JPH08223275A - ハンズフリー通話装置 - Google Patents

ハンズフリー通話装置

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JPH08223275A
JPH08223275A JP2717995A JP2717995A JPH08223275A JP H08223275 A JPH08223275 A JP H08223275A JP 2717995 A JP2717995 A JP 2717995A JP 2717995 A JP2717995 A JP 2717995A JP H08223275 A JPH08223275 A JP H08223275A
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JP
Japan
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signal
speaker
output
microphone
hands
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Withdrawn
Application number
JP2717995A
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English (en)
Inventor
Minoru Fukushima
実 福島
Hiroaki Takeyama
博昭 竹山
Nobuaki Miyaji
伸明 宮地
Takako Takura
香子 田蔵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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  • Interconnected Communication Systems, Intercoms, And Interphones (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】効果的にハウリングの発生を抑圧することがで
き、かつ、双方向同時通話が可能なハンズフリー通話装
置を安価に提供することを目的とする。 【構成】スピーカ30と、スピーカ30からの距離が異
なるように同一匡体3内に配置された2個のマイクロフ
ォン31a、31bと、各マイクロフォン31a、31
bに対応して設けられ、各マイクロフォン31a、31
bからの出力信号をそれぞれ増幅する送話信号増幅手段
21a、21bと、上記スピーカへの入力信号を増幅す
る受話信号増幅手段20と、フィルタ502及び演算処
理手段503により送話信号に含まれる受話信号の直接
結合成分を抑圧する直接結合抑圧処理部50と、送話信
号に含まれる受話信号の音響結合成分を抑圧する音声ス
イッチ1とにより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インターホン、電話機
等に使用される通話装置に係り、更に詳しくは、ハウリ
ング発生防止の機能を有するハンズフリー型拡声通話装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカ及びマイクロフォンを備えた通
話装置は、通話音量を上げると、スピーカより発せられ
た音声信号の一部がマイクロフォンへフィードバックさ
れて、ハウリングと呼ばれる発振現象が生じる。特に、
インターフォン、電話機等のハンズフリー通話装置は、
通話者との距離に比べ、受話用スピーカと送話用マイク
ロフォンとの距離が数cm〜数十cmと短いため、ハウ
リングが発生し易いという問題があった。
【0003】この様なハウリングの発生を防止するた
め、ハンズフリー通話装置は音響結合抑圧処理を行う必
要があり、従来よりハンズフリー通話装置に用いられて
いる主な音響結合抑圧処理方式には、音声スイッチを用
いる方式と、音声スイッチとエコーキャンセラを併用す
る方式とがあったが、音声スイッチとエコーキャンセラ
を併用する方式を採用した場合は、コストが高くなって
しまうという問題があった。
【0004】音声スイッチの構成の概略を図15に示
す。この方式は、受話信号と送話信号のレベルを比較
し、この比較結果に基づいて受話信号又は送話信号を減
衰させるために設けられた可変損失回路の損失量を変化
させる。即ち、この方式は、スピーカからマイクロフォ
ンへの音響結合により形成される閉ループに損失を挿入
することにより、閉ループ一巡利得を低減し、ハウリン
グマージン及びエコーリターンロスを確保するものであ
る。
【0005】この音声スイッチの受話信号及び送話信号
のレベル差とそれぞれの信号を減衰させるための挿入損
失との関係を図16に示す。送話モードにおいては、受
話信号への挿入損失が大きく、送話信号への挿入損失が
小さくなっている一方、受話モードにおいては、受話信
号への挿入損失が小さく、送話信号への挿入損失が大き
くなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、音声ス
イッチを用いた上記方式により快適な通話を行うために
必要とされるハウリングマージン及びエコーリターンロ
スを得るためには、必要とされる挿入損失量が非常に大
きくなり、通話時に切断感を感じるという問題があっ
た。
【0007】また、受話信号よりも送話信号中に含まれ
る音響結合成分の方が大きいような場合には、音声スイ
ッチは送話モードに切り替わり、受話信号が減衰され、
必要な受話音量が得られず、聞こえなくなる、いわゆる
受話ブロッキングと呼ばれる現象が生じる。このよう
に、この方式ではどちらかの通話路に損失が入っている
ために双方向同時通話を実現することができないという
問題があった。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、効果的にハウリングの発生を抑圧することがで
き、かつ、双方向同時通話が可能なハンズフリー通話装
置を比較的安価に提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決のするための手段】請求項1に記載した本
発明によるハンズフリー通話装置は、受話信号を音声へ
変換して出力するスピーカと、上記スピーカからの距離
が異なるように上記スピーカと同一匡体内に配置され、
送話音声を電気信号へ変換して出力する2個のマイクロ
フォン、即ち、上記スピーカに近い位置に配置された第
一のマイクロフォンと、上記スピーカから遠い位置に配
置された第二のマイクロフォンと、第一のマイクロフォ
ンの出力信号を増幅する第一の送話信号増幅手段と、第
二のマイクロフォンの出力信号を増幅する第二の送話信
号増幅手段と、上記スピーカへの入力信号を増幅する受
話信号増幅手段と、上記第一の送話信号増幅手段の出力
信号と予め同定されたスピーカから直接的に各マイクロ
フォンへ至る音響直接伝搬系の伝達関数の比を表す伝達
関数とを畳み込み演算するフィルタ及び上記フィルタの
出力信号と上記第二の送話信号増幅手段の出力信号との
差分を求める演算処理手段を備えた音響直接結合抑圧処
理部と、送話信号に含まれる受話信号の音響結合成分を
抑圧する音声スイッチとにより構成される。
【0010】請求項2に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、請求項1に記載のハンズフリー通話装
置の上記直接結合抑圧処理部に、上記2つのマイクロフ
ォンの出力の比の特性を同定し、第一の送話信号増幅手
段の出力信号と上記同定された伝達関数とを畳み込み演
算を行う適応フィルタと、上記適応フィルタの出力信号
と第二の送話信号増幅手段の出力信号との差分を求める
演算処理手段と、上記演算処理手段の出力信号と上記受
話信号増幅器の入力信号との振幅の比に基づいて、発振
の可能性を判定し、判定結果を音声スイッチへ出力する
発振判定手段とを設けて構成される。
【0011】請求項3に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、請求項1又は2に記載のハンズフリー
通話装置の上記直接結合抑圧処理部の出力に、送話信号
に生じる歪みを補正するための歪み補正手段を設けて構
成される。請求項4に記載した本発明によるハンズフリ
ー通話装置は、受話信号を音声へ変換して出力するスピ
ーカと、上記スピーカからの距離が異なるように上記ス
ピーカと同一匡体内に配置され、送話音声を電気信号へ
変換して出力する3個以上のマイクロフォンと、上記の
各マイクロフォンに対応して設けられ、各マイクロフォ
ンの出力信号を増幅する3個以上の送話信号増幅手段
と、上記スピーカへの入力信号を増幅する受話信号増幅
手段と、上記送話信号増幅手段の出力信号の総和を求め
る演算処理手段を備えた音響直接結合抑圧処理部と、送
話信号に含まれる受話信号の音響結合成分を抑圧する音
声スイッチとにより構成される。
【0012】請求項5に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、請求項1から4に記載のハンズフリー
通話装置の上記直接結合抑圧処理部の出力に、出力され
た送話信号の、送信すべき帯域として予め定められた、
所定の周波数成分のみを選択的に通過させるフィルタを
設けて構成される。請求項6に記載した本発明によるハ
ンズフリー通話装置は、請求項1から4に記載のハンズ
フリー通話装置の上記送話信号増幅手段の出力に、出力
された送話信号の、送信すべき帯域として予め定められ
た、所定の周波数成分のみを選択的に通過させるフィル
タをそれぞれ設けて構成される。
【0013】
【作用】請求項1に記載した本発明によるハンズフリー
通話装置は、第一及び第二のマイクロフォンが、スピー
カから各マイクロフォンへ至る音響結合による音声を含
む送話音声を電気信号へ変換し、この電気信号が各マイ
クロフォンに対応して設けられた第一及び第二の送話信
号増幅手段により増幅される。直接結合抑圧処理部で
は、フィルタが、第一の送話信号増幅手段の出力信号と
予め同定されたスピーカから直接的に各マイクロフォン
へ至る音響直接伝搬系の伝達関数の比を表す伝達関数と
を畳み込み演算した後に、フィルタの出力信号と第二の
送話信号増幅手段の出力信号との差分を演算処理手段に
より求めて送話信号に含まれる直接結合成分を抑圧す
る。
【0014】請求項2に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置の直接結合抑圧処理部は、適応フィルタ
が、上記マイクロフォンの出力の比の特性を同定し、上
記第一の送話信号増幅手段の出力信号と上記同定された
伝達関数とを畳み込み演算した後に、上記適応フィルタ
の出力信号と第二の送話信号増幅手段の出力信号との差
分を演算処理手段により求める。そして、発振判定手段
が上記演算処理手段の出力信号と上記受話信号増幅器の
入力信号とに基づいて、発振の可能性を判定し、上記音
声スイッチが、上記発振判定手段の出力する判定結果に
基づいて、その減衰量を変化させて音響結合成分を抑圧
する。
【0015】請求項3に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、請求項1又は2に記載のハンズフリー
通話装置の上記直接結合処理部の出力に、送話信号に生
じた歪みを補正する歪み補正手段を設けて構成される。
請求項4に記載した本発明によるハンズフリー通話装置
は、3個以上のマイクロフォンが、スピーカからマイク
ロフォンへ至る音響結合による音声を含む送話音声を電
気信号へ変換し、この電気信号が各マイクロフォンに対
応して設けられた3個以上の送話信号増幅手段によりそ
れぞれ増幅される。演算処理手段がこれらの増幅された
送話信号の総和を求めた後に、更に、音声スイッチが総
和により得られた信号に含まれる音響結合成分を適用フ
ィルタにより抑圧する。
【0016】請求項5に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置の音声スイッチは、レベル判別回路が、受
話信号及び送話信号の信号レベルに基づいて、各乗算処
理手段へ乗算のための係数を出力し、これらの出力に基
づいて、第一の乗算処理手段は受話信号と上記係数の乗
算を行い、第二の乗算処理手段は受話信号と上記係数の
乗算を行って出力する。
【0017】請求項6に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、直接結合抑圧処理部の出力する送話信
号の所定の帯域の周波数成分のみをフィルタにより選択
して音声スイッチへ出力する。請求項7に記載した本発
明によるハンズフリー通話装置は、各送話信号増幅手段
に対応して設けられたフィルタにより、各送話信号増幅
手段の出力する送話信号の所定の帯域の周波数成分のみ
を選択して直接結合抑圧処理部へ入力する。
【0018】ここで、音響結合成分には、送話信号に含
まれる直接結合成分と間接結合成分の双方が含まれ、直
接結合成分または音響結合成分の抑圧とは、直接結合成
分または音響結合成分を完全に除去する場合のみなら
ず、直接結合成分または音響結合成分を減衰させる場合
も含む。
【0019】
【実施例】請求項1に記載した本発明によるハンズフリ
ー通話装置の一構成例を図1に示す。このハンズフリー
通話装置は、匡体3に取り付けられたスピーカ30、第
一のマイクロフォン31a及び第二のマイクロフォン3
1bと、受話信号を増幅してスピーカ30へ出力する増
幅手段20と、マイクロフォン31a、31bの出力す
る送話信号をそれぞれ増幅する第一の送話信号増幅手段
21a及び第二の送話信号増幅手段21bと、直接結合
抑圧処理部50と、音声スイッチ1とにより構成され
る。
【0020】上記音声スイッチ1は、従来の通話装置と
同様、アナログ回路で構成される上記の音声スイッチ回
路であり、送話信号中の音響結合成分を抑圧する。マイ
クロフォン31a、31bは、スピーカ30の中心から
の距離が異なるように配置され、それぞれの出力信号
は、送話信号増幅手段21a、21bにより増幅され
て、直接結合抑圧処理部50へ入力される。
【0021】直接結合処理部50は、送話信号をデジタ
ル信号へ変換するA/D変換器500、501と、フィ
ルタ502と、演算処理手段503と、演算処理手段5
03の出力信号をアナログ信号へ変換するD/A変換器
504とにより構成される。フィルタ502は、デジタ
ル変換後の上記第一の送話信号増幅手段21aの出力信
号と所定の伝達関数との畳み込み演算を行い、演算処理
手段503がフィルタ502の出力信号とデジタル変換
後の上記第二の送話信号増幅手段21bの出力信号との
差分を求める。
【0022】上記フィルタ502の係数は、演算処理手
段503の出力信号に含まれる直接結合成分を最小化す
るような値に予め設定されているため、直接結合処理部
50は、送話信号に含まれた直接結合成分を抑圧するこ
とができる。なお、直接結合抑圧処理部50はデジタル
処理であるため、デジタル信号処理装置、いわゆるDS
Pにより実現することができる。
【0023】フィルタ502の係数を同定するための構
成の一例を図2に示す。ハンズフリー通話装置の通話機
端末を回線系に接続せず、信号源として白色雑音発振器
6を受話信号増幅手段20に接続し、演算処理手段50
3の出力信号eが適応フィルタとして構成されるフィル
タ502へ接続される。また、マイクロフォン31a、
31bが間接結合成分を収音しないように、周囲に反射
物のない状態とした後に、信号eを最小化するアルゴリ
ズムを用いて、フィルタ502の係数の同定を行う。
【0024】そのアルゴリズムとして、例えば、LMS
アルゴリズムとよばれる最小2乗法に基づくアルゴリズ
ムを採用した場合を次式に示す。 W(k+1)=W(k)+2μeX(k) (1) ここで、W(k)はサンプル時刻kにおけるフィルタの
係数ベクトル、X(k)はサンプル時刻kにおけるフィ
ルタの入力ベクトル、μはステップサイズを表す0〜1
の数であり、eは誤差信号である。
【0025】ここで、フィルタ502の係数の決定は、
スピーカ30から各マイクロフォン31a、31bへの
音響直接結合系のインパルス応答の差分を同定すること
と等しくなる。従って、フィルタ502は、スピーカ3
0等の電気音響変換器系のインパルス応答は同定する必
要がなく、スピーカ30から出力された音波が、マイク
ロフォン31a、31bへ達するまでの音響伝達系の特
性のみを同定すれば良く、フィルタ502に要求される
次数が、従来のエコーキャンセラに用いられているよう
な適応フィルタに比べ、大幅に低減される。
【0026】この様子を図3(a)〜(c)に示す。図
4の(a)、(b)は、図3の説明のためのハンズフリ
ー通話装置の概略を示すブロック図であり、図4(a)
は、従来のエコーキャンセラ方式を採用した場合であ
り、図4(b)は請求項1に記載した本発明による方式
を採用した場合についてのものである。図4(a)は、
1個のマイクロフォン31のみを備え、スピーカ30か
らマイクロフォン31までの距離はL1であり、フィル
タWm1が受話信号に基づいて送話信号の音響結合成分
を抑圧する。
【0027】一方、図4(b)は、2個のマイクロフォ
ン31a、31bを備え、スピーカ30からマイクロフ
ォン31a、31bまでの距離はそれぞれL1、L2で
あり、フィルタWm2がマイクロフォン31aからの送
話信号に基づいて送話信号の音響結合成分を抑圧する。
従来のエコーキャンセラにより直接結合成分の抑圧を行
う場合、そのフィルタWm1は音響直接結合系のインパ
ルス応答h1そのものを同定する必要がある。このイン
パルス応答h1は、通常、図3(a)に示すような特性
を有しており、例えば、スピーカ30とマイク31との
距離が10cm程度である場合には、インパルス応答長
Tm1は、20m秒程度となる。
【0028】従って、サンプリング周期が8kHzであ
れば、インパルス応答h1を同定するために必要なフィ
ルタWm1の次数は、160次以上となる。一方、2個
のマイクロフォン31a、31bにより直接結合成分の
抑圧を行う本発明の場合、そのフィルタWm2は、図3
(a)、(b)に示すような、各マイクフォン31a、
31bに対応した2つのインパルス応答h1、h2の差
分を同定するために使用される。このため、スピーカ3
0が点音源とみなせる場合は、フィルタWm2の最適な
インパルス応答は、図3(c)に示す様な遅延インパル
スとなる。
【0029】このため、スピーカ30及びマイクロフォ
ン31a、31bを適切な位置に配置することにより、
フィルタに要求される次数が、従来のエコーキャンセラ
に用いられているような適応フィルタに比べ、大幅に低
減され、ハウリング抑圧のための信号処理ハードウエア
に求められる演算処理速度の性能が、従来のエコーキャ
ンセラ方式に比べ大幅に緩和される。
【0030】さらに、通常のハンズフリー通話装置の場
合、送話信号に含まれる直接結合成分と間接結合成分と
の比は10:1程度であり、直接結合成分が支配的であ
り、直接結合抑圧部により直接結合成分を十分に抑圧す
ることができれば、効果的にハウリングを抑圧すること
ができ、周囲の環境等の変化により間接結合成分が変動
した場合であってもハウリングの発生を防止することが
でき、安定した通話を行うことができる。
【0031】従って、直接結合成分を直接結合抑圧処理
部により十分に抑圧することで、音響結合成分を安定的
かつ効果的に抑圧することができるハンズフリー通話装
置を比較的安価なハードウエアにより構成することがで
きる。請求項2に記載した本発明によるハンズフリー通
話装置の一構成例を図5に示す。このハンズフリー通話
装置は、その直接結合処理部51が、図1に示した直接
結合抑圧処理部50に適応フィルタ510と、第二の演
算処理手段511と、受話信号増幅手段20への入力信
号をデジタル信号へ変換するA/D変換器512と、発
振判定手段513と、発振判定手段513の出力信号を
アナログ信号へ変換するD/A変換器514とを設けて
構成される。
【0032】上記適応フィルタ510はマイクロフォン
の出力の比の特性を同定し、デジタル信号に変換された
第一の送話信号増幅手段21aの出力信号と同定された
上記の伝達関数とを畳み込み演算を行い、上記適応フィ
ルタ510の出力信号と第二の送話信号増幅手段21b
の出力信号との差分を上記第二の演算処理手段511に
より求める。
【0033】上記発振判定手段513は、演算処理手段
511の出力信号とデジタル信号に変換された受話信号
増幅器20の入力信号との振幅の比に基づいて、発振の
可能性を判定し、上記D/A変換器514が、発振判定
手段513から出力される判定信号をアナログ信号へ変
換して、音声スイッチ1へ出力する。上記適応フィルタ
510の係数は、第二の演算処理手段511の出力信号
が最小となるようなアルゴリズムにより適応更新される
適応フィルターであり、その次数は、フィルタ502に
比べ、はるかに低いものを使用する。
【0034】ここで、系が発振状態でなく、通話が正常
に行われている場合には、2個のマイクロフォン31
a、31bの出力信号のスペクトルには際立ったピーク
は存在しない。この場合、演算処理手段511の出力信
号を小さくするためには、適応フィルタ510が広帯域
に渡って一様に同定誤差を小さくする必要があるが、同
定すべき系のインパルス応答長に対して適応フィルタ5
10の次数がはるかに低いため同定誤差が大きく、受話
信号と第二の演算処理手段511の出力信号との比は大
きい。
【0035】これに対して、系が発振する直前の状態で
は、受話信号及びマイクロフォン31a、31bの出力
信号のスペクトルには狭帯域に鋭いピークが存在する。
この場合、ピークの存在する周波数付近の狭帯域におい
て同定誤差を小さくすることにより、誤差信号の時間波
形の振幅は大幅に小さくできる。同定すべき系の周波数
応答のごく限られた帯域にある振幅、位相特性を同定す
ることは、次数の低い適応フィルタ510でも可能であ
り、演算処理手段511の出力信号のスペクトルにおけ
るピークの振幅が小さくなり、受話信号と第二の演算処
理手段511の出力信号との比は小さくなる。
【0036】従って、発振判定手段513は、受話信号
と演算処理手段511の出力信号の振幅を監視し、その
比が予め定められた所定の値よりも大きい場合は、正常
な状態であると判定し、その比が予め定められた所定の
値よりも小さい場合は、発振する直前の状態であると判
定することができる。音声スイッチ1は、アナログ信号
に変換された発振判定手段からの判定結果に基づいて、
系が発振する直前の状態にある場合は、挿入損失量を正
常時よりも大きな値に変更する。
【0037】即ち、発振判定手段により、発振する直前
の状態であることを検出することができ、発振状態と判
定された時には、音声スイッチにおける挿入損失量を大
きな値に変更することにより発振を未然に防止すること
ができる。特に、急激に音響間接結合系が変化して、間
接結合成分が増大したような場合であっても、発振を防
止することができ、安定した動作を行うことができる。
【0038】請求項3に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置の一構成例を図6に示す。このハンズフリ
ー通話装置は、上記直接結合抑圧処理部50の演算処理
手段503の出力に、送話信号に含まれる発話音声、即
ち、通話者の音声の成分を補正するための歪み補正用フ
ィルタ8が設けられ、上記歪み補正用フィルタ8の出力
信号がD/A変換器504を介して音声スイッチ1へ入
力される。
【0039】通話者から2つのマイクロフォン31a、
31bまでの距離はほぼ等しいため、発話音声、即ち、
通話者の発する音声により2つのマイクロフォン31
a、31bの位置に生じる音圧は同位相、かつ、同振幅
となる。この音圧をPsとし、2つのマイクロフォン3
1aと31b、及び、2つの信号増幅器手段21aと2
1bの特性がそれぞれ等しく、マイクロフォン及び送話
信号増幅手段及びA/D変換器全体の伝達関数をHと
し、フィルタの伝達関数をWdとすると、直接結合抑圧
処理部51の出力信号に含まれる発話音声成分は、H
(1ーWd)Psとなる。
【0040】上記伝達関数Hの周波数特性は、通話帯域
において振幅はほぼ一定、位相は直線的な遅れ特性であ
るため、Hは単なる遅延要素とみなすことができる。し
かし、伝達関数Wdの周波数特性は、スピーカの形状及
び大きさ、通話装置の匡体の形状及び大きさ、並びに、
スピーカとマイクロフォンの配置等により決定されるも
のであるため、一般には通話帯域においても複雑であ
る。即ち、(1ーWd)は単なる遅延特性ではない。
【0041】従って、直接結合抑圧処理部50’により
発話音声成分に歪を生じることになる。上記歪み補正フ
ィルタ8は、この歪を補正するためのフィルタであり、
本実施例においては、デジタルフィルタとして構成され
るが、簡易的にアナログ素子により構成することもでき
る。この歪み補正フィルタによって、直接結合抑圧処理
により発話音声成分に生じた歪を補正することにより、
通話品質を向上させることができる。
【0042】請求項4に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置の一構成例を図7に示す。このハンズフリ
ー通話装置は、匡体3に取り付けられたスピーカ30及
び3個以上のマイクロフォン31a〜31nと、受話信
号を増幅してスピーカ30へ出力する増幅手段20と、
マイクロフォン31a〜31nの出力する送話信号をそ
れぞれ増幅する送話信号増幅手段21a〜21nと、演
算処理手段520により構成される直接結合抑圧処理部
52と、音声スイッチ1とにより構成される。
【0043】上記の各マイクロフォン31a〜31n
は、スピーカ30の中心からの距離が異なるように配置
され、それぞれの出力信号は、送話信号増幅手段21a
〜21nにより増幅されて、演算処理手段520で加算
され、音声スイッチ1へ入力される。スピーカ30から
各マイクロフォン31a〜31nまでの距離が異なるた
め、各マイクロフォン31a〜31nにより収音される
音波の直接結合成分の位相は、各マイクロフォンによっ
て異なる。一方、通話者からマイクロフォン31a〜3
1nまでの距離は、スピーカ30からマイクロフォン3
1a〜31nまでの距離に比べ十分に長いため、各マイ
クロフォン31a〜31nの出力する送話信号に含まれ
る通話者の発する音声の位相は等しくなる。
【0044】このため、各送話信号増幅手段21a〜2
1nの出力信号を演算処理手段520により加算する
と、その直接結合成分のみが互いに相殺されて減衰され
る一方、通話者の音声成分は増幅される。このようにし
て、直接結合抑圧処理部52により直接結合成分を抑圧
することができるため、音響結合処理部1は、主として
間接結合成分を抑圧することになる。
【0045】なお、上記の各マイクロフォン31a〜3
1nをスピーカ30の振動面の半径方向に一列に配置す
ることにより、収音特性に指向性をもたせることもでき
る。請求項6に記載した本発明によるハンズフリー通話
装置の一構成例を図8に示す。このハンズフリー通話装
置は、図1に示した直接結合処理部50の演算処理手段
503の出力に、フィルタ7が設けられ、上記フィルタ
7の出力信号がD/A変換器504を介して音声スイッ
チ1へ入力される。
【0046】上記フィルタ7は、演算処理手段503か
ら出力された送話信号の、送信すべき帯域として予め定
められた、所定の周波数成分のみを選択的に通過させる
デジタル・フィルタであり、上記所定の通過帯域は、人
間の音声帯域、スピーカの特性、通話帯域等を考慮して
決定される。上記フィルタ7により必要な周波数成分以
外の成分が除去されるため、マイクロフォンにより収音
される上記周波数帯域以外の雑音等の影響により、音声
スイッチ1が誤動作するのを防止でき、通話品質を向上
させることができる。
【0047】請求項5及び7に記載した本発明によるハ
ンズフリー通話装置の一構成例を図9に示す。このハン
ズフリー通話装置は、図1に示したハンズフリー通話装
置の送話信号増幅手段21a、21bの出力にそれぞれ
フィルタ7a、7bを設け、フィルタ7a、7bの出力
信号を直接結合抑圧処理部52の入力となるように構成
される。
【0048】また、音声スイッチ1’は、送話信号と所
定係数との乗算を行う第一の乗算処理手段11と、受話
信号と所定係数との乗算を行う第二の乗算処理手段12
と、上記送話信号と上記受話信号の信号レベルに基づい
て、上記乗算処理手段11、12において乗算される上
記の各係数を出力するレベル判定部10と、送話信号を
アナログ信号へ変換するD/A変換器13と、受話信号
をデジタル信号へ変換するA/D変換器14と、受話信
号をアナログ信号へ変換するD/A変換器15とにより
デジタル信号処理手段として構成される。
【0049】上記フィルタ7a、7bは、上記フィルタ
7と同様、送話信号の、送信すべき帯域として予め定め
られた、所定の周波数成分のみを選択的に通過させるフ
ィルタであり、アナログ・フィルタとして構成される。
従って、上記フィルタ7と同様、マイクロフォンにより
収音される上記周波数帯域以外の雑音等の影響により、
音声スイッチ1が誤動作するのを防止でき、通話品質を
向上させることができる。
【0050】また、通常、A/D変換の前処理として、
エリアシングを防止するためのローパスフィルタが必要
となるが、上記フィルタ7a、7bの出力信号が、A/
D変換器500、501のサンプリング周波数fsの半
分、即ち、fs/2以上の周波数成分を含まなければ、
ローパスフィルタが不要となる。この様子を図10
(a)〜(e)に示す。図10(a)は、マイクロフォ
ン31a、31bの出力信号の周波数スペクトルの一例
であり、図10(b)は、ローパスフィルタの周波数特
性を示し、図10(d)は、フィルタ7a、7bの周波
数特性の一例を示す図である。
【0051】この場合の上記ローパスフィルタの出力信
号を図10(c)に示し、フィルタ7a、7bの出力信
号を図10(e)に示す。図10(e)の周波数スペク
トルに示すように、フィルタ7a、7bの出力信号が、
fs/2以下の成分のみならば、フィルタ7a、7bは
エリアシング防止の機能を兼ね備えて、ローパスフィル
タが不要となる。
【0052】次に、音声スイッチ1’は、レベル判別部
10が受話信号と送話信号の信号レベルを監視し、受話
信号のレベルが送話信号に比べて高い場合は、送話信号
の乗算係数を減少させ、或は、受話信号の乗算係数を増
加させ、送話信号のレベルが受話信号に比べ高い場合
は、受話信号の乗算係数を減少させ、或は、送話信号の
乗算係数を増加させる。即ち、デジタル信号処理によ
り、アナログの音声スイッチと同様の動作を行うことが
できる。
【0053】従って、直接結合抑圧処理部52と音声ス
イッチ1’がともに、デジタル信号処理装置、即ち、D
SPにより実現することができ、アナログの音声スイッ
チを使用する場合に比べ、部品点数を減少させることが
でき、ハウリングを抑圧できるハンズフリー通話装置を
安価に提供することができる。本発明の効果を確認する
ための実験及びその結果について、以下に説明する。従
来のエコーキャンセラ方式を使用した場合の直接結合抑
圧特性を図11に示し、本発明による方式を使用した場
合の直接結合抑圧特性を図12に示す。また、図11の
測定に使用した装置の構成を図13に示し、図12の測
定に使用した装置の構成を図14に示す。
【0054】図13に示した従来の装置は、適応フィル
タ、減算手段、A/D変換器及びD/A変換器により構
成されるエコーキャンセラであり、減算手段の出力信号
に含まれる音響結合成分が最小となるようにフィルタの
係数が適応更新された。一方、図14に示した本発明に
よる装置は、図1に示した装置と同様に構成され、既に
説明したように、減算手段の出力信号に含まれる直接結
合成分が最小となるようにフィルタの係数が適応更新さ
れた。
【0055】このようにして、適応更新された両装置を
無音響室内で受話信号として白色雑音発振器の出力信号
をA/D変換器13へ供給し、その時にD/A変換器1
4から出力される送話信号をFFTアナライザにより観
測した。図11及び図12は、各装置の上記適応フィル
タを、タップ数が16タップ、32タップ、64タップ
のフィルタとしてそれぞれ構成し、係数の適応更新を行
って係数が収束した後に、出力される送話信号に含まれ
る直接結合成分の周波数特性を示している。なお、サン
プリング周波数は8kHz、エリアシング防止用ローパ
スフィルタのカットオフ周波数は3kHzとした。
【0056】これらの測定結果により理解される通り、
同程度の直接結合の抑圧効果を得るために必要とされる
フィルタの次数は、本発明による方式が、従来の方式の
1/4以下にまで低減されていることが示された。
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載した本発明によるハンズ
フリー通話装置は、音響結合抑圧処理部のフィルタが、
スピーカから2つのマイクロフォンへの音響結合系のイ
ンパルス応答の差分を同定すればよいため、音響結合系
全体のインパルス応答を同定する従来のエコーキャンセ
ラ方式の通話装置に比べ、フィルタの次数を大幅に低減
することができる。即ち、ハウリング抑圧のための信号
処理ハードウエアに求められる演算処理速度の性能が、
従来のエコーキャンセラ方式に比べ大幅に緩和される。
【0058】また、音響結合成分の大部分を占める直接
結合成分を直接結合抑圧処理部により十分に除去するこ
とができるため、周囲の環境等の変化により間接結合成
分が変動した場合であっても、安定した処理を行うこと
ができる。従って、通話時に切断感を感じたり、受話ブ
ロッキングを生じることもなく、双方向同時通話が可能
なハンズフリー通話装置を安価に提供することができ
る。
【0059】請求項2に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、発振の可能性を判定する機能を有し、
系が発振する直前の状態の場合には、音声スイッチにお
ける挿入損失量を大きな値に変更することにより、発振
を未然に防止することができる。特に、急激に音響間接
結合系が変化して、間接結合成分が増大したような場合
であっても、発振を防止することができ、安定した動作
を行うことができるため、安定的かつ効果的にハウリン
グを抑圧できるハンズフリー通話装置を提供することが
できる。
【0060】請求項3に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、歪み補正手段を設けることにより、直
接結合抑圧処理によって生じた発話音声の歪を補正する
ことができ、通話品質を向上することができる。請求項
4に記載した本発明によるハンズフリー通話装置は、ス
ピーカからの距離の異なる3個以上のマイクロフォンの
出力信号の加算により、抑圧処理を行うことができるた
め、簡単な構成によりハウリングを抑圧することができ
る。即ち、ハウリングを抑圧できるハンズフリー通話装
置を安価に提供することができる。
【0061】請求項5に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、音声スイッチがデジタル信号処理によ
り実現されることにより、直接結合抑圧処理部と音声ス
イッチがともに、デジタル信号処理装置、いわゆるDS
Pにより実現することができ、アナログの音声スイッチ
を使用する場合に比べ、部品点数を減少させることがで
き、ハウリングを抑圧できるハンズフリー通話装置を安
価に提供することができる。
【0062】請求項6に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、所定の帯域のみを通過させるアナログ
・フィルタを設けることにより、音声スイッチが抑圧す
べき音響結合成分の帯域を限定することができるため、
通話時の切断感や受話ブロッキングの発生を低減するこ
とができる。また、通話帯域以外の周囲雑音をカットす
ることができ、S/N比が改善されて、通話品質を向上
させることができる。
【0063】請求項7に記載した本発明によるハンズフ
リー通話装置は、上記と同様の効果を有するとともに、
A/D変換器の前段に設けられているため、エリアシン
グを防止するためのエリアシング防止フィルタとしての
機能させることができ、通常、エリアシング防止フィル
タとして用いられるローパスフィルタを削減できるため
より効果的に音響結合成分を抑圧するとともに、通話品
質を向上させたハンズフリー通話装置を安価に提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した本発明によるハンズフリー
通話装置の一構成例を示す図である。
【図2】直接結合抑圧処理部のフィルタの係数を同定す
るための一構成例を示す図である。
【図3】フィルタのインパルス応答の一例を示す図であ
る。
【図4】図3の説明のためのハンズフリー通話装置の概
略を示すブロック図である。
【図5】請求項2に記載した本発明によるハンズフリー
通話装置の一構成例を示す図である。
【図6】請求項3に記載した本発明によるハンズフリー
通話装置の一構成例を示す図である。
【図7】請求項4に記載した本発明によるハンズフリー
通話装置の一構成例を示す図である。
【図8】請求項6に記載した本発明によるハンズフリー
通話装置の一構成例を示す図である。
【図9】請求項5及び7に記載した本発明によるハンズ
フリー通話装置の一構成例を示す図である。
【図10】送話信号の周波数スペクトル及びフィルタの
周波数特性の一例を示す図である。
【図11】従来の方式を使用した場合の観測結果を示す
図である。
【図12】本発明による方式を使用した場合の観測結果
を示す図である。
【図13】図11の観測に使用した装置の構成を示す図
である。
【図14】図12の観測に使用した装置の構成を示す図
である。
【図15】音声スイッチの一構成例を示すブロック図で
ある。
【図16】音声スイッチの特性を示す図である。
【符号の説明】
1、1’ ・・・音声スイッチ 50、50’51、52・・・直接結合抑圧処理部 502、7、7a、7b・・・フィルタ 510 ・・・適応フィルタ 3 ・・・匡体 30 ・・・スピーカ 31a、31b ・・・マイクロフォン 20 ・・・受話信号増幅手段 21a、21b ・・・送話信号増幅手段 503、511 ・・・演算処理手段 513 ・・・発振判定手段 8 ・・・歪み補正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田蔵 香子 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受話信号を音声へ変換して出力するスピー
    カと、送話音声を電気信号へ変換して出力するマイクロ
    フォンが同一匡体内に取り付けられ、スピーカからマイ
    クロフォンへ至る音響結合に起因するハウリングを抑圧
    する音声スイッチを備えた通話装置において、 上記マイクロフォンが、スピーカに近い位置に配置され
    た第一のマイクロフォンとスピーカから遠い位置に配置
    された第二のマイクロフォンで構成され、 第一のマイクロフォンの出力信号を増幅する第一の送話
    信号増幅手段と、 第二のマイクロフォンの出力信号を増幅する第二の送話
    信号増幅手段と、 上記スピーカへの入力信号を増幅する受話信号増幅手段
    とを備え、 送話信号に含まれ、スピーカを介してマイクロフォンへ
    直接的に回り込む音声成分を抑圧する直接結合抑圧処理
    部を上記音声スイッチの前段に設け、 上記直接結合抑圧処理部が、上記第一の送話信号増幅手
    段の出力信号と予め同定されたスピーカから直接的に各
    マイクロフォンへ至る音響直接伝搬系の伝達関数の比を
    表す伝達関数とを畳み込み演算するフィルタと、 上記フィルタの出力信号と上記第二の送話信号増幅手段
    の出力信号との差分を求める演算処理手段とにより構成
    されることを特徴とするハンズフリー通話装置。
  2. 【請求項2】上記直接結合抑圧処理部に、 上記マイクロフォンの出力の比の特性を同定し、上記第
    一の送話信号増幅手段の出力信号と上記同定された伝達
    関数とを畳み込み演算を行う適応フィルタと、 上記適応フィルタの出力信号と第二の送話信号増幅手段
    の出力信号との差分を求める演算処理手段と、 上記演算処理手段の出力信号と上記受話信号増幅器の入
    力信号とに基づいて、発振の可能性を判定する発振判定
    手段とを設け、 上記音声スイッチが、上記発振判定手段の出力する判定
    結果に基づいて、その減衰量を変化させる音声スイッチ
    として構成されることを特徴とする請求項1に記載のハ
    ンズフリー通話装置。
  3. 【請求項3】上記直接結合抑圧処理部の出力に、送話信
    号に生じる歪みを補正するための歪み補正手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のハンズフリー
    通話装置。
  4. 【請求項4】受話信号を音声へ変換して出力するスピー
    カと、送話音声を電気信号へ変換して出力するマイクロ
    フォンが同一匡体内に取り付けられ、スピーカからマイ
    クロフォンへ至る音響結合に起因するハウリングを抑圧
    する音声スイッチを備えた通話装置において、 上記マイクロフォンが、スピーカからの距離が異なるよ
    うに配置された3個以上のマイクロフォンにより構成さ
    れ、 上記の各マイクロフォンに対応して設けられ、各マイク
    ロフォンからの出力信号をそれぞれ増幅する3個以上の
    送話信号増幅手段と、 上記スピーカへの入力信号を増幅する受話信号増幅手段
    とを備え、 送話信号に含まれ、スピーカを介してマイクロフォンへ
    直接的に回り込む音声成分を抑圧する直接結合抑圧処理
    部を上記音声スイッチの前段に設け、 上記直接結合抑圧処理部が、上記送話信号増幅手段の出
    力信号の総和を求める演算処理手段により構成されるこ
    とを特徴とするハンズフリー通話装置。
  5. 【請求項5】上記音響結合抑圧処理部の上記音声スイッ
    チが、 受話信号と所定係数との乗算を行う第一の乗算処理手段
    と、 送話信号と所定係数との乗算を行う第二の乗算処理手段
    と、 上記受話信号と上記送話信号の信号レベルに基づいて、
    上記乗算処理手段において乗算される各係数を出力する
    レベル判定部とを備えたデジタル信号処理手段により構
    成される請求項1から4に記載のハンズフリー通話装
    置。
  6. 【請求項6】上記直接結合抑圧処理部の出力に、出力さ
    れた送話信号の、送信すべき帯域として予め定められ
    た、所定の周波数成分のみを選択的に通過させるフィル
    タを設けたことを特徴とする請求項1から5に記載のハ
    ンズフリー通話装置。
  7. 【請求項7】上記送話信号増幅手段の出力に、出力され
    た送話信号の、送信すべき帯域として予め定められた、
    所定の周波数成分のみを選択的に通過させるフィルタを
    それぞれ設けたことを特徴とする請求項1から5に記載
    のハンズフリー通話装置。
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