JPH08176522A - 難燃性接着剤および難燃性接着シート - Google Patents

難燃性接着剤および難燃性接着シート

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JPH08176522A
JPH08176522A JP6325412A JP32541294A JPH08176522A JP H08176522 A JPH08176522 A JP H08176522A JP 6325412 A JP6325412 A JP 6325412A JP 32541294 A JP32541294 A JP 32541294A JP H08176522 A JPH08176522 A JP H08176522A
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JP
Japan
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flame
molecular weight
retardant
thermoplastic high
retardant adhesive
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JP6325412A
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Takatoshi Yosomiya
隆俊 四十宮
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐ブロッキング性に優れるとともに高い接着
力を有し、しかも燃焼しても有毒ガスを発生することの
ない難燃性接着剤およびそれを用いた難燃性接着シート
を提供する。 【構成】 次式〔I〕で求められる平均推測ガラス転移
点を有する熱可塑性高分子量ポリエステルと、少なくと
も臭素化エチレン系化合物からなる難燃剤成分とからな
る難燃性接着剤であり、また、この難燃性接着剤からな
る接着剤層を絶縁性基材フィルム上に積層してなる難燃
性接着シートである。 【数1】 (ただし、上記式〔I〕において、Tgn は、第n成分
としての熱可塑性高分子量ポリエステルのガラス転移点
であり、Wn は第n成分としての熱可塑性高分子量ポリ
エステルの重量であり、Wは熱可塑性高分子量ポリエス
テルの合計重量である)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性接着剤および難燃
性接着シートに関し、特にAV機器、OA機器等の内部
配線に使用されるフラットケーブルを形成する被覆材の
用途に適したポリエステル系の難燃性接着剤およびこの
難燃性接着剤を用いた難燃性接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】フラットケーブルは、AV機器、OA機
器等の内部配線に使用されている。このフラットケーブ
ルは、例えば図1に示すように、2枚のフィルム10の
間に導体13を挟持させた構造を有し、各フィルム10
は基材11の一方の面に接着剤層12が形成され、各フ
ィルム10は接着剤層12同士で貼り合わされている。
【0003】このようなフラットケーブル1は、アルミ
ニウム等の金属線からなる幅0.5〜1mm、厚さ70
〜150μm程度の複数の導体13を平行に配置し、基
材シート11の一方の面に難燃剤を含む接着剤層12を
設けた難燃性接着シートを、上下方向から接着剤層が対
向するように配置して熱ラミネートすることにより製造
することができる。
【0004】ところで、このようなフラットケーブル1
を製造するための難燃性接着シートには、難燃性や接着
性が必要になることは勿論、巻回されて保管、移送され
ることから、巻回したシートが保管時に接着しないとい
う特性(耐ブロッキング性)が必要になる。
【0005】また、ブロッキングを防止するために、例
えば特公平1−46545号公報には、ポリエステルフ
ィルムからなる基材フィルムの上にポリエステルウレタ
ン系プライマーを塗布し、このプライマー上に特定のポ
リエステル樹脂を主な樹脂成分とする接着剤層を形成し
た難燃性接着シートが開示されている。この難燃性接着
シートには二酸化珪素(SiO2 、無水珪酸)が配合さ
れ、この二酸化珪素をアンチブロッキング剤として使用
している。また、特開平6−71802号公報には、同
様に二酸化珪素を添加し、硬化剤として2種類以上のイ
ソシアネート基を有する化合物を適量配合している。
【0006】さらに、特開平3−210377号公報に
は、ブロッキング防止剤として珪酸を含有しないポリエ
ステル系接着剤を基材シートに積層し、その上にブロッ
キング防止剤として珪酸を添加した別のポリエステル系
接着剤を塗工することにより製造される接着シートが開
示されている。また、特開平6−179853号公報に
も同等の技術が開示されている。 このように、従来の
難燃性接着シートはいずれも接着剤層にブロッキング防
止剤としてSiO2 が添加されているものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように接着剤層にSiO2 を添加すると、接着シートの
接着特性は低下し、特にフラットケーブルでは導線との
接着不良が問題となることがある。
【0008】また、難燃剤に用いられることのあるデカ
ブロモ・ジフェニル・エーテル(DBDE)等のポリブ
ロモ・ジフェニル・エーテル(PBDE)は一旦燃え出
すと、例えば臭素化ジベンゾダイオキシンや臭素化ジベ
ンゾフラン等の有毒ガスを発生する危険性が高いことか
ら、ポリブロモ・ジフェニル・エーテル(PBDE)を
他の難燃剤で代替することが望ましい。
【0009】本発明はかかる事情に基づいてなされたも
のであり、本発明の目的は従来からアンチブロッキング
剤として使用されていた二酸化珪素を使用することな
く、耐ブロッキング性に優れた難燃性接着剤およびこの
難燃性接着剤を用いた難燃性接着シートを提供するとと
もに、一旦燃え出すと、例えば臭素化ジベンゾダイオキ
シンや臭素化ジベンゾフラン等の有毒ガスを発生する危
険性が高いデカブロモ・ジフェニル・エーテル(DBD
E)等のポリブロモ・ジフェニル・エーテル(PBD
E)を使用することなく、難燃性に優れた接着剤および
この接着剤を用いた難燃性接着シートを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の難燃性接着剤は、次式〔I〕;
【0011】
【数3】 (ただし、上記式〔I〕において、Tgn は、第n成分
としての熱可塑性高分子量ポリエステルのガラス転移点
であり、Wn は第n成分としての熱可塑性高分子量ポリ
エステルの重量であり、Wは熱可塑性高分子量ポリエス
テルの合計重量である)。で求められる平均推測ガラス
転移点を有する熱可塑性高分子量ポリエステルと、少な
くとも臭素化エチレン系化合物からなる難燃剤成分とか
らなる構成とし、必要に応じ、前記難燃剤成分が金属水
酸化物5〜60重量部と、臭素化エチレン系化合物7.
5〜30重量部と、酸化アンチモン0〜40重量部とを
含有し、この難燃剤成分を前記熱可塑性高分子量ポリエ
ステル30〜45重量部に配合してなる構成とし、さら
に要すれば、前記臭素化エチレン系化合物がエチレンビ
ス・ペンタブロモ・ジフェニールである構成とした。
【0012】また、本発明の難燃性接着シートは、次式
〔II〕;
【0013】
【数4】 (ただし、上記式〔II〕において、Tgn は、第n成分
としての熱可塑性高分子量ポリエステルのガラス転移点
であり、Wn は第n成分としての熱可塑性高分子量ポリ
エステルの重量であり、Wは熱可塑性高分子量ポリエス
テルの合計重量である)。で求められる平均推測ガラス
転移点を有する熱可塑性高分子量ポリエステルと、少な
くとも臭素化エチレン系化合物からなる難燃剤成分とか
らなる難燃性組成物からなる接着剤層が、絶縁性基材フ
ィルム上に積層されている構成とし、必要に応じ、前記
難燃性組成物が、前記熱可塑性高分子量ポリエステル3
0〜45重量部に対し、金属水酸化物5〜60重量部、
臭素化エチレン系化合物7.5〜30重量部、酸化アン
チモン0〜40重量部を配合してなる構成とし、さらに
要すれば、前記臭素化エチレン系化合物がエチレンビス
・ペンタブロモ・ジフェニールである構成とし、あるい
はさらに前記絶縁性基材フィルムがポリエステルフィル
ムである構成とした。
【0014】
【作用】本発明の難燃性接着剤は、特定の式で定義され
る平均推測ガラス転移点が特定の範囲にある熱可塑性高
分子量ポリエステルと少なくとも臭素化エチレン系化合
物を含有する難燃剤成分とからなり、必要に応じ、熱可
塑性高分子量ポリエステルと、金属水酸化物と、さらに
要すれば酸化アンチモンとを、それぞれ特定の割合で含
有しているので、二酸化珪素(SiO2 )のような無機
粒子からなるアンチブロッキング剤を使用しなくとも良
好なアンチブロッキング性を発揮する。また、この難燃
性接着剤は難燃剤として臭素化エチレン系化合物を使用
し、デカブロモ・ジフェニル・エーテル(DBDE)等
のポリブロモ・ジフェニル・エーテル(PBDE)を含
有していないことから、燃焼の際に臭素化ジベンゾフラ
ン等の有毒ガスを発生しない。
【0015】したがって、このような難燃性接着剤を用
いた本発明の難燃性接着シートを使用して例えばフラッ
トケーブルを形成すれば、このシートは導線との接着性
が高く、しかも、この難燃性接着シートを巻回して保存
しても、このシートがブロッキングを起こすことは確実
に防止される。また、この難燃性接着シートは接着剤層
にデカブロモ・ジフェニル・エーテル(DBDE)等の
ポリブロモ・ジフェニル・エーテル(PBDE)を含有
していないことから、燃焼の際に臭素化ジベンゾフラン
等の有毒ガスを発生することがない。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例を示し、本発明の難燃性
接着剤および難燃性接着シートについて具体的に説明す
る。
【0017】本発明の難燃性接着剤は、特定の熱可塑性
高分子量ポリエステルと、少なくとも臭素化エチレン系
化合物を含有する難燃剤成分とからなる。前記熱可塑性
高分子量ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとの
縮合反応により得られるポリエステルである。ここで、
ポリエステルを形成するジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフ
タレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸、ヘキ
サメチレンジカルボン酸のような脂環族ジカルボン酸、
アジピン酸のような脂肪族ジカルボン酸およびこれらの
エステルを挙げることができる。また、上記のようなジ
カルボン酸と縮合するジオールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等
の脂肪族ジオールのほか、脂環族ジオール、および芳香
族ジオールを挙げることができる。
【0018】本発明において熱可塑性高分子ポリエステ
ルは、上記のようなジカルボン酸とジオールとの縮合物
であっても、さらに複数のジカルボン酸あるいはジカル
ボン酸の縮合した共縮合物であってもよい。さらに、こ
のポリエステルが熱可塑性を損なわない範囲内で、三価
以上の多価カルボン酸、多価オールが共縮合していても
よい。
【0019】このようなポリエステルの重量平均分子量
は、通常、2,000〜30,000の範囲内にあり、
好ましくは10,000〜30,000の範囲内にあ
る。このポリエステルは結晶性を有しており、そのガラ
ス転移点は、通常は−18〜72℃の範囲内にある。
【0020】本発明においては、このようなポリエステ
ルを二種類以上使用し、こうして組み合わされた熱可塑
性高分子量ポリエステルについて下記式〔I〕で求めら
れる平均推測ガラス転移点が下記式〔I〕を満足するよ
うに組み合わせて使用する。
【0021】
【数5】 (ただし、上記式〔I〕において、Tgn は、第n成分
としての熱可塑性高分子量ポリエステルのガラス転移点
であり、Wn は第n成分としての熱可塑性高分子量ポリ
エステルの重量であり、Wは熱可塑性高分子量ポリエス
テルの合計重量である)。
【0022】すなわち、上記式〔I〕で算出される平均
推測ガラス転移点が37℃以上になるように複数のポリ
エステルを組み合わせて使用することにより、この接着
剤が塗設された難燃性接着シートを巻回して保管しても
この難燃性接着シートの接着剤層が巻き回された前周回
のシートの基材と接着することを防止することができ
る。
【0023】さらに、この平均推測ガラス転移点が、3
7〜60℃の範囲内になるように複数のポリエステルを
組み合わせて使用することが好ましい。例えば、ガラス
転移点が67℃のポリエステル[例:東洋紡(株)製、
バイロン200]20重量部とガラス転移温度が10℃
のポリエステル[例:同、バイロン300]20重量部
とを組み合わせた熱可塑性高分子量ポリエステルの平均
推測ガラス転移温度は、38.5℃である。
【0024】本発明の難燃性接着剤には、上記のような
特定の熱可塑性高分子量ポリエステルを30〜45重量
部配合されていることが好ましく、さらにこの熱可塑性
高分子量ポリエステルを35〜40重量部の範囲内の量
で配合されていることが特に好ましい。上記のような量
で熱可塑性高分子量ポリエステルを使用することによ
り、良好な接着性が発現する。
【0025】本発明の難燃性接着剤には、難燃剤成分と
して少なくとも臭素化エチレン系化合物が含有されてい
る。この臭素化エチレン系化合物には、エチレンビス・
ペンタブロモ・ジフェニール、ビス・トリブロモ・フェ
ノキシ・エタン、エチレンビス・テトラブロモ・フタル
イミド等があるが、本発明では、特にエチレンビス・ペ
ンタブロモ・ジフェニールを使用することが好ましい。
このエチレンビス・ペンタブロモ・ジフェニールは、臭
素含有率が82%であり、軟化温度が345℃であり、
有機溶剤に不溶性を示す。このような臭素化エチレン系
化合物は、7.5〜30重量部の範囲内の量で使用する
ことが好ましく、さらに13.5〜22.5重量部の量
で使用することが特に好ましい。このような量で臭素化
エチレン系化合物を使用することにより、この接着剤が
非常に良好な難燃性を示す。
【0026】前記難燃剤成分は、この臭素化エチレン系
化合物とともに金属水酸化物を含有していてもよい。金
属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム等が
挙げられるが、これらのなかでも、好ましいのは水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウムである。水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウムは、難燃性に優れ、コス
トの点でも有利だからである。すなわち、本発明では水
酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムの両者を組
み合わせて使用することもできるし、水酸化アルミニウ
ムまたは水酸化マグネシウムのいずれか一方を使用する
こともできる。
【0027】本発明で使用される金属水酸化物は、その
平均粒子径が通常は0.1〜25μm、好ましくは0.
5〜15μmの範囲内にある。本発明の難燃性接着剤中
には、上記の金属水酸化物が5〜60重量部の範囲内の
量で配合されていることが好ましく、さらに7.5〜4
5重量部の量で配合されていることが特に好ましい。こ
のような量で使用することにより、本発明の難燃性接着
剤が良好な難燃性を有するようになるとともに、この難
燃性接着剤を廉価に製造することができる。
【0028】さらに、本発明の難燃性接着剤には、0〜
40重量部、好ましくは4〜30重量部の量で酸化アン
チモンを配合することができる。この酸化アンチモン
は、臭素化エチレン系化合物に対する難燃性助剤であ
り、このような量で酸化アンチモンを使用することによ
り、本発明の難燃性接着剤の難燃性がさらに向上する。
ここで、酸化アンチモンには、三酸化アンチモン、四酸
化アンチモン、五酸化アンチモン等があるが、通常、三
酸化アンチモンが一般的である。
【0029】なお、本発明の難燃性接着剤において、上
記熱可塑性高分子量ポリエステル、金属水酸化物、臭素
化エチレン系化合物および必要により配合される酸化ア
ンチモンの合計の含有量は100重量部である。また、
金属水酸化物、さらには酸化アンチモンを用いる場合、
これら無機充填剤は合わせて30〜60重量部の範囲内
の量で使用することが好ましく、さらに35〜55重量
部の範囲内の量で使用することが特に好ましい。
【0030】本発明の難燃性接着剤は、上記のような成
分からなるが、さらにこの難燃性接着剤の特性を損なわ
ない範囲内で、他の成分を含有していてもよい。例え
ば、難燃性化合物として、さらに臭素化エポキシオリゴ
マー、ヘキサブロモシクロドデカン、ポリ・ペンタブロ
モベンジルアクリレート、ホウ酸亜鉛等を挙げることが
できる。
【0031】さらに、この本発明の難燃性接着剤には、
粘着付与剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、着色剤等を配合
することもできる。本発明の難燃性接着剤においては、
熱可塑性高分子量ポリエステルが特定の平均推測ガラス
転移点を有しているので、優れた耐ブロッキング性を有
し、従来から使用されていた二酸化珪素(SiO2 )の
ような無機系のアンチブロッキング剤を使用することを
特に必要としない。しかしながら、本発明の難燃性接着
剤の特性を損なわない範囲内で無機系のアンチブロッキ
ング剤を併用することも可能である。
【0032】本発明の難燃性接着剤は、通常、メチルエ
チルケトン、トルエン、キシレン、イソプロパノール
等、熱可塑性高分子ポリエステルを溶解もしくは分散可
能な有機溶媒に混合もしくは分散させ、次いでこの有機
溶媒溶液もしくは分散溶液に他の成分を混合した後、例
えばロールミル等を用いて各成分を均一に分散させるこ
とにより製造され、液状で用いられる。この液状接着剤
における固形分濃度は特に限定されるものではないが、
通常、約10〜80重量%であり、好ましくは40〜4
9重量%である。
【0033】上記のような難燃性接着剤は、難燃性を要
求される用途にそのまま使用することができるが、この
難燃性接着剤からなる接着剤層と絶縁性基材フィルムと
を積層することにより、フラットケーブルを形成するの
に特に適した難燃性接着シートとすることができる。
【0034】すなわち、本発明の難燃性接着シートは、
上記の難燃性接着剤からなる接着剤層が、絶縁性基材フ
ィルムに積層されたシートである。ここで使用される絶
縁性基材フィルムは、難燃性接着剤を形成する樹脂との
接着性を考慮するとポリエステルが好ましく、通常はポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のポリアルキレンテレフタレートが使用される。この
絶縁性基材フィルムの厚さは、通常は8〜80μm、好
ましくは10〜60μmの範囲内にある。上記のような
厚さにすることにより、本発明の難燃性接着シートに必
要とされる強度を付与することができるとともに、この
難燃性接着シートに良好な可撓性を付与することができ
る。この絶縁性基材フィルムは、延伸フィルムであって
もよいし、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向
上させる目的で2軸延伸された2軸延伸フィルムが好ま
しい。
【0035】本発明の難燃性接着シートは、この絶縁性
基材フィルム上に、上述の難燃性接着剤を直接塗設する
こともできるが、この絶縁性基材シート上にプライマー
層を介して難燃性接着剤からなる層を形成することが好
ましい。プライマー層は、例えば、2,4-トリレンジイソ
シアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン-4,4´-ジイソシアネート、ポリメチレンポリ
フェニルジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソ
シアネート等の多官能イソシアネート、これらのイソシ
アナートのポリオール変性物、カルボジイミド変性物、
これらのイソシアネートをアルコール、フェノール、ア
ミン等でマスクしたブロック型イソシアネートなどを絶
縁性基材フィルムの一方の面に塗布するか、2軸延伸基
材フィルムの場合には、1軸縦延伸の直後にインライン
塗工することにより易接着ポリエステルの形態で形成す
ることができる。
【0036】このようなプライマー層の厚さは通常は
0.1〜5μmの範囲内にある。このようにして形成さ
れたプライマー層を介して、あるいはプライマー層を介
することなく、絶縁性基材フィルムの一方の面上に、溶
剤に溶解または分解した難燃性接着剤をロールコート、
コンマコートなどの方法で塗布し、しかる後、溶剤を除
去して接着剤層を形成する。
【0037】こうして形成される難燃性接着剤からなる
接着剤層の厚さは、通常は20〜90μm、好ましくは
30〜60μmの範囲内にある。上記のような構成を有
する本発明の難燃性接着シートは、巻回されて貯蔵、移
送される。すなわち、この難燃性接着シートは、難燃性
接着剤層と、接着剤層が形成されていない絶縁性基材フ
ィルムの面とが接触した状態で長時間置かれるが、本発
明の難燃性接着シートの接着剤層は、特定の平均推測ガ
ラス転移点を有する熱可塑性高分子量ポリエステルを用
いて形成され、かつ溶剤に不溶な難燃剤が添加されてい
るため、例えば二酸化珪素(SiO2 )のような無機粒
子系のアンチブロッキング剤を使用しなくともブロッキ
ングが発生しにくい。さらに、二酸化珪素(SiO2
のような無機粒子系のアンチブロッキング剤は、接着剤
層の接着力を低下させるように作用するが、本発明の難
燃性接着シートにおいては、ポリエステルの平均推測ガ
ラス転移点を調整することにより難燃性接着テープのブ
ロッキング特性を調整しており、無機粒子系のアンチブ
ロッキング剤でブロッキング特性を発現させているので
はないので、本発明の難燃性接着シートは、優れた接着
性を示す。
【0038】この難燃性接着シートを用いてフラットケ
ーブルを製造することができる。すなわち、図1に示す
ように、まず、絶縁性基材フィルム11の一方の面に難
燃性接着剤層12が形成された本発明の難燃性接着シー
ト1を二枚用意する。この二枚の難燃性接着シート1
0,10の間に、金属線あるいは金属箔等の導体13を
配置する。このとき難燃性接着シート10,10は、こ
の難燃性接着シート10の難燃性接着剤層12が対向す
るように配置する。こうして導体13を挟持した状態
で、難燃性接着シート10,10を加熱圧着して、難燃
性接着剤層12,12を相互に接着させると共に、この
導体13とも一体化することにより、フラットケーブル
1を製造することができる。
【0039】このときの圧着温度は通常は150〜16
0℃、圧着圧力は7〜20kg/cm2であり、スピード1
〜1.5m/分の条件で製造される。こうして得られた
フラットケーブルは、難燃性に優れると共に、難燃性接
着シート間、および難燃性接着剤層と導体との間が高い
接着強度で接着されており、このフラットケーブルは長
期間安定に使用することができる。また使用された後の
フラットケーブルを熱等により分解する際に有毒ガスが
発生しない。
【0040】次に実験例を示し、本発明についてさらに
詳細に説明する (実験例1)表1に示すように、第1の熱可塑性高分子
量ポリエステル[東洋紡(株)製、商品名:バイロン2
00(Tg:67℃))20重量部と、第2の熱可塑性
高分子量ポリエステル[東洋紡(株)製、商品名:バイ
ロン300(Tg:10℃)]20重量部とをメチルエ
チルケトン/トルエン=1:1の混合溶媒中に溶解して
固形分52%の溶液を調製した。この第1の熱可塑性高
分子量ポリエステルと第2の熱可塑性高分子量ポリエス
テルとを混合することによる式〔I〕で算出される平均
推測ガラス転移点は38.5℃である。
【0041】この溶液に、難燃剤としてエチレンビス・
ペンタブロモ・ジフェニール(ALBEMARLE社製、SAYTEX80
10) 22.5重量部と水酸化アルミニウム(平均粒子
径:8.0μm)7.5重量部と三酸化アンチモン(S
2 3 、平均粒子径:1.0μm)30.0重量部と
を加えて混合し、ロールミルで分散させて難燃性接着剤
を調製した。
【0042】次いで、この難燃性接着剤をコンマコート
により易接着ポリエチレンテレフタレート(厚さ:25
μm、プライマー層付き易接着PET、ユニチカ(株)
製、UC−25)の上に乾燥厚さが35μmになるよう
に塗布して、難燃性接着剤層を形成して本発明の難燃性
接着シートを調製した。
【0043】こうして得られた難燃性接着シートについ
て、接着力、耐ブロッキング性及び難燃性について評価
した。結果を表1に示す。なお、上記評価項目について
の試験方法は次の通りである。
【0044】接着力 試料の塗工面が対面するように2枚の接着シートを配置
し、160℃、圧力2.0kg/cm2 、1秒間のシール条
件で両者を接着させた。こうして接着されたシートを1
5mm幅に切断し、オートグラフを使用してクロスヘッド
スピード300mm/分の引張り条件でT型剥離を行うこ
とにより接着強度を測定した。
【0045】導体−HS間接着力 厚さ18μmの銅箔に、得られた接着シートの難燃性接
着剤層が対面するように配置し、160℃、圧力2.0
kg/cm2 、1秒間のシール条件で両者を接着させた。次
いで、上記と同様にして切断された幅15mmの試料を1
5mm幅に切断し、オートグラフを使用して、クロスヘッ
ドスピード300mm/分の引張り条件でT型剥離を行う
ことにより両者の接着強度を測定して、銅箔−HS(ヒ
ートシール層すなわち難燃性接着剤層)間接着力を測定
することにより導体−HS間の接着性を評価した。
【0046】耐ブロッキング性 50mm×50mmに切断された2枚の試料を、一方の接着
剤層が他方のPET基材と対面するように配置し、3kg
/cm2 の加重をかけて、60℃、90%RHの条件で2
4時間放置した後、室温で15mm幅、300mm/分の引
張り速度でT型剥離を行うことにより、耐ブロッキング
性を測定した。
【0047】難燃性 UL規格の94VTM-0 合格条件をすべて満たす場合を
「○」とした。 (実験例2〜5および比較例3)前記実験例1におい
て、特定の平均推測ガラス転移点を有する熱可塑性高分
子量ポリエステルに代えて、表1に示すようにガラス転
移点(Tg )の異なる2種類の熱可塑性高分子量ポリエ
ステルを使用したほかは、前記実験例1と同様にして難
燃性接着シートを調製した。
【0048】こうして得られたシートについて耐ブロッ
キング性、導体−HS間接着力、接着力および難燃性に
ついて、前記実験例1と同様にして評価した。結果を表
1および表2に示す。
【0049】
【表1】 (比較例1〜2および4〜5)前記実験例1において、
特定の平均推測ガラス転移点を有する熱可塑性高分子量
ポリエステルに代えて、表1に示すようにガラス転移点
(Tg )の異なる2種類の熱可塑性高分子量ポリエステ
ルを使用すると共に、臭素化エチル、三酸化アンチモン
および水酸化アルミニウムの配合量を表1に示すように
変えたほかは、前記実験例1と同様にして難燃性接着シ
ートを調製した。
【0050】こうして得られたシートについて耐ブロッ
キング性、導体−HS間接着力、接着力および難燃性に
ついて、前記実験例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。
【0051】
【表2】 (比較例6)前記実験例1において、エチレンビス・ペ
ンタブロモ・ジフェニール(ALBEMARLE社製、SAYTEX801
0) 22.5重量部と水酸化アルミニウム(平均粒子
径:8.0μm)7.5重量部と三酸化アンチモン(S
2 3 、平均粒子径:1.0μm)30.0重量部と
からなる難燃剤成分に代えて、微粒子無水ケイ酸(Si
2 )(1次粒子径8mμ)を用いたほかは、前記実験
例1と同様にして難燃性接着シートを調製した。
【0052】こうして得られたシートについて耐ブロッ
キング性、導体−HS間接着力、接着力および難燃性に
ついて、前記実験例1と同様にして評価した。結果を表
2に示す。
【0053】結果の検討 表1から明らかなように、実験例1〜5の難燃性接着シ
ートは、比較例1〜6の難燃性接着性シートに比べて同
等もしくはそれ以上の難燃性を有しているとともに優れ
た耐ブロッキング性を有し、しかも高い接着力を有して
いることが確認された。また、比較例6の結果から、シ
リカ(SiO2 )を添加した場合、特に導体−HS間の
接着力が低下していることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明の難燃性接着剤は、特定の式で算
出される特定の平均推測ガラス転移点を有するように、
使用する熱可塑性高分子量ポリエステルを選定している
ので、二酸化珪素のような無機粒子からなるアンチブロ
ッキング剤を使用しなくとも、優れた耐ブロッキング性
を有し、この難燃性接着剤を積層した難燃性接着シート
を巻回して保管しても、このシートがブロッキングを起
こすことを防止することができる。
【0055】また、この難燃性接着剤には、二酸化珪素
粒子のような無機粒子系のアンチブロッキング剤を含有
しておらず、さらにブロッキングを防止するために、シ
リコン等の剥離性の成分も使用されていないので、この
難燃性接着剤を用いた難燃性接着シートは、良好な接着
強度で接着することができる。
【0056】しかも、このこの難燃性接着剤は、難燃剤
として臭素化エチレン系化合物を使用することによりポ
リブロモ・ジフェニル・エーテル(PBDE)の使用を
排除しているので、良好な難燃性を有するとともに、焼
却廃棄処分等の燃焼の際に例えば臭素化ジベンゾフラン
等の有毒ガスを発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】難燃性接着シートを用いて形成されたフラット
ケーブルの例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…フラットケーブル 10…難燃性接着シート 11…絶縁性基材フィルム 12…難燃性接着剤層 13…導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 7/34 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式〔I〕で求められる平均推測ガラス
    転移点を有する熱可塑性高分子量ポリエステルと、少な
    くとも臭素化エチレン系化合物からなる難燃剤成分とか
    らなることを特徴とする難燃性接着剤; 【数1】 (ただし、上記式〔I〕において、Tgn は、第n成分
    としての熱可塑性高分子量ポリエステルのガラス転移点
    であり、Wn は第n成分としての熱可塑性高分子量ポリ
    エステルの重量であり、Wは熱可塑性高分子量ポリエス
    テルの合計重量である)。
  2. 【請求項2】 前記難燃剤成分が金属水酸化物5〜60
    重量部と、臭素化エチレン系化合物7.5〜30重量部
    と、酸化アンチモン0〜40重量部とを含有し、この難
    燃剤成分を前記熱可塑性高分子量ポリエステル30〜4
    5重量部に配合してなる請求項1記載の難燃性接着剤。
  3. 【請求項3】 前記臭素化エチレン系化合物がエチレン
    ビス・ペンタブロモ・ジフェニールである請求項1また
    は請求項2記載の難燃性接着剤。
  4. 【請求項4】 次式〔II〕で求められる平均推測ガラス
    転移点を有する熱可塑性高分子量ポリエステルと、少な
    くとも臭素化エチレン系化合物からなる難燃剤成分とか
    らなる難燃性組成物からなる接着剤層が、絶縁性基材フ
    ィルム上に積層されていることを特徴とする難燃性接着
    シート; 【数2】 (ただし、上記式〔II〕において、Tgn は、第n成分
    としての熱可塑性高分子量ポリエステルのガラス転移点
    であり、Wn は第n成分としての熱可塑性高分子量ポリ
    エステルの重量であり、Wは熱可塑性高分子量ポリエス
    テルの合計重量である)。
  5. 【請求項5】 前記難燃性組成物が、前記熱可塑性高分
    子量ポリエステル30〜45重量部に対し、金属水酸化
    物5〜60重量部、臭素化エチレン系化合物7.5〜3
    0重量部、酸化アンチモン0〜40重量部を配合してな
    る請求項4記載の難燃性接着シート。
  6. 【請求項6】 前記臭素化エチレン系化合物がエチレン
    ビス・ペンタブロモ・ジフェニールである請求項4また
    は請求項5記載の難燃性接着シート。
  7. 【請求項7】 前記絶縁性基材フィルムがポリエステル
    フィルムである請求項4乃至請求項6のいずれかに記載
    の難燃性接着シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG116465A1 (en) * 1998-05-19 2005-11-28 Sony Chemicals Corp Adhesives and circuit materials using said adhesives.
JP2006043974A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Riken Technos Corp 難燃フィルム、接着性難燃フィルム及びフラットケーブル
CN114774011A (zh) * 2022-05-26 2022-07-22 广东莱尔新材料科技股份有限公司 一种用于ffc线缆的双面热熔胶膜及其制备方法

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