JPH08218290A - 非塩素漂白パルプの製造方法 - Google Patents

非塩素漂白パルプの製造方法

Info

Publication number
JPH08218290A
JPH08218290A JP2193895A JP2193895A JPH08218290A JP H08218290 A JPH08218290 A JP H08218290A JP 2193895 A JP2193895 A JP 2193895A JP 2193895 A JP2193895 A JP 2193895A JP H08218290 A JPH08218290 A JP H08218290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bleaching
pulp
chlorine
cooking
hydrogen peroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2193895A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroichi Hara
普一 原
Kazuhiro Nakamura
和廣 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2193895A priority Critical patent/JPH08218290A/ja
Publication of JPH08218290A publication Critical patent/JPH08218290A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】収率及びパルプ品質を低下をさせないで高白色
度のパルプを得る非塩素漂白方法を提供することであ
る。 【構成】広葉樹リグノセルロース物質をアントラキノン
系化合物を添加したポリサルファイド蒸解で低カッパー
価にし酸素漂白後酵素とキレート剤の同時処理及び過酸
化水素漂白を行う非塩素漂白パルプの製造方法。 【効果】従来法の非塩素漂白方法と比較して少ない設備
費で漂白を行うことができ、又漂白の一段目と二段目の
排水を回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学パルプの酸素漂白方
法に関する。更に詳しくはリグノセルロース物質をアン
トラキノン系化合物を添加したポリサルファイド蒸解で
低カッパー価のパルプにし、酸素漂白、酵素とキレート
剤の同時処理及び過酸化水素漂白を行う非塩素漂白パル
プの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リグノセルロース物質を紙製品の原料と
して使用するためには蒸解して得られたパルプを漂白す
る必要がある。パルプを漂白することは、パルプ繊維の
内部や表面に付着しているリグニンや着色物質を分解・
変質させたり可溶性にして取り除くことである。化学パ
ルプの漂白は通常、塩素、次亜塩素酸塩、過酸化水素、
苛性ソーダ及び二酸化塩素等で段階的に処理する方法が
取られている。
【0003】塩素処理をC、アルカリ処理をE、次亜塩
素酸塩処理をH、過酸化水素処理をP、二酸化塩素処理
をDで表すと、具体的な多段処理としてはC−E−H−
P−D、C−E−H−D−D、C−E−D−E−D等で
行われる。更に近年は排水負荷の軽減及び漂白薬品費の
削減を目的として酸素漂白法も採用され、上記の漂白多
段処理の前工程に設置されている。
【0004】一方、最近はダイオキシンを含むAOXの
規制や安全性の点から塩素系薬品を使用しないいわゆる
非塩素漂白が開発され操業されるようになった。非塩素
漂白には塩素及び二酸化塩素等の塩素系薬品を全く使用
しないTCFと塩素ガスのみを使用しないECFがあ
る。
【0005】ECF漂白の最も一般的な方法は漂白多段
処理の初段に二酸化塩素段を設ける方法である。具体的
な方法としてはD−E−D−E−D、D−E−H−P−
D、D−E−D−P−D等が挙げられる。又これら漂白
の前に酸素漂白を行うこともある。更に最近ではオゾン
漂白が開発されECF及びTCFの漂白段に組み入れら
れている。これら二酸化塩素やオゾンを使用する非塩素
漂白方法は既に公知である。これらの方法によって非塩
素漂白を達成することができるが、初段に二酸化塩素を
使用する非塩素漂白では漂白排水の回収を行うことがで
きず、又、オゾン漂白は設備費が高価になるという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、アントラキノン系化
合物を添加したポリサルファイド蒸解で低カッパー価の
パルプを得て、酸素漂白、酵素とキレート剤の同時処理
及び過酸化水素漂白を行えば非塩素漂白を達成できるこ
とを見いだし、この知見に基づき本発明を完成するに至
った。本発明の目的は非塩素漂白における前記問題点を
解決して安価で排水回収が可能な非塩素漂白方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はリグノセルロー
ス物質をアントラキノン系化合物を蒸解助剤として含有
するポリサルファイド蒸解薬液で蒸解してカッパー価1
6.5〜14.0の未晒パルプを得て、続いて酸素漂白
でカッパー価を9.5〜7.0にし、次いで酵素とキレ
ート剤の同時処理を行いカッパー価7.5〜4.5、ハ
ンター白色度55〜75%のパルプを得て、その後次亜
塩素酸塩、二酸化塩素、過酸化水素、アルカリの中から
選ばれる1以上の薬品を用いてハンター白色度84%以
上の晒パルプを製造することを特徴とする非塩素漂白パ
ルプの製造方法に関するものである。
【0008】本発明は二つの手段で構成される。一つは
蒸解工程で脱リグニンを進めてカッパー価を低下させる
手段と、もう一つは漂白工程で過酸化水素を効果的に使
用して白色度を高めカッパー価を低下させる手段であ
る。この二つの手段を用いて本発明の非塩素漂白が達成
される。
【0009】漂白工程で負荷を減少させ白色度を上がり
易くするには、漂白工程に入る未晒パルプのカッパー価
を低下させることが重要である。特に塩素を使用しない
非塩素漂白の場合未晒パルプのカッパー価を低下させる
ことが必要となる。本発明では未晒パルプのカッパー価
を低下させる手段としてアントラキノン系化合物を蒸解
助剤として添加するポリサルファイド蒸解を行う。
【0010】通常漂白パルプを製造する場合クラフト蒸
解では蒸解後のカッパー価は16.5以上で操業されて
いる。これはカッパー価16.5以下まで蒸解を進めれ
ば蒸解収率やパルプ粘度の極端な低下を招くからであ
る。
【0011】本発明では漂白工程の負荷を減少させるた
めにアントラキノン系化合物を蒸解助剤とするポリサル
ファイド蒸解でカッパー価16.5以下まで蒸解を進め
る。ポリサルファイド蒸解を行えばクラフト蒸解と比較
して蒸解収率が向上することは公知である。又、アント
ラキノン系化合物を蒸解助剤として添加して蒸解を行う
ことが脱リグニン速度を高めてカッパー価を低下させ、
更に蒸解収率を向上させることは公知である。
【0012】本発明では両者を組み合わせてカッパー価
16.5以下の未晒パルプを得るが蒸解方法及び条件は
以下に示す通りである。ポリサルファイド蒸解はいくつ
かの方法で行うことができる。一つの方法はクラフト蒸
解の蒸解薬液中に硫黄を添加する方法である。この方法
でもポリサルファイド蒸解を行うことができるが工程内
のアルカリと硫黄のバランスが崩れる欠点がありあまり
好ましくない。
【0013】好ましい方法としては蒸解薬液である白液
中に含有している硫化ソーダを酸化してポリサルファイ
ドを製造する方法がある。この方法の具体的な手段とし
ては例えば本発明者等が先に出願した特公平05−03
2100号公報等があり、これらの方法でポリサルファ
イド蒸解を行うことができる。
【0014】ポリサルファイド蒸解の蒸解条件は、蒸解
温度140〜200℃好ましくは160〜180℃、蒸
解時間10〜360分好ましくは20〜240分、有効
アルカリ添加率10〜25重量%(Na2O換算、対絶
乾チップ)好ましくは12〜20重量%(Na2O換
算、対絶乾チップ)である。ポリサルファイド添加率は
ポリサルファイド蒸解の効果を有効に発揮させるために
は0.7重量%(S換算、対絶乾チップ)以上が必要で
ある。
【0015】蒸解助剤として使用されるアントラキノン
系化合物としてはアントラキノン、1・4・4a・9a
−テトラヒドロ−9・10−アントラキノン、1・4−
ジヒドロ−9・10−ジヒドロキシアントラセン及びこ
れらの塩等である。アントラキノン系化合物の添加率は
0.005〜0.2重量%(対絶乾チップ)好ましくは
0.01〜0.1重量%(対絶乾チップ)である。
【0016】これらポリサルファイド蒸解の蒸解条件や
アントラキノン系化合物の添加率は蒸解後のカッパー価
が14.0〜16.5になるように好適な条件を選ぶこ
とができる。ポリサルファイド蒸解後に酸素漂白を行う
が、酸素漂白後のカッパー価は蒸解後のカッパー価に比
例することが知られている。従ってポリサルファイド蒸
解後のカッパー価を14.0〜16.5まで低下させれ
ば酸素漂白後のカッパー価も低下し、通常の酸素漂白条
件で本発明のカッパー価7.0〜9.5のパルプが得ら
れる。
【0017】この場合の酸素漂白は一般に中濃度酸素漂
白と呼ばれる方法で行うが、漂白条件は、パルプ濃度8
〜15%、温度70〜140℃、滞留時間10〜90
分、圧力大気圧〜9Kg/cm2、酸素添加率0.5〜
3.0重量%(対絶乾パルプ)、アルカリ添加率0.5
〜3.0重量%(対絶乾パルプ)である。尚、高濃度酸
素漂白と呼ばれる方法で行う時はパルプ濃度を20〜4
0%にし、その他の条件は上記中濃度と同じ条件であ
る。
【0018】酸素漂白処理でカッパー価を7.0〜9.
5にした後に酵素とキレート剤の同時処理及び過酸化水
素漂白を行うが、カッパー価が9.5以上であれば過酸
化水素漂白で所定の白色度に上げることが困難になる。
又カッパー価が7.0以下であればパルプ粘度及び収率
の低下を招くので好ましくない。
【0019】過酸化水素漂白に先行して酵素とキレート
剤の同時処理を行うが、使用できる酵素はヘミセルラー
ゼ又はセルラーゼと称され特にヘミセルロースを加水分
解する酵素であり、広葉樹パルプを対象とする場合はキ
シラナーゼを主体とする酵素を用いる。 又使用される
キレート剤はジエチレントリアミン5酢酸(DTP
A)、ニトリロ3酢酸(NTA)等の窒素を含む有機キ
レート剤やこれらの高分子の塩からなるキレート剤例え
ばポリアルキレンポリアミンポリアセテート等である。
【0020】これらの酵素とキレート剤の混合物によっ
て処理を行うが処理条件は、パルプ濃度2〜20%、処
理温度30〜80℃、処理時間30〜150分、処理p
H4〜10、酵素添加量はキシラナーゼの場合は0.1
〜1000U/g(対絶乾パルプ)、キレート剤添加量
0.01〜5重量%(対絶乾パルプ)である。ここでキ
シラナーゼ活性は1%のキシラン(pH約5)1mlと
酵素1mlを50℃、30分作用させた時1分間に1μ
molのキシロースに相当する還元糖を生成する活性を
1U/gとして表す。
【0021】これら条件での酵素とキレート剤の同時処
理によってカッパー価を6.0〜8.5にするが本処理
でのカッパー価の低下は主として酵素による脱リグニン
の効果である。本処理によるカッパー価の低下幅は1.
0〜2.0が好ましい。1.0以下では次の過酸化水素
漂白に負荷がかかり、2.0以上ではパルプ粘度及び収
率の低下を招くので好ましくない。
【0022】酵素とキレート剤の同時処理後に過酸化水
素漂白を行う。過酸化水素の漂白条件は過酸化水素添加
量0.1〜3.0重量%(対絶乾パルプ)、反応温度3
0〜120℃、反応時間30〜240分、反応pH8〜
13、パルプ濃度2〜20%である。これら条件での過
酸化水素漂白によってハンター白色度55〜75%、カ
ッパー価4.5〜7.5のパルプを得る。
【0023】本発明では、この後次亜塩素酸塩、二酸化
塩素、過酸化水素、アルカリの一つ又は複数を用いて漂
白を行う。次亜塩素酸塩処理をH、二酸化塩素処理を
D、過酸化水素処理をP、アルカリ処理をEで表すと過
酸化水素漂白後の処理方法はH−P−D、D−D、H−
D、D−E−D等になる。これら漂白段の漂白条件は通
常の化学パルプの多段漂白における各段の漂白条件をそ
のまま使用できる。本発明で得られる過酸化水素漂白後
のパルプがハンター白色度55〜75%でカッパー価
4.5〜7.5であればこれら多段漂白の普通一般に行
われている漂白方法で本発明の目標とするハンター白色
度84%以上の晒パルプを得ることが可能となる。
【0024】これら一連の蒸解工程から漂白工程にわた
る製造プロセスによって本発明の非塩素漂白パルプの製
造が達成される。
【0025】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。尚実施例において白色度はJIS
P8123(ハンター白色度法)、カッパー価はTAP
PI T336hm−85、パルプ粘度はTAPPI
T230om−82の方法で測定した。
【0026】実施例1 国産広葉樹チップを使用してアントラキノン系化合物を
添加したポリサルファイド蒸解を行った。蒸解条件は有
効アルカリ添加率14重量%(Na2O換算、対絶乾チ
ップ)、蒸解温度170℃、蒸解時間45分、ポリサル
ファイド添加率1.0重量%(S換算、対絶乾チッ
プ)、アントラキノン系化合物添加率0.05重量%
(対絶乾チップ)であった。
【0027】使用したポリサルファイド蒸解液は特公平
05−032100号公報に記載の方法でクラフト蒸解
液を空気酸化して調整した。又使用したアントラキノン
系化合物は1・4−ジヒドロ−9・10−ジヒドロキシ
アントラセンのナトリウム塩(商品名:川崎化成工業製
SAQ)である。得られた未晒パルプのカッパー価、パ
ルプ粘度及び蒸解収率を表1に示す。
【0028】上記の未晒パルプを次に酸素で漂白をし
た。漂白条件はアルカリ添加率1.5重量%(NaOH
換算、対絶乾パルプ)、反応温度110℃、反応時間6
0分、パルプ濃度12%であった。酸素漂白で得られた
パルプのカッパー価とパルプ粘度を表1に示す。
【0029】酸素漂白後過酸化水素漂白に先行して酵素
とキレート剤を同時に添加して処理を行った。酵素、キ
レート剤同時処理条件は酵素としてキシラナーゼを10
U/g(対絶乾パルプ)、キレート剤としてジエチレン
トリアミン5酢酸(DTPA)を0.2重量%(対絶乾
パルプ)同時に添加しパルプ濃度10%、処理温度50
℃、処理時間60分、処理pH5.0であった。酵素、
キレート剤同時処理で得られたパルプのカッパー価とパ
ルプ粘度を表1に示す。
【0030】次いで過酸化水素漂白を行った。漂白条件
は過酸化水素添加率1.0重量%(対絶乾パルプ)、反
応温度80℃、反応時間100分、反応pH11.0、
パルプ濃度12%であった。過酸化水素漂白で得られた
パルプのカッパー価白色度及びパルプ粘度を表1に示
す。
【0031】次いでH−P−Dの漂白シーケンスで漂白
を行った。次亜塩素酸ナトリウム漂白条件は次亜塩素酸
ナトリウム添加率0.8重量%(対絶乾パルプ)、反応
温度60℃、反応時間120分、パルプ濃度12%であ
り、過酸化水素漂白条件は過酸化水素添加率0.15重
量%(対絶乾パルプ)、反応温度70℃、反応時間11
0分、パルプ濃度12%であり、又二酸化塩素漂白条件
は二酸化塩素添加率0.3重量%(対絶乾パルプ)、反
応温度75℃、反応時間140分、パルプ濃度12%で
あった。得られた漂白パルプの白色度、パルプ粘度及び
収率を表1に示す。
【0032】実施例2 実施例1と同じ国産広葉樹チップを使用してアントラキ
ノン系化合物としてアントラキノンを使用した以外は実
施例1と同じ条件でポリサルファイド蒸解を行った。得
られた未晒パルプのカッパー価、パルプ粘度及び蒸解収
率を表1に示す。
【0033】酸素漂白後はキレート剤としてジエチレン
トリアミン5酢酸(DTPA)を使用した以外は実施例
1と同じ条件で酵素、キレート剤の同時処理を行った。
得られたパルプのカッパー価、パルプ粘度及び蒸解収率
を表1に示す。
【0034】次いで過酸化水素の添加量を1.2重量%
(対絶乾パルプ)にした以外は実施例1と同じ条件で過
酸化水素漂白を行った。漂白で得られたパルプのカッパ
ー価、パルプ粘度を表1に示す。
【0035】次いでD−E−Dの漂白シーケンスで漂白
を行った。最初の二酸化塩素漂白条件は二酸化塩素添加
率0.4重量%(対絶乾パルプ)、反応温度75℃、反
応時間120分、パルプ濃度12%であり、アルカリ処
理条件は水酸化ナトリウム添加率0.5重量%(対絶乾
パルプ)、反応温度70℃、反応時間110分、パルプ
濃度12%であり、又最終段の二酸化塩素漂白条件は二
酸化塩素添加率0.25重量%(対絶乾パルプ)、反応
温度75℃、反応時間140分、パルプ濃度12%であ
った。得られた漂白パルプの白色度、パルプ粘度及び収
率を表1に示す。
【0036】比較例1 実施例1と同じ国産広葉樹チップを使用してクラフト蒸
解を行った。蒸解条件は有効アルカリ添加率14.5重
量%(Na2O換算、対絶乾チップ)、蒸解温度170
℃、蒸解時間45分であった。
【0037】上記の未晒パルプを実施例1と同じ条件で
順に酸素漂白、酵素とキレート剤の同時処理、過酸化水
素漂白次いでH−P−Dシーケンスでの漂白を行った。
蒸解、各漂白段で得られたパルプのカッパー価、白色
度、パルプ粘度及び収率を表1に示す。
【0038】比較例2 実施例1と同じ国産広葉樹チップを使用して、蒸解条件
で有効アルカリ添加率を17重量%(Na2O換算、対
絶乾チップ)にした以外は比較例1と同じ条件でクラフ
ト蒸解を行った。
【0039】上記の未晒パルプを実施例1と同じ条件で
順に酸素漂白、酵素とキレート剤の同時処理、過酸化水
素漂白次いでH−P−Dシーケンスでの漂白を行った。
蒸解、各漂白段で得られたパルプのカッパー価、白色
度、パルプ粘度及び収率を表1に示す。
【0040】比較例3 実施例1と同じ国産広葉樹チップを使用して、実施例1
と同じ条件でアントラキノン系化合物を添加したポリサ
ルファイド蒸解、次いで酸素漂白を行った。酸素漂白後
過酸化水素漂白に先行してキレート剤の処理を行った。
処理条件はキレート剤としてジエチレントリアミン5酢
酸(DTPA)を0.2重量%(対絶乾パルプ)、パル
プ濃度10%、処理温度60℃、処理時間60分、処理
pH6.0であった。キレート剤同時処理後は実施例1
と同じ条件で過酸化水素漂白、次いでH−P−Dシーケ
ンスでの漂白を行った。蒸解、漂白段で得られたパルプ
のカッパー価、白色度、パルプ粘度及び収率を表1に示
す。
【0041】比較例4 実施例1と同じ国産広葉樹チップを使用して、実施例1
と同じ条件でアントラキノン系化合物を添加したポリサ
ルファイド蒸解、次いで酸素漂白を行った。酸素漂白後
過酸化水素漂白に先行して酵素の処理を行った。処理条
件は酵素としてキシラナーゼを10U/g(対絶乾パル
プ)添加しパルプ濃度10%、処理温度50℃、処理時
間60分、処理pH5.0であった。酵素処理後は実施
例1と同じ条件で過酸化水素漂白、次いでH−P−Dシ
ーケンスで漂白を行った。蒸解、各漂白段で得られたパ
ルプのカッパー価、白色度、パルプ粘度及び収率を表1
に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1の実施例1、2と比較例1、2、3、
4の比較から本発明のアントラキノン系化合物を添加し
たポリサルファイド蒸解で低カッパー価のパルプを得
て、酸素漂白、酵素とキレート剤の同時処理及び過酸化
水素漂白を行えば、収率及びパルプ品質を低下させない
で高白色度のパルプが得られる非塩素漂白を行えること
が分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明の非塩素漂白方法を用いれば従来
法の非塩素漂白方法と比較して少ない設備費で漂白を行
うことができ、又漂白の一段目と二段目の排水を回収で
きるという利点がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広葉樹リグノセルロース物質をアントラ
    キノン系化合物を助剤として含有するポリサルファイド
    蒸解薬液で蒸解してカッパー価16.0〜14.0の未
    晒パルプを得て、続いて酸素漂白でカッパー価を9.5
    〜7.0にし、次いで酵素とキレート剤の同時処理を行
    いカッパー価を8.5〜6.0にし、更に過酸化水素で
    漂白を行いカッパー価を7.5〜4.5、ハンター白色
    度55〜75%のパルプを得て、その後次亜塩素酸塩、
    二酸化塩素、過酸化水素、アルカリの中から選ばれる1
    以上の薬品を用いてハンター白色度84%以上の晒パル
    プを製造することを特徴とする非塩素漂白パルプの製造
    方法。
JP2193895A 1995-02-09 1995-02-09 非塩素漂白パルプの製造方法 Pending JPH08218290A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2193895A JPH08218290A (ja) 1995-02-09 1995-02-09 非塩素漂白パルプの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2193895A JPH08218290A (ja) 1995-02-09 1995-02-09 非塩素漂白パルプの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08218290A true JPH08218290A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12068995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2193895A Pending JPH08218290A (ja) 1995-02-09 1995-02-09 非塩素漂白パルプの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08218290A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000077294A1 (fr) * 1999-06-15 2000-12-21 Kawasaki Kasei Chemicals Ltd. Lessive de cuisson pour pate a papier et procede de production de pate a papier
WO2000077295A1 (en) * 1999-06-15 2000-12-21 Kawasaki Kasei Chemicals Ltd. Digestion method for pulp
CN102174755A (zh) * 2010-12-28 2011-09-07 宜宾长毅浆粕有限责任公司 一种制备高聚合度浆粕的蒸煮助剂

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000077294A1 (fr) * 1999-06-15 2000-12-21 Kawasaki Kasei Chemicals Ltd. Lessive de cuisson pour pate a papier et procede de production de pate a papier
WO2000077295A1 (en) * 1999-06-15 2000-12-21 Kawasaki Kasei Chemicals Ltd. Digestion method for pulp
US7056418B2 (en) 1999-06-15 2006-06-06 Kawasaki Kasei Chemicals Ltd. Cooking method for pulp
JP4704639B2 (ja) * 1999-06-15 2011-06-15 川崎化成工業株式会社 パルプ蒸解方法
JP4704638B2 (ja) * 1999-06-15 2011-06-15 川崎化成工業株式会社 パルプ蒸解液およびパルプ製造方法
CN102174755A (zh) * 2010-12-28 2011-09-07 宜宾长毅浆粕有限责任公司 一种制备高聚合度浆粕的蒸煮助剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4568420A (en) Multi-stage bleaching process including an enhanced oxidative extraction stage
EP0512590B1 (en) Process for bleaching of lignocellulose-containing material
EP0511695B2 (en) Process for bleaching of lignocellulose-containing pulp
EP0670928B2 (en) Process for delignification of lignocellulose-containing pulp
JPH06166981A (ja) 製紙用化学パルプの漂白方法
RU2439232C2 (ru) Способ отбеливания бумажной целлюлозной массы путем конечной обработки озоном при высокой температуре
AU2003216028B2 (en) Process for bleaching lignocellulose-containing non-wood pulp
JPH08218290A (ja) 非塩素漂白パルプの製造方法
JP2002266271A (ja) 退色性の改善された漂白パルプ
JP3656905B2 (ja) 退色性の改善された漂白パルプの製造方法
JP2000290887A (ja) リグノセルロースの漂白方法
JPS63264991A (ja) 無漂白で靭皮から高白色度の未晒化学パルプを高収率で製造する方法
JPH0453991B2 (ja)
RU2097462C1 (ru) Способ делигнификации и отбеливания лигноцеллюлозосодержащей пульпы
JP4039308B2 (ja) 漂白パルプの製造方法
JP2004339628A (ja) 漂白パルプの製造方法
AU642652B2 (en) Bleaching of lignocellulosic pulp
US20070051483A1 (en) Process for Bleaching Kraft Pulp
WO1991000386A1 (en) A method for bleaching kraft pulp with a mixture of oxygen and peroxide
JPH09507096A (ja) 化学ペーパーパルプの漂白方法
JPH10317291A (ja) リグノセルロース物質の漂白方法
JPH06294087A (ja) 漂白クラフトパルプ
JPH07216771A (ja) リグノセルロース材料の蒸解方法
JPH08120583A (ja) 化学パルプの酸素漂白方法