JPH08199245A - 深絞り性に優れた鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り性に優れた鋼板の製造方法

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JPH08199245A
JPH08199245A JP1018895A JP1018895A JPH08199245A JP H08199245 A JPH08199245 A JP H08199245A JP 1018895 A JP1018895 A JP 1018895A JP 1018895 A JP1018895 A JP 1018895A JP H08199245 A JPH08199245 A JP H08199245A
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JP
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steel
cold rolling
less
parameter
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JP1018895A
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Yasunobu Nagataki
康伸 長滝
Yoshihiro Hosoya
佳弘 細谷
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 深絞り性に優れた鋼板の製造方法の提供。 【構成】 重量 %で、C:0.03% 以下を含有する鋼を、熱
間圧延、酸洗した後、冷間圧延する際に、下式で示され
るパラメーターX をー 120以上80以下の範囲とし、その
後再結晶温度以上で焼鈍することを特徴とする深絞り性
に優れた鋼板の製造方法。 【効果】 IF鋼においてだけでなく固溶C が残った極低
炭素鋼や低炭素鋼においても従来法よりさらに優れた深
絞り性が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車の外板あ
るいは内板などの部品に適用される深絞り性に優れた鋼
板の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車産業を取り巻く環境は、ユーザー
ニーズのさまざまな変遷、あるいは、地球環境問題や衝
突安全基準の厳格化など刻々と変化している。これにと
もない、自動車用部品の形状は複雑化し、その主構成素
材である鋼板の加工性に対する要求も厳しくなってい
る。このような自動車産業界のニーズを背景として、自
動車の外板あるいは内板などに用いられる加工用鋼板に
対しては、ますます厳しい深絞り性が要求されるように
なっている。また、これに加えて近年ではコスト低減と
いう新たな命題も材料供給メーカーに対して求められて
いる。
【0003】鉄鋼メーカーでは、このような自動車産業
界のニーズに応えるべく各種の加工性の優れた鋼板を開
発し自動車メーカーに供給してきた。この中でも深絞り
性の非常に優れた鋼板として、製鋼段階で炭素レベルを
30ppm 以下の極低炭素領域に低減した後、Ti,Nb などの
炭窒化物形成元素を添加して固溶炭素を固定したいわゆ
るIF鋼が開発され、これに関して種々の発明が開示され
てきた。しかし、IF鋼においては、機械特性値は鋼成分
に著しく依存するため、その発明の大部分は鋼成分の適
正化に関するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、IF鋼におい
て高r 値が得られるメカニズムを本質的に解明し、IF鋼
が本来持つ優れた特性をさらに効果的に引き出し、従来
にない優れた深絞り性を有する鋼板の製造方法を提供し
ようとするものである。また、本発明では、この方法が
極低炭素鋼において固溶C,N を部分的に固定した鋼や通
常の低炭素鋼にも適用されることをも明かとした。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、重量 %
で、C:0.03% 以下を含有する鋼を、熱間圧延、酸洗した
後、冷間圧延する際に、下式で示されるパラメーターX
をー 120以上80以下の範囲とし、その後再結晶温度以上
で焼鈍することを特徴とする深絞り性に優れた鋼板の製
造方法である。
【0006】
【数3】
【0007】ただし、
【0008】
【数4】
【0009】第2の発明は、重量 %で、C:0.03% 以下を
含有する鋼に代えて、重量% で、C: 0.005%以下に、さ
らにNb : 0.001〜0.2%、Ti : 0.001〜0.2%、V : 0.005
〜0.3%から選ばれる1 種または2 種以上を下式の範囲で
含有する鋼を用いることを特徴とする請求項1 の深絞り
性に優れた鋼板の製造方法である。 0 < C - Nb x (12 / 93) - Ti* x (12 / 48) - V x (12
/ 51) < 0.005 Ti* = Ti - ( 48 / 32 ) x S - ( 48 / 14 ) x N
【0010】第3の発明は、重量 %で、C:0.03% 以下を
含有する鋼に代えて、重量% で、C: 0.005%以下に、さ
らにNb : 0.001〜0.2%、Ti : 0.001〜0.2%、V : 0.005
〜0.3%から選ばれる1 種または2 種以上を下式の範囲で
含有する鋼を用いることを特徴とする請求項1 の深絞り
性に優れた鋼板の製造方法である。 C - Nb x (12 / 93) - Ti* x (12 / 48 ) - V x (12 /
51) ≦ 0 Ti* = Ti - ( 48 / 32 ) x S-( 48 / 14 ) x N
【0011】
【作用】本発明を成した技術思想的な説明から始める。
IF鋼で優れた深絞り性が得られるのは、固溶炭素量がほ
ぼ0 であるため、 (1) 冷間圧延時に{110 }圧延集合組織の形成が抑制さ
れる。 (2) 再結晶時に深絞り性に有利な{111 }再結晶集合組
織が発達しやすい。 点がとくに重要な要因であると一般に言われている。
【0012】しかし、これまでに考慮されていない重要
な点として、IF鋼では粒界に偏析するC が著しく低減さ
れているため粒界強度が低く、他の鋼に比べて冷間圧延
段階で粒内よりも粒界に歪エネルギーが蓄積されること
が挙げられる。この点を考慮すると、IF鋼を用いて、冷
間圧延段階でより粒界に歪エネルギーをより多く蓄積さ
せれば、再結晶後の深絞り性をさらに向上させることが
できるはずである。この方法は、冷間圧延温度を低下さ
せれることにより達成できる。つまり、変形温度を低下
させると粒内の変形抵抗が高まり、結果として冷圧時に
粒界に蓄積する歪エネルギーが増大することになる。こ
のような、冷間圧延温度の低下による粒界の歪エネルギ
ー増大は、原理的には鋼種によらず常に生じるものと考
えられるが、その効果は粒界C の枯渇したIF鋼において
より著しくなる。
【0013】まず、上述した冷間圧延温度の低下による
粒界に蓄積する歪エネルギー増大およびこれにともなう
焼鈍後の鋼板の深絞り性向上効果を確認した実験結果を
示す。用いたのは、転炉で出鋼した後熱間圧延した4 鋼
種である。成分は重量% (Wt% )で表1 に示すように、
No.1-Ti 添加極低炭素鋼、No.2-Ti- B添加極低炭素鋼、
No.3-Nb 添加低炭素鋼およびNo.4- 低炭素鋼である。
【0014】
【表1】
【0015】ここで表中のパラメーターA について説明
しておく。パラメーターA は以下の式で表される。 A = C - Nb x (12 / 93) - Ti* x (12 / 48 ) - V x (1
2 / 51) Ti* = Ti - ( 48 / 32 ) x S-( 48 / 14 ) x N Nb x (12 / 93)、Ti* x (12 / 48 )、V x (12 / 51)
は、それぞれNb、Ti、V で固定される固溶炭素量で、Ti
については一部S 、N で消費されるため有効Ti量 (Ti*
= Ti - ( 48 / 32 ) x S-( 48 / 14 ) x N) を用いて算
出する。
【0016】すなわち、パラメーターA は固溶C 量を表
し、0 を越える場合は固溶C 量が存在し、0 以下の場合
は固溶C がNb、Ti、V により固着されていることを示
す。
【0017】したがって、No.1とNo.2は、いずれも固溶
C がほぼTiで固定されている。ただし、No.2の方はB が
添加されており粒界強度の面ではNo.1に比べて高い。N
o.3は極低炭素鋼であるが、固溶C が一部残っている。N
o.3は通常の低炭素鋼である。なお、表1 に表記しない
成分はFeおよび不可避不純物である。
【0018】
【表2】
【0019】次に冷間圧延条件を表2 に示す。ここで
は、実験的にパスごとに温度を-110℃から110 ℃まで変
化させ、さらにパスごとの圧下率を種々変化させた12条
件で冷間圧延を行った。また、パラメーターX はパスご
との圧延温度と圧下率の積の累計で以下の式にて表され
る。
【0020】
【数5】
【0021】ただし、
【0022】
【数6】
【0023】つまり、パラメーターX は、冷間圧延にお
いて鋼板に蓄積される歪がどのような温度領域で導入さ
れたかを示す指標であり、この値が低いほど低温域で歪
が導入されるたことを示す。一般の冷間圧延では加工発
熱により圧延パスごとに鋼帯の温度が上昇していくが、
このような場合を想定したのが表2 の中のパススケジュ
ール(以下パススケと表す)10であり、パラメーターX
で88.4となる。この実験では、パラメーターX は-132か
ら118 まで変化させた。
【0024】次に、このような種々の条件で冷間圧延し
た後、再結晶温度以上で焼鈍した鋼板の平均r 値(以下
同じ)の変化をパラメーターX で整理した結果を表3と
図1に示す。
【0025】
【表3】
【0026】図1から明らかなように、パラメーターX
が80以下になるといずれの鋼のr 値も上昇し始め-50 あ
たりでピークをとり、その後さらにパラメーターX が低
下するとしだいにr 値が低下し、-120以下ではr 値は通
常のレベルに戻る。
【0027】上述した冷間圧延温度の低下によるr 値向
上効果のメカニズムからすると、パラメーターX の低下
にともない粒内に比べて粒界に蓄積する歪エネルギーが
増加し、r 値が単調に上昇することが予想されたが、あ
る値(-120)以下ではr 値向上効果が認められなくなる。
この点については、冷間圧延温度の低下により粒界強度
の相対的強度が低下していくにつれ、粒界で生じるすべ
りが著しくなり再結晶の駆動力となる歪エネルギーが低
下するためと考察された。このことは冷間圧延温度の低
下にともない再結晶における核発生挙動が緩慢になって
いることからも裏付けられた。
【0028】また、鋼種によるr 値上昇量を比較する
と、固溶C がほぼTiで固定されているNo.1、2 では最高
r 値上昇量は0.8 に達しているのに対し、固溶C がやや
残っているNo.3では最高r 値上昇量は0.6 、さらに炭化
物が分散しているNo.4では最高r 値上昇量は0.4 と低下
している。これは、冷間圧延温度の低下により粒界に蓄
積する歪エネルギーが増加するものの固溶C の存在がr
値の向上に有効な{111}再結晶集合組織の発達を本質
的に阻害しているためと考えられる。さらに、No.4で
は、炭化物周辺で生じる不均一変形もr 値の向上を阻害
している。つまり、再結晶挙動自体は冷間圧延温度を低
下させても、通常の温度で冷間圧延した場合と傾向は変
わらないと言える。また、No.1に比べて2 では、パラメ
ーターX の低下にともなうr 値上昇挙動がやや緩慢であ
るのは、固溶B の粒界偏析により粒界強度が上昇し、粒
界に蓄積する歪エネルギーの上昇に対してより低温加工
が必要となるためと考えられる。
【0029】しかし、いずれにしても冷間圧延温度と歪
量の積の累積値( パラメーターX)を-120以上80以下にコ
ントロールすることにより通常の方法によるよりも優れ
た深絞り性が得られることは明かである。
【0030】本発明は、以上のようにr 値向上効果に及
ぼす冷間圧延温度と歪の積の累積量の影響について鋭意
検討した結果、初めて得られたものである。
【0031】以下に、本発明の請求の範囲の具体的な限
定理由を述べる。まず、成分限定理由を説明する。
【0032】本発明における成分範囲では、粒界強度と
深絞り性の向上に好ましい{111 }再結晶集合組織の発
達に大きく影響を及ぼす固溶C に関する限定が最も重要
となる。このため、C 量および固溶C 量に影響を及ぼす
マイクロアロイについて以下のように限定する。
【0033】第1 の発明は、C :重量% で0.03% 以下。
まず、第1 の発明は、深絞り性向上効果を得るためのC
量の上限であり、0.03% を越えると固溶C だけでなく炭
化物の存在により所望の効果が得られなくなるためであ
る。
【0034】第2 の発明は、C : 重量% で0.005%以下に
さらにNb : 0.001〜0.2%、Ti : 0.001〜0.2%、V : 0.00
5 〜0.3%から選ばれる1 種または2 種以上を下式の範囲
で含有する。 0 < C - Nb x (12 / 93) - Ti* x (12 / 48) - V x (12
/ 51) < 0.005 Ti* = Ti - ( 48 / 32 ) x S - ( 48 / 14 ) x N
【0035】本発明による深絞り性向上効果を上げるに
は、炭化物と固溶C を減少させることが有効であるた
め、第2 の発明として炭化物を減少させる目的からC を
重量%で0.005%以下とする。これにより、さらに優れた
深絞り性を得られる。この限定では、固溶C の存在が許
容される。
【0036】Nb、Ti、V は、固溶C を炭化物として固定
し、粒界に偏析するC を低減させるために添加するが、
下限はそれらの効果の生じはじめるのに有効な量とし、
それぞれ 0.001 %、 0.001 %、0.005 % に規定する。
【0037】添加量が多すぎると炭化物の粗大化あるい
は固溶Nb、Ti、V の増加により所望の効果が得られなく
なる。このためそれぞれの上限を0.2%、0.2%、0.3%に規
定する。
【0038】第3 の発明は、C : 重量% で0.005%以下
に、さらにNb : 0.001〜0.2%、Ti : 0.001〜0.2%、V :
0.005 〜0.3%から選ばれる1 種または2 種以上を下式の
範囲で含有する。 C - Nb x (12 / 93) - Ti* x (12 / 48 ) - V x (12 /
51) ≦ 0 Ti* = Ti - ( 48 / 32 ) x S-( 48 / 14 ) x N
【0039】第3 の発明は、炭化物と固溶C を最も減少
させた成分系で、この場合は、3つの発明の中で最も優
れた深絞り性が得られる。なお、固溶C 量を表す式につ
いては、前述のとおりである。
【0040】C とNb、Ti、V 以外の成分は、本発明にお
いてその効果を本質的に左右するものではないが、材質
上好ましい範囲として以下に説明する。
【0041】Siは、添加量が1.5%を越えると表面品質が
著しく劣化するので、1.5%以下が好ましい。
【0042】Mnも、添加量が多くなり過ぎると表面品質
が劣化するので3%以下が好ましい。P は、添加量が多く
なり過ぎると粒界が脆弱して粒界への歪エネルギーが蓄
積しにくくなるので、0.2%以下が好ましい。
【0043】sol. Al は、鋼の脱酸を目的として添加す
るが、これが少ないと酸化物が増え冷間圧延時にこの周
辺に不均一変形を生じさせ、焼鈍後に深絞り性に好まし
くない{110 }集合組織が発達する。また、添加量が多
すぎてもAlN が粗大化し同様の不都合な効果が生じる。
したがって、添加量は0.01〜0.1%が好ましい。
【0044】N は、C と同様に侵入型元素であり、含有
量が多ぎると深絞り性が劣化する。このため、0.02% 以
下が好ましい。
【0045】O は、含有量が多くなりすぎると酸化物が
多くなり過ぎ深絞り性の劣化が著しくなるので、0.03%
以下が好ましい。
【0046】B は、極微量の添加で粒界を強化する元素
で、添加量が多すぎると冷間圧延時に粒界への歪の集中
が生じにくくなり、所望の効果が得られなくなるので50
ppm以下が好ましい。
【0047】また、Cu、Mo、Cr、W などの置換型元素に
ついてもそれぞれ2%以下で含有または添加される場合、
本発明の効果は損なわない。
【0048】次に、製造法の限定理由を説明する。本発
明で非常に重要となるパラメーターX については、すで
に詳述したので簡単に述べる。
【0049】
【数7】
【0050】ただし、
【0051】
【数8】
【0052】上述したとおりパラメーターX は、冷間圧
延において鋼板に蓄積される歪がどのような温度領域で
導入されたかを示す指標であり、この値が低いほど低温
域で歪が導入されるたことを示す。本発明では、パラメ
ーターX の範囲を-120以上80以下と限定する。上限は、
これを越えると粒界に蓄積する歪エネルギーが十分でな
く、所望の深絞り性が得られないため規定し、下限は、
これ未満であると粒界すべりが著しくなるとともに冷間
圧延で鋼板中に蓄積する歪エネルギーが十分でなく、焼
鈍時の{111 }再結晶集合組織の発達が十分でなくな
り、深絞り性が低下するためである。
【0053】なお、精練法の違い( 転炉または電炉) 、
鋳造法の違い( 連続鋳造, 造塊またはストリップキャス
ティング) 、あるいは、冷間圧延法の違い( タンデム圧
延またはリバース圧延) は、本発明の効果を損なわな
い。
【0054】次に、焼鈍法の限定理由を説明する。本発
明では、焼鈍温度は再結晶温度以上とするが、これは
{111 }再結晶粒集合組織を十分発達させるためであ
る。焼鈍温度の上限はとくに規定しないが、Ac3 変態点
+50 ℃を越えるとオーステナイト変態率が大きくなり集
合組織のランダム化が進むため、これ以下が好ましい。
焼鈍のタイプについては、上記の焼鈍温度範囲を守れ
ば、バッチ焼鈍と連続焼鈍の違い、あるいは、連続焼鈍
において焼入れあるいは過時効処理を施すなど熱サイク
ルのパターンが変化しても本発明の効果を損わない。
【0055】また、表面に亜鉛メッキ、鉄亜鉛メッキ、
鉄ニッケルメッキなどを施す、あるいは、さらにその表
層にクロメート処理など各種皮膜を施しても本発明の効
果を損わない。冷間圧延後に連続焼鈍付きの亜鉛メッキ
ラインを通して亜鉛メッキする場合も同様である。
【0056】
【実施例】本発明を、実機のラインで確認した結果を以
下に示す。
【0057】
【表4】
【0058】まず、表4に示した鋼(なお、表4の成分
は重量% ( Wt% ) である。)を転炉で出鋼した後、連続
鋳造し熱間圧延した。さらに酸洗した後、冷間圧延する
が、この時冷間圧延ラインでは各圧延パス間に温度制御
装置とパス毎の温度と板厚の変化を測定する装置を取付
け、パラメーターX を種々変化させて圧延を行った。な
お、この時、比較例として全く温度制御しないものも同
時に圧延した。この比較例におけるパラメーターX は、
85〜100 の範囲であった。
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】表5〜表7には、これらの圧延板の焼鈍条
件と、圧延温度を制御した板と全く温度制御しないで圧
延した板の平均r 値(以下同じ)との差(r値上昇量) を
示した。焼鈍は、連続焼鈍ラインにて各温度で30秒〜5
分行った。
【0063】この時の、パラメーターX とr 値上昇量と
の関係を示したのが図2 である。この図から明らかなよ
うに、鋼成分とパラメーターX を本発明範囲に制御する
ことにより、r 値が通常の方法に比べて0.4 〜0.8 上昇
しており、本発明による優れた深絞り性向上効果が認め
られる。
【0064】
【発明の効果】本発明法により、IF鋼においてだけでな
く固溶C が残った極低炭素鋼や低炭素鋼においても従来
法よりさらに優れた深絞り性が得られるため、産業利用
上その効果は著しく大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にいたった実験で得られたそれぞれの
鋼板の平均r値に及ぼすパラメーターX の影響を示す図
である。
【図2】 実機で出鋼した鋼板の平均r 値上昇量に及ぼ
すパラメーターX の影響を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量 %で、C:0.03% 以下を含有する鋼を、
    熱間圧延、酸洗した後、冷間圧延する際に、下式で示さ
    れるパラメーターX をー 120以上80以下の範囲とし、そ
    の後再結晶温度以上で焼鈍することを特徴とする深絞り
    性に優れた鋼板の製造方法。 【数1】 ただし、 【数2】
  2. 【請求項2】重量 %で、C:0.03% 以下を含有する鋼に代
    えて、重量% で、C : 0.005%以下に、さらにNb : 0.001
    〜0.2%、Ti : 0.001〜0.2%、V : 0.005 〜0.3%から選ば
    れる1 種または2 種以上を下式の範囲で含有する鋼を用
    いることを特徴とする請求項1 の深絞り性に優れた鋼板
    の製造方法。 0 < C - Nb x (12 / 93) - Ti* x (12 / 48) - V x (12
    / 51) < 0.005 Ti* = Ti - ( 48 / 32 ) x S - ( 48 / 14 ) x N
  3. 【請求項3】重量 %で、C:0.03% 以下を含有する鋼に代
    えて、重量% で、C : 0.005%以下に、さらにNb : 0.001
    〜0.2%、Ti : 0.001〜0.2%、V : 0.005 〜0.3%から選ば
    れる1 種または2 種以上を下式の範囲で含有する鋼を用
    いることを特徴とする請求項1 の深絞り性に優れた鋼板
    の製造方法。 C - Nb x (12 / 93) - Ti* x (12 / 48 ) - V x (12 /
    51) ≦ 0 Ti* = Ti - ( 48 / 32 ) x S-( 48 / 14 ) x N
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103272855A (zh) * 2013-06-13 2013-09-04 北京首钢自动化信息技术有限公司 一种在预设定模型计算中提高轧机入口厚度精度的方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103272855A (zh) * 2013-06-13 2013-09-04 北京首钢自动化信息技术有限公司 一种在预设定模型计算中提高轧机入口厚度精度的方法

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