JPH0821375A - 可変容量形ポンプ - Google Patents

可変容量形ポンプ

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Publication number
JPH0821375A
JPH0821375A JP15591594A JP15591594A JPH0821375A JP H0821375 A JPH0821375 A JP H0821375A JP 15591594 A JP15591594 A JP 15591594A JP 15591594 A JP15591594 A JP 15591594A JP H0821375 A JPH0821375 A JP H0821375A
Authority
JP
Japan
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pump
cam ring
pressure
fluid pressure
chamber
Prior art date
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Pending
Application number
JP15591594A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroto Iwata
洋人 岩田
Shigeyuki Miyazawa
茂行 宮澤
Tadaaki Fujii
忠晃 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Publication date
Application filed by Jidosha Kiki Co Ltd filed Critical Jidosha Kiki Co Ltd
Priority to JP15591594A priority Critical patent/JPH0821375A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カムリング内径側で生じる不平衡力を解消
し、ポンプ吐出側での大きな流量変動を防止することに
より、カムリングの振動現象を防止する。 【構成】 ボディ11内で回転自在なロータ15外周部
にポンプ室18を形成するカムリング17を移動可能に
配置し、ポンプ室容積を最大とする方向に付勢する。カ
ムリング外周部でボディとの間の環状隙間空間に、シー
ル手段21,45を介在させ、カムリングを移動変位さ
せるための第1、第2の流体圧室34,35を形成す
る。吸込側、吐出側開口25a,24aによるそれぞれ
の領域間の中間領域48,49に対応するカムリング外
周面に、求心方向に押圧可能なピストン50,51を設
ける。ピストン背面側に各中間領域でのポンプチャンバ
内圧を導入し、各ピストンでのカムリングの押圧力バラ
ンスでこれを所要の位置に押圧保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば自動車のハン
ドル操作力を軽減する動力舵取装置のような圧力流体利
用機器に用いられる可変容量形のベーンポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置用ポンプとして従来一般に
は、自動車用エンジンで直接回転駆動される容量形のベ
ーンポンプが用いられていた。しかし、このような容量
形ポンプは、駆動源であるエンジン回転数に対応して吐
出流量が増減されるため、停車中や低速走行時に大きな
操舵補助力を生じさせ、高速走行時には操舵補助力を小
さくするという動力舵取装置とは相反する特性となって
いる。
【0003】したがって、このようなポンプとしては、
回転数が小さい低速走行時にあっても所要の操舵補助力
が得られる吐出流量を確保できるものが用いられ、かつ
回転数が大きくなったときの吐出流量を一定量以下に制
御するための流量制御弁が必須となる。このため、この
ようなポンプでは、構成部品点数が増え、構造が複雑化
し、さらに通路構造も複雑で、全体の大型化やコスト高
も避けられない。
【0004】また、流量制御弁を用いると、吐出流量を
タンク側に還流させることになるので、駆動馬力が大き
くなり、エネルギ損失が多く、さらに油温が上昇すると
いう問題もある。
【0005】このような容量形での不具合を解決するも
のとして、一回転当たりの吐出流量(cc/rev)を
回転数の増加に伴って比例的に減少させ得る可変容量形
ベーンポンプが、たとえば特開昭53−130505号
公報、特開昭56−143383号公報、特開昭58−
93978号公報、実公昭63−14078号公報等に
よって種々提案されている。
【0006】このような可変容量形のポンプでは、容量
形のような流量制御弁が不要で、また無駄な駆動馬力の
増大化を防ぎ、エネルギ効率の面でも優れ、さらにタン
ク側への戻り流量もないことから油温上昇という問題も
低減でき、しかもポンプ内部での漏れ、容積効率低下等
の問題をも防止できる。
【0007】ここで、たとえば特開昭56−14338
3号公報等に示される可変容量形ポンプは、カムリング
をポンプケーシング内で移動可能に構成するとともに、
このカムリングとポンプケーシングとの間に形成した間
隙部において一対のコントロール室となる流体圧室を形
成し、それぞれの室に吐出通路途中に設けたオリフィス
前後の圧力を導き、その差圧をカムリングに直接作用さ
せ、このカムリングをスプリングの付勢力に抗して適宜
移動させることにより、ポンプ室の容積を変化させて適
正な吐出流量制御を行なうものである。
【0008】しかし、このような従来のポンプでは、カ
ムリングを、ポンプハウジング内で直線移動可能に保持
し、これを吐出通路に直接または間接的に設けたオリフ
ィス上、下流側の圧力差で移動変位させているだけであ
り、ポンプ各部の構成部品や流体通路等が多く、加工
性、組立性は勿論、動作上での信頼性、さらに耐久性の
面で問題をもち、実現性に乏しいものであった。
【0009】上述したような可変容量形ベーンポンプの
一例を、図7を用いて簡単に説明すると、図中1はポン
プボディ、1aはアダプタリング、2はこのボディ1の
アダプタリング1a内に形成されている楕円形空間部1
b内で支軸部2aを介して揺動変位可能に設けられかつ
図中白抜き矢印Fで示す方向に押圧手段により付勢力が
与えられているカムリングである。3はこのカムリング
2内でポンプ室4を一側に形成するように他側寄りに偏
心して収容され外部駆動源によって回転駆動されること
により放射方向に進退自在に保持したベーン3aを出入
りさせるロータである。
【0010】なお、図中3bはロータ3の駆動軸で、ロ
ータ3は図中矢印で示す方向に回転駆動される。また、
図中5a,6aはボディ空間部1bにおいてカムリング
2の両側室5,6に開口して形成され各室5,6にカム
リング2を揺動変位させるための制御圧、たとえばポン
プ吐出側通路に設けた可変オリフィス前後の流体圧等を
導くための通路で、カムリング2をポンプ吐出側での流
量に応じて揺動変位させ、ポンプ回転数の増加に伴い吐
出側の流量を減少させるような吐出側流量制御を行なう
ように構成される。
【0011】7は前記ポンプ室4におけるポンプ吸込側
領域4Aに臨んで開口されたポンプ吸込側開口、8はポ
ンプ室4のポンプ吐出側領域4Bに臨んで開口されたポ
ンプ吐出側開口で、これらの開口7,8はロータ3およ
びカムリング2からなるポンプ構成要素を両側から挾み
込んで保持するための固定壁部であるプレッシャプレー
トおよびサイドプレート(図示せず)のいずれかに形成
されている。
【0012】また、5,6は前述したようにボディ1の
アダプタリング1aの楕円形空間部1b内でカムリング
2の外周部両側に形成された高圧側、低圧側となる一対
の流体圧室で、これらの室5,6には、前述した通路5
a,6aによりポンプ吐出側通路の可変オリフィス上、
下流側の流体圧等が導入され、カムリング2を所要の方
向に揺動変位させ、ポンプ室4内の容積を可変し、ポン
プ吐出側での流量に対応して吐出流量を可変制御するも
のである。ここで、カムリング2は図中Fで示すように
流体圧室6側から付勢力が与えられ、常時はポンプ室4
内の容積を最大に維持し得るようになっている。また、
図中2bはカムリング2の外周部に設けられ軸支部2a
と共に左、右両側に流体圧室5,6を画成するためのシ
ール材である。
【0013】なお、8aは前記ポンプ吐出側開口8のポ
ンプ回転方向の終端部に連続して形成されたひげ状のノ
ッチで、このノッチ8aは、ロータ3の回転に伴って各
ベーン3aの先端をカムリング2の内周部に摺接させて
ポンプ作用を行わせる場合に、各開口7,8の端部に接
近するベーン間で挾まれた空間とこれに隣接するベーン
間の空間との間で流体圧を高圧側から低圧側へと徐々に
逃がす役割を果たすためのものである。このようなノッ
チ8aによれば、ベーン3a間の空間が、各開口7,8
の端部に直に到達することで、急激な圧力変動、サージ
圧を生じ、その結果としてポンプ吐出側での流体圧力に
脈動問題を生じることを防止するうえで効果的なもので
ある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うな従来の可変容量形のベーンポンプ構造によれば、ロ
ータ3、カムリング2等のポンプ構成要素によるポンプ
カートリッジ(ポンプ作用部)においてポンプ室4にお
ける吸込側開口4Aの終了点から吐出側開口4Bの開始
点までの領域、および吐出側開口4Bの終了点から吸込
側開口4Aの開始点までの領域に相当する中間領域(図
7において符号9A,9Bで示す部分)に位置するポン
プチャンバ(ベーン3aとベーン3aによって仕切られ
る室)は、ポンプ吐出圧とポンプ吸込圧とに交互に変化
する。
【0015】これは、ロータ3の回転方向において先行
するベーン3aが、回転方向の先端側の開口4Bまたは
4Aに到達すると、その開口4Bまたは4Aでのポンプ
吐出側または吸込側のポート圧となり、また後続するベ
ーン3aが、回転方向の後端側の開口4Aまたは4Bに
あるときには、後続する開口によるポート圧の状態とな
るためである。
【0016】特に、この種の可変容量形のベーンポンプ
では、一般には奇数枚のベーン3aが採用されており、
ロータ3の回転軸3bを中心とした対向する中間領域9
A,9Bは、360°/2nの角度ずれを生じながら回
転しているため、この点からも対向する中間領域9A,
9Bでの圧力バランスがくずれ易い状況にあった。
【0017】そして、このような圧力変動や圧力不平衡
を原因として対向する中間領域9A,9Bのポンプチャ
ンバの相互差による推力がカムリング2内面に負荷さ
れ、カムリング2が振動し、その結果としてポンプ吐出
側において大きな流量変動や大きな油圧脈動現象が発生
し、騒音問題も生じるという不具合があった。
【0018】また、この種の可変容量形ポンプにあって
は、ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフするための
リリーフ弁を付設することが一般に行われているが、そ
の組込み個所や組込み構造によっては、動作上での信頼
性や組込み性等において問題を生じることがあり、この
ような問題点をも解消し得る何らかの対策を講じること
も望まれている。
【0019】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ポンプ室内でポンプ吸込側領域とポンプ吐
出側領域との間の中間領域での圧力が、吸込側と吐出側
とに交互に変化することによるカムリングの不平衡を解
消し、これによりカムリングの発振現象を防ぎ、ポンプ
吐出側での大きな流量変動、脈動等を低減し、騒音問題
も解消することができる可変容量形ポンプを得ることを
目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る可変容量形ポンプは、ベーンを有し
ポンプボディ内に回転自在に配設されたロータと、この
ロータ外周に嵌装されてポンプ室を形成するとともにポ
ンプボディとの間の外周部にポンプ吐出側の流量に応じ
た流体圧が導かれる第1、第2の流体圧室が形成されか
つポンプボディ内で揺動変位可能なカムリングと、この
カムリング側面部に接して配設される側壁部におけるポ
ンプ室に対応する部分でロータの回転方向に所定間隔を
おいて開口されかつポンプ吸込側、吐出側の流体圧が導
入されるポンプ吸込側開口およびポンプ吐出側開口を備
え、カムリングの外周面であってポンプ室の吸込側開口
による吸込側領域と吐出側開口による吐出側領域との間
に形成される中間領域に対応する部位に、カムリングを
求心方向に向って押圧可能な一対のピストンを設け、か
つこれら各ピストンの背面側に、前記ポンプ室の各中間
領域でのベーン間に形成されるポンプチャンバの内圧を
導入するように構成したものである。
【0021】また、本発明に係る可変容量形ポンプは、
ロータ外周部との間にポンプ室を形成するように嵌装さ
れかつポンプボディ内で移動変位可能に配置されるとと
もにポンプボディとの間の外周部隙間空間に第1および
第2の流体圧室が形成されているカムリングと、ポンプ
吐出側通路に設けたメータリングオリフィス上、下流側
での圧力差によって作動されポンプ室からの圧力流体の
吐出流量に応じて前記第1および第2の流体圧室への供
給流体圧を制御するスプール式の切換えバルブとを備
え、ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフする直動型
のリリーフ弁を、ポンプ吐出側通路に、またはポンプ吐
出側通路に通路を介して連通する切換えバルブの低圧側
室に臨むように、ポンプボディの一部に直接設けたもの
である。
【0022】さらに、本発明に係る可変容量形ポンプ
は、ロータ外周部との間にポンプ室を形成するように嵌
装されかつポンプボディ内で移動変位可能に配置される
とともにポンプボディとの間の外周部隙間空間に第1お
よび第2の流体圧室が形成されているカムリングと、ポ
ンプ吐出側通路に設けたメータリングオリフィス上、下
流側での圧力差によって作動されポンプ室からの圧力流
体の吐出流量に応じて前記第1および第2の流体圧室へ
の供給流体圧を制御するスプール式の切換えバルブと、
ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフするリリーフ弁
とを備え、このリリーフ弁を、ポンプボディを構成する
一方ボディの接合面に凹設した大径孔に嵌挿したバルブ
シートと、ポンプボディを構成する他方ボディの接合面
に開口する大径孔よりも小径な孔部内で保持される弁体
とによって構成したものである。
【0023】
【作用】本発明によれば、一対をなすピストンにより、
カムリングの外周面に、ポンプ室での中間領域の流体圧
に応じた押圧力を常に作用させ、カムリングを所要の位
置で押圧保持し得るため、従来のポンプにおいて生じ易
いカムリングでの不平衡力に対向してこれを消去し、こ
れによりカムリングの発振現象を抑制または防止でき、
その結果としてポンプ吐出側で生じていた大きな流量変
動、脈動を低減し、静粛な可変容量形ポンプを得ること
ができる。
【0024】すなわち、上述したポンプ室の中間領域で
の内圧は、ポンプ吐出圧とポンプ吸込圧とに交互に変化
する。これにより、各ピストンによる押圧力は交互に大
小となり、カムリングの位置を所要の位置に押圧保持
し、ピストンを押す力は、カムリングの内面に発生する
不平衡力に丁度つり合うようになり、これによりカムリ
ングが不平衡力によって振動することを防止し、この振
動によるポンプ吐出側での流量変動や脈動現象を防止で
きる。
【0025】また、本発明によれば、ポンプ吐出側での
過大流体圧をリリーフするリリーフ弁を、ポンプボディ
のポンプ吐出側通路に臨む部分等の所要の個所に、簡単
に組込み可能に構成しているので、リリーフ弁としての
機能を発揮させ、さらに組立性等も向上させることがで
きる。
【0026】
【実施例】図1ないし図3の(a),(b)は本発明に
係る可変容量形ポンプの一実施例を示し、これらの図に
おいて、本実施例では、動力舵取装置の油圧発生源とな
るベーンタイプのオイルポンプである場合を説明する。
【0027】まず、全体を符号10で示すベーンタイプ
の可変容量形ポンプは、図1および図2から明らかなよ
うに、ポンプボディを構成するフロントボディ11およ
びリアボディ12を備えている。このフロントボディ1
1は、図2から明らかなように全体が略カップ状を呈
し、その内部にポンプカートリッジとしてのポンプ構成
要素13を収納配置する収納空間14が形成されるとと
もに、この収納空間14の開口端を閉塞するようにリア
ボディ12が組合わせられて一体化されている。なお、
このフロントボディ11には、前記ポンプ構成要素13
の回転子であるロータ15を外部から回転駆動するため
のドライブシャフト16が貫通した状態で、軸受16
a,16b,16c(16bはリアボディ12側、16
cは後述するプレッシャプレート20側に配設される)
により回転自在に支持されている。
【0028】17はベーン15aを有するロータ15の
外周部に嵌装して配置される内側カム面17aを有し、
かつこの内側カム面17aとロータ15との間にポンプ
室18を形成するカムリングで、このカムリング17
は、後述するように、ポンプ室18の容積を可変するよ
うに収納空間14内で空間内壁部分に嵌合状態で設けら
れたアダプタリング19内で移動変位可能に配置されて
いる。なお、このアダプタリング19は、ボディ11の
収納空間14内でカムリング17を移動変位可能に保持
するためのものである。
【0029】20は上述したロータ15、カムリング1
7およびアダプタリング19によって構成されているポ
ンプカートリッジ(ポンプ構成要素13)のフロントボ
ディ11側に圧接して積層配置されるプレッシャプレー
トで、またこのポンプカートリッジの反対側面には前記
リアボディ12の端面がサイドプレートとして圧接さ
れ、フロントボディ11とリアボディ12との一体的な
組立てによって所要の組立状態とされる。そして、これ
らの部材によって、前記ポンプ構成要素13が構成され
ている。
【0030】ここで、これらのプレッシャプレート20
と、これにカムリング17を介して積層されるサイドプ
レートとなるリアボディ12とは、カムリング17の揺
動変位用の軸支部および位置決めピンとしても機能する
後述するシールピン21や適宜の回り止め手段(図示せ
ず)によって、回転方向で位置決めされた状態で一体的
に組付け固定されている。
【0031】23は前記フロントボディ11の収納空間
14内でその底部側に形成されるポンプ吐出側圧力室
で、プレッシャプレート20にポンプ吐出側圧力を作用
させるようになっている。24はこのポンプ吐出側圧力
室23にポンプ室18からの圧油を導くプレッシャプレ
ート20に穿設されているポンプ吐出側開口である。
【0032】25はリアボディ12の一部に設けられた
吸込ポート26(詳細な図示を省略する)からのポンプ
吸込側流体を前記ポンプ室18に導くようにリアボディ
12内に形成されたポンプ吸込側通路で、この通路25
はリアボディ12の端面に開口するポンプ吸込用開口2
5aを経てポンプ室18に接続されている。
【0033】28は上述したポンプ室18からポンプ吐
出側通路24、ポンプ吐出側圧力室23、この圧力室2
3からフロントボディ11の上方に延びた通路孔23a
を介して接続されたポンプ吐出側通路で、この通路28
の途中にはメータリングオリフィス29が介在させられ
るとともに外方端側にポンプ吐出側流体圧を図示しない
パワーステアリング装置(図中PSで示す)等の油圧機
器に給送するための吐出ポート28aが設けられてい
る。
【0034】30はフロントボディ11における収納空
間14の上方に略直交して配置され上述したカムリング
17をポンプボディ11(アダプタリング19)内でロ
ータ15に対して移動変位させるための切換えバルブ
で、この切換えバルブ30は、ボディ11に穿設されて
いるバルブ孔30a内で前記ポンプ吐出側通路28のメ
ータリングオリフィス29上、下流側の圧力差およびば
ね31の付勢力で摺動動作するリリーフ弁付きのスプー
ル32を備えている。
【0035】なお、図中29a,29bはオリフィス2
9上、下流側の圧力をバルブ孔30a内に導入する通路
である。さらに、このバルブ孔30aにおいて中央部分
には、前記ポンプ吸込側通路25の一部から分岐されて
流体圧をタンク側に導く低圧側通路25bがそれぞれ形
成され、スプール32の移動に伴なって選択的に開閉制
御され、後述するカムリング17両側の第1、第2の流
体圧室(後述する34,35)に流体圧を導入するよう
になっている。
【0036】すなわち、このような切換バルブ30にお
いて、スプール32の一方室(図1の左方で高圧側とな
る第1の室)32aには、前記ポンプ吐出側の圧力室2
3、ポンプ吐出側通路28および通路29aを介してメ
ータリングオリフィス29上流側の流体圧が導かれてい
る。なお、図中33はバルブ孔30a内でスプール32
の左方への移動位置を通路29aの開口端を閉塞しない
位置で係止するロッド33aを有するバルブ孔30aの
閉塞用プラグである。さらに、図中32cはバルブスプ
ール32内に設けられたリリーフ弁である。
【0037】また、スプール32の他方室(図1の右方
で低圧側である第2の室)32bには、ばね31が配設
されるとともにメータリングオリフィス29下流側の流
体圧が前記吐出ポート28aに至る通路28途中から前
記通路29bを介して導かれている。なお、この通路2
9b途中の小径部はダンパオリフィス部である。
【0038】さらに、バルブ孔30aの略中央部には、
カムリング19の外周部でボディ11側のアダプタリン
グ19との間に形成される第1の流体圧室34に、ボデ
ィ11、アダプタリング19を経て形成されている導圧
通路36(アダプタリング19の通路孔36aを含む)
が開口されている。なお、カムリング17の外周部に
は、第1の流体圧室34をアダプタリング19への接触
時にも確保できるような略々半周程度の凹溝等を周方向
に沿って形成しておくとよい。
【0039】また、前記ポンプ吐出側通路28のメータ
リングオリフィス29の下流側からは、カムリング19
の外周部でボディ11側のアダプタリング19との間に
形成される第2の流体圧室35に、ボディ11、アダプ
タリング19を経て形成されている導圧通路37(アダ
プタリング19の通路孔37aを含む)が開口されてい
る。ここで、図中37bは導圧通路37の一部に形成し
た絞りであり、この絞り37bによってカムリング17
の制振効果を得られるようにしている。なお、このよう
なメータリングオリフィス29の下流側の導圧通路37
としては、上述した実施例に代えてバルブ孔30aの右
方端部の低圧側室32bを介して導くように構成しても
よい。
【0040】そして、これらの通路36,37が、メー
タリングオリフィス29前、後の圧力差やスプール32
の動きによって、図1等から明らかなように、前記ポン
プ吐出側通路28に通路29bを介して、またはポンプ
吸込用開口25b側に通路25bを介して、選択的に接
続されるようになっている。
【0041】すなわち、ポンプ作動時において吐出側で
の流量変動を、メータリングオリフィス29上、下流側
の圧力差により作動される切換えバルブ30により感知
し、このバルブ30によって制御される流体圧を、前記
カムリング17両側の第1、第2の流体圧室34,35
に供給することにより、このカムリング17を所要の状
態で揺動変位させ、ポンプ室18内の容積を可変させ、
ポンプ吐出流量を所要の状態で制御し得る。
【0042】ここで、図1中40はポンプボディ11,
12内で移動変位可能に配置されたカムリング17を、
ロータ15の外周部とに形成されるポンプ室18が最大
容積となるように付勢する押圧部材で、コイルばね41
および筒状の押えプラグ42とから構成されている。
【0043】また、図中45はカムリング17の外周部
の一部に設けられアダプタリング19との間の隙間空間
に、シールピン21と協働して、前記第1、第2の流体
圧室34,35を形成するためのシール手段である。さ
らに、図中24cはポンプ室18内でポンプ吐出側領域
に開口するポンプ吐出側開口24において、ポンプ吸込
側領域側に延設して形成したひげ状ノッチである。
【0044】なお、上述したベーンタイプの可変容量形
ポンプ10において、上述した以外の構成は従来から周
知の通りであり、その詳細な説明は省略する。
【0045】ここで、上述した構成による本実施例によ
る可変容量形ポンプ10によれば、ロータ15外周部と
の間にポンプ室18を形成するように嵌装されかつポン
プボディ11,12内で移動変位可能(揺動変位可能)
に配置されるとともにポンプボディ11,12との間の
外周部隙間空間にシール手段21,45を介して第1お
よび第2の流体圧室34,35が形成されるカムリング
17と、このカムリング17をロータ15外周部との間
でのポンプ室18容積を最大とする方向に付勢する付勢
手段としてのコイルばね41と、ポンプ吐出側通路28
に設けたメータリングオリフィス29上、下流側での圧
力差に応じて作動されポンプ室18からの圧力流体の吐
出流量Qの大小に応じて第1および第2の流体圧室3
4,35への供給流体圧を制御するスプール式切換えバ
ルブ30を備えている。
【0046】このような構成において、カムリング17
外周部の流体圧室34,35のうち、ポンプ室18の容
積を最大とする方向(図1中左側)への移動変位を与え
る第2の流体圧室35に、メータリングオリフィス29
の下流側の流体圧を、導圧通路37を介して導入するよ
うに構成している。
【0047】そして、このような構成によれば、カムリ
ング17外側に形成される高圧側の流体圧室34に、ス
プール式切換えバルブ30によってポンプ吐出側流量Q
の大小に応じた流体圧を導入するとともに、低圧側の流
体圧室35に、ポンプ吐出側通路28でのメータリング
オリフィス29の下流側流体圧を導入することにより、
ポンプ10の作動初期には所要の吐出流量制御を行な
い、所定流量を得られるばかりでなく、被利用機器の作
動等といったポンプ負荷時にあっても、従来問題であっ
たカムリング17内、外での不平衡な流体圧によりアン
バランスな力が働いて、このカムリング17を不用意に
揺動変位させるといった不具合をなくし、結果としてポ
ンプ吐出側での流量変動や流量低下を解消し、安定した
流量制御を行なえる。
【0048】すなわち、このような構成では、流体圧力
変化に伴なうカムリング17内圧の上昇に対抗できる程
度の略吐出圧力に近いメータリングオリフィス29後の
下流側圧力を、カムリング17外側の低圧側流体圧室3
5に導入することにより、ポンプ負荷等による吐出側圧
力Pの上昇によっても、図3の(a)または(b)の特
性図から明らかなように、流量変動や流量低下を生じな
いようにすることができる。特に、ポンプ10からの流
体圧が供給される被利用機器での作動によるポンプ負荷
時に、ポンプ吐出側流体圧Pが上昇しても、流量低下と
いった問題を生じないようにすることができる。
【0049】これを図3の(a),(b)を用いて簡単
に説明すると、前述したようなアンバランスな力による
カムリング17の吐出量減少方向への動きを解消するた
めに、前記低圧側の流体圧室35での流体圧PB を略吐
出圧に近いメータリングオリフィス29の下流側での流
体圧力を導入するようにしている。そして、このように
すれば、ポンプ吐出側圧力Pに略等しい圧力(PB )
を、低圧側の流体圧室35に導入することができ、その
結果カムリング17の内、外での圧力差(P−PB )を
減少させ、たとえば被利用機器であるパワーステアリン
グ等での作動によるポンプ負荷時のように、吐出側流体
圧力Pが上昇しても、流量Qが低下したりすることがな
くなり、これによりポンプの流量制御を安定して行なえ
る。
【0050】また、このような構成によれば、従来のポ
ンプ構造において流量調整域で制御中にポンプ吸込側に
連通させたり、ポンプ作動直後にメータリングオリフィ
ス29の上流側圧力を導入していた通路等を不要とし、
これによって各部の構造の簡素化を図り、各部の加工性
等も向上させることができる。
【0051】ここで、このようなポンプ吐出側流体圧の
上昇時において、カムリング17の揺動変位を制御する
左、右の流体圧室34,35への流体圧は、切換えバル
ブ30によって差圧を制御されている。本実施例装置で
は、このような状況下において、調整流量分だけを制御
するように、カムリング17へのアンバランスな力をな
くすようにしたものである。これは、図3の(a)にお
いて、本実施例装置での無負荷時の流量特性がa、負荷
時流量特性がbであり、従来構造での負荷時流量特性c
のように、調整流量域での流量の急激な低下が生じない
ことによる。
【0052】さらに、本実施例での圧力状況を図3の
(b)に示す通りであり、本実施例装置では、流量調整
域では第2の流体圧室34での流体圧PB が、ポンプ吐
出圧Pに圧力差が小さい状態となっている。
【0053】上述した構成において、ポンプ10の始動
時には、カムリング17は図1から明らかなようにボデ
ィ11の収納空間14内の一側にロータ15との間のポ
ンプ室18の内容積が最大となるように押圧部材40の
コイルばね41により付勢された状態にある。このと
き、切換バルブ30は、図1とは異なり、第1の流体圧
室34をポンプ吸込側に、第2の流体圧室35をポンプ
吐出側でのメータリングオフィス29下流側に接続され
た状態にある。
【0054】そして、ポンプ回転数が徐々に増大して駆
動されると、このポンプ回転数に比例して得られるポン
プ吐出側でオリフィス29上、下流側の流体圧による差
圧によって、切換バルブ30のスプール32を切換え作
動させ、これにより調整流量域では、カムリング17外
側の第1の流体圧室34はポンプ吐出側でメータリング
オリフィス29の上流側に、第2の流体圧室35は、メ
ータリングオリフィス29の下流側に接続され、これに
よりロータ15に対して偏心しているカムリング17
を、コイルばね41に抗してポンプ室18の内容積が減
少する方向(図1参照)に移動変位する。
【0055】このとき、ポンプ吐出側の流体流量の大小
に応じた切換バルブ30のスプール32による切換え作
動で、第1の流体圧室34に対しポンプ吐出側が、これ
に相対向して位置付けられている第2の流体圧室35に
対しこれよりも低圧なオリフィス29下流側が適宜接続
されることから、カムリング17は、切換えバルブ30
の作動状態によって適宜移動変位され、結果として内容
積が変化されるポンプ室18から吐出される流量制御が
所要の状態で行なえ、動力舵取装置PSに至る所定流量
の給送が可能となる。
【0056】そして、上述した構成によれば、ポンプ回
転数に伴なって増減するポンプ吐出量により、メータリ
ングオリフィス29で生じる差圧に応じて切換えバルブ
30を切換え制御し、これによってカムリング17をコ
イルばね41の付勢力に抗して図中右側に、またはこの
付勢力によって図中左側に、移動変位させ得るもので、
その結果としてポンプ室18の内容積を可変制御し、ポ
ンプからの吐出量を、たとえば図3の(a),(b)に
示されるように、ポンプ回転数に合わせてバランスさ
せ、所望の特性を得られるように制御し得る。
【0057】さて、本発明に係る可変容量形ポンプ10
によれば、上述したようにポンプカートリッジであるポ
ンプ構成要素13を構成するロータ15とカムリング1
7との間のポンプ室18において、ポンプ吸込側開口2
5aとポンプ吐出側開口24による吸込側領域と吐出側
領域との間の中間領域48,49に対応するカムリング
17の外周面部分に、カムリング17を求心方向に押圧
可能な押圧手段として一対をなすピストン50,51を
設け、かつ各ピストン50,51の背面側に前記ポンプ
室18での中間領域48,49においてベーン15a,
15a間に形成されるポンプチャンバの内圧を導入し、
両ピストン50,51によるカムリング17の押圧力バ
ランスによって、カムリング17を所要の位置に押圧保
持するように構成している。
【0058】ここで、上述したピストン50,51は、
ボディ11に穿設された穴部52,53内に摺動動作可
能に配置され、かつカムリング17側に延設されたロッ
ド部50a,51aの先端部がカムリング17の外周面
に押圧可能に当接している。また、ピストン50,51
のロッド部50a,51a側の室54a,55aには、
図中54,55で示す通路を介してタンク圧またはドレ
ン部からの圧が導入されるようになっている。
【0059】さらに、上述した中間領域のポンプチャン
バ内圧が導入される背面側室50b,51bには、ばね
56,57が配設され、ロッド部50a,51aをカム
リング17側に押し付けるように機能している。
【0060】なお、図中58,59は中間領域48,4
9でのポンプチャンバの内圧をピストン50,51の背
面側室58a,59aに導くための通路である。また、
このようなピストン50,51での受圧面積やロッド部
先端部による押圧面積、特にピストン径による受圧面積
は、適宜の条件、つまりカムリング17に作用する不平
衡力につり合う出力を得られるような条件に応じて適宜
選択して決定すればよい。さらに、図中60,61はピ
ストン50,51の穴部52,53の開口端を閉塞する
プラグである。
【0061】そして、このような構成によれば、一対を
なすピストン50,51により、カムリング17の外周
面に、ポンプ室18での中間領域の流体圧に応じた押圧
力を常に作用させ、カムリング17を所要の位置で押圧
保持し得るため、従来この種の可変容量形ポンプ10に
おいて生じ易いカムリング17での不平衡力に対向して
これを消去し、これによりカムリング17の発振現象を
抑制または防止でき、その結果としてポンプ吐出側で生
じていた大きな流量変動、脈動を低減し、静粛な可変容
量形ポンプ10を得ることができる。
【0062】換言すれば、上述したポンプ室18の中間
領域での内圧は、ポンプ吐出圧とポンプ吸込圧とに交互
に変化する。これにより、各ピストン50,51による
押圧力は交互に大小となり、カムリング17の位置を所
要の位置に押圧保持することになる。特に、ピストン5
0または51を押す力は、カムリング17の内面に発生
する不平衡力に丁度つり合うようになり、これによりカ
ムリング17が不平衡力によって振動することを防止で
き、その結果として振動によるポンプ吐出側での流量変
動や脈動現象を防止できることになる。
【0063】ここで、上述した実施例では、ポンプ室1
8内においてポンプ吸込側領域と吐出側領域との間に形
成される二つの中間領域48,49に対応して、カムリ
ング17の外周面に求心方向への押圧力を作用させる押
圧手段であるピストン50,51を対をなして設けた場
合を示したが、これに限定されず、いずれか一方の中間
領域48または49のみに対応してピストン50または
51を設けてもよい。なお、このような一個のピストン
では、上述した実施例のような二個のピストン50,5
1を設けた場合に比べて効果はやや劣るが、上述した振
動によるポンプ吐出側での流量変動や脈動現象を防止す
るという効果をある程度は発揮させ得るものである。
【0064】図4は本発明の別の実施例を示すものであ
り、この実施例では、前述した実施例においてポンプボ
ディ11内に配置され第1、第2の流体圧室34,35
への供給流体圧を制御して、カムリング17を揺動動作
させるためのスプール式切換えバルブ30のスプール3
2内に設けていたリリーフ弁32cを、ポンプ吐出側通
路28の一部に臨むように、あるいはバルブ30のバル
ブ孔30aに臨むように、ポンプボディ11または12
に設けたものである。
【0065】すなわち、前述したような可変容量形ポン
プ10において、切換えバルブ30のスプール32内に
リリーフ弁32cを組込んでいると、リリーフ時にバル
ブスプール32に影響が及び、発振現象が生じ、これが
カムリング17での発振現象に繋がるという虞れがあ
る。また、バルブスプール32に内蔵したリリーフ弁3
2cでは、リリーフ時に全ての吐出流量をリリーフさせ
ることが難しいという問題もある。
【0066】この実施例では、このような点に鑑み、直
動型のリリーフ弁32cを、フロントボディ11または
リアボディ12においてメータリングオリフィス29下
流側のポンプ吐出側通路28またはこの通路28に通路
29bを介して連通するバルブ30の低圧側室32bに
臨んで設けたものである。
【0067】そして、このような構成によれば、リリー
フ時において、リリーフ弁32cとしての機能を発揮さ
せ、全ての吐出流量をリリーフさせることができるとい
う利点がある。
【0068】図5および図6は本発明のさらに別の実施
例を示し、この実施例では、上述した実施例でのリリー
フ弁32cのポンプボディへの組込み構造を改良し、組
込み性を向上させるようにしたものである。
【0069】ここで、この実施例での可変容量形ポンプ
10では、ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフする
リリーフ弁32cを、ポンプボディを構成する一方ボデ
ィ(フロントボディ11)の接合面に凹設した通路孔6
1開口端の大径孔60に軽い圧入等によって嵌挿しその
端面を接合面と同一面として設けられるバルブシート6
2と、ポンプボディを構成する他方ボディ(リアボディ
12)の接合面に開口する大径孔60よりも小径な孔部
63内で保持される弁体としてのニードルピン64とに
よって構成したものである。
【0070】なお、65は孔部63に連通する通路孔、
66は孔部63内に設けられた弁体付勢用ばね、67は
Oリング用溝である。また、上述した弁体としては、ス
チールボール等によってもよいことは勿論である。
【0071】そして、このような構成によれば、ポンプ
吐出側での過大流体圧をリリーフするリリーフ弁32c
を、ポンプボディ11,12のポンプ吐出側通路28に
臨む部分等の所要の個所に、簡単に組込み可能に構成し
ているので、リリーフ弁32cとしての機能を発揮さ
せ、さらに組立性等も向上させることができる。
【0072】特に、上述した構成では、バルブシート6
2を嵌込んだフロントボディ11側の大径孔60より
も、リアボディ12側の孔部63を小径としており、こ
れによりバルブシート62のボディ11側からの抜出し
を抑えることができるため、バルブシート62が流体圧
の上昇時に移動したりすることがなくなり、確実な組立
状態を確保し、バルブシート62とニードルピン64と
によるリリーフ弁32cとしての機能を発揮することが
できる。
【0073】また、このような構成では、バルブシート
62を強く圧入したりすることがないため、その圧入用
孔にひずみを生じ、フロントボディ11側での変形等を
招いてリアボディ12との組付けが行えなくなったり、
リリーフ弁32cにおいてリリーフ圧の変動を防止で
き、リリーフ圧の安定化を図れる等の利点を奏する。
【0074】なお、本発明は上述した実施例構造に限定
されず、各部の形状、構造等を、適宜変形、変更するこ
とは自由であり、種々の変形例が考えられよう。たとえ
ば上述した実施例では、カムリング17を移動変位可能
に保持する環状隙間空間を、アダプタリング19との間
に形成した場合を示したが、本発明はこれに限定され
ず、ポンプボディ11内にカムリング17を移動変位可
能に保持させるように構成してもよい。
【0075】さらに、上述した構成によるベーンタイプ
の可変容量形ポンプ10としては、上述した実施例構造
に限定されないことは勿論、上述した実施例で説明した
パワーステアリング装置以外にも、各種の機器、装置に
適用してもよいことも言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る可変容
量形ポンプによれば、ポンプボディ内に回転自在に配設
されたロータと、このロータ外周に嵌装されてポンプ室
を形成するとともにポンプボディとの間の外周部にポン
プ吐出側の流量に応じた流体圧が導かれる第1、第2の
流体圧室が形成されかつポンプボディ内で揺動変位可能
なカムリングと、このカムリング側面部に接して配設さ
れる側壁部におけるポンプ室に対応する部分でロータの
回転方向に所定間隔をおいて開口されかつポンプ吸込
側、吐出側の流体圧が導入されるポンプ吸込側および吐
出側の開口を備え、カムリングの外周面であってポンプ
室の吸込側開口による吸込側領域と吐出側開口による吐
出側領域との間に形成される中間領域に対応する部位
に、カムリングを求心方向に向って押圧可能な一対のピ
ストンを設け、かつこれら各ピストンの背面側に、前記
ポンプ室の各中間領域でのベーン間に形成されるポンプ
チャンバの内圧を導入するように構成したので、簡単な
構成であるにもかかわらず、以下のような種々優れた効
果を奏する。
【0077】すなわち、本発明によれば、一対をなすピ
ストンにより、カムリングの外周面に、ポンプ室での中
間領域の流体圧に応じた押圧力を常に作用させ、カムリ
ングを所要の位置で押圧保持し得るため、従来のポンプ
において生じ易いカムリングでの不平衡力に対向してこ
れを消去し、これによりカムリングの発振現象を抑制ま
たは防止でき、その結果としてポンプ吐出側で生じてい
た大きな流量変動、脈動を低減し、静粛な可変容量形ポ
ンプを得ることができる。
【0078】特に、本発明によれば、ポンプ室の中間領
域での内圧は、ポンプ吐出圧とポンプ吸込圧とに交互に
変化し、これにより各ピストンによる押圧力は交互に大
小となり、カムリングの位置を所要の位置に押圧保持
し、ピストンを押す力は、カムリングの内面に発生する
不平衡力に丁度つり合うようになり、その結果カムリン
グが不平衡力によって振動することを防止し、この振動
によるポンプ吐出側での流量変動や脈動現象を防止でき
るものである。
【0079】また、本発明に係る可変容量形ポンプによ
れば、ポンプ吐出側通路に設けたメータリングオリフィ
ス上、下流側での圧力差によって作動されポンプ室から
の圧力流体の吐出流量に応じて前記第1および第2の流
体圧室への供給流体圧を制御するスプール式の切換えバ
ルブと、ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフする直
動型のリリーフ弁とを備え、このリリーフ弁を、ポンプ
吐出側通路に、またはポンプ吐出側通路に通路を介して
連通する切換えバルブの低圧側室に臨むように、ポンプ
ボディの一部に直接設けたり、ポンプボディを構成する
一方ボディの接合面に凹設した大径孔に嵌挿したバルブ
シートと、ポンプボディを構成する他方ボディの接合面
に開口する大径孔よりも小径な孔部内で保持される弁体
とによって構成したりしているので、以下のような優れ
た効果を奏する。
【0080】本発明によれば、リリーフ弁を、ポンプボ
ディのポンプ吐出側通路に臨む部分等の所要の個所に簡
単に組込み、かつリリーフ弁としての機能を発揮させ、
さらに組立性等も向上させることができるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る可変容量形ポンプの一実施例を
示し、ポンプの要部構造を示す概略横断面図である。
【図2】 図1の要部構造を説明するために断面して示
す要部縦断面図である。
【図3】 (a)は本発明によるポンプ回転数Nと吐出
流量Qとの関係を示す特性図、(b)は本発明によるポ
ンプ回転数Nとポンプ吐出側圧力Pとの関係を示す特性
図である。
【図4】 本発明に係る可変容量形ポンプの別の実施例
を示すポンプ要部構造の概略横断面図である。
【図5】 本発明に係る可変容量形ポンプのさらに別の
実施例を示すポンプ要部構造の概略横断面図である。
【図6】 図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】 従来の可変容量形ポンプの要部構造を説明す
るための概略図である。
【符号の説明】
10…ベーンタイプの可変容量形ポンプ、11…フロン
トボディ(ポンプボディ)、12…リアボディ、13…
ポンプ構成要素、14…収納空間、15…ロータ、15
a…ベーン、16…ドライブシャフト(回転軸)、17
…カムリング、17a…カム面、18…ポンプ室、19
…アダプタリング、20…プレッシャプレート、21…
シールピン(カムリング軸支部)、23…ポンプ吐出側
圧力室、23a…ポンプ吐出側通路、24…ポンプ吐出
側開口、25…ポンプ吸込側通路、25a…ポンプ吸込
側開口、25b…低圧側通路、26…吸込ポート、28
…ポンプ吐出側通路、28b…高圧側通路、29…メー
タリングオリフィス、29a…通路、29b…通路、3
0…スプール式切換えバルブ、31…ばね、32…スプ
ール、32b…低圧側の第2の室、34…第1(高圧
側)の流体圧室、35…第2(低圧側)の流体圧室、3
6…導圧通路、37…導圧通路(メータリングオリフィ
ス下流側流体圧導入用)、37b…絞り部、40…押圧
部材、48,49…中間領域、50,51…ピストン、
52,53…穴部、54,55…通路、56,57…ば
ね、58,59…導圧通路、60…大径孔、61…通
路、62…バルブシート、63…孔部、64…ニードル
ピン(弁体)、65…通路孔、66…ばね。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベーンを有しポンプボディ内に回転自在
    に配設されたロータと、 このロータ外周に嵌装されてポンプ室を形成するととも
    にポンプボディとの間の外周部にポンプ吐出側の流量に
    応じた流体圧が導かれる第1、第2の流体圧室が形成さ
    れかつポンプボディ内で揺動変位可能なカムリングと、 このカムリングの側面部に接して配設される側壁部にお
    ける前記ポンプ室に対応する部分でロータの回転方向に
    所定間隔をおいて開口されかつポンプ吸込側、吐出側の
    流体圧が導入されるポンプ吸込側開口およびポンプ吐出
    側開口を備えており、 前記カムリングの外周面であって前記ポンプ室の吸込側
    開口による吸込側領域と吐出側開口による吐出側領域と
    の間に形成される中間領域に対応する部位に、カムリン
    グを求心方向に向って押圧可能な一対のピストンを設
    け、 かつこれら各ピストンの背面側に、前記ポンプ室の各中
    間領域でのベーン間に形成されるポンプチャンバの内圧
    を導入するように構成したことを特徴とする可変容量形
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の可変容量形ポンプにおい
    て、 カムリングの中間領域に対応する部位を押圧する一対の
    ピストンは、ポンプボディ内の穴部内で摺動動作可能に
    保持され、 かつポンプ室の中間領域での内圧が導入される背面側室
    に付勢手段が配設されるとともに、 ピストンの前面側室にはタンク圧またはドレン圧が導入
    されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
  3. 【請求項3】 ベーンを有しポンプボディ内に回転自在
    に配設されたロータと、 このロータ外周部との間にポンプ室を形成するように嵌
    装されかつ前記ポンプボディ内で移動変位可能に配置さ
    れるとともにポンプボディとの間の外周部隙間空間にシ
    ール手段を介して第1および第2の流体圧室が形成され
    ているカムリングと、 前記ポンプ吐出側通路に設けたメータリングオリフィス
    上、下流側での圧力差によって作動され前記ポンプ室か
    らの圧力流体の吐出流量に応じて前記第1および第2の
    流体圧室への供給流体圧を制御するスプール式の切換え
    バルブとを備えてなり、 前記ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフする直動型
    のリリーフ弁を、ポンプ吐出側通路に、またはポンプ吐
    出側通路に通路を介して連通する前記切換えバルブの低
    圧側室に臨むようにして、前記ポンプボディの一部に直
    接設けたことを特徴とする可変容量形ポンプ。
  4. 【請求項4】 ベーンを有しポンプボディ内に回転自在
    に配設されたロータと、 このロータ外周部との間にポンプ室を形成するように嵌
    装されかつ前記ポンプボディ内で移動変位可能に配置さ
    れるとともにポンプボディとの間の外周部隙間空間にシ
    ール手段を介して第1および第2の流体圧室が形成され
    ているカムリングと、 前記ポンプ吐出側通路に設けたメータリングオリフィス
    上、下流側での圧力差によって作動され前記ポンプ室か
    らの圧力流体の吐出流量に応じて前記第1および第2の
    流体圧室への供給流体圧を制御するスプール式の切換え
    バルブと、 前記ポンプ吐出側での過大流体圧をリリーフするリリー
    フ弁を備えてなり、 このリリーフ弁を、ポンプボディを構成する一方ボディ
    の接合面に凹設した大径孔に嵌挿したバルブシートと、
    ポンプボディを構成する他方ボディの接合面に開口する
    前記大径孔よりも小径な孔部内で保持される弁体とによ
    って構成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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