JPH08186429A - ダイバーシチアンテナ - Google Patents

ダイバーシチアンテナ

Info

Publication number
JPH08186429A
JPH08186429A JP6326403A JP32640394A JPH08186429A JP H08186429 A JPH08186429 A JP H08186429A JP 6326403 A JP6326403 A JP 6326403A JP 32640394 A JP32640394 A JP 32640394A JP H08186429 A JPH08186429 A JP H08186429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
short
conductor plate
ground conductor
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6326403A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3323020B2 (ja
Inventor
Shuichi Sekine
秀一 関根
Teruaki Nakajima
輝明 中島
Tadahiko Maeda
忠彦 前田
Hisao Iwasaki
久雄 岩崎
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP32640394A priority Critical patent/JP3323020B2/ja
Publication of JPH08186429A publication Critical patent/JPH08186429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3323020B2 publication Critical patent/JP3323020B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Waveguide Aerials (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】片側短絡パッチアンテナを用いて良好なダイバ
ーシチ特性が得られるダイバーシチアンテナを提供す
る。 【構成】長方形状の地導体板10と、この地導体板10
に対向して同一面上に配置され、地導体板10に短絡さ
れた短絡辺13,14をそれぞれ有する第1および第2
のアンテナ素子11,12からなり、アンテナ素子11
はその短絡辺13が地導体板10の長辺に平行となるよ
うに地導体板10の長辺方向のほぼ中央部に配置され、
アンテナ素子12はその短絡辺14が地導体板10の短
辺に平行となるように地導体板10の短辺方向のほぼ中
央部に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は携帯無線装置などに用い
られるダイバーシチアンテナ、特に偏波ダイバーシチア
ンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】アンテナの受信性能を示す一つの指標と
して、偏波効率がある。偏波効率に関して簡単に述べ
る。図10に示したように、一つのアンテナの遠方放射
電磁界は、その進行方向に対して垂直な成分しか持たな
い。ここでは、この電磁界のうち電界に注目して話しを
進めることにする。図11は、電界ベクトルを極座標系
に当てはめた場合を示したものである。同図のように電
界ベクトルはθ成分とφ成分に分けられる。これらは一
般に垂直偏波と水平偏波と呼ばれている。これらの成分
をどれだけの割合で放射するかをそのアンテナの偏波特
性と呼ぶ。この特性はアンテナの放射の仕組みや構造に
よって異なる。
【0003】2つのアンテナの間で送受信を行おうとし
た場合、受信時には到来波のうち各々のアンテナの偏波
ベクトルの内積をとった分しか受信できない。この規格
化された偏波ベクトルどうしの内積の値を偏波効率と呼
ぶ。図12はその一例を示したものであり、同一平面上
で水平および垂直に置いたモノポールアンテナ間の偏波
効率を計算したものである。水平に置かれたモノポール
アンテナからは、水平面内に対して水平偏波しか放射し
ない。また、垂直に置かれたモノポールアンテナからは
水平面内に対して垂直偏波しか放射しない。従って、こ
のとき偏波効率は0となる。偏波効率が0であるとき受
信電界強度は0であり、これらのアンテナを用いた送受
信は理論的には不可能となる。以上から、アンテナを設
計する場合、送受信の各々のアンテナの偏波の方向を一
致させるように設計を行うのが常識である。
【0004】アンテナが地上に固定されているような場
合なら、θ成分またはφ成分のどちらかの偏波しかもた
ないアンテナでも、偏波を一致させることは比較的簡単
である。しかしながらアンテナが本体に一体化された携
帯無線機では、このような片方の成分しか偏波成分をも
たないアンテナの偏波を一致させることは、非常に困難
である。例えば、携帯電話などでは、通話時にはもちろ
ん、鞄やポケットに収められている場合でも、通信が可
能であることが条件となっている。このような使用状態
の変化によってアンテナの傾きが様々に変化してしまう
からである。
【0005】以上をまとめると、携帯無線機は様々な状
態において使用されるため、ある方向に対して一つの偏
波しか送受信できないようにアンテナの偏波特性を定め
ておくと、偏波効率が劣化して受信に支障を来す場合が
生じる事になる。従って、携帯無線機に用いられるアン
テナでは、偏波の方向を可変とできるアンテナが望まれ
る。このような要求を満たすアンテナとして、偏波ダイ
バーシチアンテナがある。このアンテナは偏波の異なる
2つ以上のアンテナを組み合わせて、どちらか受信状態
の良いアンテナの受信信号を用いる方法である。
【0006】この偏波ダイバーシチアンテナを携帯無線
機に用いる場合は、周波数によってはアンテナの大きさ
が制限されることになる。周波数が低くなると、アンテ
ナは大きくなる。しかしながら、携帯無線機は可搬性を
考慮すると、当然のことながら小形のほうが都合が良
く、従ってアンテナも小形の方が良いことが多い。
【0007】小形で異なった偏波特性を有する2つのダ
イバーシチアンテナを構成する方法として、片側短絡パ
ッチアンテナを用いる方法が考えられる。片側短絡パッ
チアンテナは、図13に示すように地導体板101上に
パッチアンテナと呼ばれるアンテナ素子102を形成
し、さらにアンテナ素子102に短絡面103を設ける
ことによって、半分の大きさで済ませられるようにした
ものである。104はアンテナ素子102の給電点であ
る。
【0008】図14は、図13の片側短絡パッチアンテ
ナのアンテナ素子部分を上から見た図である。同図に示
したようにアンテナ素子102は1辺が地導体板10に
短絡されており、またこの短絡された辺に隣接する2つ
の辺の長さはλ/4(λ:波長)となっている。図中の
矢印A,B,Cはアンテナ素子102が動作状態となっ
たときの磁流の向きと振幅を示しており、振幅は矢印の
太さで表現している。この図からわかる通り、短絡され
た辺に隣接する矢印A,Bを付した2辺では、磁流が互
いに逆方向で同振幅となっており、互いに打ち消しあっ
てしまうことから放射には寄与しない。従って、短絡さ
れた辺に対向する矢印Cを付した辺だけが放射に寄与す
る。この辺は放射端と呼ばれ、他の矢印A,Bを付した
2辺は非放射端と呼ばれる。
【0009】上述したように、片側短絡パッチアンテナ
の放射端は線状の磁流源となっている。これを2つ使っ
て放射端を直交させて組み合わせることにより、偏波ダ
イバーシチアンテナを構成することができると考えられ
る。このような片側短絡パッチアンテナを携帯無線機に
用いた例は、既に電気情報通信学会昭和60年度総合全
国大会2411「900Hz帯ニューメリックページ
ャ」において報告されている。しかしながら、この報告
ならびに他の公知例をみても、この片側短絡パッチアン
テナを用いた偏波ダイバーシチアンテナに関しては、提
案されていない。
【0010】発明者らは、片側短絡パッチアンテナを偏
波ダイバーシチアンテナに適用する場合について種々シ
ュミレーションを行った結果、次のような問題点が生じ
る可能性があることが見出だした。小形の偏波ダイバー
シチアンテナを実現するためには、2つのアンテナが異
なった偏波を有することが期待されている。しかしなが
ら、両アンテナの配置方法によっては、偏波成分の中に
共通の成分が生じ、これによってダイバーシチ特性が劣
化する。
【0011】図15および図16は、シミュレーション
に用いた片側短絡パッチアンテナの構成例であり、各部
の寸法および配置は図中に示した通りである。図17お
よび図18は、それぞれ図15および図16のアンテナ
の放射パターンの計算値である。図15のアンテナは、
その放射端(短絡辺に対向する辺)がz軸と平行になっ
ていることからφ成分のみを放射することが期待され
る。しかしながら、図17に示されるように2つの偏波
成分であるθ成分とφ成分の最大指向性利得の差は3d
B以内となっており、しかも最大指向性の方向もほぼ一
致している。つまり、予想に反して、このアンテナの放
射特性の偏波成分は、θ成分とφ成分を両方有している
ことになる。一方、図16のアンテナは図15のアンテ
ナと直交させて、つまり放射端がx軸に平行となるよう
に配置したものであり、このアンテナの放射パターンは
図18に示されるようにθ成分しか放射されていない。
すなわち、図15および図16に示した2つのアンテナ
を組み合わせてダイバーシチアンテナを構成した場合、
θ成分が共通となってしまう。
【0012】ダイバーシチアンテナでは、互いのアンテ
ナの受信信号の相関が小さいほどダイバーシチ特性に優
れているといえる。上記のように2つのアンテナが共通
の偏波成分(上の例ではθ成分)を有するということ
は、信号の相関が大きく、従ってダイバーシチ特性が悪
いということであり、無線機の受信特性を劣化させるこ
とにつながる。このように、片側短絡パッチアンテナを
用いて偏波ダイバーシチアンテナを構成する場合、ダイ
バーシチ特性の劣化が問題となる。
【0013】図15に示したアンテナのように、予想し
なかった偏波成分が生じてしまう一つの原因は、地導体
板101上からの放射が無視できなくなることによるも
のと考えられる。すなわち、アンテナから地導体板10
1上へと流れ出た電流が地導体板101の長手方向へと
流れ、この電流成分によって生じる非所望のθ成分が放
射されるのである。しかしながら、このような問題点が
生じることを明らかにした報告は発明者らの知るところ
では存在せず、従ってまた当然のことながら、このよう
な問題点を解決しようとした報告もなされていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来、
片側短絡パッチアンテナは小形に構成できるという利点
から、これを携帯無線機用アンテナに使用されている
が、携帯無線機用アンテナとして特に望まれる偏波ダイ
バーシチアンテナに適用した例はない。また、この片側
短絡パッチアンテナを単純に偏波ダイバーシチアンテナ
に用いた場合には、ダイバーシチ特性が劣化するという
問題がある。本発明は、片側短絡パッチアンテナを用い
て良好なダイバーシチ特性が得られるダイバーシチアン
テナを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るダイバーシチアンテナは、矩形状の地
導体板と、この地導体板に対向して同一面上に配置さ
れ、地導体板に短絡された短絡辺をそれぞれ有する第1
および第2のアンテナ素子とを有する。そして、第1の
アンテナ素子は、その短絡辺が地導体板の第1の辺に平
行となるように地導体板の第1の辺の方向のほぼ中央部
に配置され、第2のアンテナ素子は、その短絡辺が地導
体板の第1の辺に隣接する第2の辺に平行となるように
地導体板の第2の辺の方向のほぼ中央部に配置されるこ
とを特徴とする。なお、地導体板の形状は長方形状であ
ることが特に望ましい。
【0016】また、本発明に係るダイバーシチアンテナ
は、第1および第2のアンテナ素子の各々の給電点を選
択的に受信回路系へ接続するためのスイッチと、このス
イッチを受信回路系からの信号に基づいて制御する制御
回路とをさらに有することを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明に係るダイバーシチアンテナは、2つの
片側短絡パッチアンテナのアンテナ素子を同一の地導体
板上に有し、それぞれの放射端、つまり短絡辺と対向す
る辺が地導体板の隣接する2辺とそれぞれ平行となるよ
うに配置されている。従って、互いに直交する、アンテ
ナ素子からの偏波成分と地導体板からの偏波成分とが放
射されると考えることができる。この場合、2つの片側
短絡パッチアンテナのいずれか一方に給電を行ったとき
に地導体板から放射される偏波成分は、他方の片側短絡
パッチアンテナのアンテナ素子から放射される偏波成分
と同じとなることから、ダイバーシチ特性の劣化を考慮
する必要がある。
【0018】ここで、本発明のように2つの片側短絡パ
ッチアンテナを構成するアンテナ素子の配置位置を地導
体板の隣接する2辺の中央部とすると、非所望の偏波成
分である地導体板からの放射が抑制される。これによ
り、片側短絡パッチアンテナを用いてダイバーシチアン
テナを構成する場合に問題となっていたダイバーシチ特
性の劣化を防ぐことができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
するが、その前に本発明の原理を述べる。本発明におい
ては、2つの片側短絡パッチアンテナを構成するアンテ
ナ素子の配置位置を地導体板の隣接する2辺の方向のそ
れぞれの中央部とすることによって、片側短絡パッチア
ンテナを用いたダイバーシチアンテナで問題となる地導
体板からの放射が抑制される。
【0020】図1は、地導体板上の片側短絡パッチアン
テナを構成するアンテナ素子の位置(図中の距離l)と
φ,θの2つの偏波成分の放射電力の比Pθ/Pφの関
係をグラフ化して示したものであり、これは発明者らが
今回初めて明らかにしたものである。この例では、アン
テナ素子の放射端(短絡辺と対向する辺)はz軸と平行
となっているので、アンテナ素子から放射される偏波成
分はφ成分となると予想されるが、図1中のグラフから
明らかなように、アンテナ素子の位置が地導体板の端に
ある場合、非所望の偏波成分であるθ成分も放射されて
いる。しかしながら、アンテナ素子を地導体板の端から
中央に移動してゆくことによって、この非所望の偏波成
分であるθ成分が小さくなり、本発明に従い中央部(図
の例ではl=39mmの位置)にアンテナ素子を配置す
ると、このθ成分は最小となることが分かる。このよう
にアンテナ素子を地導体板の中央部に配置することで地
導体板からの非所望の偏波成分が最小となる理由は、次
のように説明できる。
【0021】図2は、(a)のように地導体板1の隅角
部に、短絡辺3を有するアンテナ素子2が配置されてい
る片側短絡パッチアンテナ表面のA−A′線上の電流分
布の計算値であり、(b)は電流の振幅、(c)は位相
である。この図を見ると、アンテナ素子2の近傍に強い
電流分布が生じており、またアンテナ素子2上の電流の
位相はアンテナ素子2の一端から他端へ向かって徐々に
逆相となるように変化している。位相差が180°つけ
ば、そこからの放射に打ち消し合いが生じるため、放射
レベルが低下する。この電流分布のグラフから、アンテ
ナ素子2上に分布する電流からの放射にある程度の打ち
消し合いが生じることは明らかであるが、完全に打ち消
し合いが生じることはない。また、地導体板1上に分布
する電流からの放射はそのまま残ることになる。
【0022】これに対し、図3は(a)のように地導体
板1の長手方向中央にアンテナ素子2が配置されている
片側短絡パッチアンテナ表面のA−A′線上の電流分布
の計算値であり、図2と同様に(b)は電流の振幅、
(c)は位相である。電流分布を見ると、アンテナ素子
2の中央部を境にして左右対称に電流の振幅が分布して
いる。一方、電流の位相分布に着目すると、振幅分布と
同様に左右対称の形ではあるが、180°の位相差が生
じている。この場合、ほとんどの電流で打ち消し合いが
生じ、放射電力は著しく減衰することになる。
【0023】すなわち、図1で示した不要放射の低下
は、アンテナ素子および地導体板上の電流分布の打ち消
し合いによるものであると考えられる。また、これは地
導体板の形状によらず、アンテナ素子を中心として見た
ときに地導体板が対称な形となるようにアンテナ素子を
配置することによって同様の効果が生じるものと考えら
れる。
【0024】以上から、本発明のように2つの片側短絡
パッチアンテナを構成するアンテナ素子を地導体板の隣
接する2辺の方向のそれぞれの中央部に配置することに
よって、地導体板からの非所望の偏波成分の放射が抑制
され、ダイバーシチ特性の劣化を防止できることが分か
る。以下、本発明に係るダイバーシチアンテナの具体的
な構成法について説明する。
【0025】(実施例1)図4は、本発明の一実施例に
係るダイバーシチアンテナの構成を示す斜視図であり、
(a)は表面側、(b)は裏面側から見た図である。
【0026】図4(a)において、地導体板10は長方
形であり、従って長辺と短辺を有する。使用波長(動作
周波数での波長)をλとすると、長辺の長さはλ/2〜
λ/4程度、短辺の長さはλ/3〜λ/4程度であれば
よい。この地導体板10の長辺方向のほぼ中央部に第1
のアンテナ素子11が配置され、また短辺方向のほぼ中
央部に第2のアンテナ素子12が配置されている。アン
テナ素子11,12はいずれも矩形状の導体板からな
る。
【0027】第1および第2のアンテナ素子11,12
は、地導体板10と共に第1および第2の片側短絡パッ
チアンテナを構成するものであり、アンテナ素子11の
地導体板10の長辺方向に平行な一辺およびアンテナ素
子12の地導体板10の長辺方向に平行な一辺は、それ
ぞれ短絡素子13,14によって地導体板10と短絡さ
れた短絡辺となっている。短絡素子13,14は、この
例では一方の側が地導体板10の長辺および短辺に連続
して形成され、ここからほぼ90°折れ曲がる形で形成
された導体板からなる。また、短絡素子13,14の他
方の側はアンテナ素子11,12にそれぞれ連続して形
成されている。すなわち、この例では地導体板10、ア
ンテナ素子11,12および短絡素子13,14は、一
つの導体板によって一体に構成されている。
【0028】アンテナ素子11の地導体板10の短辺方
向に平行な方向の長さ、およびアンテナ素子12の地導
体板10の長辺方向と平行な方向の長さは、いずれもλ
/4とする。短絡素子13は地導体板10の長辺方向に
平行な2つの辺のうちの一方に設ければよく、また短絡
素子14は地導体板10の短辺方向に平行な2つの辺の
うちの一方に設ければよい。すなわち、図では短絡素子
13,14のいずれも外側つまり地導体板10の長辺上
および短辺上の辺に設けているが、これらと反対側つま
り内側の辺に短絡素子を設けてもよい。
【0029】短絡素子13,14の長さは、アンテナ素
子11,12の放射端の長さと同じであり、また短絡素
子13,14の幅はアンテナ素子11,12の地導体板
10からの高さに相当する。これらのパラメータは、ア
ンテナの入力インピーダンスを決定する一因となる。短
絡素子13,14の長さはλ/4〜λ/20、幅はλ/
30以上であればよい。
【0030】地導体板10とアンテナ素子11,12と
の間は、給電線15,16によってそれぞれ結合されて
いる。アンテナ素子11,12の給電点の位置によっ
て、アンテナの入力インピーダンスが変化するので、こ
れらの位置は給電線15,16のインピーダンスとアン
テナのインピーダンスとの整合がとれるように決定する
ことが望ましい。
【0031】地導体板10、アンテナ素子11、短絡素
子13および給電線15によって第1の片側短絡パッチ
アンテナが構成され、地導体板10、アンテナ素子1
2、短絡素子14および給電線16によって第2の片側
短絡パッチアンテナが構成される。そして、これら2つ
の片側短絡パッチアンテナを用いてダイバーシチアンテ
ナが構成される。本実施例のダイバーシチアンテナは、
図5(a)に示す形状の一枚の導体板を図5(b)のよ
うに折り曲げて加工することで作成することが可能であ
る。
【0032】一方、図4(b)に示すように、地導体板
10の裏面側には、高周波スイッチ21、高周波受信回
路を含む無線回路22および制御回路23が配置され、
さらに無線信号の伝送を行うための同軸線からなる高周
波ケーブル24,25,26と、低周波の信号線27,
28が配置されている。高周波ケーブル24,25はア
ンテナ素子11,12の給電点と高周波スイッチ21を
それぞれ接続し、高周波ケーブル26は高周波スイッチ
21と無線回路22を接続する。信号線27は無線回路
22と制御回路23を接続し、信号線28は制御回路2
3と高周波スイッチ28を接続する。
【0033】図6は、図4のダイバーシチアンテナをブ
ロック図に書き直したものである。但し、A1,A2は
図4(a)を用いて説明した第1および第2の片側短絡
パッチアンテナを示している。この例では、アンテナ切
り替えダイバーシチ受信を行う場合を前提としている。
この図6を用いてその動作を簡単に述べる。
【0034】まず、高周波スイッチ21は制御回路23
からの制御信号により片側短絡パッチアンテナA1,A
2のいずれか一方を無線回路22に選択的に接続する。
例えば、ここでアンテナA1が選択されたとすれば、無
線回路22ではアンテナ素子A1からの信号を復調し
て、検波を行う。このとき、無線回路22ではある一定
時間にわたって検波を行い、その時間平均レベルを制御
回路23に送る。次に、制御回路23は高周波スイッチ
21に送る制御信号を例えば反転させることにより、今
度はアンテナA2を無線回路22に接続する。このと
き、無線回路22で得られた検波信号の時間平均レベル
も制御回路23に送られる。制御回路23では、これら
の2つの検波信号の時間平均レベルを比較し、そのレベ
ルの大小関係によって受信するアンテナを決定し、それ
に基づいて高周波スイッチ21に決定したアンテナを無
線回路21と接続するように制御信号を送る。以上の動
作をある一定時間間隔で行うことによって、2つの片側
短絡パッチアンテナA1,A2を用いたアンテナ切り替
えダイバーシチを行うことができる。
【0035】上述した本実施例のダイバーシチアンテナ
では、地導体板10に対してアンテナ素子11,12を
図4のような配置にすることによって、図1〜図3で説
明したように地導体板10に発生する電流による不要な
偏波の放射を抑制することができる。これにより、第1
および第2の片側短絡パッチアンテナの放射パターンの
偏波成分を直交させることができるので、これらの片側
短絡パッチアンテナを用いてダイバーシチアンテナを構
成することによって、ダイバーシチ特性の良好な偏波ダ
イバーシチアンテナを実現することができる。
【0036】(実施例2)図7は、本発明の他の実施例
に係るダイバーシチアンテナであり、片側短絡パッチア
ンテナと高周波スイッチの部分のみを示している。前述
した実施例1との相違点は、第1にアンテナ素子11,
12の短絡辺を地導体板10と短絡する手段として、そ
れぞれ複数本の短絡ピン33,34が用いられている点
である。これらの短絡ピン33,34の間隔および太さ
は、アンテナの共振周波数を変えることになる。従っ
て、パラメータは所望の動作周波数に合わせて設定され
る。
【0037】実施例1との相違点の第2は、誘電体基板
30の一方の面に地導体板10が形成され、他方の面に
アンテナ素子11,12が形成されていることである。
誘電体基板30は、例えばテフロン(登録商標)などの
高周波用の基板を用いる。誘電体基板30の厚さは、1
〜5mm程度とすればよい。また、誘電体基板30のア
ンテナ素子11,12が形成された面と同一面上に高周
波スイッチ31が配置され、さらにストリップ線路3
5,36,37,38とグランド面39が形成されてい
る。
【0038】ストリップ線路35,36は高周波用であ
り、その特性インピーダンスは線路幅によって変化す
る。例えば、この特性インピーダンスを通常使用される
50Ωとするためには、誘電体基板30の比誘電率が2
で、厚さが1mm程度ならば、ストリップ線路35,3
6の幅を1〜2mmとすればよい。ストリップ線路3
5,36の各一端は、アンテナ素子11,12にそれぞ
れ接続されている。この接続位置によってアンテナの入
力インピーダンスが変化することから、アンテナとスト
リップ線路35,36のインピーダンス整合がとれるよ
うに配置を工夫することが望ましい。
【0039】ストリップ線路37は図示しない無線回路
と高周波スイッチ31を接続し、無線信号の伝送に用い
られる。ストリップ線路35,36,37は高周波用で
あるのに対して、もう一つのストリップ線路38は低周
波用であり、図示しない制御回路と高周波スイッチ31
を接続し、制御信号の伝送を行う。グランド面39は高
周波スイッチ31の接地用であり、短絡ピン40によっ
て地導体板10と接続される。
【0040】このように本実施例では、誘電体基板30
を用いてアンテナの各部を構成することにより、アンテ
ナ素子11,12やストリップ線路35,36,37,
38およびグランド面39などをエッチングによって一
度に作ることができるため、量産性が向上する。さら
に、実施例1では空気を誘電体として用いていたのに対
し、本実施例のように誘電体基板30を用いてアンテナ
を構成すると、アンテナの大きさを小形化できる利点が
ある。例えば、誘電体基板30の比誘電率が2程度なら
ば、自由空間長でλ/4必要であったアンテナの幅を2
λ/3〜λ/6程度まで縮めることができる。
【0041】(実施例3)図8は、本発明の別の実施例
であり、アンテナ部分のみを示している。図7の実施例
と同様に、誘電体基板30上にエッチングによってアン
テナ素子11,12が形成され、これらのアンテナ素子
11,12は短絡ピン33,34によって地導体板10
に短絡されている。本実施例では、誘電体基板30上に
アンテナ素子11,12と同様の形状の導体板41が形
成され、かつこれが短絡ピン42によって地導体板10
に短絡されている点が図4の実施例と異なっている。こ
れら導体板41および短絡ピン42を設けたことによる
効果は次の通りである。
【0042】一般に、2つのアンテナが近接して置かれ
た場合、両アンテナ間に電磁界的な結合が生じる。これ
によって、一方のアンテナに給電が行われていると、他
方のアンテナが給電されていなくとも、その無給電のア
ンテナからも放射が生じる場合がある。
【0043】ここで、アンテナ素子11を含む第1の片
側短絡パッチアンテナを中心として考えると、地導体板
10上にアンテナ素子12のみしか存在しないとすれ
ば、このアンテナ素子12の存在によって、誘電体基板
30および地導体板10の長手方向に見てアンテナの幾
何学的構造が左右非対称となってしまう。しかも、先に
述べた電磁界的な結合が生じていると考えると、アンテ
ナ素子12を含む第2の片側短絡パッチアンテナからも
放射が生じることが予想される。従って、地導体板10
からの不要偏波の放射は打ち消せたとしても、第2の片
側短絡パッチアンテナからの放射が残ってしまうことに
なる。しかも、この第2の片側短絡パッチアンテナは、
直交する偏波成分を放射するように構成されているた
め、第1の片側短絡パッチアンテナにとって交差偏波を
生じるように働くことになる。
【0044】本実施例で新たに設けられた導体板41
は、アンテナ素子11に対してアンテナ素子12と対称
となるようにその形状および配置が定められている。従
って、アンテナ素子11の給電点(給電線15の接続
点)に給電が行われたとき、図9に示すようにアンテナ
素子12と導体板41に電磁界結合によって互いに逆向
き電流が誘起されるため、これらの電流によって生じる
交差偏波成分を低減することができる。
【0045】なお、本発明は上述した実施例に限られる
ものではなく、種々変形して実施することができる。例
えば上述した実施例ではアンテナ素子が矩形状の場合に
ついて述べてきたが、本発明は任意の形状を有するパッ
チアンテナ素子を用いた場合について有効である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来問題となっていた片側短絡パッアンテナでの非所望偏
波の不要放射を抑圧することが可能であり、ダイバーシ
チ特性の良好な、片側短絡パッチアンテナを用いた携帯
無線機用に好適なダイバーシチアンテナを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】片側短絡パッチアンテナにおけるアンテナ素子
の配置と交差偏波成分電力との関係を示す図
【図2】片側短絡パッチアンテナにおけるアンテナ素子
の配置とアンテナ上の電流分布の振幅および位相の関係
の一例を示す図
【図3】片側短絡パッチアンテナにおけるアンテナ素子
の配置とアンテナ上の電流分布の振幅および位相の関係
の他の例を示す図
【図4】本発明の一実施例に係るダイバーシチアンテナ
の概略構成を示す表面側および裏面側から見た斜視図
【図5】図4のダイバーシチアンテナの製造方法をの一
例を示す図
【図6】図4のダイバーシチアンテナの回路構成を示す
ブロック図
【図7】本発明の他の実施例に係るダイバーシチアンテ
ナの概略構成を示す斜視図
【図8】本発明の別の実施例に係るダイバーシチアンテ
ナの概略構成を示す斜視図
【図9】図8のダイバーシチアンテナにおける第1のア
ンテナ素子に給電を行ったときの電流の流れを示す図
【図10】自由空間中を平面波が伝搬する様子を示す図
【図11】電界の偏波と座標系を示す図
【図12】互いに直交するダイポールアンテナによる放
射界と偏波効率を示す図
【図13】片側短絡パッチアンテナの概略構成を示す図
【図14】図13の片側短絡パッチアンテナの磁流分布
の様子を示す図
【図15】片側短絡パッチアンテナにおけるアンテナ素
子の配置例を示す図
【図16】片側短絡パッチアンテナにおけるアンテナ素
子の他の配置例を示す図
【図17】図16の片側短絡パッチアンテナの放射特性
の一例を示す図
【図18】図17の片側短絡パッチアンテナの放射特性
の一例を示す図
【符号の説明】
1…地導体板 2…アンテナ素子 10…地導体板 11,12…アンテナ素子 13,14…短絡素子 15,16…給電線 21…高周波スイッチ 22…無線回路 23…制御回路 24,25,26…高周波ケーブル 27,28…低周波信号線 30…誘電体基板 31…高周波スイッチ 33,34…短絡ピン 35,36,37,38…ストリップ線路 39…グランド面 40…短絡ピン 41…導体板 42…短絡ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 久雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 鈴木 康夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】矩形状の地導体板と、 この地導体板に対向して同一面上に配置され、前記地導
    体板に短絡された短絡辺をそれぞれ有する第1および第
    2のアンテナ素子とを備え、 前記第1のアンテナ素子は、その短絡辺が前記地導体板
    の第1の辺に平行となるように前記地導体板の第1の辺
    の方向のほぼ中央部に配置され、前記第2のアンテナ素
    子は、その短絡辺が前記地導体板の前記第1の辺に隣接
    する第2の辺に平行となるように前記地導体板の第2の
    辺の方向のほぼ中央部に配置されていることを特徴とす
    るダイバーシチアンテナ。
  2. 【請求項2】前記第1および第2のアンテナ素子の各々
    の給電点を選択的に受信回路系へ接続するためのスイッ
    チと、このスイッチを前記受信回路系からの信号に基づ
    いて制御する制御回路とをさらに有することを特徴とす
    る請求項1記載のダイバーシチアンテナ。
JP32640394A 1994-12-27 1994-12-27 ダイバーシチアンテナ Expired - Fee Related JP3323020B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32640394A JP3323020B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ダイバーシチアンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32640394A JP3323020B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ダイバーシチアンテナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08186429A true JPH08186429A (ja) 1996-07-16
JP3323020B2 JP3323020B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=18187409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32640394A Expired - Fee Related JP3323020B2 (ja) 1994-12-27 1994-12-27 ダイバーシチアンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3323020B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003298340A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Toko Inc 無線機器用アンテナ
JP2004056773A (ja) * 2002-05-27 2004-02-19 Furukawa Electric Co Ltd:The 複合アンテナ装置
JP2005503049A (ja) * 2001-08-13 2005-01-27 モレックス インコーポレーテッド モジュール型二指向性アンテナ
JP2005278220A (ja) * 2005-05-20 2005-10-06 Fec Inc 携帯通信端末用のアンテナエレメント
JP2008072701A (ja) * 2006-08-14 2008-03-27 Toto Ltd 高周波センサ装置
JP2014027418A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Denso Wave Inc アンテナ装置
JP2015531577A (ja) * 2012-10-15 2015-11-02 ギャップウェーブス アーベー 自己接地型アンテナ装置
WO2018180872A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 セイコーソリューションズ株式会社 両偏波送受用アンテナ、アンテナユニット、及び時計

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005503049A (ja) * 2001-08-13 2005-01-27 モレックス インコーポレーテッド モジュール型二指向性アンテナ
JP2003298340A (ja) * 2002-03-29 2003-10-17 Toko Inc 無線機器用アンテナ
JP2004056773A (ja) * 2002-05-27 2004-02-19 Furukawa Electric Co Ltd:The 複合アンテナ装置
JP2005278220A (ja) * 2005-05-20 2005-10-06 Fec Inc 携帯通信端末用のアンテナエレメント
JP2008072701A (ja) * 2006-08-14 2008-03-27 Toto Ltd 高周波センサ装置
JP2014027418A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Denso Wave Inc アンテナ装置
JP2015531577A (ja) * 2012-10-15 2015-11-02 ギャップウェーブス アーベー 自己接地型アンテナ装置
WO2018180872A1 (ja) * 2017-03-28 2018-10-04 セイコーソリューションズ株式会社 両偏波送受用アンテナ、アンテナユニット、及び時計
JP2018166297A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 学校法人智香寺学園 両偏波送受用アンテナ、アンテナユニット、及び時計

Also Published As

Publication number Publication date
JP3323020B2 (ja) 2002-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5751252A (en) Method and antenna for providing an omnidirectional pattern
US6771223B1 (en) Antenna device and portable machine
EP1055266B1 (en) Dual band diversity antenna having parasitic radiating element
JP2870940B2 (ja) 車載アンテナ
CA2267533C (en) Surface mount antenna and communication apparatus using the same
Iwamoto et al. Design of an antenna decoupling structure for an inband full-duplex collinear dipole array
CN112751155B (zh) 电子设备
CN113745832B (zh) 天线和电子设备
EP1032076B1 (en) Antenna apparatus and radio device using antenna apparatus
JP2882928B2 (ja) スロットアンテナ
US20050151691A1 (en) Antenna and radio communication device provided with the same
JPH08204431A (ja) 多共振アンテナ装置
JP3323020B2 (ja) ダイバーシチアンテナ
JP2793413B2 (ja) スロットアンテナ
JP6391886B2 (ja) アンテナ装置
JPH08186425A (ja) 小型アンテナおよびダイバーシチアンテナ
JPH05259725A (ja) 携帯無線機用ダイバーシチアンテナ
JPH1032424A (ja) 無給電アンテナ
KR100834672B1 (ko) 휴대단말기
CN219833009U (zh) 一种天线单元、天线阵列及电子设备
WO2022202623A1 (ja) アンテナ装置、通信装置
US10847891B2 (en) Antenna device and wireless communication apparatus
JP2023037871A (ja) アンテナ装置
CN115986399A (zh) 具有经隔离天线的rf设备
CN116470266A (zh) 一种天线单元、天线阵列及电子设备

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees