JPH0822766B2 - 帯電防止被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した帯電防止膜付きガラス - Google Patents

帯電防止被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した帯電防止膜付きガラス

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JPH0822766B2
JPH0822766B2 JP31553493A JP31553493A JPH0822766B2 JP H0822766 B2 JPH0822766 B2 JP H0822766B2 JP 31553493 A JP31553493 A JP 31553493A JP 31553493 A JP31553493 A JP 31553493A JP H0822766 B2 JPH0822766 B2 JP H0822766B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラウン管等のガラス
基体表面に酸化亜鉛系複合酸化物の帯電防止被膜を塗
布、焼成によって形成するための帯電防止被膜形成用塗
布液およびその形成方法、さらにガラス基体上に該被膜
を形成せしめた帯電防止膜付きガラスおよびその帯電防
止膜付きガラス上に酸化物被膜を形成し、光学的特性、
機械的特性、化学的特性を改善した帯電防止膜付きガラ
スに関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】ブラウン管などの高電圧で作
動するガラス製物品は、起動時または終了時にその表面
で静電気が発生し、これにより、ガラス表面にほこりが
付着し、コントラストを低下させたり、表面に触れた際
に軽度の電気ショックを受け、不快感を生じたりする。
上述のような現象を防ぐために、ガラス表面に帯電防止
膜を形成させる方法が試みられている。その形成方法と
しては、ガラス基体表面に導電性酸化物をスパッタリン
グなどの物理的製膜法により付着させる方法がとられて
いる。しかしながら、この方法では真空系を必要とし、
製膜装置が大型化したり、製造コストが高くなったりす
るという欠点がある。
【0003】透明導電性酸化物としては酸化インジウ
ム、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられるが、酸化インジウ
ムは非常に高価な材料のため、酸化錫が一般に用いられ
る。酸化亜鉛は酸化錫に比べ、さらに安価な材料で、し
かも可視光透過率が非常に高いという利点がある。この
関係の先行技術としてはたとえば特開平3−52675
号公報があるが、この種のものはほとんど実用に供され
ていない。これは酸化亜鉛膜の表面硬度が低く、傷がつ
きやすいことと、酸やアルカリに侵されてしまうためで
ある。
【0004】
【問題を解決するための手段】上述のような問題点を解
決し、ガラス基体上に帯電防止被膜を容易に、しかも安
価で製造する方法およびそれに適した材料開発をするた
めに鋭意研究を行った結果、脂肪酸亜鉛、ジルコニウム
アルコキシドおよび/またはアルミニウムアルコキシド
の混合溶液にエタノールアミンを添加することにより、
溶液が均質となり、安定化され、さらにこの溶液をガラ
ス基体に塗布、400℃以上の温度で焼成・酸化するこ
とで酸化亜鉛系複合酸化物被膜を形成し、容易にその目
的を達成することを見出し、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は従来技術では不可能であっ
た帯電防止効果の優れた酸化亜鉛系複合酸化物の膜を安
価で容易に形成するための塗布液およびその膜の形成方
法、さらにその膜をガラス基体上に形成せしめた帯電防
止膜付きガラス、およびその帯電防止膜付きガラス上に
酸化物被膜を形成せしめた帯電防止膜付きガラスを提供
するものである。
【0006】本発明の塗布液の製造方法としては、まず
脂肪酸亜鉛とジルコニウムアルコキシドおよび/または
アルミニウムアルコキシドをZn濃度がZrおよび/ま
たはAl濃度に対して1〜9(mol比)となるように
有機溶媒中で混合する。この際混合するジルコニウムア
ルコキシドとアルミニウムアルコキシドの割合は特に制
限はなく、どちらか一方だけでも又任意の配合で両物質
を用いても良い。しかし、帯電防止効果と膜の硬度を考
慮してZn量と(Zr+Al)量は上述のmol比が好
ましい。これは亜鉛成分が増加すると帯電防止効果は上
がるが、膜の硬さはおちる。逆にジルコニウム、アルミ
ニウムの成分が増えると硬さは上がるが帯電防止効果は
下がるためである。従って、Zn濃度は(Zr+Al)
濃度に対して1〜9(mol比)が好ましい。
【0007】Zn原料として用いる脂肪酸亜鉛として
は、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酪酸亜鉛、吉草酸亜
鉛、カプロン酸亜鉛、等が挙げられるが、炭素数の多い
脂肪酸塩は熱分解時の重量減少が多いので、炭素数の少
ない脂肪酸亜鉛がより好ましい。使用する有機溶媒とし
てはメタノール、エタノール、n−プロパノール,i−
プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、2−
ブタノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類、メトキシ
エタノール、エトキシエタノール等のグリコールエーテ
ル類等が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、1種だ
けを用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもかま
わない。有機溶媒の量としてはZn濃度が0.1〜2m
ol/lが好ましい。この量は液中の亜鉛濃度を適切な
値に保ち、かつ塗布に適した粘度にするための量であ
り、溶媒が多いと亜鉛濃度が低くなり、塗布膜厚の薄い
帯電防止効果の十分でない膜ができてしまい好ましくな
い。逆に溶媒量が少ないと粘度が高くなり、塗布液とし
ては適さなくなり、塗布膜にクラックが入ったり、可視
光透過率の低い膜ができてしまう。
【0008】この脂肪酸亜鉛、ジルコニウムアルコキシ
ドおよび/またはアルミニウムアルコキシドの混合液は
亜鉛濃度およびアルコキシド濃度によっては脂肪酸亜鉛
が溶解せずに固体として分散または沈殿した状態で存在
しており、このままでは塗布液としては使用できない。
これにエタノールアミンを適切な量添加することによっ
て、脂肪酸亜鉛は全て溶解し、均質な安定した透明溶液
となる。添加するエタノールアミンの量は脂肪酸亜鉛に
対して0.7(mol比)より少ないと脂肪酸亜鉛の溶
解が不十分で、塗布の際、未溶解の脂肪酸亜鉛粒子が析
出した、表面の粗い塗布膜となったりする。また、添加
するエタノールアミンの量が脂肪酸亜鉛に対して1.5
(mol比)より多くなると、塗布膜が白濁してしま
う。従って、エタノールアミンの添加量としては脂肪酸
亜鉛に対して0.7〜1.5(mol比)が好ましい。
ジルコニウムアルコキシドおよび/またはアルミニウム
アルコキシドは加水分解および縮合が非常に速く、その
まま溶液にして塗布液として用いたのでは、塗布膜は乾
燥時に大気中の湿分で急激に加水分解され、白化してし
まう。そのため、ジルコニウムアルコキシドやアルミニ
ウムアルコキシドを使用した塗布液を調製するのは困難
であった。そこで、亜鉛源として結晶水をもつ脂肪酸亜
鉛を用いてアルコキシドの部分的加水分解を徐々に起こ
させ、Zr−O−Zr、Zr−O−Al、またはAl−
O−Al結合を含む部分的無機重合体を形成させ、これ
により、大気中の湿分で加水分解されるアルコキシ基の
量を減らすことに成功し、この問題を解決して本発明に
到達した。さらに、エタノールアミンは、ジルコニウム
アルコキシドおよび/またはアルミニウムアルコキシド
の残りのアルコキシ基と置換または配位し、アルコキシ
ドの加水分解−縮合による沈殿生成および膜の白濁化を
防止し、塗布液の安定性を高めるという役割も果たす。
【0009】添加するエタノールアミンとしてはモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンが挙げられるが、沸点、粘度、作業性から考えて
モノエタノールアミンが好ましい。トリエタノールアミ
ンは沸点が高く、塗布膜を乾燥させる場合に高温を必要
とする。また、ジエタノールアミンは室温で固体もしく
は粘度の高い状態であるため、作業性の点から好ましく
ない。よって、塗布液を作業性よく調製し、塗布膜を7
0〜150℃程度の温度で乾燥するにはモノエタノール
アミンが最適である。
【0010】使用するジルコニウムアルコキシドとして
はテトラエトキシジルコニウム、テトラノルマルプロポ
キシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウ
ム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、テトライソ
ブトキシジルコニウム等が挙げられる。また、アルミニ
ウムアルコキシドとしてはトリエトキシアルミニウム、
トリノルマルプロポキシアルミニウム、トリイソプロポ
キシアルミニウム、トリノルマルブトキシアルミニウ
ム、トリイソブトキシアルミニウム等が挙げられる。以
上のような製法で得られた溶液は帯電防止効果を有する
緻密な酸化亜鉛系複合酸化物被膜を形成するための塗布
液としては最適のものである。
【0011】塗布液の塗布方法としてはスプレー、ロー
ルコート、スピンコート、浸漬、印刷等が均質な膜を容
易に製造する方法として優れている。上記の方法でガラ
ス基体表面に塗布膜を形成せしめた後、有機溶媒を除去
するために70〜150℃で10〜30分乾燥を行いさ
らに400℃以上の温度で10〜30分焼成を行う。こ
の方法により、酸化亜鉛単体の膜よりも表面硬度の高
い、緻密でしかも帯電防止効果を有するZnO−ZrO
2 系酸化物を主成分とする、またはZnO−Al 2 3
系酸化物を主成分とする、またはZnO−ZrO2 −A
2 3 系酸化物を主成分とする酸化亜鉛系複合酸化物
被膜が得られる。
【0012】得られた酸化亜鉛系複合酸化物被膜は、表
面硬度という点では酸化亜鉛単体の膜より優れている
が、組成及び膜厚によっては可視光領域で若干、干渉色
がつく。この光の干渉(反射)を防ぎ、可視光透過率を
さらに高めるために、得られた帯電防止膜付きガラス上
に酸化物被膜を形成させる。シリカ、アルミナ、ジルコ
ニアの1種以上の酸化物被膜を帯電防止膜付きガラス上
に形成させると、上述の可視光の干渉(反射)防止、お
よび可視透過率のさらなる向上という効果の他に酸やア
ルカリに対する化学的安定性や摩耗に対する耐久性がさ
らに向上するという利点があることを見出した。特に本
発明の帯電防止被膜の屈折率より低い屈折率を有する酸
化物膜を帯電防止膜上に被膜することは反射防止、可視
光透過率向上効果が大きいため、シリカおよびアルミナ
単体の膜またはシリカまたはアルミナにジルコニアを添
加した複合酸化物膜が好ましい。その他にもシリカ、ア
ルミナ、ジルコニアの少なくとも1種以上を含む酸化物
被膜のうち、本発明の帯電防止被膜より屈折率の低いも
のは有効である。これらの酸化物膜は耐薬品性に優れた
高硬度のものが多く、帯電防止被膜の表面硬度および耐
薬品性も同時に改善する。
【0013】酸化物被膜を本発明により得られた帯電防
止膜付きガラス上に形成する方法としては、Si、A
l、Zrまたはそれらの真空蒸着、イオンプレーティン
グ、スパッタリング、反応性スパッタリング等の物理的
製膜法、CVD、MOCVD、プラズマCVD等の化学
的製膜法、金属塩、金属アルコキシド溶液等のスプレ
ー、ロールコート、スピンコート、浸漬等による塗布、
酸化熱分解法が挙げられるが、これに限られるわけでは
ない。このうち、塗布、酸化熱分解法が最も容易で、安
価な方法であるため、経済性、大量生産、大面積ガラス
へのコート等を考えると非常に好ましい。
【0014】この塗布法で用いられる塗布液はSi、A
l、Zrのアルコキシドまたはアルコキシドのアルコキ
シ基を一部塩素またはアルキル基、またはアセトキシ基
で置換したもの、又は各金属の塩から調製されるが、S
iアルコキシドを用いる場合にはガラス形成を容易にす
るため、修飾体としてNa、K、Ca、Al、B、Z
r、Pb等のアルコキシド、無機塩を添加して調製する
こともできる。具体的にはSiの原料としてはテトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられ
る。
【0015】アルミナの原料としてはトリエトキシアル
ミニウム、トリノルマルプロポキシアルミニウム、トリ
イソプロポキシアルミニウム、トリノルマルブトキシア
ルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム等が挙げら
れる。ジルコニアの原料としてはテトラエトキシジルコ
ニウム、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テト
ライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキ
シジルコニウム、テトライソブトキシジルコニウム等が
挙げられる。
【0016】帯電防止膜付きガラス上に設ける酸化物被
膜の作製用塗布液濃度としては溶液中の金属成分の濃度
で0.1〜2mol/lが好ましい。これは0.1mo
l/lより濃度が薄いと1回の塗布操作で形成できる膜
の厚さが非常に薄くなり、光の干渉(反射)防止および
可視光透過率向上、耐摩耗性、耐薬品性の向上効果が十
分に得られない。この薄い濃度の塗布液で十分な効果を
発揮する膜を形成させるには塗布操作を多数回繰り返さ
なければならず、生産性が非常にわるく、実用上好まし
くない。塗布液の濃度が2mol/l以上となると、塗
布膜が白化したり、クラックを発生する。したがって、
0.1〜2mol/1が好ましい。
【0017】この塗布液を用いて形成する塗布膜の厚さ
は0.1〜1μm程度が好ましい。0.1μmより薄い
と光の干渉(反射)防止および可視光透過率向上、耐摩
耗性、耐薬品性の向上効果が十分に得られない。逆に、
1μmより厚い膜では、可視光の透過率が悪くなった
り、帯電防止効果が低下したりするため好ましくない。
【0018】帯電防止膜付きガラス上への酸化物被膜の
形成方法は上述のように塗布液をスプレー、ロールコー
ト、スピンコート、浸漬等による塗布を行った後、70
〜150℃で10〜30分乾燥、400℃以上の温度で
10〜30分焼成する。この作業により、本発明の帯電
防止膜付きガラス上に干渉(反射)防止効果および可視
光透過率向上効果、耐摩耗性、耐薬品性向上効果をあわ
せもつ酸化物被膜を形成することができ、優れた帯電防
止膜付きガラスとなる。
【0019】以上のように、本発明で得られた帯電防止
膜付きガラスは優れた帯電防止効果、耐久性を有するた
め、ブラウン管を用いたディスプレイ、プラズマディス
プレイ、液晶ディスプレイ、等を使用した電化製品、複
写機、コンピュータ等のOA機器、レンズ等のオプティ
カルガラス分野での広範な用途があると考えられる。
【0020】
【実施例1】酢酸亜鉛(試薬一級、不純物としてFe、
Pb、As等を含む)0.58mol、テトラノルマル
プロポキジルコニウム(試薬特級、不純物としてHf、
Fe、Si、Al等を含む)0.25molおよびトリ
イソプロポキシアルミニウム(試薬特級)0.018m
olをノルマルプロピルアルコール(試薬特級、水を含
む)430ml中で混合、攪拌し、その混合液にモノエ
タノールアミン(試薬特級、水を含む)0.45mol
を添加し、1時間混合する。こうして調製された酸化亜
鉛系複合酸化物被膜形成用塗布液にスライドガラスを浸
漬し、12cm/minの速度でひきあげて塗布膜を形
成した。この塗布膜を150℃で10分間乾燥して有機
溶媒の除去および膜の硬化を行った後、電気炉にて50
0℃30分間焼成して片面の膜厚が0.2μmの均質な
酸化亜鉛系複合酸化物被膜を得た。得られた膜の表面抵
抗を測定したところ、6×107 Ω/口であった。この
帯電防止被膜の密着性を調べるために碁盤目テープ試験
を行った。結果は100/100で全く剥離のない密着
性の良い膜であることがわかった。
【0021】
【実施例2】酢酸亜鉛0.58mol、テトラノルマル
プロポキジルコニウム0.25molおよびトリイソプ
ロポキシアルミニウム0.03molをイソプロパノー
ル500ml中で混合、攪拌し、その混合液にモノエタ
ノールアミン0.45molを添加し、1時間混合す
る。こうして調製された酸化亜鉛系複合酸化物被膜形成
用塗布液にスライドガラスを浸漬し、12cm/min
の速度でひきあげて塗布膜を形成した。この塗布膜を1
50℃で10分間乾燥して有機溶媒の除去および膜の硬
化を行った後、電気炉にて500℃30分間焼成して片
面の膜厚が0.1μmの均質な酸化亜鉛系複合酸化物被
膜を得た。得られた膜の表面抵抗を測定したところ、9
×107 Ω/口であった。この帯電防止被膜の密着性を
調べるために碁盤目テープ試験を行った。結果は100
/100で全く剥離のない密着性の良い膜であることが
わかった。
【0022】
【実施例3】実施例2で調製した酸化亜鉛系複合酸化物
被膜形成用塗布液にスライドガラスを浸漬し、24cm
/minの速度でひきあげて塗布膜を形成した。この塗
布膜を150℃で10分間乾燥して有機溶媒の除去およ
び膜の硬化を行った後、電気炉にて500℃30分間焼
成して片面の膜厚が0.3μmの均質な酸化亜鉛系複合
酸化物被膜を得た。得られた膜の表面抵抗を測定したと
ころ、3×107 Ω/口であった。この帯電防止被膜の
密着性を調べるために碁盤目テープ試験を行った。結果
は100/100で全く剥離のない密着性の良い膜であ
ることがわかった。
【0023】
【実施例4〜7】酢酸亜鉛0.58mol、テトラノル
マルプロポキジルコニウム0.25molおよびトリイ
ソプロポキシアルミニウム0.006molをノルマル
プロピルアルコール430ml中で混合、攪拌し、その
混合液にモノエタノールアミン0.45molを添加
し、1時間混合する。こうして調製された酸化亜鉛系複
合酸化物被膜形成用塗布液にスライドガラスを浸漬し、
48cm/minの速度でひきあげて塗布膜を形成し
た。この塗布膜を150℃で10分間乾燥して有機溶媒
の除去および膜の硬化を行った後、電気炉にて500℃
で30分間焼成して片面の膜厚が0.35μmの均質な
酸化亜鉛系複合酸化物被膜を得た。得られた酸化亜鉛系
複合酸化物被膜を有する帯電防止膜付きガラスに第1表
に示す塗布液を浸漬法により塗布した。引き上げ速度は
24cm/minで行い、150℃で10分間乾燥の
後、500℃で30分間焼成を行った。この操作により
帯電防止膜付きガラス上に第1表に示す膜厚の酸化物被
膜を形成した。図1に実施例4で得られた帯電防止膜付
きガラスの光透過スペクトルを示す。シリカ被膜を形成
させる前の帯電防止膜付きガラスに比較して、可視光透
過率がかなり改善され、高い値を示すようになり、さら
に光の干渉の度合いが少なくなり、透明感の高い帯電防
止膜付きガラスとなった。実施例5および実施例6につ
いても同様の光特性をもつ帯電防止膜付きガラスとなっ
た。実施例4で得られた帯電防止膜付きガラスについて
表面抵抗を測定したところ、5×108 Ω/口であっ
た。実施例5〜実施例7に関しても108 Ω/口のオー
ダーであった。
【0024】また、第1表に示すように得られた帯電防
止膜付きガラスについて化学的安定性、密着性について
試験をおこなった。比較例1は酸化物のオーバーコート
をする前の帯電防止膜付きガラスそのもので、その上に
何も被膜していないものである。耐酸性試験は試料を1
%塩酸水溶液に35℃で1時間浸漬し、浸漬前と浸漬後
の表面抵抗の変化を調べた。耐アルカリ性試験は試料を
1%水酸化ナトリウム水溶液に35℃で1時間浸漬し、
浸漬前と浸漬後の表面抵抗の変化を調べた。密着性試験
は1mm角の碁盤目テープ試験を行い、剥離の度合いを
調べた。
【0025】以上の実施例および比較例の結果から、酸
化亜鉛系複合酸化物被膜だけの帯電防止膜付きガラスよ
りもその表面に酸化物被膜を設けた帯電防止膜付きガラ
スの方が可視光透過率、透明性、さらに化学的耐久性と
いう点において優れたものであることが明らかとなっ
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の酸化亜鉛系複合酸化物被膜形成
用塗布液は、ガラス基体上に塗布、乾燥、焼成すること
によって、帯電防止効果を有し、しかも可視光領域の光
に関しては高い透過特性を示す緻密な被膜となる。それ
ゆえ、製造コストの非常に安価な帯電防止膜付きガラス
が本発明により、容易に製造することが可能となる。さ
らにその帯電防止膜付きガラス上に少なくともシリコ
ン、アルミニウム、ジルコニウムの1種以上の酸化物被
膜を形成させることにより、透明性、可視光透過率がさ
らに向上し、しかも化学的耐久性にも優れた帯電防止膜
付きガラスとなる。
【0027】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例4で得られた帯電防止膜付ガラ
スの光透過スペクトルを示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn(OCOR)2 ・xH2 Oとエタノ
    ールアミンとZr(OR′)4 および/または、Al
    (OR″)3 からなる酸化亜鉛系複合酸化物帯電防止被
    膜形成用塗布液(ここで、xは結晶水の数を表し、R、
    R′およびR″は直鎖または分岐のあるアルキル基を示
    す)。
  2. 【請求項2】 Rが炭素数1〜8、R′が炭素数1〜
    4、R″が炭素数1〜4の直鎖または分岐のあるアルキ
    ル基である請求項1項記載の酸化亜鉛系複合酸化物帯電
    防止被膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】 エタノールアミンがZn(OCOR)2
    ・xH2 Oに対して0.7〜1.5(mol比)である
    請求項1項記載の酸化亜鉛系複合酸化物帯電防止被膜形
    成用塗布液。
  4. 【請求項4】 Zn濃度がZrおよび/またはAl濃度
    に対して1〜9(mol比)である請求項1記載の酸化
    亜鉛系複合酸化物帯電防止被膜形成用塗布液。
  5. 【請求項5】 Zr(OR′)4 および/または、Al
    (OR″)3 とZn(OCOR)2 ・xH2 Oを有機溶
    媒中で混合し、金属アルコキシドの部分的加水分解−重
    縮合を行い、さらにエタノールアミンを添加して透明溶
    液とすることを特徴とする請求項1項記載の酸化亜鉛系
    複合酸化物帯電防止被膜形成用塗布液の製造方法
  6. 【請求項6】 請求項1記載の塗布液をガラス基体上に
    塗布・乾燥させた後、400℃以上で焼成して酸化亜鉛
    系複合酸化物被膜を得ることを特徴とする帯電防止被膜
    の形成方法および該帯電防止膜付きガラス。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の帯電防止膜付きガラス上
    に少なくともシリコン、アルミニウム、ジルコニウムの
    1種以上の酸化物よりなる被膜を形成せしめた帯電防止
    膜付きガラス。
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