JPH08188593A - 柑橘類に含有されるヘスペリジンの抽出方法および回収方法 - Google Patents

柑橘類に含有されるヘスペリジンの抽出方法および回収方法

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JPH08188593A
JPH08188593A JP7002176A JP217695A JPH08188593A JP H08188593 A JPH08188593 A JP H08188593A JP 7002176 A JP7002176 A JP 7002176A JP 217695 A JP217695 A JP 217695A JP H08188593 A JPH08188593 A JP H08188593A
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hesperidin
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squeezed
extraction
recovering
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Yasushi Ifuku
靖 伊福
Hisao Maeda
久夫 前田
Masaki Miyake
正起 三宅
Shinya Inaba
伸也 稲葉
Shigeru Ayano
茂 綾野
Yoshihiko Ozaki
嘉彦 尾崎
Keiji Hatake
恵司 畠
Kazuyuki Maruyama
和之 丸山
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WAKAYAMA AGRIBIO KENKYU CENTER KK
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WAKAYAMA AGRIBIO KENKYU CENTER KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温州みかん搾汁粕から効率よくヘスペリジンを
抽出できるヘスペリジンの抽出方法およびこのヘスペリ
ジン抽出液から効率よくヘスペリジンを回収することが
できるヘスペリジンの回収方法を提供することを目的と
している。 【構成】柑橘類の搾汁粕に水酸化カルシウム等のアルカ
リ土類金属化合物とpH調整剤とを添加してpHを1
1.5〜12.5に調整するとともに、pH調整後攪拌
混合し、この攪拌混合物を所定の圧力で圧搾したのち、
圧搾によって得た圧搾液を遠心分離してヘスペリジン抽
出液を得た。そして、得られたヘスペリジン抽出液をp
H5.0〜5.5に調整して一旦加温処理したのち、遠
心分離してヘスペリジンを回収するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柑橘類に含有されるヘ
スペリジンの抽出方法および回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】温州みかんは、わが国の主要な果実の1
つであるが、そのまま皮を剥いて食する場合や、搾汁し
て飲料として供される場合などがある。ところで、温州
みかんを搾汁すると、搾汁粕が必ず発生する。この搾汁
粕は、その一部が家畜の飼料などに利用される以外は、
一般に乾燥させたのち、廃棄処理されているのが現状で
ある。
【0003】また、搾汁粕の乾燥工程の前処理として行
っているライミング、圧搾処理で得られる圧搾液(二次
搾汁液)も、その一部が濃縮されシトラスモラセスとし
て発酵用原料に利用されている程度で、ほとんどが廃棄
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二次搾汁液を
含め、搾汁粕中にはビタミンP活性を有し、食品の強化
剤や風邪薬の配合剤として利用されているとともに、最
近、血圧降下作用および抗アレルギー作用などの新しい
薬理作用が報告されているヘスペリジンが、多量に含ま
れている。したがって、このような搾汁粕をただ廃棄し
てしまうのは資源の無駄使いである。
【0005】ところで、温州みかん搾汁粕に含まれるヘ
スペリジンを抽出する方法としては、果汁加工の副産物
として製造された乾燥搾汁粕(乾燥果皮)を、水酸化ナ
トリウムを用いて処理し、抽出する方法、所謂アルカリ
抽出法が一般に知られている。しかし、この方法は、搾
汁粕をあらかじめ乾燥するため非効率的であり、さら
に、得られる抽出液中に夾雑物が多く共存するので収量
が低いとともに、排出される残渣の処分が困難であるこ
となどから工業的な実用化には至っていない。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みて、温州み
かん搾汁粕から効率よくヘスペリジンを抽出できるヘス
ペリジンの抽出方法およびこのヘスペリジン抽出液から
効率よくヘスペリジンを回収することができるヘスペリ
ジンの回収方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明(以下、
「第1発明」と記す)にかかるヘスペリジンの抽出方法
は、柑橘類の搾汁粕にアルカリ土類金属の水酸化物,炭
酸塩,硫酸塩,硝酸塩,乳酸塩,塩化物等からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種のアルカリ土類金属化合物と
pH調整剤とを添加してpHを11.5〜12.5に調
整する工程、pH調整後攪拌混合する工程、この攪拌混
合物を所定の圧力で圧搾する工程、圧搾によって得た圧
搾液を遠心分離してヘスペリジン抽出液を得る工程を備
える構成とした。
【0008】上記構成において、アルカリ土類金属化合
物としては、特に限定されないが、たとえば、水酸化カ
ルシウム,塩化カルシウム,炭酸カルシウム,乳酸カル
シウム,塩化バリウム,水酸化マグネシウム,塩化マグ
ネシウム,硫酸マグネシウム,硝酸マグネシウム等が挙
げられる。また、pH調整剤としては、水酸化ナトリウ
ムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げ
られる。
【0009】ただし、食品素材、医薬品原料としての安
全性、経済性、作業効率等を考慮した場合、水酸化カル
シウムと、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムとを
組み合わす方法が有効である。搾汁粕のpHは、11.
5〜12.5に調整されるが、12付近が最も好まし
い。すなわち、搾汁粕のpHが11.5を下回ると、ヘ
スペリジンが十分に抽出できなくなり、pHが12.5
を越えてもヘスペリジンの抽出効率はそれ以上向上しな
い。
【0010】因に、アルカリ土類金属化合物として水酸
化カルシウムを使用する場合、その添加量は、搾汁粕に
対して0.5〜1.0重量%程度とすることが好まし
い。請求項2の発明(以下、「第2発明」と記す)にか
かるヘスペリジンの回収方法は、上記第1発明で得たヘ
スペリジン抽出液をpH5.0〜5.5に調整したの
ち、一旦加温処理する工程、加熱処理された抽出液を遠
心分離して得た第1の遠心スラッジを所定量の水に分散
させる工程、第1の遠心スラッジの水分散液を遠心分離
して第2の遠心スラッジを得る工程、第2の遠心スラッ
ジを乾燥させる工程を備える構成とした。
【0011】上記構成において、まず、ヘスペリジン抽
出液のpHを7.0以下の酸性域にすればよいのである
が、pHが5.0を下回ると、回収したヘスペリジンの
純度が低下し、pHが5.5を越えると、ヘスペリジン
回収率が低下する傾向が強まり、pHを5.0〜5.5
に調整する。また、ヘスペリジン抽出液は、塩酸等の酸
を添加することによってpHを調整できる。
【0012】さらに、pH調整後の加熱温度は、60℃
以上が好ましく、70℃付近が特に好ましい。すなわ
ち、60℃を下回ると、ヘスペリジン回収率が低下す
る。なお、75℃を越えそれ以上加熱してもヘスペリジ
ン回収率は向上しない。なお、加熱処理された抽出液
は、一旦20℃付近まで冷却することが好ましい。すな
わち、ヘスペリジン回収率は、冷却によって特に影響を
及ぼされないが、20℃付近まで冷却すれば、操作性の
点で好ましい。
【0013】また、ヘスペリジンの回収率は、加熱温度
と遠心分離処理までの保持時間とをそれぞれ調節するこ
とによってを任意に調整可能となる。請求項3の発明
(以下、「第3発明」と記す)にかかるヘスペリジンの
回収方法は、第1発明で得たヘスペリジン抽出液をpH
5.0〜5.5に調整したのち、一旦加温処理する工
程、加熱処理された抽出液を遠心分離して得た上澄み液
を吸着材が充填されたカラムに通し、上澄み液中のヘス
ペリジンを前記吸着材に吸着させる工程、吸着材に吸着
したヘスペリジンを溶剤によって溶出させる工程、溶出
液を濃縮する工程を備える構成とした。
【0014】上記構成において、吸着材としては、特に
限定されないが、たとえば、スチレンDVB(ジビニル
ベンゼン)系、アクリルDVB系およびフェノール系の
合成吸着樹脂等が挙げられる。溶剤としては、特に限定
されないが、たとえば、エタノール,イソプロピルアル
コールなどのアルコール類が挙げられ、安全性を考慮す
ると、エタノールが特に好ましい。
【0015】因に、エタノールを溶剤として使用する場
合、30重量%以上であれば特に問題がないが、50〜
75重量%程度の水溶液として用いることが好ましい。
【0016】
【作用】上記第1発明の構成によれば、搾汁粕中に含ま
れる従来抽出効率を低下させている原因であるととも
に、夾雑物であるペクチンがペクチン酸カルシウムやペ
クチン酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩に変わり
除去され、ヘスペリジンが抽出されやすくなると考えら
れる。
【0017】上記第2発明の構成によれば、第1発明の
抽出方法で得られたヘスペリジン抽出液から効率よく、
ヘスペリジンを回収することができる。上記第3発明の
構成によれば、第1発明の抽出方法で得られたヘスペリ
ジン抽出液から効率よく、高濃度のヘスペリジン濃縮液
を効率よく回収することができる。
【0018】
〔第1プロセス〕
1− 図1に示すように、200kgの温州みかん果実
を搾汁して100kgの果汁と100kgの搾汁粕を得た。
得られた搾汁粕には、水分が80.2%、ヘスペリジン
が1.08%の割合で含まれていた。
【0019】1− この搾汁粕100kgに対して水酸
化カルシウムを0.75kg添加し、さらに4.3%水酸
化ナトリウム溶液を19.25kg加えてpHを12に調
整した。 1− この状態で30分間攪拌、混合した後、30〜
40kg/cm2 の圧力で圧搾した。
【0020】1− 圧搾液を100メッシュ(150
μm)の振動篩で濾過した後、遠心分離処理を行い、上
澄み液としてのヘスペリジン抽出液を得た。得られたヘ
スペリジン抽出液中に含まれるヘスペリジンの総量は、
100kgの搾汁粕中に含まれるヘスペリジンの64.1
%であった。 〔第2プロセス〕 2− 図2に示すように、上記第1プロセスで得たヘ
スペリジン抽出液に1.4リットルの12N塩酸を加え
てpH5.0に調整し、加温(70℃)と冷却(20
℃)を連続的に行って冷却液を得た。
【0021】2− 冷却液を遠心分離して第1の遠心
スラッジを4.5kg沈澱画分として得るとともに、65
kgの上澄み液を得た。なお、4.5kgの第1の遠心スラ
ッジのヘスペリジンの総量は、100kgの搾汁粕中に含
まれるヘスペリジンの30.4%であった。また、65
kgの上澄み液中に含まれるヘスペリジンの総量は、10
0kgの搾汁粕中に含まれるヘスペリジンの31.1%で
あった。
【0022】2− 分離して得た4.5kgの遠心スラ
ッジを60リットルの水によって水洗したのち、さらに
遠心分離処理した第2の遠心スラッジ2.3kgを得た。
なお、2.3kgの第2の遠心スラッジ中に含まれるヘス
ペリジンの総量は、100kgの搾汁粕中に含まれるヘス
ペリジンの27.7%であった。 2− 第2の遠心スラッジ2.3kgを乾燥して0.4
2kgの粗ヘスペリジンを得た。なお、得られた粗ヘスペ
リジンは、ヘスペリジンの含有率が70.0%であっ
て、粗ヘスペリジン中のヘスペリジンの総量が100kg
の搾汁粕中に含まれるヘスペリジンの27.1%であっ
た。
【0023】〔第3プロセス〕 3− 図2に示すように上記2−の工程において得
られた65kgの上澄み液を吸着材としての合成吸着樹脂
が充填されたカラム中に通し、上澄み液中のヘスペリジ
ンを合成吸着樹脂に吸着させた。 3− ヘスペリジンの吸着した合成吸着樹脂を、20
0リットルの水で水洗した後、70%(W/W)エタノ
ールによってヘスペリジンを溶出させて80リットルの
溶出液を得た。なお、溶出液中に含有されるヘスペリジ
ンの総量は、100kgの搾汁粕中に含まれるヘスペリジ
ンの28.0%であった。
【0024】3− 得られた溶出液を濃縮して2.9
7kgのヘスペリジン濃縮液を得た。なお、ヘスペリジン
濃縮液中のヘスペリジン含有率は10.0%で、ヘスペ
リジン濃縮液中に含有されるヘスペリジンの総量は、搾
汁粕中に含まれるヘスペリジンを100%として27.
5%であった。なお、ヘスペリジン抽出液を得る際に添
加する水酸化カルシウムの量をはじめとする抽出および
回収条件は、以下の通りにして決定した。
【0025】すなわち、温州みかん搾汁粕(水分84.
2%、ヘスペリジン含量0.84%)1000gに対し
て、水酸化カルシウムを0(無添加)重量%〜1.0重
量%の範囲で、0.25重量%きざみで、また、1.0
重量%〜2.0重量%の範囲で0.5重量%きざみで添
加し、さらに1N水酸化ナトリウム溶液または水酸化カ
リウム溶液を加えることによりpHを12に調整すると
ともに、水で全量を1200gに調製した。この状態で
30分間攪拌混合した後、圧搾(手搾り)した。
【0026】つぎに、得られた圧搾液を100メッシュ
(150μm)の篩で濾過した後、ろ過液を遠心分離処
理(10000rpm、10分間)して、上澄部をヘス
ペリジン抽出液として得た。そして、ヘスペリジン抽出
液の液量、ヘスペリジン含有率およびヘスペリジン抽出
率を表1(pH調整剤:水酸化ナトリウム)および表2
(pH調整剤:水酸化カリウム)に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表1および表2に示すように、pH調整剤
として水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのいずれ
を用いた場合でも、水酸化カルシウムの添加割合が0.
5〜1.0重量%の範囲でヘスペリジン抽出率の高くな
ることが判った。特に水酸化カルシウムを0.75重量
%添加した場合、最も効率良く抽出できることが明らか
になった。そこで、上記のように水酸化カルシウムを
0.75重量%添加した。
【0030】(比較例1)水酸化カルシウムを全く加え
ず、水酸化ナトリウムのみを100kgの搾汁粕に添加し
て抽出した以外は、実施例1と同様にしてヘスペリジン
抽出液を得た。しかし、ヘスペリジン抽出液中には、多
量の夾雑物が混ざっているとともに、ヘスペリジン抽出
液中に含有するヘスペリジンの総量が100kgの搾汁粕
に含まれる総量の約10%であった。
【0031】(実施例2)温州みかん搾汁粕(ヘスペリ
ジン含量0.96%)1000gに対して、100ミリ
モル/kgの水酸化カルシウム(7.5g),塩化カルシ
ウム(二水和物,14.7g)、炭酸カルシウム(1
0.0g),塩化バリウム(二水和物,24.4g)お
よび硝酸マグネシウム(六水和物,24.6g)をそれ
ぞれ添加し、さらに水酸化ナトリウム溶液を加えること
によりpHを12に調整するとともに、水で全量を12
00gに調製した。この状態で30分間攪拌混合した
後、圧搾(手搾り)した。
【0032】つぎに、得られた圧搾液を100メッシュ
(150μm)の篩で濾過した後、ろ過液を遠心分離処
理(10000rpm、10分間)して、上澄部をヘス
ペリジン抽出液として得た。上記のようにしてそれぞれ
のアルカリ土類金属化合物を用いて得た抽出液のヘスペ
リジン含有率およびヘスペリジン抽出率を無添加の場合
と合わせて表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3に示すように、いずれの化合物もアル
カリ土類金属化合物無添加物に比べて抽出率が大幅に向
上した。特に、水酸化カルシウム,塩化カルシウムおよ
び塩化バリウムを添加することによりヘスヘリジンの抽
出効果は著しく向上した。
【0035】(実施例3)温州みかん搾汁粕(ヘスペリ
ジン含量1.17%)1000gに対して塩化カルシウ
ム(二水和物)を0重量%〜1.00重量%の範囲で
0.25重量%きざみで、また、1.00重量%〜2.
50重量%の範囲で0.50重量%きざみで添加量を変
えて添加するとともに、水酸化ナトリウム溶液でpH1
2に調整し、その他は実施例2と同様の方法でヘスペリ
ジン抽出液を得た。得られたヘスペリジン抽出液のヘス
ペリジン含有率およびヘスペリジン抽出率をそれぞれ測
定し、その結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4に示すように、ヘスペリジン抽出率
は、塩化カルシウムの添加量が0.75重量%〜2.0
0重量%の範囲で高くなった。特に、塩化カルシウムを
1.50重量%添加したとき、つまり、搾汁粕1kgに対
して約100ミリモル濃度となるように添加したとき最
も効率よく抽出できた。すなわち、アルカリ土類金属化
合物の添加割合は化合物の種類によらずいずれも温州み
かん搾汁粕1000gに対して100ミリモル前後が最
適であるという知見が得られた。
【0038】(実施例4)温州みかん搾汁粕(ヘスペリ
ジン含量0.96%)1000gに対して100ミリモ
ルに相当する14.7gの塩化カルシウム(二水和物)
を添加して、水酸化ナトリウム溶液でpH10.0〜1
3.0の範囲で0.5きざみでpHが異なる試料を作成
し、その他は実施例2と同様の方法でヘスペリジン抽出
液を得た。
【0039】得られたヘスペリジン抽出液のヘスペリジ
ン含有率およびヘスペリジン抽出率をそれぞれ測定し、
その結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】表5に示すように、pHを11〜13の範
囲に調整すれば、抽出率が高なり、特に、pH11.5
以上で効率よく抽出できた。そして、経済性を考慮する
と、pHを11.5〜12.5に調整することが最も好
ましいと言う知見を得た。
【0042】(実施例5)温州みかん搾汁粕(ヘスペリ
ジン含量1.07%)1000gに対して100ミリモ
ルに相当する7.5gの水酸化カルシウム添加するとと
もに、6N水酸化ナトリウム溶液をさらに添加してpH
12に調整した以外は、実施例2と同様にして抽出液を
得た。続いて、塩酸でこの抽出液をpH4.0〜6.5
範囲で0.5きざみでpHを変化させた試料をそれぞれ
得た。そして、各試料を70℃に加熱してヘスペリジン
を析出させた後、直ちに20℃で5分間遠心分離処理
(10000rpm )し、得られた沈澱を乾燥して粗ヘス
ペリジンを回収した。このようにして回収した粗ヘスペ
リジンの純度と回収率とを調べその結果を表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】表6に示すように、ヘスペリジン回収率は
pH4.0〜6.5の範囲では大差ないが、得られる粗
ヘスペリジンの純度はpH5.0〜5.5の範囲で最も
高くなった。
【0045】(実施例6)実施例5と同様にして得た抽
出液に塩酸を添加してpHを5.0に調整し、40〜8
0℃まで10℃きざみで加熱温度を変化させて加熱処理
を行った以外は、実施例5と同様にして粗ヘスペリジン
を回収した。このようにして回収した粗ヘスペリジンの
純度と回収率とを調べ、pH調整後室温で直ちに遠心分
離処理して得た粗ヘスペリジンの純度と回収率とを合わ
せて表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】表7に示すように、得られるヘスペリジン
の純度および回収率は加熱処理により向上し、特に高温
になるに従って向上した。そして、70℃以上ではほぼ
一定値となった。
【0048】
【発明の効果】第1発明にかかるヘスペリジンの抽出方
法は、以上のように構成されているので、ヘスペリジン
を高い濃度に含むヘスペリジン抽出液を効率よく得るこ
とができる。第2発明にかかるヘスペリジンの回収方法
は、上記第1発明の抽出方法によって得られたヘスペリ
ジン抽出液から高純度のヘスペリジンを短時間で効率よ
く回収することができる。
【0049】第3発明にかかるヘスペリジンの回収方法
は、上記第1発明の抽出方法によって得られたヘスペリ
ジン抽出液から高濃度のヘスペリジン濃縮液を短時間で
効率よく得ることができる。そして、得られたヘスペリ
ジン濃縮液は、機能性素材として有効に利用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるヘスペリジンの抽出方法の1実
施例をあらわす流れ図である。
【図2】本発明にかかるヘスペリジンの回収方法の1実
施例をあらわす流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 63/04 7419−4H (72)発明者 綾野 茂 和歌山市関戸4−2−61 グランドハイツ 関戸310 (72)発明者 尾崎 嘉彦 和歌山県海草郡下津町市坪1501−2 (72)発明者 畠 恵司 和歌山市和歌川町5−48 (72)発明者 丸山 和之 和歌山県海南市小野田168

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柑橘類の搾汁粕にアルカリ土類金属の水酸
    化物,炭酸塩,硫酸塩,硝酸塩,乳酸塩,塩化物等から
    なる群より選ばれた少なくとも1種のアルカリ土類金属
    化合物とpH調整剤とを添加してpHを11.5〜1
    2.5に調整する工程、pH調整後攪拌混合する工程、
    この攪拌混合物を所定の圧力で圧搾する工程、圧搾によ
    って得た圧搾液を遠心分離してヘスペリジン抽出液を得
    る工程を備えるヘスペリジンの抽出方法。
  2. 【請求項2】請求項1の抽出方法で得られたヘスペリジ
    ン抽出液をpH5.0〜5.5に調整したのち、一旦加
    温処理する工程、加熱処理された抽出液を遠心分離して
    得た第1の遠心スラッジを所定量の水に分散させる工
    程、第1の遠心スラッジの水分散液を遠心分離して第2
    の遠心スラッジを得る工程、第2の遠心スラッジを乾燥
    させる工程を備えるヘスペリジンの回収方法。
  3. 【請求項3】請求項1の抽出方法で得られたヘスペリジ
    ン抽出液をpH5.0〜5.5に調整したのち、一旦加
    温処理する工程、加熱処理された抽出液を遠心分離して
    得た上澄み液を吸着材が充填されたカラムに通し、上澄
    み液中のヘスペリジンを前記吸着材に吸着させる工程、
    吸着材に吸着したヘスペリジンを溶剤によって溶出させ
    る工程、溶出液を濃縮する工程を備えるヘスペリジンの
    回収方法。
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Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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