JPH08197600A - 溶融材料の射出成型における流動解析結果の評価方法及びそれを用いた射出成形における製造条件の決定方法 - Google Patents

溶融材料の射出成型における流動解析結果の評価方法及びそれを用いた射出成形における製造条件の決定方法

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JPH08197600A
JPH08197600A JP1127495A JP1127495A JPH08197600A JP H08197600 A JPH08197600 A JP H08197600A JP 1127495 A JP1127495 A JP 1127495A JP 1127495 A JP1127495 A JP 1127495A JP H08197600 A JPH08197600 A JP H08197600A
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filling
injection molding
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flow
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Isamu Takahashi
勇 高橋
Toshio Uchida
敏夫 内田
Katsumasa Kanazawa
勝正 金沢
Masahiro Soeda
正広 添田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶融材料の射出成型シミュレーションにおい
て、充填状況の適否を容易に判定することができる溶融
材料の射出成型における流動解析結果の評価方法を提供
する。 【構成】流動解析を行う際に数値解析における金型内へ
の溶融材料の充填開始から充填終了まで所要時間を任意
の数に分割し、充填途中の分割されたある時間における
溶融材料と未充填部分のキャビティとの接触境界面であ
る自由表面の面積の大きさを記録し、これを分割された
ある時間における充填時間のデータとする。この操作を
数値解析における金型内への溶融材料の充填開始から充
填終了まで繰り返し行う。 【効果】本発明によれば、充填挙動の評価判定を容易に
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳造品,樹脂などの溶融
材料を射出成形するに際し、欠陥のない高品質の製品を
製作するための最適な製造条件を解析により判定する方
法に係り、特に金型内に溶融材料が流入する際の充填挙
動の良否を判断するための評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融材料による射出成形において
金型内への充填挙動の流動解析では、射出成形により製
造される成形品及び射出成形に使用する金型から流動解
析を行うための微小要素に分割された形状モデルを作成
し、差分法,有限要素法,境界要素法,FAN法などの
数値解析法を用いて、非圧縮性流体が満たすべき連続の
式、及び流体の運動方程式であるナビエ・ストークスの
式、さらに流体の持つ熱エネルギーを評価するためのエ
ネルギーの式などを基礎式として演算を行うのが一般的
である。
【0003】溶融材料の金型内への充填挙動解析として
流動解析と熱伝導解析を組み合わせた解析例(大塚他:
鋳物60巻第12号(1988)、757:「コンピュ
ータによるダイカスト鋳物の湯流れ解析システム」)が
報告されている。
【0004】このような金型内の溶融材料の射出成形シ
ミュレーションにおいて解析結果を評価する方法として
は、溶融材料の充填状況を充填された等時間線で表示し
たり、あるいは圧力分布,渦度分布,流速分布,温度分
布などを表示し、この結果から解析結果を評価してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】鋳物,樹脂などの溶融
材料の射出成形により成形品を製作するとき、溶融材料
の充填挙動が製品の品質に大きな影響を与える。製造時
の充填挙動が不適切な場合、製品内部に製品としては致
命的な欠陥が発生する。これらの欠陥の発生を防止する
ためには製造方案の最適化が必要であるが、現状では過
去の経験や勘に頼った試行錯誤的な最適化方法がとられ
ている。
【0006】また、近年のコンピュータの性能向上や数
値解析手法の発展に伴い、製造条件の最適化のためにコ
ンピュータシミュレーションを利用することも試みられ
ている。現状では解析に必要なデータとして使用する溶
融材料の物性値,成形品の形状,溶融材料の温度,金型
温度,充填速度等を入力して溶融材料の射出成形におけ
る流動解析を行い、充填状況,圧力分布,渦度分布,流
速分布,温度分布などの解析結果から製造条件の適否を
評価している。
【0007】しかし、前述した従来の射出成形シミュレ
ーションにおける種々の解析結果の表示方法では溶融材
料の充填状況,圧力分布,渦度分布,流速分布,温度分
布などの情報を忠実に表現することはできるが、これら
の情報から充填状況が欠陥のない健全な製品を製造する
のに適切なものになっているか否かについては直接的に
評価することはできない。溶融材料の射出成形における
流動解析結果を評価するには溶融材料の充填状況,圧力
分布,渦度分布,流速分布,温度分布などの情報をもと
に充填が順序良く進行しているか、最終充填部は適切な
位置になっているか、流れが乱れている部分はないかな
どについて人間が得られた解析結果を総合的に判断し
て、成形品である製品内のどこに欠陥が発生するかを予
測あるいは推測している。
【0008】しかしながら、このような流動解析結果の
評価方法では判断を下す人間の過去の経験や勘に依存す
る部分が大きいため判断する人間によって解析結果の評
価が異なる場合がある。従って、このような流動解析結
果の評価方法では充填途中に発生する流れの乱れや空気
の巻き込みによる気泡の発生などの現象を的確に把握
し、評価することは非常に難しい。
【0009】本発明の目的は溶融材料の射出成形におけ
る流動解析結果から充填状況の適否を容易に判定するこ
とができる溶融材料の射出成形における流動解析結果の
評価方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に溶湯が金型内に流入する際の充填状況を評価するため
のパラメータを開発することにより本発明を完成した。
【0011】本発明に係る溶融材料の射出成形における
流動解析結果の評価方法は以下の工程によって達成され
る。
【0012】(1)射出成形により製造される成形品及
び射出成形に使用する金型から数値解析を行うための差
分法,有限要素法,境界要素法,FAN法などの数値解
析法に適した微小要素に分割された形状モデルを作成す
る。
【0013】(2)数値解析における金型内への溶融材
料の充填開始から充填終了まで所要時間を任意の数にす
る。
【0014】(3)解析条件を入力し、差分法,有限要
素法,境界要素法,FAN法などの数値解析法をもちい
て溶融材料の流動状況を数値解析する。
【0015】(4)金型内における溶融材料が充填され
た部分と未充填部であるキャビティ部分との接触境界面
を自由表面と定義し、(2)で分割された各時刻におけ
る溶融材料の充填状況から自由表面の面積を算出する。
【0016】(5)流動挙動の数値解析終了後、溶融材
料の充填開始から充填終了までの間の自由表面の面積の
変動状態を調べる。
【0017】(6)自由表面の面積の変動状態の大きさ
をCRT,プリンタ等の表示出力装置にグラフィック出
力する。
【0018】以上(1)から(6)までの工程を実施す
ることにより溶融材料の射出成形における充填挙動の良
否を評価判定することを特徴とする。
【0019】また、本発明に係る溶融材料の射出成形に
おける流動解析結果の評価方法においてキャビティのど
の部分で充填の乱れが生じているかを判定するためには
以下の工程によって達成される。
【0020】(1)射出成形により製造される成形品及
び射出成形に使用する金型から数値解析を行うための差
分法,有限要素法,境界要素法,FAN法などの数値解
析法に適した微小要素に分割された形状モデルを作成す
る。
【0021】(2)数値解析における金型内への溶融材
料の充填開始から充填終了まで所要時間を任意の数にす
る。
【0022】(3)さらに(1)で作成した解析用の形
状モデルを任意の領域に分割する。
【0023】(4)解析条件を入力し、差分法,有限要
素法,境界要素法,FAN法などの数値解析法を用いて
溶融材料の流動状況を数値解析する。
【0024】(5)金型内における溶融材料が充填され
た部分と未充填部であるキャビティ部分との接触境界面
を自由表面と定義し、(2)で分割された各時刻におけ
る溶融材料の充填状況から自由表面の面積を(3)で分
割された領域ごとに算出する。 (6)流動挙動の数値解析終了後、溶融材料の充填開始
から充填終了までの間の自由表面の面積の変動状態を調
べる。
【0025】(7)自由表面の面積の変動状態の大きさ
をCRT,プリンタ等の表示出力装置にグラフィック出
力する。
【0026】以上(1)から(7)までの工程を実施す
ることにより溶融材料の射出成形における充填挙動の良
否を評価判定することを特徴とする。
【0027】また、本発明における溶融材料の射出成形
における製造条件の決定方法は以下の工程によって達成
される。
【0028】(1)製造条件を模擬するために数値解析
に必要な形状データ及び金型及び溶融材料の力学的,熱
的な物性値を入力する。
【0029】(2)解析条件を入力し、差分法,有限要
素法,境界要素法,FAN法などの数値解析法を用いて
溶融材料の流動状況を数値解析する。
【0030】(3)上記溶融材料の射出成形における流
動解析結果の評価方法を用いて充填挙動の良否を評価判
定する。
【0031】(4)判定結果が良いと認められるまで
(1)の入力データを変更する。
【0032】以上、解析結果が欠陥が発生しないもので
あると認められるまで(1)〜(4)を繰り返し実施する
ことにより、適切な製造条件を導き出すことを特徴とす
る。
【0033】
【作用】本発明に係る溶融材料の射出成形における流動
解析結果の評価方法によれば、金型内への溶融材料の充
填状況を評価するために、充填中における溶融材料と未
充填部分のキャビティとの接触境界面である自由表面の
面積を溶融材料の充填開始から充填終了までの間で調べ
ることにより、充填挙動の評価判定を容易に行うことが
できる。
【0034】なお、一般的に溶融材料の射出成形の際に
はゲート側のキャビティから順序良く充填される充填挙
動の方が、流れに起因する欠陥の発生が少ない。しか
し、充填中の自由表面の面積が大きいということはキャ
ビティとの接触面積が大きいために気体などの気泡を製
品中に巻き込む可能性が大きく、気泡欠陥の発生の可能
性が大きくなる。従って、自由表面の面積は溶融材料の
充填中に大きくならない方が望ましい。
【0035】また、溶融材料の充填中に自由表面の面積
が大きく変化することは、充填途中までは順序良く充填
が進行していったものの、あるところで急に流れあるい
は充填挙動が乱れてしまうことを示しているため、自由
表面の面積は溶融材料の充填中変動しない方が望まし
い。従って、溶融材料の金型内への充填挙動を調べるた
め充填中における溶融材料と未充填部分のキャビティと
の接触境界面である自由表面の面積を調べ、その値ある
いは値の変動の大きさから金型内への充填挙動の良否を
判定することができる。
【0036】また、溶融材料の射出成形において金型内
への溶融材料の充填状況を評価する際、成形品のどの部
分で流れや充填挙動が乱れているかを評価するために
は、解析のために作成した微小要素からなる形状モデル
を任意の領域に分割し、さらに数値解析における金型内
への溶融材料の充填開始から充填終了まで所要時間を任
意の数に分割し、各分割された形状モデルの領域におけ
る、充填中の溶融材料と未充填部分のキャビティとの接
触境界面である自由表面の面積としてその面積を算出
し、各微小要素内の自由表面の面積をすべての自由表面
を含む微小要素について加え合わせた値を分割された各
時間について調べ、これらの値を分割された形状モデル
各部分について算出された値の溶融材料の充填開始から
充填終了までの変動状態を比較することによって、充填
進行中に流れや充填挙動が乱れている部分を判定するこ
とができる。つまり分割された領域ごとの自由表面の面
積の値を比較することにより、各領域の自由表面の面積
の値あるいはその変動の大きさから充填挙動が乱れた領
域あるいは充填が乱れた時間などの情報を得ることがで
きる。
【0037】さらに、実際の製品を製造する前に数値解
析によって与えられた製造方案に対する溶融材料の充填
状況を解析し、上記の溶融材料の充填状況の評価方法を
用いて充填状況を評価し、充填状況が適切になるまで入
力データを変更することにより、その製品の適切な製造
方案や製造条件を導き出すことができる。この結果、欠
陥を含まない高品質の射出成型品を製造可能となる。ま
た、新規方案の製品に対しても事前のシミュレーション
により金型の修正すべき箇所などをあらかじめ特定する
ことができるため、金型の修正に必要な時間や費用を削
減することができ、射出成型品の製造コストを大幅に削
減することができる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明に係る溶融材料の射出成形に
おける流動解析結果の評価方法を実行するための装置の
電気的構成を示している。同図において金型内に溶融材
料を充填する過程における溶融材料の速度,圧力,温度
等の変動挙動を解析するための充填解析部1に対して、
解析に必要な被解析物の形状データ,物性データ及び境
界条件などの入力データが与えられている。充填解析部
1では与えられた入力データをもとに金型内に溶融材料
が充填される過程を差分法,有限要素法,境界要素法,
FAN法などを含む数値解析法を用いてシミュレーショ
ンする。解析で得られた溶融材料の金型内での充填状況
のデータは指定された時間間隔で自由表面算出部2に送
られる。自由表面算出部2では溶融材料と未充填部分の
境界面である自由表面の面積、あるいはあらかじめ解析
モデルを任意のブロックに分割した領域における自由表
面の面積を算出し、それらをメモリ上あるいはファイル
などの記憶装置に記憶する。この後、再び充填解析部1
に戻り溶融材料が金型内に充満されるまで繰り返す。充
填解析終了後、記憶装置に蓄えられた解析結果をCR
T,プリンタ等の解析結果表示部3にグラフィック出力
する。この解析結果表示部3に出力された結果より充填
挙動の良否を判定する。
【0039】次に、本発明の溶融材料の射出成形におけ
る流動解析結果の評価方法を実際の適用例を用いて説明
する。射出成形により製造される成形品及び射出成形に
使用する金型について、金型内の流動解析を行う手順は
従来の解析法と同じである。つまり図2に示すように金
型内の流動解析を行うために、射出成形により製造され
る成形品及び射出成形に使用する金型から流動解析用の
微小要素に分割された形状モデルを作成する。ここで4
は溶融材料を金型内に射出する流入口、5は製品を形作
るキャビティ、6は製品完成後切り離してしまうオーバ
ーフロー、7は解析結果から得られた充填時間の等時間
線を示している。図2の例では被解析部分を直交メッシ
ュで要素分割してあるが、使用する流動解析プログラム
に応じて三角形要素,四角形要素、その他の多角形要素
あるいは境界を変形したBFC要素などを含む要素で要
素分割を行う。これら成形品及び金型の形状モデルに対
して溶融材料が流れるランナ位置や速度及びキャビティ
内に流れ込む位置や速度を必要に応じて設定する。これ
らの操作により、溶融材料の射出成形における流動解析
を行うための形状データの設定を完了する。
【0040】さらに、溶融材料の射出成形における流動
解析を行うための物性データの設定作業を行う。すなわ
ち、使用する金型の密度,比熱,熱伝導率などの熱的な
物性値、及び使用する溶融材料の密度,比熱,熱伝導率
などの熱的な物性値や粘度を示す粘性係数,金型と溶融
材料との間の熱伝達係数などの熱的境界条件を設定する
ことにより、溶融材料の射出成形における流動解析を行
うための物性データの設定作業を完了する。ここまでの
作業は従来の溶融材料の射出成型における流動解析を行
うためのデータ作成手順と同様である。
【0041】そこで本実施例においては、物性データを
固定し、前述した図2の形状モデル1とゲートの部分の
厚さを薄くした形状モデル2の2つの形状モデルを選択
し、これら2つの形状モデルで充填挙動がどのように異
なるかを調べるために2つの形状モデルに対してそれぞ
れの流動解析を行った。ここで流動解析を行う際、数値
解析における金型内への溶融材料の充填開始から充填終
了まで所要時間を任意の数に分割し、充填途中の分割さ
れたある時間における溶融材料と未充填部分のキャビテ
ィとの接触境界面である自由表面の面積を記録し、これ
を分割されたある時間における充填時間のデータとす
る。この操作を数値解析における金型内への溶融材料の
充填開始から充填終了まで繰り返し行い、得られたデー
タを整理すると図3に示すようなグラフが得られる。
【0042】図3のグラフは形状モデル1と形状モデル
2の充填途中における自由表面の面積の変動を示してお
り、横軸に充填時間(秒)、縦軸に自由表面の面積(mm
2)を示している。これらの値は一般に変動が少ない方が
望ましいものと考えられる。なぜならば自由表面の面積
が大きいということは充填挙動が乱れていることを示し
ており、またそれだけ溶融材料と空気などの気体との接
触面積が大きく気泡などを巻き込む可能性が大きいとい
うことを示している。
【0043】従って、流入口4のゲートの形状を変化さ
せた場合、図3の結果より形状モデル1の場合は充填開
始から充填終了までの自由表面の面積の変動は40cm2
以内であるのに対して、形状モデル2の場合はその変動
が倍以上の90cm2 に達している。また形状モデル2の
場合には充填開始後0.2 秒に大きなピークがあり、こ
のことからこの時間前後で流れが大きく乱れていること
がわかる。
【0044】しかるに、これら充填途中における自由表
面の面積の変動は、成形品の形状及び溶融材料の流入速
度,ランナやゲートの方案あるいは使用する溶融材料の
物性値などによって大きく変動するため、これら値の大
きさを基準に絶対的な評価ができるものではない。しか
し、製造条件を変化させたときどのような変化の傾向が
現われるかを把握し、自由表面の面積の変動が最小とな
る射出成形条件を求めることにより、適正な射出成形条
件を求めることができる。
【0045】(実施例2)溶融材料の射出成形において
金型内への溶融材料の充填状況を評価する際、成形品の
どの部分で流れや充填挙動が乱れているかを評価するた
め、解析のために微小要素に分割した形状モデルを任意
の部分の領域に分割し、各々の領域内でのパラメータの
変動から、流れが乱れている部分を特定することができ
る。図4は解析のための形状モデルをA〜Iの9個の領
域に分割した概念図である。ここで8は溶融材料が流入
する流入口、9はキャビティ、10は解析モデルを分割
した1つの領域を示している。そして分割された各々の
領域内での溶融材料と未充填部分のキャビティとの接触
境界面である自由表面の面積を算出し、各微小要素内の
自由表面の面積を断面積で除した値をすべての自由表面
を含む微小要素について加え合わせた値について、数値
解析における金型内への溶融材料の充填開始から充填終
了まで所要時間を任意の数に分割し、この間でのそれぞ
れの分割された領域内の値の変動状態から、充填中の流
れの乱れた部分を特定することができる。図5のように
9個の領域に分割した解析モデルにおいて充填開始から
充填終了までの各々の領域における自由表面の面積の変
動をグラフに表したものを図5に示す。ただし形状に対
称性があるためC,F,Iの位置の情報については割愛
した。
【0046】グラフは横軸に時間(秒),縦軸に各領域
に含まれる自由表面の面積(mm2)を示している。グラフ
からわかるように充填開始から0.24 秒後にGの領域
で、また0.4 秒後にAの領域で急激に表面積の値が大
きくなっており、この部分において流れが大きく乱れて
いることを示している。この実施例のように分割された
形状モデル各部分について算出された値の溶融材料の充
填開始から充填終了までの変動状態を比較することによ
って、充填進行中に流れや充填挙動が乱れている部分や
時間を判定することができる。
【0047】
【発明の効果】前述した実施例から明らかなように本発
明によれば、射出成形により製造される成形品及び射出
成形に使用する金型を微小要素に分割した形状モデル内
に溶融材料が流入する際の流動解析に際し、金型内への
溶融材料の充填状況を評価するために、充填中における
溶融材料と未充填部分のキャビティとの接触境界面であ
る自由表面の面積を溶融材料の充填開始から充填終了ま
での間で調べることにより、充填挙動の評価判定を容易
に行うことができる。
【0048】従って、本発明によれば射出成形により製
造される成形品の流動解析を行う際、製造条件の適否を
容易に判定できるとともに、この判定結果から欠陥のな
い高品質の成形品を得るためのゲート位置やその数,湯
道方案,射出速度などの製造条件を適切に設定でき射出
成形における製造条件の最適化に対する効果は大きい。
また、事前のシミュレーションにより金型の修正すべき
箇所などをあらかじめ特定することができるため、金型
の修正に必要な時間や費用を削減することができ、射出
成型品の製造コストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動解析結果を評価する装置の電気的
構成。
【図2】実施例1で用いた解析のための形状モデル。
【図3】時間と自由表面の面積の関係を表したグラフ。
【図4】形状モデルを9個の領域に分割したときの概念
図。
【図5】各々の領域内での自由表面の面積の変動を表し
たグラフ。
【符号の説明】
1…充填解析部、2…自由表面算出部、3…解析結果表
示部、4…流入口、5,9…キャビティ、6…オーバー
フロー、7…充填時間を示す等時間線、8…溶融材料の
流入口、10…分割された領域。
フロントページの続き (72)発明者 添田 正広 茨城県ひたちなか市堀口832番地の2 株 式会社日立製作所素形材事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出成形により製造される成形品及び射出
    成形に使用する金型から流動解析を行うための微小要素
    に分割された形状モデルを作成するステップと、 差分法,有限要素法,境界要素法,FAN法などを含む
    数値解析法を用いて前記形状モデル内の溶融材料の流動
    挙動を数値解析するステップからなる溶融材料の射出成
    形における流動解析結果を評価する方法において、 金型内のキャビティにおける溶融材料が充填された部分
    と溶融材料が存在しない未充填部との接触境界面を自由
    表面と定義し、 数値解析における金型内への溶融材料の充填開始から充
    填終了まで所要時間を任意の数に分割するステップと、 数値解析における任意の数に分割された各時刻における
    数値解析から求められた溶融材料の充填状況から前記自
    由表面の面積を算出するステップと、 数値解析における溶融材料の充填開始から充填終了まで
    の間の分割された各時刻における自由表面の面積の変動
    状態から溶融材料の射出成型における充填挙動の良否を
    評価判定するステップからなることを特徴とする溶融材
    料の射出成形における流動解析結果を評価する方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の溶融材料の射出成形におけ
    る流動解析結果を評価する方法において、 微小要素からなる形状モデルを任意の領域に分割するス
    テップと、 さらに数値解析における金型内への溶融材料の充填開始
    から充填終了まで所要時間を任意の数に分割するステッ
    プと、 分割された形状モデル各々の領域内での分割された各時
    間における自由表面の面積を算出するステップと、 これらの値の溶融材料の充填開始から充填終了までの変
    動状態を各領域について比較することにより溶融材料の
    射出成型における充填挙動の良否を領域ごとに評価判定
    するステップを含むことを特徴とする溶融材料の射出成
    型における流動解析結果を評価する方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の溶融材料の射出成
    形における流動解析結果を評価する方法を用いて、 溶融材料の射出成形の製造条件を模擬するために数値解
    析に必要な形状データ,金型及び溶融材料の力学的,熱
    的な物性値を入力して溶融材料の射出成形における流動
    解析結果の評価を行い、 判定結果が良いと認められるまで前記入力データを変更
    し、上記数値解析を繰り返すことを特徴とする溶融材料
    の射出成型における製造条件の決定方法。
  4. 【請求項4】射出成形により製造される成形品及び射出
    成形に使用する金型から流動解析を行うための微小要素
    に分割された形状モデルを作成するステップと、 差分法,有限要素法,境界要素法,FAN法などを含む
    数値解析法を用いて前記形状モデル内の溶融材料の流動
    挙動を数値解析するステップからなる溶融材料の射出成
    形における流動解析結果を評価するステップを実行する
    ように設定された装置において、 金型内のキャビティへの溶融材料が充填挙動が悪化する
    時間または充填挙動が悪化するキャビティ内の部位を表
    示出力装置に出力することを特徴とする溶融材料の射出
    成形における流動解析結果を評価する装置。
JP1127495A 1995-01-27 1995-01-27 溶融材料の射出成型における流動解析結果の評価方法及びそれを用いた射出成形における製造条件の決定方法 Pending JPH08197600A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005131879A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Toyo Seiki Seisakusho:Kk 樹脂粘度特性試験システム、その方法、及びそのプログラム
KR100932455B1 (ko) * 2008-12-31 2009-12-17 한국생산기술연구원 유동 해석 결과의 후처리 방법 및 컴퓨터로 판독가능한 저장매체
WO2024063084A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 ポリプラスチックス株式会社 樹脂成形品のボイドを予測する方法、樹脂成形品のボイドを低減する方法及び記録媒体

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