JPH0822900B2 - 水性ポリエステルウレタン樹脂組成物 - Google Patents

水性ポリエステルウレタン樹脂組成物

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JPH0822900B2
JPH0822900B2 JP59157164A JP15716484A JPH0822900B2 JP H0822900 B2 JPH0822900 B2 JP H0822900B2 JP 59157164 A JP59157164 A JP 59157164A JP 15716484 A JP15716484 A JP 15716484A JP H0822900 B2 JPH0822900 B2 JP H0822900B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明の水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物
(以下、水性ポリエステルポリウレタン樹脂という。)
は、各種プラスチツク、特にポリエステル基材に対する
接着性に優れ、かつ優れた耐水性並びに耐ブロツキング
性を有することから繊維・合皮製品の処理剤、各種基材
に対する接着剤、水性コート剤、水性塗料、水性イン
キ、あるいは集束剤等として巾広い分野において利用す
ることが可能である。
〈従来の技術〉 近年、公害、環境汚染等の観点から、従来の有機溶剤
系樹脂に替わつて、水系樹脂に対する関心が高まつてき
ているが、その中でも水系ポリウレタン樹脂はその優れ
た機械的性質から、例えば、特公昭49−16601号、特開
昭47−11938号あるいは繊維、27、481(1975)に挙げら
れる様な人口皮革、繊維用処理剤としての用途の他に、
塩ビ基材あるいはガラス用接着剤として巾広い分野で使
用されてきた。
一方、近年ポリエステル基材は優れた強靱性を有する
ことから成型材料、繊維材料等においてその主流をなし
てあり、特にポリエチレンテレフタレートの延伸された
フイルムは強靱性、寸法安定性に加え、優れた透明性を
有することにより、各種包装材用、磁気テープ用、電気
絶縁材用、製図、写真用フイルム等広い分野への応用が
なされている。かかるポリエステル基材の優れた特性を
生かすためには、ポリエステル基材に対する接着性に優
れるインキ、塗料、接着剤、被覆剤等の処理剤が必要で
あるが、一般にポリエステルの表面は高度に配向されて
いるため接着性に乏しく従来の水系ポリウレタン樹脂で
は、未だ充分な接着性を有するものがないのが現状であ
る。
それに対して従来、ポリエステル基材に対する接着性
に優れた水系樹脂としては、 エステル形成性スルホン酸金属塩基を含有するジカ
ルボン酸を共重合した水性ポリエステル樹脂(特公昭47
−40873号公報) スルホン酸金属塩基を含有するポリエステルポリオ
ールをウレタン化して得られる水性ポリウレタン樹脂
(特公昭54−34436号公報) 酸成分が芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸
からなり、かつ、エステル形成性スルホン酸金属塩基を
含有するジカルボン酸を特定の割合で共重合した水溶性
ポリエステル系接着剤(特公昭56−5476号公報)等が知
られている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、前記、、の水系樹脂はいずれも充分な
水分散性を得るために親水基としてスルホン酸金属塩基
を多く含有しており、このため乾燥後も皮膜中に親水基
として残り充分な耐水性が得られず、高湿度下あるいは
水浸漬状態では実用に耐えうる接着性、皮膜物性等を保
持できないという欠点がある。
又、かかる水系樹脂を被覆剤として用いた場合、スル
ホン酸金属塩基を含有するために吸湿により経時的にブ
ロツキングを生じ易くなり、例えばプライマーコート
剤、ヒートシール用接着剤、インキ等に使用する上で大
きな問題となる。
〈問題点を解決するための手段〉 かかる観点から、本発明者らは、各種プラスチツク、
特にポリエステル基材に対する接着性に優れ、かつ優れ
た耐水性並びに耐ブロツキング性を有する水系樹脂につ
いて鋭意研究した結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、第1発明が(A)芳香族ジカル
ボン酸/脂肪(環)族ジカルボン酸=70/30〜100/0(重
量比)からなる酸成分(A−1)と分子中にカルボキシ
ル基を有する化合物を含むグリコール成分(A−2)よ
り構成されるポリエステルポリオールと、(B)ポリイ
ソシアネート化合物とから得られる高分子量体中に、ペ
ンダントカルボキシル基を0.5〜6重量%含有してお
り、該カルボキシル基がアンモニアもしくは有機アミン
で中和されているポリエステルウレタン樹脂であって、
該ポリエステルポリウレタン樹脂が水性媒体中に分散又
は溶解しており、かつ、該ポリエステルポリウレタン
が、その固形分に対し、前記ポリエステルポリオール
(A)から導かれるポリエステルセグメントを60重量%
以上含有していることを特徴とする水性ポリエステルポ
リウレタン樹脂組成物であり、 第2発明が(A)芳香族ジカルボン酸/脂肪(環)族
ジカルボン酸=70/30〜100/0(重量比)からなる酸成分
(A−1)と分子中にカルボキシル基を有する化合物を
含まないグリコール成分(A−3)より構成されるポリ
エステルポリオールと、(B)ポリイソシアネート化合
物と(C)分子中にペンダントカルボキシル基を含有す
る化合物からなる鎖伸長剤とから得られる高分子量体中
に、ペンダントカルボキシル基を0.5〜6重量%含有し
ており、該カルボキシル基がアンモニアもしくは有機ア
ミンで中和されているポリエステルウレタン樹脂であっ
て、該ポリエステルポリウレタン樹脂が水性媒体中に分
散又は溶解しており、かつ、該ポリエステルポリウレタ
ンが、その固形分に対し、前記ポリエステルポリオール
(A)から導かれるポリエステルセグメントを60重量%
以上含有していることを特徴とする水性ポリエステルポ
リウレタン樹脂組成物である。
本発明の水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物の
製造において使用されるポリエステルポリオールは、こ
れにより得られる高分子量体に優れた接着性、耐水性並
びに耐ブロツキング性を付与するために、その酸成分
(A−1)が芳香族ジカルボン酸/脂肪環族ジカルボン
酸=70/30〜100/0(重量比)からなる主として芳香族系
ポリエステルポリオールであることが必要不可欠であり
酸成分(A−1)中の芳香族ジカルボン酸が70重量%未
満の場合、皮膜の可撓性、密着性は向上するが、特にポ
リエステルに対する接着性及び皮膜の耐水性並びに耐ブ
ロツキング性が著しく低下するため不適当である。
本発明において用いられる酸成分(A−1)としての
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ナフタル酸、ビフエニルジカルボン酸、1,2−ビス
(フエノキシ)エタン−P,P′−ジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸及びそれらの無水物あるいはエステル形
成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒド
ロキシエトキシ)安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸及びそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
又、脂肪(環)族ジカルボン酸としては、コハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン
酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−ジクロペ
ンタンジカルボン酸、1,4−ジクロヘキサンジカルボン
酸等の脂肪族ジカルボン酸およびそれらの無水物あるい
はエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの酸から
は、カルボキシル基は供給されない。
本発明の第1発明のグリコール成分(A−2)として
は、水酸基を2個有する化合物であり、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の
脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビス
フエノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレン
オキシド付加体、下記一般式(I)で表わされる2,2−
ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、
2,2−ジメチロール吉草酸等の分子中にカルボキシル基
を有するグリコール等が挙げられる。
(式中、Rは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基
を示す)尚、本発明のポリエステルポリオールは、芳香
族ジカルボン酸/脂肪(環)族ジカルボン酸=70/30〜1
00/0(重量比)からなる共重合ポリエステルポリオール
にのみ限定されることはなく、上記重量比の芳香族ポリ
エステルポリオールおよび脂肪(環)族ポリエステルポ
リオールの混合物であつても構わない。
又、この芳香族系ポリエステルポリオールは、最終的
に得られる水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物の
固型分に対しポリエステルセグメントとして60重量%以
上含有されるものである。
ここで、ポリエステルセグメントとは、最終的に得ら
れるポリエステルポリウレタン樹脂中において、ポリエ
ステルポリオール(A)から導かれるポリエステル骨格
部位を示すものであり、上述したその含有率は、ポリエ
ステルポリオール(A)の使用量を、ポリエステルポリ
ウレタン樹脂の固形分、即ち、ポリエステルポリオール
(A)とポリイソシアネート化合物(B)と更に必要に
応じ鎖伸長剤(C)との使用量の合計で割った値であ
る。この値を上述の如く60重量%以上にすることによ
り、樹脂の流動性が高められ密着性を更に一層向上せし
めることができる。また、この効果がより顕著になる点
から、なかでも70〜95重量%であることが好ましい。
本発明で用いられるポリエステルポリオール(A)は
通常線状ポリマーであることが好ましいが、得られる水
性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物中のポリエステ
ルポリウレタン樹脂の水分散性、ポリエステルポリウレ
タン樹脂組成物の密着性を損なわない範囲において、多
官能成分の使用は妨げない。かかる多官能成分として
は、トリメリツト酸、ピロメリツト酸、ジクロヘキサン
トリカルボン酸等のポリカルボン酸及びそれらの無水物
あるいはエステル形成性誘導体;グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
トール等のポリオールが挙げられる。
本発明のポリエステルポリオール(A)の平均分子量
は800〜4000であることが好ましく、分子量が800未満の
場合、該ポリエステルポリオールより得られるポリエス
テルポリウレタン中のイソシアネート含有量が多くなり
過ぎるためポリエステルポリウレタン樹脂組成物の被覆
の可撓性が低下して脆くなると同時に各種被接着体に対
する密着性、接着性が著しく低下し、又分子量が4000を
越える場合は得られる水性ポリエステルポリウレタン樹
脂の溶解性並びに経時安定性が悪くなる為不適当であ
る。より好ましい分子量は1000〜3000である。
本発明において用いられる鎖伸長剤(C)としては、
ペンダントカルボキシル基含有ジオール類や例えばエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類ある
いはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、フエニレンジアミン、トリレンジアミ
ン、ジフエニルジアミン、ジアミノジフエニルメタン、
ジアミノシウロヘキシルメタン、ピペラジン、イソホロ
ンジアミン等のジアミン類及びヒドラジン等が挙げられ
る。
本発明の第2発明では、前記の分子中にカルボキシル
基を有する化合物をグリコール成分として使用しないの
で、鎖伸長剤として前記一般式(I)で表わされる化合
物等の分子中にカルボキシル基を有する化合物を用いる
ことが必要である。
又、本発明で使用されるポリイソシアネート化合物
(B)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、m−フエニレンジイソシ
アネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4′−
ジフエニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシ
アネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフエニレンジイソ
シアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフエニレン
ジイソシアネート、3,3′−ジクロロ−4,4′−ビフエニ
レンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネ
ート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート
等が挙げられる。
本発明の0.5〜6重量%のペンダントカルボキシル基
を有する水性ポリエステルポリウレタン樹脂を得るため
のカルボキシル基の導入方法としては、第1発明では、
例えば下記一般式(I) (式中、Rは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基
を示す) で表わされる化合物をポリエステルを合成する際にグリ
コール成分として共重合して得られるペンダントカルボ
キシル基含有ポリエステルポリオールを使用する方法等
が挙げられる。
本発明の第2発明は、分子中にカルボキシル基を有す
る化合物をグリコール成分として用いず、ペンダントカ
ルボキシル基を含む化合物を鎖伸長剤として使用する方
法である。すなわち鎖伸長剤として、前記一般式(I)
で表わされる化合物で代表されるペンダントカルボキシ
ル基含有鎖伸長剤を使用する方法、特公昭52−3438号公
報(2個のカルボキシル基含有芳香族ジアミンを鎖伸長
剤として使用する方法)、特開昭57−165420号公報(ポ
リヒドロキシル化合物とジカルボン酸無水物とからの半
エステルを鎖伸長剤として使用する方法)等が挙げられ
る。
前記一般式(I)で表わされる化合物の使用量は、安
定な水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物を得ると
同時に、乾燥後の皮膜に優れた耐水性並びに各種被接着
体に対する優れた密着性を付与するために重要な因子で
あり、得られるポリエステルポリウレタン樹脂中のペン
ダントカルボキシル基の含有量がポリエステルポリウレ
タン樹脂に対して(固型分)0.5〜6重量%の範囲に入
る様な量をもつて反応させることが必要である。
該カルボキシル基の含有量が0.5重量%未満の場合、
ポリエステルポリウレタン樹脂組成物の皮膜の耐水性は
著しく向上するが、組成物自体の安定性が低下するため
不適当である。逆に6重量%を越えると各種被接着体に
対する密着性は向上するが、皮膜の耐水性、特に水浸漬
時の接着強度の低下が著しく不適当である。好ましい範
囲は0.5〜5重量%である。
次に、ペンダントカルボキシル基の重量%を測定する
方法について、説明する。基本的にはカルボキシル含有
化合物等原料の仕込量から計算で求められる。
すなわち分子中にカルボキシル基を有する化合物をグ
リコール成分として用いる第1の発明の場合には、 一般式(I)で表わされる化合物等のカルボキシル基含
有化合物と酸成分とを反応させて得られる末端に水酸基
を有しペンダントカルボキシル基を有するポリエステル
ポリオールの仕込量に、該ポリエステルポリオールの酸
価に[45(カルボキシル基の分子量)/56100(KOHの分
子量×103)]を乗じた値を掛けることによりペンダン
トカルボキシル基の重量を算出する。この値を最終ポリ
ウレタン樹脂の固形分の重量で割ればポリウレタン樹脂
中のカルボキシル基の重量%を計算することができる。
この関係は、次式で表わされ、得られる値に100を乗じ
た値がカルボキシル基の重量%である。
ペンダントカルボキシル基を含む化合物を鎖伸長剤と
して使用する第2の発明の場合には、一般式(I)で表
わされる化合物等のカルボキシル基含有化合物の仕込量
に、カルボキシル基の官能基数に[45(同上)/ペンダ
ントカルボキシル基含有化合物の分子量]を乗じた値を
掛ければカルボキシル基のペンダントカルボキシル基の
重量を算出でき、この値を最終ポリウレタン樹脂の固形
分の重量で割ることによって計算することができる。こ
の場合には、次式で表わされる。
本発明の水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物
は、従来公知のいかなる方法によつても製造が可能であ
り好ましくは例えば、イソシアネートに対して不活性で
かつ親水性の有機溶剤に前記一般式(I)のカルボキシ
ル基含有化合物を共重合して得られるペンダントカルボ
キシル基含有ポリエステルポリオール(A)を必要に応
じて鎖伸長剤(C)と共にポリイソシアネート化合物
(B)と反応させるか、あるいは特定のポリエステルポ
リオール(A)、前記一般式(I)のカルボキシル基含
有化合物及び必要に応じて鎖伸長剤(C)とをポリイソ
シアネート化合物(B)と反応させウレタン化した後、
アンモニアもしくは有機アミンで中和して水性化(必要
に応じて減圧下脱溶剤して)させることにより製造され
る。また、上記ポリイソシアネート化合物(B)との反
応の際、イソシアネート基の当量を活性水素原子に対し
て過剰にすることによりペンダントカルボキシル基含有
イソシアネート未満プレポリマーとした後、水中で鎖伸
長させると同時に中和して水性化させることによつても
得られる。ただし、ここで言う水性化とは、樹脂を水中
に安定に溶解もしくは分散させることを指す。
又、上記ウレタン化反応においてゲル化を防止するた
めにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール類;エチレングリコール、1,3−ブタン
ジオール等のグリコール類等の反応停止剤を使用するこ
ともできる。
かくして得られる水性ポリエステルポリウレタン樹脂
組成物のポリエステルポリウレタンの分子量は好ましく
は8,000〜100,000である。特に好ましくは10,000〜50,0
00である。
本発明で用いられるペンダントカルボキシル基を中和
する塩基としては、アンモニア以外に、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ
ビチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノ
ールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタ
ノールアミン等の有機アミンが挙げられるが乾燥後の皮
膜の耐水性を向上させるためには、水溶性であり、かつ
熱によつて容易に解離する揮発性の高いものが好まし
く、特にアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルア
ミンが好ましい。
又、本発明で用いられるイソシアネートに対しても不
活性でかつ親水性の有機溶剤としては、例えばテトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル等
のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられるが、ポリ
エステルポリウレタンの水性化後は通常減圧蒸留により
除去されるため、好ましくは水より低沸点の溶剤の使用
が望ましい。
本発明の水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物は
そのままでも使用されるが、更にアミノプラスト樹脂、
エポキシ樹脂、アジリジン系架橋剤、イソシアネート系
架橋剤等の架橋剤、あるいは有機金属化合物、タルク、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アスベスト、カ
ーボン、顔料、染料、防腐剤、消泡剤、レベリング剤等
の第3成分を添加しても差しつかえない。
〈作用〉 この様にしてなる水性ポリエステルポリウレタン樹脂
組成物は、ポリエステル基材だけでなく、塩ビ、ナイロ
ン、ポリウレタン等の各種プラスチツク、繊維製品、合
皮製品、あるいはアルミニウム、鉄等の金属、紙、木
材、ガラス等との接着性に優れるばかりでなく、その乾
燥皮膜は耐水性並びに耐ブロツキング性にも優れてお
り、繊維・合皮製品の処理剤、各種基材に対する接着
剤、水性コート剤、水性塗料、水性インキあるいは集束
剤として巾広く用いることができる。
〈実施例〉 次に、実施例によつて本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。尚、本発明の
水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物の諸物性の評
価方法を下記に示すと共に実施例中の部は重量部を表わ
す。
密着性:試料を50μPETフイルム上に固形分10g/m2で塗
布した後、80℃で1分間乾燥して得られる皮膜に対して
セロハンテープによる剥離試験を行ない、基材に対する
密着性を評価する。
○……密着性極めて良好。外観変化なし △……皮膜の一部剥離 ×……皮膜の全面剥離 耐水性:40℃の温水に24時間浸漬後の密着性を評価す
る。
耐ブロツキング性:塗布面同志を貼り合わせ40℃、65%
RHの雰囲気下で荷重10g/cm2×24時間放置後のブロツキ
ング性を評価する。
○……全くブロツキングがなく容易にはがれる △……表面に損傷の形跡を認めない程度の接着性 ×……表面に損傷の形跡を認める程度の接着性 [ポリエステルポリオールの調整] 温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応器中で
窒素ガスを導入しながら、テレフタル酸664部、インフ
タル酸631部、1,4−フタンジオール472部、ネオペンチ
ルグリコール447部及びジブチル錫オキサイド0.5部を仕
込み180〜230℃で5時間エステル化した後、酸価<1に
なるまで230℃で6時間重縮合反応を行なつた。ついで1
20℃まで冷却しアジピン酸321部、ジメチロールプロピ
オン酸268部を加え、再び170℃に昇温しこの温度で20時
間反応させ、酸価46.5、水酸基価59.8のペンダントカル
ボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。同様
にしてペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリ
オールD、F、及びポリエステルポリオールB、C、
E、Gを得た。(表−1参照) 実施例1 ポリエステルポリオールA1880部を減圧下120℃で脱水
し、その後80℃まで冷却した後、メチルエチルケトン13
60部を加え十分攪拌溶解し、次いでヘキサメチレンジイ
ソシアネート160部を加え70℃で12時間反応させた。反
応終了後、40℃まで冷却し10%アンモニア水265部を加
えて中和した後、水5860部を加え水溶化した。
得られた透明な反応生成物を減圧下に65℃でメチルエ
チルケトンを除去した後、水を加えて濃度調整を行ない
不揮発分25%の安定な透明コロイド状分散体を得た。こ
の水分散体を50μmのPETフイルム上に固形分10g/m2
塗布した後、80℃で1分間乾燥して得られる乾燥皮膜に
ついて、密着性、耐水性及び耐ブロツキング性のテスト
を行なつた結果いずれも良好な物性が得られた。
実施例2〜4、比較例1〜3 実施例1と同様な方法で表−1に示す各種ポリエステ
ルポリオールを使用して実施例2〜4、比較例1〜3の
水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物を得た。尚実
施例2、3、比較例1、3では2,2−ジメチロールプロ
ピオン酸を鎖伸長剤としてウレタン化を行なつた。各々
の乾燥皮膜の物性を表−2にまとめて示す。
以上の結果より、本発明の水性ポリエステルポリウレ
タン樹脂組成物がいずれも優れた物性を有することが認
められる。
実施例5 実施例1で得られた水分散体を50μmのPETフイルム
上に固形分10g/m2で塗布した後80℃で1分間乾燥した。
ついで、この処理されたフイルムにポリ塩化ビニルシー
ト(厚さ400μm)を重ね合わせ、温度140℃、圧力1kg/
cm2の熱プレスにて3秒プレスしホツトメルト接着を行
なつた。得られた積層フイルムの接着性を評価したとこ
ろ、PETフイルムの材料破壊をきたすほどの高い接着力
を示した。又、この積層フイルムを40℃の温水に24時間
浸漬した後の接着力も極めて良好であつた。
実施例6、比較例4、5 実施例5と同様な方法で、実施例3、比較例1、2の
水分散体について接着性のテストを行なつたところ、比
較例4では水浸漬後の接着力の低下が著しく、又比較例
5では材料破壊を伴う程の高い接着力は得られなかつた
が、実施例6においてはいずれも良好な接着性を示し、
本発明の水分散体がいずれも優れた物性を有することが
認められた。(表−3参照)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−45398(JP,A) 特開 昭60−4515(JP,A) 特開 昭59−138212(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ジカルボン酸/脂肪(環)族
    ジカルボン酸=70/30〜100/0(重量比)からなる酸成分
    (A−1)と分子中にカルボキシル基を有する化合物を
    含むグリコール成分(A−2)より構成されるポリエス
    テルポリオールと、(B)ポリイソシアネート化合物と
    から得られる高分子量体中に、ペンダントカルボキシル
    基を0.5〜6重量%含有しており、該カルボキシル基が
    アンモニアもしくは有機アミンで中和されているポリエ
    ステルウレタン樹脂であって、該ポリエステルポリウレ
    タン樹脂が水性媒体中に分散又は溶解しており、かつ、
    該ポリエステルポリウレタンが、その固形分に対し、前
    記ポリエステルポリオール(A)から導かれるポリエス
    テルセグメントを60重量%以上含有していることを特徴
    とする水性ポリエステルポリウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)芳香族ジカルボン酸/脂肪(環)族
    ジカルボン酸=70/30〜100/0(重量比)からなる酸成分
    (A−1)と分子中にカルボキシル基を有する化合物を
    含まないグリコール成分(A−3)より構成されるポリ
    エステルポリオールと、(B)ポリイソシアネート化合
    物と(C)分子中にカルボキシル基を含有する化合物か
    らなる鎖伸長剤とから得られる高分子量体中に、ペンダ
    ントカルボキシル基を0.5〜6重量%含有しており、該
    カルボキシル基がアンモニアもしくは有機アミンで中和
    されているポリエステルウレタン樹脂であって、該ポリ
    エステルポリウレタン樹脂が水性媒体中に分散又は溶解
    しており、かつ、該ポリエステルポリウレタンが、その
    固形分に対し、前記ポリエステルポリオール(A)から
    導かれるポリエステルセグメントを60重量%以上含有し
    ていることを特徴とする水性ポリエステルポリウレタン
    樹脂組成物。
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