JPH08214719A - 方形面の散水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 長（正）方形状のビニールハウス、畑、グラ
ンド、庭園、屋根などに散水を行う場合、任意の大きさ
の散水が簡単にでき、微細で、均一な散水を可能とす
る。 【構成】 駆動装置１に長螺子シャフト２を固着し、こ
の長螺子シャフトが回転すると往復案内ナット３は揺動
リンク９に直線運動をあたえる。往復案内ナット３に取
り付けられた回転方向切換スイッチ１８が往復幅調整板
１９にぶつかると、この運動は直線往復運動となる。ま
た、長螺子シャフト２に固着された伝動歯車４は伝動ベ
ルト１１を介してクランク５に固着された伝動歯車４に
回転が伝わる。クランク５に揺動角調整螺子８で固定さ
れた揺動案内バー６は揺動リンク９の長穴部分を滑べ
り、揺動リンク９は揺動運動も得ることになる。直線往
復運動と揺動運動を同時に与えられた揺動リンク９は散
水管１３を散水管止め螺子１０で固定し、固定された散
水管１３は滑べり軸受け１２を滑べりながらジグザグ運
動３６を発生し、方形状の散水が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業場の利用分野】本発明は、長方形や正方形の畑、
ビニールハウス、庭園、グランド、屋根などに散水する
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の散水装置としては図５の
Ａに示すように噴射口（１４）から噴射水（３５）を噴
射し、この噴射圧を利用して回転運動（３６）を得る回
転式のスプリンクラーや図５のＢに示すように噴射口
（１４）から噴射した水をきのこ形の丸い板に衝突させ
て放射状に散らせるスプリンクラー等が一般的に知られ
ている。前者の散水状態は図５のＡ１に示すように噴射
水が螺旋状に円形に飛び散る。後者の散水状態は図５の
Ｂ１に示すように噴射水が放射線状に円形に飛び散る。
又これらの方式以外にも様々な方式はあったのだが設
備費が莫大なうえ移転がむずかしいなどの理由によりあ
まり利用されなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の図５に示す散水
装置等で、図８に示すような長方形ＥＦＧＨ（長辺は短
辺の２倍）に隙間がないように散水を行う場合ＩとＪの
位置にスプリンクラーを設けなければならなかった。そ
してＩとＪを中心に円形状に散水が行われるため、斜線
部の不必要な水までが散水されていた。そればかりか重
なり合う斜線部は二重に散水されるため泥粘化してしま
ったり多湿になりすぎたりで、このような散水ムラは作
物や花茎などに悪い影響を与えてきた。

【０００４】本発明は、従来の散水装置の有するこのよ
うな問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは方形状の畑、ビニールハウス、庭園、グラン
ド、屋根などにおける散水を行う場合において、図８の
斜線部の無駄やムラをなくすことにより、貴重な水と時
間を節約し、また低コストで簡単に設置でき、また装置
の持ち運びも簡単にできるという優れた散水装置を提供
しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、散水する長（正）方形面の長辺
の長さに等しい直線パイプに軸方向に一定ピッチで一直
線状に同径の噴射口を一列だけを設けた散水管に給水ホ
ースで水を送り図６のＣや図７のＤの如く各噴射口から
等距離に噴射水を飛ばすのである。このためには散水管
をほぼ水平になるように設置し、飛びすぎるところは高
く、飛ばないところは低くと高さを調整して散水管滑べ
り軸支部にのせるのである。そしてこの噴射水の落下地
点を結んだ直線は散水管と平行になるように設置する。
この様に設置した散水管を長（正）方形の短辺の幅に応
じてジグザグ運動や揺動運動を与えるのである。

【０００６】また、散水管の長さが長距離（３０メート
ル以上）になる場合は散水管の継合部に滑べり、ずれ、
抜けなどが生じ易いので、これらを防止するために図４
の如き継合方式をとる。

【０００７】

【作用】（図１、図３、図６参照。） 上記のように設
置された図６のＣに示す散水管にジグザグ運動（３６）
を与えると落下点の軌跡はＣ１になる。この場合、図１
の往復幅調整板（１９）の往復距離は噴射口間の距離と
等しくする。こうすることにより、噴射口間の隙間は、
長螺子シャフト（２）のピッチに比例した非常に微細な
波形で均一に埋められることになる。

【０００８】（図２、図７参照。）また、図７のＤのよ
うにはじめから噴射口間の距離を小さくした散水管に揺
動運動（３６）を与えると落下点の軌跡はＤ１になる。
噴射口間の距離を小さくすればするほど微細で均一な方
形状の散水が可能となる。この場合、噴射口の数を増や
し、口径を小さくしなければならないが、機構部分はジ
グザグ方式よりも簡単にできる。

【０００９】

【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図１及び図２において、駆動装置（１）に長螺子シャフ
ト（２）を固着し、この長螺子シャフトが回転すると往
復案内ナット（３）は揺動リンク（９）に直線運動をあ
たえる。往復案内ナット（３）に取り付けられた回転方
向切換スイッチ（１８）が往復幅調整板（１９）にぶつ
かると、この運動は直線往復運動となる。また、長螺子
シャフト（２）に固着された伝動歯車（４）は伝動ベル
ト（１１）を介してクランク（５）に固着された伝動歯
車（４）に回転が伝わる。クランク（５）に揺動角調整
螺子（８）で固定された揺動案内バー（６）は揺動リン
ク（９）の長穴部分を滑べり、揺動リンク（９）は揺動
運動も得ることになる。直線往復運動と揺動運動を同時
に与えられた揺動リンク（９）は散水管（１３）を散水
管止め螺子（１０）で固定し、固定された散水管（１
３）は滑べり軸受け（１２）を滑べりながらジグザグ運
動（３６）を発生することになる。このようにジグザグ
発生機構と散水管とが図１の如く一体となった散水装
置。

【００１０】図２に示される実施例においては、駆動装
置（１）にクランク（５）を固着し、このクランク
（５）には揺動角調整螺子（８）が揺動リンク（２３）
の長穴部分を貫通し固定されている。クランク（５）が
回転するとこの揺動角調整螺子（８）は長穴部分を滑べ
るようにして揺動リンク（２３）に揺動運動をあたえ
る。この揺動リンク（２３）の運動は中間リンク（２
４）を介して揺動リンク（２５）に伝えられる。このと
き揺動リンク（２５）の揺動角は、揺動リンク（２３）
と揺動リンク（２５）の長さの比に反比例して大きくな
る。そしてこの揺動リンク（２５）は散水管止め螺子
（１０）によって散水管（１３）を固定し、散水管（１
３）は滑べり軸受け（１２）を滑べるように揺動運動す
る。このとき散水管（１３）が滑べり軸受け（１２）か
ら抜け出ないようにずれ止めカラー（３０）の散水管止
め螺子（１０）を散水管（１３）に固定する。このよう
に揺動発生機構と散水管とが図２の如く一体となった散
水装置。

【００１１】図４に示される実施例においては、散水管
を継ぎ合わせて長距離（具体的にいえば３０メートル以
上）の散水を行う場合、散水管が運動をはじめると継目
にねじれ、滑べり、抜けなどが発生し易くなる。そこで
コの字形継手小（２６）とコの字形継手大（２７）とが
連結ボルト（２８）と連結ナット（２９）とによって連
結されていて散水管（１３）の継目はホース（１６）と
ホースバンド（１７）によって継がれている。散水菅止
め螺子（１０）で散水管（１３）を固定すると継目のね
じれ、滑べり、抜けが防止できる。また連結ボルト（２
８）と連結ナット（２９）を緩めることにより折り畳み
が可能となり携帯が楽に行える。このような機能を持つ
図４の如き管継手。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されているような効果を奏す
る。

【００１３】長（正）方形面の散水を行う場合、長辺に
等しい長さを持つ散水管に、短辺の幅に応じた揺動角を
あたえるだけで任意の方形面の散水が簡単に行える。

【００１４】図５に示す従来の円形散水方式と比較する
と、方形面で散水する場合においては水量及び散水時間
を３６％も節約出来る。以下このことを証明する。い
ま、図８に示す長方形ＥＦＧＨのようなビニールハウス
に散水すると仮定する。短辺ＥＦの長さを１０、長辺Ｆ
Ｇの長さを２０とすると、必要な散水面積は１０×２０
＝２００である。円形散水方式で隙間なく散水を行う場
合、ＩとＪの位置にスプリンクラーを設置し、半径はＪ
Ｈとすると、この２円が散水する面積は、ＪＨ＝５√２
であるから、５√２×５√２×３．１４×２＝３１４で
ある。つまり、必要面積は２００であるから１１４の無
駄な面積に水を散水したことになる。１１４／３１４＝
０．３６だから、この３６％の水が節約できることにな
る。また、よけいなところに散水しないため時間も３６
％短縮出来るのである。

【００１５】また、従来の円形散水方式で図８のような
長方形ＥＦＧＨに隙間なく散水する場合２円が重なり合
う部分が多湿になったり、泥粘化したりで作物や花茎に
悪い影響を与えていたが、本発明では均一で微細な散水
が行われるためこれらの問題は解決された。

【図面の簡単な説明】

【図１】ジグザグ機構式散水装置の斜視図である。

【図２】揺動機構式散水装置の斜視図である。

【図３】ジグザグ機構式散水装置の詳細断面図である。

【図４】本装置で使用する散水管の継手の斜視図であ
る。

【図５】Ａは従来の回転式スプリンクラーの噴射水の噴
射状態を示す斜視図。Ａ１はその散水状態を示す平面
図。Ｂは従来の衝突式スプリンクラーの噴射水の噴射状
態を示す斜視図。Ｂ１はその散水状態を示す平面図。

【図６】Ｃはジグザグ機構式散水装置の噴射水の噴射状
態を示す斜視図。Ｃ１はその散水状態を示す平面図。

【図７】Ｄは揺動機構式散水装置の噴射水の噴射状態を
示す斜視図。Ｄ１はその散水状態を示す平面図。

【図８】本装置で散水した場合と従来の円形散水方式で
散水した場合の比較図である。

【符号の説明】

１ 駆動装置（モーター、エンジン） ２ 長螺子シャフト ３ 往復案内ナット ４ 伝達歯車（スプロケット） ５ クランク ６ 揺動案内バー ７ 揺動角調整穴 ８ 揺動角調整螺子 ９ 揺動リンク １０ 散水管止め螺子 １１ 伝達用ベルト（チェーン） １２ 滑べり軸受け １３ 散水管 １４ 噴射口 １５ 散水管蓋 １６ 給水ホース １７ ホースバンド １８ 回転方向切り換えスイッチ １９ 往復幅調整板 ２０ 電源 ２１ ベース板 ２２ リンク蝶着ピン ２３ 揺動リンク ２４ 中間リンク ２５ 揺動リンク ２６ コの字形継手（小） ２７ コの字形継手（大） ２８ 連結ボルト ２９ 連結ナット ３０ ずれ止めカラー ３１ 散水管滑べり軸支部 ３２ 高さ調整板 ３３ 高さ調整螺子 ３４ 杭部 ３５ 噴射水 ３６ 運動軌跡

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（図１の概要図及び図３の詳細図参照。）
   駆動装置（１）に長螺子シャフト（２）を固着し、この
   長螺子シャフトが回転すると往復案内ナット（３）は揺
   動リンク（９）に直線運動をあたえる。往復案内ナット
   （３）に取り付けられた回転方向切換スイッチ（１８）
   が往復幅調整板（１９）にぶつかると、この運動は直線
   往復運動となる。また、長螺子シャフト（２）に固着さ
   れた伝動歯車（４）は伝動ベルト（１１）を介してクラ
   ンク（５）に固着された伝動歯車（４）に回転が伝わ
   る。クランク（５）に揺動角調整螺子（８）で固定され
   た揺動案内バー（６）は揺動リンク（９）の長穴部分を
   滑べり、揺動リンク（９）は揺動運動も得ることにな
   る。直線往復運動と揺動運動を同時に与えられた揺動リ
   ンク（９）は散水管（１３）を散水管止め螺子（１０）
   で固定し、固定された散水管（１３）は滑べり軸受け
   （１２）を滑べりながらジグザグ運動（３６）を発生す
   ることになる。このようにジグザグ発生機構と散水管と
   が図１の如く一体となった散水装置。
2. 【請求項２】（図２参照。）駆動装置（１）にクランク
   （５）を固着し、このクランク（５）には揺動角調整螺
   子（８）が揺動リンク（２３）の長穴部分を貫通し固定
   されている。クランク（５）が回転するとこの揺動角調
   整螺子（８）は長穴部分を滑べるようにして揺動リンク
   （２３）に揺動運動をあたえる。この揺動リンク（２
   ３）の運動は中間リンク（２４）を介して揺動リンク
   （２５）に伝えられる。このとき揺動リンク（２５）の
   揺動角は、揺動リンク（２３）と揺動リンク（２５）の
   長さの比に反比例して大きくなる。そしてこの揺動リン
   ク（２５）は散水管止め螺子（１０）によって散水管
   （１３）を固定し、散水管（１３）は滑べり軸受け（１
   ２）を滑べるように揺動運動する。このとき散水管（１
   ３）が滑べり軸受け（１２）から抜け出ないようにずれ
   止めカラー（３０）の散水管止め螺子（１０）を散水管
   （１３）に固定する。このように揺動発生機構と散水管
   とが図２の如く一体となった散水装置。
3. 【請求項３】（図４参照。）散水管を継ぎ合わせて長距
   離（具体的にいえば３０メートル以上）の散水を行う場
   合、散水管が運動をはじめると継目にねじれ、滑べり、
   抜けなどが発生し易くなる。そこでコの字形継手小（２
   ６）とコの字形継手大（２７）とが連結ボルト（２８）
   と連結ナット（２９）とによって連結されていて散水管
   （１３）の継目はホース（１６）とホースバンド（１
   ７）によって継がれている。散水菅止め螺子（１０）で
   散水管（１３）を固定すると継目のねじれ、滑べり、抜
   けが防止できる。また連結ボルト（２８）と連結ナット
   （２９）を緩めることにより折り畳みが可能となり携帯
   が楽に行える。このような機能を持つ図４の如き管継
   手。