JPH0820183A - アルバム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真を任意の位置に置き手で押圧するか、或
いは点在する打抜かれた離型紙部位を剥がしてその上に
写真を載せて押圧するのみで貼着することができ、必要
時に写真を剥がすことができると共に、アルバムを閉じ
ても写真非貼着部位が相互に粘着することのないアルバ
ムを提供する。 【構成】 台紙の少なくとも一方の面に再剥離性粘着剤
層が設けられ、該再剥離性粘着剤層が紙または離型紙で
被覆されている共に、紙で被覆されている場合には、紙
が存在せず再剥離性粘着剤層が露出している部位が散在
していことを特徴とし、製造にあたり環状の穿孔を散在
させた紙に、台紙に再剥離性粘着剤を塗布した台紙を貼
着する。また、離型紙で被覆されている場合には、離型
紙表面から上記再剥離性粘着剤層に達する環状の打抜き
跡が散在していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は写真を任意の位置に置
き、手で押圧するのみで貼着することができ、必要時に
剥がすことができると共に、写真非貼着部位が相互に粘
着することのないアルバムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のアルバムはノートや書籍状に綴じ
られた台紙に、再剥離性の粘着剤を塗布した透明なプラ
スチックフィルムを積層し、このプラスチックフィルム
を剥がして、台紙とプラスチックフィルムとの間に写真
を挟み、再びプラスチックフィルムを台紙に貼着するも
のであった。また、写真店におけるサービス用のアルバ
ムは台紙の表裏を透明なプラスチックフィルムで覆い、
写真挿入口を横端部に残して中央部及び周囲を貼着し、
この台紙とプラスチックフィルムとの間に貼着していな
い横端部から写真を挿入するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
サービス用のアルバムの場合には、あくまでもサービス
であるため、台紙とプラスチックフィルムで形成された
ポケット状の間隙に、写真を１枚ずつ挿入するのは手間
のかかる作業であり、販売効率上好ましい方法ではなか
った。更に、このように台紙の表裏にプラスチックシー
トを貼着したアルバムは製造コストの面から考えても高
価なアルバムであった。

【０００４】また、書籍状の保存用のアルバムはしっか
りとした厚い台紙を用いているが、再剥離性粘着剤付き
プラスチックフィルムを剥がした後、プラスチックフィ
ルムを再び貼着するとき、シワが寄ったり写真が位置ず
れしたり正確に元の位置にプラスチックフィルムを貼着
できなかったりすることがあった。また、プラスチック
フィルムと写真や台紙との間に気泡が入り込み外観を害
することがあった。本発明は、上記の手間を省き単に写
真を所定の位置に置き押圧するのみで写真を貼着するこ
とができ、かつ、アルバムの写真非貼着部位が相互に粘
着しないと共に台紙の外観を損なわないアルバムを提供
することを目的とする。

【０００５】

【課題解決の手段】本発明は上記課題を解決することを
目的とし、その構成は、台紙の少なくとも一方の面に再
剥離性粘着剤層が設けられ、該再剥離性粘着剤層が紙ま
たは離型紙で被覆されている共に、紙で被覆されている
場合には、紙が存在せず再剥離性粘着剤層が露出してい
る部位が散在していことを特徴とし、また、離型紙で被
覆されている場合には、離型紙表面から上記再剥離性粘
着剤層に達する環状の打抜き跡が散在していることを特
徴とする。

【０００６】本発明におけるアルバムとは、狭義の写真
用アルバムに限らず、ノート状或いは書籍状に綴じら
れ、各頁に写真をはじめ名刺、葉書など各種のシート状
物を貼着整理することができるものを指称する。

【０００７】本発明における台紙は写真店のサービス用
アルバムのように台紙が薄い場合には通常の通常の筆記
用紙或いは印刷用紙で充分であり、個人で所有する書籍
状アルバムにあってはより厚い板紙が使用される。本発
明のアルバム用台紙の処理は台紙の一方の面であっても
よいが通常は両面に施される。薄い台紙の両面に写真貼
着用の処理を施す場合には、表裏の粘着剤露出部位が一
致していないことが好ましい。台紙表面は粘着剤の台紙
への移行を防ぐために通常樹脂などによる下塗りを行
う。

【０００８】再剥離性粘着剤としては、常温で粘弾性を
有し互いに接触する両面を一時的に接着させると共に、
外力を加えると容易に剥離するもので、この粘着力が長
く維持されるものが好ましい。一般に弱粘着剤と呼ばれ
るものが使用される。例えば、アクリル系粘着剤、ポリ
イソブチレン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ＳＢＲ系粘
着剤、ブチルゴム系粘着剤などの中で、粘着力の比較的
弱いものが挙げられる。

【０００９】本発明における紙とは通常の筆記用紙、印
刷用紙等に使用される紙であればよく、極端に薄い紙や
極端に厚い紙は好ましくない。一般に目付け３０〜７０
ｇ／ｍ² 、好ましくは４０〜６０ｇ／ｍ² である。

【００１０】この紙には穿孔を設ける。穿孔の形状は限
定しないが極端な凹凸を有するものは好ましくない。一
般に円形または楕円形に近いものである。その大きさは
径１２〜３ｍｍ、好ましくは１０〜５ｍｍである。１２
ｍｍを越えると写真を貼着しない部位の粘着剤が手や他
の物品に接触してべとべと感を与え、３ｍｍ未満では写
真裏面と再剥離性粘着剤とが接触する面積が不足し、写
真貼着が充分に行われ難い。

【００１１】また、保存用のアルバムで台紙が厚く、粘
着剤露出面がアルバムの台紙としての美観に悪影響を与
える場合には、再剥離性粘着剤を塗布した台紙に紙を貼
着せず離型紙を貼着する。しかる後、離型紙面から再剥
離性粘着剤層に達する打抜きを環状に行う。この状態で
は離型紙が存在するため環状の打抜き跡があっても粘着
剤が露出せず、また台紙としての美観を損なわない。離
型紙は表面が美しく着色されているか或いは淡い模様を
施されたものがよく、表面には離型剤を塗布する必要は
ない。裏面にはシリコン樹脂などの離型剤を塗布し、そ
の塗布量は頁を捲ることによっては打抜き跡の離型紙が
剥がれず、爪で剥がそうとすると容易に剥がれる程度で
ある。

【００１２】このようなアルバムを使用するにあたって
は写真を貼着すべき頁に写真を置いて写真の配置を決
め、写真により覆われる部位に存在する打抜き跡を手で
剥離して粘着剤層を露出させ、その上に写真を載せるこ
とにより確実かつ正確に写真が貼着される。したがっ
て、写真が貼着されていない部位の台紙には粘着剤層が
露出していない。また、粘着剤が露出している場合には
そのまま押圧するだけで写真を貼着することができる。

【００１３】このような台紙を製造するにあたっては、
一旦紙と粘着剤とが接触すると再剥離は困難であるた
め、前もって所定の位置に所定の大きさの穿孔を設けた
紙と粘着剤を塗布した台紙とを貼着して製造する。ま
た、通常の紙でなく離型紙を使用する場合には台紙に粘
着剤を塗布し、離型紙を貼着した後、粘着剤層に達し台
紙に達しない打抜き加工を行えばよい。

【００１４】なお、アルバムの頁を閉じることにより写
真の表面同士が接触し、長期間に写真が汚損されること
を防ぐために各頁の間に交互に透明なプラスチックシー
トを綴じ込むこともできる。一般にプラスチックシート
は引裂伝播強度が小さいため繰返し頁をめくる間に破れ
が生じるおそれがある。この場合には引裂伝播強度の大
きいフィルムや厚手のシートを選ぶか、綴じ込むプラス
チックシートの周囲をテープ等の別素材を貼着して保護
したり、プラスチックシートの周囲を厚くするなどの方
法がある。

【００１５】

【作用】本発明は、通常の筆記用紙程度の厚みの紙に直
径６〜８ｍｍ程度の穿孔を設けると、紙が薄いこと及び
台紙や写真の有するクッション性とにより、再剥離性粘
着剤層に写真裏面を押圧すると、この穿孔を介して写真
裏面が直接粘着剤層と接触し、写真を台紙に確実に貼着
できることを見出して完成したものである。更に、露出
した再剥離性粘着剤層は写真が貼着されていない部位で
も、周囲に紙が存在するため直径６〜８ｍｍ程度の穿孔
の場合には特に押圧しない限り、粘着剤層が他の台紙に
粘着することがない。すなわち、紙の厚みが穿孔により
露出した粘着剤層の他の重ねられた紙との接触を妨害す
るに充分な厚みであることを見出して完成したものであ
る。

【００１６】保存用の厚い台紙を用いたアルバムの場合
には、粘着剤層の上に通常の紙に代えて離型紙を貼着し
て打抜き加工を行えば、前もって穿孔を設けなくとも離
型紙が紙と同様の機能を有し、更に必要に応じ必要な部
位の打抜かれた離型紙のみを剥離して粘着剤層を露出さ
せ、その上に写真を貼着することにより写真の非貼着部
位の外観を損なわない。

【００１７】

【実施例】図１は本発明のアルバムの１実施例の頁を開
いた状態の斜視図、図２はアルバムの台紙の断面図、図
３は紙に代えて離型紙を使用した場合の台紙の断面図で
ある。

【００１８】１は写真２を貼着した頁であり、３は未だ
写真を貼着していない頁であり、粘着剤部位４が露出し
ている。写真を貼着した頁は図２に示すように、台紙５
の両面に下塗り層（図示を省略した）を介して再剥離性
粘着剤層６が施され、この再剥離性粘着剤層６には予め
径７ｍｍの円形の穿孔を散在させた目付４０ｇ／ｍ² の
紙７を貼着した。台紙５の紙７の穿孔と重なった部位は
粘着剤部位４となり粘着剤が露出している。しかし、こ
の頁を閉じても紙の厚さが粘着剤部位４が向かいの頁と
直接接触することを妨げている。

【００１９】粘着剤部位４を散在させた頁に写真を載せ
て押圧すると、図２に示すように写真にも台紙にも厚み
方向のクッション性があるため台紙５と写真２が再剥離
性粘着剤を介して直接粘着し、写真を確実に貼着するこ
とができる。好ましくは、互いに対向する頁の粘着剤部
位は、閉じた場合に互いに接触する部位に存在しないよ
うに配置する。

【００２０】図３は厚い台紙を用いた場合の実施例を示
す厚みを極度に拡大した説明図である。本実施例では紙
７に代えて離型紙８を使用した。９は台紙５に再剥離性
粘着剤層６を塗布するに先立ち台紙に設けた下塗り層で
ある。１０は打抜き跡であり、直径７ｍｍの円形を１０
ｃｍ平方あたり約１０ケの割で設けた。打抜き跡１０は
再剥離性粘着剤層６にまで達していることを要する。本
実施例では鋭い刃先を有する打抜き機で打抜いたため、
切り口は細くシャープであまり目立たなかったが、爪で
引き起こすと離型紙８が容易に円形に剥離し、粘着剤部
位４が露出した。以上の実施例に用いた再剥離性粘着剤
は写真をほぼ永久的に貼着し、必要に応じ剥離しても写
真の裏面及び台紙を汚損するおそれがない。

【００２１】

【発明の効果】本発明により、各頁に粘着剤が露出した
部位が散在する台紙からなるアルバムを閉じても、粘着
剤が相互に粘着せず、必要な部位に写真を載せて押圧す
るだけで写真を貼着できるアルバムを提供することがで
きる。更に、外観上、予め粘着剤露出部位を設けない場
合には、再剥離性粘着剤層の上に離型紙を貼着し、粘着
剤を露出すべき部位に粘着剤層まで達する環状の打抜き
処理を行い、必要時に離型紙を剥離して写真を貼着する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明のアルバムの１実施例の頁を開い
た状態の斜視図である。

【図２】図２はアルバムの台紙の断面図である。

【図３】図３は紙に代えて離型紙を使用した場合の台紙
の断面図である。

【符号の説明】

１ 写真を貼着した頁 ２ 写真 ３ 写真を貼着してない頁 ４ 粘着剤部位 ５ 台紙 ６ 再剥離性粘着剤層 ７ 紙 ８ 離型紙 ９ 下塗り層 １０ 打抜き跡

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 台紙の少なくとも一方の面に再剥離性粘
   着剤層が設けられ、該再剥離性粘着剤層が紙又は離型紙
   で被覆されている共に、該紙または離型紙が存在せず再
   剥離性粘着剤層が露出している部位が散在していること
   を特徴とするアルバム。
2. 【請求項２】 台紙の少なくとも一方の面に再剥離性粘
   着剤層が設けられ、該再剥離性粘着剤層が離型紙で被覆
   されている共に、離型紙表面から上記再剥離性粘着剤層
   に達する環状の打抜き跡が散在していることを特徴とす
   るアルバム。