JPH08197658A - 土木用遮水シート - Google Patents

土木用遮水シート

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JPH08197658A
JPH08197658A JP7010847A JP1084795A JPH08197658A JP H08197658 A JPH08197658 A JP H08197658A JP 7010847 A JP7010847 A JP 7010847A JP 1084795 A JP1084795 A JP 1084795A JP H08197658 A JPH08197658 A JP H08197658A
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JP
Japan
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water
softening point
sheet
fibers
fiber
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JP7010847A
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English (en)
Inventor
Masaru Hayashi
勝 林
Akio Nakao
昭夫 中尾
Shuichi Matsumoto
修一 松本
Mamoru Kamitoku
守 神徳
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GEOTECS KK
Izumi Cosmo Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
GEOTECS KK
Izumi Cosmo Co Ltd
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高吸水性樹脂が吸水した際の膨潤によるシー
トの膨張を抑制し、高密度の遮水層を形成できる土木用
遮水シートを提供する。 【構成】 低融点繊維及び高融点繊維(芯鞘繊維27)か
らなる不織布2,5を積層した間に高吸水性樹脂4を1
0〜3000g/m2 の割合で分散配置し、これらをニ
ードル10(図2)のパンチングにより縫合して一体(遮
水シート未融着物1)とし、熱風炉12(図3)内で低融
点繊維(芯鞘繊維27の鞘)を不織布2,5中の周囲繊維
(芯鞘繊維27)に融着させた土木用遮水シート12(図6
のA)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木用遮水シートに関
し、更に詳しくは、廃棄物最終処分場や貯水池などの防
水層から漏水した水が地盤内にしみ出すことを防止する
ことができ、しかも施工性のよい土木用遮水シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば都市ゴミや焼却ゴミなどを地面に
埋めて最終的に処分することが従来から行われている。
その方法は、一般に開口部面積が数百ヘクタール、深さ
が20〜30メートルに達するような巨大な貯留穴を地
面に堀り、穴の表面に防水層を形成し、廃棄物から出る
汚水や、雨水に溶けた有害物質が地中に侵入することを
防止するようにしている。特に最終処分するものが都市
ゴミを廃棄する場合には、その上を直ちに土で覆い、悪
臭や、害虫などの発生を防止することが従来から行われ
ている。
【0003】ところで廃棄物最終処分場や貯水池などの
防水層は、一旦施工すると、通常は防水層の保守・点検
を行うことができないため、万全を期した防水層とする
ことが求められている。そこで、従来から各種の施工法
が検討されている。即ち、 (1)ゴムや樹脂製の防水シートを前記貯留穴や貯水池
用穴の底に敷設する方法。 (2)前記防水シートの下地材として所定の厚さ、例え
ば1〜10cmの厚さに不織布をクッション材として敷設
し、固い突起物で前記シートが損傷しないようにする方
法。 (3)前記防水シートとクッション材とを積層する方
法。 などがあるが、(3)の方法はコストが高く、また施工
に手間が掛かるとういう問題がある。そこで、前記漏水
を早期に検知する手段として次のような提案がなされて
いる。即ち、 (4)防水シートで形成した袋内に加圧流体と圧力セン
サとを封入し、袋が破れて漏水が始まり、袋内の圧力が
低下するとセンサが検出することにより漏水を早期に発
見するようにした特開平1−25024号公報に記載さ
れた方法。 (5)吸水すると発熱する物質を用い、漏水を熱に変換
し、この熱を温度センサで検出し、漏水を早期に発見す
るようにした特開平1−63834号公報に記載された
方法。 (6)防水シートの両側面にそれぞれ電極を取り付け、
常時電圧を印加しておき、電極間を流れる電流を検知し
て漏水を発見するようにした特開平4−134237号
公報に記載された方法。 (7)2枚の防水シートの間にラーメン状繊維を配置
し、シートそれぞれに電極を設け、流れる電流によりシ
ートの漏水箇所を検知し、その部分に外部から樹脂を注
入して止水する方法。 これら(4)〜(7)に示した漏水検知方法は、設備費
が高く、メンテナンスに手間がかかるなどコスト的に問
題があり、なお改善の必要が認められる。
【0004】また粘土により止水層を形成することは従
来から行われているが、特開平5−331752号公報
に記載された方法は、不織布からなる上層シートとし、
織布とプラスチックフォームをシートにしたものとを組
み合わせて中層・下層シートとし、上層シートと中層シ
ートとの間に、ベントナイト、モンモリロナイトなどの
粘土鉱物の粒状物からなる高吸水性無機物質を配置し、
ニードルパンチにより全体を縫合することにより、施工
性の向上を図っている。しかしながら、粘土鉱物などの
高吸水性無機物質による止水層は、吸水能が低く、数Kg
/m2 程度の使用量では十分な止水層を形成することが
できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来から4
00〜1000重量倍の吸水力を有し、各種分野に使用
されており、高吸水性樹脂を使用した土木用止水シート
を形成することを目的としており、そのため、通常の方
法でシート状としたのでは、施工中に地山などに含まれ
る水分を吸水し、シートが膨れるたは施工性が損なわれ
ることを克服することを解決課題としている。
【0006】即ち、本発明の目的は、廃棄物最終処分場
や貯水池などに使用するゴムシートなどの防水層が損傷
した場合に、その損傷部分から漏れ出た水を高吸水性樹
脂が吸水する際の膨潤圧を利用して遮水層を形成させ、
漏れ出した水が地盤内にしみ込むことを防止し、メンテ
ナンス不要、且つ施工中に下地の水を吸水した場合でも
殆ど膨張することがなく、施工性にすぐれた土木用止水
シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明の土木用遮水シートの第1の構成は、低軟化
点繊維と高軟化点繊維とを混合した繊維からなる不織布
を積層した間に、高吸水性樹脂を10〜3000g/m
2 の割合で分散配置し、これらをニードルパンチにより
縫合して一体とし、低軟化点繊維を不織布中の周囲繊維
に加熱融着させたものである。
【0008】前記低軟化点繊維と高軟化点繊維とを使用
する理由は、低軟化点繊維を周囲繊維に融着させる際
に、高軟化点繊維は変質しないためニードルパンチによ
る縫合力を低下させないためであり、低軟化点と高軟化
点とは相対的なものである。例えばポリプロピレン繊維
は、高軟化点繊維としてポリエステル繊維を使用した場
合には低軟化点繊維として使用することができ、また高
軟化点繊維として使用した場合には、低軟化点繊維とし
てポリエチレン繊維を使用することができる。
【0009】低軟化点繊維と高軟化点繊維との繊維の長
さは、共に短繊維を使用することができるが、高軟化点
繊維に長繊維を使用すると、シート強度を向上させるこ
とができる。前記の目的を達成するための本発明の土木
用遮水シートの第2の構成は、低軟化点繊維からなる不
織布と高軟化点繊維からなる不織布とを積層した不織布
積層体を2組積層し、その積層した間に、高吸水性樹脂
を10〜3000g/m2 の割合で分散配置し、これら
をニードルパンチにより縫合して一体とし、低軟化点繊
維を不織布中の周囲繊維に加熱融着させたものである。
【0010】また、前記低軟化点繊維と高軟化点繊維と
を混合した繊維として、高軟化点繊維を芯とし、その周
囲に鞘状に低軟化点ポリマー層を形成した、いわゆる芯
鞘繊維を使用することができる。例えば芯材としてポリ
プロピレン繊維−鞘としてポリエチレン樹脂の組み合わ
せ、芯材として高軟化点ポリエステル−鞘材として低軟
化点ポリエステルの組み合わせなどとすることができ
る。
【0011】前記高吸水性樹脂としては、特に限定はな
いが、例えば、セルロース・アクリルニトリル重合体、
デンプン・アクリルニトリル重合体などの天然系のも
の、アクリル酸・ビニルアルコール共重合体、アクリル
酸ソーダ重合体、アクリル酸・アクリルアミド共重合
体、ポリエチレンオキサイド変成物、イソブチレン・無
水マレイン酸共重合体などの合成系のものを使用するこ
とができる。但し土中、特に湿潤した土中で使用する場
合には、合成系のものがより好ましい。
【0012】また前記高吸水性樹脂の使用量が前記範囲
の10g/m2 に達しない量では遮水効果が十分発揮さ
れず、また前記範囲の3000g/m2 を越えることは
不経済である。好ましい使用量の目安としては200〜
1500g/m2 程度である。前記熱融着手段として
は、特に限定はないが、例えば熱風炉、熱カレンダ加工
などにより実施することができる。
【0013】前記目的を達成するための本発明の土木用
遮水シートの第3の構成は、低軟化点繊維と高軟化点繊
維とを混合した繊維からなる不織布を積層した間に、高
吸水性樹脂を10〜3000g/m2 の割合で分散配置
し、これらをニードルパンチにより縫合して一体とし、
低軟化点繊維を不織布中の周囲繊維に加熱融着させ、そ
の少なくとも片面に水不浸透性、且つ熱融着性のフィル
ム又はシートを被覆し、加熱融着させて一体としたもの
である。
【0014】前記水不浸透性、且つ熱融着性のフィルム
としては、前記高軟化点繊維の軟化点より低い温度で熱
融着できるものであれば、特に限定はなく、例えばポリ
エチレンフィルムなど使用することができる。更に前記
目的を達成するための本発明の土木用遮水シートの第4
の構成は、低軟化点繊維と高軟化点繊維とを混合した繊
維からなる不織布を積層した間に、高吸水性樹脂を10
〜3000g/m2 の割合で分散配置し、これらをニー
ドルパンチにより縫合して一体とし、低軟化点繊維を不
織布中の周囲繊維に加熱融着させ、その少なくとも片面
に水不浸透性フィルム又はシートを被覆し、接着剤によ
り固着させたものである。
【0015】前記接着剤によって固着させる前記水不浸
透性フィルム又はシートとしては、特に限定はなく、例
えば塩化ビニールシートなどである。前記土木用遮水シ
ートは、所定の幅を有する長尺の不織布を2層に積層し
た間に、幅方向両側を除く中間部分に高吸水性樹脂を分
散配置し、前記幅方向全体にわたりニードルパンチによ
り縫合し、両側に高吸水性樹脂を含有しない部分(耳部
分)を形成して長尺のシート状物として形成することが
できる。
【0016】前記耳部分の幅は、遮水シートの厚み、目
付け量などにより一定しないが、例えば厚さが約5mm
の遮水シートとした場合には、2〜10cm程度でよ
い。2cm以下では高吸水性樹脂が膨潤した際に縫合が
外れ易くなり、また10cm以上とすると無駄部分が大
きくなり好ましくない。なお前記土木用遮水シートの上
層、下層、その両方に、クッション材、補強材などの目
的で不織布、織物などをラミネートしてもよい。
【0017】前記土木用遮水シートには、厚み調整、機
械的強度の補強、シートのクッション性の向上、表裏の
色を変更するなどの目的で、不織布、織物、シートなど
をラミネートすることができる。このラミネートは、土
木用遮水シートの片面でもよく、また両面でもよい。
【0018】
【作用】低軟化点繊維と高軟化点繊維とで形成した上層
不織布と下層不織布との間に高吸水性樹脂を分散配置
し、ニードルパンチで縫合したあと、低軟化点繊維を周
囲繊維に加熱・融着させる前記手段は、高吸水性樹脂の
膨潤力に負けて、縫合繊維が抜け出すことを防止し、ニ
ードルパンチによる縫合強度を飛躍的に高め、高軟化点
繊維の抗張力を十分に縫合力に利用すことが可能にな
る。
【0019】前記高吸水性樹脂の使用量を600g/m
2 とした場合、膨潤圧はほぼ1kg/cm2 という高い
値に達する。これに対し前記構成の土木用遮水シートは
1kg/cm2 以上の強力な縫合力を発揮することが可
能であり、膨潤した高吸水性樹脂層を不織布の間に閉じ
込め高密度層からなる遮水層を形成することができる。
【0020】前記土木用遮水シートの少なくとも片面
に、水不浸透性フィルム又はシートを被覆・固着させる
前記手段は、漏水以外の水の吸水、例えば地山などに含
まれる水分によって高吸水性樹脂が膨潤状態となること
を防止できる。前記水不浸透性フィルム又はシートを土
木用遮水シートの両面、且つ少なくとも幅方向外側には
み出すように覆うと、前記縫合を更に強固にすることが
できる。
【0021】所定の幅を有する長尺の不織布を2層に積
層し、幅方向両側(耳部分)を除く中間部分に高吸水性
樹脂を分散配置し、前記幅方向全体にわたりニードルパ
ンチにより縫合し、両側の耳部分にに高吸水性樹脂を含
有しない部分を形成する前記手段は、遮水シートが十分
吸水した際に高吸水性樹脂が膨潤圧で遮水シートの幅方
向に押し出されることを防止することができる。
【0022】
【実施例】以下添付の図面を参照して実施例により本発
明を具体的に説明する。図1に示す実施例1の遮水シー
ト未融着物1は、長尺の下層不織布2の長手方向両側に
それぞれ所定幅L(実施例1では約5cm)の耳部分3
を残し、その中間部分に高吸水性樹脂4の粉末を散布
(分散配置)し、その上から前記と同様の長尺の上層不
織布5を被せ、図2に示すように通常のニードルパンチ
用のニードル8によって、下層不織布2と上層不織布5
とを縫合したものである。
【0023】なお、図2は遮水シート未融着物1を模型
的に示したものであり、高吸水性樹脂4は、横1列に記
載しているが、樹脂粒度又は粒度分布によっては粒子を
盛り上げ状に配置している場合もある。また下層不織布
2及び上層不織布5を構成する繊維部分をハッチングで
示しているが、実際は、いずれもニードルパンチにより
不織布としたものである。また、図1の2点鎖線で囲っ
た部分は高吸水性樹脂4を配置した部分を示している。
【0024】前記下層不織布2及び上層不織布5形成に
使用した繊維は、いずれもポリエステル系高軟化点繊維
と低軟化点樹脂とからなる芯鞘繊維(芯鞘比5:5、低
軟化点樹脂の軟化点110℃)の短繊維80%と高軟化
点ポリエステル繊維20%から成るもので、目付け量2
50g/m2 とし、吸水性樹脂4の目付け量は600g
/m2 とした。また使用したニードル8は40番ニード
ルであり、パンチ数は60本/cm2 の割合とした。な
お、図2に示す符号9はバーブである。
【0025】吸水性樹脂4を下層不織布2の耳部分3を
残して中央部分に散布するには、下端に吸水性樹脂4を
散布する長さのスリット状吸水性樹脂出口を設け、この
出口の下側にローラーを取り付け、前記耳部分3に吸水
性樹脂4がこぼれないようにカバーを設けたホッパー
(いずれも図示せず)を配置し、その下側を下層不織布
2が移動する装置によって行った。
【0026】次に縫合した遮水シート未融着物1を図3
に示す繊維の融着工程に移す。図3において、縫合した
長尺の遮水シート未融着物1をネットコンベア10に乗
せ、熱風温度を160℃に温度調整した熱風炉11内を、
ほぼ1分で炉内を通過させて繊維を互いに融着させて得
た土木用遮水シート(厚さ約5mm、以下単に遮水シー
トという)12をロール13に巻き取った。なお熱風炉11を
出た遮水シート12は、カレンダー加工によって形状を整
えることもできる。
【0027】次に実施例1で得た遮水シート12及び遮水
シート未融着物1について以下の評価試験を行った。 (i)遮水試験:耐水試験に使用した装置14は、図4に
示すように、下側容器15のフランジ16と上側容器17のフ
ランジ18との間に遮水シート12を取り付け、上側容器17
内に加圧水を充填し、上側容器17内の水が遮水シート12
を透過して下側容器15内に侵入する水の量を測定した。
なお、下側容器15内には砕石19を充填し、上側容器17内
の水圧で遮水シート12が下側に押し出されないようにし
た。また、図4に示す符号20は圧力計、21は耐圧ホー
ス、22はホース取り付け口、23は空気抜きである。
【0028】耐圧試験は、耐圧ホース21を通じて水圧3
kg/cm2 を上側容器17に加え、24時間放置して行
った。結果は、遮水シート12の下側容器15側の不織布は
湿潤していたが、容器内に滞留する水は観測されなかっ
た。 (ii)耐膨張試験:図5に示すように、開口部直径が1
4cmの鉄枠24を遮水シート12の表と裏側に当て、ボル
ト25で締め付け、シート端部26のシート切断口から吸水
性樹脂(図示せず)が押し出されないようにし、水中に
浸漬した。
【0029】浸漬前の遮水シート12の断面形状は図6の
A(図6A〜Cはいずれも模型的に示している)に示す
ように、厚さ5mm程度であったものが、24時間浸漬
後、水中から取り出した遮水シート12の厚さは、ほぼ7
mmに膨張(図6のB)していた。これに対し、遮水シ
ート未融着物1に対し同様の試験を行ったところ、高吸
水性樹脂4は大きく膨潤し座布団状に膨張し、図6のC
に示すように多くの縫合繊維27が上・下層不織布5,2
から伸び出し長く伸びた状態となったり、抜け落ちたり
していた。これに対し遮水シート12は、図6のBに示す
ように、ニードルパンチによっての下層不織布2と上層
不織布5とを縫合した縫合繊維27の長さは、各不織布
2,5内で他の繊維に融着しているため、膨潤前の状態
と同様であり、膨潤圧によって高吸水性樹脂4は高密度
に圧縮され、緻密な遮水層を形成することができる。
【0030】次に実施例1によって得た遮水シート12を
廃棄物最終処分場に使用する場合について説明する。ま
ず敷設するシート類を傷めないように地表部分を平らに
整地し、その上にポリエチレンなどの水不浸透性フィル
ムを敷きつめ、その上に遮水シートを敷設する。次いで
前記遮水シート12の高吸水性樹脂4を配置した部分に耳
部分3が重なるように互いを重ね合わせて敷きつめ、接
着剤を用いて相互に接着し、その上に防水シートを従来
と同様に敷設した。更にその上に土などの保護層を設け
ることが好ましい。このものは、何らかの原因で防水シ
ートが損傷しても、漏水した水で遮水シート12が膨潤し
遮水層を形成するので、地盤中に汚水がしみ込むことを
防止することができる。
【0031】実施例2の土木用遮水シートは、実施例1
で得た遮水シート12の片面を水不浸透性にしたものであ
る。即ち図7に示すとおり、熱可塑性樹脂フィルム製造
用のT型ダイス29から、熱融着性の水不浸透性フィルム
30(ポリエチレン系:密度0.1g/cm3 ,厚さ50
μ)を押出し、その一方の側に前記遮水シート12を積層
し、他方の側にニードルパンチにより不織布とした通常
のポリエステル長繊維の不織布31(目付け量:200g
/m2 、密度:0.1g/cm3 )を積層し、熱圧着ロ
ール32によって一体として土木用遮水シート28を得た。
【0032】実施例2の遮水シート28は、クッション性
にすぐれ、自己遮水性があり、施工中に地山の水を吸収
しない。したがって、下地として水不浸透性シートを敷
設する必要がなく、施工性にすぐれていた。なお、前記
水不浸透性フィルム30及び不織布31を積層し、両面を水
不浸透性とし、更に両面の色を異ならせるなど、各種変
形して実施することができる。
【0033】前記熱融着性の水不浸透性フィルム30の代
わりに、例えば予めフィルム又はシートに加工した塩化
ビニール樹脂フィルムを取り付け、遮水シート12に接す
る面に接着剤を塗布し、圧着ロール(図示せず)により
被覆・固着させることもできる。この場合、前記不織布
31を省略してもよく、積層してもよい。実施例3の土木
用遮水シートは、次の仕様によって形成した。 上層不織布:ポリエステル長繊維150g/m2 及び実
施例1に使用した芯鞘ポリエステル100g/m2 によ
るニードルパンチ品 高吸水性樹脂:600g/m2 下層不織布:ポリエステル長繊維300g/m2 による
ニードルパンチ品 ニードルパンチ条件:ニードル 40番、パンチ本数
60本/cm2 熱風処理条件:150℃ 1分 以上の条件のもとに、実施例1と同様の工程を経て遮水
シートを得た。この遮水シートについて前記と同様の遮
水試験及び耐膨張試験による評価を行ったところ、実施
例1と同様の結果を得た。
【0034】実施例4の土木用遮水シートは、ポリプロ
ピレン短繊維不織布を、ポリエチレン短繊維不織布とを
重ね合わせたものを、ポリエチレン短繊維不織布を内側
にして積層し、ポリエチレン短繊維不織布の重ね合わせ
面に高吸水性樹脂を分散配置したものである。このもの
は、ニードルパンチによって、それぞれの層のポリプロ
ピレン繊維が、反対側のポリエチレン短繊と絡み会った
状態で熱融着され、強固な縫合を行うことができた。し
たがって、前記各遮水シートと同様に優れた遮水層を形
成することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の遮水シート
は、低軟化点繊維と高軟化点繊維とからなる不織布で1
0〜3000g/m2 の割合の高吸水性樹脂を保持し、
ニードルパンチにより縫合し、熱風炉内で加熱し、低軟
化点繊維を周囲の繊維に融着させてシート状にする構成
としたので、高軟化点繊維による縫合力が飛躍的に増強
する。
【0036】したがって、高吸水性樹脂が膨潤し、上下
の不織布層を引き離さそうとする力に対抗することがで
きるので、膨潤した高吸水性樹脂を高い密度で密着さ
せ、強力な遮水膜を形成させることができる。所定幅と
した低軟化点繊維と高軟化点繊維とからなる不織布の幅
方向両側に高吸水性樹脂を配置しない耳部分を形成する
構成は、膨潤圧で、幅方向端部から高吸水性樹脂が押し
出されることを防止し、遮水シートの遮水効果を著しく
高め、質の高い遮水層を容易に形成することができる。
【0037】また、前記のようにして得た土木用遮水シ
ートの少なくとも片面に水不浸透性フィルム又はシート
を積層する手段は、施工中、又は施工後短期間に、地山
中の水や、雨水により膨潤することを防止できるので、
下地として水不浸透性シートを敷設する必要がなく、施
工性を飛躍的に向上させることができ、長期間に渡り遮
水シートの劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による遮水シートを一部破断
して示した斜視図である。
【図2】前記実施例1の遮水シート未融着物を作るニー
ドルパンチ工程の概要を説明する断面図である。
【図3】前記実施例1の遮水シート未融着物を熱風炉内
で加熱する工程の概要説明図である。
【図4】前記実施例1の遮水シートの遮水試験装置の概
要を説明する断面図である。
【図5】前記実施例1の耐膨張試験用に使用する試料の
斜視図である。
【図6】図6のAは実施例1で得た遮水シート12の断面
図であり、Bは遮水シート12の膨潤した様子を示す断面
図であり、Cは遮水シート未融着物1の膨潤した様子を
示す断面図である。
【図7】本発明の実施例2による水不浸透性フィルムを
被覆した土木用遮水シートの積層装置の概要説明図であ
る。
【符号の説明】
1 遮水シート未融着物 2 下層不織布 3 耳部分 4 高吸水性樹
脂 5 上層不織布 8 ニードル 9 バーブ 11 熱風炉 12 土木用遮水シート(遮水シート) 27 芯鞘繊維 29 T型ダイス 30 水不浸透性
フィルム 31 不織布 32 熱圧着ロー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 昭夫 東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号 東レ株式会社東京事業場内 (72)発明者 松本 修一 神奈川県鎌倉市大船1993番地の18 (72)発明者 神徳 守 神奈川県横浜市保土ケ谷区星川3丁目2番 7号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低軟化点繊維と高軟化点繊維とを混合し
    た繊維からなる不織布を積層した間に、高吸水性樹脂を
    10〜3000g/m2 の割合で分散配置し、これらを
    ニードルパンチにより縫合して一体とし、低軟化点繊維
    を不織布中の周囲繊維に加熱融着させた土木用遮水シー
    ト。
  2. 【請求項2】 低軟化点繊維からなる不織布と高軟化点
    繊維からなる不織布とを積層した不織布積層体を2組積
    層し、その積層した間に、高吸水性樹脂を10〜300
    0g/m2 の割合で分散配置し、これらをニードルパン
    チにより縫合して一体とし、低軟化点繊維を不織布中の
    周囲繊維に加熱融着させた土木用遮水シート。
  3. 【請求項3】 低軟化点繊維と高軟化点繊維とを混合し
    た繊維からなる不織布を積層した間に、高吸水性樹脂を
    10〜3000g/m2 の割合で分散配置し、これらを
    ニードルパンチにより縫合して一体とし、低軟化点繊維
    を不織布中の周囲繊維に加熱融着させ、その少なくとも
    片面に水不浸透性、且つ熱融着性のフィルム又はシート
    を被覆し、加熱融着させて一体とした土木用遮水シー
    ト。
  4. 【請求項4】 低軟化点繊維と高軟化点繊維とを混合し
    た繊維からなる不織布を積層した間に、高吸水性樹脂を
    10〜3000g/m2 の割合で分散配置し、これらを
    ニードルパンチにより縫合して一体とし、低軟化点繊維
    を不織布中の周囲繊維に加熱融着させ、その少なくとも
    片面に水不浸透性フィルム又はシートを被覆し、接着剤
    により固着させた土木用遮水シート。
  5. 【請求項5】 低軟化点繊維と高軟化点繊維とを混合し
    た前記繊維として、高軟化点繊維を芯とし、その周囲に
    鞘状に低軟化点ポリマー層として複合した芯鞘繊維を使
    用した請求項1,2,3又は4記載の土木用遮水シー
    ト。
  6. 【請求項6】 前記高軟化点繊維に長繊維を使用した請
    求項1,2,3,4又は5記載の土木用遮水シート。
  7. 【請求項7】 所定の幅を有する長尺の不織布を2層に
    積層した間に、幅方向両側を除く中間部分に高吸水性樹
    脂を分散配置し、前記幅方向全体にわたりニードルパン
    チにより縫合し、両側に高吸水性樹脂を含有しない部分
    を形成して長尺のシート状物とした請求項1、2,3,
    4,5又は6記載の土木用遮水シート。
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