JPH08180851A - 湿式ガラスマット及びその製造方法 - Google Patents
湿式ガラスマット及びその製造方法Info
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- JPH08180851A JPH08180851A JP6322385A JP32238594A JPH08180851A JP H08180851 A JPH08180851 A JP H08180851A JP 6322385 A JP6322385 A JP 6322385A JP 32238594 A JP32238594 A JP 32238594A JP H08180851 A JPH08180851 A JP H08180851A
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Separators (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ガラスマットの地合いムラ、コストアップ、
電池性能の低下を引き起こすことなく、ガラスマットの
表面の滑り性を改善して、電池の組立加工性を向上させ
る。 【構成】 太径のガラス繊維で構成される基層と、細径
のガラス繊維で構成される表面層との積層構造を有する
湿式ガラスマット。太径のガラス繊維の層と細径のガラ
ス繊維の層とを抄き合せる。 【効果】 細径のガラス繊維の抄紙層を設けた側の表面
の滑り性が改善され、電池の組立加工性が向上する。細
径のガラス繊維は表面層のみに用いるため、細径のガラ
ス繊維を用いることによるコストアップを抑え、電池性
能の低下も防止することができる。
電池性能の低下を引き起こすことなく、ガラスマットの
表面の滑り性を改善して、電池の組立加工性を向上させ
る。 【構成】 太径のガラス繊維で構成される基層と、細径
のガラス繊維で構成される表面層との積層構造を有する
湿式ガラスマット。太径のガラス繊維の層と細径のガラ
ス繊維の層とを抄き合せる。 【効果】 細径のガラス繊維の抄紙層を設けた側の表面
の滑り性が改善され、電池の組立加工性が向上する。細
径のガラス繊維は表面層のみに用いるため、細径のガラ
ス繊維を用いることによるコストアップを抑え、電池性
能の低下も防止することができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は湿式ガラスマット及びそ
の製造方法に係り、特に、電池の組立加工性に優れる上
に電池性能の向上に有効で、かつ安価に提供される湿式
ガラスマット及びその製造方法に関する。
の製造方法に係り、特に、電池の組立加工性に優れる上
に電池性能の向上に有効で、かつ安価に提供される湿式
ガラスマット及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、鉛蓄電池等の液式電池におい
て、陽極活物質の脱落防止の目的で、セパレータと陽極
との間にガラスマットを配置する技術が採用されてお
り、電池性能の向上に大きく寄与している。
て、陽極活物質の脱落防止の目的で、セパレータと陽極
との間にガラスマットを配置する技術が採用されてお
り、電池性能の向上に大きく寄与している。
【０００３】従来、このガラスマットとしては、平均直
径１９μｍのガラス繊維をアクリル樹脂で接着してなる
乾式法によるマットが使用されている。このマットは、
紡糸したガラス繊維を、軸芯方向に平行に往復動するド
ラムに巻き取り、ガラス繊維の巻き取り角度を交差させ
たロービングとし、このロービングから切断したマット
状物を展綿してガラス繊維の交差角度を広げアクリル樹
脂をスプレーすることによりフェルト状に製造されたも
のである。
径１９μｍのガラス繊維をアクリル樹脂で接着してなる
乾式法によるマットが使用されている。このマットは、
紡糸したガラス繊維を、軸芯方向に平行に往復動するド
ラムに巻き取り、ガラス繊維の巻き取り角度を交差させ
たロービングとし、このロービングから切断したマット
状物を展綿してガラス繊維の交差角度を広げアクリル樹
脂をスプレーすることによりフェルト状に製造されたも
のである。
【０００４】しかし、この乾式法によるガラスマットは
厚みのバラツキが多いことや、使用するアクリル樹脂量
が多いなどの不具合を有することから、この乾式法によ
るガラスマットの厚みのバラツキを減らして電池の組立
作業ロスを低減すると共に、使用するアクリル樹脂量を
減らして電池の電気抵抗及び寿命を改善する目的で、最
近では、抄紙式のガラスマット（以下「湿式ガラスマッ
ト」と称する。）を使用することが試みられている。
厚みのバラツキが多いことや、使用するアクリル樹脂量
が多いなどの不具合を有することから、この乾式法によ
るガラスマットの厚みのバラツキを減らして電池の組立
作業ロスを低減すると共に、使用するアクリル樹脂量を
減らして電池の電気抵抗及び寿命を改善する目的で、最
近では、抄紙式のガラスマット（以下「湿式ガラスマッ
ト」と称する。）を使用することが試みられている。
【０００５】この湿式ガラスマットは含アルカリガラス
繊維を長さ６〜５０ｍｍに切断し、界面活性剤と粘剤を
含む分散液（白水）に分散させ、湿式抄紙機にてシート
状に抄紙した後、アクリル樹脂をスプレー、含浸又はカ
ーテンコーター等にて塗布後乾燥して製造される。
繊維を長さ６〜５０ｍｍに切断し、界面活性剤と粘剤を
含む分散液（白水）に分散させ、湿式抄紙機にてシート
状に抄紙した後、アクリル樹脂をスプレー、含浸又はカ
ーテンコーター等にて塗布後乾燥して製造される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の湿式ガラス
マットでは次のような問題があった。
マットでは次のような問題があった。
【０００７】 剛性の高いガラス繊維の端面がマット
表面から突き出ているため、この突出端面が引っかかる
ことにより、滑り性が悪い。このため、合成セパレータ
と貼り合わせを行い、短冊状にする際、及び極板と合わ
せて電池を組み立てる際の組み立て加工性が悪く、製品
不良が発生する。
表面から突き出ているため、この突出端面が引っかかる
ことにより、滑り性が悪い。このため、合成セパレータ
と貼り合わせを行い、短冊状にする際、及び極板と合わ
せて電池を組み立てる際の組み立て加工性が悪く、製品
不良が発生する。
【０００８】 滑り性の改善のためカット長の長いガ
ラス繊維を使うと、滑り性は改善されるが、ガラス繊維
の均一分散性が悪くなるため、得られるガラスマットに
地合いムラを生じる。
ラス繊維を使うと、滑り性は改善されるが、ガラス繊維
の均一分散性が悪くなるため、得られるガラスマットに
地合いムラを生じる。
【０００９】 細いガラス繊維を用いることにより滑
り性を向上することもできるが、細いガラス繊維は高価
であることからコストアップを招く上に、ガラスマット
のガラス繊維密度が高くなり過ぎて電気抵抗が高くな
る、充電時のガス抜けが悪くなるなど電池性能の低下を
引き起こす。
り性を向上することもできるが、細いガラス繊維は高価
であることからコストアップを招く上に、ガラスマット
のガラス繊維密度が高くなり過ぎて電気抵抗が高くな
る、充電時のガス抜けが悪くなるなど電池性能の低下を
引き起こす。
【００１０】本発明は上記従来の問題点を解決し、ガラ
スマットの地合いムラ、或いは、コストアップや電池性
能の低下を引き起こすことなく、表面の滑り性を改善し
て、電池の組立加工性を向上させた湿式ガラスマットを
提供することを目的とする。
スマットの地合いムラ、或いは、コストアップや電池性
能の低下を引き起こすことなく、表面の滑り性を改善し
て、電池の組立加工性を向上させた湿式ガラスマットを
提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】請求項１の湿式ガラスマ
ットは、ガラス繊維を抄紙して得られる湿式ガラスマッ
トにおいて、太径のガラス繊維で構成される基層と、細
径のガラス繊維で構成される表面層とで構成されること
を特徴とする。
ットは、ガラス繊維を抄紙して得られる湿式ガラスマッ
トにおいて、太径のガラス繊維で構成される基層と、細
径のガラス繊維で構成される表面層とで構成されること
を特徴とする。
【００１２】請求項２の湿式ガラスマットの製造方法
は、請求項１に記載の湿式ガラスマットを製造する方法
であって、太径のガラス繊維の層と細径のガラス繊維の
層とを抄き合せることを特徴とする。
は、請求項１に記載の湿式ガラスマットを製造する方法
であって、太径のガラス繊維の層と細径のガラス繊維の
層とを抄き合せることを特徴とする。
【００１３】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明
する。
する。
【００１４】まず、図１を参照して本発明の湿式ガラス
マットの製造方法の一実施例を説明する。
マットの製造方法の一実施例を説明する。
【００１５】図１は本発明の湿式ガラスマットの製造に
好適な抄造装置を示す模式的構成図である。本実施例の
方法では、２台の抄紙機１，２を直列配置し、抄紙機１
で太径のガラス繊維の抄紙シート１１を、また、抄紙機
２でこの抄紙シート１１の一方の面に細径のガラス繊維
の抄紙シート１２を抄造して抄き合せ、得られた積層シ
ート１３にスプレー装置３でバインダ樹脂を塗布し、熱
風乾燥炉４で乾燥し、最後にカッター５で切断し、切断
されたガラスマット１０を集積機６に受ける。
好適な抄造装置を示す模式的構成図である。本実施例の
方法では、２台の抄紙機１，２を直列配置し、抄紙機１
で太径のガラス繊維の抄紙シート１１を、また、抄紙機
２でこの抄紙シート１１の一方の面に細径のガラス繊維
の抄紙シート１２を抄造して抄き合せ、得られた積層シ
ート１３にスプレー装置３でバインダ樹脂を塗布し、熱
風乾燥炉４で乾燥し、最後にカッター５で切断し、切断
されたガラスマット１０を集積機６に受ける。
【００１６】このようにして得られる本発明の湿式ガラ
スマット１０は、図２に示す如く、太径ガラス繊維の抄
紙シート１１に相当する基層１０Ｂと細径ガラス繊維の
抄紙シート１２に相当する表面層１０Ａとが抄き合わさ
れて一体化された構造を有し、基層１０Ｂ側の表面１０
ｂには、太径ガラス繊維Ｗの突出が見られるものの、表
面層１０Ａは細径ガラス繊維Ｓで構成されるため、その
突出は見られず、表面１０ａは滑らかな面となってい
る。
スマット１０は、図２に示す如く、太径ガラス繊維の抄
紙シート１１に相当する基層１０Ｂと細径ガラス繊維の
抄紙シート１２に相当する表面層１０Ａとが抄き合わさ
れて一体化された構造を有し、基層１０Ｂ側の表面１０
ｂには、太径ガラス繊維Ｗの突出が見られるものの、表
面層１０Ａは細径ガラス繊維Ｓで構成されるため、その
突出は見られず、表面１０ａは滑らかな面となってい
る。
【００１７】このような本発明の湿式ガラスマット１０
を用いて電池の組み立てを行うに当り、合成セパレータ
とガラスマットとの貼り合せは、図３に示す如く、ガラ
スマット１０の基層１０Ｂの表面１０ｂ側に合成セパレ
ータ２０を貼着する。
を用いて電池の組み立てを行うに当り、合成セパレータ
とガラスマットとの貼り合せは、図３に示す如く、ガラ
スマット１０の基層１０Ｂの表面１０ｂ側に合成セパレ
ータ２０を貼着する。
【００１８】このようにして貼り合せることにより、図
４に示す如く、電池組立時において、ガラスマット１０
の滑り性の良い面１０ａが表出することとなり、電池組
立時のスタッカー性が良くなる。しかも、細径ガラス繊
維よりなるガラスマット１０の緻密な表面層１０Ａ側が
極板の活物質に当接するようになり、活物質を安定に保
持して活物質の脱落を防止する効果も得られる。
４に示す如く、電池組立時において、ガラスマット１０
の滑り性の良い面１０ａが表出することとなり、電池組
立時のスタッカー性が良くなる。しかも、細径ガラス繊
維よりなるガラスマット１０の緻密な表面層１０Ａ側が
極板の活物質に当接するようになり、活物質を安定に保
持して活物質の脱落を防止する効果も得られる。
【００１９】図５は、合成セパレータ２０とガラスマッ
ト１０との貼り合せ工程の一実施例を説明する模式的構
成図である。図示の如く、合成セパレータ２０のロール
体２１から合成セパレータ２０を送り出し、スプレーノ
ズル２２よりホットメルト樹脂をスプレーした後、前述
の抄造装置から集積機６に積載して搬送されたガラスマ
ット１０と積層してロール２３で圧着し、カッター２４
で切断してガラスマット／合成セパレータ貼り合せ品２
５を得る。
ト１０との貼り合せ工程の一実施例を説明する模式的構
成図である。図示の如く、合成セパレータ２０のロール
体２１から合成セパレータ２０を送り出し、スプレーノ
ズル２２よりホットメルト樹脂をスプレーした後、前述
の抄造装置から集積機６に積載して搬送されたガラスマ
ット１０と積層してロール２３で圧着し、カッター２４
で切断してガラスマット／合成セパレータ貼り合せ品２
５を得る。
【００２０】なお、本発明において、太径のガラス繊維
としては、平均繊維１６〜２３μｍで、平均繊維長さが
１３〜５０ｍｍ程度のものを用いることができ、このよ
うな太径のガラス繊維は、厚み０．６ｍｍに対し目付が
５７〜９６ｇ／ｍ2 となるように抄造するのが好まし
い。この太径ガラス繊維の平均繊維径が２３μｍを超え
ると作業時の刺激が増え、１６μｍ未満ではコストアッ
プと電気抵抗上昇を引き起こす。また、この太径ガラス
繊維の抄紙層、即ち基層の目付が５７ｇ／ｍ2 未満では
細径ガラス繊維が増えてガス抜け不良が生じ、９６ｇ／
ｍ2 を超えると細径ガラス繊維部が減って滑り向上効果
が減少する。
としては、平均繊維１６〜２３μｍで、平均繊維長さが
１３〜５０ｍｍ程度のものを用いることができ、このよ
うな太径のガラス繊維は、厚み０．６ｍｍに対し目付が
５７〜９６ｇ／ｍ2 となるように抄造するのが好まし
い。この太径ガラス繊維の平均繊維径が２３μｍを超え
ると作業時の刺激が増え、１６μｍ未満ではコストアッ
プと電気抵抗上昇を引き起こす。また、この太径ガラス
繊維の抄紙層、即ち基層の目付が５７ｇ／ｍ2 未満では
細径ガラス繊維が増えてガス抜け不良が生じ、９６ｇ／
ｍ2 を超えると細径ガラス繊維部が減って滑り向上効果
が減少する。
【００２１】一方、細径のガラス繊維としては、平均繊
維８〜１４μｍで、平均繊維長さが６〜２５ｍｍ程度の
ものを用いることができ、このような細径のガラス繊維
は、目付が５〜２０ｇ／ｍ2 となるように抄造するのが
好ましい。この細径ガラス繊維の平均繊維径が１４μｍ
を超えると表面層の滑り性の改善を図ることができず、
８μｍ未満ではコストアップ及び高密度化を引き起こ
す。また、この細径ガラス繊維の抄紙層、即ち表面層の
目付が５ｇ／ｍ2 未満では滑り性の向上効果が十分でな
い上に、低密度すぎて抄紙が困難である。逆に、目付が
２０ｇ／ｍ2 を超えると緻密化がすすみ、電気抵抗が高
くなり、また、電池のガス抜けも悪くなる。
維８〜１４μｍで、平均繊維長さが６〜２５ｍｍ程度の
ものを用いることができ、このような細径のガラス繊維
は、目付が５〜２０ｇ／ｍ2 となるように抄造するのが
好ましい。この細径ガラス繊維の平均繊維径が１４μｍ
を超えると表面層の滑り性の改善を図ることができず、
８μｍ未満ではコストアップ及び高密度化を引き起こ
す。また、この細径ガラス繊維の抄紙層、即ち表面層の
目付が５ｇ／ｍ2 未満では滑り性の向上効果が十分でな
い上に、低密度すぎて抄紙が困難である。逆に、目付が
２０ｇ／ｍ2 を超えると緻密化がすすみ、電気抵抗が高
くなり、また、電池のガス抜けも悪くなる。
【００２２】本発明においては、細径のガラス繊維より
なる表面層を全体の５〜２０％程度に、また、太径のガ
ラス繊維よりなる基層を全体の８０〜９５％程度に形成
するのが好ましい。
なる表面層を全体の５〜２０％程度に、また、太径のガ
ラス繊維よりなる基層を全体の８０〜９５％程度に形成
するのが好ましい。
【００２３】なお、アクリル樹脂等のバインダー樹脂の
含浸量は、ガラス繊維重量に対して８〜１６重量％程度
とするのが好ましい。
含浸量は、ガラス繊維重量に対して８〜１６重量％程度
とするのが好ましい。
【００２４】本発明の湿式ガラスマットにおいて、細径
のガラス繊維で構成される表面層はガラスマットの両面
に設けることも可能ではあるが、一般にはガラスマット
の一方の面にのみ設ければ十分である。
のガラス繊維で構成される表面層はガラスマットの両面
に設けることも可能ではあるが、一般にはガラスマット
の一方の面にのみ設ければ十分である。
【００２５】
【作用】図６に示す如く、太径のガラス繊維Ｗのみを用
いた従来の湿式ガラスマット３０は、その両面にガラス
繊維Ｗの突出があり滑り性が悪い。このガラス繊維の突
出を防止して滑り性を良くするために、長いガラス繊維
を用いるとガラスマットの地合いムラを生じ、また、細
径のガラス繊維を用いた場合には、コストアップや電池
性能の低下を引き起こす。
いた従来の湿式ガラスマット３０は、その両面にガラス
繊維Ｗの突出があり滑り性が悪い。このガラス繊維の突
出を防止して滑り性を良くするために、長いガラス繊維
を用いるとガラスマットの地合いムラを生じ、また、細
径のガラス繊維を用いた場合には、コストアップや電池
性能の低下を引き起こす。
【００２６】本発明においては、太径のガラス繊維の層
と細径のガラス繊維の層とを抄き合せて、太径のガラス
繊維の抄紙層よりなる基層の表面に細径のガラス繊維の
抄紙層よりなる緻密な表面層を形成する。
と細径のガラス繊維の層とを抄き合せて、太径のガラス
繊維の抄紙層よりなる基層の表面に細径のガラス繊維の
抄紙層よりなる緻密な表面層を形成する。
【００２７】このため、図２に示す如く、細径のガラス
繊維Ｓの抄紙層（１０Ａ）を設けた側の表面１０ａの滑
り性が改善され、電池の組立加工性が向上する。
繊維Ｓの抄紙層（１０Ａ）を設けた側の表面１０ａの滑
り性が改善され、電池の組立加工性が向上する。
【００２８】しかも、この細径のガラス繊維は表面層の
みに用いるため、細径のガラス繊維を用いることによる
コストアップを抑えることができ、また、電池性能の低
下も防止することができる。
みに用いるため、細径のガラス繊維を用いることによる
コストアップを抑えることができ、また、電池性能の低
下も防止することができる。
【００２９】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
り具体的に説明する。
【００３０】なお、実施例及び比較例における各種物性
及び特性の測定方法は次の通りである。
及び特性の測定方法は次の通りである。
【００３１】 目付：ＪＩＳＰ８１２４による。試験
片寸法を測定後、質量を計量して次式で計算する。 目付：試験片質量（ｇ）÷試験片面積（ｍ2 ） 厚み：ＪＩＳＣ２３２３による。２０Ｋｇ／１００
ｃｍ2 の加圧がかかるダイヤルゲージ又は同等の測定治
具にて測定を行う。 密度：目付÷厚み÷１０００にて算出。 滑り性：湿式ガラスマットと合成セパレータをホッ
トメルト樹脂又はゴム系接着剤で貼り合わせた試料を準
備する。１００ｍｍ×１００ｍｍの試料を２枚採取し、
測定台の上に一方の試料を敷き、その端縁に幅１０ｍｍ
に５Ｋｇの押さえ用の重しを載せる。他方の試料をその
上に敷き（２枚の試料の重なり面積は９０ｍｍ×１００
ｍｍ）、更にベーク板（１００ｍｍ×１００ｍｍ）を敷
いてその上に荷重をかける。間に挟まれた試料をプッシ
ュプルゲージを介して引っ張り、試料が動き始めた時の
プッシュプルゲージの荷重を読む。 電気抵抗：ＪＩＳＣ２３１３に準じる。
片寸法を測定後、質量を計量して次式で計算する。 目付：試験片質量（ｇ）÷試験片面積（ｍ2 ） 厚み：ＪＩＳＣ２３２３による。２０Ｋｇ／１００
ｃｍ2 の加圧がかかるダイヤルゲージ又は同等の測定治
具にて測定を行う。 密度：目付÷厚み÷１０００にて算出。 滑り性：湿式ガラスマットと合成セパレータをホッ
トメルト樹脂又はゴム系接着剤で貼り合わせた試料を準
備する。１００ｍｍ×１００ｍｍの試料を２枚採取し、
測定台の上に一方の試料を敷き、その端縁に幅１０ｍｍ
に５Ｋｇの押さえ用の重しを載せる。他方の試料をその
上に敷き（２枚の試料の重なり面積は９０ｍｍ×１００
ｍｍ）、更にベーク板（１００ｍｍ×１００ｍｍ）を敷
いてその上に荷重をかける。間に挟まれた試料をプッシ
ュプルゲージを介して引っ張り、試料が動き始めた時の
プッシュプルゲージの荷重を読む。 電気抵抗：ＪＩＳＣ２３１３に準じる。
【００３２】 ガス抜け性：５ｃｍ×５ｃｍの鉛板３
１を２枚と湿式ガラスマット試料３２を準備し、これを
図７に示す如く、透明アクリル樹脂容器３３にセット
し、比重１．２８の希硫酸３４をいれ、５Ａの電流を流
す。電流を流す前の液面と流した後の液面を測定し、差
の大きいものから順に下記ランク付けで評価した。
１を２枚と湿式ガラスマット試料３２を準備し、これを
図７に示す如く、透明アクリル樹脂容器３３にセット
し、比重１．２８の希硫酸３４をいれ、５Ａの電流を流
す。電流を流す前の液面と流した後の液面を測定し、差
の大きいものから順に下記ランク付けで評価した。
【００３３】○＝差が少ない（ガス抜けが良い） △＝○と×の間 ×＝差が大きい（ガス抜けが悪い） 実施例１ 図１に示す抄造装置により、本発明の湿式ガラスマット
を製造した。なお、抄紙機としてはサンディヒル社製の
ロトフォーマー抄紙機２台を用いた。
を製造した。なお、抄紙機としてはサンディヒル社製の
ロトフォーマー抄紙機２台を用いた。
【００３４】太径ガラス繊維として、平均直径１９μｍ
でカット長５０ｍｍの含アルカリガラス繊維を用い、細
径ガラス繊維として平均直径１１μｍでカット長２０ｍ
ｍの含アルカリガラス繊維を用い、各々、粘剤、分散剤
を含む抄紙白水中で分散させた（以下、太径ガラス繊維
を分散させた抄紙白水を「原料Ａ」と称し、細径ガラス
繊維を分散させた抄紙白水を「原料Ｂ」と称す。）。
でカット長５０ｍｍの含アルカリガラス繊維を用い、細
径ガラス繊維として平均直径１１μｍでカット長２０ｍ
ｍの含アルカリガラス繊維を用い、各々、粘剤、分散剤
を含む抄紙白水中で分散させた（以下、太径ガラス繊維
を分散させた抄紙白水を「原料Ａ」と称し、細径ガラス
繊維を分散させた抄紙白水を「原料Ｂ」と称す。）。
【００３５】この原料Ａを抄紙機１に、原料Ｂを抄紙機
２に各々仕込み、抄紙、抄き合せした後、アクリル樹脂
をガラス繊維重量に対して１３重量％の割合で付着させ
乾燥後切断した。
２に各々仕込み、抄紙、抄き合せした後、アクリル樹脂
をガラス繊維重量に対して１３重量％の割合で付着させ
乾燥後切断した。
【００３６】得られたガラスマットの目付、厚みは表１
に示す通りである。なお、太径のガラス繊維よりなる基
層の目付は７４ｇ／ｍ2 ，厚さは約０．５ｍｍであり、
細径のガラス繊維よりなる表面層の目付は１０ｇ／ｍ
2 、厚さは約０．１ｍｍであった。
に示す通りである。なお、太径のガラス繊維よりなる基
層の目付は７４ｇ／ｍ2 ，厚さは約０．５ｍｍであり、
細径のガラス繊維よりなる表面層の目付は１０ｇ／ｍ
2 、厚さは約０．１ｍｍであった。
【００３７】このガラスマットは、図２に示す如く、基
層側にはガラス繊維の突出があったが、表面層側は滑ら
かであった。
層側にはガラス繊維の突出があったが、表面層側は滑ら
かであった。
【００３８】得られたガラスマットの各種物性／及び特
性の測定結果を表１に示す。
性の測定結果を表１に示す。
【００３９】比較例１ 平均直径１９μｍでカット長５０ｍｍの含アルカリガラ
ス繊維のみを用いて、１台の抄紙機にて実施例１と同様
の方法で湿式ガラスマットを作成した。
ス繊維のみを用いて、１台の抄紙機にて実施例１と同様
の方法で湿式ガラスマットを作成した。
【００４０】得られたガラスマットの目付は８１ｇ／ｍ
2 で、厚みは０．６０ｍｍであり、このガラスマット
は、図６に示す如く、両表面にガラス繊維の突出がみら
れた。
2 で、厚みは０．６０ｍｍであり、このガラスマット
は、図６に示す如く、両表面にガラス繊維の突出がみら
れた。
【００４１】得られたガラスマットの各種物性／及び特
性の測定結果を表１に示す。
性の測定結果を表１に示す。
【００４２】比較例２ 平均直径１６μｍでカット長３０ｍｍの含アルカリガラ
ス繊維を用いて比較例１と同様の方法で湿式ガラスマッ
トを作成した。
ス繊維を用いて比較例１と同様の方法で湿式ガラスマッ
トを作成した。
【００４３】得られたガラスマットの各種物性／及び特
性の測定結果を表１に示す。
性の測定結果を表１に示す。
【００４４】比較例３ 平均直径１３μｍでカット長１８ｍｍの含アルカリガラ
ス繊維のみを用いて比較例１と同様の方法で（ただし、
バインダー付着量はガラス繊維に対して１２重量％）湿
式ガラスマットを作成した。
ス繊維のみを用いて比較例１と同様の方法で（ただし、
バインダー付着量はガラス繊維に対して１２重量％）湿
式ガラスマットを作成した。
【００４５】得られたガラスマットの各種物性／及び特
性の測定結果を表１に示す。
性の測定結果を表１に示す。
【００４６】
【表１】
【００４７】表１より、本発明の湿式ガラスマットは、
滑り性が良好でしかも電気抵抗が小さく、ガス抜け性に
も優れたガラスマットであることが明らかである。
滑り性が良好でしかも電気抵抗が小さく、ガス抜け性に
も優れたガラスマットであることが明らかである。
【００４８】これに対して、太径のガラス繊維のみを用
いた比較例１では、電気抵抗，ガス抜け性は良好である
が滑り性が著しく劣る。
いた比較例１では、電気抵抗，ガス抜け性は良好である
が滑り性が著しく劣る。
【００４９】比較的細径のガラス繊維のみを用いた比較
例３では、滑り性は良好であるが電気抵抗が大きく、ま
たガス抜け性も悪い。しかも、この場合は高価なガラス
繊維によるコストアップの問題もある。
例３では、滑り性は良好であるが電気抵抗が大きく、ま
たガス抜け性も悪い。しかも、この場合は高価なガラス
繊維によるコストアップの問題もある。
【００５０】中細径のガラス繊維のみを用いた比較例２
では、滑り性、電気抵抗、ガス抜け性のいずれにおいて
も十分な結果は得られない。
では、滑り性、電気抵抗、ガス抜け性のいずれにおいて
も十分な結果は得られない。
【００５１】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の湿式ガラス
マット及びその製造方法によれば、表面の滑り性が良好
で電池組立加工性に優れる上に、高性能の電池を得るこ
とができ、しかも安価なガラスマットが提供される。
マット及びその製造方法によれば、表面の滑り性が良好
で電池組立加工性に優れる上に、高性能の電池を得るこ
とができ、しかも安価なガラスマットが提供される。
【図１】本発明の湿式ガラスマットの製造に好適な抄造
装置を示す模式的構成図である。
装置を示す模式的構成図である。
【図２】本発明の実施例に係る湿式ガラスマットの断面
を模式的に示す図である。
を模式的に示す図である。
【図３】本発明の湿式ガラスマットと合成セパレータと
の貼り合せ方法を示す模式図である。
の貼り合せ方法を示す模式図である。
【図４】電池の組立時のガラスマット／合成セパレータ
貼り合せ品の積層方法を示す模式図である。
貼り合せ品の積層方法を示す模式図である。
【図５】ガラスマット／合成セパレータ貼り合せ品の製
造方法の一例を示す模式的構成図である。
造方法の一例を示す模式的構成図である。
【図６】従来の湿式ガラスマットの断面を模式的に示す
図である。
図である。
【図７】湿式ガラスマットのガス抜け性の測定方法を示
す模式図である。
す模式図である。
１，２ 抄紙機 ３ スプレー装置 ４ 熱風乾燥炉 ５ カッター ６ 集積機 １０ ガラスマット １０Ａ 表面層 １０Ｂ 基層 ２０ 合成セパレータ ２５ ガラスマット／合成セパレータ貼り合せ品 Ｗ 太径ガラス繊維 Ｓ 細径ガラス繊維
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ２１Ｈ 27/30 13/40 Ｄ２１Ｈ 5/00 Ｇ
Claims (2)
- 【請求項１】 ガラス繊維を抄紙して得られる湿式ガラ
スマットにおいて、太径のガラス繊維で構成される基層
と、細径のガラス繊維で構成される表面層とで構成され
ることを特徴とする湿式ガラスマット。 - 【請求項２】 請求項１に記載の湿式ガラスマットを製
造する方法であって、太径のガラス繊維の層と細径のガ
ラス繊維の層とを抄き合せることを特徴とする湿式ガラ
スマットの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6322385A JPH08180851A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 湿式ガラスマット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6322385A JPH08180851A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 湿式ガラスマット及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08180851A true JPH08180851A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18143073
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6322385A Pending JPH08180851A (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 湿式ガラスマット及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08180851A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011238492A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 密閉型鉛蓄電池用セパレータ及び密閉型鉛蓄電池 |
| US8846252B2 (en) | 2009-02-26 | 2014-09-30 | Johnson Controls Technology Company | Battery electrode and method for manufacturing same |
| US10581046B2 (en) | 2008-12-18 | 2020-03-03 | Clarios Germany Gmbh & Co. Kgaa | Laminar textile material for a battery electrode |
| CN114843699A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-08-02 | 沁阳市立标滤膜有限公司 | 一种复合agm隔板的生产工艺以及复合成型机 |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP6322385A patent/JPH08180851A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10581046B2 (en) | 2008-12-18 | 2020-03-03 | Clarios Germany Gmbh & Co. Kgaa | Laminar textile material for a battery electrode |
| US11233293B2 (en) | 2008-12-18 | 2022-01-25 | Clarios Germany Gmbh & Co. Kg | Laminar textile material for a battery electrode |
| US8846252B2 (en) | 2009-02-26 | 2014-09-30 | Johnson Controls Technology Company | Battery electrode and method for manufacturing same |
| US10044043B2 (en) | 2009-02-26 | 2018-08-07 | Johnson Controls Technology Company | Fiber scrim, battery electrode and method for manufacturing same |
| JP2011238492A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-11-24 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 密閉型鉛蓄電池用セパレータ及び密閉型鉛蓄電池 |
| CN114843699A (zh) * | 2022-04-08 | 2022-08-02 | 沁阳市立标滤膜有限公司 | 一种复合agm隔板的生产工艺以及复合成型机 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |