JPH08217481A - 光ファイバの製造方法及び線引き装置 - Google Patents

光ファイバの製造方法及び線引き装置

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JPH08217481A
JPH08217481A JP2915295A JP2915295A JPH08217481A JP H08217481 A JPH08217481 A JP H08217481A JP 2915295 A JP2915295 A JP 2915295A JP 2915295 A JP2915295 A JP 2915295A JP H08217481 A JPH08217481 A JP H08217481A
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optical fiber
cutoff wavelength
tension
preform
drawing tension
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Katsumi Sawada
克巳 澤田
Munehisa Fujimaki
宗久 藤巻
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Fujikura Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/02Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor
    • C03B37/025Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor from reheated softened tubes, rods, fibres or filaments, e.g. drawing fibres from preforms
    • C03B37/0253Controlling or regulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
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    • C03B2203/22Radial profile of refractive index, composition or softening point
    • C03B2203/24Single mode [SM or monomode]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シングルモード光ファイバを製造する際に、
予測される光ファイバ線引き後の光学特性が長手方向に
変動して部分的に目標特性を満足しない光ファイバ母材
でも、光学特性の長手方向の変動を小さくして目標特性
の公差内に抑えることにより目標特性を満足するシング
ルモード光ファイバを製造することのできる方法と装置
の提供を目的としている。 【構成】 光ファイバ母材を線引きしてシングルモード
光ファイバを製造するにあたり、予め光ファイバ母材の
屈折率プロファイルを長手方向に測定して線引き後の光
ファイバの長手方向のカットオフ波長の変動を推定して
おき、線引き時にカットオフ波長推定値の変動に応じ
て、目標のカットオフ波長に合致するよう長手方向に順
次線引き張力を制御して線引きを行うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信用光ファイバなど
として使用されるシングルモード光ファイバの製造方法
に関わり、光学特性が長手方向に均一なシングルモード
光ファイバを製造するための線引き方法および装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】通信用などに使用される光ファイバとし
ては、一般にシングルモード光ファイバ、グレーデッド
インデックス形光ファイバなどが知られている。従来よ
りこれらの光ファイバは、VAD法、OVD法、MCV
D法などの方法で透明ガラス母材を製造し、次いで透明
ガラス母材をファイバに線引きして製造されている。こ
れらの光ファイバは、用途に応じて光学特性が異なるも
のが使用され、光ファイバを製造する際には、ファイバ
の屈折率プロファイルを最適に設計、制御する必要があ
る。
【0003】このとき光ファイバの光学特性(モードフ
ィールド径、カットオフ波長、分散特性など)は主とし
て光ファイバの屈折率プロファイルと外径で決定され
る。線引きされて光ファイバとなっても、その屈折率プ
ロファイルは母材製造時の屈折率分布がほぼ保たれるの
で、光ファイバの光学特性は、母材製造時の屈折率プロ
ファイルと線引き後の光ファイバ外径でほぼ決定され
る。
【0004】一般にVAD法などにより製造された光フ
ァイバ母材は、屈折率プロファイル(コア−クラッドの
比屈折率差、コア径−外径比など)が長手方向にわずか
に変動している。従って線引きされた光ファイバの光学
特性は、光ファイバ母材の屈折率分布の長手方向の変動
に対応して、長手方向にわずかな変動が生じてしまうこ
とになる。この長手方向の変動によって、光ファイバの
光学特性が長手方向の一部分で所定の特性値を満足しな
くなる場合も生じており、その場合には、その光ファイ
バは不合格品としてその部分を廃却せざるを得なくなる
という問題があった。また不合格の部分のみ廃却して他
の部分は合格品として使用することも可能であるが、当
然のことながら光ファイバは短尺品となり、後のケーブ
ル化工程で著しく作業性が悪くなり、場合によっては欠
尺で不合格品として全体を廃却せざるを得ない事態にも
なりうるという問題があった。いずれにせよ著しく歩留
まりが悪いという問題があった。
【0005】又、線引き後の光ファイバの光学特性は、
あらかじめ光ファイバ母材の屈折率プロファイルを測定
することにより予測できる。そこで、光ファイバ母材の
一部で光ファイバの光学特性が目標の特性値を満足しな
いと予測される場合には、光ファイバ母材のその不合格
の部分を廃却して残りの合格の部分を光ファイバに線引
きして使用することも考えられた。その場合当然のこと
ながら光ファイバは短尺品となって著しく歩留まりが悪
く、また線引き作業も著しく作業性が悪くなり、結局、
光ファイバ母材全体を廃却せざるを得ないという問題が
あった。そこで、線引き前に光ファイバ母材の屈折率プ
ロファイルを修正する、或いは線引き時に光ファイバの
光学特性を修正するという方法が求められていた。
【0006】シングルモード光ファイバでは光ファイバ
の光学特性の中でカットオフ波長の変動が特に問題とな
っていた。線引き時にカットオフ波長を修正する方法に
は、本出願人が先に特許出願した発明(特開平2−28
9441光ファイバの製造方法)がある。この発明は、
光ファイバ母材の線引き時の線引き張力を変化させるこ
とによって、線引き後のシングルモード光ファイバのカ
ットオフ波長がほぼ一定の割合で変化する現象を利用し
て、線引き後のシングルモード光ファイバのカットオフ
波長の予測値が、目標とするカットオフ波長に合致する
ように線引き張力を制御して線引きを行うという方法の
発明である。しかしながらこの発明は、屈折率分布が長
手方向に均一な光ファイバ母材の修正に対しては優れた
方法であるが、長手方向に屈折率プロファイルが変動し
ている光ファイバ母材の修正に対しては未だ不完全な方
法であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、長手方
向に屈折率プロファイルの変動のある光ファイバ母材
で、予測される光ファイバ線引き後の光学特性が部分的
に目標特性を満足しないものは、光ファイバ製造用の母
材として使用することができず、光ファイバ母材を製造
する際の歩留まりが悪いという問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、シングルモード光ファイバを製造する際に、予測さ
れる光ファイバ線引き後の光学特性が長手方向に変動し
て部分的に目標特性を満足しない光ファイバ母材でも、
光学特性の長手方向の変動を小さくして目標特性の公差
内に抑えることにより目標特性を満足するシングルモー
ド光ファイバを製造することのできる製造方法および線
引き装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ファイバ母
材を線引きしてシングルモード光ファイバを製造する方
法において、予め光ファイバ母材の屈折率プロファイル
を長手方向に測定して線引き後の光ファイバの長手方向
のカットオフ波長の変動を推定しておき、線引き時にカ
ットオフ波長推定値の変動に応じて、目標のカットオフ
波長に合致するよう長手方向に順次線引き張力を制御し
て線引きを行うことを上記課題解決の手段とした。
【0010】
【作用】シングルモード光ファイバの光ファイバ母材を
線引する際に、線引張力を変化させると、線引後の光フ
ァイバに残る応力が変化して光ファイバ断面の屈折率プ
ロファイルが変化し、ほぼ一定の割合でカットオフ波長
が変化する。VAD法等により製造された光ファイバ母
材は、プリフォームアナライザにより母材断面の屈折率
プロファイルを測定することができる。従って線引張力
が一定であれば、光ファイバ母材の屈折率プロファイル
の測定値から、線引後の光ファイバのカットオフ波長を
推定することができる。そこで、このプリフォームアナ
ライザにより光ファイバ母材の長手方向上の複数箇所で
屈折率プロファイルを測定し、この測定値から光ファイ
バ母材の長手方向上の位置に対する線引後の光ファイバ
のカットオフ波長の推定値を求めておく。予め測定して
おいた線引張力対カットオフ波長の変化特性と、前記の
光ファイバ母材の位置に対するカットオフ波長推定値の
データを基にして、線引されたファイバのカットオフ波
長が所定の値になるよう、母材の加熱炉への送り込み量
に応じて線引張力を変化させる。以上の方法により、目
標のカットオフ波長を中心として長手方向にカットオフ
波長のばらつきが少なく、かつ全長にわたってカットオ
フ波長が目標の許容範囲内に入る光ファイバを製造する
ことができる。
【0011】このとき、カットオフ波長以外のパラメー
タの特性も線引張力により変化するが、カットオフ波長
の変化量に比べて他のパラメータの特性の変化量は小さ
いため、許容範囲から外れることはない。
【0012】以下、図面を参照して本発明方法を詳細に
説明する。
【0013】図1は、屈折率プロファイルが長さ方向に
一様な光ファイバ母材から光ファイバに線引する際の線
引張力と、線引後の光ファイバのカットオフ波長の関係
を模式的に表したグラフである。この線引張力−カット
オフ波長曲線は、光ファイバ母材の種類によって変わる
が、線引張力に対してカットオフ波長は一様に変化し、
その変化の割合は光ファイバ母材のガラス成分が等しけ
れば等しい。従って屈折率プロファイルが目標の値から
わずかにずれていてカットオフ波長の推定値と目標値と
で差が有るときは、この図から目標のカットオフ波長に
なるように線引きするための線引張力を求めることがで
きる。例えば以下のようにして求める。
【0014】この図1が示すように、標準線引張力Fs
で線引した時のカットオフ波長が目標カットオフ波長λ
csとなる母材と、目標からずれたカットオフ波長λcin
となる母材の線引張力−カットオフ波長曲線はそれぞれ
実線と一点鎖線のようになり、カットオフ波長がλcin
である母材(一点鎖線)の場合には、目標カットオフ波
長λcsよりその偏差分(λcs−λcin )だけ大きいカッ
トオフ波長に対応する線引張力Fn を求めて、その線引
張力Fn で線引きすれば光ファイバのカットオフ波長が
目標カットオフ波長λcsにほぼ等しくさせることができ
る。そこでプリフォームアナライザによる推定カットオ
フ波長がλcin である場合には、前記のようにして線引
張力Fn を求めれば、それが目標カットオフ波長λcs
線引きするための線引張力となる。
【0015】次に実際に光ファイバ母材の屈折率プロフ
ァイルを測定して、線引き張力を設定する方法を説明す
る。光ファイバ母材は、VAD法、OVD法等の方法で
作製された多孔質母材を脱水、焼結して透明ガラス化し
て製造されたものや、MCVD法等の方法で製造された
ものが用いられる。通常、光ファイバ母材はプリフォー
ムアナライザ等の測定装置によりバルク状態のまま断面
方向の屈折率プロファイルの測定が行われ、その屈折率
プロファイルから光ファイバの種々の光学特性が推定さ
れる。図2は、光ファイバ母材の一例を示す。図中の記
号0は光ファイバの線引の開始点で、終端が光ファイバ
の線引の終了点である。光ファイバとして有効に使用で
きる部分は、記号1から記号nまでの部分である。この
部分を図2の様に光ファイバ母材を長さ方向に、n点に
分割して、プリフォームアナライザにより各点の屈折率
プロファイルを測定して、カットオフ波長の推定値を求
める。次に各点で目標カットオフ波長λcsと推定カット
オフ波長λcin の偏差を求めて、前記図1の様な線引張
力−カットオフ波長曲線により、目標線引張力Fnを求
める。そこで、線引開始点から各測定点までの母材長さ
を母材送り込み量Lとして、母材送り込み量L1 〜Ln
に対する目標線引張力F1 〜Fn として、線引張力を設
定して光ファイバ母材を線引すればよい。
【0016】ここで実際に線引できる張力には後述する
とおり限界がある。そこで、例えばその上限値を
max 、下限値をFmin として、計算上のFn が下限を
下回った場合はFn をFmin 、計算上のFn が上限を上
回ったときはFn をFmax としても良い。更にこの場
合、例えば線引張力を、送り込み量Lが0〜L1 の間は
1 、L1 〜L2 の間はF2 と順次変化させて、Ln-1
〜Ln 母材終端間はFn として設定しても良く、或いは
測定点間の値は一次式等で近似した関数として設定して
も良い。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明方法および線引き装
置を説明する。
【0018】先ず、上述の目標線引張力を線引装置の制
御コンピュータに入力して線引張力をプログラム制御し
て光ファイバ母材を線引する方法を図3と図4により説
明する。図3は本発明方法を実施するに好適な線引装置
の一例を示す。光ファイバ母材1を光ファイバ母材送り
出し装置3に設置すると共に、光ファイバ母材1を加熱
炉4内に配置して、光ファイバ母材1先端部を加熱溶融
する。そして光ファイバ母材1の先端から光ファイバ2
を引き出し、この光ファイバ2を被覆用のコーテイング
カップ5、6と架橋筒7、8を通し、更にキャプスタン
9を通した後、巻き取りローラ10に巻き取って、光フ
ァイバ裸線に被覆が施された状態の光ファイバ素線11
が製造される。光ファイバ2及び光ファイバ素線11の
外径は、それぞれ外径測定器12及び外径測定器13に
よって測定される。
【0019】制御コンピュータ14は線引き張力を制御
する制御コンピュータである。図4は本発明方法を実施
するに好適な制御コンピュータ14の線引き張力の制御
方法の一例を示すブロック図である。制御コンピュータ
14には、予め前述の目標線引き張力21が入力されて
母材送り込み量に応じてプログラム設定されている。光
ファイバ2の線引き張力22は、例えば図3に示すよう
にターンプーリ15の軸に取り付けられた荷重計16に
より測定され、制御コンピュータ14に入力される。一
方母材送り込み量23は、例えば光ファイバ母材送り出
し装置3により測定され、制御コンピュータ14に入力
される。制御コンピュータ14は線引き張力制御プログ
ラム24により、前記の線引き張力の測定値22が前記
の目標線引き張力21と一致するよう、前記の母材送り
込み量23に応じて線引き張力の制御を行う。
【0020】線引張力の制御方法には、図4に示すよう
に加熱炉4の供給電力の調整により行う方法、或は引き
取り装置9の線引速度の調整により行う方法等がある。
前者では、加熱炉4の供給電力を減少させると、光ファ
イバ母材の溶融点の溶融温度が低下して粘度が上昇する
ことにより線引張力が増大する。後者では、線引速度を
増大させると、光ファイバ母材の溶融点の光ファイバへ
の変形速度が増大することにより線引張力が増大する。
線引後の被覆工程に余り影響しない点から加熱炉4のパ
ワーの調整により行う方法が優れている。
【0021】さらに、制御コンピュータ内に予め線引さ
れる母材の種類に応じた前記図1の様な線引張力−カッ
トオフ波長曲線を入力しておき、光ファイバ母材の複数
箇所で求めた推定カットオフ波長を入力することによ
り、制御コンピュータ内で目標線引張力Fn を求めてプ
ログラム設定まで自動的に行ってもよい。図5は前記の
方法を実施するに好適な制御コンピュータの線引き張力
の制御方法の一例を示す。制御コンピュータ14には、
予め目標カットオフ波長31と、母材送り込み量に応じ
た推定カットオフ波長32と、線引張力−カットオフ波
長曲線33とが入力されている。制御コンピュータ14
は、線引き張力設定プログラム34により、前記目標カ
ットオフ波長31と前記推定カットオフ波長32と前記
線引張力−カットオフ波長曲線33とを参照して、目標
カットオフ波長で線引きするための目標線引き張力21
を前述の方法により求める。光ファイバ2の線引き張力
22と、母材送り込み量23とは、図4の場合と同様な
方法で測定されて制御コンピュータ14に入力される。
制御コンピュータ14は、線引き張力制御プログラム2
4により、前記の線引き張力の測定値22が前記の目標
線引き張力21と一致するよう、前記の母材送り込み量
23に応じて線引き張力の制御を行う。
【0022】この線引き張力の変化によるカットオフ波
長の変化は、線引き張力の変化により線引き後の光ファ
イバ内に残留する応力分布が変化して、この結果光ファ
イバ内の屈折率分布が変化するために起こるものと考え
られる。このカットオフ波長の変化の特性は、シングル
モード光ファイバのコア及びクラッドのドーパント構成
によって異なる。図6は、実際に測定したシングルモー
ド光ファイバの線引張力−カットオフ波長曲線の一例を
示すグラフである。図6でわかるとおり、線引張力の増
加にともない、GeドープSiO2 コア、SiO2 クラ
ッドのシングルモード光ファイバのカットオフ波長は増
大する傾向にあるが、SiO2 コア、FドープSiO2
クラッドのシングルモード光ファイバのカットオフ波長
は減少する傾向にある。
【0023】これは、コアとクラッドとでドープ材の構
成が異なると軟化点温度に相対的な高低差が生じること
から、線引き時に溶融状態の光ファイバ母材から線引き
されて冷却されると、線引き張力の大部分が先に硬化し
た部分即ち軟化点温度が高い部分に支えられた状態で冷
却され、この部分に引張応力が残留し、光弾性効果によ
ってこの部分の屈折率が変化して、この結果カットオフ
波長が変化するためである。
【0024】ここで光弾性効果によるガラスの屈折率変
化は次式で近似することができる。 δn=Cσ …(1) ここで、δnはガラスの屈折率の変化量、 Cはガラスの光弾性係数 σはガラスに残留する引張応力を示す。
【0025】Cの値はガラスの材料に依存するが、純粋
なSiO2 の場合−4.2×10-12Pa-1であり、引
張応力が残留すれば、SiO2 の屈折率の変化量は負の
値になることがわかる。従って、線引き張力が大きくな
れば残留引張応力も大きくなって、SiO2 の屈折率は
減少することが解る。
【0026】又、カットオフ波長はコアの屈折率とコア
とクラッドの比屈折率差に依存して変化し、コアの屈折
率またはコアとクラッドの比屈折率差が増加すると、カ
ットオフ波長も増大する。例えばステップインデックス
型のシングルモード光ファイバのカットオフ波長は次式
で与えられる。
【0027】
【数1】 λc=(2π/Vc )an1 (2Δ)1/2 …(2) ここで、Vc は第2番目のモードの遮断条件で2.40
5の値をとり、aはコアの半径、n1 はコアの屈折率、
Δはコアとクラッドの比屈折率差を示す。
【0028】コアの屈折率が減少すればn1 とΔが減少
してカットオフ波長も減少し、逆にクラッドの屈折率が
減少すればΔが増大してカットオフ波長が増大すること
がわかる。
【0029】前述のGeドープSiO2 コア、SiO2
クラッドのシングルモード光ファイバの場合は、コアよ
りもSiO2 クラッドのほうが軟化点温度が高いため、
クラッドに引張応力が残留する結果、前述の効果により
線引き張力が増大すると、SiO2 クラッドの残留引張
応力も増大して屈折率が低下し、カットオフ波長が増大
する。逆にSiO2 コア、FドープSiO2 クラッドの
シングルモード光ファイバの場合は、クラッドよりもS
iO2 コアのほうが軟化点温度が高いため、コアに引張
応力が残留する結果、前述の効果により線引き張力が増
大すると、SiO2 コアの残留引張応力も増大して屈折
率が低下し、カットオフ波長が減少する。
【0030】また制御が可能な線引き張力の範囲は28
0g程度以下であり、この範囲から外れると光ファイバ
強度や光ファイバ外径などに支障がでてしまう。この範
囲の線引き張力によって制御できる光ファイバのカット
オフ波長の範囲は、GeドープSiO2 コア、SiO2
クラッドのシングルモード光ファイバで0.16μm程
度、GeドープSiO2 コア、SiO2 クラッドの分散
シフトシングルモード光ファイバで0.45μm程度と
非常に広く、これは両シングルモード光ファイバの通常
の許容規格の範囲に相当する程度のものである。ただし
SiO2 コア、FドープSiO2 クラッドのシングルモ
ード光ファイバなどのように、コアのほうが軟化点温度
が高いためにコアに引張応力が加わるような光ファイバ
の場合には、余り大きな線引き張力を加えると伝送損失
が増大してしまう。そのためこの種の光ファイバの制御
が可能な線引き張力の範囲はより狭い範囲となる。
【0031】(実施例1)下記の構成の光ファイバ母材
を用意した。
【0032】 光ファイバの種別 シングルモード光ファイバ 目標光ファイバ外径 125μm 目標モードフィールド径 9μm コアガラスの組成 GeドープSiO2 クラッドガラスの組成 SiO2 目標カットオフ波長(λcs) 1.28μm プリフォームアナライザにてこの光ファイバ母材の5カ
所の点の屈折率プロファイルを測定し推定カットオフ波
長を求めた。この推定カットオフ波長のデータと図6の
線引張力−カットオフ波長曲線のデータを線引き装置の
制御コンピュータに入力して、加熱炉への供給電力を制
御することによって線引き張力を制御して前記光ファイ
バ母材を線引した。線引前の光ファイバ母材の推定カッ
トオフ波長と線引後の光ファイバのカットオフ波長の測
定値を表1に示す。また、比較の為従来の方法により製
造した場合の例を表2に示した。本発明による方法によ
り、線引後の光ファイバのカットオフ波長のばらつきは
従来方法に比べ約1/2に低減できた。また本発明によ
る方法により製造した光ファイバのモードフィールド径
の変動は±0.1μm以下となって、規格値を充分満足
するものであった。従って本発明による方法においては
カットオフ波長以外の光ファイバのパラメータ特性の変
動は充分無視できるものと言える。
【0033】
【表1】
【表2】 (実施例2)下記の構成の光ファイバ母材を用意した。
【0034】 光ファイバの種別 シングルモード光ファイバ 目標光ファイバ外径 125μm 目標モードフィールド径 9μm コアガラスの組成 SiO2 クラッドガラスの組成 FドープSiO2 目標カットオフ波長(λcs) 1.28μm プリフォームアナライザにてこの光ファイバ母材の3カ
所の点の屈折率プロファイルを測定し推定カットオフ波
長を求めた。この推定カットオフ波長のデータと図6の
線引張力−カットオフ波長曲線のデータを線引き装置の
制御コンピュータに入力して、加熱炉への供給電力を制
御することによって線引き張力を制御して前記光ファイ
バ母材を線引した。線引前の光ファイバ母材の推定カッ
トオフ波長と線引後の光ファイバのカットオフ波長の測
定値を表3に示す。また、比較の為従来の方法により製
造した場合の例を表4に示した。本発明による方法によ
り、線引後の光ファイバのカットオフ波長のばらつきは
従来方法に比べ約1/2に低減できた。また本発明によ
る方法により製造した光ファイバのモードフィールド径
の変動は±0.1μm以下となって、規格値を充分満足
するものであった。従って本発明による方法においては
カットオフ波長以外の光ファイバのパラメータ特性の変
動は充分無視できるものと言える。
【0035】
【表3】
【表4】 (実施例3)下記の構成の光ファイバ母材を用意した。
【0036】 光ファイバの種別 分散シフト光ファイバ 目標光ファイバ外径 125μm 目標モードフィールド径 9μm コアガラスの組成 GeドープSiO2 クラッドガラスの組成 SiO2 目標カットオフ波長(λcs) 1.50μm プリフォームアナライザにてこの光ファイバ母材の3カ
所の点の屈折率プロファイルを測定し推定カットオフ波
長を求めた。この推定カットオフ波長のデータと図6の
線引張力−カットオフ波長曲線のデータを線引き装置の
制御コンピュータに入力して、加熱炉への供給電力を制
御することによって線引き張力を制御して前記光ファイ
バ母材を線引した。線引前の光ファイバ母材の推定カッ
トオフ波長と線引後の光ファイバのカットオフ波長の測
定値を表5に示す。また、比較の為従来の方法により製
造した場合の例を表6に示した。本発明による方法によ
り、線引後の光ファイバのカットオフ波長のばらつきは
従来方法に比べ約1/2に低減できた。また本発明によ
る方法により製造した光ファイバのモードフィールド径
の変動は±0.1μm以下となって、規格値を充分満足
するものであった。従って本発明による方法においては
カットオフ波長以外の光ファイバのパラメータ特性の変
動は充分無視できるものと言える。
【0037】
【表5】
【表6】
【0038】
【発明の効果】本発明の方法および装置により、屈折率
プロファイルが長手方向に変動していて光ファイバ線引
き後のカットオフ波長が長手方向の一部で目標特性を満
足しない光ファイバ母材でも、光学特性の長手方向の変
動を小さくして目標特性の公差内に抑えることにより全
長にわたって目標特性を満足するシングルモード光ファ
イバを製造することが可能になる。さらに、光ファイバ
のカットオフ波長の長さ方向のばらつきを極小とし、か
つその平均値を目標特性の中心値に接近させることによ
り、非常に品質の良い、特性の安定した光ファイバの製
造が可能になる。また、予想されるカットオフ波長が規
格ぎりぎりのものである場合、従来の方法では線引され
たファイバの長さ方向の一部で規格外になって光ファイ
バ母材の製造歩留まりが悪くなることがあったが、本発
明によりその割合が減り製造歩留まりが上がり生産性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】シングルモード光ファイバの線引き張力とカッ
トオフ波長の関係を模式的に示すグラフ。
【図2】光ファイバ母材の一例を示す正面図。
【図3】本発明方法を実施するに好適に使用される線引
き装置の一例を示す構成図。
【図4】本発明方法を実施するに好適に使用される線引
き装置の制御コンピュータの一例を示す構成のブロック
図。
【図5】本発明方法を実施するに好適に使用される線引
き装置の制御コンピュータの他の例を示す構成ブロック
図。
【図6】実際に測定したシングルモード光ファイバの線
引き張力とカットオフ波長の関係の一例を示すグラフ。
【符号の説明】 1 光ファイバ母材 2 光ファイバ 3 光ファイバ母材送り出し装置 4 加熱炉 5,6 被覆用のコーテイングカップ 7,8 架橋筒 9 引き取り装置 10 巻き取りローラ 11 光ファイバ素線 12,13 外径測定器 14 制御コンピュータ 15 ターンプーリ 16 荷重計 21 目標線引き張力 22 線引き張力 23 母材送り込み量 24 線引き張力制御プログラム 31 目標カットオフ波長 32 推定カットオフ波長 33 線引張力−カットオフ波長相関グラフ 34 線引き張力設定プログラム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ母材を線引きしてシングルモ
    ード光ファイバを製造する方法において、 予め光ファイバ母材の長手方向に複数箇所で、線引き後
    の光ファイバのカットオフ波長推定値を求めておき、線
    引き後の光ファイバのカットオフ波長が長手方向に所定
    の値になるように、線引き時に前記カットオフ波長推定
    値の変動に応じて長手方向に順次線引き張力を制御して
    線引きを行うことを特徴とする光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバ母材を光ファイバに線引きす
    るために加熱溶融する加熱炉と、該加熱炉に前記光ファ
    イバ母材を送り込むための光ファイバ母材送り出し装置
    と、光ファイバを線引きするための引き取り装置と、光
    ファイバの線引き張力を制御する線引き張力制御装置と
    を有する光ファイバの線引き装置であって、 前記光ファイバ母材の長手方向に複数箇所で求めた線引
    き後の光ファイバのカットオフ波長推定値と前記光ファ
    イバ母材の線引き張力とカットオフ波長の関係を予め求
    めておき、さらに前記カットオフ波長推定値を前記線引
    き張力とカットオフ波長の関係に参照させて線引き後の
    光ファイバのカットオフ波長が長手方向に所定の値にな
    るよう目標線引き張力を予め求めておき、 線引き張力が前記目標線引き張力に一致するように前記
    光ファイバ母材送り出し装置の母材送り込み量に対応さ
    せて順次制御する前記線引き張力制御装置であることを
    特徴とする光ファイバの線引き装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光ファイバの線引き装置
    であって、 光ファイバ母材の長手方向に複数箇所で求めた線引き後
    の光ファイバのカットオフ波長推定値を光ファイバ母材
    の送り出し量に対応させて予め記憶する手段と、 光ファイバ母材の線引き張力とカットオフ波長の関係を
    予め記憶する手段と、 前記カットオフ波長推定値を前記線引き張力とカットオ
    フ波長の関係に参照させて線引き後の光ファイバの目標
    カットオフ波長が長手方向に所定の値になるよう目標線
    引き張力を求める手段とを有することを特徴とする光フ
    ァイバの線引き装置。
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