造を維持し得るの
で好ましい。一層好ましい嵩高性のセルロース繊維は、
架橋パルプであり、更に好ましい嵩高性のセルロース繊
維は、平均繊維長2〜5mmのパルプを架橋した架橋パル
プである。
【0055】セルロース繊維を架橋するための方法には
特に制限はないが、例えば、架橋剤を用いた架橋方法が
挙げられる。かかる架橋剤の例としては、ジメチロール
エチレン尿素及びジメチロールジヒドロキシエチレン尿
素等のN−メチロール系化合物;クエン酸、トリカルバ
リル酸及びブタンテトラカルボン酸等のポリカルボン
酸;ジメチルヒドロキシエチレン尿素等のポリオール;
ポリグリシジルエーテル系化合物の架橋剤などが挙げら
れる。特に、架橋時に人体に有害なホルマリン等を発生
しないポリカルボン酸やポリグリシジルエーテル系化合
物の架橋剤が好ましい。
【0056】上記架橋剤の使用量は、上記セルロース繊
維100重量部に対して、0.2〜20重量部とするの
が好ましい。使用量が0.2重量部未満であると、上記
セルロース繊維の架橋密度が低い為、湿潤時に弾性率が
大きく低下してしまう場合があり、使用量が20重量部
を超えると上記セルロース繊維が剛直になり過ぎ、応力
がかかった時に上記セルロース繊維が脆くなってしまう
場合があるので、上記範囲とするのが好ましい。
【0057】上記架橋剤を用いて上記セルロース繊維を
架橋するためには、例えば、上記架橋剤の水溶液に必要
に応じて触媒を添加したものに、上記セルロース繊維を
含浸させ、架橋剤水溶液が設計付着量となる様に上記セ
ルロース繊維を脱水し、次いで架橋温度に加熱するか、
又は、スプレー等により架橋剤水溶液を上記セルロース
繊維に設計付着量となる様に散布し、その後、架橋温度
に加熱し、架橋反応させる。
【0058】また、上記嵩高性のセルロース繊維は、平
均繊維長が1〜20mmであることに加えて、繊維粗度が
0.3mg/m以上であることが好ましい。かかるセルロ
ース繊維は、嵩高な状態でセルロース繊維が集積し、上
記嵩高なネットワーク構造が形成され易いので好まし
い。
【0059】本発明において、「繊維粗度」とは、木材
パルプのように、繊維の太さが不均一な繊維において、
繊維の太さを表す尺度として用いられるものであり、例
えば、繊維粗度計(KAJANNI ELECTRONICS LTD.社製のF
S−200)を用いて測定することができる。
【0060】上述の通り、繊維粗度に関して、上記嵩高
性のセルロース繊維は、繊維粗度が0.3mg/m以上で
あることが好ましく、より好ましい繊維粗度は0.3〜
2mg/mであり、更に好ましい繊維粗度は0.32〜1
mg/mである。
【0061】繊維粗度が0.3mg/m以上のセルロース
繊維の例としては、針葉樹クラフトパルプ〔Federal Pa
per Board Co. 製の「ALBACEL 」(商品名)、及びPT I
ntiIndorayon Utama 製の「INDORAYON 」(商品名)〕
等が挙げられる。
【0062】また、上記嵩高性のセルロース繊維は、繊
維断面の真円度が0.5〜1であることが好ましい。繊
維断面の真円度が0.5〜1であるセルロース繊維は、
液体の移動抵抗が小さく、液体の透過速度が大きくなる
ので好ましい。より好ましく真円度は0.55〜1であ
る。なお、繊維断面の真円度の測定方法は後述する。
【0063】上述の通り、本発明においては、セルロー
ス繊維として木材パルプを使用することが好ましいが、
一般に木材パルプの断面は、脱リグニン化処理により偏
平であり、その殆どの真円度は0.5未満である。この
ような木材パルプの真円度を0.5以上にするために
は、例えば、平均繊維長が1〜20mmの木材パルプをマ
ーセル化処理して木材パルプの断面を膨潤させればよ
い。
【0064】このように、繊維断面の真円度が0.5〜
1であるセルロース繊維としては、木材パルプをマーセ
ル化処理して得られる真円度が0.5〜1であるマーセ
ル化パルプが好ましい。本発明において用いることので
きる市販のマーセル化パルプの例としては、ITT Rayoni
er Inc. 製の「FILTRANIER」(商品名)や同社製の「PO
ROSANIER」(商品名)等が挙げられる。
【0065】本発明においては、上記マーセル化パルプ
を上述の方法で架橋して成る架橋マーセル化パルプを使
用することも好ましい。
【0066】また、本発明においては、平均繊維長が2
〜5mmであり、繊維粗度が0.3mg/m以上であり且つ
繊維断面の真円度が0.5〜1であるセルロース繊維
(パルプ)も好ましい。
【0067】一層好ましい上記嵩高性のセルロース繊維
は、平均繊維長が2〜5mmであり、繊維粗度が0.3mg
/m以上であり且つ繊維断面の真円度が0.5〜1であ
るパルプを上述の方法で架橋したものである。
【0068】特に好ましい上記嵩高性のセルロース繊維
は、平均繊維長が2〜5mmであり且つ繊維粗度が0.3
mg/m以上であるパルプをマーセル化によって繊維断面
の真円度を0.5〜1にした後、上述の方法で架橋した
ものである。
【0069】次に、上記吸収紙において用いられる上記
親水性の微細繊維及び上記親水性の微細粉体について詳
述する。
【0070】上記親水性の微細繊維は、その表面が親水
性であり、その平均繊維長が0.02〜0.5mm、好ま
しくは0.03〜0.3mmである。一方、上記親水性の
微細粉体は、その表面が親水性であり、その平均粉体粒
径が0.02〜0.5mm、好ましくは0.03〜0.3
mmである。上記親水性の微細繊維の平均繊維長が0.0
2mm未満又は上記親水性の微細粉体の平均粉体粒径が
0.02mm未満では、上述した吸収紙の好ましい製造方
法において、上記親水性の微細繊維又は上記親水性の微
細粉体が抄紙ワイヤーをすり抜けてしまい、抄紙ワイヤ
ー上に上記親水性の微細繊維又は上記親水性の微細粉体
を堆積させることができない。また、上記親水性の微細
繊維の平均繊維長が0.5mmを超えるか又は上記親水性
の微細粉体の平均粉体粒径が0.5mmを超えると、上述
した吸収紙の好ましい製造方法において、上記親水性の
微細繊維又は上記親水性の微細粉体が、上記嵩高性のセ
ルロース繊維によって形成される上記ネットワーク構造
中をすり抜けることができず、抄紙ワイヤー上に堆積で
きない。なお、本発明においては、上記親水性の微細繊
維と上記親水性の微細粉体とが一般に明確に区別され使
用されているものではないために、便宜上両方の表現を
用いている。
【0071】上記要件を満たせば、上記親水性の微細繊
維及び上記親水性の微細粉体に特に制限はない。例え
ば、パルプ、綿及びレーヨン等のセルロース繊維及びセ
ルロース粉体;ポリアクリロニトリル及びポリビニルア
ルコール等の親水性合成繊維;カオリン、ベントナイト
及びハイドロタルサイト等の無機繊維及び無機粉体等を
使用することができる。これらの親水性の微細繊維及び
上記親水性の微細粉体は、各々単独で用いることもでき
又は2種以上を混合して用いることもできる。更に、上
記親水性の微細繊維と上記親水性の微細粉体とを混合し
て用いることもできる。
【0072】上記親水性の微細繊維及び上記親水性の微
細粉体としては、市販のものを使用することもできる。
例えば、針葉樹パルプ及び広葉樹パルプ等の木材パルプ
を叩解し、次いで機械的に粉砕した後に0.5mm以下の
篩にて分別した、山陽国策パルプ(株)製のパルプフロ
ック(商品名)等が挙げられる。他の例としては、木材
パルプ等のセルロース繊維を機械的に粉砕し、次いで酸
により加水分解を行った後、更に機械的に粉砕したセル
ロース微細繊維(粉体)〔山陽国策パルプ(株)製のK
Cフロック(商品名)及び旭化成工業(株)製のアビセ
ル(商品名)〕が挙げられる。また、市販の無機の微細
繊維としては、含水ケイ酸マグネシウム繊維〔水澤化学
工業(株)製のエートプラス ML−30(商品名)〕
等が挙げられる。これら市販の製品のうち、パルプを粉
砕して微細化したセルロース微細繊維及びセルロース微
細粉体がより安価に入手でき好ましく使用することがで
きる。
【0073】次に、上記吸収紙に任意に用いられる上記
熱溶融性接着繊維について詳述する。
【0074】上記熱溶融性接着繊維の例としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等
のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエ
チレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリ
エステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポリエステル
複合繊維、繊維表面が親水性であるポリビニルアルコー
ル−ポリプロピレン複合繊維、並びにポリビニルアルコ
ール−ポリエステル複合繊維等を挙げることができる。
複合繊維を用いる場合には、芯鞘型複合繊維及びサイド
・バイ・サイド型複合繊維の何れをも用いることができ
る。これらの熱溶融性接着繊維は、各々単独で用いるこ
ともでき又は2種以上を混合して用いることもできる。
本発明において好ましく用いられる熱溶融性接着繊維と
しては、熱水で溶解するポリビニルアルコール繊維、芯
鞘型のポリエステル繊維等を挙げることができる。
【0075】上記熱溶融性接着繊維は、その平均繊維長
が好ましくは2〜60mm、特に好ましくは3〜20mmで
ある。平均繊維長が2mmに満たないと吸収紙の強力が不
十分となり、平均繊維長が60mmを超えると水中に均一
に分散できず、強力が不均一となるので、上記範囲とす
ることが好ましい。また、上記熱溶融性接着繊維は、そ
の繊維径が好ましくは0.1〜3デニール、特に好まし
くは0.5〜2デニールである。繊維径が0.1デニー
ルに満たないと繊維体の強力が不十分となり、吸収紙全
体の強力が発現できず、繊維径が3デニールを超えると
繊維の結合数の減少により吸収紙の強力が不十分となる
ので、上記範囲とすることが好ましい。
【0076】次に、図5及び図6を参照しつつ、本発明
の吸収性物品を説明する。
【0077】ここで、図5は、本発明の吸収性物品の一
実施形態としての生理用ナプキンの幅方向の断面を示す
模式図である。図6は、本発明の吸収性物品の他の実施
形態としての生理用ナプキンの幅方向の断面を示す模式
図(図5相当図)である。
【0078】図5に示す本発明の吸収性物品の一実施形
態としての生理用ナプキン10は、液透過性の表面材2
1、液不透過性の防漏材23並びに該表面材及び該防漏
材の間に介在する液保持性の吸収体22を具備して成
る。
【0079】更に詳細には、上記生理用ナプキン10
は、実質的に縦長に形成されており、該生理用ナプキン
10の着用時には、上記表面材21が肌に接する側に位
置し、上記防漏材23が下着に接する側に位置するよう
になしてあり、上記吸収体22が上記表面材21と上記
防漏材23との間に介在している。
【0080】また、上記吸収体22は、図5に示す如
く、その下面、全側面及び上面の周縁部が上記防漏材2
3によって被覆されている。更に、かかる吸収体22と
防漏材23との組み合せ体は、その全面が上記表面材2
1によって被覆されている。その結果、上記吸収体22
の上面は、その中央部が上記表面材21によって直接被
覆されている。従って、液体は上記表面材21を通じ
て、上記吸収体22へ直接透過する。
【0081】上記表面材21の肌に接しない側には、長
手方向に3本の粘着部24が筋状に形成されている。該
粘着部24は、剥離紙25によって保護されている。な
お、図5において、26は上記表面材21、上記吸収体
22及び上記防漏材23を相互に固定する接着剤であ
る。
【0082】上記表面材21としては、液体を上記吸収
体22へ透過させることができるものであれば特に制限
はないが、特に肌着に近い感触を有するものが好まし
い。そのような表面材の例としては、例えば、熱可塑性
樹脂の織布、不織布及び多孔性フィルム等が挙げられ
る。特に、低密度ポリエチレンなどのポリオレフィンか
ら成る開孔フィルムを好ましく用いることができる。
【0083】かかる開孔フィルムは、例えば、以下の方
法で製造することができる。即ち、低密度ポリエチレン
などのポリオレフィンを溶融せしめてTダイから押し出
し、図7(A)及び(B)に示す、線材31aから成る
スパイラル編み金網31上にフィルムを形成する。次い
で、かかるフィルムを吸引することによって、図8
(A)に示す、開孔44を有する開孔フィルム42が得
られる。かかる開孔フィルム42は、図8(B)及び
(C)に示すように、凸状曲面から成る多数の頂部45
と、頂部45の間に位置する多数の開孔44とを有す
る。
【0084】上記防漏材23としては、液不透過性のも
のであれば特に制限はないが、特に透湿性を有し且つ肌
着に近い感触を有するものが好ましい。透湿性を有する
液不透過性の防漏材は、例えば、熱可塑性樹脂に無機化
合物又は有機化合物のフィラーを添加したものを、Tダ
イやサーキュラーダイから溶融押出してフィルムを形成
し、次いで、かかるフィルムを一軸又は二軸延伸して得
ることができる。
【0085】図5に示す如く、本発明の吸収性物品の吸
収体22は、少なくとも上記吸収紙22Aと高吸収性ポ
リマー22Bとを具備して成る。かかる吸収体22はそ
の厚みが極めて薄いので快適な装着感が得られ、しか
も、高吸収性で液漏れが起こりにくい。
【0086】より詳細には、上記高吸収性ポリマー22
Bは、上記吸収紙22Aの内部に包み込まれており、上
記吸収紙22Aの間に上記高吸収性ポリマー22Bが挟
持されている。この場合、上記高吸収性ポリマー22B
が上記吸収紙22Aの「裏面」と接するように、上記吸
収紙22Aの間に上記高吸収性ポリマー22Bを挟持す
ることが好ましい。このような構成にすることで、上記
表面材21を通過した液体は、上記吸収紙22Aの「表
面」に素早く吸収・透過され、よりスムーズに上記吸収
紙22Aの「裏面」に達する。上記吸収紙22Aの「裏
面」に達した液体は、上記吸収紙22A全体に拡散さ
れ、その後、上記高吸収性ポリマー22Bに固定され
る。
【0087】このように本発明の吸収性物品において
は、液体の吸収/透過/拡散/保持が極めてスムーズに
行われる。その結果、本発明の吸収性物品は、液体を一
層確実に固定化することができ、しかも、上記表面材2
1上に液が残ったり、上記表面材21への液戻りが無
い。更に、上記吸収体22が、一枚の上記吸収紙22A
と上記高吸収性ポリマー22Bのみから成る場合には、
本発明の吸収性物品を、極薄で且つ装着感の高いものと
することができる。
【0088】なお、上記高吸収性ポリマー22Bとして
は、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル
化し得るものが好ましい。上記高吸収性ポリマー22B
の形状に特に制限はなく、例えば、球状、りん片状又は
粒子状のものを使用することができる。そのような高吸
収性ポリマーの例としては、デンプン−アクリル酸
(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル
共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロースの架橋物及びアクリル酸(塩)重合体などが挙げ
られる。
【0089】本発明の吸収性物品の他の実施形態を生理
用ナプキンを例にとって図6を参照しつつ説明する。な
お、図5と同じ点については、特に詳述しないが、図5
に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図6に
おいて、図5と同じ部材については同じ符号を付した。
【0090】図6に示す本発明の吸収性物品の他の実施
形態としての生理用ナプキン10における吸収体22
は、2枚の上記吸収紙22A及び22Cと上記高吸収性
ポリマー22Bとを具備しており、上記吸収紙22A及
び22Cの間に上記高吸収性ポリマー22Bが挟持され
て成る。この場合、上記吸収紙22Aは、その「裏面」
が上記高吸収性ポリマー22Bと接していることが好ま
しい。また、上記吸収紙22Cも、その「裏面」が上記
高吸収性ポリマー22Bと接していることが好ましい。
特に好ましくは、上記吸収紙22Aは、その「裏面」が
上記高吸収性ポリマー22Bと接しており、且つ、上記
吸収紙22Cは、その「裏面」が上記高吸収性ポリマー
22Bと接している。このような構成にすることで、液
体の吸収/透過/拡散/保持が極めてスムーズに行われ
る。
【0091】なお、本発明の吸収性物品をその好ましい
実施形態に基づいて説明したが、本発明の吸収性物品は
上記実施形態に限定されず、例えば、紙オムツ及び失禁
パッド等の他の吸収性物品にも同様に適用できることは
いうまでもない。
【0092】
【実施例】次いで、本発明の吸収性物品を実施例及び比
較例によって更に詳細に説明する。
【0093】先ず、実施例及び比較例で用いられる、嵩
高性のセルロース繊維、親水性の微細繊維及び親水性の
微細粉体の製造について説明する。なお、以下の記載に
おいて「%」及び「部」は、特に断らない限り、それぞ
れ「重量%」及び「重量部」を示す。
【0094】〔製造例1〕セルロース繊維の製造 平均繊維長が2.35mmであり、繊維粗度が0.36mg
/mであり、そして繊維断面の真円度が0.80である
マーセル化パルプ〔ITT RAYONIER INC. 製の「POROSANI
ER−J」(商品名)〕100gを、5%のジメチロール
ジヒドロキシエチレン尿素〔架橋剤、住友化学工業
(株)製の「Sumitex Resin NS-19 」(商品名)〕及び
3%の金属塩触媒〔住友化学工業(株)製の「Sumitex
AcceleratorX-110 」(商品名)〕を含んだ水溶液10
00gに分散させて、上記マーセル化パルプに上記架橋
剤を含浸させた。
【0095】次いで、上記マーセル化パルプに対する上
記架橋剤水溶液の量が200%になるまで、上記マーセ
ル化パルプから上記架橋剤水溶液を離脱させた後、電気
乾燥機中135℃で10分間加熱し、上記マーセル化パ
ルプ中のセルロースを架橋させ、マーセル化架橋パルプ
を得た。これをセルロース繊維(A)とする。
【0096】〔製造例2〕セルロース繊維の製造 平均繊維長が2.56mmであり、繊維粗度が0.35mg
/mであり、そして繊維断面の真円度が0.28である
針葉樹クラトパルプ〔PT Inti Indorayon Utama 製の
「INDORAYON 」(商品名)〕100gを用いる以外は、
製造例1と同様の操作を行い架橋パルプを得た。これを
セルロース繊維(B)とする。
【0097】〔製造例3〕セルロース繊維の製造 平均繊維長が2.35mmであり、繊維粗度が0.36mg
/mであり、そして繊維断面の真円度が0.80である
マーセル化パルプ〔ITT RAYONIER INC. 製の「POROSANI
ER−J」(商品名)〕を用意した。これをセルロース繊
維(C)とする。
【0098】〔製造例4〕セルロース繊維の製造 平均繊維長が2.38mmであり、繊維粗度が0.32mg
/mであり、そして繊維断面の真円度が0.30である
架橋パルプ〔Weyerhauser Paper 製の「ハイバルクアデ
ィティブHBA−S」(商品名)〕を用意した。これを
セルロース繊維(D)とする。
【0099】〔製造例5〕セルロース繊維の製造 平均繊維長が2.56mmであり、繊維粗度が0.24mg
/mであり、そして繊維断面の真円度が0.34である
針葉樹クラフトパルプ〔MacMillan Bloedel Ltd.製の
「HARMAC-R」(商品名)〕を用意した。これをセルロー
ス繊維(E)とする。なお、セルロース繊維(E)は架
橋されていない。
【0100】〔製造例6〕セルロース繊維の製造 平均繊維長が2.56mmであり、繊維粗度が0.35mg
/mであり、そして繊維断面の真円度が0.28である
針葉樹クラトパルプ〔PT Inti Indorayon Utama 製の
「INDORAYON 」(商品名)〕を用意した。これをセルロ
ース繊維(F)とする。なお、セルロース繊維(F)は
架橋されていない。
【0101】〔製造例7〕セルロース繊維の製造 平均繊維長が0.75mmであり、繊維粗度が0.13mg
/mであり、そして繊維断面の真円度が0.35である
広葉樹クラフトパルプ〔BAHIA SUL Co. 製の「BAHIA SU
L CELULOSE SA 」(商品名)〕を用いた以外は、製造例
1と同様の方法にて架橋パルプを得た。これをセルロー
ス繊維(G)とする。
【0102】上記セルロース繊維(A)〜(G)の平均
繊維長、繊維粗度及び繊維断面の真円度を下記に示す方
法により測定した。その結果を表1に示す。
【0103】<平均繊維長及び繊維粗度の測定>繊維粗
度計FS−200(KAJAANI ELECTRONICS LTD.製)を用
いて測定した。先ず、セルロース繊維の真の重量を求め
るために、セルロース繊維を真空乾燥機内にて100℃
で1時間乾燥させ、セルロース繊維中に存在している水
分を除去する。
【0104】素早くセルロース繊維を±0.1mg精度に
おいて約1g正確に計りとる。次にセルロース繊維に損
傷を与えないように、セルロース繊維を繊維粗度計に付
属のミキサーで150mlの水中で完全に離解させ、これ
を5000mlになるまで水で薄め、得られた希釈液から
50mlを正確に計りとり、これを繊維粗度測定溶液と
し、上記繊維粗度計の操作手順に従って平均繊維長及び
繊維粗度を求めた。なお、平均繊維長は、上記操作に基
づき下記式により計算された値を用いた。
【0105】
【数1】
【0106】<繊維断面の真円度の測定>セルロース繊
維断面の真円度の測定は、先ず、セルロース繊維の断面
を面積が変化しないように、セルロース繊維を断面方向
に垂直にスライスし、電子顕微鏡により断面写真をと
り、該断面写真を画像解析装置〔日本アビオニクス社製
の「Avio EXCEL」(商品名)〕により解析し、下記に示
す式を用いてセルロース繊維断面の真円度を求めた。な
お、該真円度は、任意のセルロース繊維断面を100点
測定し、その平均値とした。
【0107】
【数2】
【0108】
【表1】
【0109】〔製造例8〕親水性の微細繊維の製造 精選パルプを酸加水分解し、水洗乾燥後、機械的な粉砕
により微細繊維化した、平均繊維長0.23mmのセルロ
ース微細繊維〔山陽国策パルプ(株)製の「KCフロッ
ク W−50」(商品名)〕を用意した。これを親水性
の微細繊維(A)とする。
【0110】〔製造例9〕親水性の微細繊維の製造 精選パルプを酸加水分解し、水洗乾燥後、機械的な粉砕
により微細繊維化した、平均繊維長0.12mmのセルロ
ース微細繊維〔山陽国策パルプ(株)製の「KCフロッ
ク W−100」(商品名)〕を用意した。これを親水
性の微細繊維(B)とする。
【0111】〔製造例10〕親水性の微細繊維の製造 平均繊維長0.03mmの含水ケイ酸マグネシウム微細繊
維〔水澤化学工業(株)製の「エードプラス ML−3
0」(商品名)〕を用意した。これを親水性の微細繊維
(C)とする。
【0112】〔製造例11〕親水性の微細繊維の製造 平均繊維長0.75mmの広葉樹クラフトパルプ〔BAHIA
SUL Co. 製の「BAHIASUL CELULOSE SA (商品名)〕を
用意した。これを親水性の微細繊維(D)とする。
【0113】〔製造例12〕親水性の微細繊維の製造 平均繊維長2.34mmの針葉樹クラフトパルプ〔Skeena
Cellulose Co.製の「SKEENA PRIME」(商品名)〕を用
意した。これを親水性の微細繊維(E)とする。
【0114】〔製造例13〕吸収紙の製造 セルロース繊維(A)の濃度が0.16%、親水性の微
細繊維(A)の濃度が0.03%、及び太さ1デニール
で平均繊維長3mmのポリビニルアルコール繊維〔熱溶融
性接着繊維、三昌(株)製のフィブリボンド(商品
名)、以下、「PVA」繊維と称する〕の濃度が0.0
1%になるように(スラリー全体として0.2%)、こ
れらを水中に均一に分散させてスラリーを得た。このス
ラリーをワイヤー目開き径90μm(166メッシュ)
の金網抄紙ワイヤー上に散布し、金網抄紙ワイヤー上に
紙層を形成させた。サクションボックスを用いて、6ml
/〔cm 2 ・sec 〕の速度でこの紙層を脱水した。次い
で、紙層をドライヤーで乾燥させてた後に、クレープを
10%付与して坪量80g/m2 の吸収紙を得た。この
吸収紙は、吸収紙100重量部に基づきセルロース繊維
(A)を80部、親水性の微細繊維(A)を15部、上
記PVA繊維を5部含有していた。
【0115】〔製造例14〕吸収紙の製造 セルロース繊維(B)の濃度が0.16%、親水性の微
細繊維(B)の濃度が0.034%、及び上記PVA繊
維の濃度が0.006%になるように、これらを水中に
均一に分散させてスラリーとする以外は、製造例13と
同様の操作を行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。
この吸収紙は、吸収紙100部に基づきセルロース繊維
(B)を80部、親水性の微細繊維(B)を17部、上
記PVA繊維を3部含有していた。
【0116】〔製造例15〕吸収紙の製造 セルロース繊維(D)の濃度が0.15%、親水性の微
細繊維(A)の濃度が0.04%、及び太さ1.1デニ
ールで平均繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート繊
維〔熱溶融性接着繊維、帝人(株)の「TMOTNSB 」(商
品名)、以下、「PET」繊維と称する〕の濃度が0.
01%になるように、これらを水中に均一に分散させて
スラリーとする以外は、製造例13と同様の操作を行
い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。この吸収紙は、
吸収紙100部に基づきセルロース繊維(D)を75
部、親水性の微細繊維(A)を20部、上記PET繊維
を5部含有していた。
【0117】〔製造例16〕吸収紙の製造 セルロース繊維(D)の濃度が0.17%、親水性の微
細繊維(C)の濃度が0.02%、及び上記PVA繊維
の濃度が0.01%になるように、これらを水中に均一
に分散させてスラリーを得た。このスラリーをワイヤー
目開き径26μm(518メッシュ)の金網抄紙ワイヤ
ー上に散布し、金網抄紙ワイヤー上に紙層を形成させ
た。サクションボックスを用いて、6ml/〔cm2 ・sec
〕の速度でこの紙層を脱水した。次いで、紙層をドラ
イヤーで乾燥させた後に、クレープを10%付与して坪
量80g/m2 の吸収紙を得た。この吸収紙は、吸収紙
100部に基づきセルロース繊維(D)を85部、親水
性の微細繊維(C)を10部、上記PVA繊維を5部含
有していた。
【0118】〔製造例17〕吸収紙の製造 セルロース繊維(C)の濃度が0.16%、親水性の微
細繊維(A)の濃度が0.03%、及び上記PET繊維
の濃度が0.01%になるように、これらを水中に均一
に分散させてスラリーとする以外は、製造例13と同様
の操作を行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。この
吸収紙は、吸収紙100部に基づきセルロース繊維
(C)を80部、親水性の微細繊維(A)を15部、上
記PET繊維を5部含有していた。
【0119】〔比較製造例1〕吸収紙の製造 セルロース繊維(A)の代わりにセルロース(E)を用
いる以外は製造例13と同様の操作を行い、坪量80g
/m2の吸収紙を得た。
【0120】〔比較製造例2〕吸収紙の製造 セルロース繊維(B)の代わりにセルロース(G)を用
いる以外は製造例14と同様の操作を行い、坪量80g
/m2の吸収紙を得た。
【0121】〔比較製造例3〕吸収紙の製造 セルロース繊維(F)の濃度が0.16%、親水性の微
細繊維(D)の濃度が0.03%、及び上記PET繊維
の濃度が0.01%になるように、これらを水中に均一
に分散させてスラリーとする以外は、製造例13と同様
の操作を行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。この
吸収紙は、吸収紙100部に基づきセルロース繊維
(F)を80部、親水性の微細繊維(D)を15部、上
記PET繊維を5部含有していた。
【0122】〔比較製造例4〕吸収紙の製造 セルロース繊維(G)の濃度が0.16%、親水性の微
細繊維(E)の濃度が0.03%、及び上記PET繊維
の濃度が0.01%になるように、これらを水中に均一
に分散させてスラリーとする以外は、製造例13と同様
の操作を行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。この
吸収紙は、吸収紙100部に基づきセルロース繊維
(G)を80部、親水性の微細繊維(E)を15部、上
記PET繊維を5部含有していた。
【0123】〔比較製造例5〕吸収紙の製造 セルロース繊維(D)の濃度が0.08%、親水性の微
細繊維(E)の濃度が0.04%、及び上記PET繊維
の濃度が0.08%になるように、これらを水中に均一
に分散させてスラリーとする以外は、製造例13と同様
の操作を行い、坪量80g/m2 の吸収紙を得た。この
吸収紙は、吸収紙100部に基づきセルロース繊維
(D)を40部、親水性の微細繊維(E)を20部、上
記PET繊維を40部含有していた。
【0124】〔比較製造例6〕吸収紙の製造 セルロース繊維(E)の濃度が0.2%となるように、
これを水中に均一に分散させてスラリーとする以外は、
製造例13と同様の操作を行い、坪量80g/m2の吸
収紙を得た。この吸収紙は、セルロース繊維(E)のみ
から成ってる。
【0125】〔比較製造例7〕吸収紙の製造 親水性の微細繊維(D)の濃度が0.2%となるよう
に、これを水中に均一に分散させてスラリーとする以外
は、製造例13と同様の操作を行い、坪量80g/m2
の吸収紙を得た。この吸収紙は、親水性の微細繊維
(D)のみから成っている。
【0126】上記製造例13〜17及び比較製造例1〜
7で得られた吸収紙について以下の測定を行った。その
結果を表2に示す。
【0127】<吸収時間の測定>図9に示す如く、吸収
紙51(200mm×75mm)を水平に載置し、直径10
mmの注入口54を有するアクリル板52をその上に載
せ、更にその上に重り53を載せて吸収紙51に5g/
cm2 の荷重をかけた。次いで、注入口54から脱繊維馬
血〔日本バイオテスト研究所(株)製〕を6g注入し、
脱繊維馬血が完全に吸収されるまでの時間を測定した。
5回の測定の平均値をもって、吸収時間とした。
【0128】<拡散面積の測定>図10に示す如く、吸
収紙51(200×75mm)の「表面」が上側となるよ
うに該吸収紙51を水平に設置し、マイクロチューブポ
ンプ60から、直径2mmの注入口を有するチューブ61
を通して、速度1g/10秒で、1gの生理食塩水62
を吸収紙51に注入した。チューブ61の先端と吸収紙
との距離は、約10mmであった。生理食塩水は、0.0
1%の食用青色1号(東京化成工業(株))にて着色し
て使用した。生理食塩水を注入して約1分後の吸収紙の
「表面」の拡散面積(cm2 )を正確にトレースし、画像
解析装置により測定した。同様の操作を、吸収紙51の
「裏面」が上側となるように該吸収紙51を水平に設置
して行い、「裏面」の拡散面積(cm2 )を正確にトレー
スし、画像解析装置により測定した。次いで、吸収紙の
「表面」と「裏面」の拡散面積比を下記式によって小数
第2位を四捨五入して求めた。
【0129】
【数3】
【0130】<液吸収後の表面状態の評価>図10に示
す如く、吸収紙51(200×75mm)の「表面」が上
側となるように該吸収紙51を水平に設置し、マイクロ
チューブポンプ60から、直径2mmの注入口を有するチ
ューブ61を通して、速度1g/10秒で、3gの生理
食塩水を吸収紙51に注入した。生理食塩水を注入して
約1分後の吸収紙の「表面」のサラット感の官能評価を
行った。同様の操作を、吸収紙51の「裏面」が上側と
なるように該吸収紙51を水平に設置して行った。評価
基準は以下の通りである。
【0131】 ○;吸収紙上に、生理食塩水が殆ど滞留しておらず、サ
ラット感がある。 △;吸収紙上に、生理食塩水が若干滞留しているが、若
干サラット感がある。 ×;吸収紙上に、生理食塩水がかなり残っており、ベタ
ベタした感じがする。
【0132】
【表2】
【0133】表2の結果から明らかな通り、製造例にお
ける吸収紙は、吸収時間が速く、液体の拡散勾配を有し
ており、しかも、サラット感に優れている。一方、比較
製造例における吸収紙は、その厚さ方向における液体の
拡散性に関する拡散勾配が存在しないので、拡散面積比
が1となってしまう。
【0134】〔実施例1〕吸収性物品の製造 図5に示す生理用ナプキン10を製造した。製造例13
で得られた吸収紙(長さ195mm、幅160mm)を吸収
紙22Aとして用いた。吸収紙22Aの「裏面」側の長
さ195mm、幅70mmの面積に、高吸収性ポリマー22
Bを散布量が50g/m2 となるように略均一に分散し
た。次いで、吸収紙22Aを内側に折り込み、高吸収性
ポリマー22Bを吸収紙22Aで包み込んで、吸収体2
2を製造した(従って、吸収紙22Aの「表面」側が吸
収体22の外側にあたる)。吸収体22の幅は75mmで
あった。高吸収性ポリマー22Bとして、ポリアクリル
酸ナトリウム〔花王(株)のポリマーQ(商品名)〕を
用いた。この吸収体22をポリエチレンラミネート紙
(防漏材23)で包み、この吸収体22と防漏材23と
の組合せ体を、表面材21で更に包んだ。そして、表面
材21、吸収体22及び防漏材23を、接着剤26で相
互に固定した。なお、上記表面材21としては、図8
(A)〜(C)に示す開孔フィルムを用いた。該開孔フ
ィルムは、低密度ポリエチレンをTダイから溶融押出し
て、図7(A)及び(B)に示すスパイラル編み金網上
にフィルムを形成した後に、該フィルムを吸引して形成
したものである。更に、生理用ナプキン10の下面側
に、長手方向に3本の粘着部24を筋状に形成した。こ
の粘着部24は、剥離紙25によって保護されている。
【0135】〔実施例2〜5及び比較例1〜7〕吸収性物品の製造 製造例13で得られた吸収紙に代えて製造例14〜17
及び比較製造例1〜7で得られた吸収紙を用いた以外
は、実施例1と同様の操作を行い生理用ナプキンを製造
した。
【0136】実施例1〜5及び比較例1〜7で得られた
生理用ナプキンについて、以下の方法で吸収時間、動的
液戻り量及び漏れ試験(漏れ発生回数)を測定した。そ
の結果を表3に示す。
【0137】<吸収時間及び動的液戻り量>図9に示す
吸収紙の液吸収時間の測定装置において、吸収紙51に
代えて生理用ナプキン10を水平に載置し、直径10mm
の注入口54を有するアクリル板52をその上に載せ、
更にその上に重り53を載せて生理用ナプキン10に5
g/cm2 の荷重をかけた。次いで、注入口54から脱繊
維馬血〔日本バイオテスト研究所(株)製〕を6gを注
入し、脱繊維馬血が完全に吸収されるまでの時間を測定
した。
【0138】脱繊維馬血が完全に吸収されてから20分
間そのまま放置する。その後、この生理用ナプキン10
の上面(肌当接面側)に紙(長さ195mm×幅75mm、
坪量30g/m2 )を10枚重ねて載せ、この状態の生
理用ナプキン10及び紙を図11に示す女性腰部モデル
70に、図12に示す如く装着させた。次いで、女性腰
部モデル70にショーツを装着させた後、100歩/分
(50m/分)の歩行速度で歩行させた。歩行後、生理
用ナプキン10及び10枚の紙を取り出し、紙に吸収さ
れた脱繊維馬血の重量を測定した。これを動的液戻り量
(g)とする。
【0139】吸収時間及び動的液戻り量の測定は10回
行い、その平均値をもって吸収時間及び動的液戻り量と
した。
【0140】<漏れ試験(漏れ発生回数)>実施例1〜
5及び比較例1〜7で得られた生理用ナプキンを図11
に示す女性腰部モデル70に、図12に示す如く装着さ
せた。次いで、女性腰部モデル70にショーツを装着さ
せた後、100歩/分(50m/分)の歩行速度で歩行
させた。
【0141】その後、歩行させながらチューブ71によ
って脱繊維馬血3gを生理用ナプキンに注入した後、同
じ速度で10分間歩行させた時点(全量3g)、更にそ
の後、脱繊維馬血を生理用ナプキンに3g注入した後、
同じ速度で10分間歩行させた時点(全量6g)、更に
脱繊維馬血を生理用ナプキンに3g注入した後、同じ速
度で10分間歩行させた時点(全量9g)、それぞれの
時点でサンプル数10枚中で漏れが発生した枚数を数え
た。
【0142】
【表3】
【0143】表3の結果から明らかな通り、本発明の吸
収性物品は、非常に簡単な構成であるにも拘らず、液体
の吸収時間が速く、液戻り量も少なく、しかも、漏れ発
生回数の少ない、極めて高性能のものである。これは、
本発明の吸収性物品に使用される吸収紙が、その単一の
構造中に液体の吸収拡散勾配を有しているがゆえに、液
体を素早く吸収し、吸収紙中をスムーズに液体が透過
し、しかも、吸収紙の「裏面」側で液体が十分に拡散す
ることによるものである。
【0144】
【発明の効果】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙
は、その単一の構造中に液体の吸収拡散勾配を有してい
るがゆえに、液体の吸収速度が速く、液体のスポット吸
収性並びに液体の透過性及び拡散性に優れ、その結果、
表面のサラット感が非常に高いものとなる。従って、本
発明の吸収性物品は、極めて高吸収性で、液漏れの少な
く、しかも極薄であり装着感に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙の厚さ
方向の断面を示す模式図である。
【図2】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙による
液体の吸収・拡散の状態を示す模式図である。
【図3】本発明の吸収性物品に使用される吸収紙を製造
するための好ましい方法を示す模式図である。
【図4】図3の(a)部分の拡大図である。
【図5】本発明の吸収性物品の一実施形態としての生理
用ナプキンの幅方向の断面を示す模式図である。
【図6】本発明の吸収性物品の他の実施形態としての生
理用ナプキンの幅方向の断面を示す模式図(図5相当
図)である。
【図7】液透過性の表面材を製造するためのスパイラル
編み金網を示す図である。
【図8】液透過性の表面材を示す模式図である。
【図9】吸収時間の測定装置を示す模式図である。
【図10】拡散面積の測定装置を示す模式図である。
【図11】女性腰部モデルを示す模式図である。
【図12】女性腰部モデルに吸収性物品を装着させた状
態を示す模式図である。
【符号の説明】
10 生理用ナプキン 11 吸収紙 12 嵩高性のセルロース繊維 13 親水性の微細繊維又は親水性の微細粉末 14 スラリー 15 抄紙ワイヤー 16 紙層 17 ネットワーク構造 21 液透過性の表面材 22 液保持性の吸収体 23 液不透過性の防漏材 24 粘着部 25 剥離紙 26 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 5/26 A41B 13/02 D // D21H 11/20 D21H 5/22 C 5/14 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性の表面材、液不透過性の防漏材
    並びに該表面材及び該防漏材の間に介在する液保持性の
    吸収体を具備して成る吸収性物品において、 上記吸収体は、吸収紙と高吸収性ポリマーとを具備して
    成り、 上記吸収紙は、嵩高性のセルロース繊維と親水性の微細
    繊維又は親水性の微細粉体とを含み、 上記親水性の微細繊維又は親水性の微細粉体は、上記吸
    収紙の一方の面側における存在割合が、他方の面側にお
    ける存在割合よりも高く、 上記嵩高性のセルロース繊維の平均繊維長が1〜20mm
    であり、 上記親水性の微細繊維の平均繊維長が0.02〜0.5
    mmであり、そして上記親水性の微細粉体の平均粉体粒径
    が0.02〜0.5mmである、ことを特徴とする吸収性
    物品。
  2. 【請求項2】 上記吸収紙100重量部に基づいて上記
    嵩高性のセルロース繊維を50〜97重量部、及び上記
    親水性の微細繊維又は上記親水性の微細粉体を3〜50
    重量部含む、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 【請求項3】 熱溶融性接着繊維を更に含み;上記吸収
    紙100重量部に基づいて上記嵩高性のセルロース繊維
    を70〜95重量部、上記親水性の微細繊維又は上記親
    水性の微細粉体を5〜30重量部、及び上記熱溶融性接
    着繊維を2〜30重量部含み;そして上記吸収紙の坪量
    が10〜200g/m2 である、請求項1又は2記載の
    吸収性物品。
  4. 【請求項4】 上記嵩高性のセルロース繊維が0.3mg
    /m以上である、請求項1記載の吸収紙。
  5. 【請求項5】 上記嵩高性のセルロース繊維が、平均繊
    維長2〜5mmである、請求項1記載の吸収性物品。
  6. 【請求項6】 上記嵩高性のセルロース繊維が、架橋パ
    ルプである、請求項4又は5記載の吸収性物品。
  7. 【請求項7】 上記嵩高性のセルロース繊維が、繊維断
    面の真円度0.5〜1のパルプである、請求項4〜6の
    何れかに記載の吸収性物品。
  8. 【請求項8】 上記親水性の微細繊維がセルロース繊維
    であり、上記親水性の微細粉体がセルロース粉体であ
    る、請求項1記載の吸収性物品。
  9. 【請求項9】 上記吸収紙に生理食塩水を1g吸収させ
    たときの表面側と裏面側との拡散面積比が1.2以上で
    ある、請求項1記載の記載の吸収性物品。
  10. 【請求項10】 上記吸収体が、上記吸収紙の間に上記
    高吸収性ポリマーを挟持して成る、請求項1記載の吸収
    性物品。
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