JPH0822777A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JPH0822777A
JPH0822777A JP15392894A JP15392894A JPH0822777A JP H0822777 A JPH0822777 A JP H0822777A JP 15392894 A JP15392894 A JP 15392894A JP 15392894 A JP15392894 A JP 15392894A JP H0822777 A JPH0822777 A JP H0822777A
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frame
shadow mask
section
ray tube
cross
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JP15392894A
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Jun Araya
純 荒谷
Ryuzo Okamoto
隆三 岡本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カラー陰極線管のファンネル1とパネル2を
接合する熱処理工程において、フレーム4に所定の張力
を加えられた状態で支持されたシャドウマスク3の塑性
変形を防止する。 【構成】 フレーム4をシャドウマスク34の材料より
も熱膨張係数の小さな材料で形成し、フレーム4の各辺
41、42、43、44の断面2次モーメントが大きく
なるような断面形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファンネルとパネルと
を接合する際における、熱膨張によるシャドウマスクの
塑性変形を防止するためのシャドウマスク構体を備えた
カラー陰極線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平面型カラー陰極線管の一般的な構成を
図4に示す。図4において、カラー陰極線管は、ガラス
等で形成されたファンネル1と、ガラス等で形成された
パネル2と、パネル2の内面に設けられた蛍光スクリー
ン8と、蛍光スクリーン8に略平行に設けられたシャド
ウマスク3と、シャドウマスク3を支持するためのフレ
ーム4と、ファンネル部1のネックに設けられた電子銃
6とを具備する。例えば、インライン型の電子銃6から
出射されたRGB各色に対応する電子ビーム7は、それ
ぞれシャドウマスク3に設けられた所定の孔を通過し、
蛍光スクリーン8上のRGB各色に対応する蛍光体に到
達する。電子ビーム7が照射された各蛍光体は、それぞ
れRGBの各色を発光し、パネル2の画面上にカラー画
像が形成される。
【0003】電子銃6から出射された電子ビーム7の
内、シャドウマスク3を通過して蛍光スクリーン8に到
達するものは約20%であり、残りの約80%はシャド
ウマスク3に衝突する。シャドウマスク3は、電子ビー
ム7の衝突により発熱し、熱膨張により変形しようとす
る。ところが、シャドウマスク3はフレーム4によりそ
の各辺を拘束されているため、シャドウマスク3の熱膨
張はシャドウマスク3の表面に凹凸を生じる方向に作用
する。ここで、仮にシャドウマスク3の表面が凹凸に変
形したとすると、シャドウマスク3に設けられている孔
の位置と蛍光スクリーン8の各蛍光体の位置とが対応し
なくなる。そうすると、シャドウマスク3の孔を通過し
た電子ビームは本来到達すべき蛍光体とは異なる蛍光体
に到達し、本来の色とは異なった色が発光する。もしく
は、本来照射すべき蛍光体を完全に照射せず、その部分
の輝度が下がり、色むらが発生する。その結果、パネル
2の画面上に形成される画像の色純度が低下し、画質が
低下する。
【0004】従って、シャドウマスク3の変形による画
質の低下を防止するために、従来からシャドウマスク3
に一定の張力を加えた状態でフレーム4に固定すること
が行われている。このようにシャドウマスク3にあらか
じめ一定の張力を加えておくことにより、電子ビームの
衝突によりシャドウマスクが発熱し熱膨張したとして
も、シャドウマスク3に加えられた張力により変形が吸
収され、シャドウマスク3の表面に凹凸が生じることが
なくなる。その結果、シャドウマスク3と蛍光スクリー
ン8とが略平行に保たれ、シャドウマスク3の孔と蛍光
スクリーン8の蛍光体との位置関係が対応し、色純度の
低下を防止することが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カラー陰極線管の組立
ては、パネル2の内側に蛍光スクリーン8を形成し、フ
レーム4に支持されたシャドウマスク3を組込んだ後、
ファンネル1とパネル2とを加熱し、ガラスどうしの接
着によりファンネル1とパネル2とを結合し、ファンネ
ル1のネックに電子銃6を組み込む。ファンネル1とパ
ネル2とを結合させるために、例えば400〜500℃
という高温で熱処理を行わなければならず、また、この
熱処理に長時間(例えば2〜3時間)を要する。そのた
め、シャドウマスク3やフレーム4等も同時に400〜
500℃に加熱され、その後冷却される。ところが、シ
ャドウマスク3及びフレーム4が加熱及び冷却の熱処理
を受けると、シャドウマスク3が塑性変形を起こす。
【0006】次に、シャドウマスク3が塑性変形を起こ
すメカニズムを図5を参照しつつ説明する。図5(a)
は初期状態、すなわち常温におけるシャドウマスク3と
フレーム4の状態を示す。常温では、シャドウマスク3
には、一定の張力(図中、矢印で示す)が加えられてお
り、表面が平坦となるようにフレーム4に支持されてい
る。なお、シャドウマスク3及びフレーム4の材料とし
て、一般的によく用いられる軟鋼が用いられている。ま
た、シャドウマスク3の厚さは0.02mm程度、フレ
ーム4の厚さは1.8〜2mm程度である。
【0007】次に、図5(b)は、ファンネル1とパネ
ル2とを接合するために加熱を開始した直後の昇温開始
状態を示している。フレーム4の厚さはシャドウマスク
3の厚さの約100倍もあるため、シャドウマスク3の
熱容量はフレーム4の熱容量よりもはるかに小さい。そ
のため、昇温開始直後はシャドウマスク3の方が先に温
度が高くなり、大きく膨張する。一方、フレーム4も若
干は膨張するが、シャドウマスク3ほどではないため、
シャドウマスク3の熱膨張による変形は、(b)に示す
ように表面を凹凸させるように作用する。このとき、シ
ャドウマスク3に加えられた張力は、シャドウマスク3
の熱膨張により緩和される。
【0008】図5(c)は、シャドウマスク3及びフレ
ーム4の温度が均一になった状態、すなわち400〜5
00℃に加熱された高温安定状態を示している。この
時、シャドウマスク3及びフレーム4は、図中2点鎖線
で示す初期状態とほぼ相似形となっており、シャドウマ
スク3には初期状態とほぼ等しい張力が加わる。ところ
が、高温条件下では、シャドウマスク3の材料の弾性限
界は、常温における値よりも著しく低下する。材料によ
っては、常温で例えば15Kgf/mm2であった弾性
限界が、400〜500℃では6Kgf/mm2程度に
まで下がる場合もある。そのため、シャドウマスク3に
加えられていた張力の大きさによっては、この時点で塑
性変形が生じる場合がある。
【0009】図5(d)は、ファンネル1とパネル2と
の接合工程において、加熱を終了した直後の降温開始状
態を示している。前述のように、シャドウマスク3の熱
容量の方がフレーム4の熱容量よりもはるかに小さいた
め、シャドウマスク3の収縮量の方が大きい。そのた
め、シャドウマスク3は図中2点鎖線で示すように内側
に湾曲するように変形しようとするが、フレーム4に拘
束されているため、実際にはほとんど変形しない。その
結果、シャドウマスク3の収縮しようとする力はシャド
ウマスクの張力を増加させる方向に作用する。仮に、
(c)に示した段階でシャドウマスク3が塑性変形が生
じていなかったとしても、(d)に示す段階で、もとも
とシャドウマスク3に加えられていた張力に、さらにシ
ャドウマスク3の収縮力が加わり、材料の弾性限界を超
え塑性変形が生じる。
【0010】塑性変形を起こしたシャドウマスク3で
は、最初に加えた張力が低下しているため、電子ビーム
の衝突によりシャドウマスク3が発熱し熱膨張したとし
ても、シャドウマスク3に加えられた張力により変形を
吸収することはできず、シャドウマスク3の表面に凹凸
が生じ、シャドウマスク3と蛍光スクリーン8とが略平
行に保たれなくなる。そのため、シャドウマスク3の孔
と蛍光スクリーン8の蛍光体との位置関係が対応せず、
色純度が低下し画質が低下する。すなわち、シャドウマ
スクに張力を加える本来の目的である「パネル2の画面
上に形成される画像の色純度が低下し、画質が低下する
という問題を解決する」ことができなくなる。さらに、
シャドウマスク3は常温状態において所定の張力が加え
られているため、シャドウマスク3の張力の大きさ及び
フレーム4の機械的強度によっては、フレーム4が変形
してしまうという問題点を有していた。
【0011】本発明は以上のような問題点を解決するた
めになされたものであり、ファンネルとパネルとを接合
させるために熱処理を行う際、シャドウマスクに加わる
張力を緩和し、シャドウマスクの塑性変形を防止すると
ともに、シャドウマスクの張力による変形を防止したシ
ャドウマスク構体を備えたカラー陰極線管を得ることを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のカラー陰極線管は、略矩形断面を有するフ
レームの一方の開口端部にシャドウマスクを所定の張力
を加えた状態で支持したシャドウマスク構体を備え、前
記シャドウマスク構体は、前記フレームが前記シャドウ
マスクの材料の熱膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有
する材料で形成され、前記フレームの各辺は多角形中空
断面を有するように形成されている。上記構成におい
て、フレームの各辺の多角形中空断面は三角形又は四角
形のいずれかであることが好ましい。また、上記構成に
おいて、フレームは、中空材を所定の形状に切断してな
る各辺の構成部材を、各辺の接合部において溶接したも
のであることが好ましい。
【0013】または、本発明のカラー陰極線管は、略矩
形断面を有するフレームの一方の開口端部にシャドウマ
スクを所定の張力を加えた状態で支持したシャドウマス
ク構体を備え、前記シャドウマスク構体は、前記フレー
ムが前記シャドウマスクの材料の熱膨張係数よりも小さ
な熱膨張係数を有する材料で形成され、前記フレームの
各辺は一部が離れた略多角形状断面を有するように形成
されている。上記構成において、フレームの各辺は一部
が離れた略多角形状断面は三角形又は四角形のいずれか
であることが好ましい。また、上記構成において、フレ
ームは、板材を一部が離れた略多角形状断面を有するよ
うに折曲げたてなる各辺の構成部材を、各辺の接合部に
おいて溶接したものであることが好ましい。
【0014】または、本発明のカラー陰極線管は、略矩
形断面を有するフレームの一方の開口端部にシャドウマ
スクを所定の張力を加えた状態で支持したシャドウマス
ク構体を備え、前記シャドウマスク構体は、前記フレー
ムが前記シャドウマスクの材料の熱膨張係数よりも小さ
な熱膨張係数を有する材料で形成され、前記フレームの
各辺は略チャネル状断面を有するように形成されてい
る。上記構成において、フレームは、チャネル材を所定
の形状に切断してなる各辺の構成部材を、各辺の接合部
において溶接したものであることが好ましい。または、
上記構成において、フレームは板材をプレス加工により
一体に打ち抜いたものであることが好ましい。
【0015】または、本発明のカラー陰極線管は、略矩
形断面を有するフレームの一方の開口端部にシャドウマ
スクを所定の張力を加えた状態で支持したシャドウマス
ク構体を備え、前記シャドウマスク構体は、前記フレー
ムが前記シャドウマスクの材料の熱膨張係数よりも小さ
な熱膨張係数を有する材料で形成され、前記フレームの
各辺は略V字状断面を有するように形成されている。上
記構成において、フレームは、略V字状アングル材を所
定の形状に切断してなる各辺の構成部材を、各辺の接合
部において溶接したものであることが好ましい。また
は、上記構成において、フレームは板材をプレス加工に
より一体に打ち抜いたものであることが好ましい。
【0016】また、上記各構成において、フレームの各
辺の内側は、シャドウマスクが支持されている一方の開
放端部から他方の開放端部にかけて傾斜していることが
好ましい。また、上記各構成において、シャドウマスク
は軟鋼(SPCC)で形成され、フレームは13%Cr
−Fe、18%Cr−Fe、50%Ni−Fe及び42
%Ni−Feから選択されたいずれかで形成されている
ことが好ましい。
【0017】
【作用】以上のように、本発明のカラー陰極線管によれ
ば、フレームをシャドウマスクの材料の熱膨張係数より
も小さな熱膨張係数を有する材料で形成したので、シャ
ドウマスク及びフレームが均一な温度に加熱された高温
安定状態でも、フレーム膨張の方がシャドウマスクの膨
張よりも小さい。従って、シャドウマスクはその張力が
緩和される方向へ変形され、場合によってはシャドウマ
スクの表面には図5(b)に示すような凹凸が形成され
る。その結果、本発明では、図5(c)及び(d)に示
した状態になることはなく、シャドウマスクの材料の弾
性限界が、高温時において著しく低下したとしても、シ
ャドウマスクに塑性変形は生じない。
【0018】また、フレームの各辺を多角形中空断面、
一部が離れた略多角形状断面、チャネル状断面又は略V
字状断面を有するように形成することにより、各辺の断
面2次モーメントが増加し、フレームの機械的強度が増
加する。そのため、常温状態においても、フレームはシ
ャドウマスクの張力によっては変形されない。
【0019】また、フレームの各辺が多角形中空断面を
有する場合、フレームの各辺の多角形中空断面を三角形
又は四角形のいずれかにすることにより、市販の汎用中
空パイプ等を用いることができ、材料の調達が容易にな
るとともに製造コストを下げることができる。また、中
空材を所定の形状に切断した各辺の構成部材を各辺の接
合部において溶接してフレームを形成することにより、
フレームの組立てが容易になり、また自動化を図ること
ができる。
【0020】同様に、フレームの各辺が一部が離れた略
多角形状断面を有する場合、略多角形を三角形又は四角
形のいずれかにすることにより、板材をプレス加工する
ことにより各辺の構成部材を容易に加工することができ
る。また、板材を一部が離れた略多角形状断面を有する
ように折曲げた各辺の構成部材を各辺の接合部において
溶接してフレームを形成することにっても、フレームの
組立てが容易になり、また自動化を図ることができる。
【0021】同様に、フレームの各辺が略チャネル状断
面又は略V字状断面を有する場合、チャネル材又は略V
字状アングル材を所定の形状に切断した各辺の構成部材
を各辺の接合部において溶接してフレームを形成するこ
とにより、材料の調達が容易になりまた歩留りが向上す
る。または、フレームを、板材をプレス加工により一体
に打ち抜いて形成することにより、加工工程を少なくす
ることができる。
【0022】また、シャドウマスクを軟鋼(SPCC)
で形成し、フレームを13%Cr−Fe、18%Cr−
Fe、50%Ni−Fe及び42%Ni−Feから選択
されたいずれかで形成することにより、フレームの熱膨
張係数がシャドウマスクの熱膨張係数よりも小さくな
り、高温安定時におけるシャドウマスクの塑性変形を防
止することができる。
【0023】
【実施例】本発明のカラー陰極線管のシャドウマスク構
体の好適な一実施例について、図1から図3までを参照
しつつ説明する。図1は、常温におけるフレーム及びシ
ャドウマスクの状態を示す斜視図であり、図2は高温安
定状態におけるシャドウマスク及びフレームの変形の状
態を示す斜視図である。また、図3において、(a)〜
(f)はそれぞれフレームの各辺のA−A断面形状を例
示した断面図である。
【0024】図1において、フレーム4の開口部分は略
矩形断面を有し、その一方の開口端部45には所定の張
力を加えた状態でシャドウマスク3が支持されている。
フレーム4の各辺41、42、43、44は、カラー陰
極線管の画面の水平方向及び垂直方向に対応する。フレ
ーム4の各辺41、42、43、44はそれぞれ図3に
例示列挙するようなA−A断面形状を有している。ま
た、フレーム4の各辺41、42、43、44の内側
は、シャドウマスク3が支持されている一方の開放端部
45から他方の開放端部46にかけて傾斜している。
【0025】シャドウマスク3の材料として、従来例と
同様に一般的によく用いられる軟鋼(SPCC)を用い
る。シャドウマスク3の厚さは従来例と同様に0.02
mm程度である。フレーム4の大きさは、例えば短辺2
50mm×長辺330mm×幅40mmである。また、
フレーム4の材料は、例えば13%Cr−Fe、18%
Cr−Fe、50%Ni−Fe、42%Ni−Fe等の
軟鋼よりも熱膨張係数の小さな材料を用いる。軟鋼(S
PCC)の熱膨張係数は12〜14×10-6/℃程度、
13%Cr−Fe及び18%Cr−Feの熱膨張係数は
11〜12×10-6程度、50%Ni−Feの熱膨張係
数は9〜10×10-6程度、42%Ni−Feの熱膨張
係数は7〜9×10-6/℃程度である。なお、フレーム
4の各辺は図3に例示列挙するように、断面2次モーメ
ントが大きくなるような形状をしているため、その肉厚
を従来例(1.8〜2.0mm程度)よりも薄くするこ
とができる。
【0026】次に、フレーム4の各辺の断面形状につい
て説明する。図3(a)はフレーム4の各辺の断面形状
が四角形(台形)の中空である場合を示している。ま
た、図3(d)はフレーム4の各辺の断面形状が三角形
の中空である場合を示している。これらの場合、各辺4
1、42、43、44の断面2次モーメントが増加し、
フレームの機械的強度が向上する。フレーム4の組立て
は、中空材を各辺の形状に合せて所定の形状に切断し、
切断された各辺の構成部材をそれらの接合部で溶接する
ことにより行う。
【0027】図3(b)はフレーム4の各辺の断面形状
が一部が離れた略四角形状である場合を示し、図3
(e)は同じく略三角形の場合を示している。このよう
に各辺の断面の一部を離すことにより、板材をプレス加
工することにより各辺の構成部材を容易に加工すること
ができる。フレーム4の組立ては、各辺の構成部材を各
辺の接合部において溶接することにより行う。
【0028】図3(c)はフレーム4の各辺の断面形状
が略チャネル状である場合を示し、図3(f)は同じく
略V字状の場合を示している。これらの場合、チャネル
材又は略V字状アングル材を所定の形状に切断すること
により、各辺の構成部材を容易に加工することができ、
材料の調達が容易になりまた歩留りが向上する。フレー
ム4の組立ては、各辺の接合部において溶接することに
より行う。または、これらの場合、板材をプレス加工に
より一体に打ち抜いてフレーム4を形成することも可能
である。後者の場合、加工工程を少なくすることができ
る。
【0029】以上のように構成されたカラー陰極線管の
シャドウマスク構体を加熱し、シャドウマスク3及びフ
レーム4の温度が均一に例えば400〜500℃になっ
たとする。フレーム4の熱膨張係数はシャドウマスク3
の熱膨張係数よりも小さいため、最初シャドウマスク3
の大きさとほぼ等しかったフレーム4の開口端部45の
大きさは、高温状態ではシャドウマスク3の膨張により
相対的に小さくなる。その結果、シャドウマスク3は図
5(d)に示す従来例のようにフレーム4に引張られる
のではなく、逆にフレーム4の相対的な収縮により押し
縮められる。その結果、シャドウマスク3に加えられた
張力は減少し、場合によってはシャドウマスク3の表面
に凹凸32が形成され、弾性限界を超えることはない。
従って、シャドウマスク3には塑性変形が生じない。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、フレー
ムをシャドウマスクの材料の熱膨張係数よりも小さな熱
膨張係数を有する材料で形成したので、シャドウマスク
及びフレームが均一な温度に加熱された高温安定状態で
も、フレーム膨張の方がシャドウマスクの膨張よりも小
さくなり、シャドウマスクはその張力が緩和される方向
へ変形され、場合によってはシャドウマスクの表面には
凹凸が形成される。その結果、シャドウマスクの材料の
弾性限界が、高温時において著しく低下したとしても、
シャドウマスクに塑性変形は生じない。
【0031】また、フレームの各辺を多角形中空断面、
一部が離れた略多角形状断面、チャネル状断面又は略V
字状断面を有するように形成することにより、各辺の断
面2次モーメントが増加し、フレームの機械的強度が増
加する。そのため、常温状態においても、シャドウマス
クの張力によるフレームの変形を防止することができ
る。
【0032】また、フレームの各辺が多角形中空断面を
有する場合、フレームの各辺の多角形中空断面を三角形
又は四角形のいずれかにすることにより、市販の汎用中
空パイプ等を用いることができ、材料の調達が容易にな
るとともに製造コストを下げることができる。また、中
空材を所定の形状に切断した各辺の構成部材を各辺の接
合部において溶接してフレームを形成することにより、
フレームの組立てが容易になり、また自動化を図ること
ができる。
【0033】また、フレームの各辺が一部が離れた略多
角形状断面を有する場合、略多角形を三角形又は四角形
のいずれかにすることにより、板材をプレス加工するこ
とにより各辺の構成部材を容易に加工することができ
る。また、板材を一部が離れた略多角形状断面を有する
ように折曲げた各辺の構成部材を各辺の接合部において
溶接してフレームを形成することにっても、フレームの
組立てが容易になり、また自動化を図ることができる。
【0034】また、フレームの各辺が略チャネル状断面
又は略V字状断面を有する場合、チャネル材又は略V字
状アングル材を所定の形状に切断した各辺の構成部材を
各辺の接合部において溶接してフレームを形成すること
により、材料の調達が容易になりまた歩留りが向上す
る。または、フレームを、板材をプレス加工により一体
に打ち抜いて形成することにより、加工工程を少なくす
ることができる。
【0035】また、シャドウマスクを軟鋼(SPCC)
で形成し、フレームを13%Cr−Fe、18%Cr−
Fe、50%Ni−Fe及び42%Ni−Feから選択
されたいずれかで形成することにより、フレームの熱膨
張係数がシャドウマスクの熱膨張係数よりも小さくな
り、高温安定時におけるシャドウマスクの塑性変形を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー陰極線管のシャドウマスク構体
の好適な一実施例における、常温におけるフレーム及び
シャドウマスクの状態を示す斜視図
【図2】図1に示す実施例における、高温安定状態にお
けるシャドウマスク及びフレームの変形の状態を示す斜
視図
【図3】(a)〜(f)はそれぞれ図1に示す実施例に
おけるフレームの各辺のA−A断面形状を例示した断面
【図4】一般的な平面カラー陰極線管の構成を示す断面
【図5】シャドウマスクに塑性変形が生じるメカニズム
を示す斜視図
【符号の説明】
1:ファンネル 2:パネル 3:シャドウマスク 4:フレーム 6:電子銃 7:電子ビーム 8:蛍光スクリーン 41:フレームの辺 42:フレームの辺 43:フレームの辺 44:フレームの辺 45:一方の開口端部 46:他方の開口端部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略矩形断面を有するフレームの一方の開
    口端部にシャドウマスクを所定の張力を加えた状態で支
    持したシャドウマスク構体を備え、前記シャドウマスク
    構体は、前記フレームが前記シャドウマスクの材料の熱
    膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有する材料で形成さ
    れ、前記フレームの各辺は多角形中空断面を有するカラ
    ー陰極線管。
  2. 【請求項2】 フレームの各辺の多角形中空断面は三角
    形又は四角形のいずれかである請求項1記載のカラー陰
    極線管。
  3. 【請求項3】 フレームは、中空材を所定の形状に切断
    してなる各辺の構成部材を、各辺の接合部において溶接
    したものである請求項1又は2記載のカラー陰極線管。
  4. 【請求項4】 略矩形断面を有するフレームの一方の開
    口端部にシャドウマスクを所定の張力を加えた状態で支
    持したシャドウマスク構体を備え、前記シャドウマスク
    構体は、前記フレームが前記シャドウマスクの材料の熱
    膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有する材料で形成さ
    れ、前記フレームの各辺は一部が離れた略多角形状断面
    を有するカラー陰極線管。
  5. 【請求項5】 フレームの各辺は一部が離れた略多角形
    状断面は三角形又は四角形のいずれかである請求項4記
    載のカラー陰極線管。
  6. 【請求項6】 フレームは、板材を一部が離れた略多角
    形状断面を有するように折曲げたてなる各辺の構成部材
    を、各辺の接合部において溶接したものである請求項4
    又は5記載のカラー陰極線管。
  7. 【請求項7】 略矩形断面を有するフレームの一方の開
    口端部にシャドウマスクを所定の張力を加えた状態で支
    持したシャドウマスク構体を備え、前記シャドウマスク
    構体は、前記フレームが前記シャドウマスクの材料の熱
    膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有する材料で形成さ
    れ、前記フレームの各辺は略チャネル状断面を有するカ
    ラー陰極線管。
  8. 【請求項8】 フレームは、チャネル材を所定の形状に
    切断してなる各辺の構成部材を、各辺の接合部において
    溶接したものである請求項7記載のカラー陰極線管。
  9. 【請求項9】 フレームは板材をプレス加工により一体
    に打ち抜いたものである請求項7記載のカラー陰極線
    管。
  10. 【請求項10】 略矩形断面を有するフレームの一方の
    開口端部にシャドウマスクを所定の張力を加えた状態で
    支持したシャドウマスク構体を備え、前記シャドウマス
    ク構体は、前記フレームが前記シャドウマスクの材料の
    熱膨張係数よりも小さな熱膨張係数を有する材料で形成
    され、前記フレームの各辺は略V字状断面を有するカラ
    ー陰極線管。
  11. 【請求項11】 フレームは、略V字状アングル材を所
    定の形状に切断してなる各辺の構成部材を、各辺の接合
    部において溶接したものである請求項10記載のカラー
    陰極線管。
  12. 【請求項12】 フレームは板材をプレス加工により一
    体に打ち抜いたものである請求項10記載のカラー陰極
    線管。
  13. 【請求項13】 フレームの各辺の内側は、シャドウマ
    スクが支持されている一方の開放端部から他方の開放端
    部にかけて傾斜している請求項1〜12のいずれかに記
    載のカラー陰極線管。
  14. 【請求項14】 シャドウマスクは軟鋼(SPCC)で
    形成され、フレームは13%Cr−Fe、18%Cr−
    Fe、50%Ni−Fe及び42%Ni−Feから選択
    されたいずれかで形成されている請求項1〜13のいず
    れかに記載のカラー陰極線管。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009007649A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd マスク用フレーム
JP2015004129A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 三星ディスプレイ株式會社Samsung Display Co.,Ltd. 蒸着用マスク組立体

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