JPH08189209A - 浴室の床面構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 利用者に圧迫感を与えること無く脱衣室と洗
い場との床面の段差を無くし、出入りの際に足が滑るこ
との無い安全な床面構造を提供すること。 【構成】 防水床パン２上に浴槽１１を設置し洗い場１
０と隣室５とを出入り口６の扉７で仕切った浴室１にお
いて、洗い場１０の扉７側に透水部を設け、この透水部
は防水床パン２とこの防水床パン２上に配設した透水性
の高い素材から成る透水板１３とで構成し、この透水板
１３と洗い場１０と隣室５の床面２０とが略面一である
ことを特徴とする。又、隣室床面２０の扉７側の一部を
透水部２１で構成し、透水板１３の一部に指を掛けるた
めの切欠部を設け、透水板１３と防水床パン２との間に
隙間ｓを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴室の床面構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から脱衣室と浴室の洗い場との段差
を無くして、利用者（特に高齢者等）が躓くことの無い
ようにした構造が種々提案されている。例えば実開平
４−１１６５４７号公報、実開平５−４７０６５号公
報等。には開閉扉によって仕切られる脱衣室と浴室の
洗い場とを、床面が同一レベルとなるように後から夫々
すのこを敷設した構成が示されている。には、脱衣室
と洗い場とを仕切る開閉扉周辺の床面をグレーチングで
構成し、洗い場からの湯水が脱衣室側に流出するのを防
止して、両部屋の床レベルを同一にした構造が示されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記に
記載された構造では、すのこの高さ分だけ天井が低く感
じられ利用者に圧迫感を与えると共に、洗い場の水栓等
の使い勝手が悪くなり、更に脱衣室に既に設置してある
洗面化粧台や収納キャビネット等を設置し直す必要があ
った。に記載された構造では、グレーチングの隙間か
ら小物が排水口内に落下する虞があり、また髪の毛等が
まとわりついて不快感を与えるものであった。更にグレ
ーチングは通常金属製であるため、水に濡れると滑り易
いと云う欠点もあった。

【０００４】本発明は、利用者に圧迫感を与えること無
く隣室と洗い場との床面の段差を無くし、出入りの際に
足が滑ることの無い安全な床面構造を提供することを目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本願発明は、防水床パン上に浴槽を設置し洗い場と隣
室とを出入り口の扉で仕切った浴室において、洗い場の
扉側に透水板を設け、この透水板は防水床パンとこの防
水床パン上に載置した透水性の高い素材から成る透水板
とで構成し、この透水板と洗い場と隣室の床面とが略面
一と成るようにした。

【０００６】隣室の床面の扉側の一部を透水板で構成し
た。

【０００７】扉から浴槽までの洗い場に透水板を設け
た。

【０００８】洗い場の略全面を透水板とした。

【０００９】透水板の一部に指を掛けるための切欠部を
設けた。

【００１０】透水板と防水床パンとの間に隙間を設け
た。

【００１１】

【作用】上記手段によれば、透水板と洗い場と隣室の床
面とが略面一なので、入浴の際足下が不自由な高齢者が
足を引っ掛けて躓く心配が無く、しかも洗い場で出る流
水の多くは洗い場に設けた排水口から排水され、出入口
に向って逆流してきた流水も透水性の高い素材から成る
透水板にそのまま吸収され防水床パンに流れるから、透
水板上には水が残らない。

【００１２】隣室の床面の扉側の一部を透水板で構成す
れば、万一洗い場で出る流水が出入口の扉の下枠を越え
て隣室の床に流れてきても、隣室の扉に臨む床にも透水
板が設けられているので、吸収されて透水板上には水が
残らない。

【００１３】扉から浴槽までの洗い場に透水板を設けた
ので、透水板上は水が切れており、湯からで出て上がる
際に脚を濡らさずに隣室へ行ける。

【００１４】洗い場の略全面を透水板としたので、洗い
場全体が常に水が切れた状態となる。

【００１５】透水板の一部に指を掛けるための切欠部を
設けたので、この切欠部に指を掛けて透水板を外し洗っ
たり陽に干したりし、透水板を外した後は防水床パンの
掃除を行なう。

【００１６】透水板と防水床パンとの間に隙間を設けた
ので、透水板に吸収された水はそのまま防水床パンに流
れ落ち、防水床パンの斜面を下って排水口に至る。

【００１７】

【実施例】次に本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。図１は本発明の浴室の床面構造の第１実施
例の斜視図であり、浴室１は図示せぬ建物躯体内に防水
床パン２を設置し、防水床パン２の外周部３に壁パネル
４…を連設し、隣室の脱衣室５との間に出入口６の扉
（本実施例では引き戸）７を設け、壁パネル４…の図示
せぬ上縁部間に天井パネルを載置して設ける。

【００１８】防水床パン２は中央部の壁状に突設された
境界部８を境に浴槽設置部９と洗い場１０を設け、浴槽
設置部９に浴槽１１を設置している。浴槽１１の洗い場
１０側の上縁部と境界部８の間には、エプロン１２が取
り付けてある。洗い場１０は、防水床パン２上に水を通
す透水板１３と通常の床板１４を面一に並列に設置して
設ける。

【００１９】出入口６の左手の壁パネル４に沿って洗い
場１０と浴槽１１に臨むカウンタ１５を設置し、洗い場
１０及び浴槽１１用の湯水混合栓１６、１７を設けてい
る。洗い場１０の湯水混合栓１６に臨む壁パネル４に
は、鏡１８を設けている。

【００２０】図２は本発明の浴室の床面構造の第１実施
例の側断面図であり、洗い場１０の透水板１３は扉７側
の下枠１９に接して設け、下枠１９に接する脱衣室５の
床２０の一部にも透水板２１を設ける。透水板１３、下
枠１９及び透水板２１は略面一に設けて、浴室１への出
入りの際に足下が不自由な高齢者が足を引っ掛けて躓く
虞の無いようになっている。

【００２１】脱衣室５の透水板２１は、浴室１の透水板
１３と同様に防水床パン２２上に載置する。この防水床
パン２２の縁部２３と浴室の防水床パン２の縁部２４が
左右から出入口６の下枠１９の下方にある根太２３に臨
み、略逆凹型に形成された前記下枠１９で防水床パン２
２の縁部２３、防水床パン２の縁部２４、及び根太２５
を上から覆うようにして、水密処理を施して被せる。こ
れによって防水床パン２、及び２２の当接部から根太２
５に水が染み込まないようになっている。

【００２２】透水板１３及び２１は、小石、砂岩、
ビーズ、ガラス等をエポキシ樹脂等の接着剤で接合
したものや、透水アスファルト等の透水性の高い素材
で板状に形成する。透水板１３及び２１の表面は、使用
感、掃除性を考慮して研磨仕上げを施しておく。

【００２３】透水板１３、及び床板１４は、夫々脚２
６、２７を介して防水床パン２上に載置することで、防
水床パン２との間に隙間ｓを設け、透水板１３を透過し
て防水床パン２上に落下してきた水が流れ易くなるよう
にしている。防水床パン２には傾斜を設け、境界部８に
臨む位置に設けた排水口２８から排水管２９に排水する
ようになっている。

【００２４】同様に透水板２１も脚３０を介して防水床
パン２２上に載置することで、防水床パン２１との間に
隙間ｑを設ける。防水床パン２２には排水口３１を設
け、排水管３２を介して排水管２９に接続し、排水する
ようになっている。また、透水板１３の隅に取り外しの
際に指を掛けるための切欠部３３を設ける。同様に透水
板２１にも切欠部３４を設ける。この切欠部３３、３４
に指を掛けて透水板１３、２１を外し、洗ったり陽に干
したりし、透水板１３、２１を外した後は防水床パン２
の掃除を行なうことができ、常に浴室１を衛生的にでき
る。尚、排水口２８の上方には床板１４と面一に目皿３
５が載置されている。

【００２５】浴室１の床面構造を以上のように構成する
ことにより、洗い場１０で出る流水の多くは洗い場１０
に設けた排水口２８から排水され、出入口６に向って逆
流してきた流水も透水性の高い素材から成る透水板１３
にそのまま吸収されて防水床パン２に流れ落ち、防水床
パン２上の隙間ｓを通って斜面を下り、排水口２８から
排水される。従って透水板１３上には水が残らないの
で、流水が出入口６の下枠１９を越えて脱衣室５に流れ
込む虞は少ない。

【００２６】また万一洗い場１０で出る流水が出入口６
の扉７の下枠１９を越えて脱衣室５に流れてきても、脱
衣室５の扉７に臨む床にも透水板２１が設けられている
ので、流水はこの透水板２１に吸収されて防水床パン２
上に流れ落ち、防水床パン２２上の隙間ｑを通って斜面
を下り、排水口３１から排水される。従って透水板２１
上には水が残らず、浴室１への出入りの際滑る心配は無
い。

【００２７】図３は第２実施例の平面図であり、第１実
施例と同一の部分には同一番号を付して説明を省略す
る。第２実施例では洗い場の全面を２枚の透水板４０、
４１で覆った構成となっており（１枚、或いは３枚異常
で構成してもよい）、湯から出る際扉７から浴槽１１迄
の間、透水板４０、４１上の水が切れており、脚を濡ら
さずに脱衣室５へ行ける。また各透水板４０、４１の隅
部には夫々指を掛けるための切欠部４２、４３を設け、
この切欠部４２、４３に指を掛けて透水板４０、４１を
外し、洗ったり陽に干したりし、透水板４２、４３を外
した後は防水床パン２の掃除を行なうことができ、常に
浴室１を衛生的にできる。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上記の通り構成したので、次の
様な効果を奏する。請求項１によれば、防水床パン上に
浴槽を設置し洗い場と隣室とを出入り口の扉で仕切った
浴室において、洗い場の扉側に透水板を設け、この透水
板は防水床パンとこの防水床パン上に載置した透水性の
高い素材から成る透水板とで構成し、この透水板と洗い
場と隣室の床面とが略面一と成るようにしたので、入浴
の際足下が不自由な高齢者が足を引っ掛けて躓く心配が
無い。しかも洗い場で出る流水の多くは洗い場に設けた
排水口から排水され、出入口に向って逆流してきた流水
も透水性の高い素材から成る透水板にそのまま吸収され
防水床パンに流れるから、透水板上には水が残らず、衛
生的である。

【００２９】請求項２によれば、隣室の床面の扉側の一
部を透水板で構成したので、万一洗い場で出る流水が出
入の扉の下枠を越えて隣室の床に流れてきても、透水板
が設けられているので、吸収されて透水板上には水が残
らない。

【００３０】請求項３によれば、扉から浴槽までの洗い
場に透水板を設けたので、湯をつかった後も透水板上は
水が切れているから、湯からで出て上がる際に脚を濡ら
さずに隣室へ行ける。

【００３１】請求項４によれば、洗い場の略全面を透水
板としたので、洗い場全体が常に水が切れた状態にする
ことができ、衛生的である。

【００３２】請求項５によれば、透水板の一部に指を掛
けるための切欠部を設けたので、この切欠部に指を掛け
て透水板を外し洗ったり陽に干したりすることができ、
透水板を外した後は防水床パンの掃除を行なうことがで
きる。

【００３３】請求項６によれば、透水板と防水床パンと
の間に隙間を設けたので、透水板に吸収された水はその
まま防水床パンに流れ落ち、防水床パンの斜面を下って
排水口に至るから、水掃けが良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浴室の床面構造の第１実施例の斜視図

【図２】同側断面図

【図３】第２実施例の平面図

【符号の説明】

１…浴室，２…防水床パン，５…脱衣室，６…出入口，
７…扉，１０…洗い場，１３…透水板，２０…脱衣室の
床，２１…透水板，２２…防水床パン，３３，３４…切
欠部，４０，４１…透水板，４２，４３…透水板，ｓ，
ｑ…隙間。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼頭 克巳 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 遠藤 靖 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 青山 憲一郎 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 山中 勝美 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 山口 康明 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 有我 真二 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番１ 号 東陶機器株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 防水床パン上に浴槽を設置し洗い場と隣
   室とを出入り口の扉で仕切った浴室において、前記洗い
   場の扉側に透水部を設け、この透水部は防水床パンとこ
   の防水床パン上に載置した透水性の高い素材から成る透
   水板とで構成し、この透水板と洗い場と隣室の床面とが
   略面一であることを特徴とする浴室の床面構造。
2. 【請求項２】 前記請求項１に記載の浴室の床面構造に
   おいて、隣室の床面の扉側の一部を透水板で構成したこ
   とを特徴とする浴室の床面構造。
3. 【請求項３】 前記請求項１に記載の浴室の床面構造に
   おいて、扉から浴槽までの洗い場に透水板を設けたこと
   を特徴とする浴室の床面構造。
4. 【請求項４】 前記請求項１に記載の浴室の床面構造に
   おいて、洗い場の略全面を透水板としたことを特徴とす
   る浴室の床面構造。
5. 【請求項５】 前記請求項１に記載の浴室の床面構造に
   おいて、透水板の一部に指を掛けるための切欠部を設け
   たことを特徴とする浴室の床面構造。
6. 【請求項６】 前記請求項１に記載の浴室の床面構造に
   おいて、透水板と防水床パンとの間に隙間を設けたこと
   を特徴とする浴室の床面構造。