JPH08220117A - 部材のシール構造 - Google Patents

部材のシール構造

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Publication number
JPH08220117A
JPH08220117A JP2144595A JP2144595A JPH08220117A JP H08220117 A JPH08220117 A JP H08220117A JP 2144595 A JP2144595 A JP 2144595A JP 2144595 A JP2144595 A JP 2144595A JP H08220117 A JPH08220117 A JP H08220117A
Authority
JP
Japan
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housing
cover body
electromagnetic pickup
electromagnetic
exposed
Prior art date
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Pending
Application number
JP2144595A
Other languages
English (en)
Inventor
Taku Kobayashi
卓 小林
Hironari Matsubara
宏成 松原
Tatsuya Kagaya
達也 加賀屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH08220117A publication Critical patent/JPH08220117A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はハウジングの外部に露出される部材
の周囲に適当なシール性を確保する必要がある場合に好
適な部材のシール構造に関し、部品点数の削減と、生産
性の向上とを実現することを目的とする。 【構成】 ボビン14に巻き線16を施して電磁コイル
12を形成する。一端に電磁ピックアップ部28aを備
えるヨーク28を電磁コイル12の中空部に挿入する。
ヨーク14の電磁ピックアップ部28近傍を取り巻くシ
ール部22aを備え、かつ電磁コイル12の外周を取り
巻く熱可塑性エラストマ製のカバー体22を設ける。ハ
ウジング30を、カバー体22の融点を一時的に超える
温度で、かつ電磁ピックアップ部28aが外部に露出す
るように射出成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部材のシール構造に係
り、特に、電磁ピックアップセンサにおける電磁ピック
アップ部の如く、ハウジングの外部に露出される部材の
周囲に適当なシール性を確保する必要がある場合に好適
な部材のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の車輪速センサ等を構
成するセンサとして、電磁ピックアップセンサが知られ
ている。この電磁ピックアップセンサは、一端を電磁ピ
ックアップ部とするヨークを電磁コイルの中央に配設し
てなる構成であり、電磁ピックアップ部の近傍で生ずる
磁気抵抗の変化を電気信号として検出するセンサであ
る。
【0003】ここで、上述した車輪速センサは、外周上
に凹凸を有する磁性ロータと、ロータ近傍に配設される
電磁ピックアップセンサとで構成される。すなわち、ロ
ータは、その外周に凹凸を備え、かつ、磁性体で構成さ
れている。この場合、車輪が回転すると、電磁ピックア
ップ部近傍における磁気抵抗が周期的に変化することに
なり、電磁ピックアップセンサからは、車速に応じた周
期でパルス信号が出力されることになる。
【0004】ところで、上記の如く電磁ピックアップセ
ンサは、ヨークの一端に形成した電磁ピックアップ部の
近傍に生ずる磁気抵抗の変化を検出するセンサである。
従って、電磁コイル等をハウジングに収納する構成を採
用する場合でも、ヨークの電磁ピックアップ部だけは必
ず外部に露出させる必要がある。
【0005】一方、電磁ピックアップセンサを上述した
車輪速センサ等として用いる場合には、種々の制約か
ら、電磁ピックアップ部周辺を外気から隔絶することが
困難な場合がある。このため、かかる状況下で使用され
る電磁ピックアップセンサについては、電磁ピックアッ
プ部周辺に適当な防水性が要求されることになる。
【0006】これに対して、例えば特開平2−1266
1号公報には、ヨーク及び電磁コイルを、ヨーク先端の
貫通を許容する貫通孔を備えるハウジング内に収納する
と共に、貫通孔周辺のシール性をOリングによって確保
する電磁ピックアップセンサが開示されている。
【0007】すなわち、この電磁ピックアップセンサ
は、ハウジングとヨーク先端との間にOリングを介在せ
しめ、Oリングに程度な弾性変形が生ずるように各構成
部品を組み付けることで、必要なシール構造を実現しよ
うとするものである。この場合、Oリングに適切な弾性
変形が付与できれば、ハウジングとヨークとの間に適度
なシール性を確保することができ、電磁コイル周辺への
水分の侵入を防止することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の電
磁ピックアップセンサは、予めハウジングを電磁コイル
等とは別個独立に成形し、その内部にOリングと電磁コ
イル等を順次組み付ける構成である。従って、例えば射
出成形等によりハウジングを電磁コイル等の外部にモー
ルド成形する構成に比べると、必ずしも組み付け作業性
が良好ではない。
【0009】これに対して、ハウジングを射出成形、ポ
ッティング等によりモールド成形する技術は従来より広
く知られているが、モールド成形の過程では、Oリング
に適当な弾性変形を付与することが困難である。また、
一般にOリングは熱に弱いため、Oリングを配設した状
態でモールド成形を行った場合、成形時の熱によりOリ
ングに変質が生ずる場合がある。このため、電磁ピック
アップ部等の露出部を備える内部部材のハウジングを、
モールド成形で形成しようとした場合、露出部周辺のシ
ール性をOリングで確保することは困難である。
【0010】更に、電磁コイルの外周に、モールド成形
によってハウジングを成形する場合、電磁コイルの巻き
線の外周に更にテープ等を巻いて巻き線の保護を図る構
成が公知であるが、かかる処理が必要であるとすれば、
組み付け工程の増設、部品点数の増加等の弊害が伴うこ
とになる。
【0011】また、電磁コイル等の内部部材を射出成形
によりモールドする場合、モールド成形時には、内部部
材を成形金型内で適当に保持する必要がある。このた
め、一回のモールド成形によって内部部材を完全に被覆
することは不可能であり、内部部材において成形金型内
で保持されていた部位については、モールド成形後に
も、ハウジングから露出した状態となる。従って、単に
電磁コイルの外周をモールドしてハウジングを設けるだ
けでは、露出する保持部位において適切なシール性を得
ることができず、内部部材全体として防水性が要求され
るような場合には、所望の防水性を確保することができ
ないという問題も生ずる。
【0012】このように、上記従来の電磁ピックアップ
センサが採用する部材のシール構造は、内部部材のハウ
ジングをモールド成形する場合には、種々の問題を生
じ、かかる場合におけるシール構造としては不適切なも
のであった。本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ハウジングの外部に露出される露出部の周辺等
を、熱可塑性エラストマ、又は接着性のある熱可塑性樹
脂よりかるカバー体で被覆し、そのカバー体とその周辺
部材とを溶着させることにより、上記の課題を解決する
部材のシール構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、外部に露出される露出部を有する内部
部材と、熱可塑性エラストマよりなり、前記露出部を取
り巻くシール部を備えるカバー体と、該カバー体の融点
を一時的に越える温度でモールド成形され、前記露出部
を外部に露出させた状態で前記内部部材を被覆するハウ
ジングと、を備える部材のシール構造により達成され
る。
【0014】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
外部に露出される露出部を有する内部部材と、接着製の
ある熱可塑性樹脂よりなり、前記露出部を取り巻くシー
ル部を備えるカバー体と、該カバー体の融点を一時的に
越える温度でモールド成形され、前記露出部を外部に露
出させた状態で前記内部部材を被覆するハウジングと、
を備える部材のシール構造によっても達成される。
【0015】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、上記請求項1又は2記載の部材のシール構造にお
いて、前記内部部材は、ボビンに導線を巻回して形成さ
れる、中空部を有する電磁コイルと、一端に電磁ピック
アップ部を備える磁性部材であって、前記電磁コイルの
中空部に挿入されるヨークとを有するセンサ本体であ
り、前記露出部は、前記ヨークの電磁ピックアップ部で
ある部材のシール構造によっても達成される。
【0016】更に、上記の目的は、請求項4に記載する
如く、上記請求項3記載の部材のシール構造において、
前記カバー体は、前記電磁コイルの外周を覆うように成
形されている部材のシール構造によっても達成される。
【0017】そして、上記の目的は、請求項5に記載す
る如く、上記請求項1又は2記載の部材のシール構造に
おいて、前記内部部材は、ボビンに導線を巻回して形成
される、中空部を有する電磁コイルと、一端に電磁ピッ
クアップ部を備える磁性部材であって、前記電磁コイル
の中空部に挿入されるヨークとを有するセンサ本体であ
り、前記露出部は、前記センサ本体に接続されたワイヤ
ハーネスであることを特徴とする部材のシール構造。
【0018】
【作用】請求項1記載の発明において、露出部の周囲
は、熱可塑性エラストマからなるカバー体のシール部に
取り囲まれている。従って、露出体とカバー体との間に
は、熱可塑性エラストマの弾性に起因して適当なシール
性が確保される。また、内部部材は、カバー体と共にハ
ウジングによって被覆される。この際、ハウジングが、
カバー体の融点を一時的に超える温度でモールド成形さ
れるため、カバー体とハウジングとはモールド成形の過
程で互いに溶着し、両者間に適当なシール性が確保され
る。従って、カバー体と露出部との間、及びカバー体と
前記ハウジングとの間には、共に適当なシール性が確保
されることになる。
【0019】請求項2記載の発明において、露出部の周
囲は、接着性のある熱可塑性樹脂からなるカバー体のシ
ール部に取り囲まれている。この場合、露出体とカバー
体との間には、カバー体が露出体に接着することに起因
して適当なシール性が確保される。また、内部部材は、
カバー体と共にハウジングによって被覆される。この
際、ハウジングが、カバー体の融点を一時的に超える温
度でモールド成形されるため、カバー体とハウジングと
はモールド成形の過程で互いに溶着し、両者間に適当な
シール性が確保される。従って、カバー体と露出部との
間、及びカバー体とハウジングとの間には、共に適当な
シール性が確保されることになる。
【0020】請求項3記載の発明において、電磁コイル
は、その中空部に挿入されたヨークを貫通する磁束が変
化した際に、磁束の変化量に応じた起電力を発する。ま
た、ヨークは、その一端に電磁ピックアップ部を備えて
いる。従って、電磁ピックアップ部近傍の磁界が変化す
ると、電磁コイルから、その変化に対応した電気信号を
出力される。ところで、本発明において、電磁コイルと
ヨークは、ハウジングに被覆される内部部材を構成す
る。また、ヨークの電磁ピックアップ部は、ハウジング
から露出する露出部を構成する。この場合、電磁ピック
アップ部は、その周辺において適当なシール性を確保し
つつハウジング外部に露出されることになる。
【0021】請求項4記載の発明において、カバー体
は、ヨークの電磁ピックアップ部を取り巻くと共に、電
磁コイルの外周を被覆する。この場合、カバー体のうち
電磁コイルの外周を被覆する部分は、ハウジングをモー
ルド成形する際に電磁コイルの巻き線を保護する膜とし
て機能する。更に、ハウジングをモールド成形する場
合、成形金型内で電磁コイルを保持する必要があるた
め、電磁コイルを被覆するカバー体の一部はモールド成
形されたハウジングの外部に露出することになるが、か
かる部位においてもカバー体とハウジングとは溶着して
いる。このため、電磁コイルの巻き線を適切に保護し、
かつ、センサ本体の周辺において適切なシール性を確保
しつつ、モールド成形によりハウジングを成形すること
が可能となる。
【0022】請求項5記載の発明において、電磁コイル
は、その中空部に挿入されたヨークを貫通する磁束が変
化した際に、磁束の変化量に応じた起電力を発する。こ
の起電力は、一端がセンサ本体内部で電磁コイルに接続
され、かつ、他端がセンサ本体から導き出されたワイヤ
ハーネスを介して、電気信号として出力される。これに
対して、本発明においては、センサ本体が内部部材を構
成すると共に、ワイヤハーネスが露出部を構成する。従
って、ワイヤハーネスがセンサ本体から露出する部位の
周辺において適当なシール性が確保されることになる。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である部材のシー
ル構造を採用する電磁ピックアップセンサ10の構成を
表す正面断面図を示す。同図において電磁コイル12
は、ボビン14の外周に巻き線16を形成することで構
成される。
【0024】ボビン14は、熱可塑性樹脂を図1に示す
如く中空部を有する形状に射出成形して形成される。ボ
ビン14には、その内部にマグネット18が取り付けら
れると共に、その上部に2つのターミナル20が固定さ
れる(図1には一方のみを示す)。巻き線16は、ボビ
ン14の周囲に所定回数巻回された導線により形成さ
れ、その両端が2つのターミナル20のそれぞれに抵抗
溶接される。
【0025】電磁コイル12は、ターミナル20の固定
部、及びボビン14が有する中空部の一部を除きカバー
体22に被覆されている。カバー体22は、熱可塑性エ
ラストマを電磁コイル12の周囲に射出成形することで
構成される。尚、以下の説明においては、カバー体22
を成形する処理を1次成形と称す。
【0026】図2は、カバー体22に被覆された電磁コ
イル12の下端部付近を拡大して表したものである。同
図に示す如く、カバー体22はボビン14の中空部に回
り込んで形成されている。そして、その回り込み部分に
は、断面が半円形状をなすシール部22aが環状に設け
られている。
【0027】ところで、本実施例においては、カバー体
22を射出成形する際にいわゆる親子取りの手法でカバ
ー体22と同一の熱可塑性エラストマからなるグロメッ
ト24を成形し、そのグロメット24を、図1に示す如
くワイヤハーネス26の外周にはめ込むこととしてい
る。
【0028】グロメット24は、最終的にワイヤハーネ
ス26周辺におけるシール性を確保すべく用いられる部
材であり、図3に示す如く、その内周に、断面が半円形
状をなす複数のシール部24a,24bを環状に備えて
いる。尚、シール部24a,24bの数は、2本に限る
ものではなくより多くの数に設定してもよい。
【0029】グロメット24に挿通されるワイヤハーネ
ス26は、図1に示す如くその内部に2本の信号線26
a,26bを備えている。これらの信号線26a,26
bは、2つのターミナル20のそれぞれに対して抵抗溶
接され、一方、グロメット24は、かかる状況下で電磁
コイル12に対して正規の位置関係となるように挿通位
置が調整される。
【0030】また、電磁コイル12の中空部には、図1
における下端側から、円筒状のヨーク28が、その上端
がマグネット18に当接するように圧入されている。ヨ
ーク28は、その下端に電磁ピックアップ部28aを有
する磁性部材であり、ボビン14の中空部とほぼ同径
に、かつカバー体22のシール部22aの内径より僅か
に大径に設けられている。従って、図1に示す如くヨー
ク28が電磁コイル12の中空部に圧入された状態にお
いては、シール部22aが適当に弾性変形し、カバー体
22とヨーク28との間に適当なシール性が確保された
状態となる。
【0031】尚、本実施例においては、熱可塑性エラト
マとしてポリエステル系樹脂である東レハイトレル25
51(商品名)、及び東レハイトレル4057(商品
名)(何れも融点163℃)の混合材を用い、成形温度
235℃でカバー体22及びグロメット24を射出成形
している。
【0032】かかる構成によれば、カバー体22、及び
グロメット24のシール部22a,24a,24bに適
度な弾性を付与することができ、電磁ピックアップセン
サ10においてワイヤーハーネス26とグロメット24
との間に要求される防水性、及びヨーク28と電磁コイ
ル12との間に要求される防水性を、共に適切に確保す
ることができる。
【0033】また、カバー体22に被覆された電磁コイ
ル12、及びターミナル20に固定されたワイヤハーネ
ス26及びグロメット24の外周は、射出成形によって
成形されるハウジング30によって被われている。尚、
以下の説明においては、ハウジング30の成形処理を2
次成形と称す。
【0034】すなわち、カバー体22及びグロメット2
4を形成するための熱可塑性エラストマによる1次成形
が終了し、次いで上述したワイヤハーネス26の固定処
理が終了したら、電磁コイル12及びグロメット24等
は、共に2次成形用の金型内にセットされる。そして、
本実施例においては、上述した熱可塑性エラストマと同
系のポリエステル系の熱可塑性樹脂である、東レPBT
5101G−30(商品名)(融点224℃)を用い
て、成形温度255℃で2次成形を行う。
【0035】この場合、2次成形の温度が1次成形され
る熱可塑性エラストマの融点(163℃)を超えている
ため、2次形成の過程で、カバー体22及びグロメット
24の表面が溶解する。そして、1次成形の樹脂と、2
次成形の樹脂とが、共に同系のポリエステル系であるこ
とと相まって、ハウジング30の成形過程で、ハウンジ
ング30の内面とカバー体22及びグロメット24の表
面とが強固に溶着し、両者間に安定した結合状態が形成
される。
【0036】また、電磁ピックアップセンサ10は、ハ
ウジング30の外部に、電磁ピックアップセンサ10を
所定の位置に固定するために用いるステー32を備えて
いる。ステー32には、ボルト締めに対する補強のた
め、金属カラー34が嵌挿されている。すなわち、電磁
ピックアップセンサ10の組み付けは、金属カラー34
の内部にボルトを挿入し、そのボルトを用いたボルト締
めにより行われる。
【0037】ところで、電磁ピックアップセンサ10
は、電磁ピックアップ部28a近傍における磁界の変化
を検出するセンサである。つまり、電磁ピックアップセ
ンサ28は、例えば外周の全周に凹凸状の磁性体が配設
されたロータ、又は外周の一部のみが磁性体で形成され
たロータに、その電磁ピックアップ部28aを対向させ
た状態で用いられる。
【0038】かかる状況においては、ロータが回転する
と、その回転に伴って電磁ピックアップ部28aの近傍
を、ロータが備える磁性体が通過する。そして、そのよ
うに磁性体が通過すると、電磁ピックアップ部28a近
傍における磁気の状態が一時的に変化し、マグネット1
8の起磁力に起因してヨーク28内を貫通していた磁束
の量に変動が生ずる。
【0039】この場合、電磁コイル12には、磁束の変
化に応じた誘導起電力が発生し、その結果、電磁ピック
アップセンサ10の信号線26a,26b上には、ロー
タの回転に応じたパルス状の電気信号が供給される。こ
の際、電磁ピックアップ部28aは、その近傍における
磁界の状態変化を検出するため、ハウジング30の外部
に露出させる必要がある。一方、例えば電磁ピックアッ
プセンサ10を自動車の車輪速センサ等として用いる場
合には、電磁ピックアップセンサ10が外気中にさらさ
れることから、電磁ピックアップ部28a等、ハウジン
グ30から露出される部位の周辺に適切なシール性が要
求されることは前記した通りである。
【0040】これに対して、本実施例の電磁ピックアッ
プセンサ10は、上述の如く、電磁ピックアップ部28
aの近傍において、カバー体22とヨーク28との間、
及びカバー体22とハウジング30との界面に適当なシ
ール性を有している。また、グロメット24の周辺にお
いて、その内周とワイヤハーネス26の外皮との間、及
びグロメット24とハウジング30との界面に適当なシ
ール性を有している。この場合、電磁ピックアップセン
サ10の周囲には、外気中の水分の侵入が許容される部
位が存在しないことになり、電磁ピックアップセンサ1
0を自動車の車輪速センサ等として用いる場合に要求さ
れるシール性が十分に満たされることになる。
【0041】尚、ハウジング30を予め成形し、その後
Oリング等のシール材を介して電磁コイル12やグロメ
ット24を組み付ける構成とすれば、所望のシール性を
確保することはできるが、本実施例の構成に比して組み
付けるべき部品点数が多く、従って組み付け工程の数が
多くなる。この意味で、本実施例の電磁ピックアップセ
ンサ10は、少ない部品点数により、良好な生産性の下
に、所望の防水性を確保することができるという利益を
有していることになる。
【0042】ところで、電磁コイル12の外周において
射出成形等のモールド成形を行う場合、電磁コイル12
の巻き線16の断線防止について配慮する必要がある。
このため、電磁ピックアップセンサ10におけるカバー
体22に相当する部材が存在しない場合には、ハウジン
グ30のモールド成形に先立って、巻き線16の周囲に
テープ等を巻き回して保護膜を形成する必要がある。
【0043】これに対して、本実施例の如く巻き線16
の外周が、予めカバー体22に被覆される構造において
は、カバー体22が適当な弾性を有していることと相ま
って、何ら特別の保護膜を加設することなく、2次成形
時の射出圧等から適切に巻き線16を保護することがで
きる。この意味で、本実施例の電磁ピックアップセンサ
10は、保護部材の加設に基づく部品点数、及び作業工
程の増加を防止し得るという利益を有していることにな
る。
【0044】また、巻き線16の熱膨張係数とハウジン
グ30の熱膨張係数とは同一ではない。このため、電磁
ピックアップセンサ10の環境温度が変化すれば、巻き
線16には、ハウジング30との熱膨張差に起因する応
力が付与される。従って、電磁ピックアップセンサ10
の経時変化としては、繰り返しその応力が付与されるこ
とによる巻き線16の断線も想定される。しかしなが
ら、本実施例においては、巻き線16の外周がカバー体
22に被覆されているため、巻き線16の受ける応力が
緩和されている。このため、電磁ピックアップセンサ1
0によれば、ハウジング30との熱膨張差に起因する巻
き線16の断線をも防止し得るという利益を得ることが
できる。
【0045】ところで、電磁コイル12の外周にハウジ
ング30を2次成形して図1に示す構造を実現するため
には、2次成形を行うにあたり、2次成形用の成形金型
内で電磁コイル12等を適切に保持する必要がある。こ
のため、本実施例においては、図4(A),(B)に示
す如くカバー体22の外周に、8か所の突起22b〜2
2iを設け、それらの突起22b〜22iを保持部とし
て、電磁コイル12等を金型内部にセットすることとし
ている。
【0046】この場合、突起部22b〜22iは、図4
に示す如くハウジング30の外部に露出することにな
り、突起部22b〜22iとハウジング30との間が溶
着していないとすれば、それらの部位において適切なシ
ール性が確保できず、電磁ピックアップセンサ10内部
への浸水が阻止できない事態を生ずる。
【0047】これに対して、本実施例の電磁ピックアッ
プセンサ10は、上述の如く、カバー体22をその外周
全域において、すなわち、突起部22b〜22iの周囲
を含む全域においてハウジング30と溶着させるシール
構造を採用している。このため、電磁ピックアップセン
サ10においては、突起部22b〜22iがハウジング
30から露出しているにも関わらず、それらの周囲にお
いて良好なシール性が確保されている。この意味で、電
磁ピックアップセンサ10が採用するシール構造は、2
次成形時における金型内での電磁コイル12等の保持性
等をも含めて、ハウジング30のモールド成形化と所望
のシール性の確保とを両立し得る構造であることにな
る。
【0048】尚、本実施例においては、2次成形金型の
形状を簡単化する観点から、カバー体22側に突起部2
2b〜22iを設けているが、カバー体22を単なる円
筒形状とし、2次成形金型側にカバー体22を保持する
突起部を設ける構成としても、同様の効果を得ることが
できる。
【0049】また、上記実施例において、ハウジング3
0は、射出成形により成形することとしているが、モー
ルド成形の手法はこれに限るものではなく、例えばポッ
ティング等によっても同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施例は、1次成形用熱可塑性エラストマ、
及び2次成形用熱可塑性樹脂として、共にポリエステル
系樹脂を用いているが、それらの材料としては、その他
にもナイロン系、ウレタン系、スチレン系、オレフィン
系、アミド系、アイオノマー、加硫ゴム、プラスチック
等の材料が適用可能である。また、1次成形用樹脂と2
次成形樹脂は、必ずしも同系の樹脂とする必要はなく、
両者間に適当な溶着が生ずる限りにおいて異系の樹脂を
用いることも可能である。
【0050】ところで、上述した電磁ピックアップセン
サ10は、電磁ピックアップ部28aの周辺を含めて、
電磁ピックアップセンサ10の外周全体に良好なシール
性が必要とされる場合に有効な構成である。これに対し
て、例えば電磁ピックアップ部28a周辺においてのみ
防水性が必要とされるような場合には、あえて電磁コイ
ル12の外周側全体を熱可塑性エラストマで被覆する必
要はない。
【0051】すなわち、かかる場合には、図5に示す如
くボビン14の内周に回り込む部分にのみ熱可塑性エラ
ストマ製のカバー体40を成形する構成とすることも可
能である。つまり、この場合、カバー体40が有するシ
ール部40aの作用でヨーク28とカバー体40との間
のシール性が確保され、またカバー体40とハウジング
30とが溶着することから、カバー体40とハウジング
30との間のシール性が確保される点においては、上記
図1に示す電磁ピックアップセンサ10と同様である。
【0052】従って、図5に示す構成を用いた場合にお
いても、電磁ピックアップ部28a周辺における防水性
は適切に確保されることになり、上述の如く、その周辺
においてのみ防水性が要求される使用条件下では、要求
される機能を十分に満たすことができる。この意味で、
図5に示す如きカバー体40を用いる電磁ピックアップ
センサも、容易かつ確実に、所望のシール性を実現し得
る効果を有していることになる。
【0053】図6は、本発明の他の実施例である部材の
シール構造を採用する電磁ピックアップセンサ50の構
成を表す正面断面図を示す。尚、同図において、上記図
1に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号
を付してその説明を簡略、又は省略する。
【0054】本実施例の電磁ピックアップセンサ50
は、ハウジング30をモールド成形するに先立って、ワ
イヤハーネス26を、接着性のある熱可塑性樹脂よりな
るホットメルト52で取り巻くことによりワイヤハーネ
ス26周辺のシール性を確保した点に特徴を有してい
る。
【0055】ここで、ホットメルト52を構成する熱可
塑性の樹脂には、140〜170℃に軟化点を有するポ
リアミド系の樹脂、具体的には、マクロメルト(商品
名)6238、6239、6240、6827、679
0(メーカー:ヘンケル)を用いている。また、ホット
メルト52を成形する手法としては、ホットプレス、イ
ンジェクション成形等の適用が可能であるが、本実施例
ではインジェクション成形を用いている。
【0056】以下、図7を参照して、電磁ピックアップ
センサ50の製造工程について詳説する。図7(A)
は、ワイヤハーネス26を取り巻くようにホットメルト
52を1次成形した状態を表す斜視図である。ここで、
本実施例においては、140〜170℃の軟化点に対し
て200〜220℃の成形温度でホットメルト52の1
次成形を行う。
【0057】ところで、ワイヤハーネス26の外皮に
は、ポリウレタン26が用いられている。また、2本の
信号線26a,26bの絶縁材には、ポリエステルが用
いられている。この場合、上記の如き成形温度でホット
メルト52を成形すると、図7(B)に示す如く、ワイ
ヤハーネス26の外皮とホットメルト52との境界、及
び信号線26a,26bの絶縁材とホットメルト26と
の境界には、接着界面が形成される。
【0058】また、図7(C)は、上記の如くホットメ
ルト52を1次成形した後に、ハウジング30を2次成
形した後の状態を表す要部断面図を示す。尚、ハウジン
グ30の材質としては、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリアミド(PA)等が適用できるが、本
実施例においては、その材質としてPBTを用い、24
0〜260℃の成形温度で2次成形を行うこととしてい
る。
【0059】この場合、ハウジング30が成形される過
程で、ホットメルト52が再度可塑化されるため、図7
(C)に示す如くハウジング30とホットメルト52と
の境界には溶着層56が生成される。従って、図6に示
す電磁ピックアップセンサ50においても、上記図1に
示す電磁ピックアップセンサ10と同様に、ワイヤハー
ネス26の露出部において優れたシール性が確保されて
いることになる。
【0060】尚、図6に示す電磁ピックアップセンサ5
0においては、ハウジング30を成形する際の成形圧に
より、ホットメルト52とワイヤハーネス26(信号線
26a,26bを含む)との密着が強められている。こ
のため、ホットメルト52とワイヤハーネス26との間
には、ホットメルト52を構成する熱可塑性樹脂の接着
能力によるシール性を越える高いシール性が確保されて
いる。
【0061】ところで、電磁ピックアップセンサ50を
自動車用の車輪速センサ等として用いる場合、ワイヤハ
ーネス26取り出し部に屈曲が与えられる場合がある。
また、ワイヤハーネス26が着氷し、その荷重が応力と
してワイヤハーネス26の取り出し部に付与される事態
も想定される。このため、電磁ピックアップセンサ50
を車輪速センサ等として用いる場合には、特に、ワイヤ
ハーネス26の取り出し部近傍に十分な強度を付与する
必要が生ずる。
【0062】これに対して、本実施例の電磁ピックアッ
プセンサ50は、ワイヤハーネス26の取り出し部がハ
ウジング30を構成するPBT等のエンジニアリングプ
ラスチックにモールドされる構成であり、その取り出し
部周辺において十分な強度を有している。更に、かかる
構成によれば、ホットメルト52が直接被水することが
なく、高い耐薬性が確保できる。この意味で、電磁ピッ
クアップセンサ50が採用するシール構造は、ワイヤハ
ーネス周辺の耐久性、信頼性の向上に有効であるという
利益を有していることになる。
【0063】また、本実施例においてホットメルト52
の材料として用いたポリアミド樹脂は、ハウジング30
を構成するPBTに比して高い吸水性を有している。こ
のため、ホットメルト52は、ハウジング30に比して
膨潤し易い性質を有している。一方、ホットメルト52
は、上記図6に示す如くハウジング30の内部に収納さ
れているため、その外部に向けて体積を増大させること
ができない。このため、電磁ピックアップセンサ50に
おいては、ホットメルト52が膨潤するほど、ホットメ
ルト52とワイヤハーネス26との間、及びホットメル
ト52とハウジング30との間の密着強度が高まり、ワ
イヤハーネス26取り出し部周辺において高いシール性
が得られることになる。
【0064】ところで、上記図6及び図7に示すシール
構造は、ホットメルト52がワイヤハーネス26の外皮
をも覆う構造であるが、その構造はこれに限るものでは
なく、図8に示す如く、信号線26a,26bのみを覆
うホットメルト58を用いることによっても同様の機能
を実現することができる。
【0065】すなわち、図8(A),(B)は、それぞ
れ信号線26a,26bのみを被覆するホットメルト5
8を、ワイヤハーネス26の外皮に密着させた状態に1
次成形した場合の斜視図、及び断面図を示す。この場
合、同図(B)に示す如く、ワイヤハーネス26の外皮
とホットメルト58と境界、及び信号線26a,26b
の絶縁材とホットメルト58との境界に、それぞれ接着
界面60a,60bが形成される。そして、同図(C)
に示す如く、ハウジング30の2次成形を行うと、ホッ
トメルト58とハウジング30との間に溶着層62が形
成され、上記図6及び図7に示すシール構造と実質的に
同様の構造が実現されることになる。この場合、ホット
メルト58が小型化できるため、ポリアミド樹脂の消費
量削減に有効である。
【0066】ところで、上記図6乃至図8に示すシール
構造は、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂がポリウレタ
ン等に対して優れた接着性を示すことを利用して、ワイ
ヤハーネス26の取り出し部周辺のシール性を確保しよ
うとするものであるが、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹
脂は、ポリウレタン等に対するのみでなく、金属に対し
ても良好な接着性を示す。
【0067】従って、上記図6において電磁コイル12
を被覆するカバー体22を、ポリアミド等の熱可塑性樹
脂で成形すれば、成形されたカバー体22のシール部2
2aは、ヨーク28に接着した状態となる。そして、以
後、ハウジング30を2次成形すると、カバー体22と
ハウジング30との境界が溶着することから、結局、電
磁ピックアップ部28aの周辺において適当なシール性
が確保されることになる。また、この場合、カバー体2
2が有する突起部22b〜22i(図4参照)の周辺に
おいても、熱可塑性エラストマを用いた場合と同様に、
適当なシール性が確保されることになる。
【0068】ところで、電磁ピックアップセンサ50に
おいても、上述した電磁ピックアップセンサ10の場合
と同様に、その外周全体にシール性が必要とされない場
合にまで、あえて電磁コイル12の外周側全体を接着性
のある熱可塑性樹脂で被覆する必要はない。
【0069】図9は、かかる場合を想定し、電磁ピック
アップ部28aの周辺にのみ、接着性のある熱可塑性樹
脂からなるカバー体28aを成形した状態(同図
(A))、及び、かかるカバー体28aを被覆してハウ
ジング30を2次成形した状態(同図(B))を示した
ものである。この場合、電磁コイル12の全周をカバー
体22で覆う構造に比して熱可塑性樹脂の消費量を削減
することが可能となり、低コスト化に有利である。
【0070】ところで、電磁ピックアップセンサを構成
するにあたり、電磁コイル12から電気信号を取り出す
ための導電性材は、必ずしもワイヤハーネスに限るもの
ではない。すなわち、図10に示す如き、いわゆるコネ
クタタイプの電磁ピックアップセンサ70においては、
電磁コイル12にターミナル72を立ててコネクタ74
までの導電経路を実現する構造が採られる場合がある。
【0071】このような電磁ピックアップセンサ70を
車輪速センサとして用いた場合、コネクタ75の内部に
水滴等が残留することがある。このため、かかるコネク
タタイプの電磁ピックアップセンサ70においても、タ
ーミナル72の取り出し部周辺に適当なシール性を確保
する必要があることは、ワイヤハーネス26を用いる電
磁ピックアップセンサ10,50(上記図1、図6参
照)の場合と同様である。
【0072】これに対して、本実施例においては、図1
0に示す如く、ターミナル72の取り出し部近傍をホッ
トメルト74で被覆し、その上からハウジング76を2
次成形することとしている。この場合、電磁ピックアッ
プセンサ70のターミナル72周辺のシール構造は、実
質的に上述した電磁ピックアップセンサ50のワイヤハ
ーネス26周辺のシール構造と同様となり、適当なシー
ル性が実現されることになる。
【0073】ところで、ハウジング76の内部にターミ
ナル72をモールドする構造を実現するためには、ハウ
ジング76をモールド成形するにあたり、成形金型内所
定の位置に、ターミナル72をセットする必要がある。
電磁ピックアップセンサ70は、正極端子及び負極端子
を構成すべく2本のターミナル72を用いるため、それ
らが互いに独立していれば、成形金型内に2本のターミ
ナルを別個独立にセットする必要がある。
【0074】これに対して、ハウジング76を成形する
に先立って、ホットメルト74でターミナル72を被覆
する構成によれば、ハウジング76を成形する前に、複
数のターミナル72がホットメルト74を介して連結し
た状態となる。従って、この場合は、それらをグループ
として成形金型内にセットすることが可能となる。この
意味で、本実施例のシール構造は、成形金型内へのター
ミナル72のセット作業を容易化し得るという効果をも
有していることになる。
【0075】ところで、図11は、ハウジング76の外
部に密着して、ホットメルト78を成形した構成した場
合のシール構造を表したものである。上記の如く、ホッ
トメルト78を構成するポリアミド樹脂は、接着性を有
していることから、かかる構造によっても所望のシール
性を確保することは可能である。
【0076】しかしながら、かかる構造は、ホットメル
ト78に対してハウジング76の成形圧が作用しないた
め、ホットメルト78とワイヤハーネス26との間のシ
ール性を確保する上で、上記図6、図10等に示す構造
に対して不利である。このため、図11に示す構造によ
って所望のシール性を確保するためには、ホットメルト
74を大型化する等の措置が必要となり、コスト面での
不利益も生ずることになる。かかる観点より、ホットメ
ルトをを用いたシール構造としては、ホットメルトをハ
ウジングの内部に収める構造が好ましいことになる。
【0077】ところで、上記図1乃至図10に示すシー
ル構造は、全て電磁ピックアップセンサにおいて所望の
シール性を確保するための構造であるが、本発明に係る
シール構造の適用は、電磁ピックアップセンサに限定さ
れるものではく、ハウジングの外部に露出すべき部分
と、ハウジングの内部に収納すべき部分とを備え、か
つ、露出すべき部分の周辺において適当なシール性が要
求される構造体については、広く適用が可能である。
【0078】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、露出部の周辺に熱可塑性エラストマからなるシール
部が形成されるため、モールド成形によってハウジング
を形成しつつ、露出部の周辺に適切な防水性を確保する
ことができる。このため、本発明に係る部材のシール構
造によれば、何らの弊害を伴うことなくハウジングをモ
ールド成形することができ、Oリング等を用いてシール
性を確保する従来の構造に比して高い生産性を実現しつ
つ所望のシール性を確保することができる。
【0079】また、請求項2記載の発明によれば、露出
部の周辺に接着性のある熱可塑性樹脂からなるシール部
が形成されるため、モールド成形によってハウジングを
形成しつつ、露出部の周辺に適切な防水性を確保するこ
とができる。このため、本発明に係る部材のシール構造
によっても、上記請求項1記載の発明と同様に、優れた
生産性を実現しつつ所望のシール性を確保することがで
きる。
【0080】請求項3記載の発明によれば、電磁コイル
及びヨークを被覆するハウジングをモールド成形により
形成しつつ、電磁ピックアップ部を、その周辺において
適切なシール性を確保しながらハウジングの外部に露出
させることができる。このため、本発明に係るシール構
造によれば、モールド成形によりハウジングを成形しつ
つ、電磁ピックアップ部周辺において所望のシール性を
確保することができる。
【0081】請求項4記載の発明によれば、カバー体
が、ヨークの電磁ピックアップ部に加え電磁コイルをも
被覆する。このため、電磁コイルの巻き線周辺に、ハウ
ジングのモールド成形圧に対する適当な保護膜が形成さ
れると共に、電磁コイルの周囲において、広くハウジン
グとカバー体との溶着部が形成される。従って、本発明
に係る部材のシール構造によれば、上記請求項3記載の
発明によって得られる利益に加え、ハウジングをモール
ド成形する際の巻き線の損傷を確実に防ぐことができる
という利益、及び、ハウジングのモールド成形時に成形
金型内でセンサ本体を保持するために用いられ、その結
果、ハウジングの外部に露出することとなる部分の周辺
に適切な防水性を確保することができるという利益を得
ることができる。
【0082】請求項5記載の発明によれば、センサ本体
を被覆するハウジングをモールド成形により形成しつ
つ、センサ本体に接続されるワイヤハーネスを、適切な
シール性を確保しながらハウジングの外部に露出させる
ことができる。このため、本発明に係るシール構造によ
れば、モールド成形によりハウジングを成形しつつ、ワ
イヤハーネスの露出部周辺において所望のシール性を確
保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である部材のシール構造を採
用した電磁ピックアップセンサの正面断面図である。
【図2】本実施例の部材のシール構造に用いるカバー体
の一部を拡大して表した正面断面図である。
【図3】本実施例の部材のシール構造に用いるグロメッ
トを拡大して表した正面断面図である。
【図4】図4(A)は本実施例の電磁ピックアップセン
サの正面図である。図4(B)は本実施例の電磁ピック
アップセンサのハウジング及びカバー体の平面断面図で
ある。
【図5】本発明の他の実施例の部材のシール構造に用い
るカバー体の一部を拡大して表した正面断面図である。
【図6】本発明の他の実施例である部材のシール構造を
採用した電磁ピックアップセンサの正面断面図である。
【図7】図7(A)はワイヤハーネスをホットメルトで
被覆した状態の一例を表す斜視図である。図7(B)は
ワイヤハーネスをホットメルトで被覆した状態の一例を
表す断面図である。図7(C)はワイヤハーネスをホッ
トメルト及びハウジングで被覆した状態の一例を表す断
面図である。
【図8】図8(A)はワイヤハーネスをホットメルトで
被覆した状態の他の例を表す斜視図である。図8(B)
はワイヤハーネスをホットメルトで被覆した状態の他の
例を表す断面図である。図8(C)はワイヤハーネスを
ホットメルト及びハウジングで被覆した状態の他の例を
表す断面図である。
【図9】図9(A)は電磁ピックアップ部周辺をホット
メルトで被覆した状態の一例を表す断面図である。図9
(B)は電磁ピックアップ部周辺をホットメルト及びハ
ウジングで被覆した状態の一例を表す断面図である。
【図10】本発明の別の実施例である部材のシール構造
を採用した電磁ピックアップセンサの正面断面図であ
る。
【図11】ホットメルトを用いて構成したシール構造の
一例を表す断面図である。
【符号の説明】
10,50,70 電磁ピックアップセンサ 12 電磁コイル 14 ボビン 16 巻き線 22,40,64 カバー体 22a,24a,24b,40a シール部 24 グロメット 26 ワイヤハーネス 26a,26b 信号線 28 ヨーク 28a 電磁ピックアップ部 30,76 ハウジング 52,58,74,78 ホットメルト 54a,54b,60a,60b 接着界面 56,62 溶着層 72 ターミナル 74 コネクタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部に露出される露出部を有する内部部
    材と、 熱可塑性エラストマよりなり、前記露出部を取り巻くシ
    ール部を備えるカバー体と、 該カバー体の融点を一時的に越える温度でモールド成形
    され、前記露出部を外部に露出させた状態で前記内部部
    材を被覆するハウジングと、 を備えることを特徴とする部材のシール構造。
  2. 【請求項2】 外部に露出される露出部を有する内部部
    材と、 接着性のある熱可塑性樹脂よりなり、前記露出部を取り
    巻くシール部を備えるカバー体と、 該カバー体の融点を一時的に越える温度でモールド成形
    され、前記露出部を外部に露出させた状態で前記内部部
    材を被覆するハウジングと、 を備えることを特徴とする部材のシール構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の部材のシール構造
    において、 前記内部部材は、ボビンに導線を巻回して形成される、
    中空部を有する電磁コイルと、一端に電磁ピックアップ
    部を備える磁性部材であって、前記電磁コイルの中空部
    に挿入されるヨークとを有するセンサ本体であり、 前記露出部は、前記ヨークの電磁ピックアップ部である
    ことを特徴とする部材のシール構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の部材のシール構造におい
    て、 前記カバー体は、前記電磁コイルの外周を覆うように成
    形されていることを特徴とする部材のシール構造。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の部材のシール構造
    において、 前記内部部材は、ボビンに導線を巻回して形成される、
    中空部を有する電磁コイルと、一端に電磁ピックアップ
    部を備える磁性部材であって、前記電磁コイルの中空部
    に挿入されるヨークとを有するセンサ本体であり、 前記露出部は、前記センサ本体に接続されたワイヤハー
    ネスであることを特徴とする部材のシール構造。
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