JPH0818274A - 電磁波シールド材の製造方法 - Google Patents

電磁波シールド材の製造方法

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JPH0818274A
JPH0818274A JP14363794A JP14363794A JPH0818274A JP H0818274 A JPH0818274 A JP H0818274A JP 14363794 A JP14363794 A JP 14363794A JP 14363794 A JP14363794 A JP 14363794A JP H0818274 A JPH0818274 A JP H0818274A
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JP
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dry
electromagnetic wave
magnetic
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JP14363794A
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Osamu Morioka
収 森岡
Hiroyuki Tanaka
博之 田中
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造方法が簡単で、基本的には廃品を用いる
ことによって製造コストを削減することができ、且つ、
電磁波シールドを必要とする建造物の床板材;機器類等
の構成部材等にも用いることのできる、即ち広範囲の用
途に安価に利用可能な電磁波シールド材の製造方法を提
供する。 【構成】 実質的に磁性材料を含有しない紙と、実質的
に磁性材料を含有する紙を混合し、それらの混合物を乾
式解繊するか、もしくは、実質的に磁性材料を含有しな
い紙と、実質的に磁性材料を含有する紙を、それぞれ乾
式解繊して混合した後、プレス成形する製造方法であ
る。上記工程における任意の時点でバインダーを加えて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電磁波シールド材の製造
方法に関するものである。本発明の電磁波シールド材
は、電磁波シールドを必要とする建造物(OAルーム、
電子機器類設置室、音響室等)の床板材;電磁波シール
ド材を必要とする機器類の設置箱等の構成部材として用
いられる。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器類の発展に伴い、機器の
高出力化が進み、更にケーシング材料が金属製からプラ
スチック製へ変化したことも重なって、電磁波ノイズ
(放射性の電磁波障害等)への防御対策がクローズアッ
プされている。この様な電磁波ノイズを効率良く遮蔽す
ることができる電磁波シールド材の需要はますます増加
する傾向にあり、家庭用からオフィス用、更には防衛機
器に至るまで、その用途は広範囲にまたがっている。
【0003】上記電磁波シールド材としては例えば以下
の様な材料が用いられてきたが、それらはそれぞれ併記
する問題を抱えていた。
【0004】(i )アルミニウム、銅等の電気伝導性に
優れた金属材料: 高価である、 上記材料を壁用材料として施工(成形加工)するに
は、多くの工程と熟練を必要とする、 上記材料をプラスチック基材に混練して成形加工する
ためには、混練・射出成形等、多数の工程が必要であ
り、高価な装置を要する。
【0005】(ii)不織布を始めとする繊維素材に導電
性を付与させた、電磁波シールド不織布:具体的には、
(a )無機系繊維(例えば炭素繊維、金属繊維等)、有
機系繊維(例えば銀メッキなどの金属メッキ繊維等)等
の導電性繊維材料を用いて不織布を形成する方法と、
(b )不織布に蒸着メッキ等の加工を施すことにより、
不織布を導電化する方法とがある。 製造工程が複雑且つ煩雑である。 材料コストが高くなる。
【0006】(iii )ブナ材等の広葉樹にフェノール樹
脂を注入し、硬化・焼成した多孔質炭素材料: 製造工程が複雑且つ煩雑である。 材料コストが高くなる。 安定した電磁波シールド特性を確保することが困難で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで上記従来の電磁
波シールド材に代わるものとして、古紙を乾式解繊した
ものに電磁波遮蔽材粉及び合成樹脂を含有した電磁波シ
ールド材が開示されている(特願平5−98894
号)。しかしながら、上記電磁波シールド材の材料は、
古紙以外は全て高価な電磁波遮蔽材粉(γ酸化鉄等)及
び合成樹脂を用いているので、製造コストが高くなると
いう問題がある。
【0008】本発明は、上記従来の電磁波シールド材が
抱える問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目
的は、製造方法が簡単で、基本的には廃品を用いること
によって製造コストを削減することができ、且つ、電磁
波シールドを必要とする建造物の床板材;機器類等の構
成部材等にも用いることのできる、即ち広範囲の用途に
安価に利用可能な電磁波シールド材の製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波シールド
材の製造方法は、実質的に磁性材料を含有しない紙と、
実質的に磁性材料を含有する紙を混合し、それらの混合
物を乾式解繊するか、もしくは、実質的に磁性材料を含
有しない紙と、実質的に磁性材料を含有する紙を、それ
ぞれ乾式解繊して混合した後、プレス成形することに要
旨を有する。好適な実施態様では、上記本発明の電磁波
シールド材の製造方法において、任意の時点でバインダ
ーを加えてプレス成形する。
【0010】
【作用】本発明の電磁波シールド材の製造方法は、必須
材料として、実質的に磁性材料を含有しない紙(以下、
非磁性紙と略記する場合がある)と、実質的に磁性材料
を含有する紙(以下、磁性紙と略記する場合がある)を
用いる。上記非磁性紙としては特に限定されず、新聞、
電話帳、雑誌、広告紙、出版物、ダンボール紙、OA用
紙、計算機用紙等が用いられるが、資源を有効利用する
ためにもこれらの古紙を用いることが推奨される。
【0011】また、本発明に用いられる磁性紙は磁性材
料を含有するものであれば特に限定されず、その様な例
として例えば、テレホンカード等のプリペイドカードの
他、磁性材料を積層してなる競馬用馬券、電車・バス等
に用いられる定期券、乗車券等が挙げられる。上記磁性
紙は、γ酸化鉄、γフェライト、バリウムフェライト、
ストロンチウムフェライト等の磁性材料粉末を含有して
いる。磁性紙中に含まれる磁性材料は、OA機器等の操
作時に発生する電磁波によって着磁し、その時の着磁抵
抗が、電磁波が減衰する方向に作用することによって、
電磁波のシールド効果が得られる。上記磁性紙は磁性材
料の他に、熱可塑性樹脂等のバインダーを含有している
場合が多い。これらのバインダーは、上記材料を用いて
プレス成形する際の結合剤として作用し、シールド材の
保形性及び強度を高めるものである。この様に本発明の
製造方法は、必須成分として実質的に廃品のみを用いる
ことができるので、資源の有効利用、製造コストの削減
等を達成することができる。
【0012】本発明の製造方法は上記に示す必須成分の
他に、下記(i )〜(iii )に示す様な材料も用いられ
る。 (i )繊維: 天然繊維として、木綿(エジプト綿、米綿等)、麻
(***、黄麻、マニラ麻、チョ麻、亜麻、ボウ麻、サイ
ザル麻、ケナフ、ラミー等)、スフ等の半端品(古着、
端切れ、耳片等)、 従来紙材料としては利用されていなかった、上記以外
の植物繊維(ココヤシ繊維、椰子繊維、砂糖きび繊維
等)及び動物繊維(羊毛、カシミヤ毛、アルパカ毛、ウ
サギ毛等)、 合成繊維として、ポリアミド系、ポリエステル系、ポ
リアクリル系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリオレフィン系(例え
ばポリプロピレン系、ポリエチレン系等)、ポリウレタ
ン系、フッ素樹脂系(例えばポリテトラフルオロエチレ
ン系等)等の繊維、 導電性繊維として、無機系繊維{炭素繊維、ガラス繊
維、金属(例えば銅、黄銅、ステンレス等)繊維}、有
機系繊維{金属めっき(例えば銀、銅、ニッケルめっき
等)された各種繊維、導電性高分子繊維}。
【0013】上記繊維は、本発明に用いられる非磁性紙
及び磁性紙を乾式解繊して綿状にしたもの(以下、綿状
物と略記する場合がある)の平均繊維長(約0.1〜3
mm)よりも平均繊維長の長い繊維(数センチ単位)で
あることが好ましい。この様な平均繊維長の繊維は、上
記綿状物と混合するときの繋ぎとして作用し、綿状物と
相互に絡み合うことによって、繊維同士の強い結合が可
能になって切れにくくなる。従って、高い強度のシール
ド材を効率よく製造することができるほか、シールド材
の製造時に必要なバインダーの添加量を極力減らすこと
も可能である。上記繊維のうち、を用いれば天然性材
料であるので生分解性が高く、土壌等に蓄積される恐れ
も少ない。
【0014】(ii)バインダー: 天然性材料として、澱粉糊(小麦粉、大麦粉、ライ麦
粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、グアーマンナム、
脱脂大豆、グルーペースト等)等、 熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂等)、 熱可塑性樹脂(ポリビニルアルコール、カルボキシメ
チルセルロース、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリエステル等)。
【0015】本発明に用いられる磁性紙には上述した様
に元々バインダーが含有されている場合が多いが、磁性
紙の混合量が少なくてバインダーの効果が不十分な場
合、あるいは曲げ強度の大きい堅固な電磁波シールド材
を製造したい場合には、上記バインダーを更に加えるこ
とが推奨される。
【0016】上記バインダーのうち、澱粉糊等に代表さ
れる天然性材料はシールド材の保形性を高めるうえで有
用である。この天然性材料は、熱硬化性樹脂に比べて安
価であり、製造コストを削減できるうえ、天然性材料で
あるので生分解性が高く、土壌等に蓄積される恐れも少
ない。また、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂は、シールド
材の強度を高めるうえで有用である。
【0017】(iii)その他の材料として、防腐剤、防カ
ビ剤、防炎剤、難燃剤等:これらの材料を添加すること
により、各材料の特性を付与したシールド材が得られる
ので、シールド材の利用範囲を更に広げることができ
る。
【0018】上記材料を用いて電磁波シールド材を製造
する方法は、(i)非磁性紙と磁性紙を混合してから、そ
れらの混合物を乾式解繊する工程、あるいは(ii)非磁
性紙と磁性紙をそれぞれ乾式解繊した後、混合する工
程、を経た後、得られた混合物をプレス成形するもので
ある。以下の記載では、上記(i) の工程を経てプレス成
形する方法を本発明の第1製造方法と呼び、上記(ii)
の工程を経てプレス成形する方法を本発明の第2製造方
法と呼ぶ。
【0019】まず、本発明の第1製造方法について説明
する。 (a )上記非磁性紙と磁性紙を混合する。混合方法とし
てはミキサー、ブレンダー、流動層混合機等の混合機を
用いることが好ましい。上記必須材料の他に、前述した
様な繊維、バインダー等も用いる場合にはこれらも同様
に混合する。これらの材料は一緒に混合してもよいし、
あるいは別々に混合してもよい。また、これら材料の混
合能を更に増すために、材料を混合機に投入する前に、
シュレッダー等の裁断機にて予め短冊状に裁断したり、
ハンマーミル等を用いて粉砕することが推奨される。
【0020】上記非磁性紙と磁性紙の混合割合について
は特に限定されないが、材料総量に対して非磁性紙は2
0重量%以上、90重量%以下の割合で含有されること
が好ましく、磁性紙は10重量%以上、60重量%以下
の割合で含有されることが好ましい。非磁性紙の割合が
20重量%未満の場合には電磁波シールド材の強度が弱
くなり、一方90重量%を超えると電磁波シールドの効
果が充分に発揮できない。また、磁性紙の割合が10重
量%未満の場合は電磁波シールドの効果が充分に発揮で
きず、一方、60重量%を超えると電磁波シールドの効
果は発揮されるものの、電磁波シールド材としての強度
が弱くなるので好ましくない。
【0021】また、繊維の混合比は、シールド材の利用
分野によって適宜変更されるが、成形性・保形性を確保
するうえで材料総量に対して10重量%以上、40重量
%以下であることが好ましい。繊維の割合が10重量%
未満では、繊維同士の絡み合いが不十分になり、シール
ド材の強度や弾性も弱くなってしまい、取り扱いが困難
になる。一方、繊維の割合比が40重量%を超えると製
造コストが増加するので好ましくない。
【0022】上記バインダーの含有量は非磁性紙の混合
量によっても若干変化するが、材料総量に対して5重量
%以上、20重量%以下の割合で含有されることが好ま
しい。バインダーの含有量が5重量%未満の場合にはシ
ールド材としての形を保持するうえで強度が不十分であ
り、一方、20重量%を超えると製造コストが増すので
好ましくない。
【0023】(b )得られた混合物を乾式解繊する。上
記混合物を乾式解繊する方法としては、例えば特願平5-
265895号に記載の乾式解繊装置、AFTファイバライザ
ー(AFT社製)、ターボミル(ターボ工業社製)等の
乾式解繊機を用いることが好ましい。この様に本発明に
用いられる材料混合物を乾式解繊することにより、磁性
紙及び非磁性紙は相互に絡み易い綿状物になる。その
際、上述した様な繊維材料が存在する場合には上記綿状
物との絡み合いや重なり合いが更に増加する。また、磁
性紙中に含まれる磁性材料は混合機・乾式解繊機によっ
て粉砕されて粉末状(磁性材料粉)になり、乾式解繊機
が一種のフィブソニックミルとして作用することによ
り、上記綿状物中に磁性材料粉が十分均一に混合され
る。更に、非磁性紙中に含まれるバインダーは、絡み合
った繊維と、該繊維中に捕獲された磁性材料粉を相互に
固定することによって、繊維中に磁性材料粉が均一に混
入した密な組織を形成することになる。その結果、電磁
波シールド能力が大きいシールド材を得ることができ
る。
【0024】(c )乾式解繊した材料をプレス成形す
る。具体的には、乾式解繊した材料をローラーカード、
ランダムカード等を用いてカーディング(開繊)した
後、レイイングラッパー、ウェブ形成機等を用いてシー
ト状に成形し、該シート状物を所望の大きさ、比重、厚
み等に応じた厚みに積層する。この積層方法としては特
に限定されず、そのまま積層してもよく、あるいは上記
シート状物を必要な寸法に切断した後、積層してもよ
い。
【0025】次に、上記積層物にバインダーを塗布す
る。この様にバインダーを新たに加えなくても、材料中
に含まれるバインダーにより、ある程度の接着力は得ら
れるが、接着力をより一層高めるためにも、更に熱硬化
性樹脂等のバインダーを更に加えることが推奨される。
なお、このバインダーの供給時期についてはこれに限定
されることはなく、例えば上記工程の適当な時期(例え
ば積層する前)に適宜塗布することも可能である。上記
バインダーの塗布方法としては、例えば以下の〜の
方法が挙げられる。
【0026】バインダーを圧縮空気下で吹き飛ばして
シートの上に散布する。 バインダーを水に溶かし、圧縮空気下でスプレー方式
で噴霧する。なお、上記及びにおいて、圧縮空気の
圧力は計器用の空気圧で通常5kg/cm2 である。 バインダーを回転ブラシで跳ね飛ばして添加する。 バインダーの溶液中に積層物全体を含浸させる。 なお、上記〜におけるバインダーの塗布部位につい
ては特に限定されず、積層界面に塗布してもよく、ある
いは積層物の表面に塗布してもよい。
【0027】あるいは、バインダーの他に、防腐剤、防
カビ剤、防・消炎剤、難燃剤等の材料を添加してもよ
い。上記バインダーの塗布温度は常温でも、あるいは加
熱してもよく、またその加熱温度も熱硬化性樹脂の硬化
を生じる温度まで上げることも可能である。
【0028】この様にしてバインダーを添加した積層物
をプレス成形しつつ、該バインダーを固化または硬化さ
せる。プレス成形の方法は特に限定されないが、例えば
上記積層物をコールドコンベアプレス等でプレプレス
(常温下で予備加圧)して比重を増加させて加圧成形し
た後、所定の含水率になるまで乾燥機等にかけて乾燥す
る。次に、加熱空気、水蒸気、熱盤プレス(ホットコン
ベアプレス等)の熱等でホットプレス(加熱加圧成形)
することにより、加熱時にバインダーが硬化して材料を
固化し、プレス時にシールド材の比重が大きくなってボ
ード状に成形することができる。ホットプレス時の加熱
温度は、用いられるバインダーの種類に応じて適宜選択
することが好ましく、例えば熱硬化性樹脂としてフェノ
ール樹脂及びエポキシ樹脂を用いる場合は120℃以
上、ユリア樹脂の場合は110℃以上、メラミン樹脂の
場合は115℃以上にすることが好ましい。この様にバ
インダーの種類に応じて所定の温度に加熱した後、熱盤
プレスにて所望のシールド材の厚みにまで圧縮して一定
時間保持することにより、強固なシールド材が得られ
る。
【0029】このホットプレス法を詳細に説明すると、
熱盤プレスで圧縮圧力を加える際に、所望のシールド材
の厚みになる様に熱盤の上にシールド材と同じ厚さのス
ペーサーを載せる。次に加熱温度を所定温度に上げて、
所定の圧縮条件下で一定時間保持すると、バインダーが
硬化または固化する。この際、圧縮圧力を適宜変更する
ことにより、シールド材の比重を変化させることができ
る。本発明のシールド材の製造方法は前述した様に、非
磁性紙や繊維の含有量、バインダーの種類や添加量を変
えたり、あるいはプレス成形時の圧力を変えることによ
って、シールド材の強度を変化させることができる。
【0030】図1は、上記した本発明の製造方法を実施
するための装置例正面図である。図中、1は非磁性紙ホ
ッパーであり、該非磁性紙ホッパー1の底部にはスクリ
ューフィーダ、ロータリーフィーダ等の定量供給装置1
1が設けられている。上記定量供給装置11の下流側端
は乾式解繊機2の取入口22に連通する。また、非磁性
紙の空気輸送を均一にするために、取入口22には空気
取り入れ管5を連結し、該定量供給装置11の下流側端
はこの空気取り入れ管5にも連結している。
【0031】上記空気取り入れ管5の、乾式解繊装置2
より上流部位には、磁性紙供給装置3と、バインダー供
給装置4とが連結されている。上記磁性紙供給装置3
と、バインダー供給装置4とは同じ構成から成ってお
り、ホッパー31の下端にスクリューフィーダ32を取
り付け、該スクリューフィーダ32の先端排出口を空気
取り入れ管5に連結している。そして、上記乾式解繊装
置2の排出口23には空気輸送管5aが連結され、この
空気輸送管5aの先端はプレス成形装置6の部位まで延
設されている。
【0032】上記プレス成形装置6は従来公知のものを
使用すればよいが、図1では空気輸送管5の先端からコ
ンベアー61に供給された解繊繊維等は、ローラ62で
加圧されて、加熱トンネル63を通過する様になってい
る。なお、図1では、ローラ62は一対しか示していな
いが、加圧状態を一定時間継続させるためにも多数対を
並置することが推奨される。
【0033】本発明の製造方法によって、電磁波シール
ド材を単板状(シート状、ボード状等)に成形すること
もできるが、コイル状等に変形することも可能である。
図2に、単板状シールド材を製造する工程の一例を表す
概略図を示し、図3に、コイル状シールド材を製造する
工程の一例を表す概略図を示す。単板状シールド材を製
造する工程は、上述した通りである。
【0034】コイル状シールド材を製造する方法は、ま
ず上述の様にして得られたシート状物を加熱ローラの間
にはさんで巻き戻しながら供給し、その後、上述した方
法と同様にしてプレス成形した後、ローラに巻き取るこ
とによって、コイル状シールド材を製造するものであ
る。
【0035】本発明の第2製造方法は、上記本発明の第
1製造方法の変形例である。すなわち、上記本発明の第
1製造方法では、各材料を混合してから乾式解繊した
が、本発明の第2の製造方法では、各材料を予め上述し
た方法によって乾式解繊し、これらを上述した方法によ
って混合した後、本発明の第1製造方法と同様にしてプ
レス成形することにより、電磁波シールド材を製造す
る。必須材料の他に繊維を用いる場合には、必須材料と
同様、乾式解繊してから混合してもよいし、あるいは乾
式解繊せずに上記必須材料の解繊物と一緒に、もしくは
別々に混合してもよい。この様に材料を予め乾式解繊さ
せてから電磁波シールド材を製造する方法は、混合能の
向上、混合量の均一化等の利点を有するものであり、こ
の様な方法によっても本発明の第1製造方法によって得
られる電磁波シールド材と同様の、電磁波シールド効果
が得られる。
【0036】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、前
・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全
て本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下の記載
において「%」とは特に注記しない限り、全て材料総量
に対する重量%を示す。
【0037】
【実施例】実施例1 新聞古紙をシュレッダーで3×8mmに裁断したもの
(60重量部)と、競馬用馬券等の磁性紙(40重量
部)をミキサーで混合した後、乾式解繊装置で解繊し
た。これらの解繊物をホッパーフィーダーに入れ、熱硬
化性樹脂(メラミン樹脂:15%)を加えた後、レイイ
ングレイヤーにかけ、プレプレス及びホットプレス(1
60℃で5分間)を行って、ボード状の本発明材F(厚
み:6mm)を製造した。この様にして得られた本発明
材Fの単位面積当たりの重量(以下、単に比重と略記す
る)は3.6kg/m2 であり、曲げ強度450kg/
cm2 を有する堅固なボード状のシールド材であった。
【0038】実験例1:電磁波シールド効率の測定 実施例1の本発明材F、及び比較材として以下のA〜E
の材料を用いて、0〜1000MHzの周波数領域にお
ける電磁波シールド効率(減衰度:db)を測定した。 A:厚み10mmの木質材(比重:6kg/m2 ) B:木質材総重量に対して炭素粉を5%混入した厚み1
0mmの木質材(比重:6.2kg/m2 ) C:木質材総重量に対して炭素粉を50%混入した厚み
10mmの木質材(比重:8kg/m2 ) D:新聞古紙を3×8mmにシュレッダーで裁断した繊
維総重量に対して、平均約10μmのγ酸化鉄粉を約8
%、フェノール樹脂を約15%混合したものを乾式解繊
装置で解繊し、圧力:35Kg/cm2 、温度:160
℃で約5分間加熱することによって得られたボード状の
電磁波シールド材(比重:10.1kg/m2 ) E:厚み3mmのアルミニウム板(比重:8.2kg/
2
【0039】図4に、各材料の電磁波シールド効率をグ
ラフ化して示す。一般に最大の電磁波発生源であるパソ
コン等のコンピューター関連機器やオフィスパーティシ
ョンの周波数は約30〜500MHzであり、オフィス
や家庭内でこれらの機器より発生する電磁波ノイズを遮
蔽するには、30〜40dbのシールド効果が必要であ
る。図4から明らかな様に本発明材Fは0〜500MH
zの周波数領域において極めて安定な電磁波シールド効
果を示し、その程度は、比較材Dと同程度であることが
分かった。
【0040】実施例2 新聞古紙をシュレッダーで3×8mmに裁断したもの
(50重量部)と、競馬用馬券等の磁性紙(50重量
部)を予め乾式解繊装置で解繊した。これらの解繊物を
ミキサーで混合した後、ホッパーフィーダーに入れ、熱
硬化性樹脂(フェノール樹脂:15%)を加えた後、レ
イイングレイヤーにかけ、コールドコンベアプレスにて
加圧した後、ホットコンベアプレスにて180℃で4分
間加熱加圧処理を行うことにより、シート状の本発明材
K(厚み:6mm)を製造した。この様にして得られた
本発明材Kの比重は2kg/m2 であり、曲げ強度10
0kg/cm2 を有する堅固なシート状のシールド材で
あった。
【0041】実験例2:電磁波シールド効率の測定 実施例2の本発明材K、及び比較材として以下のG〜J
の不織布材料を用い、実験例1と同様にしてこれら材料
の電磁波シールド効率を測定した。 G:化学繊維にニッケルを蒸着メッキしたもの(比重:
10g/m2 ) H:化学繊維にニッケルを蒸着メッキしたもの(比重:
30g/m2 ) I:化学繊維に銀を蒸着メッキしたもの(比重:10g
/m2 ) J:化学繊維に銀を蒸着メッキしたもの(比重:20g
/m2 ) 図5に、各材料の電磁波シールド効率をグラフ化して示
す。
【0042】図5から明らかな様に本発明材Kは0〜1
000MHzの幅広い周波数領域において非常に安定な
電磁波シールド効果を示し、その程度は、比較材(G〜
J)と同程度であったが、特に安定性という観点からす
れば、本発明材は極めて優れていることが分かった。
【0043】
【発明の効果】本発明の製造方法は、実質的に廃品材料
のみを用いることも可能であり、製造コストが安くつ
く。また、その製造工程も乾式解繊、混合及びプレス成
形からなり、複雑な工程を必要としないので、電磁波シ
ールド材を効率良く製造することができ、且つ電磁波シ
ールド材の形状を、単板状に形成したり、あるいはコイ
ル状等に変形させることも可能である。また、本発明の
製造方法によって得られる電磁波シールド材は、優れた
電磁波シールド効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施する装置例正面図であ
る。
【図2】単板状シールド材を製造する工程を示す概略図
である。
【図3】コイル状シールド材を製造する工程を示す概略
図である。
【図4】実験例1において、各材料の電磁波シールド効
率を示すグラフである。
【図5】実験例2において、各材料の電磁波シールド効
率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 非磁性紙ホッパー 2 乾式解繊機 3 磁性紙供給装置 4 バインダー供給装置 5 空気取り入れ管 5a 空気輸送管 6 プレス成形装置 11 定量供給装置 31 ホッパー 32 スクリューフィーダ 61 コンベヤー 62 ローラ 63 加熱トンネル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に磁性材料を含有しない紙と、実
    質的に磁性材料を含有する紙を混合し、それらの混合物
    を乾式解繊するか、もしくは、実質的に磁性材料を含有
    しない紙と、実質的に磁性材料を含有する紙を、それぞ
    れ乾式解繊して混合した後、プレス成形することを特徴
    とする電磁波シールド材の製造方法。
  2. 【請求項2】 任意の時点でバインダーを加えてプレス
    成形するものである請求項1に記載の電磁波シールド材
    の製造方法。
JP14363794A 1994-06-24 1994-06-24 電磁波シールド材の製造方法 Withdrawn JPH0818274A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105216198A (zh) * 2015-10-20 2016-01-06 重庆跃发日用品有限公司 基于顶部进料的塑料模压料掺混筒的自动化进料***

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