JPH0819Y2 - 頭髪用液体化粧料の塗布具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、染毛剤、ヘアーセツト剤、パーマネントウ
エーブ剤、ヘアートリートメント剤等の各種頭髪用液体
化粧料の塗布具に関する。

（従来の技術） 従来、軸の内部に中綿と称される液体化粧料を吸蔵す
る化粧料供給体を収容し、毛細管作用を有する塗布用の
芯の後端部を中綿に接続して、その芯の先端部を軸の前
方へ突出し、芯の側部にはクシを添設して、芯及びクシ
を覆うようにキヤツプを軸先端部に嵌着可能とした頭髪
用液体化粧料塗布具が存在する。

この種の塗布具では、芯に先端部の乾燥を防止して化
粧料に含まれる顔料等の析出を防ぎ目づまりを防止する
等の目的で、キヤツプの内部に芯の先端部が接触するフ
エルト等の芯先端受けを取付けることがある。ところで
芯は複数本設けるのが普通で、芯の配置も直線状の列と
することが多いので、上記の芯先端受けの形状も細長く
する必要があり、キヤツプの内部で芯と芯先端受けとを
確実に接触させるには芯先端受けの方向と芯の列の方向
とを一致させる必要があつた。従つて、キヤツプが軸に
対してネジにより固定する構造のものは、軸に対してキ
ヤツプが回転するので、上記の芯先端受けと芯の列の方
向を一致させるのが困難で、軸に対するキヤツプの固定
方法をネジ以外の手段に変更しなければならなかつた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、軸の先端部に複数の芯を直線状の列の配置
で突出させ、キヤツプの内部にはすべての芯の先端部と
接触する細長い芯先端受けを取付け、しかもキヤツプを
軸に対してネジにより固定する構造とするにも拘らず、
芯先端受けの方向と芯の列の方向とを一致させて芯先端
受けと芯を確実に接触させることのできる頭髪用液体化
粧料の塗布具を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案における頭髪用液
体化粧料の塗布具は、軸（１）の内部に頭髪用液体化粧
料を吸蔵した化粧料供給体（２）を収容し、複数の毛細
管作用を有する塗布用の芯（３）を直線状の列の配置で
軸（１）の先端部に固定して、芯（３）の後端部を化粧
料供給体（２）に接続すると共に芯（３）の先端部を軸
（１）の前方へ突出させ、芯（３）の側部にはクシ
（４）を添設し、軸（１）の先端部にはキヤツプ本体
（24）をネジにより着脱自在とし、芯（３）の先端部が
接触するフエルト等の芯先端受け（５）を取付けると共
にその側部にクシ（４）の先端部を収容する凹部（６）
を設けた中キヤツプ（７）をキヤツプ本体（24）の内部
に軸方向に移動自在で且つ円周方向に回動自在に配し
て、中キヤツプ（７）をスプリング（８）によりキヤツ
プ本体（24）の開口方向へ付勢状態としたことを特徴と
するものである。

そしてキヤツプ本体（24）を軸（１）に螺着する過程
で、中キヤツプ（７）と軸（１）の位置関係を保つとき
にクシ（４）にかかる荷重を除くために、軸（１）にリ
ブ（９）を設けると共に芯（３）の先端部が芯先端受け
（５）に接触する姿勢でリブ（９）が嵌入する溝（10）
を中キャップ（７）に設けてもよい。

（作用） キヤツプ本体（24）を軸（１）に螺着する場合に、キ
ヤツプ本体（24）は回転するが、中キヤツプ（７）は凹
部（６）にクシ（４）が嵌入して回転しないので、芯先
端受け（５）の方向が変化せず、芯先端受け（５）と芯
（３）とが確実に接触した状態を維持する。

また軸（１）にリブ（９）を設けると共に中キヤツプ
（７）に溝（10）を設ければ、リブ（９）と溝（10）と
の嵌合により中キヤツプ（７）の回転が止められるの
で、クシ（４）にかかる荷重を除くことができる。

（実施例） 以下、図面に基づき本考案の実施例を説明する。まず
軸（１）は、外軸（11）と、中軸（12）と、先軸（13）
とから成り、中軸（12）の内部に化粧料供給体（２）を
収納し、先軸（13）の中心部に芯（３）を挿通した台座
（14）を嵌着し、中軸（12）の外面部に後記するキヤツ
プ本体（24）が螺着するネジ部（15）を設けている。中
軸（12）の内部に収容された化粧料供給体（２）は、縮
絨した繊維（16）を円柱体形に集束してその周側面を合
成樹脂被膜（17）で覆つた構造を有し、その内部に頭髪
用液体化粧料を吸蔵している。先軸（13）に嵌着した台
座（14）に挿通した芯（３）はフエルトを樹脂処理して
細い棒状としたもので、その後端部は尖鋭にされて上記
の化粧料供給体（２）の内部へその前端面から差し込ま
れ、また曲面状の先端部は台座（14）の前方へ突出され
ている。芯（３）は化粧料供給体（２）よりも密で、毛
細管作用により化粧料供給体（２）から液体化粧料を誘
導する。芯（３）は台座（14）に６本づつ２列直線状に
配置されて取付けられている。芯（３）の側部にはクシ
（４）が先軸（13）に嵌着されて添設されている。クシ
（４）は第11図（ｃ及びｅ）に示すように後端部両側位
置にフツク片（18）を有し、また先軸（13）は第９図
（ａ及びｂ）に示すように前端部上下両側位置にフツク
状突起（19）を有し、フツク片（18）がフツク状突起
（19）に係止するようになつている。先軸（13）はフツ
ク状突起（19）の間の位置にリブ（９）を突設してい
る。次にキヤツプ本体（24）は第３図に示すように開口
端内面部に上記中軸（12）のネジ部（15）に螺着可能な
ネジ部（20）を形成し、ネジ部（20）よりも少し奥の位
置の内周面に突起（21）を設けている。キヤツプ本体
（24）の内部には中キヤツプ（７）が軸方向に移動可能
に且つ円周方向に回動自在に配されていて、中キヤツプ
（７）とキヤツプ本体（24）の間には中キヤツプ（７）
をキヤツプ本体（５）の開口方向へ付勢するスプリング
（８）が介装されている。中キツヤプ（７）の外周面に
は突起（22）が設けられ、この突起（22）がキヤツプ本
体（24）の上記の突起（21）と係合することにより第３
図に示すように中キヤツプ（７）はキヤツプ本体（24）
に対し抜け止めされている。中キヤツプ（７）は第10図
のｄに示すように中央前端部に挾着板（23）を設け、そ
の両側位置にクシ（４）の先端部を収容可能な凹部
（６）を設けている。芯先端受け（５）はフエルト製で
第５図に示すように四角柱の側面に突起が設けられたよ
うな形状を有し、中キヤツプ（７）の挾着板（23）によ
つて固定される。中キヤツプ（７）には上記のすべての
芯（３）の先端部が芯先端受け（５）の側面部に接触可
能な姿勢で、即ち芯（３）の列の方向と芯先端受け
（５）の方向とが一致した状態で上記の先軸（13）に設
けたリブ（９）が嵌入可能な溝（10）が形成されてい
る。キヤツプ本体（24）が中軸（12）に螺着する前の状
態では第３図に示すように中キヤツプ（７）がスプリン
グ（８）によつてキヤツプ本体（24）の開口端寄りに位
置しており、中キヤツプ（７）の溝（10）に先軸（13）
のリブ（９）を嵌入して芯先端受け（５）の側面部に芯
（３）の先端部を接触させ且つ凹部（６）にクシ（４）
の先端部を収容した状態で中キヤツプ（７）を奥に少し
移動させてからキヤツプ本体（24）のネジ部（20）と中
軸（12）のネジ部（15）とがかみ合うことになる。従つ
てキヤツプ本体（24）が回転を始めるときにはリブ
（９）と溝（10）の嵌合によつて中キヤツプ（11）は既
に回転不能の状態にありキヤツプ本体（24）が回転して
も芯先端受け（５）の方向は一定で変らず常に芯（３）
の先端部に接触する状態を維持する。

尚、先軸（13）と中キヤツプ（７）に上記のようにリ
ブ（９）と溝（10）を設けない場合はクシ（４）と凹部
（６）がその役割を果たすことになる。この場合はクシ
（４）に荷重がかかることもあり得るので、それを避け
るためには上記のようにリブ（９）と溝（10）を設ける
方が好ましい。

（考案の効果） 本考案は以上のとおりであり、キヤツプ本体を軸にネ
ジにより固定する構造であつても、即ちキヤツプ本体が
回転してもその内部の中キヤツプは回転せず、中キヤツ
プに取付けられた芯先端受けの方向と芯の列の方向に一
致させた状態を維持して芯先端受けに複数の芯の先端部
を常に接触させることができる効果がある。従つて芯の
先端部の乾燥を防止して化粧料に含まれる顔料等の析出
を防ぎ芯の目づまりを避けることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示したもので、第１図は全体の
縦断面図、第２図は第１図の断面から90°回転した位置
における全体の縦断面図、第３図はキヤツプの縦断面
図、第４図はキヤツプの開口端正面図、第５図は芯先端
受けの斜視図、第６図は軸の正面図、第７図は軸の平面
図、第８図は軸の側面図、第９図のａ乃至ｄは先軸のそ
れぞれ正面図、側面図、背面図及び平面図、第９図のｅ
は第９図のｄにおけるＡ−Ａ線半断面図、第９図のｆは
第９図のｂにおけるＢ−Ｂ線断面図、第10図のａ乃至ｃ
は中キヤツプのそれぞれ正面図、側面図及び背面図、第
10図のｄは第10図のａにおけるＣ−Ｃ線断面図、第10図
のｅは第10図のｂにおけるＤ−Ｄ線断面図、第11図のａ
乃至ｅはクシのそれぞれ正面図、側面図、背面図、平面
図及び底面図、第11図のｆは第11図のｄにおけるＥ−Ｅ
線断面図である。 （１）……軸、（２）……化粧料供給体、（３）……
芯、（４）……クシ、（５）……芯先端受け、（６）…
…凹部、（７）……中キヤツプ、（８）……スプリン
グ、（９）……リブ、（10）……溝、（13）……先軸、
（14）……台座、（24）……キヤツプ本体。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸（１）の内部に頭髪用液体化粧料を吸蔵
   した化粧料供給体（２）を収容し、複数の毛細管作用を
   有する塗布用の芯（３）を直線状の列の配置で軸（１）
   の先端部に固定して、芯（３）の後端部を化粧料供給体
   （２）に接続すると共に芯（３）の先端部を軸（１）の
   前方へ突出させ、芯（３）の側部にはクシ（４）を添設
   し、軸（１）の先端部にはキヤツプ本体（24）をネジに
   より着脱自在とし、芯（３）の先端部が接触するフエル
   ト等の芯先端受け（５）を取付けると共にその側部にク
   シ（４）の先端部を収容する凹部（６）を設けた中キヤ
   ツプ（７）をキヤツプ本体（24）の内部に軸方向に移動
   自在で且つ円周方向に回動自在に配して、中キヤツプ
   （７）をスプリング（８）によりキヤツプ本体（24）の
   開口方向へ付勢状態としたことを特徴とする頭髪用液体
   化粧料の塗布具。
2. 【請求項２】請求項１記載の頭髪用液体化粧料の塗布具
   において、軸（１）にリブ（９）を設けると共に芯
   （３）の先端部が芯先端受け（５）に接触する姿勢でリ
   ブ（９）が嵌入する溝（10）を中キヤツプ（７）に設け
   たことを特徴とする頭髪用液体化粧料の塗布具。