JPH0819717A - 浄水用シート濾材 - Google Patents

浄水用シート濾材

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JPH0819717A
JPH0819717A JP15743094A JP15743094A JPH0819717A JP H0819717 A JPH0819717 A JP H0819717A JP 15743094 A JP15743094 A JP 15743094A JP 15743094 A JP15743094 A JP 15743094A JP H0819717 A JPH0819717 A JP H0819717A
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JP
Japan
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activated carbon
weight
sheet
fiber
parts
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JP15743094A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Hayashi
敏昭 林
Yasuhiro Iizuka
康広 飯塚
Nobuo Ishizaki
信男 石崎
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浄水性能に優れ、かつ活性炭の流出を起こさ
ず、通水時の圧力損失の小さな浄水用シート濾材を得
る。 【構成】 粒径10〜150μm、細孔直径30〜30
0オングストロームの細孔容積0.15cc/g以上の
粉末活性炭100重量部に対して、活性炭素繊維10〜
200重量部、フィブリル化した熱可塑性合成繊維から
成るパルプ25〜100重量部、補強繊維30〜200
重量部を含むシートであって、粉末活性炭がパルプのフ
ィブリルに融着保持された浄水用シート濾材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中に含まれる有機物
の吸着除去や遊離残留塩素の分解除去ができる浄水用シ
ート濾材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浄水用フィルターは主に飲料水中の有機
物やカルキ臭の除去を目的として使用されており、近
年、蛇口直結型浄水器に代表されるように、浄水器の小
型化が進み、限られたスペースに充填して、なおかつ、
従来以上の浄水性能が得られるよう、活性炭の性能の向
上が望まれている。
【0003】現在、一般に有機物やカルキ臭の原因物質
である遊離残留塩素の除去には、粒径が150μmより
大きい粒状活性炭が使用されており、該粒状活性炭はプ
ラスチック製ケース等の容器に充填して使用されること
が多い。しかし、該粒状活性炭では、有機物吸着除去性
能や遊離残留塩素分解除去性能、いわゆる浄水性能の向
上はあまり望めない。
【0004】なぜならば、水中からの有機物の吸着除去
や遊離残留塩素の分解除去は活性炭と水との接触効率、
すなわち活性炭の外表面積が大きいほど向上するのであ
るが、粒状活性炭ではその粒径の大きさから外表面積を
大きくとれないため、有機物吸着除去性能や遊離残留塩
素分解除去性能、いわゆる浄水性能の向上には限界があ
るからである。そのため、粒状活性炭に代わるものとし
て、粉末活性炭や活性炭素繊維が検討されている。
【0005】粒径150μm以下の粉末活性炭では、外
表面積が大きくとれ、水との接触効率が良く、粒状活性
炭に比べ、高い浄水性能が得られる。しかし、該粉末活
性炭は、微細であるので、取り扱い性が悪く、また、通
水時に流出するなどの問題があった。そこで、粉末活性
炭を取り扱い性が良く、フィルター成形加工が容易なシ
ート形状等へ加工することが検討されている。
【0006】特開平3−122008には、粉末活性炭
にフィブリル化したフッ素樹脂が分散介在した組成の活
性炭シートとその製造法が提案されている。しかし、こ
のシートでは、シート単層ではなく、数mmの厚さにな
るようにシートを積層して、シートに対して直交に通水
して使用する浄水用途としては、通水時の圧力損失が大
きく、また、粉末活性炭が接着あるいは融着により保持
されているのではなく、フィブリル化したフッ素樹脂に
機械的に保持されているので、通水時に粉末活性炭の流
出が生じやすい。
【0007】一方、活性炭素繊維では、フェルト状やペ
ーパー状などのフィルター成形加工が容易なシート形態
のものが得られ、単位重量当たりの浄水性能は粒状活性
炭に比べ優れている特長を持つが、活性炭素繊維の剛性
が大きいという特性により、該シートの充填密度が低く
なるため、単位体積当たりの浄水性能は、結果的に粒状
活性炭程度のものしか得られない問題があった。
【0008】これに対し、特開昭63−283749に
は、活性炭素繊維を粉砕し、スラリーとした後、金型に
吸引する湿式成型体及びその製法が提案されている。こ
の方法では、活性炭素繊維を粉砕し繊維長を短くしてや
れば、比較的高い充填密度の成型体が作製できるが、活
性炭素繊維の含有量が多いと、成型体強度が弱く、実使
用時の圧力変動や目詰まりによる圧力上昇により、割れ
やひびが入りやすい。従って、実使用に十分耐え得る成
型体強度を得ようとすると、バインダー等の補強材の含
有量を多くせざるを得ず、相対的に活性炭素繊維の含有
量が少なくなって、粒状活性炭程度の浄水性能しか得ら
れない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点を鑑
みて、水中に含まれる有機物の吸着除去及び特に遊離残
留塩素の分解除去において、高い浄水性能を持ちなが
ら、通水時の圧力損失が低く、かつ活性炭の流出を起こ
さないフィルター成形加工が容易な浄水用シート濾材を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の粉
末活性炭について、その遊離残留塩素除去性能を測定し
た結果、細孔直径30〜300オングストロームの細孔
容積を0.15cc/g以上有する粉末活性炭の性能
が、一般の細孔直径30〜300オングストロームの細
孔容積が0.15cc/g未満の粉末活性炭に比べ、非
常に優れるということを見いだし、水中に含まれる有機
物の吸着除去と、特に遊離残留塩素の分解除去におい
て、高い浄水性能を持ちながら、通水時の圧力損失が低
く、かつ粉末活性炭の流出を起こさない浄水用シート濾
材を得るため、その粉末活性炭の混抄シート化を検討し
た結果、本発明に到達した。
【0011】本発明は、粒径10〜150μmで、細孔
直径30〜300オングストロームの細孔容積が0.1
5cc/g以上の粉末活性炭100重量部に対して、活
性炭素繊維10〜200重量部、フィブリル化した熱可
塑性合成繊維から成るパルプ25〜100重量部、補強
繊維30〜200重量部を含むシートであって、粉末活
性炭が熱可塑性合成繊維から成るパルプのフィブリルの
融着により保持されていることを特徴とする浄水用シー
ト濾材に関するものである。
【0012】本発明において、最も重要な要件は、粉末
活性炭が細孔直径30〜300オングストロームの細孔
容積を0.15cc/g以上有することである。細孔直
径30〜300オングストロームの細孔容積を0.15
cc/g以上有する特異な活性炭の遊離残留塩素除去性
能は、同一重量で同程度の粒径と比表面積を持つ一般の
活性炭(細孔直径30〜300オングストロームの細孔
容積が0.15cc/g未満)に比べ5倍以上となるの
である。
【0013】遊離残留塩素は、水中で次亜塩素酸として
存在しており、次亜塩素酸が活性炭表面の反応活性点で
還元反応を受け分解されるのが、活性炭による遊離残留
塩素除去のメカニズムである。細孔直径30〜300オ
ングストロームの細孔容積が0.15cc/g以上ある
特異な活性炭の遊離残留塩素除去性能が優れる原因につ
いては定かではないが、この反応活性点が、上記の特定
の細孔直径を有する細孔に多く存在することや、次亜塩
素酸を含んだ水が細孔直径30オングストローム以上の
細孔内に浸入しやすいことなどが考えられる。
【0014】本発明において、粉末活性炭には、再生セ
ルロース、木材パルプ、おがくず、ヤシガラ、石炭、フ
ェノール等の原料炭を後述する特殊な方法等で賦活して
粉砕したものが用いられる。これら、粉末活性炭は粒径
10〜150μmであることが重要である。粒径が15
0μmを越えると、活性炭の外表面積が小さくなるた
め、浄水性能が低くなり、粒径が10μmより小さくな
ると、浄水用シート濾材からの活性炭の流出が大きくな
るのである。
【0015】活性炭の粒径とは、自然沈降・遠心沈降法
による光透過測定方式により測定した体積基準の累積粒
度分布の50%に相当する粒径であり、自動粒度分布測
定装置(堀場製作所製CAPA−500)を用いて測定
した。
【0016】また、活性炭の細孔直径及び細孔容積は、
常圧下の液体窒素の沸点(−198.8℃)における吸
着側の窒素ガス吸着等温線を用いて、クランストン−イ
ンクレー(Crauston−Inkley)の計算法
により求めた。
【0017】上記、特定の細孔直径において大きな細孔
容積を有する粉末活性炭を得る方法としては、例えば、
再生セルロース活性炭に塩化第二鉄や酢酸マグネシウム
等の酸化触媒を添着後、高温の水蒸気ガス雰囲気下で再
活性化処理を施し粉砕するとか、木材パルプの微粉末や
おがくず等を炭化後、900〜1300℃の高温水蒸気
含有燃焼ガス雰囲気下で、高度に活性化処理をする等が
あるが、特に限定されるものではない。
【0018】本発明において、粒径10〜150μmの
粉末活性炭100重量部に対して、活性炭素繊維10〜
200重量部、フィブリル化した熱可塑性合成繊維から
成るパルプ25〜100重量部、補強繊維30〜200
重量部を含むシートを成形する方法としては、湿式抄紙
法があり、その場合、該シート材料の均一混合物を含む
スラリーに凝集剤、安定剤等を添加しても良い。
【0019】本発明において、粉末活性炭はフィブリル
化した熱可塑性合成繊維から成るパルプのフィブリルに
捕捉され、該フィブリルの融着により保持されているこ
とが重要である。この要件は、粉末活性炭、活性炭素繊
維、フィブリル化した熱可塑性合成繊維から成るパル
プ、補強繊維を含む均一混合物をシート状に成形した
後、フィブリル化した熱可塑性合成繊維から成るパルプ
の融点以上かつ融点+10℃以下の温度範囲内で加熱す
ることで達せられる。この温度範囲内で加熱することに
より、パルプのフィブリルのみが溶融して、最小限の活
性炭表面への樹脂被覆で粉末活性炭が融着保持されるの
である。パルプの融点以下では、粉末活性炭は融着され
ておらず、機械的に保持されているのみであるので、粉
末活性炭の流出が生じやすい。一方、融点+10℃を越
える温度で加熱すると、パルプ全体が溶融し、活性炭表
面の多くの部分が溶融した樹脂で被覆されてしまい、大
幅に浄水性能が低下する。
【0020】本発明で、フィブリルとは、数nm〜数μ
mの太さを有する微細な繊維状組織を指し、フィブリル
化した熱可塑性合成繊維から成るパルプとは、枝状に多
数分岐したフィブリルを有する熱可塑性合成繊維であ
り、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン
系、ポリビニルアルコール系等があり、これらのパルプ
が使用できる。
【0021】粉末活性炭、活性炭素繊維、フィブリル化
した熱可塑性合成繊維から成るパルプ、補強繊維を含む
均一混合物をシート状に成形した後、フィブリル化した
熱可塑性合成繊維から成るパルプの融点以上かつ融点+
10℃以下の温度範囲内で加熱する方法としては、特に
限定されないが、湿式抄紙法でシート状に成形した後の
乾燥工程で、乾燥と同時に行うことができる。
【0022】一般に、粉末活性炭を混抄したシートは充
填密度が高く、シートに直交に通水する浄水用途として
は、圧力損失が高くなり不具合であるが、そこに活性炭
素繊維を加えると、活性炭素繊維の剛性により、シート
の充填密度が低くなる。従って、本発明において、粉末
活性炭100重量部に対して、活性炭素繊維10〜20
0重量部、好ましくは30〜150重量部、さらに好ま
しくは50〜100重量部配合することにより、浄水用
途に適当な充填密度を有するシートが得られる。
【0023】活性炭素繊維としては、繊維径5〜50μ
m、比表面積500〜2000m2/gのものが使用で
きる。また、その原料については限定されず、セルロー
ス系、ポリアクリロニトリル系、フェノール樹脂系、ピ
ッチ系等のいずれであっても良い。
【0024】本発明において、粉末活性炭100重量部
に対して、フィブリル化した熱可塑性合成繊維から成る
合成パルプは、25〜100重量部、好ましくは30〜
80重量部、さらに好ましくは40〜60重量部配合す
る。この範囲未満では、合成パルプのフィブリルで保持
されない粉末活性炭量が多くなり、粉末活性炭の流出が
生じやすくなり、この範囲を超えると、相対的に浄水用
シート濾材に含有される粉末活性炭量が少なくなり、浄
水性能が低下するのである。
【0025】本発明における浄水用シート濾材は、円筒
状等に巻き加工した成形体として実使用することが多い
が、その成形体作製時にシート強度が弱いと作業性が悪
くなる。従って、浄水用シート濾材の強度を得るため
に、本発明において、粉末活性炭100重量部に対し
て、補強繊維を30〜200重量部、好ましくは50〜
150重量部、さらに好ましくは50〜100重量部配
合する。この範囲未満では、浄水用シート濾材の強度が
十分ではなく、この範囲を超えると、相対的に浄水用シ
ート濾材に含有される粉末活性炭量が少なくなり、浄水
性能が低下するのである。
【0026】本発明において、補強繊維としては、セル
ロース,ビスコース等の半合成繊維,ポリエステル,ポ
リオレフィン,ポリアミド,アクリル,ポリスルフォ
ン,ポリアミドイミド,ポリイミド,ポリフェニレンサ
ルファイド,ポリ弗化ビニリデン等の合成繊維やガラ
ス,カ−ボン,メタルなどの無機繊維等があり、これら
の単独あるいは混合したものが使用できる。以下に実施
例にて本発明をさらに詳しく説明する。
【0027】
【実施例】実施例に基づき本発明を詳述するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。本発明で用
いた評価方法を下記に記す。 1)シート強度 浄水用シート濾材を長さ方向に幅15mmに裁断し、J
IS P8113に準じて引張り速度20mm/分で破
断強度を測定し、シート強度を評価した。
【0028】2)活性炭流出量 浄水用シート濾材を直径47mmに打ち抜き、水300
mlを入れた500mlビーカーに入れ、マグネチック
スターラーにより、500rpmで5分間撹拌し、シー
トの重量減少率により、活性炭の流出量を評価した。
【0029】3)遊離残留塩素除去性能 浄水用シート濾材を円周上に多数の穴の開いた内径30
mm、外径34mm、長さ245mmのポリプロピレン
製パイプの回りに外径が65mmになるように巻き付け
た後、最外層にコアがポリプロピレン、シースが融点1
30℃のポリエチレンの複合繊維で構成された目付16
g/m2 の不織布を巻いて、135℃に加熱した金属板
を当てて熱融着により固定し、浄水用フィルター成形体
を得た。
【0030】該浄水フィルター成形体の両端面にシリコ
ンゴム製のシール材を取り付けた後、該浄水フィルター
成形体を、市販の10インチカートリッジフィルター用
ハウジングに装着した。該ハウジングに遊離残留塩素濃
度を2ppmに調整した水を、流量5リットル/分で供
給し、該ハウジングから排出される水中の遊離残留塩素
濃度が0.4ppmに達するまでの総通水量を測定し、
浄水フィルター成形体の遊離残留塩素除去性能を評価し
た。なお、遊離残留塩素濃度は直読式水質分析器(HA
CH社製DR−2000)を用いてDPD法で測定し
た。
【0031】4)圧力損失 上記で得られた浄水フィルター成形体を、市販の10イ
ンチカートリッジフィルター用ハウジングに装着して、
水を流量5リットル/分で供給し、圧力損失を測定し
た。
【0032】
【実施例1】おがくずの炭化物を高温水蒸気含有燃焼ガ
ス雰囲気下で、高度に賦活後粉砕して得た粒径19μ
m、比表面積1150m2 /g、細孔直径30〜300
オングストロームの細孔容積0.21cc/gの粉末活
性炭100重量部、繊維径18μm、比表面積1450
2 /gのセルロース系活性炭素繊維100重量部、融
点132℃のポリエチレン製パルプ67重量部、補強繊
維として、融点255℃、繊維繊度1.5デニール、繊
維長10mmのポリエステル繊維33重量部とコアがポ
リプロピレン、シースが融点130℃のポリエチレンか
ら成る繊維繊度2デニールの複合繊維33重量部を水中
に分散して均一なスラリーを調整し、湿式抄紙法により
シートに成形し、135℃で5分間加熱した。得られた
シートの目付は86g/m2 、厚みは0.60mm、充
填密度は0.143g/ccであった。また、顕微鏡に
より、粉末活性炭が、パルプのフィブリルにより融着保
持されているのが観察された。
【0033】
【実施例2】再生セルロース系繊維状炭に塩化第二鉄を
添着後、高度に賦活して粉砕して得た粒径15μm、比
表面積1500m2 /g、細孔直径30〜300オング
ストロームの細孔容積0.35cc/gの粉末活性炭1
00重量部、繊維径18μm、比表面積1450m2
gのセルロース系活性炭素繊維25重量部、融点132
℃のポリエチレン製パルプ50重量部、補強繊維とし
て、コアがポリプロピレン、シースが融点130℃のポ
リエチレンから成る繊維繊度2デニールの複合繊維75
重量部を水中に分散して均一なスラリーを調整し、湿式
抄紙法によりシートに成形し、135℃で5分間加熱し
た。得られたシートの目付は45g/m2、厚みは0.
20mm、充填密度は0.225g/ccであった。ま
た、顕微鏡により、粉末活性炭が、パルプのフィブリル
により融着保持されているのが観察された。
【0034】
【実施例3】木材パルプの炭化物を高温水蒸気含有燃焼
ガス雰囲気下で、高度に賦活して粉砕して得た粒径17
μm、比表面積1020m2 /g、細孔直径30〜30
0オングストロームの細孔容積0.44cc/gの粉末
活性炭100重量部、繊維径18μm、比表面積145
0m2 /gのセルロース系活性炭素繊維100重量部、
融点132℃のポリエチレン製パルプ67重量部、補強
繊維として、融点255℃、繊維繊度1.5デニール、
繊維長10mmのポリエステル繊維33重量部とコアが
ポリプロピレン、シースが融点130℃のポリエチレン
から成る繊維繊度2デニールの複合繊維33重量部を水
中に分散して均一なスラリーを調整し、湿式抄紙法によ
りシートに成形し、135℃で5分間加熱した。得られ
たシートの目付は84g/m2 、厚みは0.58mm、
充填密度は0.145g/ccであった。また、顕微鏡
により、粉末活性炭が、パルプのフィブリルにより融着
保持されているのが観察された。
【0035】
【比較例1】ヤシガラの原料炭を水蒸気賦活して微粉砕
して得た粒径13μm、比表面積1800m2 /g、細
孔直径30〜300オングストロームの細孔容積0.1
0cc/gの粉末活性炭100重量部、融点132℃の
ポリエチレン製合成パルプ50重量部、補強繊維とし
て、融点255℃、繊維繊度1.5デニール、繊維長1
0mmのポリエステル繊維50重量部を水中に分散して
均一なスラリーを調整し、湿式抄紙法によりシートに成
形し、100℃で5分間加熱した。得られたシートの目
付は84g/m2 、厚みは0.30mm、充填密度は
0.280g/ccであった。
【0036】
【比較例2】ヤシガラの原料炭を水蒸気賦活して微粉砕
して得た粒径13μm、比表面積1800m2 /g、細
孔直径30〜300オングストロームの細孔容積0.1
0cc/gの粉末活性炭100重量部、繊維繊度7デニ
ール、比表面積1450m2/gのセルロース系活性炭
素繊維100重量部、融点132℃のポリエチレン製パ
ルプ67重量部、補強繊維として、融点255℃、繊維
繊度1.5デニール、繊維長10mmのポリエステル繊
維33重量部とコアがポリプロピレン、シースが融点1
30℃のポリエチレンから成る繊維繊度2デニールの複
合繊維33重量部を水中に分散して均一なスラリーを調
整し、湿式抄紙法によりシートに成形し、135℃で5
分間加熱した。得られたシートの目付は88g/m2
厚みは0.62mm、充填密度は0.142g/ccで
あった。
【0037】
【比較例3】おがくずの炭化物を高温水蒸気含有燃焼ガ
ス雰囲気下で、高度に賦活して微粉砕して得た粒径19
μm、比表面積1150m2 /g、細孔直径30〜30
0オングストロームの細孔容積0.21cc/gの粉末
活性炭100重量部、繊維径18μm、比表面積145
0m2 /gのセルロース系活性炭素繊維250重量部、
融点132℃のポリエチレン製パルプ75重量部、補強
繊維として、コアがポリプロピレン、シースが融点13
0℃のポリエチレンから成る繊維繊度2デニールの複合
繊維28重量部を水中に分散して均一なスラリーを調整
し、湿式抄紙法によりシートに成形し、135℃で5分
間加熱した。得られたシートの目付は62g/m2 、厚
みは1.02mm、充填密度は0.061g/ccであ
った。
【0038】評価結果を第1表に示す。比較例1は、細
孔直径30〜300オングストロームの細孔容積が0.
15cc/g未満の一般の粉末活性炭をパルプと補強繊
維とともに湿式抄紙してシート化したものであるが、粉
末活性炭がパルプのフィブリルに融着保持がされていな
いため、活性炭の流出量が多く、また、シート濾材の充
填密度が高いため、非常に高い圧力損失を示しており、
遊離残留塩素除去性能も低い。
【0039】比較例2は、細孔直径30〜300オング
ストロームの細孔容積が0.15cc/g未満の一般の
粉末活性炭を活性炭素繊維、パルプと補強繊維とともに
湿式抄紙してシート化したものであるが、遊離残留塩素
除去性能が低い。
【0040】比較例3は、細孔直径30〜300オング
ストロームの細孔容積が0.15cc/g以上の特異な
粉末活性炭を活性炭素繊維、パルプと補強繊維とともに
湿式抄紙してシート化したものであるが、活性炭素繊維
の含有量が多いためにシート濾材の充填密度が低く、単
位体積当たりに充填できるシート濾材量を多くすること
ができないので、遊離残留塩素除去性能が低い。また、
補強繊維量が少ないためシート強度が低く、フィルター
成形体作製時にポリプロピレン製パイプの回りに巻き付
ける際、シート切れ等が生じ、作業性の悪いものであっ
た。
【0041】以上の比較例に対し、粒径が10〜150
μmで、細孔直径30〜300オングストロームの細孔
容積が0.15cc/g以上の特異な粉末活性炭を活性
炭素繊維、パルプと補強繊維とともに所定の配合で、湿
式抄紙してシート化した実施例は、いずれも遊離残留塩
素除去性能が高く、圧力損失が低く、活性炭の流出量が
少なく、成形加工に十分耐え得るシート強度を持つもの
であった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上記載の通り、本発明は浄水性能、特
に遊離残留塩素除去性能が高く、かつ活性炭の流出を起
こさず、取り扱い性が良く、通水時の圧力損失が小さい
という優れた効果を有する浄水用シート濾材を提供でき
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径10〜150μmで、細孔直径30〜
    300オングストロームの細孔容積が0.15cc/g
    以上の粉末活性炭100重量部に対して、活性炭素繊維
    10〜200重量部、フィブリル化した熱可塑性合成繊
    維から成るパルプ25〜100重量部、補強繊維30〜
    200重量部を含むシートであって、粉末活性炭が熱可
    塑性合成繊維から成るパルプのフィブリルの融着により
    保持されていることを特徴とする浄水用シート濾材。
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