JPH08227103A - 投射型表示装置 - Google Patents

投射型表示装置

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JPH08227103A
JPH08227103A JP7281667A JP28166795A JPH08227103A JP H08227103 A JPH08227103 A JP H08227103A JP 7281667 A JP7281667 A JP 7281667A JP 28166795 A JP28166795 A JP 28166795A JP H08227103 A JPH08227103 A JP H08227103A
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JP
Japan
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light
light source
display device
projection
lens
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Application number
JP7281667A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Nakamura
弘喜 中村
Yoshihiro Watanabe
好浩 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明るさの改善を図るとともに、一表示画素面
内での輝度むらが充分に低減され、高品位の表示画像が
得られる投射型液晶表示素子を提供すること。 【解決手段】 楕円集光ミラー、楕円面の第一焦点近傍
に配置された光源、楕円面の第二焦点近傍に焦点をもつ
コリメータレンズ、コリメータレンズ側にレンズアレイ
を有し、面積Sを有する光変調素子を二次元的に配置し
た光変調素子アレイを具備する投射型表示装置におい
て、発光部の長さをL、楕円の短径と長径の比の二乗を
μ、コリメータレンズの焦点距離をf、レンズアレイと
変調素子の開口部までの距離をm、レンズアレイと変調
素子間の屈折率nとするとき、下記式を満たすことを特
徴とする。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、映像信号に基づき画像
表示を行なう表示装置に係り、特に、画像を反射型もし
くは透過型のスクリーン上に表示させる投射型表示装
置、及び投射型表示装置に用いる光変調素子アレイに関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、プラズマ発光パネルや液晶パネル
は、CRT表示装置に代わる小型で軽量な平面表示装置
として注目されている。この平面表示装置は、表示動作
において自ら光を放つ自発光型のものと、表示動作にお
いて独立した光源から入射する光の透過率を制御する透
過率制御型のものとに分類できる。例えば、プラズマ発
光パネルは自発光型に属し、液晶パネルは透過率制御型
に属する。特に、この液晶パネルに代表される透過率制
御型の表示装置は、次世代の表示装置の本命として考え
られ、その技術開発が様々な実用分野で進められてい
る。
【0003】一般的な液晶パネルは、液晶デバイスハン
ドブックで紹介されているツイステッドネマティック
(TN)型に代表されるように、偏光板を使用して線偏
光された光を複屈折性または旋光性を示す液晶層に入射
させることをことを特徴とする。
【0004】このような液晶パネルが用いられた投射型
表示装置901は、例えば図1に示すように、赤
(R),緑(G),青(B)の各色に対応する液晶パネ
ル911−R,911−G,911−Bと、この液晶パ
ネル911−R,911−G,911−Bに光を照射す
る光源921および光源921からの光源光を平行光に
する放物線型集光ミラー931を備えた光源光学系と、
各液晶パネル911−R,911−G,911−Bから
選択的に透過される透過光をスクリーン上に投影する投
射レンズ941を備えた投射光学系とから構成されてい
る。
【0005】投射型表示装置の場合は、明るさの改善が
重要な問題であり、この観点から液晶パネルにマイクロ
レンズアレイを配置して実効の開口率を改善したり、液
晶層に偏光板のいらない高分子分散型液晶を用いる等の
試みがなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した投
射型表示装置901にあっては、光源光を放物線型集光
ミラ−を用いて平行光化して、液晶パネルに入射させて
いるが、この場合、光源の電極部等が影となってしまう
ため、液晶パネルへ入射される光の角度分布が大きくな
り、かつ、図2に示すように、平行成分が欠落してしま
う。このため、液晶パネルの光入射軸側にマイクロレン
ズを配置して実効の開口率の改善を図るための効果が充
分に達成することが出来ないという問題を有していた。
【0007】本発明の目的は、明るさの改善を図るとと
もに、一表示画素面内での輝度むらが充分に低減され、
高品位の表示画像が得られる投射型表示装置を提供する
ことにある。
【0008】本発明の他の目的は、上記投射型表示装置
に用いる光変調素子アレイを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明(請求項1)は、主として光の複屈折性ある
いは旋光性を用いて光の透過率を制御する光変調手段、
前記光変調手段に光源からの光源光を導く光源光学系、
及び前記光変調手段により変調された変調光をスクリー
ンに投射する投射光学系を具備する投射型表示装置にお
いて、前記光源光学系は、光源と、この光源からの光源
光の集光角を制御する光源光制御手段とを備え、この光
源光制御手段は、光源からの光源光を集光する手段と、
前記光源光が集光される位置の近傍に配置される絞り手
段と、コリメータレンズとを含むことをことを特徴とす
る投射型表示装置を提供する。
【0010】また、本発明(請求項2)は、略楕円面の
一部を凹面反射面とする楕円集光ミラー、前記楕円面の
第一焦点近傍に配置された光源、前記楕円面の第二焦点
近傍に焦点をもつコリメータレンズ、このコリメータレ
ンズ側にレンズアレイを有し、面積Sを有する光変調素
子を二次元的に配置した光変調素子アレイ、及び投射レ
ンズを具備する投射型表示装置において、前記光源の発
光部の長さをL、楕円集光ミラーの楕円の短径と長径の
比の二乗をμ、コリメータレンズの焦点距離をf、レン
ズアレイと変調素子の開口部までの距離をm、レンズア
レイと変調素子間の屈折率nとするとき、下記式を満た
すことをことを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0011】
【数7】
【0012】また、本発明(請求項3)は、上記投射型
表示装置(請求項2)において、前記楕円面の第二焦点
近傍もしくは第二焦点位置とコリメータレンズとの間に
光線方向を修正する光学素子を具備することを特徴とす
る投射型表示装置を提供する。
【0013】また、本発明(請求項4)は、上記投射型
表示装置(請求項3)において、下記式を満たすことを
特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0014】
【数8】
【0015】 θ1 :arctan( (μ/(1−μ))) θ2 :光線方向を修正する光学素子にθ1 の光が入射時
の光線方向を修正する光学素子からの出射光の角度 また、本発明(請求項5)は、上記投射型表示装置(請
求項4)において、前記光線方向を修正する光学素子に
より、光源光からの光束の空間的強度分布を調整する調
整機構を有することを特徴とする投射型表示装置を提供
する。
【0016】また、本発明(請求項6)は、上記投射型
表示装置(請求項2)において、前記楕円集光ミラーと
前記光変調素子アレイ装置との間に、前記楕円集光ミラ
ーと対置するように配置された、略球状凹面の一部を反
射面とする集光ミラーが配置されていることを特徴とす
る投射型表示装置を提供する。
【0017】また、本発明(請求項7)は、上記投射型
表示装置(請求項2)において、前記光源と楕円面の第
二焦点位置との間に配置された、前記光源から出射され
た光を互いに直交する2つの偏光波に分岐する手段と、
前記2つの偏光波の一方の偏光波の偏光面を他方の偏光
波の偏光面と一致させる手段と、前記楕円面の第二焦点
位置近傍に集光させる集光手段とを有することを特徴と
する投射型表示装置を提供する。
【0018】また、本発明(請求項8)は、上記投射型
表示装置(請求項2)において、前記レンズアレイは、
前記光変調素子の開口領域を規定する遮光部材の位置よ
りも前記光源に対して遠い光路上に焦点位置を有するこ
とを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0019】また、本発明(請求項9)は、上記投射型
表示装置(請求項2)において、前記楕円面の第二焦点
近傍に、光学絞りからなる光源光制御手段を有し、光学
絞りの直径をDとすると、下記式を満たすことを特徴と
する投射型表示装置を提供する。
【0020】
【数9】
【0021】また、本発明(請求項10)は、上記投射
型表示装置(請求項2)において、前記光源と光変調素
子アレイとの間に、光源から出射された光に光の波長に
依存して異なる進行方向を与える方向分光手段と、この
方向分光手段により分光された光を、複数の変調素子か
らなる変調素子グループ内に、入射する光の波長分布が
互いに異なる変調素子が少なくとも一対存在するよう
に、前記変調素子グループの変調素子間において、空間
的に分離する分光結像手段とを備え、それぞれに変調素
子がその入射光の色に対応する駆動信号で駆動されてい
ることを特徴とする投射型表示装置。
【0022】また、本発明(請求項11)は、上記投射
型表示装置(請求項10)において、前記分光結像手段
であるレンズと変調素子アレイ装置の表示領域を規定す
る部材との間にあるN個の光学媒体の厚さをti 、屈折
率をni (i=1〜N)とするとき、変調素子グループ
内の隣接する二つの変調素子の表示寄与部分の中心間の
距離をΔA、また、その二つの変調素子のそれぞれに入
射する光の大気中における角度差をθ0 とするとき、下
記の式を満たす2つの変調素子が少なくとも一対存在す
ることを特徴とする投射型表示装置を提供する。
【0023】
【数10】
【0024】また、本発明(請求項12)は、上記投射
型表示装置(請求項10)において、前記変調素子グル
ープ内の一つの変調素子に、前記方向分光手段により供
給される光の大気中における角度の広がりθw が、下記
式を満たすことを特徴とする投射型表示装置を提供す
る。
【0025】θw <2θ0 また、本発明(請求項13)は、上記投射型表示装置
(請求項10)において、前記変調素子グループ内の一
つの変調素子に、前記方向分光手段により供給される光
の大気中における角度の広がりθw に対して、変調素子
の表示に寄与しない部分の幅aと、表示に寄与する部分
の幅bが下記式の関係を満たすことを特徴とする投射型
表示装置を提供する。
【0026】θw <θ0 (2a+b)/(a+b) また、本発明(請求項14)は、上記投射型表示装置
(請求項13)において、前記光学絞りの、前記方向分
光手段により分光される方向における絞りの幅をDw
コリメータレンズの焦点距離をfとするとき、下記式に
示す関係を満たすことを特徴とする投射型表示装置を提
供する。
【0027】
【数11】
【0028】また、本発明(請求項15)は、上記投射
型表示装置(請求項10)において、結像光学系と変調
素子との間にあるN個の媒体の厚さをti とし、屈折率
をni (i=1〜N)とするとき、下記式(a)に示す
変調素子の幅Wa において規定される角度θwa、下記式
(b)及び(c)に示すθc 、及び、下記式(d)に示
す、すべての変調素子の表示寄与部の中心を含む最小の
円の直径ΔAmax に対して規定されるθs に対して、投
射レンズのF値が下記式(e)を満たすことを特徴とす
る投射型表示装置を提供する。
【0029】
【数12】
【0030】また、本発明(請求項16)は、上記投射
型表示装置(請求項10)において、前記投射レンズに
開口絞りが設けられ、開口絞りの中に透過率の波長分布
をもつ領域が設けられていることを特徴とする投射型表
示装置を提供する。
【0031】また、本発明(請求項17)は、上記投射
型表示装置(請求項9)において、前記スクリーン上も
しくは周辺の明るさを検出する照度検出手段を含み、前
記光源光制御手段は前記照度検出手段の出力に基づいて
前記光源光の集光角を制御する投射型表示装置を提供す
る。
【0032】また、本発明(請求項18)は、上記投射
型表示装置(請求項9)において、前記表示パネルに映
像信号を供給する表示パネル駆動手段を含み、前記光源
光制御手段は前記映像信号の輝度レベルに基づいて前記
光源光の集光角を制御する投射型表示装置を提供する。
【0033】また、本発明(請求項19)は、上記投射
型表示装置(請求項9)において、前記投射光学系のF
値を検出するF値検出手段を含み、前記光源光制御手段
は前記F値に基づいて前記光源光の集光角を制御する投
射型表示装置を提供する。
【0034】また、本発明(請求項20)は、上記投射
型表示装置(請求項2)において、フロスト処理を施し
ていない光源を用いる投射型表示装置を提供する。
【0035】また、本発明(請求項21)は、上記投射
型表示装置(請求項2)において、直流点灯光源もしく
は交流点灯光源である投射型表示装置を提供する。
【0036】また、本発明(請求項22)は、略楕円面
の一部を凹面反射面とする楕円集光ミラー、前記楕円集
光ミラーの楕円面の第一焦点近傍に配置され、長さLの
発光部を有する光源、前記楕円面の第二焦点近傍に焦点
をもち、焦点距離がfであるコリメータレンズ、コリメ
ータレンズ側にレンズアレイを有する光変調素子を二次
元的に配置した光変調素子アレイ、及び投射レンズ、を
備えた投射型表示装置に用いる光変調素子アレイにおい
て、前記レンズアレイと変調素子の開口部までの距離を
m、レンズアレイと変調素子間の屈折率nとし、変調素
子の面積Sとするとき、下記式を満たす投射型表示装置
に用いる光変調素子アレイを提供する。
【0037】
【数13】
【0038】また、本発明(請求項24)は、上記光変
調素子アレイ(請求項23)において、前記光線方向を
修正する光学素子を有し、光線方向を修正する場合、下
記式を満たす投射型表示装置に用いる光変調素子アレイ
を提供する。
【0039】
【数14】
【0040】θ1 :arctan( (μ/(1−μ))) θ2 :光線方向を修正する光学素子にθ1 の光が入射時
の光線方向を修正する光学素子からの出射光の角度 従来の投射型表示装置によれば、次のような理由から液
晶パネルに入射する光線の平行光成分が欠落し、集光角
の大きな光が入射する。即ち、ある有限の発光長を有し
た光源を放物線型集光ミラーに対して垂直に配置するた
めに、図2に示すように、光源の引き出し電極部等が影
となり、液晶パネルに対する垂直入射成分が欠落する。
加えて、従来の投射型表示装置に用いられている光源
は、色むら及び輝度むら低減のために、石英ガラス管球
表面にフロスト処理と称する拡散処理を施しているため
に、集光角の大きな成分が増加する。
【0041】しかし、このような入射光学系は、通常の
マイクロレンズを持たずに入射光をただ光変調する液晶
のような変調素子に用いる場合はそれほど問題はない
が、液晶パネルの入射側にマイクロレンズアレイを配置
し、液晶パネルの遮光領域による透過率損失を低下させ
ようという場合は、より平行な光を液晶パネルに入射さ
せることが、実効的な光透過率を改善するために必要で
ある。
【0042】そこで、本発明の投射型表示装置において
は、図3(a),(b),(c)に示すように、マイク
ロレンズ1からなる光源光集光手段を有する光変調素子
2の、マイクロレンズアレイ1と変調領域規定領域間の
距離mと、マイクロレンズアレイ1と変調領域規定領域
間の光学媒体3の屈折率nと、変調素子面積Sとに対し
て、光源4の発光長L、楕円状集光ミラー5の形状パラ
メータ(長径、短径)、及びコリメータレンズ6の焦点
距離を最適化することにより、マイクロレンズ1による
実効開口率の改善効果を高めることができる。
【0043】これは、投射型表示装置に用いられる光源
が点光源でない以上、光束が所定の角度分布を持つこと
が重要である。本発明によれば、楕円状集光ミラー5の
第一焦点近傍に光源4を配置し、第二焦点近傍に光源光
を集光し、コリメータレンズ6を介して略平行な光を光
変調素子2に導く構成となっている。
【0044】投射型表示装置の重要なアイテムである高
輝度化を達成するためには、マイクロレンズ1の実効開
口率改善効果だけを考慮して、入射する光の平行度を高
める、即ち集光角を小さくするために、例えば楕円集光
ミラー5の第二焦点位置近傍に絞り手段を配置したり、
コリメータレンズ6の焦点距離を長くした場合は、光変
調素子2に入射する総光束を低下させることになり、高
輝度化がすぐには達成できない。
【0045】即ち、マイクロレンズ1を有する光変調素
子2のパラメータのサイズにより、光源光学系のパラメ
ータのサイズの最適化を図る必要がある。実際に、本発
明の光学構成での液晶パネル面での入射光の集光角分布
は、図2に示すようになり、従来の放物線型ミラーとフ
ロスト処理光源を用いたものと比べて、低集光角成分が
欠落することなく、かつ、高集光角成分も低減でき、更
に、光束を低下させことなく、マイクロレンズによる実
効開口率改善効果を高めることができる。
【0046】ここで、本発明の光学系と光変調素子の概
要を説明する。
【0047】楕円は二つの焦点をもち、この形状をもつ
楕円集光ミラー5は、第一の焦点位置に置かれた光源4
の光を他方の第二焦点の位置に集光する作用を持ってい
る。
【0048】ここで、楕円ミラー5の第一焦点近傍にフ
ロスト処理を施していない光源4を配置し、他方の第二
焦点近傍に光源の像を作る時、その像の大きさは以下の
様に考えられる。光源としては、フロスト処理を施して
いないものが、フロスト処理により発光点が拡大されな
いという観点から望ましい。
【0049】すなわち、光源を図3(a)に示すよう
に、楕円ミラー5の第一焦点においたとき、楕円の他方
の第二焦点位置にできる光源像の直径を考える。この
時、光源のアークまたはフィラメントの長手方向を、楕
円の光軸に平行にしているものとする。
【0050】図3(a)に示すように、楕円ミラー5の
長軸を2A、短軸を2Bとすると、楕円の方程式は、下
記式(1)により表される。
【0051】 x2 /A2 + y2 /B2 =1 (1) ここで、光源4からの光束が楕円ミラー5に照射してい
る光の強度が最も強いと考えられる、楕円の光軸に対し
て垂直な方向を考える。光源4のある焦点から、垂直な
光が楕円ミラー5に照射される位置までの距離hは、下
記式(2)により表される。
【0052】 h= B2 /A (2) また、焦点間の距離Wは、下記式(3)により表され
る。
【0053】
【数15】
【0054】さて、ミラー5から反射した像は、距離に
比例して大きくなると考えられるので、光源4の長さL
は、第二焦点の位置では次の大きさに拡大される。
【0055】
【数16】
【0056】また、この時、図3(a)に示すように、
第二焦点の位置に斜めに光が入射するので、光軸に垂直
な方向での直径Q1 は、照射角θ1 に対して1/cos
θ1倍になる。
【0057】以上の考察により、楕円ミラー5の楕円の
第二の焦点位置にできる像の直径Q1 は、下記式(5)
により表される。
【0058】
【数17】
【0059】ただし、μ=(B/A)2 である。
【0060】この関係式は、光源4の発光特性を大幅に
簡略化して求めているが、いくつかの光源、ミラーを用
いて実験したところ図4に示すようになった。図4で
は、横軸にμ=(B/A)2 をとり、縦軸に光源像径と
電極間距離の比(Q1 /L)をとっている。
【0061】下記式(6)におけるように、係数αを用
いて考えると、α=1の上記式(5)より多少ずれる。
これは、実際の光源の発光がア−クに垂直な方向にも幅
をもつためであると考えられる。この実験結果より、実
際の像の直径Q1 は、下記式(6)となり、αの値は1
〜1.2程度である。
【0062】
【数18】
【0063】また、光源が長手方向を楕円ミラ−に平行
に(楕円ミラ−の光軸に垂直に)配置されている場合
は、実際の像の直径Q1 は、下記式(7)により表され
る。
【0064】
【数19】
【0065】また、光源像Q1 の位置に光学素子を挿入
して、光源像から発散する光線の方向を制御し、コリメ
ータレンズの焦点距離を延したり、表示むらの軽減を図
ることが有効である。このような光線方向を修正する光
学素子としては、凸状もしくは凹状の円錐レンズや、1
枚もしくは複数枚のグレーティングレンズを挿入すれば
よい。
【0066】また、これらの光学素子の位置を制御する
ことにより、変調素子アレイに入射する光の照度むらを
制御することができ、ひいては投射時の輝度むらを制御
することができる。また、この光線方向を修正する光学
素子は、楕円状集光ミラーに対して光源を垂直に配置し
た場合に生じる液晶パネル面での光源電極部等による影
響で発生する照度むらを低減するためにも有効である。
【0067】この場合は、幾何光学的な光学量の保存の
関係から、コリメ−タ−レンズ側から見た光源像の大き
さは、光学素子の特性により等価的に増減する。即ち、
光源像における幾何学的広がり(geometric
extent)の保存により、光源像から出射する光線
の角度の最大広がり角θmax1を、光学素子によってθ
max2に変換すると、角度が変化した分だけ発光面積が増
加したように見える。
【0068】すなわち、図5に示すように、光学素子が
ない場合の光源像からの光の発散角をθmax1、光学素子
からの出射光の発散角をθmax2とし、光源像からの光の
発散角をθ1 、光学素子が光線の方向を修正する角度を
Δθとすると、光学素子からの出射光の発散角θ2 は、
下記式(8)に示すようになる。
【0069】 Q2 =Q1 ・tanθmax1/tanθmax2 (8) さて、以上のような光源像からの発散光に対して、コリ
メ−タ−レンズを配置することで光線を概略平行にする
事ができる。すなわち図3(a)に示すように、表示パ
ネル側から見た光源像近傍に焦点を持つレンズ6を配置
する事で,平行な光線を表示パネルに照射することが可
能となる。もちろんこの光線は、平行とは言っても光源
像の大きさに対応した角度分布を持つ。この角度分布
は、光源像の大ききさQおよびコリメ−タ−レンズ6の
焦点距離fから下記式(9)に示すようになる。
【0070】 θ=tan-1(Q/2f) (9) さて、TN液晶パネル等の光変調素子アレイの光入射側
にレンズアレイ1aを配置した場合、レンズアレイ1a
中の個々のマイクロレンズにより光源像が結像する。光
変調素子2を透過する光強度を考える場合、特に重要な
のは変調素子2の配置された面上における光強度分布で
ある。すなわち、変調素子2の配置された面とは、たと
えば通常のTN液晶パネルであれば、2枚のガラス基板
の間であり、この面における光透過面積が特に重要であ
る。
【0071】図3(b)に示すように、この面上におけ
る光の分布は、入射光の角度θに対して、下記式(1
0)により表される。
【0072】 Wp =2m・tanθn (10) ただし、θn は、レンズアレイ1aと変調素子2との間
にある光学媒体3の屈折率nにより、入射光線の角度分
布θが屈折してできた角度分布であり、下記式(11)
により表される。
【0073】 θn =sin-1(sinθ/n) (11) 次に、マイクロレンズを通った光と、変調素子アレイ中
のひとつの変調素子の関係を考える。以下、変調素子の
一つを画素と呼ぶ。液晶パネル等の変調素子アレイの画
素は、図3(c)に示すように、光を透過する幅が画素
を構成する幅よりも狭く、更に望ましくは開口部の幅よ
りも狭いことが望まれる。すなわち、光を透過可能な面
積が画素一つあたりの面積分率よりも小さくすることが
望ましい。そこで、この光を透過する面積の部分に入射
する光の強度を、光を透過しない面積の部分よりも強く
する事で、透過光強度を大きくすることができる。この
ためには、上式(10)の幅Wp が、画素の配置されて
いる間隔P以下である必要がある。すなわち、 Wp <P (12) である。
【0074】さて、この条件をより詳しく考察する。上
記のWp であるが、配置の間隔と言っても、画素の配列
の形式や方向により異なる。たとえば、図6に示すよう
な液晶パネル等で代表的な格子配列(ストライプ配列)
について考えると、縦方向では間隔はWy 、横方向では
x 、対角線方向ではWt である。画素に入射する光線
の角度分布がマイクロレンズの光軸に対して対称に、か
つ、均一に分布している場合、画素の入射面には円形の
光が入射する。
【0075】このとき、この円内の入射光の照度がマイ
クロレンズが無く均一な照度分布の時よりも強くなるた
めには、ひとつの画素の面積よりも、下記式(13)に
示すように、円の面積が小さい事が必要である。
【0076】 π(Wp /2)2 <Wx ・Wy (13) 同様に、画素を他の配置とした場合や、入射光の角度分
布が非対称で偏った場合でも、角度分布により作られる
面積をSangle 、1画素の面積をSpixel とすれば、下
記式(14)が成立する必要がある。
【0077】 Sangle ≦ Spixel (14) 次に、Sangle は小さければ小さい程良いかどうか考え
る。まず、Sangle が小さいと言うことは、すなわち入
射光の角度分布幅θ、またはマイクロレンズと画素の間
隔mが小さいと言うことである。ところが、θを小さく
するためには、光源の発光部の大きさを小さくしたり、
コリメ−タ−レンズの収差を押さえたりする必要があ
る。しかし、発光部の小さい光源は一般に発光効率や寿
命が悪化することが多く、小さくする事で特性が悪化す
る事も考えられる。
【0078】また、コリメ−タ−レンズの収差について
も、低収差のレンズは一般にコストを上昇させる事にな
り望ましくない。また、マイクロレンズと画素の間隔に
ついても、これを短くすることは、マイクロレンズのN
Aを小さくする必要があり、画素からの出射光の角度を
大きくして、投射光学系の設計の効率を落とす原因にな
る。すなわち、Sangle は、これらの観点からは大きい
方が良いのである。
【0079】そこで、Sangle と画素の開口部の面積S
A を考えると、Sangle がSA よりも小さくなり、変調
素子への入射光を全て開口部に集めて透過させる事がで
きれば、それ以上Sangle を小さくする必要はなくな
る。
【0080】実際には、開口部の形状と入射光により画
素上で出来る像の形状は必ずしも一致しないので、全て
の光線を開口部に入射させる為には、像の幅Wp が開口
部の最小幅Amin を下回れば良い。すなわち、たとえば
入射光の分布が光軸に対して均一に一定の角度分布θで
入射しており、画素上に直径Wp の円状の入射光分布に
なっており、また開口部が図6に示すように長方形をし
ていた場合、下記式(15)に示すように、その短辺A
x がWp と等しくなっていて、 Wp =Ax (15) かつ入射光の分布と開口部が完全に位置が重なっていれ
ば、ちょうど全ての光を透過することができる。また、
逆にこれ以上Wp を小さくしても、透過する光は増え
ず、逆に上記したようなデメリットが増える事になる。
【0081】実際には、入射光の分布と開口部との位置
あわせ余裕を見込んで、Ax よりもWp をある程度小さ
くする事が必要になる場合も考えられる。従って、Wp
の最小値としてはAx よりもやや小さく設定されるべき
である。
【0082】実際の合せ余裕としては、液晶パネルの組
立て工程における合せ精度が参考になる。液晶パネルの
場合に、合せ精度は±2〜±5μm程度である。この上
に同様な精度でマイクロレンズを形成したとすれば、±
4〜±10μmの誤差が発生する。すなわち、8〜20
μmの合せ余裕が必要になる。これを見込むとWp =A
x −(8〜20)(μm)であればよい。
【0083】すなわち、図6に示すような長方形の画素
に長方形の開口部を考える場合、短い開口辺の長さをA
m とすると、下記式(16)が成立する。
【0084】 Am −(8〜20)μm≦Wp かつ π(Wp /2)2 <Wx ・Wy (16)
【数20】
【0085】即ち、Wp =mQ/(f・n)であるため
に、画素と同じ面積を有する円の直径、即ち下記式
【数21】
【0086】よりもWp を小さくするように、楕円状集
光ミラーの長径A、短径Bのパラメータ、光源の発光長
L、コリメータレンズの焦点距離f、マイクロレンズと
画素との間の屈折率n、マイクロレンズと画素間の距離
mを設定することで、高効率化を図ることができる。
【0087】以上に加えて、図7に示すように、楕円状
集光ミラー5で反射されずに第二焦点に集光されない光
成分を有効に利用するという観点で、楕円状集光ミラー
5と対置する形で円形状の集光ミラー7を配置し、その
反射光を光源中心に戻すことにより、光源光をさらに有
効に利用することができる。
【0088】この構成は、液晶パネル8面での照度むら
を低減するためや、実効発光長を短くするために、楕円
状集光ミラー5に対して光源電極間を水平方向になるよ
うに配置した場合に、光源4からの液晶パネル側に発光
される光が有効に利用できないときに、上記円状集光ミ
ラー7を用いることは、特に有効である。
【0089】楕円状集光ミラー5に対して光源電極が垂
直に配置される構成においても、高輝度に有効であるこ
とはいうまでもない。また、本発明のように、楕円状集
光ミラー5で第二焦点に光源光を集光する構成では、対
置する円状集光ミラー7の開口部を小さくすることがき
るために、効率向上が増大するという効能も有してい
る。なお、図7において、参照数字9はフィ−ルドレン
ズ、10は円錐レンズを示す。
【0090】また、光源4の電極間が長い光源を用いる
場合や、フロスト処理を施した光源4を用いる場合は、
液晶パネルへの入射光の集光角の角度分布が広がるため
に、後に説明する図9に示す表示装置に搭載したよう
に、楕円状集光ミラー5の第二焦点近傍に絞り制御手段
を配置することで、高集光角成分を除去して平行度を高
めればよく、そうすることでマイクロレンズの実効開口
率の十分な改善効果を得ることができる。
【0091】更に、第二焦点近傍に配置した絞り制御手
段により、液晶パネルへ入射する光の集光角分布を自由
に制御することができるとともに、液晶パネルへ入射す
る照度むらも制御することができる。絞り径を小さくす
ると、集光角を小さくでき、液晶パネルへ入射する照度
むらも小さくすることができる。但し、絞り径を小さく
することで、マイクロレンズの実効開口率低減効果を大
きくすることができるが、総光束は低減されるために、
投射時のスクリーン照度は低下してしまう。
【0092】このため、投射型表示装置の使用照明環境
に合わせて絞り径を制御し、例えば、暗い部屋での使用
の場合は、投射照度よりも照度むらを低減するように絞
り径を小さくし、明るい部屋で見る場合は照度むらより
も投射照度を稼ぐために絞り径を大きくするというよう
な使い方ができる。
【0093】また、絞り制御手段は部屋の明るさのみな
らず、映像の輝度信号に合わせ制御してもよいことはい
うまでもない。また、リア型の投射型表示装置を複数台
並べて大画面を達成しようとする場合などは、投射型表
示装置間の周辺領域の照度低下が大きいと問題であるた
めに、照度むらを小さくするように絞り径を小さく制御
する方式を用いるとよい。
【0094】しかし、明るい投射型装置を達成するとい
う観点では、上記のように実際には光源光の平行度をよ
くすると総光束が低下するという問題が発生するため
に、光源光の総光束とマイクロレンズの改善効果の相乗
作用を利用して、最適な平行度の光束を表示パネルに入
射させることが必要であり、この絞り手段を用いる場合
の平均直径D(m)も、上記と同様に前記光源光制御手
段を構成するコリメータレンズ6の節点と絞りの中心と
の距離L(m)とし、また前記画素の面積をS(m2
とし、前記マイクロレンズの節点と前記画素開口の距離
m(m)とし、前記マイクロレンズと前記開口との間に
ある媒体の屈折率nに対して、下記式(17)の関係を
満たすように設定することで、マイクロレンズによる明
るさ改善の最適化を図ることができる。
【0095】
【数22】
【0096】また、図8に示すように、前記光源と前記
絞り手段との間に前記光源から出射された光を互いに直
交するP波とS波の2偏光波に分岐する手段と、前記2
偏光波の一方の偏光波面を他方の偏光波面に一致させる
手段と、前記絞り手段に集光させる手段を備えることに
より、表示パネルに入射する光強度を増大させることが
でき、明るい投射型表示装置を達成できる。
【0097】また、上記の構成を用いることにより、偏
光変換素子を光源と表示パネル間に配置するだけの通常
の偏光変換光学では、表示パネルへの入射光の角度分布
が均一ではないため、マイクロレンズを搭載した表示パ
ネルには適用できないという問題を解消できるととも
に、絞り手段もしくは光線方向を修正する光学素子によ
る輝度ムラ制御が可能である。
【0098】また、図9に示すように、前記光源光学系
に、色分離手段と、各色光を表示パネルに対してそれぞ
れ所望の角度で入射させる手段と、前記各色光を各色画
素に結像させる手段を設けることにより、カラーフィル
タを有しない表示パネル1枚を用いてカラー画像を投射
することができる。このため、カラーフィルタの耐光性
が問題とならず、かつ、カラーフィルターによる光損失
もないため、明るさを増大させることができる。
【0099】これについて、例えば色分離手段と液晶パ
ネルに所望の角度で入射させる方向分光手段として、ダ
イクロイックミラーを3枚重ねたものを用いた場合につ
いて、図10を参照して説明する。もちろん、ダイクロ
イックミラーはプリズムでも代替可能である。図10に
示すように、コリメータレンズ6で平行光化された白色
光を、例えばそれぞれ青色のみ、緑色のみ、赤色のみを
反射するダイクロイックミラー11a,11b,11c
を用い、それぞれのミラー11a,11b,11cを配
置する角度を制御することで、液晶パネルへ入射する各
色の光の角度制御が可能である。
【0100】例えば、幅Dw の白色光が入射し、およそ
θ=45度の角度に傾斜して配置された3枚のミラーで
反射して、およそ90度角度を変えて液晶パネルに入射
する。液晶パネルに対して緑色の光がほぼ垂直に入射
し、それに対して青色と赤色の光はそれぞれ正負の角度
Δθだけ異なる角度で入射しているが、それらの光は液
晶パネルの位置では同じ範囲に入射するようになってい
る。
【0101】そのためには、3枚のミラーの角度は、図
10に示すように、それぞれΔθだけ傾け、かつ、その
中心位置、即ち、入射光束の中心とミラーが交わる点を
入射光束の方向からそれぞれ下記式(18)、(19)
で示されるd1 及びd2 だけずらす必要がある。
【0102】 d1 =Lm {tan (θ+Δθ)−tan (θ)} (18) d2 =Lm {tan (θ)−tan (θ−Δθ)} (19) Lm は、図10に示すように、入射光束の中心と表示パ
ネルとの距離である。
【0103】θが45度でない場合も同様に、光束を一
致させる条件に配置することが望ましい。また、3つの
光線が表示パネルに入射するまでの距離が異なるが、通
常は入射光束のわずかな非平行成分のために、距離によ
り光束の強度分布が変化するために、各色の光路長をそ
ろえることも表示むらの低減の観点からは重要である。
各色の光束の距離差を小さくすることを優先したい場合
は、上記の式よりもd1 ,d2 を小さくすることにな
る。
【0104】以上のように形成した角度の異なる各色の
光束を液晶パネルの所望の画素に導く結像光学系とし
て、マイクロレンズを用いて表示を行う。即ち、液晶パ
ネルの入射側に、隣合う複数の画素を画素グループ(例
えば赤、緑、青)と呼ぶと、この画素グループ毎にマイ
クロレンズを配置することで、この単位画素グループ内
において、波長に依存して入射する光束の角度が異なる
ことを利用して、それらの異なるそれぞれの画素に入射
する色に対応した映像信号により駆動すれば、カラー表
示が実現できる。
【0105】この分光結像光学系と画素グループとの関
係を以下に示す。
【0106】画素グループは、赤色R、緑色G、青色B
の3色に対応する3画素により構成されている場合、画
素グループ毎の結像光学系はおよそ画素グループの大き
さのレンズを用いることができる。Rの画素の開口部に
はRに相当する波長の光が、Gの画素開口部にはGの波
長の光が、Bの画素開口部にはBの光が入射する。
【0107】この場合、結像光学系であるマイクロレン
ズアレイと対向基板と遮光層とマイクロレンズを接着す
るための接着層と画素の開口部の関係は、図11に示す
ようになる。
【0108】図11では、G光が表示パネルにほぼ垂直
に入射し、B光及びR光がそれぞれG光に対してθR
びθB の角度で入射するものとしている。この角度θR
及びθB をもつ入射面内におけるマイクロレンズのサイ
ズPlensと画素のサイズPpi xel は、下記式(20)に
示すように表される。
【0109】
【数23】
【0110】また、マイクロレンズと遮光層との間にあ
る対向基板や接着層等の各種材料の厚さ及び屈折率をそ
れぞれti ,ni とすると、画素グループ内の二つの画
素の開口部の中心間の距離をΔA、また、その二つの画
素のそれぞれに入射する光の大気中における角度差をθ
0 (θ0 =θr =−θb ,θg =0)とするとき、下記
式(21)に示す関係を満たすときに、R,G,Bの光
がそれぞれの画素の開口部に入射する。
【0111】
【数24】
【0112】実際には、光源から供給される一つの色の
光にも角度分布が存在する。これが方向分光手段の作る
色毎の角度分布よりも十分に小さくない場合には、隣り
の画素に入射すべき光が入射して色が混ざり、方向分光
手段により分解した色に対して色再現性が劣化する。
【0113】例えば、R,G,Bの3色に分ける場合、
それぞれの入射光の角度分布の大ききさは入射光の遮光
膜部にできた像の幅に対応する。入射光の角度分布幅θ
w は、R,G,Bの各色が重なり合わずに独立したR,
G,Bが得られるためには下記式(22)を満たす必要
がある。
【0114】 θw < 2θ0 (22) また、より厳密には、遮光部の幅aと、開口部の幅bを
考えると、画素の開口部の距離ΔA=a+bがθ0 に対
応すると考えれば、下記式(23)が成立する。
【0115】 θw <θ0 (2a+b)/(a+b) (23) θw は、楕円状集光ミラーの第二焦点位置近傍に絞りを
設けるか、もしくは発光長の十分に短い光源を用いるこ
とで、対応することができる。この場合、上記のように
不必要な角度範囲の光を除去できる。もちろん、θw
より小さい方が開口部に効率よく光が入射するので、有
利であることはいうまでもない。但し、そのために光源
からの光を光源光制御手段内で大きく損失する状態であ
ると、全体の効率がかえって悪くなるので、表示装置全
体で最適化することが必要である。
【0116】方向分光手段が作る角度分布が一平面内に
ある場合には、3つの画素は一列に並ぶことになる。図
12(b)に示すように、一列に画素が並ぶ場合は、一
方向に屈折力を有する円筒面レンズを用いることもでき
る。もちろん、他の方向へも屈折力を併せ持つレンズを
用いた方がよいことはいうまでもない。例えば、全方向
に屈折力を有するような凸レンズを用いればよい。
【0117】円筒レンズを使用する場合は、画素グルー
プ内で一列に並ぶ画素の方向に屈折力を持つ方向をそろ
えるようにレンズを配置することが望ましい。
【0118】また、図12(c)に示すように、一方向
に隣合った3画素毎にR,G,Bの画素が並び、垂直方
向にも3画素毎にR,G,Bの画素が並ぶモザイク型の
場合には、3色の画素の位置が3色の並びと垂直方向で
も異なり、結像光学系を配置すべき位置が互いに異なる
ため、レンズも互い違いに配置する必要がある。
【0119】また、図12(a)に示すように、トライ
アングル型の配置をもつ画素を用いることも可能であ
る。この場合は、レンズの中心点(光軸)に対して回転
対称である、例えば球面凸レンズ状のレンズを、画素グ
ループの3つの画素の開口部のほぼ中央に、レンズの中
心が重なるように配置するとよい。そして、入射光束と
して、レンズの中心軸とそれぞれの画素の開口の中心と
の距離から上式を用いて逆算される入射角度の3色の光
を入射すればよい。
【0120】この3色の入射光の角度差は、同一平面内
に存在しないが、方向分光素子として、例えば前述のダ
イクロイックミラーを用いて、3色の反射光が3方向に
ずれる状態を作れば、実現することができる。
【0121】また、このような全方向に屈折力をもつ結
像光学系を用いる場合には、画素の配置の縦横のピッチ
P=Px 及びP=Py に対して、下記式(24)を満た
す角度θwmを考えると、それぞれの方向で下記式(2
5)を満たす角度分布の光束を入射する必要がある。
【0122】
【数25】
【0123】 θ< 2θwm (25) また、以上のような方向分光手段と分光結像手段を備え
た場合でも、各画素グループ毎に形成した分光結像手段
同士の境界において、正常に結像しない領域が存在する
と、この部分に入射した光が意図しない挙動を示し、意
図しない波長の光が画素に入射する可能性がある。従っ
て、分光結像手段同士の境界部が不安な場合にはこの部
分に遮光膜を形成し、光の透過を抑えることが望まし
い。
【0124】以上のようなフロスト処理を行っていない
光源と楕円状集光ミラーとコリメータレンズからなる光
源光学系を用い、更に第二焦点位置近傍に絞り手段を配
置した場合、絞りから出射する光束がちょうど絞りの形
の光源となり、これが入射光が液晶パネルで集光された
時の位置分布に相当する。これに対してコリメータレン
ズが結像光学系に相当するために、Ppixel を絞りの形
状にすれば、この光源から出射する光束の角度分布を見
積ることができる。逆に、上記の角度の条件を満たすよ
うに絞りの形状を設計することが可能である。
【0125】色結像光学系として、ある特定の方向のみ
に屈折力を有する場合、即ち、色結像光学系に屈折力を
有しない方向がある場合には、その方向での角度分布は
規制されない。従って、例えば色結像光学系として円筒
面レンズを用いる場合を考えると、屈折力を持つ方向に
対しては上記の式を満たす絞りの幅とし、それに対して
垂直な方向に対してはより幅を広くすることができる。
従って、例えば楕円形または図13に示すような長方形
の絞りを用いると良い。また、このように縦横比が1:
1ではない絞りの場合には絞りに対して光を効率よく集
束するために絞りの長軸の方向に光源の発光部の長軸を
揃えることが望ましい。
【0126】上記のような条件を満たす光源光学系を用
いることが望ましいが、そうでない場合でも、各色の目
的とする波長分布に対してカラーフィルタを画素に付加
して、隣同士で起る混色を防ぐことができる。また、同
様に、方向分光手段や分光結像手段の能力が不十分な場
合にも、補助的に画素にカラーフィルターを形成するこ
とで、色の分離を助けることかができる。
【0127】次に、液晶パネルからの出射光を投射する
条件について考える。
【0128】投射光学系としては、異なる角度で画素か
らの出射する光を効率よく投射するために、十分に入射
瞳径の大きな投射レンズを使用することが必要である。
即ち、液晶パネルからの出射光束の角度分布は、光源で
発生する各色それぞれがもつ角度分布θw 、方向分光手
段により発生する角度分布θs 、分光結像手段により発
生する角度分布θc の組合わせとなる。
【0129】光源で発生する角度分布θw と分光結像手
段により発生する角度分布θc については、以下のよう
になる。即ち、分光結像手段であるマイクロレンズ及び
着目する画素の開口部の幅Wa に対して、この両者を透
過できる入射光束の角度分布θwaも、上記と同様に下記
式(26)に示すような関係となる(図14参照)。
【数26】
【0130】この透過可能な入射角度θwaと、光源より
入射する光線の角度分布θw を比較して、より小さい側
が有効な入射角度分布θewとなる。
【0131】分光結像手段であるレンズにより発生する
角度分布θc は、レンズの焦点距離fを大気中の焦点距
離fair に変換した場合、焦点距離fair とレンズの入
射口径Pに対して、下記式(27)に示すようになる。
【0132】 θc =2 tan-1{P/(2fair )} (27) レンズの実際の焦点距離fと、大気中の焦点距離fair
とは、レンズを出射した光が焦点までに透過するN個の
媒体の厚さti と屈折率ni (i=1,2,…,N)に
対して、下記式(28)及び(29)により表される。
【0133】
【数27】
【0134】単一の画素に対する出射光の角度分布θpx
は、下記式(30)により表される。
【0135】
【数28】
【0136】画素グループ全体からの出射光の角度分布
は、上記のθpxに、方向分光手段により発生する角度θ
s が加わる。θs は、画素グループ内の色分離する画素
同士の中ですべての画素の開口部の中心を含む最小の円
の直径ΔAmax を示す下記式(31)により求められ
る。
【0137】
【数29】
【0138】ΔAmax は、例えば画素グループ内の画素
が直線上に並んでいる場合には、画素グループ内で最も
離れた画素の間隔であり、例えば画素グループが正三角
形の頂点に配置される3画素より構成されている場合に
はその正三角形の1辺の長さTに対してΔAmax =2T
/ 3である。
【0139】以上のθs を用いれば、最終的な出射光束
の分布幅θout は、下記式(32)により求められる。
【0140】 θout =θpx+θs (32) 即ち、3つの画素が直線上に並ぶ場合、最大画素間距離
はΔAの二倍である2ΔAである。また、これはθ0
二倍である2θ0 に相当する。従って、上記のθpxと加
えて、最終的な出射光束の分布幅θout は、下記式(3
3)により表される。
【0141】
【数30】
【0142】また、三角形の配置の画素の分光結像手段
を備える場合には、画素グループ内のそれぞれの画素が
直線上にないが、3つの画素の開口部間の最大距離ΔA
max を上記の式に適用して、θs を求めることができ
る。
【0143】以上の出射光の角度分布の光を効率よく投
射するためには、投射レンズの集光角θcol を上記の出
射光の角度分布θout よりも大きくすることが望まし
い。即ち、集光角θcol を投射用レンズや撮影用レンズ
の特性を示すパラメータとしてよく用いられているFナ
ンバーを用いると、下記式(34)のように表記出来
る。
【0144】
【数31】
【0145】しかし、液晶パネルの出射光の分布θout
を投射するために、投射レンズのFナンバーは、下記式
(35)を満たす必要がある。
【0146】
【数32】
【0147】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施例に係る
投射型液晶表示装置について、図面を参照して説明す
る。図15に示すように、この投射型液晶表示装置10
0は、3板式、即ち、赤(R)用、緑(G)用および青
(B)用の3枚の液晶パネル201−R,201−G,
201−Bを備えている。
【0148】本実施例に係る投射型液晶表示装置の光源
光学系は、回転楕円型の反射鏡121と、この反射鏡1
21の第一焦点近傍に配置されたフロスト処理を施して
いないクリアタイプのDC点灯式の250Wメタルハラ
イド光源(アーク長3mm)111と、コールドミラー
131と、コリメータレンズ141を備えている。
【0149】光源111からの光源光は、楕円型反射鏡
121により第二焦点近傍に一度集光された後、コール
ドミラー131を経て、コリメータレンズ141により
平行光として各液晶パネル201−R,201−G,2
01−Bに導かれる。各液晶パネルの光入射側には光源
光集束手段であるマイクロレンズが配置されており、ま
た、各液晶パネルの出射側にはフィールドレンズと、投
射レンズとが配置されている。
【0150】ここで、楕円状集光ミラーの形状パラメー
タとしては、長径A=60mm、短径B=44.72m
mのものを用い、楕円中心から第一焦点及び第二焦点ま
での距離は40mm、コリメータレンズの焦点距離は1
47mmという光学系の構成を用いた。
【0151】また、この実施例に係る投射型液晶表示装
置では、光源111は、楕円型反射鏡121に対する位
置精度の簡素化等から、楕円型反射鏡121に垂直に固
定されているため、光源111の電極等の影響から光源
光の中心部分の光束が小さくなる。このため、この実施
例に係る投射型液晶表示装置の光源光学系では、光源1
11と絞り手段151との間に、絞り手段151側に凸
状の円錐レンズ161(頂角120°)が配置されてい
る。
【0152】この円錐レンズ161は、光源の電極部等
により遮光されることにより生じる光束の中心部分の強
度低下を防止する光線方向を修正する光学素子(中抜け
補正素子)として作用する。尚、凸の円錐レンズ161
の他にも、発散され、有効活用されない光束を中心部分
に導くものであれば、凹状の錐体レンズであっても、ま
た1枚乃至複数枚のグレーティングレンズで構成したも
のや、ディフューザー等であっても良い。円錐レンズの
頂角は、100〜140度が望ましいが、レンズに用い
るガラス材の屈折率によって最適化してもよい。
【0153】ここで、光源を楕円型反射鏡に対して垂直
に配置する場合には、中抜け補正素子は必ずしも用いな
くてもよい。また、図15には、付加的に付け加えるこ
とで明るさ及び照度むらを制御し得る絞り制御手段と、
スクリーン照度もしくは周辺照度の検出手段も合わせて
示している。
【0154】次に、各液晶パネル201−R,201−
G,201−Bの配置について説明する。光源光学系か
らの光源光は、UV−IRフィルタを経て、第1ダイク
ロイックミラー411により緑(G)光のみが反射さ
れ、この緑(G)光は、第2全反射ミラー413により
反射され、液晶パネル201−Gに導かれる。そして、
緑(G)光は、光液晶パネル201−Gを透過した後、
第1フィールドレンズ415を介して出射される。
【0155】第1ダイクロイックミラー411を透過し
た光源光は、第2ダイクロイックミラー417により赤
(R)光のみが反射されて、液晶パネル201−Rに導
かれる。そして、液晶パネル201−Rを透過した赤
(R)光は、第2フィールドレンズ419を介して第1
合成ミラー421により液晶パネル201−Gを経た緑
(G)光と合成される。
【0156】第2ダイクロイックミラー417を透過し
た光源光は、液晶パネル201−Bに導かれ、液晶パネ
ル201−Bを透過した青(B)光は、第3フィールド
レンズ423、第3全反射ミラー425を介して第2合
成ミラー427に至り、ここで液晶パネル201−Gお
よび液晶パネル201−Rを透過し合成された赤(R)
光および緑(G)光と合成され、投射光学系に導かれ
る。
【0157】次に、この液晶パネル201−R,201
−G,201−Bについて説明する。尚、液晶パネル2
01−R,201−G,201−Bの構成は、その駆動
系を除いて差異はないので、緑(G)用の液晶パネル2
01−Gを例にとり説明する。この液晶パネル201−
Gは、100ミクロンピッチの表示画素が横方向に64
0個、縦方向に480個配列されて成り、液晶パネル2
01−Gの両主表面上には、図15に示すように、所定
の間隔を隔てて、偏光軸が違いに略直交するように一対
の偏光板203,205が配置されている。
【0158】液晶パネル201−Gは、図16および図
17に示すように、アレイ基板211と対向基板311
との間に、TN型液晶401が配向膜291,391を
介して、基板211,311間で90°ねじれるように
して保持されている。
【0159】アレイ基板211は、0.7mm厚の透明
なガラス基板210上に、図16に示す如く信号線22
1と走査線231とが略直交するように配置され、信号
線221と走査線231との交点近傍に薄膜トランジス
タ(以下、TFTと略称する。)241が配置されてい
る。このTFT241は、図17に示すように、走査線
231自体をゲート電極とし、走査線231上にゲート
絶縁膜243を介して半導体層として非晶質シリコン薄
膜245、この非晶質シリコン薄膜245を保護すると
共に寄生容量を抑えるため走査線231に対し自己整合
的に形成されたシリコンナイトライドから成る半導体保
護膜246を備えている。
【0160】また、TFT241は、非晶質シリコン薄
膜245と信号線221とをn+ 型非晶質シリコン薄膜
248を介して電気的に接続する、信号線221から延
在されたドレイン電極247と、信号線221と走査線
231とによって囲まれる領域に配置されたITO(I
ndium Tin Oxide)から成る画素電極2
51と非晶質シリコン薄膜245とをn+ 型非晶質シリ
コン薄膜250を介して電気的に接続するソース電極2
49とを備えている。このようにして、逆スタガ構造の
TFT241が構成されている。
【0161】更に、画素電極251との間でゲート絶縁
膜243を介して補助容量(Cs)を形成するための補
助容量線253が、走査線231に略平行して配置され
ている。更にまた、これらTFT241や画素電極25
1上には、保護膜255が配置されている。このよう
に、アレイ基板211は構成されている。
【0162】対向基板311は、0.7mm厚の透明な
ガラス基板310上に、アレイ基板211のTFT24
1および画素電極251周辺部を遮光するためのクロム
(Cr)から成るマトリクス状の遮光層313、遮光層
313上に配置される保護膜317、保護膜317上に
配置されるITOから成る対向電極319とによって構
成されている。尚、以上のようにした構成される液晶パ
ネル201−Gは、36%の開口率を達成している。
【0163】図15に示すように、対向基板311(厚
さ0.7mm)の主表面上には、マイクロレンズアレイ
基板511が接着層510を介して貼り付けられてい
る。ここで接着層510の厚さは、20μm程度であ
る。このマイクロレンズアレイ基板511は、各表示画
素に対応する集光レンズ513群から成り、集光レンズ
513の焦点位置は、アレイ基板211を構成するガラ
ス基板210に存在するよう設定されている。マイクロ
レンズの空気中の焦点距離は0.6mmである。
【0164】次に、以上のように構成されるマイクロレ
ンズ付液晶パネルの、上記光学パラメータをもつ3板式
光学系での明るさの改善効果についての実験を示す。
【0165】まず、同じ光学系を用いているが、マイク
ロレンズを具備しない液晶パネルを用いたときの9点平
均光束は、249lmであった(9点平均光束とは、4
0インチのスクリ−ンに投射し、図18に示すように、
投射画面を縦・横ともに三分割した9個の長方形の中心
の投射照度の平均値に投射面積をかけて求めた光束であ
る)。
【0166】これに対して、マイクロレンズを付けた液
晶パネルでは、9点平均光束は374lmとなり、マイ
クロレンズを具備しない液晶パネルの約1.5倍(実効
開口率54%)の明るさ改善が図れることがわかった。
この時のWp =m・Q2 /(f・n)の値は、50.3
μmであり2(S/π)1/2 =110.6μmよりも十
分に小さい(ここで、Q2 の中のθ2 は30°であ
る)。
【0167】次に、更にWp 値を小さくするようにマイ
クロレンズと画素間の距離mを低減した場合について実
験を行った。mを小さくするために対向基板厚を0.5
mmとしたもので同様な実験を行った。その結果、9点
平均光束は405lmとなり、マイクロレンズを具備し
ない液晶パネルを用いた場合に対して、1.62倍(実
効開口率59%)となった。このように、対向基板厚を
小さくすることで、mの値が小さくなり、Wp 値も小さ
くなるために、マイクロレンズによる実効開口率の改善
効果は大きくなる。
【0168】次に、他のパラメータであるコリメータレ
ンズの焦点距離fの依存性のデータを示す。上記の光学
系においては、コリメータレンズの焦点距離を短くする
ことで、コリメータレンズ部で蹴られる光を抑制でき
る。そこで、f=110mmとした場合、マイクロレン
ズがついていない液晶パネルを用いた場合においても、
9点平均光束は338lmとなり、約1.35倍とな
る。
【0169】コリメータレンズの焦点距離を短くする
と、液晶パネルに入射する光の集光角が大きくなるが、
総光束は増大する。集光角を2つのf値で実測した結果
は、f=147mmの場合は全角約8度(±4度)であ
り、f=110mmの場合は全角で約12度(±6度)
であった(ここで、集光角は、ピーク光強度の50%と
なる光強度となる全角の幅として規定した)。このた
め、総光束は増大するがマイクロレンズ付パネルでのマ
イクロレンズの実効開口率の改善効果は入射光の平行度
が下がるために低下することが予測される。
【0170】実際に、f=110mmで対向基板厚0.
7mmのマイクロレンズ付液晶パネルを用いたもので
は、9点平均光束は420lmとf=147mmの場合
の0.7mmのものよりも明るくなり、f=147mm
のマイクロレンズ無しの液晶パネルと比べると1.68
倍となるが、実効開口率は46%と、f=147mmの
場合よりも低下する。fを短くするということはWp
値が大きくなるために、マイクロレンズの実効開口率の
改善効果は小さくなるが、液晶パネル面への総光束が上
記のように1.35倍となることで、トータルとしては
明るさが改善される。
【0171】更に、f=110mmで対向基板厚0.5
mmのものでは、9点平均光束は493lmとなり、同
様にf=147mmの対向基板厚0.5mmよりも明る
く、f=147mmでマイクロレンズ無しの液晶パネル
を用いた場合と比べると、1.97倍となる。実効開口
率は、53%となり、対向基板厚の低減によりWp 値が
下がることで、上記と同様にマイクロレンズ効果は増大
する。もちろん、上記のいずれの場合においても。Wp
<2(S/π)1/2 を満足していることはいうまでもな
い。
【0172】図19に、マイクロレンズ基板と変調素子
の開口部を規定する遮光領域との距離mに寄与する対向
基板厚の変化に対するマイクロレンズ効果による実効開
口率の影響を示す実測値を示す(コリメ−タレンズの焦
点距離f=147mm)。対向基板厚が0.5mm程度
で極大を示し、それよりも厚いと実効開口率の低下が著
しく、対向基板厚が厚くなると、マイクロレンズを用い
ない場合のパネル開口率(36%)よりも透過率が低下
することがわかる。
【0173】ここで、Wp を決定するものとして、光源
の発光長Lもある。上記実施例では電極間長3mmのも
のを用いたが、総光束とマイクロレンズの実効開口率の
改善効果を考慮して最適化すればよいことはいうまでも
なく、電極間長としてもっと長いものを用いてもよく、
楕円状集光ミラーの形状も含めたパラメータ全体で最適
化すればよい。
【0174】ここで、楕円状集光ミラーの形状パラメー
タ(長径A、短径B)と光源の発光長Lにより、第二焦
点位置での集束光径Q1 もしくは光線方向の修正素子を
入れた場合のQ2 の値により、マイクロレンズ効果の最
適化を図れることは説明したが、このQ1 及びQ2 の代
りに、第二焦点位置近傍に絞り手段を配置することによ
り、液晶パネルに入射する光の集光角制御を行ってもよ
いことはいうまでもない。
【0175】この絞り手段の径をDとすると、マイクロ
レンズ効果をあげるための条件は以下の式(36)、
(37)に示すようになる。
【0176】
【数33】
【0177】ここで、液晶パネルへ入射する光の集光角
θw は上記Dとコリメータレンズの焦点距離fとから以
下の式で求められる。
【0178】 θw =2tan -1(D/2f) (37) 図20は、画面中心付近の最大照度に表示面積(40イ
ンチ、横と縦の比4:3画面の場合、0.498m2
をかけて求めたピーク光束(lm)の集光角に対する依
存性を示す。なお、集光角は、絞り径を制御することに
より変化させた。図17に示すように、マイクロレンズ
を有しない液晶パネルを用いた場合(曲線a)は、集光
角θw を小さく絞るにつれてピーク光束は大きく減少す
るが、マイクロレンズを有する液晶パネルを用いた場合
(曲線b,c)は、減少が小さい。これは、集光角が小
さくなり、入射光が平行光となればなるほど、マイクロ
レンズの実効開口率改善効果が大きくなるためである。
【0179】また、上記したように、マイクロレンズの
効果は、画素サイズに対応して対向基板厚の最適化(上
記では薄板化)を図ることにより実効開口率改善効果が
高まることは、図20に示すように、対向基板厚0.7
mmの場合(曲線b)よりも、対向基板厚0.5mmの
場合(曲線c)の方がより明るさの改善が図れているこ
とと、集光角低下による明るさ低下が小さいことからも
分る。
【0180】ここで、絞り手段を用いて液晶パネルから
入射する集光角を小さくすることは明るさの低下を招く
が、表示画像の照度むらを低減させるという利点を有し
ている。
【0181】次に、3板式投射型表示装置100の表示
画像の照度むらについて測定した結果、並びに比較例と
して図1に示す従来の投射型表示装置901の表示画像
の輝度むらについて測定した結果を下記表1に示す。
尚、表示画像は、スクリーン上に対角40インチに拡大
投影した全面白表示とし、図18に示す表示画像上の9
点の照度を照度計により測定し、点5の照度を100と
した比率で表示した。また、実施例における集光角
(θ)は8°,6°,4°とした。
【0182】 表 1 点1 点2 点3 点4 点5 点6 点7 点8 点9 実施例1(8°) 32 61 30 38 100 38 33 60 32 実施例2(6°) 42 68 40 47 100 48 45 69 40 実施例3(4°) 59 87 57 64 100 65 55 84 56 比較例 23 43 24 27 100 26 20 40 24 上記表1に示すように、この実施例に係る投射型表示装
置100によれば、従来の投射型表示装置に比べ、表示
画像の中心部分及び周辺部分の各所で輝度むらの非常に
小さい良好な表示画像を得ることができたことがわか
る。
【0183】そこで、この実施例に係る投射型表示装置
おいて、スクリーン上の照明照度が大きい、即ち明るい
環境下では、表示輝度むらよりもむしろコントラスト比
が高いことが、視覚的には良好な表示画像と認識される
ため、絞り手段151の集光角θw は、絞り制御手段7
21を用いることにより、十分に大きい範囲内で制御で
きる。
【0184】また、スクリーン上の照度が大きい、即ち
暗い環境下では、表示輝度むらが少ないことが、視覚的
には良好な表示画像と認識されるため、集光角θw は、
輝度むらが低減される比較的小さい範囲内で制御するよ
うに、絞り手段を制御することもできる。更に、一表示
画像を複数のブロックに区分して表示する場合も、集光
角θw は比較的小さい範囲内で制御される方が、繋ぎ目
での輝度低下が目立たない。
【0185】例えば、この実施例に係る投射型表示装置
100によれば、各種ショールームやAVルームのよう
な、少し暗い照明環境であるスクリーン照度が30(l
x)の場合、集光角θw を4〜6°に設定することによ
り、100:1以上のコントラスト比を確保しつつ、図
18中、点5に対する点1の照度の低下を40〜60%
に抑えることにより、表示輝度むらが小さく、しかもコ
ントラスト比が高い表示が成されるため、良好な表示画
像が視認される。
【0186】また、通常の事務所内あるいは一般家庭内
の照明環境であるスクリーン照度が200(lx)の場
合、集光角θw を8°以上に設定することにより、50
0(lm)以上の高いピーク光束が得られ、しかも図1
8中、点5に対する点1の照度の低下を、視覚的に表示
むらが認識されにくい30%程度の低下に抑えること
で、良好な表示画像が視認される。
【0187】以上のように、この実施例に係る投射型表
示装置100によれば、特有の光源光学系の構成によ
り、スクリーン照度が小さくなるにつれて集光角θw
小さくなるように光源光の集光角θw を制御し、これに
より表示画像の輝度むらを防止すると共に、スクリーン
照度に応じた表示照度を得ることができる。
【0188】この実施例では、3板式の投射型表示装置
100を例にとり説明したが、液晶パネル自体がストラ
イプ状、モザイク状あるいはデルタ配列された少なくと
も3原色の色部から成るカラーフィルタを備えた、図2
1に示すように構成される単板式の投射型表示装置10
0でも良いことはいうまでもない。
【0189】また、この他にも、各液晶パネル201−
R、201−G、201−Bごとに光源光の集光角θw
を制御する絞り手段を設け、各色ごとに個別に光源光の
集光角θw を制御するようにしても良い。また、このよ
うな特性は、マイクロレンズを用いない液晶パネルを用
いた場合にも適用できることはいうまでもない。
【0190】更に、この実施例において、絞り手段15
1の集光角θw が、環境照度信号ESに応じて、絞り制
御手段721により制御される構成も可能である。ま
た、各液晶パネル201−R、201−G、201−B
に供給される映像信号VSの輝度信号に基づいて制御さ
れるものであっても、これらを組み合わせて用いるもの
であっても良い。
【0191】例えば、映像信号VSに含まれる輝度信号
の時間的平均強度と輝度信号のブランキングレベル(黒
レベル)との差に基づいて、差が小さい場合は集光角θ
w を小さく、差が大きい場合は集光角θw を大きく制御
することにより、表示画像の表示輝度に依存せず、良好
な表示画像を確保することができる。
【0192】この実施例では、絞り制御手段721によ
り絞り手段151の開口直径Dを制御して集光角θw
制御したが、絞り手段151を光源111の光軸に沿っ
て移動させることにより、実効的な開口直径Dを制御し
て集光角θw を制御しても良い。
【0193】ここで、上記実施例に用いた光源は、光源
光を拡散させるフロスト処理を施していないものを用い
た。これは絞り手段への光源光の集光効率をあげる点で
有効であるために用いていたが、もちろんフロスト処理
をしたものを用いてもよい。また、上記実施例では光源
に直流点灯式光源を用いた。これも同様に、直流点灯式
光源の方が交流点灯式光源よりも陽極と陰極との間での
発光分布をより小さくすることができるという点で、上
記光学系には最適であるためであるが、もちろん交流点
灯式光源を用いてもよいことはいうまでもない。
【0194】また、上記した実施例の如く、マイクロレ
ンズは入射側にのみ配置しても、また出射側にも配置し
てもよい。入射側のみにマイクロレンズアレイ基板41
1を配置する場合、マイクロレンズアレイ基板411で
対向基板311の遮光層313付近に集束された光は、
その後発散するため投射レンズにおける蹴られにより光
利用効率が低下する恐れがある。このため、マイクロレ
ンズアレイ基板411の使用にあたっては、マイクロレ
ンズアレイ基板411の各集光レンズ413の焦点位置
の選定が重要である。
【0195】即ち、各集光レンズ413で集束された後
に広がる光源光が、各フィールドレンズに十分に収まる
よう、焦点位置を選定する必要がある。特に、各フィー
ルドレンズの小型化を達成するのであれば、各集光レン
ズ413の焦点位置は、光入射側から離れる方が良い。
しかし、各集光レンズ413の焦点位置が光入射側から
遠ざかるにつれて、マイクロレンズアレイ基板411の
効果は低下し、液晶パネル201−Gの実効開口率は小
さくなる。このようなことから、各集光レンズ413の
焦点位置は、TN型液晶401内よりはむしろ出射側の
基板中もしくは基板外に設定すると良い。
【0196】特に、この実施例では、対向基板311の
ガラス基板310厚が0.7mm以下であることから、
各集光レンズ413の焦点位置は、透過光が第1フィー
ルドレンズ415に十分に収まるようにマイクロレンズ
アレイ基板411から0.8〜1.1mmの距離、即ち
ガラス基板210内にあるよう設定するとよい。
【0197】即ち、液晶パネルの入射側にマイクロレン
ズを配置した場合、マイクロレンズで集光された光はそ
の後発散するために、図23(a),(b),(c)に
示すように、投射型表示装置の実効開口率は投射レンズ
のF値に大きく依存する。つまり、マイクロレンズの焦
点位置を短くすると、各液晶パネルを透過した後の変調
光は、投射レンズに入射するまでの発散の度合が大き
く、投射型表示装置の明るさ改善のためには投射レンズ
のレンズ径を大きくするか又は、焦点距離を短くするこ
とが必要であり、結果としてF値が小さくなる。
【0198】図23(a),(b),(c)は、縦軸に
マイクロレンズを有する投射型表示装置の実効開口率、
横軸に投射レンズのF値をとった場合の実効開口率のF
値依存性を示している。このうち、図23(a)は、光
源光の集光角が4度の場合を示しており、図中、曲線
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、マイクロ
レンズの実効的な焦点位置(対向基板の屈折率等を考慮
した)が0.56mm、0.7mm、0.84mm、
1.05mm、1.4mmの場合を示している。また、
図23B及び23Cは、光源光の集光角が6度、8度の
場合をそれぞれ示している。これらの図から、マイクロ
レンズの焦点距離を短くすると、投射レンズのF値の依
存性が増大することが分る。
【0199】投射型表示装置では、投射映像の拡大・縮
小を可能にするために、投射レンズとしてはズーム式が
用いられている。このため、投射レンズが広角側ではF
値は4程度だが、望遠側では5程度と大きくなる。この
ようなことから、投射型表示装置では、投射レンズのF
値の変動に表示画像の明るさが影響を受けにくいことが
好ましい。即ち、投射型表示装置とスクリーンとの間が
大きく離れた位置から映像を投射する場合は、望遠側で
投射することになり、また、拡大投影すること等で周辺
輝度低下が生じやすい状況の場合は、絞り手段により絞
り径を絞り集光角を小さく制御する方が、輝度むらを軽
減するためには望ましい。
【0200】以上のように、投射型表示装置において、
マイクロレンズの焦点距離を短くすることが必ずしも有
効ではなく、投射型表示装置におけるマイクロレンズの
焦点位置は液晶層内、あるいは出射側基板(この実施例
ではアレイ基板)側にある方がトータルの実効開口率の
向上には望ましい。
【0201】マイクロレンズの焦点位置を上記のように
設定することで、投射レンズのレンズ径の設計に自由度
が持たせられ、装置の小型化、低廉価化が達成される。
更に、マイクロレンズの焦点距離を上記のように設定す
ることで、表示画像の拡大・縮小に際して投射レンズの
F値が変動しても、投射型表示装置の実効開口率の変動
を抑制することができ、かつ、均質な表示画像輝度が得
られる。
【0202】なお、投射レンズのF値の変動に対して、
より均質な表示画像を確保するために、F値の変動に応
じて絞り手段の開口径を制御してもよい。例えば、長距
離投射して投射レンズを望遠側に設定すると、F値が大
きくなり、輝度むらが大きくなるが、絞り手段の絞り径
を小さくして集光角を小さくすることで、輝度むら低下
を抑制することができる。逆に、中心の明るさを改善し
たい場合は、絞り手段の開口径を大きくして集光角を増
大させることで、全体の明るさ改善を図ることもでき
る。
【0203】また、図20の曲線(c)は、図20の曲
線(b)のマイクロレンズの焦点位置がマイクロレンズ
基板から0.8mmに設定されているのに対して、焦点
位置が1.4mmと投射レンズ側に設定されている場合
の投射レンズのF値が5におけるピーク光束の集光角依
存性を示している。
【0204】この図から、マイクロレンズの焦点位置を
より長くすることにより、ピーク光束自体は若干減少す
るものの、ピーク光束の集光角依存性はより一層小さく
することができ、低集光角設定にすることで表示輝度の
均一性を向上させることもできる。
【0205】また、上記実施例では、図15に示す絞り
制御手段として、サーボモータを内蔵し、サーボモータ
により円形の開口径を変化させる構造としたが、この開
口の形状は四角形あるいは楕円形等であってもよい。ま
た、サーボモータにより開口部の上下、左右、もしくは
両方を遮光する遮光板が稼働する構造であってもよい。
【0206】また、マイクロレンズの焦点位置が光源側
に近い方が、液晶パネルを透過する時の実効開口率が向
上することを考慮すると、対向基板のガラス基板厚を薄
く設定することが有効であることはすでに説明した。そ
こで、対向基板厚を薄く設定すれば、液晶パネルでの実
効開口率を低下させることなく、マイクロレンズの焦点
位置を長く設定することができ、これにより投射型表示
装置の実効開口率が向上される。しかも、マイクロレン
ズの焦点位置を長く設定できるために、投射型表示装置
の実効開口率が投射レンズのF値の変動に大きく依存す
ることがなくなるという利点もある。
【0207】ところで、図21に示すように、単板式の
投射型表示装置にあっては、光学系の構成が比較的簡単
であるため、投射レンズのバックフォーカス長を短くで
き、これにより投射レンズのF値を2.2〜4程度に小
さくすることができる。従って、マイクロレンズの開口
数NA(NA=n・sinδ)及び焦点距離は、投射レ
ンズのF値もしくは開口数NAにより最適化することが
重要である。即ち、マイクロレンズの開口数NAは、投
射レンズの開口数NAよりも小さく設計することが投射
レンズでの蹴られを抑制することができ望ましい。
【0208】ここで、液晶パネル面に入射する照度むら
を低減するための光線方向を修正する中抜け補正素子に
ついて説明する。すでに説明したように、光源を楕円状
集光ミラーに垂直に配置すると照度むらが発生する。そ
のために、上記実施例では頂角が120度の円錐レンズ
を用いて、光束の中心位置の強度の減少を補正してい
る。この時、光線方向を修正する作用のために、第二焦
点位置での光束径Q2 は、円錐レンズを用いない場合の
1 よりも約2.5倍大きくなる。そして、中心の照度
が低下した光源の照度むらを、円錐レンズの両傾斜面で
屈折させて各々の傾斜面からの光を中心部に修正させる
ことで、中抜けを補正しているものである。
【0209】このような光線方向の修正は、円錐レンズ
の光学特性をグレーティングレンズで代替させることも
できる。即ち、図24の断面図に示すような一定角度
(頂角60度)の斜面を有する同心円状または渦巻状の
溝を有するグレーティングレンズを用いればよい。
【0210】ここで、頂角θが60°で200μmのピ
ッチの溝を同心円状に形成したグレーティングレンズを
用いた場合の、中抜け補正の概念を図25(a)に示
す。このようなグレーティングレンズ103を用いた表
示素子では、入射側において左の円302の上半分から
出た光は、右側における円304の下半分にくるものが
殆どとなり、わずかに円の上半分に到達するものがくる
ようになる。このようにして、左側の入射側では、中抜
けの光源光302を用いても、右側の出射側では中心部
で光強度が補強されるようになる。
【0211】ここで、液晶パネルの中心部では、2種の
指向性をもった光が混在するようになる。そのため、照
度分布やマイクロレンズ効果の一様性を改善するため
に、必要に応じて、混在を小さくするように頂角を設定
するか、又は図25(b)に示すように2枚構成のグレ
ーティングレンズ203,204としてもよい。
【0212】図26(a)〜(d)には、例として1枚
構成の場合のグレーティングレンズの位置による液晶パ
ネル面の照度分布を示した。ここで、zの値は第二焦点
位置からの距離であり、+方向が液晶パネル側への移動
距離を示す。このように、中抜け補正素子の位置を変え
ると、照度分布を制御することができ、照度むらを低減
することが必要な、例えばデータプロジェクター等の用
途では、回転楕円型反射鏡の第二焦点位置近傍(z=−
5〜0mm)に配置し、映像用途では中心強度を高める
ようにz=10mm(液晶パネル側へ)に移動させると
いうような使い方ができる。同じようなことは、最適位
置が多少変るものの凸型円錐レンズ等においても可能で
ある。
【0213】ここで、上記構成の光学系の更なる効率化
を計る光学系構成について説明する。上記光学系におい
ては、楕円状集光ミラーにより第二焦点位置にほとんど
光が集光される。しかし、楕円状集光ミラーで反射、集
光されない成分が液晶パネル側に出てくる。そのため、
図7に示すように、上記の光成分を有効に利用するため
に楕円状集光ミラーと対置するように開口部を有する円
形状集光ミラー7を配置するとよい。円形状の半径とし
ては60mm、開口部の直径は44mmのものを用いて
総光束の改善効果を実測した。
【0214】その結果、マイクロレンズの有り無しに係
わらず約1.2倍の改善が計れることを確認した。この
時光源としては、上記と同様にフロスト処理を施してい
ないものを用い、かつ、円状ミラー7で反射した光を光
源の発光部に効率よく戻すために通常用いられている、
液晶パネルの側の保温膜を排除したものを用いた。更
に、上記の実施例と同様に、DC点灯型で陽極を液晶パ
ネル側に配置したメタルハライドランプを用いた。DC
点灯型のものでは、陽極を液晶パネル側に配置したもの
のほうが、照度分布が良好であり、望ましい。
【0215】この複合集光ミラー構造は、主集光ミラー
が楕円ミラーであるため、第二焦点位置に光が集光さ
れ、また第二の円状ミラーの開口部を小さくできるの
で、効率の改善効果を上げることが容易である。また、
この構成は、光源を楕円状集光ミラーに垂直に配置する
構成ではなく、水平に配置し電極部が影として作用して
生じる照度むらを低減する構成の場合のように、どうし
ても楕円状集光ミラーと対置しない発光光成分を有効に
用いる際には、更に有効であることはいうまでもない。
【0216】次に、TN型液晶等の偏光板を必要とする
光変調素子を用いる場合の効率改善手段としての偏光変
換技術を、上記光学系に応用する例について説明する。
従来の修正変換素子光学系では、光束を分割するような
構成となるために、マイクロレンズを用い、実効開口率
改善を図ろうとするものには適用が難しかった。そこ
で、本発明の変形例として、図8に示すように、楕円状
集光ミラーとその第二焦点位置との間に偏光変換素子、
λ/4板、反射ミラー、凹のプリズム、円錐レンズを配
置した光学系がある。
【0217】光源光は、偏光変換素子に入射してP波と
S波の成分に各々分けられた後に、S波成分はλ/4板
を通り、P波に変換された後に反射ミラーで反射され、
P波成分は反射ミラーで反射されて再度第二焦点位置で
合成される。そして、コリメータレンズを通して同様に
液晶パネルに照射するものである。
【0218】図8では、説明の簡略化のため、液晶パネ
ルは1枚構成のものを示す。このような構成により、液
晶パネルには第二焦点位置に収束された光束を点光源と
した光がマイクロレンズ付パネルに導入されるため、上
記と同様にマイクロレンズの実効開口率の改善効果がパ
ネル面でほぼ均一に達成されるという特徴を有する。コ
ントラスト比をよくするという観点から、液晶パネルの
前に偏光板をおいてもよいことはいうまでもない。
【0219】次に、カラーフィルタ付の液晶パネルを用
いずに、1枚のパネルでカラー表示を達成する投射型表
示装置の実施例について図9を用いて説明する。
【0220】まず、光学系構成を光源側から説明する。
上記と同様のフロスト処理なしのDC点灯250Wメタ
ルハライドランプ4と、この光源からの白色光束を楕円
状集光ミラー5、円状集光ミラー7、及び円錐レンズ1
0により絞りへ集束する(ここで、楕円状集光ミラーと
円状集光ミラーと円錐レンズは、上記実施例のものと同
じものを用いた)。絞りを通過した光束は、コリメータ
レンズ群13により平行光線となる。この光線は、3枚
のダイクロイックミラーにより構成される方向分光手段
に入射する。
【0221】R光束は、第1のミラ−により反射され、
マイクロレンズによる分光結像手段を有する液晶パネル
に入射する。また、同様に、G光束は第2のミラ−によ
り、B光束は第3のミラ−により分光結像手段に入射す
る。TN液晶を用いた場合は、液晶パネルの前後には偏
光板を配置する。
【0222】G光束に対してR光束とB光束は、約4.
8度の角度差をもって入射するようになっている。これ
らの角度差のために、図23に示すように、マイクロレ
ンズにより、3色の光は3画素に分れて表示パネルの画
素に入射する。表示パネルを出射した光束は、フィール
ドレンズにより集束されて投射レンズに入射し、投射レ
ンズによりスクリーンに拡大投射される。
【0223】次に、図9及び図10に示す本実施例に係
る投射型表示装置の光学的な構成について詳しく説明す
る。
【0224】まず、用いた液晶パネルは、上記の実施例
と同様の方法で形成した。画素数は、水平方向に60μ
m間隔に1920画素、垂直方向には180μm間隔で
480画素が形成され、表示部の対角サイズは144m
mとなっている。水平方向の画素数はVGA表示(64
0画素)の3倍の画素数であり、カラーフィルターは搭
載されていないが、RGB用のそれぞれに対応する画素
が配置されている。画素の配置はストライプ配置であ
り、画素グループは横に3画素である。
【0225】また、本実施例で用いられる分光結像手段
はマイクロレンズであり、図12Bに示されるように、
これは例えばガラス基板に円筒レンズを形成し、更にレ
ンズとレンズの間を遮光するように幅20μmの遮光膜
を形成したものである。垂直方向には画素グループが同
じ水平位置で連続するので、見かけ上、間隔180μm
のストライプ状になっている。これは水平画素の3画素
分の間隔であり、上述の関係式を満たしている。
【0226】また、焦点距離は、屈折率1.54のガラ
スに対して1.4mmになるように設定されている。こ
れは、マイクロレンズと画素の間にある屈折率1.5
4、厚さ1.1mmの対向基板、及びマイクロレンズと
対向基板を接着するアクリル系接着剤の屈折率1.5、
厚さ0.03mmを考えると、画素部よりもより出射側
に焦点を結ぶように設定されている。
【0227】画素の開口部は、それぞれの画素で水平方
向に対して31.5μm、垂直方向に対しては135μ
mのほぼ長方形の形状となっている。
【0228】本実施例では、液晶パネルに入射する光
は、垂直方向に関しては、分光結像手段の影響がないた
めに、光源の出射光束の角度分布は10度とほぼ等しい
角度分布で液晶パネルに入射する。これに対して、屈折
力を示す水平方向では、光が集光され、そしてパネルか
ら出射後は発散するため、投射レンズへの入射角度は増
す。この角度を見積るために、式(26)、式(2
7)、式(30)を適用して、より単一の画素に対する
入射光束の角度分布θpxを計算する。
【0229】まず、式(26)により液晶パネルへの有
効な光束の角度分布θew=θwaは、開口部の幅W=3
1.5μmよりθew=2.5度である。また、式(2
8)よりマイクロレンズの屈折率1.54の媒体に対す
る焦点距離は1.4mmより、fair =0.91mmと
なる。従って、マイクロレンズにより発生する角度分布
θc は、マイクロレンズの有効幅P=160μmより、
式27からθc =10度となる。従って、各画素の実効
的な水平方向の入射角度はθpx=12.5度となる。ま
た、方向分光手段により発生する入射角度差θs は式
(31)より、θs=9.6度である。
【0230】従って、本実施例では、これらの光を有効
に拡大投射するために、式(35)を満たすF値として
はF=2.6以下が必要であるために、本実施例ではF
=2.5の明るい投射レンズを用いた。
【0231】次に、光源部の絞り手段の設定について説
明する。光源からの光束は、楕円状ミラーと円状ミラー
および円錐レンズにより絞りの位置に集光されている。
絞りより出射する光束は、その形状を絞りにより制限さ
れ、そしてコリメータレンズによりその形状の制限が角
度分布の制限へ変換される。光源のアークの方向(電極
間の方向)は、図9の紙面に垂直な方向に向けられてい
る。また、絞りは、図26に示すように、アークの方向
に長い長方形型となっており、コリメータレンズの焦点
距離170mmより、その出射光束は、図9の紙面に平
行な方向に対しては約4度、紙面に垂直な方向に対して
は約10度となっている。また、コリメータレンズは、
円錐レンズも含めた形で色消しとなるように設計されて
いる。
【0232】コリメータレンズを出た白色光束は、光軸
に対して約45度に配置されたダイクロイックミラーに
より反射される。これらは、方向分光手段である。これ
らは、表示パネルと分光結像手段の関係より要求される
分離角度4.8度は満たすように、ダイクロイックミラ
ーは入射光に対して45−4.8/2=42.6度に、
ダイクロイックミラーは入射光に対して45+4.8/
2=47.4度に配置されている。そして、それぞれの
ミラーの位置は、ダイクロイックミラーの中心点から9
0mmの距離に配置される表示パネルの位置で重なるよ
うに、式(18),(19)に従ってそれぞれミラーは
7.9mm光源側に、ミラーは7.3mm光源と反対側
に中心点を入射光束方向に沿って離して配置されてい
る。
【0233】入射光は、まずダイクロイックミラーによ
りB成分のみ反射され、次にダイクロイックミラーを透
過した光束の中でG成分がダイクロイックミラーにより
反射され、残りのR成分はミラーにより反射される。R
成分を反射するミラーは、ダイクロイックミラーでも、
また全反射ミラーでもよい。このようにして白色光が要
求される角度を持つ光束に分光される。
【0234】本実施例によれば、投射光束が最大400
lmに達する非常に明るい投射型表示装置を達成するこ
とができた。吸収型のカラーフィルターを用いた同サイ
ズの表示パネルと同じ光源を用いたものでは、230l
m程度であり、本発明によりおよそ1.7倍の明るさを
得ることができた。
【0235】また、カラーフィルターを用いるもので
は、カラーフィルターの光吸収のために、画面中央部の
温度が周囲に対して高くなりやすく、表示むらが発生し
やすかったが、それに対して本実施例では表示パネル部
に光を吸収する要素がほとんどないために、冷却も電動
ファンによる簡単な空冷により十分に冷却でき、表示む
ら等も発生しない。
【0236】以上のように、本発明の構成により明る
く、かつ、表示むらの少ない高性能な投射型表示装置が
実現できた。
【0237】ここで、上記の実施例では、液晶層として
TN液晶を用いる場合を説明したが、液晶層としてはど
のようなものでもよく、またデジタルミラーデバイス
(DMD)素子等を用いることもできる。その場合、方
向分光手段により発生した色毎の出射角度の差が問題と
なる。
【0238】これらの素子では、投射光学系に絞りを備
えるが、色により出射角度が異なるので、絞りも色毎に
複数必要となる。即ち、液晶パネルからの出射光が各色
毎に角度分布をもつことで、フィールドレンズにより投
射レンズ部の絞りの位置でR、G、Bに分れ、それぞれ
に対応した開口部をもつ絞りが必要となる。この時、単
純に開口絞りを3つ作ると、それぞれの色の光に対応す
る開口部以外の残りの2つの開口絞り部も有効になって
しまい、所望の特性が得られない。そこで、各光線の色
に合わせたカラーフィルターA,B,Cを投射光学系の
絞りに備えることで、絞りを色毎に独立して作用させる
ことができる(図22(a),(b)参照)。
【0239】また、絞りの大きさは各色の画素の出射光
の角度分布θpxに対応したものが必要になる。この時、
方向分光手段による分離角度θs により決定する複数の
絞りの間隔に対して絞りの大きさが大きくなり液晶パネ
ルから出射した光がフィールドレンズを通り投射レンズ
部の絞りに到達してもR、G、Bの各色光が重なりあっ
てしまうことが多い。この場合は、A、B、C、D、E
の各色の重なった領域、または独立した領域毎に入射光
の波長分布に対応したカラーフィルターを備えることで
各色毎に同じ集光角を設定することができ均一で優れた
特性を得ることができる。
【0240】次に、上記実施例の変形例について図9を
用いて説明する。
【0241】光学構成は、上記のものとほぼ同じである
が、光源光をコリメータレンズで平行光化した後に、コ
ールドミラーにより赤外線が取除かれて、かつその進路
が90度変えられていることと液晶パネルとして画素間
隔が水平方向で180μm、垂直方向で156μmであ
り、画素数は水平方向508画素、垂直方向が440画
素であり、画素配置がトライアング配置のものを用いて
いることが異なる。対向基板厚は1.1mmである。
【0242】図27は、この実施例において、RGBの
3原色が交換的に分離されるようすを示した図である。
RGBそれぞれが、液晶パネルに対して垂直方向から約
8度の角度をもって3方向に向う入射光がマイクロレン
ズにより画素における位置分布となり、RGBそれぞれ
が適切な画素を通過する。
【0243】また、この投射型表示装置では、方向分光
手段と分光結像手段により発生する発散光を効率よく投
射するために、F=2.5の明るいレンズを用いてい
る。
【0244】また、方向分光手段として、約45度に傾
けたミラーを用いる例を示したが、これ以外の角度を適
用できることは言うまでもない。
【0245】また、上述した実施例の液晶パネルとして
は、各表示画素毎にTFTから成るスイッチ素子が設け
られたアクティブマトリクス型液晶パネルを例に取り説
明したが、TFTは多結晶シリコン膜あるいは単結晶シ
リコン膜を主体として構成しても良く、またスイッチ素
子としてはTFTの他にもMIM(Metal Ins
ulator Metal)素子を用いても良い。更
に、液晶パネルとしては、アクティブマトリクス型液晶
パネルの他に、ストライプ状の電極が液晶組成物を保持
して略直交するよう配置された単純マトリクス型液晶パ
ネルを用いても良い。
【0246】また、本発明は上記の実施例で示した内容
に限定されるものではなく、表示パネルとしてTN液晶
以外にも光源からの光強度を二次元的に強度変調するも
ので変調素子アレイであればよく、STN液晶や強誘電
液晶を用いたものでも全く同じであり、また、液晶以外
にもデジタルミラーデバイス(DMD)等を用いること
も可能である。
【0247】また、表示装置としては、前方に投射する
タイプの投射型表示装置を実施例として示したが、投射
型の表示装置としてスクリーンの一方の面から投射し投
射した方向に対して逆方向から観察する背面投射型表示
装置にも有効であることはいうまでもない。
【0248】更に、上記実施例では、方向分光手段とし
て、ミラ−3枚構成のものを用いて説明したが、プリズ
ムブロック、マイクロプリズム、回折格子等を用いても
よいことは言うまでもない。また、方向分光手段と分光
結像手段の両方の機能を併せもつホログラム光学素子等
を用いてもよいことは言うまでもない。
【0249】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の投射型表
示装置によれば、高輝度でかつ輝度むらのない良好な表
示品位を有する表示画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の3板式の投射型表示装置の概略を示す
図。
【図2】液晶パネル面における光源光の集光角分布を示
す特性図。
【図3】本発明の投射型表示装置の光源光学系を説明す
るための図。
【図4】本発明の投射型表示装置の光源光学系におけ
る、楕円集光ミラ−の楕円率とQ1 /Lとの関係を示す
特性図。
【図5】本発明の投射型表示装置における、光線方向を
修正する光学素子を具備する光源光学系を説明するため
の図。
【図6】本発明の投射型表示装置における画素構造及び
ストライプ配列を示す図。
【図7】本発明の投射型表示装置における、楕円集光ミ
ラ−に球面状集光ミラ−を付加した光源光学系を示す
図。
【図8】本発明の投射型表示装置における、偏光変換光
学系を付加した光学系を示す図。
【図9】本発明の投射型表示装置における、方向分光手
段と分光結合手段を付加した光学系を示す図。
【図10】図9における方向分光手段を説明する図。
【図11】図9における分光結合手段を説明する図。
【図12】本発明の投射型表示装置における、画素配列
と分光結合手段との関係を説明する図。
【図13】図9に示す光学系で用いた絞りの形状を示す
図。
【図14】分光結合手段により発生する角度分布を説明
する図。
【図15】本発明の一実施例に係る3板式の投射型表示
装置の概略を示す図。
【図16】図15に示す表示装置の液晶パネルの一部を
示す平面図。
【図17】図16のライン17−17に沿った断面図。
【図18】投影された表示画像の照度測定点を示す図。
【図19】対向基板の厚さと実効開口率を示す特性図。
【図20】ピーク光束の集光角依存性を示す特性図。
【図21】本発明の他の実施例に係る単板式の投射型表
示装置の概略を示す図。
【図22】投射レンズ入射部に挿入されるカラ−フィル
タの分光特性を説明する図。
【図23】実効開口率のF値依存性を示す特性図。
【図24】光線方向を修正するグレ−ティングレンズの
断面図。
【図25】グレ−ティングレンズの原理を説明する図。
【図26】グレ−ティングレンズの位置変化に対する照
度分布の変化を示す特性図。
【図27】本発明の第2の変形例における、液晶パネル
への入射光の方向を説明する図。
【符号の説明】
1…マイクロレンズ 2…光変調素子 3…光学媒体 4,111…光源 5…楕円状集光ミラー 6…コリメータレンズ 7…円形集光ミラー 8…液晶パネル 9…フィ−ルドレンズ 10…円錐レンズ 100…投射型表示装置 151…第1絞り手段 201、201−R、201−G、201−B…液晶パ
ネル 411…マイクロレンズアレイ基板 413…集光レンズ 501…投射レンズ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として光の複屈折性あるいは旋光性を
    用いて光の透過率を制御する光変調手段、 前記光変調手段に光源からの光源光を導く光源光学系、
    及び前記光変調手段により変調された変調光をスクリー
    ンに投射する投射光学系を具備する投射型表示装置にお
    いて、 前記光源光学系は、光源と、この光源からの光源光の集
    光角を制御する光源光制御手段とを備え、この光源光制
    御手段は、光源からの光源光を集光する手段と、前記光
    源光が集光される位置の近傍に配置される絞り手段と、
    コリメータレンズとを含むことをことを特徴とする投射
    型表示装置。
  2. 【請求項2】 略楕円面の一部を凹面反射面とする楕円
    集光ミラー、 前記楕円面の第一焦点近傍に配置された光源、 前記楕円面の第二焦点近傍に焦点をもつコリメータレン
    ズ、 このコリメータレンズ側にレンズアレイを有し、面積S
    を有する光変調素子を二次元的に配置した光変調素子ア
    レイ、及び投射レンズを具備する投射型表示装置におい
    て、 前記光源の発光部の長さをL、楕円集光ミラーの楕円の
    短径と長径の比の二乗をμ、コリメータレンズの焦点距
    離をf、レンズアレイと変調素子の開口部までの距離を
    m、レンズアレイと変調素子間の屈折率nとするとき、
    下記式を満たすことをことを特徴とする投射型表示装
    置。 【数1】
  3. 【請求項3】 前記楕円面の第二焦点近傍もしくは第二
    焦点位置とコリメータレンズとの間に光線方向を修正す
    る光学素子を具備することを特徴とする請求項2に記載
    の投射型表示装置。
  4. 【請求項4】 下記式を満たすことを特徴とする請求項
    3に記載の投射型表示装置。 【数2】 θ1 :arctan( (μ/(1−μ))) θ2 :光線方向を修正する光学素子にθ1 の光が入射時
    の光線方向を修正する光学素子からの出射光の角度
  5. 【請求項5】 前記光線方向を修正する光学素子によ
    り、光源光からの光束の空間的強度分布を調整する調整
    機構を有することを特徴とする請求項4に記載の投射型
    表示装置。
  6. 【請求項6】 前記楕円集光ミラーと前記光変調素子ア
    レイ装置との間に、前記楕円集光ミラーと対置するよう
    に配置された、略球状凹面の一部を反射面とする集光ミ
    ラーが配置されていることを特徴とする請求項2に記載
    の投射型表示装置。
  7. 【請求項7】 前記光源と楕円面の第二焦点位置との間
    に配置された、前記光源から出射された光を互いに直交
    する2つの偏光波に分岐する手段と、前記2つの偏光波
    の一方の偏光波の偏光面を他方の偏光波の偏光面と一致
    させる手段と、前記楕円面の第二焦点位置近傍に集光さ
    せる集光手段とを有することを特徴とする請求項2に記
    載の投射型表示装置。
  8. 【請求項8】 前記レンズアレイは、前記光変調素子の
    開口領域を規定する遮光部材の位置よりも前記光源に対
    して遠い光路上に焦点位置を有することを特徴とする請
    求項2に記載の投射型表示装置。
  9. 【請求項9】 前記楕円面の第二焦点近傍に、光学絞り
    からなる光源光制御手段を有し、光学絞りの直径をDと
    すると、下記式を満たすことを特徴とする請求項2に記
    載の投射型表示装置。 【数3】
  10. 【請求項10】 前記光源と光変調素子アレイとの間
    に、光源から出射された光に光の波長に依存して異なる
    進行方向を与える方向分光手段と、この方向分光手段に
    より分光された光を、複数の変調素子からなる変調素子
    グループ内に、入射する光の波長分布が互いに異なる変
    調素子が少なくとも一対存在するように、前記変調素子
    グループの変調素子間において、空間的に分離する分光
    結像手段とを備え、それぞれに変調素子がその入射光の
    色に対応する駆動信号で駆動されていることを特徴とす
    る請求項2に記載の投射型表示装置。
  11. 【請求項11】 前記分光結像手段であるレンズと変調
    素子アレイ装置の表示領域を規定する部材との間にある
    N個の光学媒体の厚さをti 、屈折率をni(i=1〜
    N)とするとき、変調素子グループ内の隣接する二つの
    変調素子の表示寄与部分の中心間の距離をΔA、また、
    その二つの変調素子のそれぞれに入射する光の大気中に
    おける角度差をθ0 とするとき、下記の式を満たす2つ
    の変調素子が少なくとも一対存在することを特徴とする
    請求項10に記載の投射型表示装置。 【数4】
  12. 【請求項12】 前記変調素子グループ内の一つの変調
    素子に、前記方向分光手段により供給される光の大気中
    における角度の広がりθw が、下記式を満たすことを特
    徴とする請求項10に記載の投射型表示装置。 θw <2θ0
  13. 【請求項13】 前記変調素子グループ内の一つの変調
    素子に、前記方向分光手段により供給される光の大気中
    における角度の広がりθw に対して、変調素子の表示に
    寄与しない部分の幅aと、表示に寄与する部分の幅bが
    下記式の関係を満たすことを特徴とする請求項10に記
    載の投射型表示装置。 θw <θ0 (2a+b)/(a+b)
  14. 【請求項14】 前記光学絞りの、前記方向分光手段に
    より分光される方向における絞りの幅をDw 、コリメー
    タレンズの焦点距離をfとするとき、下記式に示す関係
    を満たすことを特徴とする請求項13に記載の投射型表
    示装置。 【数5】
  15. 【請求項15】 結像光学系と変調素子との間にあるN
    個の媒体の厚さをti とし、屈折率をni (i=1〜
    N)とするとき、下記式(a)に示す変調素子の幅Wa
    において規定される角度θwa、下記式(b)及び(c)
    に示すθc 、及び、下記式(d)に示す、すべての変調
    素子の表示寄与部の中心を含む最小の円の直径ΔAmax
    に対して規定されるθs に対して、投射レンズのF値が
    下記式(e)を満たすことを特徴とする請求項10に記
    載の投射型表示装置。 【数6】
  16. 【請求項16】 前記投射レンズに開口絞りが設けら
    れ、開口絞りの中に透過率の波長分布をもつ領域が設け
    られていることを特徴とする請求項10に記載の投射型
    表示装置。
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