JPH0819370B2 - 塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜形成方法

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JPH0819370B2
JPH0819370B2 JP5129768A JP12976893A JPH0819370B2 JP H0819370 B2 JPH0819370 B2 JP H0819370B2 JP 5129768 A JP5129768 A JP 5129768A JP 12976893 A JP12976893 A JP 12976893A JP H0819370 B2 JPH0819370 B2 JP H0819370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗膜形成方法に係り、さ
らに詳しくは有機溶剤を含む特定のアクリル樹脂エマル
ションを樹脂ビヒクルとして含むエマルション塗料によ
り素材に密着した塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築用素材、例えばモルタル、コンクリ
−ト、スレ−ト等の塗装に於ては、通常下地調整および
素材と上塗双方に対する密着性改善の目的でシ−ラ−や
プライマ−が適用され、次に防水目的の塗料、さらに塗
膜粘着性を消滅させ、耐汚染性を良好ならしめるための
トップコ−トが順次適用されている。しかしながらこの
ような方法では多数の塗料が必要であり、工数、工程が
繁雑となる。そこで必要な塗膜層を可及的に少なくし、
経済的な防水処理を可能ならしめるための提案が多数な
されている。それらの内注目すべき技術の一つに、特開
昭52−136229号記載の発明がある。同発明で
は、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸0.1〜
10重量%、炭素数2〜10個のアルキルアクリレ−ト
20〜99.5重量%、その他の共重合可能なビニルモ
ノマ−70重量%以下からなるモノマ−混合物100重
量部に対し、沸点が100℃以上の有機溶剤及び/又は
可塑剤3〜50重量部を混合したものを乳化重合して得
られた合成樹脂エマルション100重量部に対し、無機
充填剤10〜150重量部、短繊維1〜50重量部を加
えた粘度が500cps以上である塗膜防水用組成物を
適用し、トップコ−トがなくても塗膜表面の粘着性がな
く、強伸度バランスがとれ、防水性、美装仕上効果を発
揮する防水層を与えようとするものである。素材に対す
るプライマ−層のことについては何ら言及しておらず、
実施例でも上記組成物をスレ−ト板にスプレ−塗装して
塗膜評価を行なっているにすぎない。しかしながら同特
許には合成樹脂エマルションを用いる先行技術として、
素材に合成樹脂の溶液又はエマルションを塗布してプラ
イマ−層を形成し、その上に合成樹脂エマルションに基
づく防水用塗料組成物を塗装し、さらにその皮膜の表面
粘着性をなくす必要から、Tgの高いトップコ−トを塗
布して仕上げる技術があったこと、このトップコ−ト層
の形成を必要とする従来の防水施行法の欠点を改良する
ために発明がなされたこと等トップコ−トの有無のみに
力点をおいており、プライマ−に関しては明確な言及を
さけている。しかしながら実際の防水施行ではかかるプ
ライマ−層は必要で、事実同特許に示された塗膜の伸度
300〜400%、強度25〜38kg/cm2程度の
ものでは素材に対する密着性が充分なものではなく、そ
の改善目的にはプライマ−層が必須であることを本発明
者らは見出している。
【0003】他方、アクリル樹脂の有機溶剤溶液を界面
活性剤を用いて水中で乳化して得られるエマルションを
塗料として使用することも知られており、例えば特開昭
53−24386号には芳香族ビニル系単量体15〜6
0重量%、長鎖アクリル酸エステル系単量体25〜50
重量%、アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド3
〜30重量%、および不飽和カルボン酸系単量体0〜1
2重量%を有機溶剤中で共重合させて得られるTg−6
℃〜30℃の共重合体溶液を、該共重合体重量に基づい
て0.25〜3重量%の界面活性剤を用い水中で乳化
し、pHを6.5〜10に調整して得られる疎水性共重
合体からなる水性塗料組成物が示されている。しかしな
がらかかる乳化エマルションの重合体はTg値が低く、
また実際に作られている重合体溶液は不揮発分濃度が約
70%程度と高く、従って数平均分子量も比較的低いア
クリルオリゴマ−である。同特許明細書はこの水性塗料
が食品、ビ−ルおよび飲料用金属製容器のライニング剤
として従来のエポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体の溶剤型塗料と同様の満足しうる性能を有してい
ると述べているが、建築用素材に対し適用できるか否か
については何の示唆も与えていない。
【0004】本発明者らは事実、上記水性塗料が建築用
素材に対しては全く不満足なものであることを知見して
いる。このように従来提案されてきた有機溶剤を含むエ
マルション塗料はいづれも素材密着性が悪く、プライマ
−層を必須とするし、性能的にまた美装仕上げの点から
もトップコ−トは不可欠とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、トップコ−ト
のみならず、シ−ラ−やプライマ−層をも必要とするこ
となく、建築用素材に対して密着性の良好な塗膜を形成
することができるならば工数、工程の簡易化と相俟って
経済的に極めて有利であり、また特につや感のある塗膜
形成が美装目的からも望まれており、かかる要望に応え
ることが本発明目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、上記目
的は、(イ)(a)α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸及び/又は炭素数2〜8のアルキルアクリレート、
(b)メチルメタクリレート、及び、(c)他の共重合
可能なビニルモノマーを(a)/(b)/(c)が1〜
14/0〜41/45〜99(重量比)の比率の重合性
単量体100重量部を80〜125重量部の有機溶剤中
で、重合させて得られる、Sp8.8〜11、Tg30
〜100℃、数平均分子量20,000〜100,00
0の重合体溶液100重量部と、(ロ)界面活性剤1〜
4重量部と、(ハ)脱イオン水20〜50重量部を乳化
したアクリル系樹脂エマルションを樹脂ビヒクルとして
含むエマルション塗料を無機質素材に直接塗布・乾燥す
ることによって達成される。
【0007】本発明で用いられる合成樹脂エマルション
は、(イ)(a)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
及び/又は炭素数2〜8のアルキルアクリレ−ト、
(b)メチルメタアクリレ−ト、及び(c)他の共重合
可能なビニルモノマ−を(a)/(b)/(c)が1〜
14/0〜41/45〜99(重量比)の比率の重合性
単量体100重量部を80〜125重量部の有機溶剤中
で、重合させて得られる、Spが8.8〜11、Tgが
30〜100℃、数平均分子量が20,000〜10
0,000の重合体の溶液100重量部を(ロ)界面活
性剤1〜4重量部と(ハ)脱イオン水20〜50重量部
を用い撹拌混合して乳化させて製造され、塗膜伸び率が
200%以下、抗張力が40kg/cm2以上の塗膜を
与えうる特徴をもつ。
【0008】アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は
構成モノマ−のα,β−エチレン性不飽和単量体の種類
および量を変えることにより制御可能であるが、通常T
gは低いほど低温時の伸びが良く、Tgが高くなると硬
くなり、また造膜最低温度(MFT)も高くなるため造
膜不良をおこし均一な膜にならず、通常の塗料には30
℃よりかなり低いTg値のアクリル樹脂が用いられてい
る。
【0009】本発明者らは素材密着性につき検討した結
果、抗張力と伸び率が重要であり、抗張力が低いと塗膜
の凝集破壊をおこしてもろい塗膜になるし、伸び率が高
すぎると素材面からはがれ易くなること、また樹脂のT
gおよび数平均分子量も重要な役割をはたし、Tgが3
0℃未満では塗膜が軟かく凝集力が低いため付着力が低
下するし、数平均分子量が20,000より小さくても
凝集力が低くなり付着力の低下をきたし、さらには耐候
性、耐水性等塗膜性能上も好ましくないことを知った。
さらにTgが30〜100℃といった樹脂は通常伸びが
低く、硬すぎるし、MFTが高すぎて造膜不可と考えら
れているが、有機溶剤を含有することにより造膜性を付
与し、且つ素材への浸透効果もあり均一な膜になしうる
ことを知り、それら知見に基づき本発明が完成されたも
のである。
【0010】即ち、本発明の合成樹脂エマルションの樹
脂はTgが30°〜100℃の範囲内で、数平均分子量
は20,000以上のものである。より好ましい範囲と
してはTg50°〜80℃で数平均分子量は約30,0
00以上である。このように高いTg値にかかわらず、
溶剤が造膜助剤効果をもつため造膜性が良く、素材への
浸透効果もあり、耐汚染性、付着性、初期耐水性に優れ
た塗膜を与えることができる。また重合度が高いため、
膜が強く、膜凝集力に優れていて素材密着性、耐水性、
耐候性が良好である。さらに、かかる樹脂エマルション
は、塗膜伸び率が200%以下、好ましくは100%以
下、抗張力が40kg/cm2以上、好ましくは50k
g/cm2以上の塗膜を与えることができる特徴をも
つ。このような特徴はTgが高く、且つ高分子量の樹脂
を溶剤含有の形で作ることにより達成せられ、素材密着
性と共に建築用素材に対し、極めて良好な強伸度のバラ
ンスを与えるものである。
【0011】本発明において使用する合成樹脂エマルシ
ョンを構成するモノマ−として成分(a)は、α,β−
エチレン性不飽和カルボン酸及び/又は炭素数2〜8の
アルキルアクリレ−トである。α,β−エチレン性不飽
和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタアクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸等を用いることができる。炭素数2〜8
のアルキルアクリレ−トの例としては、エチルアクリレ
−ト、プロピルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、エ
チルヘキシルアクリレ−ト等を用いることができる。成
分(b)はメチルメタアクリレ−トである。
【0012】成分(c)は、成分(a)及び(b)と共
重合可能なビニルモノマ−であり、下記の単量体の単独
もしくは、複数組み合せて用いることができる。 1)ヒドロキシル基含有単量体 例えば2−ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ヒドロキシ
プロピルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレ−ト、ヒドロキシプロピルメタクリレ−ト、ヒドロ
キシブチルアクリレ−ト、ヒドロキシブチルメタクリレ
−ト、アリルアルコ−ル、メタアリルアルコ−ル等 2)重合性アミド 例えばアクリル酸アミド、メタクリル酸アミド等 3)重合性ニトリル 例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等 4)炭素数2以上のアルキルメタアクリレ−ト 例えばエチルメタアクリレ−ト、n−ブチルメタアクリ
レ−ト、2−エチルヘキシルアメタクリレ−ト等 5)重合性芳香族化合物 例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、t−ブチルスチレン等 6)α−オレフィン 例えばエチレン、プロピレン等 7)ビニル化合物 例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等 8)ジエン化合物 例えばブタジエン、イソプレン等 これらは、所望Tg値をうるため適宜選択される。
【0013】本発明の(a)、(b)及び(c)の比率
は重量比で1〜14/0〜41/45〜99でなければ
ならず、成分(a)が1未満ではエマルションの安定性
が低下する。14を越えると、耐水性、耐候性が低下す
る。(b)が41を越えると、付着性、耐水性が低下す
る。(c)が45未満では、耐水性が低下する。99を
越えるとエマルションの安定性が低下する。
【0014】又合成樹脂溶液が水中で乳化せしめるエマ
ルション法により作られるので、アクリル樹脂の溶解性
パラメ−タ−(Sp)値は8.8〜11の範囲に限定さ
れ、これ以上では溶解性が大となりすぎて、所望のエマ
ルションが得られない。従って前述のモノマ−はまた所
望のSp値を与えるよう適宜選択され、単独もしくは任
意の組合せで用いられる。尚、樹脂の溶解性パラメ−タ
−(δsp)はK.W.SUH,J.M.CORBET
T:Journal of Applied Polymer Science 12,2359('6
8)に示されている式1より算出することができる。な
お、式1においてmlは低SP溶剤を;mhは高SP溶
剤を;δは溶解度パラメ−タ−を;Vは濁点における分
子容を示す。
【0015】
【数1】
【0016】また有機溶剤としては、アクリル樹脂の溶
剤となり得るものであれば良く、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化
水素、ケトン、アルコ−ル、エステル等、さらに溶剤便
覧(槙書店発行)で示されている沸点300℃付近又は
それ以上の可塑剤及び軟化剤も溶剤として使用せられ
る。本発明では前述のエチレン性不飽和単量体が有機溶
剤中で重合開始剤を用いる通常の方法で重合せしめられ
るが、単量体と有機溶剤の重量比は前者100に対し、
後者80〜125の範囲に選定せられる。これは重合体
の分子量を調整するもので後者が80未満では均一な重
合体溶液が得られず、また125をこえると均一な重合
体溶液は得られるが、分子量が低くなり、密着性をそこ
なうものである。
【0017】本発明に於ては、このようにして得られた
Sp8.8〜11、Tg30〜100℃、数平均分子量
20,000〜100,000の重合体の溶液が次に界
面活性剤および脱イオン水を用いて後乳化手法で乳化せ
しめられ、エマルションが作られる。界面活性剤として
は、通常の型のものであるが、特にポリオキシエチレン
ノニルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエ−テル、ポリオキシエチレンラウリルエ−テ
ル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル、ポリオキシ
エチレントリデシルエ−テル、ポリオキシエチレンアル
キルエ−テル、ポリオキシエチレンセチルエ−テル、ポ
リオキシエチレンステアリルエ−テル等のアルキルエ−
テル型の非イオン活性剤;ポリオキシエチレンラウレ−
ト、ポリオキシエチレンオレエ−ト、ポリオキシエチレ
ンステアレ−ト等のアルキルエステル型非イオン活性
剤;ソルビタンラウレ−ト、ポリオキシエチレンソルビ
タンオレエ−ト等のソルビタン誘導体の非イオン界面活
性剤;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエ−テル硫酸ナトリウ
ム等の陰イオン界面活性剤等が任意の組合せで好ましく
用いられる。
【0018】重合体溶液、界面活性剤および脱イオン水
の割合は通常の乳化手法により適宜選択されるが、水性
塗料の樹脂ビヒクルとして使用する為、重量比で10
0:1〜4:20〜50の範囲とすることが望ましい。
このようにして得られる乳化エマルションを樹脂ビヒク
ルとして含む塗料組成物は素材密着性が良好であるので
そのままクリヤ−塗料として、あるいはこのものに顔料
および充填剤を配合し、1コ−ト用塗料として使用す
る。
【0019】顔料として例えば二酸化チタンのルチル
型、アナタ−ゼ型、リトポン、酸化鉄、酸化クロ−ムな
どの無機質顔料、その他有機顔料など通常の塗料用顔料
が用いられ、またフィラ−としてはバライタ、マイカ、
炭酸カルシウム、硅砂など通常の塗料用充填剤が好適に
使用せられる。本発明の樹脂は前述の如く、素材密着性
に優れているが、顔料、充填剤を加える場合、それらの
顔料体積濃度(PVC)を35%以下に保つことが密着
性に対し相剰効果を示し、特に好ましいことも見出され
ている。また所望により、酸化ポリエチレン系、アマイ
ド系、三次元架橋を有するアクリル系、シリカ系などの
チクソトロピック付与効果のある任意の増粘材を加える
ことも可能である。
【0020】このように無機質充填剤の量にあまり影響
されずに強度が保たれるため、PVCを35%以下とい
った低い値に保持でき、艶有塗料となし、且つ所望の塗
膜強度が維持せられる。また、本発明に於いて被塗装物
とは建築用素材、例えばモルタル、コンクリ−ト、スレ
−ト等の無機質素材である。塗料塗装面、例えばセメン
ト系の無機系塗料の塗装面、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂等の有機系塗装面にも直接塗装できる。また、本発明
の塗膜形成方法は公知の方法で行うことができる。すな
わち、エアスプレ−塗装、エアレススプレ−塗装、ロ−
ラ−塗装等いずれの方法によっても良い。本発明で直接
塗布とは密着性向上、発泡防止として通常用いるシ−ラ
−及びプライマ−を必要とせず特定エマルション塗料を
被塗素材に直接塗布することである。塗布量は塗料組成
物の固形分、比重にもよるが、均一に厚みを付け防水層
となしうるため、塗料粘度50〜250psで、およそ
0.5〜1.0kg/m2が適当である。この際、この
ベ−スコ−ト層のみでも耐水性、耐候性、耐汚染性に優
れ、且つ被塗装物密着性にも優れた強じんな塗膜の形成
が可能であるが、ベ−スコ−ト層の乾燥後、再度上記塗
料組成物を塗装することが出来るので模様状塗膜の形成
も可能である。なお、模様状塗膜は、例えば玉吹き模
様、凹凸模様はタイルガンやリシンガン等の吹付ガンが
好適で、塗布量の目安は塗料組成物の固形分や比重にも
よるが、塗料粘度200〜400psで、およそ0.4
〜0.8kg/m2が適当である。また、波状模様は多
孔質ロ−ラ−、ウ−ロ−ラ−等が好適で、その際の塗布
量の目安は塗料成分の固形分、比重にもよるが塗料粘度
100〜250psで、およそ0.4〜0.8kg/m
2が適当である。以上述べたように、本発明では建築用
素材に対し、シ−ラ−やプライマ−もトップコ−トも必
要とせず、1コ−トにより耐水性、耐候性、耐薬品性等
に優れ、耐汚染性にも優れた強じんな塗膜を与えること
ができ、素材密着性の上でも申し分のない塗膜形成が可
能となる。以下実施例により本発明を説明する。特にこ
とわりなき限り、部および%は重量による。
【0021】
【実施例及び比較例】
参考例1 3lの4つ口フラスコに温度計、撹拌器、窒素導入管、
滴下ロ−トを備え、キシレン400gを仕込み、85℃
に内温を保つ。メチルメタアクリレ−ト405g、イソ
ブチルメタアクリレ−ト583g、メタアクリル酸12
gを均一に混合し、さらにt−ブチルパ−オキシ2−エ
チルヘキサノエ−ト7gを加えて混合した液を窒素を吹
き込みながら3時間かけて滴下し、85℃で撹拌しなが
ら重合を行なった。滴下終了後、キシレン800gを3
時間かけて滴下した。その後、さらに85℃で2時間反
応を行なった。不揮発分45.4%、数平均分子量4
2,000、Tg(計算値)=70℃、Sp値10.0
の無色透明な共重合体液(A)を得た。
【0022】参考例2〜4,6 参考例1と同様な方法で行ない、モノマー、有機溶剤の
組成を表1の如く変更して、無色透明な共重合体液
(B)、(C)、(D)、(F)及び(G)をそれぞれ
得た 参考例5 参考例1と同様な方法で行ない、重合開始剤t−ブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエートの量を調製して、
無色透明な共重合体液(E)を得た。
【0023】
【表1】
【0024】製造例1 乳化エマルションの調製 乳化エマルション−(1) 共重合体液(A)1000gと非イオン活性剤Newc
ol1710(日本乳化剤社製)30gをディスパ−で
撹拌しながらイオン交換水300gを徐々に加えて、エ
マルション化した。さらにアンモニア水を加えてpH=
8に調製し、乳化エマルション−(1)を得た。不揮発
分36%、エマルション平均粒径1.0μ
【0025】製造例2〜 乳化エマルション−(2)〜() 乳化エマルション−(1)の調製と同様の方法で行な
い、乳化エマルション−(2)〜()を得た。配合
量、不揮発分、エマルション平均粒径は表2に示す。
【0026】分散ペ−ストの調製 SMA−1440(アルコケミカル社製、スチレン・マ
レイン酸エステル分散剤)15部、二酸化チタン100
部、炭酸カルシウム(ルミナス丸尾カルシウム社製)1
00部、水70部を混合分散して、分散ペ−ストを得
た。
【0027】
【表2】
【0028】実施例1 分散ペ−スト26部、乳化エマルション−(1)100
部、消泡剤1部、増粘剤2部を混合撹拌して、塗料組成
物を得た。この塗料組成物はPVC=13、粘度300
P(ポイズ)であった。塗料組成物を180PS(ポイ
ズ)に調整し、スレ−ト板上に吹付ガンで乾燥膜厚50
0μになる様に塗装し、塗膜を形成させた。室温で2週
間乾燥後の光沢は60度グロスで70、伸び率5%、抗
張力70kg/cm2、アドヒ−ジョンテスタ−で付着
力を測定したところ20kg/cm2であった。またこ
の塗膜のピ−リング付着性評価は、素材から剥離し、密
着性は良好であった。更に塗膜硬度は鉛筆硬度でHBで
あった。また、この塗料組成物をベ−スコ−トとし、お
よそ一日乾燥後、この上に240PSに調整した塗料組
成物をタイルガンで0.6kg/m2塗装し、凹凸模様
塗膜を形成させた。これを室温で2週間乾燥後、20℃
水中に1週間浸漬した後塗膜状態をASTM法で判定し
たところ、塗膜のふくれは全く見られなかった。
【0029】実施例2〜 実施例1と同様の方法で塗料組成物を得て塗膜の形成を
行った。配合及び物性評価は表3の結果を得た。
【0030】比較例1〜3 実施例1と同様の方法で塗料組成物を得て塗膜の形成を
行った。配合及び物性評価は表3の結果を得た。
【0031】比較例4 市販の合成樹脂エマルション系複層仕上塗材の一例とし
て、「ダイヤEタイル主材(恒和化学工業株式会社
製)」を150PS(ポイズ)に調整し、アクリル系シ
−ラ−を入れスレ−ト板に吹付ガンで乾燥膜厚500μ
になる様に塗装し塗膜を形成させ、実施例1と同様に物
性評価を実施した。また更に、この塗膜上に210PS
に調整した「ダイヤEタイル主材」をタイルガンで1.
0kg/m2塗装し、凹凸模様塗膜を形成させた。物性
評価は表3の結果を得た。
【0032】比較例5 市販の合成樹脂エマルション単層弾性仕上材の一例とし
て、「アレスゴムテックス(関西ペイント株式会社
製)」を160PSに調整し、塩ゴム系シ−ラ−を入れ
スレ−ト板に多孔質ロ−ラ−で乾燥膜厚400μになる
様に塗装し塗膜を形成させ、実施例1と同様に物性評価
を実施した。また更に、この塗膜上に60PSに調整し
た「アレスゴムタイル」を中毛ウ−ロ−ラ−で0.25
kg/m2塗装し、さざ波模様塗膜を形成させた。物性
評価は表3の結果を得た。
【0033】塗膜の試験方法は次の方法によって行っ
た。 1.伸び率、抗張力の測定 JIS A 6910に準拠して塗料を2mmに塗布
し、14日間室温で乾燥した後、ダンベル状2号形に成
形したものを試験片とした。 2.付着力の測定 塗料をスレ−ト板にドクタ−ブレ−ドで2mmに塗布
し、室温で2週間乾燥後、アドヒ−ジョンテスタ−で付
着力を測定した。 3.ピ−リング付着性 塗膜を巾5mm、長さ10mmにカッティングしてカッ
タ−で塗膜の剥れ具合を測定し、次のように評価した。 〇…素材から剥離するもの ×…素材と塗膜の界面で剥離するもの 4.鉛筆硬度 塗料をスレ−ト板にドクタ−ブレ−ドで2mmに塗布
し、室温で2週間乾燥後、JIS−K−5400−8−
4法に準じて測定した。 5.耐水性 スレ−ト板上にベ−スコ−トを形成し更に模様塗膜を形
成させた試験片を室温で2週間乾燥後、20℃水中に7
日間浸漬し、取出し後の塗膜状態をASTM法で測定し
た。 ただし、比較例4〜5は、比較例で述べた条件で塗布し
た。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上の通り本発明により形成される塗膜
はプライマ−もトップコ−トも必要とせず、1種類の塗
料で耐水性、耐候性、耐汚染性に優れ、且つ被塗物への
密着性にも優れ、その結果、塗膜が被塗物の保護と美装
性を保持することが可能となる。また、水で希釈して粘
度を調整することにより、ロ−ラ−塗り、スプレ−塗
り、ハケ塗り等の使用が可能で、下地調整材、建築内外
装仕上げ材となり、1つの塗料で単層仕上げ、複層仕上
げが可能となった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/02 PPU

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)(a)α,β−エチレン性不飽和カ
    ルボン酸及び/又は炭素数2〜8のアルキルアクリレー
    ト、(b)メチルメタクリレート、及び、(c)他の共
    重合可能なビニルモノマーを(a)/(b)/(c)が
    1〜14/0〜41/45〜99(重量比)の比率の重
    合性単量体100重量部を80〜125重量部の有機溶
    剤中で、重合させて得られる、Sp8.8〜11、Tg
    30〜100℃、数平均分子量20,000〜100,
    000の重合体溶液100重量部と、 (ロ)界面活性剤1〜4重量部と、 (ハ)脱イオン水20〜50重量部を乳化したアクリル
    系樹脂エマルションを樹脂ビヒクルとして含むエマルシ
    ョン塗料を無機質素材に直接塗布・乾燥することを特徴
    とする塗膜形成方法。
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