JPH0820162A - 液体組成物、インクセット及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

液体組成物、インクセット及びこれを用いた画像形成方法

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JPH0820162A
JPH0820162A JP6179762A JP17976294A JPH0820162A JP H0820162 A JPH0820162 A JP H0820162A JP 6179762 A JP6179762 A JP 6179762A JP 17976294 A JP17976294 A JP 17976294A JP H0820162 A JPH0820162 A JP H0820162A
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ink
liquid composition
recording
pigment
image forming
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Katsuhiko Takahashi
勝彦 高橋
Yutaka Kurabayashi
豊 倉林
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 普通紙に対するインクジェット記録を行う場
合の課題である、良好な定着性を有しながら印字品位も
良好であること、及び十分な画像濃度が得られベタ画像
の均一性が高いこと、更に、カラー画像形成時における
課題として、ブリーディングを防止すること、色再現性
が良好であり高精細な画像が得られること、及び記録画
像の耐水性を完全にすることの5点の問題の解決。 【構成】 少なくともカチオン性物質を含む液体組成物
であって、アルキルアマイド誘導体が含有され、且つカ
チオン性界面活性剤が含有されていることを特徴とする
液体組成物、これらの液体組成物が用いられているイン
クセット及び該インクセットを用いた画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、普通紙に対するカラー
画像の形成において生じるブリーディングを低減し、耐
水性のある画像を得る技術に関し、とりわけインクジェ
ット記録方式を利用した画像形成に最適に使用される液
体組成物、該液体組成物を使用したインクセット、及び
これを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクの小
滴を飛翔させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて記
録を行うものである。特に、特公昭61−59911号
公報、特公昭61−59912号公報、特公昭61−5
9914号公報において開示された、吐出エネルギー供
給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをイン
クに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させ
る方式のインクジェット記録方法によれば、記録ヘッド
の高密度マルチオリフィス化を容易に実現することが出
来、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することが
出来る。
【0003】しかしながら、従来のインクジェット記録
方法に用いられるインクとしては、水を主成分とし、こ
れに乾燥防止、ノズルの目詰まり防止等の目的でグリコ
ール等の水溶性高沸点溶剤が含有されたものが一般的で
ある為、この様なインクを用い普通紙に記録を行った場
合には、十分な定着性が得られなかったり、記録紙表面
における填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定さ
れる不均一画像が発生する等の問題を生じていた。又、
特にカラー画像を得ようとした場合には、ある色のイン
クが記録紙に定着する以前に複数の色のインクが次々と
重ねられることから、異色の画像の境界部分で色が滲ん
だり、不均一に混ざり合って(以下、この現象をブリー
ディングと呼ぶ)、満足すべき画像が得られないという
問題があった。
【0004】これに対し定着性を高める手段として、特
開昭55−65269号公報に、インク中に界面活性剤
等の浸透性を高める化合物を添加する方法が開示されて
いる。又、特開昭55−66976号公報には、揮発性
溶剤を主体としたインクを用いることが開示されてい
る。しかし、前者のインク中に界面活性剤等を添加する
方法では、記録紙へのインクの浸透性が高まり、インク
の定着性やブリーディングについてはある程度向上する
ものの、インク中の色材も記録紙の奥深くまで浸透して
しまう為、画像濃度及び彩度が低下する等の不都合が生
じる。その他、インクの横方向に対する広がりも発生
し、その結果、エッジのシャープさが低下したり、解像
度が低下したりする等の問題も発生した。一方、揮発性
溶剤を主体としたインクを用いる後者の方法の場合に
は、上記した前者の場合と同様の不都合が生じるのに加
え、記録ヘッドのノズル部での溶剤の蒸発による目詰ま
りが発生し易く、好ましくなかった。
【0005】更に、上述した問題を改善する為に、イン
クの噴射に先だち、記録媒体上に予め画像を良好にせし
める液体を付着させておく方法が提案されている。例え
ば、特開昭63−29971号公報には、1分子あたり
2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する
液体を記録媒体上に付着させた後、アニオン性の染料が
含有されたインクで記録する方法が開示されている。
又、特開昭64−9279号公報には、コハク酸等を含
有した酸性液体を記録媒体上に付着させた後、アニオン
性染料が含有されたインクで記録する方法が開示されて
いる。更に、特開昭64−63185号公報には、染料
を不溶化させる液体をインクの記録に先だって付与する
という方法が開示されている。
【0006】しかしながら、上記いずれの方法も染料自
体の析出により画像の滲みや耐水性を向上させようとす
るものである為、前述したカラーインク間におけるブリ
ーディング抑制効果が不十分であり、又、析出した染料
が記録紙上で不均一に分布し易い為に記録紙のパルプ繊
維に対する被覆性が悪く画像の均一感が低下することに
なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記の実情に鑑み下記に挙げる5点の課題を解決す
る為になされたものである。即ち、普通紙に対するイン
クジェット記録を行う場合の課題として下記の2点が挙
げられる。 良好な定着性を有しながら印字品位も良好であるこ
と。 十分な画像濃度が得られ、ベタ画像の均一性が高い
こと。 又、特に普通紙に対するカラー画像形成時においては上
記の点に加えて下記の3点が課題として挙げられる。 ブリーディングを防止すること。 色再現性が良好であり、高精細な画像が得られるこ
と。 記録画像の耐水性を完全にすること。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上記の目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち本発明は、少なくともカチ
オン性物質を含む液体組成物であって、アルキルアマイ
ド誘導体が含有され、且つカチオン性界面活性剤が含有
されていることを特徴とする液体組成物、これらの液体
組成物が用いられているインクセット及び該インクセッ
トを用いた画像形成方法である。
【0009】
【作用】図に従って本発明にかかるカチオン性物質を含
む液体組成物の機能について説明する。本発明にかかる
カチオン性物質を含む液体組成物は、アニオン性化合物
を含むインクと共に用いた場合に、記録紙上或いは記録
紙に浸透した位置でインクと混合されると、図9の
(c)に示す様に、反応の第1段階として、液体組成物
中に含まれているカチオン性物質のうちの低分子量の成
分である、例えば、カチオン性界面活性剤と、インク中
のアニオン性化合物とがイオン的相互作用により会合を
起こし瞬間的に染料等の色材が凝集し、溶液相から分離
を起こす。
【0010】次に反応の第2段階として、アニオン性化
合物と低分子量のカチオン性物質との会合体が、液体組
成物中に含まれる高分子量であるアルキルアマイド誘導
体等の成分により吸着される為に会合で生じた凝集体の
サイズが更に大きくなり(d)、記録紙の繊維間の隙間
に入り込みにくくなる。その結果、固液分離し、染料等
の色材を含む凝集体が記録紙上に残り、液体部分のみが
記録紙中に滲み込むことになる為(e)、印字品位の向
上と定着性向上の両立が図られる。同時に、上述した様
なメカニズムにより生成した、カチオン性物質の低分子
量の成分とアニオン性化合物と更にカチオン性物質の高
分子量の成分とで形成される凝集体の粘性が大きくな
り、液媒体の動きと共に移動することがないので、前述
した従来のフルカラーの画像形成時の様に、隣接したド
ットが異色のインクで形成されていたとしても互いに混
じり合う様なことはなく、ブリーディングも起こらな
い。又、上記凝集体は本質的に水不溶性である為、形成
された画像の耐水性は完全なものとなる。
【0011】更に、本発明を実施するにあたっては、無
色の液体組成物をインクジェット記録ヘッドを使用して
記録媒体に付着せしめる場合に、従来技術の様に分子量
の大きいカチオン性高分子物質を使用しなくてもよいの
で、液体の粘度を低くすることが出来る為、吐出特性に
有利である。更に、従来技術の場合の様に多価の金属塩
を使用する必要がないので、特に、サーマルインクジェ
ット記録ヘッドを使用する場合に生じる特有の問題であ
るコゲを防止することが出来る結果、高い信頼性で安定
した記録を達成することが出来る。
【0012】
【好ましい実施態様】次に本発明の好ましい実施態様を
挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明にかかる液
体組成物は、少なくともカチオン性物質を含む液体組成
物であって、アルキルアマイド誘導体及びカチオン性界
面活性剤を必須成分として含有させたことを特徴とする
本発明にかかるインクセットは、上記の様な本発明にか
かる液体組成物が用いられていることを特徴とし、好ま
しくは、液体組成物と共に使用される記録用の有色イン
クとして、少なくともアニオン性基を含む染料が含有さ
れているインクか、及び/又は少なくともアニオン性化
合物と顔料とが含有されているインクを用いる。
【0013】本発明にかかる液体組成物の作用効果は上
述した通りであり、液体組成物中に含まれる低分子量の
カチオン性物質と、インク中に含まれている少なくとも
アニオン性基を含む水溶性染料、又は顔料と共に用いら
れているアニオン性化合物が、イオン的相互作用により
先ず会合体を形成し、染料等が凝集する。尚、この会合
体の形成反応速度は極めて速い必要がある。
【0014】この際に使用される低分子量のカチオン性
界面活性剤としては、分子量が100〜400程度の下
記に挙げるものが好ましく使用される。具体的には例え
ば、1級、2級及び3級アミン塩型の化合物、具体的に
は、ラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、
ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等;第4級アンモニウ
ム塩型の化合物、具体的には、ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ステアリルベンジルメチルアンモニウムクロ
ライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩
化ベンザルコニウム等;ピリジニウム塩型化合物、具体
的にはセチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニ
ウムブロマイド等;イミダゾリン型カチオン性化合物、
具体的には2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリン等;高級アルキルアミンのエチレンオキシド付
加物、具体的にはジヒドロキシエチルステアリルアミン
等が好ましい。
【0015】更に、本発明においては、その他、あるp
H領域においてカチオン性を示す様な両性界面活性剤も
カチオン性物質として好ましく使用される。具体的には
例えば、アミノ酸型両性界面活性剤;R−NH−CH2
−CH2−COOH型の化合物;ベタイン型の化合物、
具体的には、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジ
ヒドロキシエチルベタイン等のカルボン酸塩型両性界面
活性剤の他、硫酸エステル型、スルホン酸型、燐酸エス
テル型等の両性界面活性剤等が挙げられる。勿論これら
の両性界面活性剤を使用する場合には、それらの等電点
以下のpHになる様に本発明にかかる液体組成物を調整
するか、この液体組成物が記録媒体上でインクと混合さ
れた際に、等電点以下のpHとなる様に調整するかのい
ずれかの方法をとる必要がある。尚、上記にはカチオン
性物質として低分子量のカチオン性化合物の例を挙げた
が、本発明では、必ずしもこれらに限定されることな
く、上記の様な低分子量のカチオン性界面活性剤と共に
各種のカチオン性物質を使用し得るのは言うまでもな
い。
【0016】次に、液体組成物中の低分子量のカチオン
性物質と、インク中のアニオン性化合物から瞬時に形成
された会合体は、先に説明した様に、液体組成物中の
分子量のアルキルアマイド誘導体によって分子中に吸着
され、会合で生じた染料等を含む凝集体のサイズを更に
大きくし、該凝集体を記録紙の繊維間の隙間に入り込み
にくくし固液分離を達成する機能を有する。
【0017】上記の様な作用効果を有する本発明にかか
る液体組成物の必須成分であるアルキルアマイド誘導体
の好ましい具体例としては、例えば、下記一般式(I)
及び(II)の構造を有する分子量約400〜約900程
度のアルキルアマイド等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。 [R1CONHC24NHC24NHCOR2]X-
(I) 上記式中、X=Cl、Br、CH3COOであ
り、R1、R2、R3及びR4 は、夫々独立に炭素数8〜
17のアルキル基を示す。尚、本発明で述べる分子量と
は、特に断りのない限り、GPCにより求めたポリエチ
レンオキシド換算の重量平均分子量のことを指す。
【0018】本発明にかかる液体組成物中に含有される
上記した様なカチオン性物質の量としては、重量基準で
0.05〜20重量%が好適な範囲であり、より好まし
くは0.5〜10重量%の範囲であるが、各々使用する
物質の組み合わせにより、最適な範囲を決定する必要が
ある。
【0019】次に、本発明にかかる液体組成物を構成す
るその他の成分について具体的に述べる。本発明にかか
る液体組成物は、上記したポリアミン及びカチオン性物
質の他、通常、水、水溶性有機溶剤及びその他の適宜の
添加剤とからなる。この際に使用される水溶性有機溶剤
としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレン
グリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアル
キレングリコール類、エチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル類、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール等の1価アルコール類の他、グリセリン、N−メ
チル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリ
ジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチル
サルホキサイド等が好ましく用いられる。上記水溶性有
機溶剤の含有量について特に制限はないが、液体組成物
の全重量の5〜60重量%、更に好ましくは、5〜40
重量%が好適な範囲である。
【0020】又、本発明にかかる液体組成物には更にこ
の他、必要に応じて粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、
各種界面活性剤、酸化防止剤及び蒸発促進剤等の添加剤
を適宜配合してもかまわない。界面活性剤の選択は、液
体の記録媒体への浸透性を調整する上で特に重要であ
る。本発明にかかる液体組成物は、無色であるのがより
好ましいが、記録媒体に液体組成物だけを記録した場合
に殆ど色がつかず、記録媒体上等でインクと混合された
際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のもので
もよい。更に、以上の様な液体組成物の各種物性の好適
な範囲としては、25℃付近で、pHを3〜12、好ま
しくは3〜8、より好ましくは3〜5とし、表面張力を
10〜60dyn/cm、より好ましくは10〜40d
yn/cmとし、粘度を1〜30cps.としたもので
ある。尚、後述するが、本発明にかかる液体組成物の表
面張力は、該液体組成物と共に使用されるインクの表面
張力よりも低い方が好ましい。
【0021】次に、本発明にかかるインクセットを構成
するインクについて説明する。本発明で使用されるイン
クは、色材としてアニオン性基を含有する水溶性染料を
用いるか、又は色材として顔料を用いる場合には、アニ
オン性化合物を併用させたものを用いる。本発明で使用
される上記の様なインクには、更にこれに、水、水溶性
有機溶剤及びその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH
調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等が必要に応
じて含まれる。
【0022】本発明で使用されるアニオン性基を含有す
る水溶性染料としては、カラーインデックス(COLO
UR INDEX)に記載されている水溶性の酸性染
料、直接染料、反応性染料であれば特に限定はない。
又、カラーインデックスに記載のないものでも、アニオ
ン性基、例えば、スルホン基及びカルボキシル基等を有
するものであれば特に制限はない。ここでいう水溶性染
料の中には、溶解度のpH依存性があるものも当然に含
まれる。
【0023】上記の様な色材として水溶性染料が含有さ
れているインクに含有される水溶性有機溶剤としては、
前記した本発明にかかる液体組成物に使用される水溶性
有機溶剤を同様に用いることが出来る。又、これらの水
溶性有機溶剤のインク中の含有量の好適な範囲について
も同様とする。更に、インクの好適な物性範囲について
も、液体組成物の場合と全く同様である。但し、インク
の表面張力については、インクの表面張力を本発明にか
かる液体組成物の表面張力よりも高くした方が、本発明
にかかる画像形成方法を実施するにあたって有効な場合
があり、好ましい。これは、この様に両者の表面張力を
調整すれば、例えば、印字プロセス上、先に打ち込まれ
た液体組成物が、後から打ち込まれるインクの記録媒体
上での濡れ性を均一にし得る効果を発揮する為であろう
と考えられるが、その詳細は明らかではない。
【0024】本発明で使用されるインクの色材として顔
料を用いる場合には、顔料の量は、インク全重量に対し
て、重量比で1〜20重量%、好ましくは2〜12重量
%の範囲で用いる。本発明において使用される顔料とし
ては、具体的には、黒色のインクに使用されるものとし
てカーボンブラックが挙げられるが、例えば、ファーネ
ス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックであっ
て、一次粒子径が15〜40mμ、BET法による比表
面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜1
50ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値
が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。
この様な特性を有する市販品としては、例えば、No.
2300、No.900、MCF88、No.33、N
o.40、No.45、No.52、MA7、MA8、
No.2200B(以上三菱化成製)、RAVEN12
55(以上コロンビア製)、REGAL400R、RE
GAL330R、REGAL660R、MOGUL L
(以上キャボット製)、Color Black FW
l、COLOR Black FW18、Color
Black S170、Color Black S1
50、Printex 35、Printex U(以
上デグッサ製)等があり、いずれも好ましく使用するこ
とが出来る。
【0025】又、イエローのインクに使用される顔料と
しては、例えば、C.I.Pigment Yello
w 1、C.I.Pigment Yellow 2、
C.I.Pigment Yellow 3、C.I.
Pigment Yellow 13、C.I.Pig
ment Yellow 16、C.I.Pigmen
t Yellow 83等が挙げられ、マゼンタのイン
クに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pig
ment Red 5、C.I.Pigment Re
d 7、C.I.Pigment Red 12、C.
I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.
Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pi
gment Red 57(Ca)、C.I.Pigm
entRed 112、C.I.Pigment Re
d 122等が挙げられ、シアンのインクに使用される
顔料としては、例えば、C.I.Pigment Bl
ue 1、C.I.Pigment Blue 2、
C.I.PigmentBlue 3、C.I.Pig
ment Blue 15:3、C.I.Pigmen
t Blue 16、C.I.Pigment Blu
e 22、C.I.Vat Blue 4、C.I.V
at Blue 6等が挙げられるが、これらに限られ
るものではない。又、以上の他、本発明の為に新たに製
造された顔料も勿論使用することが可能である。
【0026】又、顔料を使用する場合にインク中に含有
させる分散剤としては、水溶性樹脂ならどの様なもので
も使用することが出来るが、重量平均分子量が1,00
0〜30,000の範囲のものが好ましく、更に好まし
くは、3,000〜15,000の範囲のものが好まし
く使用される。この様な分散剤として、具体的には、ス
チレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナ
フタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル
酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン
酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導
体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、
及びその誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単
量体(このうち少なくとも1つは親水性単量体)からな
るブロック共重合体、或いはランダム共重合体、グラフ
ト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、
ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく
使用することが出来る。これらの樹脂は、塩基を溶解さ
せた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。
尚、これらの顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂
は、インク全重量に対して0.1〜5重量%の範囲で含
有させるのが好ましい。
【0027】特に、上記した様な顔料が含有されている
インクの場合には、インク全体が中性又はアルカリ性に
調整されていることが好ましい。この様なものとすれ
ば、顔料分散剤として使用される水溶性樹脂の溶解性を
向上させ、長期保存性に一層優れたインクとすることが
出来るので好ましい。但し、この場合、インクジェット
記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる
場合があるので、好ましくは、7〜10のpH範囲とす
るのが望ましい。この際に使用されるpH調整剤として
は、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無
機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等が挙げられる。上記した
様な顔料及び分散剤である水溶性樹脂は、水性液媒体中
に分散又は溶解される。
【0028】本発明で使用される顔料が含有されたイン
クにおいて好適な水性液媒体は、水及び水溶性有機溶剤
の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する
一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用
するのが好ましい。
【0029】水と混合して使用される水溶性有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のア
ルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアル
コール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレン
グリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアル
キレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコ
ール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル
(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
メチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低
級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、
2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の
中でもジエチレングリコール等の多価アルコール、トリ
エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル
等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが好まし
い。
【0030】上記した様な水溶性有機溶剤のインク中の
含有量は、一般的にはインク全重量の3〜50重量%の
範囲とし、好ましくは3〜40重量%の範囲とする。
又、使用される水の含有量としては、インク全重量の1
0〜90重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲と
する。
【0031】又、本発明で使用される顔料が含有された
インクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性
値を持つインクとする為に、界面活性剤、消泡剤、防腐
剤等を適宜に添加することが出来る。又、色材として上
記顔料の他に前記した様な水溶性染料等を適宜添加する
ことも出来る。又、前記と同様に、顔料が含有されてい
るインクを用いる場合も、インクの表面張力が本発明に
かかる液体組成物の表面張力よりも大きい方が好ましい
為、インク中に含有させる界面活性剤等によりインクの
表面張力をその様に調整するのが好ましい。
【0032】上記した様な顔料が含有されたインクの作
成方法としては、始めに、分散剤としての水溶性樹脂及
び水が少なくとも含有された水性媒体に顔料を添加し、
撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要
に応じて遠心分離処理を行って所望の分散液を得る。次
に、この分散液にサイズ剤、及び、上記で挙げた様な適
宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌して本発明で使
用するインクとする。
【0033】尚、分散剤として前記した様なアルカリ可
溶型樹脂を使用する場合には、樹脂を溶解させる為に塩
基を添加することが必要であるが、この際の塩基類とし
ては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アン
モニア等の有機アミン、或いは水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム等の無機塩基が好ましく使用される。
【0034】又、顔料が含有されているインクの作成方
法においては、顔料を含む水性媒体を攪拌し分散処理す
る前に、プレミキシングを30分間以上行うのが効果的
である。即ち、この様なプレミキシング操作は、顔料表
面の濡れ性を改善し、顔料表面への分散剤の吸着を促進
することが出来る為、好ましい。
【0035】上記した顔料の分散処理の際に使用される
分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるもの
でもよいが、例えば、ボールミル、ロールミル及びサン
ドミル等が挙げられる。その中でも、高速型のサンドミ
ルが好ましく使用され、この様なものとしては、例え
ば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、
アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミ
ル及びコボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0036】又、顔料が含有されているインクをインク
ジェット記録方法に使用する場合には、耐目詰り性等の
要請から、最適な粒度分布を有する顔料が用いられる
が、所望の粒度分布を有する顔料を得る方法としては、
分散機の粉砕メディアのサイズを小さくすること、粉砕
メディアの充填率を大きくすること、処理時間を長くす
ること、吐出速度を遅くすること、粉砕後フィルターや
遠心分離機等で分級すること及びこれらの手法の組合せ
等の手法が挙げられる。
【0037】本発明において、顔料を含有するインクを
使用する場合には、インク中に上記で説明した各種成分
の他に、アニオン性の界面活性剤或いはアニオン性の高
分子物質等、アニオン性化合物を添加するのが好まし
い。特に、分散剤としてアニオン性化合物が用いられて
いない場合には、この様なアニオン性物質を添加するこ
とが必須である。この際の添加量としては、0.05〜
10重量%、好ましくは0.2〜5重量%とする。尚、
先に説明した染料を含有するインクを使用する場合に
も、上記の様なアニオン性化合物を添加することは、本
発明の効果を一層効果的に実施することが出来る為、好
ましい。
【0038】又、両性界面活性剤をその等電点以下のp
Hに調整してインク中に含有させるのも好ましい態様で
ある。この際に使用されるアニオン性界面活性剤の例と
しては、カルボン酸塩型、硫酸エステル型、スルホン酸
塩型、燐酸エステル型等、一般に使用されているものを
いずれも好ましく使用することが出来る。又、アニオン
性高分子の例としては、アルカリ可溶型の樹脂、具体的
には、ポリアクリル酸ソーダ、或いは高分子の一部にア
クリル酸を共重合したもの等を挙げることが出来るが、
勿論、これらに限定されない。
【0039】次に本発明にかかる画像形成方法について
説明するが、本発明にかかる画像形成方法は、上記した
様な液体組成物を記録媒体上の画像形成領域、又は画像
形成領域とその近傍とに付着させる工程(A)と、少な
くともアニオン性基を含む染料が含有されているイン
ク、及び/又は少なくともアニオン性化合物と顔料が含
有されているインクを記録信号に従って吐出オリフィス
から液滴として記録媒体に噴射する工程(B)とを含む
ことを特徴とする。尚、本発明でいう画像形成領域と
は、インクのドットが付着する領域のことであり、画像
形成領域の近傍とは、インクのドットが付着する領域の
外側の1〜5ドット程度離れた領域のことを指す。
【0040】本発明にかかる画像形成方法としては、前
記した本発明にかかる液体組成物とインクとが記録媒体
上等で共存する状態となればいずれのものでもよく、従
って、液体組成物とインクのいずれを先に記録媒体上に
付与するかは問題ではない。又、液体組成物を記録媒体
に先に付着させた場合に、液体組成物を記録媒体に付着
せしめてからインクを記録媒体上に付着させるまでの時
間については特に制限されるものではないが、ほぼ同
時、或いは数秒以内にインクを記録媒体上に付着させる
のが好ましい。
【0041】上記した画像形成方法に使用される記録媒
体としては、特に限定されるものではなく、従来から使
用されている、コピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通
紙が好適に使用される。勿論、インクジェット記録用に
特別に作成されたコート紙やOHP用透明フィルムも好
適に使用される。更に、一般の上質紙や光沢紙にも好適
に使用することが出来る。
【0042】液体組成物を記録媒体上に付着せしめる方
法としては、例えば、スプレーやローラー等によって記
録媒体の全面に付着せしめる方法も考えられるが、更に
好ましくは、インクが付着する画像形成領域、或いは画
像形成領域とその画像形成領域の近傍にのみに選択的且
つ均一に液体組成物を付着せしめることの出来るインク
ジェット方式により行うのが好ましい。又、この際に
は、種々のインクジェット記録方式を用いることが出来
るが、特に好ましいのは、熱エネルギーによって発生し
た気泡を用いて液滴を吐出する方式である。
【0043】次いで、本発明にかかる画像形成方法に好
ましく用いられる記録装置について説明する。本発明に
おいては、記録ヘッドのインクに記録信号を与え、発生
した熱エネルギーにより液滴を吐出するインクジェット
記録方式が好ましく用いられる。この様な装置の主要部
である記録ヘッドの構成を、図1、図2及び図3に示
す。
【0044】ヘッド13はインクを流路を形成したガラ
ス、セラミック、又はプラスチック等と感熱記録に用い
られる発熱抵抗体を有する発熱ヘッド15(図ではヘッ
ドが示されているが、これに限定されるものではない)
とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン
等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−
1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層1
8、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基板20よ
りなっている。インク21は吐出オリフィス22まで来
ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0045】ここで、電極17−1、17−2に電気信
号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急
激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカスが吐出し、オリフィス22よ
り記録液滴24となり、被記録材25に向かって飛翔す
る。図3には図1に示したノズルを多数並べた記録ヘッ
ドの概略図を示す。該記録ヘッドは多数の流路を有する
ガラス板等27と図1において説明したものと同様の発
熱ヘッド28を密着して作られる。尚、図1は、インク
流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1の
A−B線での断面図である。
【0046】図4に、該ヘッドを組み込んだインクジェ
ット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイ
ピング部材としてのブレードで、その一端はブレード保
持部材によって保持されて固定端となり、カレンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録
領域に隣接した位置に配置され、記録ヘッドの移動方向
と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピン
グを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接
して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同
様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。前記ブレード61、キャップ62、吸収体63によ
って吐出回復部64が構成され、ブレード61、及び吸
収体63によってインク吐出口面に水分、塵等の除去が
行われる。
【0047】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を
搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジで
ある。キャリッジ66はガイド軸67とよう動可能に係
合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動
されるベルト69と接続(図示せず)している。これに
よりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能
となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接し
た領域の移動が可能となる。51は被記録材を挿入する
為の給紙部、52はモータ(図示せず)により駆動され
る紙送りローラーである。これらの構成によって記録ヘ
ッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、
記録が進行するにつれて、排紙ローラー53を配した排
紙部へ排紙される。
【0048】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に当
接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘ
ッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0049】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は前記したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。前記の記録ヘッドのホーム
ポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかり
ではなく、記録ヘッドが記録の為に記録領域を移動する
間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジション
へ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われ
る。
【0050】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えばインク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(図示せず)を挿入することにより、イン
ク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。4
4は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部と
しては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリ
エチレンで形成されているものが好ましい。本発明で使
用されるインクジェット記録装置としては、前記の如き
ヘッドとインクカートリッジが別体となったものに限ら
ず、図6に示す如きそれらが一体となったものも好適に
用いられる。
【0051】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にインクを収容したインク収容部、例えばイ
ンク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中の
インクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からイ
ンク滴として吐出される構成になっている。インク吸収
体の材料としては、例えばポリウレタンを用いることが
出来る。72は記録ユニット内部を大気に連通させる為
の大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で
示す記録ヘッドに変えて用いられるものであって、キャ
リッジ66に対し着脱自在になっている。尚、本発明に
使用する記録装置において、上記ではインクに熱エネル
ギーを作用させてインク液滴を吐出するインクジェット
記録装置を例に挙げたが、そのほか圧電素子を使用する
ピエゾ方式のインクジェット記録装置でも同様に利用出
来る。
【0052】さて、本発明の記録方法を実施する場合に
は、例えば、前記図3に示した記録ヘッドを5つキャリ
ッジ上に並べた記録装置を使用する。図7はその一例で
ある。81、82、83、84はそれぞれイエロー、マ
ゼンタ、シアン及びブラックの各色のインクを吐出する
為の記録ヘッドである。又、85は本発明にかかる無色
の液体組成物を吐出するヘッドである。該ヘッドは前記
した記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色のイ
ンクを吐出する。液体組成物はそれに先立ち、或いは各
色インクを吐出した後に、少なくとも各色のインクが記
録紙に付着する部分に予め付着させておく。図7では記
録ヘッドを5つ使用した例を示したが、これに限定され
るものではなく、図8に示した様に1つの記録ヘッドで
イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のイン
ク、液体組成物を液流路を分けて行う場合も好ましい。
勿論、無色の液体組成物とインクの記録順が、上記した
順序と逆になる様なヘッドの配置をとってもよい。
【0053】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して、本発明を
更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあ
るのは、特に断りのない限り全て重量基準とする。又、
顔料インクの分散剤の重量平均分子量は、スチレンポリ
マーを標準としたGPC法により測定し、分散体の平均
粒径は、動的光散乱法によって測定した。
【0054】実施例1 先ず、下記の成分を混合溶解した後、更にポアサイズが
0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロ
ポアフィルター、住友電工製)にて加圧濾過した後、N
aOHでpHを5.0に調整し、本実施例の無色の液体
組成物であるAを得た。液体組成物Aの成分 ・アルキルアマイド誘導体(I) 5部 [C817CONHC24NHC24NHCOC817]CH3COOH ・チオジグリコール 10部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 82部
【0055】(インクIの作製)次に、下記の成分を混
合し、更にポアサイズが0.22μmのメンブレンフィ
ルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電工製)
にて加圧濾過して、アニオン性基を含む染料が含有され
ているイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色イ
ンクY1、M1、C1、B1を得た。このY1、M1、
C1及びB1を記録液Iとする。イエローインクY1 ・C.I.ダイレクトイエロー142 2部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.05部 ・水 87.95部
【0056】マゼンタインクM1 ・C.I.アシッドレッド−289 2.5部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.05部 ・水 87.45部
【0057】シアンインクC1 ・C.I.アシッドブルー9 2.5部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.05部 ・水 87.45部
【0058】ブラックインクB1 ・C.I.フードブラック−2 4.0部 ・チオジグリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.05部 ・水 84.95部
【0059】上記の様にして得られた本実施例の無色の
液体組成物AとインクIを用いて本発明にかかるインク
セットを構成し、PPC用紙(キヤノン製)に記録を行
った。使用したインクジェット記録装置としては、図4
に示したのと同様の記録装置を用い、図7に示した5つ
の記録ヘッドを用いてカラー画像を形成した。この際、
液体組成物Aを先打ちして先ず記録紙上に付着させ、そ
の後インクIを付着させた。ここで用いた記録ヘッド
は、360dpiの記録密度を有し、駆動条件として
は、駆動周波数5kHzとした。又、1ドットあたりの
吐出体積は、イエロー、マゼンタ及びシアンインク、更
に、無色の液体組成物については夫々45plのヘッド
を使用し、ブラックインクについては1ドットあたり8
0plのヘッドを使用した。尚、これらの記録条件は以
下に述べる染料を含むインクを使用した場合の実施例及
び比較例を通じて同一である。又、印字テストの際の環
境条件は、25℃/55%RHに統一してある。
【0060】実施例2 液体組成物Aと同様にして作製した下記の成分からなる
本実施例の無色の液体組成物Bと、実施例1で使用した
と同様の染料を色材としたインクIを用いて本発明にか
かるインクセットを構成し、実施例1と同様の条件で、
PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。本実施例に
おいても、無色の液体組成物Bを先打ちして先ず記録紙
上に付着させた後、インクIを付着させて印字記録を行
った。液体組成物Bの成分 ・アルキルアマイド誘導体 3部 ・チオジグリコール 10部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 84部
【0061】実施例3 液体組成物Aと同様にして作製した下記の成分からなる
本実施例の無色の液体組成物Cと、実施例1で使用した
と同様の染料を色材としたインクIを用いて本発明にか
かるインクセットを構成し、実施例1と同様の条件で、
PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。本実施例に
おいても、無色の液体組成物Cを先打ちして先ず記録紙
上に付着させた後、インクIを付着させて印字記録を行
った。液体組成物Cの成分 ・アルキルアマイド誘導体(I) 1部 [C1633CONHC24NHC24NHCOC1633]Cl- ・ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド 1部 ・チオジグリコール 10部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 86部
【0062】実施例4 下記の成分からなる本実施例の無色の液体組成物Dと、
実施例1で使用したと同様の染料を色材としたインクI
を用いて本発明にかかるインクセットを構成し、実施例
1と同様の条件で、PPC用紙(キヤノン製)に記録を
行った。本実施例においても、無色の液体組成物Dを先
打ちして先ず記録紙上に付着させた後、インクIを付着
させて印字記録を行った。液体組成物Dの成分 ・アルキルアマイド誘導体 3部 [C1233CONHC24NHC24NHCOC12335]CH3COOH ・セチルトリメチルアンモニウムクロライド 0.5部 ・チオジグリコール 10部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 83.5部
【0063】実施例5 液体組成物Aと同様にして作製した下記の成分からなる
本実施例の無色の液体組成物Eと、実施例1で使用した
と同様の染料を色材としたインクIを用いて本発明にか
かるインクセットを構成し、実施例1と同様の条件で、
PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。本実施例に
おいても、無色の液体組成物Eを先打ちして先ず記録紙
上に付着させた後、インクIを付着させて印字記録を行
った。液体組成物Eの成分 ・アルキルアマイド誘導体 3部 ・ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド 0.5部 ・チオジグリコール 10部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 83.5部
【0064】実施例6 下記に述べる様にして、夫々顔料とアニオン性化合物と
を含むイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色イ
ンク、Y2、M2、C2及びB2を得た。このY2、M
2、C2及びB2をインクIIとし、実施例1で使用した
無色の液体組成物Aと共に、本実施例のインクセットを
構成した。このインクセットを用い、PPC用紙(キヤ
ノン製)に記録を行った。本実施例においては、無色の
液体組成物Aを先打ちして先ず記録紙上に付着させた
後、インクIIを付着させて印字記録を行った。ここで用
いた記録ヘッドは、360dpiの記録密度を有し、駆
動条件としては、駆動周波数5kHzとした。又、1ド
ットあたりの吐出体積は、イエロー、マゼンタ及びシア
ンインク更に、無色の液体組成物については夫々45p
lのヘッドを使用し、ブラックインクについては1ドッ
トあたり60plのヘッドを使用した。尚、これらの記
録条件は以下に述べる顔料を含むインクを使用した場合
の実施例を通じて同一である。又、印字テストの際の環
境条件は、25℃/55%RHに統一してある。
【0065】(インクIIの作製)ブラックインクB2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0066】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に攪拌して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクB2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0067】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクB2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0068】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180(ノバパームイエロー PH−G、 ヘキスト製) 24部 ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部
【0069】上記で上記で得られたイエロー分散体を充
分に攪拌して、顔料が含有されたインクジェット用のイ
エローインクY2を得た。最終調製物の固形分は、約1
0%であった。
【0070】シアンインクC2 ブラックインクB2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ピグメントブルー15:3(ファストゲンブルーFGF、大日 本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部
【0071】上記で得られたシアン色分散体を充分に攪
拌して、顔料が含有されたインクジェット用のシアンイ
ンクC2を得た。最終調製物の固形分は、約9.6%で
あった。
【0072】マゼンタインクM2 ブラックインクB2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部
【0073】上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に
攪拌して、顔料が含有されたインクジェット用のマゼン
タインクM2を得た。最終調製物の固形分は、約9.2
%であった。
【0074】実施例7 実施例6で使用した顔料が含有されているインクIIと、
実施例2で使用した無色の液体組成物Bとで本実施例の
インクセットを構成し、これを用いて実施例1と同様の
条件で、PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。本
実施例においては、無色の液体組成物Bを先打ちして先
ず記録紙上に付着させた後、インクIIを付着させて印字
記録を行った。
【0075】実施例8 実施例6で使用した顔料が含有されているインクIIと、
実施例3で使用した無色の液体組成物Cとで本実施例の
インクセットを構成し、これを用いて実施例1と同様の
条件で、PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。本
実施例においては、無色の液体組成物Cを先打ちして先
ず記録紙上に付着させた後、インクIIを付着させて印字
記録を行った。
【0076】実施例9 実施例6で使用した顔料が含有されているインクIIと、
実施例4で使用した無色の液体組成物Dとで本実施例の
インクセットを構成し、これを用いて実施例1と同様の
条件で、PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。本
実施例においては、無色の液体組成物Dを先打ちして先
ず記録紙上に付着させた後、インクIIを付着させて印字
記録を行った。
【0077】実施例10 実施例6で使用した顔料が含有されているインクIIと、
実施例5で使用した無色の液体組成物Eとで本実施例の
インクセットを構成し、これを用いて実施例1と同様の
条件で、PPC用紙(キヤノン製)に記録を行った。本
実施例においては、無色の液体組成物Eを先打ちして先
ず記録紙上に付着させた後、インクIIを付着させて印字
記録を行った。
【0078】実施例11 染料を色材として用いたインクIと実施例1で使用した
無色の液体組成物Aとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Aを後打ちする以外は実施例1と同様にして、
印字記録を行った。
【0079】実施例12 染料を色材として用いたインクIと実施例2で使用した
無色の液体組成物Bとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Bを後打ちする以外は実施例1と同様にして、
印字記録を行った。
【0080】実施例13 染料を色材として用いたインクIと実施例3で使用した
無色の液体組成物Cとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Cを後打ちする以外は実施例4と同様にして、
印字記録を行った。
【0081】実施例14 染料を色材として用いたインクIと実施例4で使用した
無色の液体組成物Dとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Dを後打ちする以外は実施例1と同様の条件
で、印字記録を行った。
【0082】実施例15 染料を色材として用いたインクIと実施例5で使用した
無色の液体組成物Eとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Eを後打ちする以外は実施例1と同様の条件
で、印字記録を行った。
【0083】実施例16 顔料を色材として用いたインクIIと実施例6で使用した
無色の液体組成物Aとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Aを後打ちする以外は実施例1と同様の条件
で、印字記録を行った。
【0084】実施例17 顔料を色材として用いたインクIIと実施例7で使用した
無色の液体組成物Bとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Bを後打ちする以外は実施例1と同様の条件
で、印字記録を行った。
【0085】実施例18 顔料を色材として用いたインクIIと実施例8で使用した
無色の液体組成物Cとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Cを後打ちする以外は実施例1と同様の条件
で、印字記録を行った。
【0086】実施例19 顔料を色材として用いたインクIIと実施例9で使用した
無色の液体組成物Dとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Dを後打ちする以外は実施例1と同様の条件
で、印字記録を行った。
【0087】実施例20 顔料を色材として用いたインクIIと実施例9で使用した
無色の液体組成物Eとを用いて、本実施例のインクセッ
トとし、先ずインクIIを記録紙に付着させて、無色の液
体組成物Eを後打ちする以外は実施例1と同様の条件
で、印字記録を行った。
【0088】比較例1 実施例1で使用した無色の液体組成物Aを使用しなかっ
たことを除いては、実施例1と全く同様の条件で印字記
録を行った。
【0089】
【評価】実施例1〜実施例16及び比較例1で得られた
夫々の記録画像について、下記の評価方法及び評価基準
で評価を行った。 1.画像濃度 ベタ画像を無色の液体組成物とブラックインクとを用い
て形成し、12時間放置後の反射濃度を反射濃度計マク
ベスRD915(マクベス社製)にて測定した。評価基
準は以下の通りである。 ◎;反射濃度が、1.30以上 ○;反射濃度が、1.25以上1.30未満 △;反射濃度が、1.15以上1.25未満 ×;反射濃度が、1.15未満
【0090】2.定着性 無色の液体組成物とイエロー及びマゼンタインクとを用
いて、レッドのベタ画像を形成し後、別の白紙をその自
重で記録画像の上に重ね、紙の裏側に記録した画像の転
写がなくなり地汚れが発生しなくなるまでの時間を、記
録の終了時を時間ゼロとしてこれを基準に測定し、定着
性の尺度とした。評価基準は、以下の通りである。 ◎;定着性が20秒未満 ○;定着性が20秒以上30秒未満 △;定着性が30秒以上40秒未満 ×;定着性が40秒以上
【0091】3.文字品位 無色の液体組成物とブラックインクとを用いて、ブラッ
クの英数文字を印字し、目視にて評価した。フェザリン
グが殆ど目立たないものを◎とし、フェザリングがやや
目立つが実用上問題ないレベルのものを○とし、それ以
下のレベルのものについては×とした。
【0092】4.ブリーディング キヤノン製カラーバブルジェットプリンターBJC−8
20Jの印字モードA(2Pass、片方向印字)と同
じ印字モードで、無色の液体組成物とイエロー、マゼン
タ、シアン及びブラックの各色インクのベタ部を隣接し
て印字し、各色の境界部でのブリーディングの程度を目
視により観察した。ブリーディングが殆ど発生していな
いものを◎とし、ブリーディングがやや発生しているが
実質上問題ないレベルあるものを○とし、それ以外のレ
ベルのものは×とした。
【0093】5.耐水性 イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色インク
のベタ画像を印字し、1時間放置した後、水温20℃の
水道水中へ5分間浸漬した。その後、水中から取り出
し、濾紙を軽く押し当てて記録画像表面の水分を取り、
そのまま風乾した。耐水性試験前の画像濃度(OD値)
と耐水性試験後のOD値から、耐水性試験後の残存OD
率を百分率で表わして耐水性の尺度とした。イエロー、
マゼンタ、シアン及びブラックのうち、耐水性の最も低
いものを耐水性評価結果とした。耐水性評価基準は、以
下の通りである。 ◎;残存OD率が80%以上 ○;残存OD率が70%以上80%未満 ×;残存OD率が70%未満 尚、上記の評価の際の無色の液体組成物の記録媒体への
付着領域は、インクの画像形成領域と同一領域であり、
印字のデューティは無色の液体組成物及びインクのどち
らも全て100%である。更に印字方向は片方向であ
る。
【0094】上記した評価項目について実施例1〜実施
例20及び比較例1で得られた画像についての評価結果
を表1に記載する。表1から明らかな様に、実施例で
は、定着性、文字品位、画像濃度、ブリーディング及び
耐水性共に良好な画像が得られたのに対し、比較例1で
は、低濃度で文字品位が劣る画像しか得られず、しかも
画像の耐水性にも劣っていた。
【0095】表1 評価結果
【0096】実施例21 実施例1で使用した無色の液体組成物と、実施例1で使
用したインクI中のイエロー、マゼンタ及びシアンの3
色を使用して、全て100%デューティでベタ画像を記
録し、いわゆるプロセスブラックを形成した。印字した
条件は全て実施例1と同一にした。この時の画像濃度、
定着性、文字品位、耐水性及びプロセスブラックと他の
色との境界部におけるブリーディングの評価結果は全て
良好であり、本発明の効果が確認された。
【0097】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、特
に、普通紙に対するカラーインクジェット記録を行った
場合に、高速定着性でありながら高印字品位であり十分
な画像濃度が得られ、且つベタ画像の均一性も高く、ブ
リードレスで色再現性が良好な高精細な画像が得られ、
しかも以上の様な優れた画像が耐水性を完全に満足し得
る優れたインクジェット記録画像が提供される。更に、
本発明によれば、従来技術の様に分子量の大きいカチオ
ン性高分子物質を使用しなくてすむ為、液体の粘度を低
くすることが出来、インクジェット記録を行う場合の吐
出特性に有利である。又、従来技術の場合の様に多価の
金属塩を使用する必要がないので、特に、サーマルイン
クジェット記録ヘッドを使用する場合の特有の問題であ
るコゲが有効に防止される結果、高い信頼性で安定した
インクジェット記録がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の外観斜視
図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】本発明の実施例で使用した複数の記録ヘッドが
配列した記録部を示した斜視図である。
【図8】本発明に使用する別の記録ヘッドの斜視図であ
る。
【図9】本発明にかかる画像形成方法の概念図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:インク溝 15、28:発熱ヘッド 16:保護膜 17:アルミニウム電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス(微細孔) 23:メニスカス 24:インク小滴 25:被記録材 26:マルチ溝 27:ガラス板 40:インク袋 42:ゴム製の栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 52:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:ベルト 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口 13 ヘッド 15、28 発熱ヘッド 21 インク 25 記録媒体 40 インク袋 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 61 ワイピング部材 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通孔

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともカチオン性物質を含む液体組
    成物であって、アルキルアマイド誘導体が含有され、且
    つカチオン性界面活性剤が含有されていることを特徴と
    する液体組成物。
  2. 【請求項2】 画像形成に供される請求項1に記載の液
    体組成物。
  3. 【請求項3】 イエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
    ク、レッド、ブルー及びグリーンの各色インク群から選
    ばれる1種以上のインクと請求項1に記載の液体組成物
    とからなり、且つ各色インク中に、少なくともアニオン
    性基を含む水溶性染料が含有されているか又は少なくと
    もアニオン性化合物と顔料とが含有されていることを特
    徴とするインクセット。
  4. 【請求項4】 イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の
    インクが用いられている請求項3に記載のインクセッ
    ト。
  5. 【請求項5】 イエロー、マゼンタ、シアン及びブラッ
    クの4色のインクが用いられている請求項3に記載のイ
    ンクセット。
  6. 【請求項6】 液体組成物の表面張力が、各色インクの
    表面張力よりも低い請求項3に記載のインクセット。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2に記載の液体組成
    物を記録媒体上の画像形成領域又は画像形成領域とその
    近傍とに付着させる工程(A)と、少なくともアニオン
    性基を含む水溶性染料が含有されているインク、及び/
    又は、少なくともアニオン性化合物と顔料とが含有され
    ているインクを記録信号に従って吐出オリフィスから液
    滴として記録媒体に噴射する工程(B)とを含むことを
    特徴とする画像形成方法。
  8. 【請求項8】 工程(B)におけるインクの噴射をイン
    クジェット記録方式により行う請求項7に記載の画像形
    成方法。
  9. 【請求項9】 工程(A)における液体組成物の記録媒
    体への付着をインクジェット方式により行う請求項7に
    記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 工程(A)を工程(B)に先立って行
    う請求項7に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 工程(A)を工程(B)の後に行う請
    求項7に記載の画像形成方法。
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