JPH08170737A - ゲートバルブ - Google Patents

ゲートバルブ

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JPH08170737A
JPH08170737A JP3098349A JP9834991A JPH08170737A JP H08170737 A JPH08170737 A JP H08170737A JP 3098349 A JP3098349 A JP 3098349A JP 9834991 A JP9834991 A JP 9834991A JP H08170737 A JPH08170737 A JP H08170737A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K3/00Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing
    • F16K3/02Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing with flat sealing faces; Packings therefor
    • F16K3/16Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing with flat sealing faces; Packings therefor with special arrangements for separating the sealing faces or for pressing them together
    • F16K3/20Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing with flat sealing faces; Packings therefor with special arrangements for separating the sealing faces or for pressing them together by movement of the seats
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16K3/02Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing with flat sealing faces; Packings therefor
    • F16K3/16Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing with flat sealing faces; Packings therefor with special arrangements for separating the sealing faces or for pressing them together
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    • F16K3/207Gate valves or sliding valves, i.e. cut-off apparatus with closing members having a sliding movement along the seat for opening and closing with flat sealing faces; Packings therefor with special arrangements for separating the sealing faces or for pressing them together by movement of the seats by means of hydraulic forces

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Abstract

(57)【要約】 【目的】ゲートバルブの二次シールの接圧を緩和し解除
できるようにする。 【構成】シールサポートリングと二次シール保持体との
間にバネ部材を設ける。このバネ部材が二次シールの接
圧を緩和するとともに、接圧解除時にはシール性を適度
に残存させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はゲートバルブに関し、
さらに詳しくは二次シールの接圧を緩和し解除する作動
装置を備えたゲートバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】ゲートバルブは多年にわたって一般的に
利用されており、例えば石油工業における石油および/
またはガス設備のようなさまざまな設備に採用されてい
る。しかしながら、このような従来のゲートバルブはほ
んの数千psiの圧力を伴う設備用に設計されたもので
あり、今日ではエネルギ供給源の枯渇により30,00
00psi(2,110kg/cm)或いはそれ以上
の範囲の非常な高圧下で石油やガスを探索し生産する必
要が生じてきた。このような高圧の利用によりバルブの
密封性や安全性をより高める必要性がでてきた。
【0003】従来のゲートバルブは通常、入口流路と出
口流路とこれらの間にバルブ室とを有するバルブ本体お
よびゲートから構成されている。貫通口を有するゲート
はバルブ室内に取り付けられた両側のバルブシートの間
に設けられ、バルブステムに取り付けられている。バル
ブ室はバルブ本体に固定されたボンネットにより閉ざさ
れている。バルブステムはゲートを流路を通る流れが塞
がれる閉位置と流路を通る流れが開通される開位置との
間で移動させるための往復動装置に取り付けられてボン
ネット内を往復動する。このようなバルブはアメリカ合
衆国第3,538,938号および第3,696,83
1号に示されている。
【0004】次にバルブ内におけるシールエレメントと
しては、アメリカ合衆国特許第2,957,492号お
よび第3,348,567号に示さるようなOリングや
アメリカ合衆国特許第4,264,054号に示される
ような非突出(non extrusion)シールを
利用してバルブシートとバルブ本体との間をシールする
ことも周知となっている。また、アメリカ合衆国特許第
3,696,831号に示されるようにゲートに接する
バルブシートの端部にOリングシールを設けることも周
知となっている。アメリカ合衆国特許第3,057,6
30号および第3,758,072号には高弾性Oリン
グと例えば商標名“テフロン”として知られるポリ四弗
化エチレンポリマー或いは“ナイロン”その他の低摩擦
性プラスチックリングとの組合わせによるシールリング
の形成が教示されている。さらにアメリカ合衆国特許第
3,103,366号にはポリ四弗過エチレンからなる
変形可能なプラスチックを内部に有する例えば薄いアル
ミニウムのような金属製のリングを用いて金属性リング
が僅かな溝隙間の変化にそれ自身が適合しかつ加圧時に
おけるプラスチックリングの隙間からの突出を防止する
構成が教示されている。
【0005】さらに、流体の高圧に耐えるため、ゲート
に対して金属による一次シールと弾性材による二次シー
ルとを併用するものがある。すなわち、バルブ内におい
て流路を取り巻く金属製のシートがゲートに対する金属
対金属の一次シールを形成し、さらにゲートが閉位置に
移るときに弾性シールがゲート側に動いてゲートに対す
る二次シールを形成するようにした複合シール構造が、
本願と同一発明者によるアメリカ合衆国4,377,2
73号に示されている。この先行技術に示された二次シ
ール素子はゲート側の部分をその内外周面から硬質リン
グで狭まれた1個の弾性リングであり、この弾性二次シ
ール素子をゲートの側面のカムみぞに案内されるピンを
有するシールサポートリングによって、ゲートが開位置
から閉位置へ移動するときにゲートの方へ引き寄せ、ゲ
ートが閉位置から開位置へ移動するときには、二次シー
ル素子をゲートから解放しようとする構造である。しか
しここに示された構造のみでは二次シールのゲートに対
する接圧がゲートの開位置、閉位置によって極端に変
り、弾性二次シール素子を傷付けたり、逆に流体シール
が全く作用しなくなる欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アメリカ合衆国特許第
4,377,273号において論じられているように、
ゲートバルブを用いた場合にしばしば遭遇する問題の一
つは、ゲートとバルブシートとの間に適正にシールが形
成されない場合があることである。このようにシールが
不適当であると、ゲートバルブはシール部からの漏れを
しばしば生じがちとなる。この本願と同一発明者による
アメリカ合衆国特許第4,377,273号において
は、さらにゲートバルブ用の適当なシールとして、両面
型の二方向カムを用いてシール部材のゲートへの接触を
積極的に強化したり、あるいは軽減しようとした弾性材
による二次シールの構成が開示されている。このように
してアメリカ合衆国特許第4,377,273号に開示
された構成は多くの用途において利点をもたらすものと
思われるが、さらに一次シールおよび二次シールの構成
に改良を要する点があることも見い出されている。特に
二次シールの形成に際してゲートの両面間に大きな圧力
差が生じた場合やゲートの下流側に位置している二次シ
ールの場合のような高圧条件下では、しばしば二次シー
ルがかなりの力でゲートに圧接されている時に、ゲート
が開く方向に移動されることによって弾性二次シール面
に対して引きずりが生じ、弾性二次シールの摩耗が著し
く進むこととなる。またゲートに付加的な摩擦抗力が生
ずることによってバルブを開くのに必要とされる力も増
すこととなる。このような場合にはゲートがシール面を
横切ってほぼ直線的に動くのに先立って、二次シールを
適度に解除することが可能であるのが望ましい。
【0007】すなわち、二次シール部材がゲートから完
全に引き下がる必要はなく、ゲートがバルブ開閉のため
に移動するときには、ゲートに対するシールの接圧を適
度に軽減し、シールを実質的に“不作動”状態としてバ
ルブを通る加圧流体がシールとゲートとの間をどちらか
と言えば少し流れて摩耗が防止されるようにするのが望
ましい。
【0008】さらに、バルブ本体内がほぼ無圧状態で二
次シールが十分に作用しており、次いで、圧力が上流側
から加えられた場合のような高圧条件下では、流体はこ
のような作用状態のゲート上流側二次シールから漏れな
い限り本体内バルブ室へは侵入できない。上流側二次シ
ールは機械的に作用状態とされているので、流体の圧力
負荷が機械的な力を越えないかぎりシールの作用状態が
維持される。しかし場合によっては流体圧がシールの機
械的な力に打ち勝ってシール部から噴き出すほどに大き
くなり、シール装置の弾性リングを壊してしまうことが
ある。
【0009】従って上記のような条件下では加圧流体の
作用を受ける二次シールから接圧力を漸次軽減し解除す
る機構(例えばバネ手段)を設けて、流体圧が所定の値
に達すると流体の圧力によりシールがゲートからむしろ
引き離されて、流体が弾性シール部材を損傷することな
くシール部を通って例えばバルブ室側への流出を許容す
るのが望ましい。次に、弾性材を含む二次シールへ高い
流体圧が流路から直接に作用するのを緩衝するために流
路側に設けられる一次シールにおいては、従来のバルブ
シートは金属製の1つの管状部材として形成され、その
ゲートから遠い部分をバルブ本体に圧嵌されているので
その交換、特に現地での交換が難しくなっている。この
ような嵌着シートを外すには特殊な工具が必要であり、
バルブ本体の嵌合穴と一次シートの嵌合面は取外し時に
おける両者間のこじりにより傷ついてしまう。従って一
次シートと本体間の嵌合面を傷つけることなく摩耗しや
すいゲート側の部分のみを交換可能な一次バルブシート
の提供が望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のゲートバルブ
は、基本的にはバルブ本体と、ゲートと、一次シール用
バルブシートと、二次シール装置と、二次シール装置を
ゲートに対して移動させる協働カム装置とを有し、バル
ブ本体がその内部にボンネットにより封鎖されるバルブ
室を有するとともにこのバルブ室の両側において一直線
上に配置された一対の流路を有し、かつこれら流路の各
内端周囲にバルブ室側に開放された凹溝を形成してお
り、ゲートは前記一対の流路を連通させるフローポート
と同流路を閉じる無孔部分とを有して前記バルブ室内に
配設されるとともに、その一端をバルブステムに連結さ
れてバルブが開閉する各ゲート位置の間を前記流路を横
切る経路に沿って往復動可能であり、バルブシートは前
記流路の内端周囲に形成された各凹溝のゲートから遠い
部分に嵌着される部分とそれよりゲート側に位置する管
状のシート部分とを有し、バルブが開閉する前記各ゲー
ト位置にあるゲートに管状シート部分の端面を接して一
次シールを形成し、二次シール装置はバルブシートの管
状シート部分の周面上に摺動可能に設けられる二次シー
ルアセンブリを有し、協働カム装置がゲートの側面に形
成されたカムとこのカムに一部を係合して前記二次シー
ルアセンブリをバルブが閉鎖するときゲートの方へ移動
させるシールサポートリングとを含んでいるゲートバル
ブであって、従来の課題を解決するためゲートに対する
前記二次シールアセンブリによる二次シールの接圧を緩
和しさらには解除することの可能な作動装置をゲートに
対して設けていることを特徴とする。
【0011】さらに前記二次シールアセンブリは前記バ
ルブシートの管状部分を取り巻くシールサポートリング
の開放溝内に前記管状部分に対して、摺動可能に配設さ
れたリング状のシール保持体と、その内溝に前記管状部
分に接して保持される弾性シールリングと、このシール
リングに隣接するスペースリングとを有し、さらにシー
ル保持体がゲートに隣接するその端面に形成された環状
溝内に弾性二次シール部材をゲートに接触可能に配設し
ている。
【0012】ここで本発明のゲートバルブは、その特徴
とする作動装置としてまず第1に、所定のバネ定数を有
するバネ部材を付勢部材として有する。このバネ部材は
シールサポートリングとスペースリングとの間に配設さ
れ、シールサポートリングが前記協働カム装置によって
ゲートに対して移動するとき、前記弾性二次シール部材
を付勢するとともに、場合によってはゲートとの間に生
ずる接圧を緩和する。従ってこのバネ部材の強さすなわ
ちバネ定数は、ゲートバルブに流通される所定範囲の流
体圧力のもとで、バネ部材が圧力に対抗して適度に伸縮
し、弾性二次シール部材とゲートとの間に生じる接圧を
緩和可能に選定されている。
【0013】次にゲートバルブは作動装置の第2要素と
して、協働カム装置を改良している。協働カム装置はシ
ールサポートリングにおけるゲート側面に沿う延出部内
面に突設されたピンと、このピンに係合可能にゲート側
面に設けられるカムエッジとを有するが、本発明ではこ
のカムエッジがゲートの両側部に沿って設けられた係合
溝に摺動可能に取付けられる各カムウェッジに形成され
ており、これらのカムウェッジはバルブステムの端部に
形成された直交部材に少なくともステムの軸方向に遊隙
なく結合され、ゲートはこの直交部材と軸方向に若干の
隙間を有するスロットを介して連結されている。この構
成の作動装置を介してゲートがステムに引かれて閉位置
から開位置に向かって動かされるとき、ゲートに先立っ
てカムウェッジが前記の隙間分だけ動き、先ずカムエッ
ジからシールサポートリングのピンが緩解され、続いて
ゲートに対する二次シールの接圧が解除される。
【0014】また本発明のゲートバルブにおいては、前
記バルブシートをバルブ本体に嵌着される部分とゲート
に接して一次シールを形成する部分との2部分複合型に
構成することができ、これによってとかく摩耗を生じや
すい一次シール形成部分のみの交換を可能とする。
【0015】最後に、本発明のゲートバルブは流体圧力
がさほど高くない場合に適用するものとして、シール装
置を簡単にしたものを含む。この形式は、二次シールの
ゲートの接圧を緩和する作動装置としてバネ部材を有す
るが、協働カム装置を持たない。その金属製のバルブシ
ートはバルブ本体の流路内端に形成された環状の段溝の
一部に嵌着される部分とそれよりゲート側に延出した管
状部とを有し、バルブを開閉する各ゲート位置にあるゲ
ートに管状部の端面を接して通常金属対金属の一次シー
ルを形成する。しかし状況によってはゲートとの接面に
弾性材を用いることもある。二次シール装置がバルブシ
ートの前記管状部の周囲に軸方向に摺動可能に取り付け
られる二次シールアセンブリを有していて、この二次シ
ールアセンブリがバルブシートの管状部の外周面に軸方
向摺動可能に嵌合された環状の二次シール保持体と、こ
の保持体のゲート側端面に形成された環状溝に圧嵌され
た弾性二次シール部材と、二次シール保持体(140)
の内周面に形成された環状溝に装着されて前記管状部に
接する弾性リングとより成り、かつ二次シールアセンブ
リをゲートの方へ押圧するための環状バネ部材がバルブ
シートの有するショルダと二次シール保持体の反ゲート
側端面との間に配設されていることを特徴とする。な
お、この場合前記二次シール保持体がそのゲート側端面
にゲートの側面に沿って延出された1対のゲートガイド
を有することも可能である。
【0016】
【作用】本発明が先行技術の有する課題を解決するため
に改良したゲートバルブの特徴は前述したとおりである
が、このゲートバルブはバルブステムの内端部に連結さ
れた両面平行型のゲートをハンドル操作によって、バル
ブ本体内でバルブの閉位置と開位置との間で移動させ
る。このときバルブ本体両側の流路の内端周囲に形成さ
れた環状の段溝内に配設される金属製バルブシートはゲ
ートのバルブ面にそれぞれの内端面を接して金属対金属
の一次シールを常時形成している。この一次バルブシー
トとゲートとの接面は一般的な機械的嵌合公差に基づい
て対面されているが、ゲートが開閉動するとき互いに摺
接するので、バルブシート内端面は長期使用によって摩
耗することがある。本発明ではバルブシートを2分割型
に改良して、摩耗部に近い半部を現地でも取り替え可能
にしている。
【0017】次に一次バルブシートの外周面を摺動する
二次シール装置におけるシール保持体はバルブシート面
との間に弾性シールリングを有するほか、ゲート側端面
に環状の二次シール部材を有する。この二次シール部材
は弾性材で、通常金属対金属の一次シールによってほぼ
シールされた流路における流体を、さらに弾性材による
ゲートとの密着性によって一層完全にシールし、バルブ
室を経由した流体の上流側から下流側への漏れを防ぐ。
しかしこのゲートとの間に二次シールを形成する弾性二
次シール部材は、バルブの開閉に伴うゲート面との摺擦
によって金属以上に損傷を受け易い。そこで先行技術で
もゲート側面に設けたカムに従動して流路方向に動くシ
ールサポートリングを用いてシール保持体を移動可能と
し、主としてゲートがバルブを閉じたときのみシール保
持体の有する弾性二次シール部材を十分にゲートに圧接
するようしていた。しかしゲートを開位置へ移すときこ
の圧接の解除が遅れ、開弁するのに力を要しかつ二次シ
ール部材の磨損を十分に防ぐことができず、また圧接の
解除後のシール性が不十分となる欠点があった。
【0018】本発明では弾性二次シール部材とゲートと
の間の極端な圧接を緩和するために、シールサポートリ
ングと二次シール保持体との間にバネ部材を新たに設け
て、二次シールの接圧が弾性シール材を圧損するほど強
くならず、また圧接解除時にもシール性が適度に残存さ
れるように構成した。またゲートを開位置へ移すときの
前記圧接解除の遅れを解消するために、ゲートの側面に
別体のカムウェッジを相対動可能に装着し、このウェッ
ジにカムを設け、ゲートをバルブ閉位置から開位置へ動
かすとき、バルブステムがゲートの動きに先立ってカム
ウェッジを若干移動させるように3つの部材間の係合構
造を改善した。従ってカムウェッジの先行動作に伴って
シールサポートリングがゲートから離れる方向に動き、
弾性二次シール部材もゲートから離脱しようとする。し
かし本発明では前記バネ部材の存在によって二次シール
部材はゲートから完全に離脱されず、適度の接圧のもと
にシール性を残して後退され、この間にゲートは閉位置
から開位置へ弾性二次シール部材を磨損することなく移
動される。
【0019】
【実施例の説明】本発明のゲートバルブはゲートと主と
して金属材で接する一次シールのほかに、主として弾性
材で接する二次シールアセンブリを備えている。このゲ
ートバルブは既に述べた米国特許第4,377,273
号において開示されたゲートバルブと同様、ステム昇降
型のものである。なお、同一発明者の先願であるこの米
国特許第4,377,273号(以下、単に同一人の先
願とも言う。)は、以下の説明において随時比較参照す
るが、本発明はこの先行技術の不十分な点をさらに改良
したものである。
【0020】図1、図8Aおよび図9Aについて説明す
る。ゲートバルブ10はバルブ本体11を有し、このバ
ルブ本体11の内部にバルブ室12が形成されている。
ゲートバルブ10の上部にはボンネット(図示せず)が
取り付けられ、このボンネットによってバルブ室12の
上端が封鎖されるとともに、バルブ本体11およびステ
ム14との間がシールされる。
【0021】ゲートバルブ10はバルブ室12内に配設
されたゲート15を有する。一般に、このゲート15は
断面長方形であり、そのバルブシート28,131に接
する両面は互いに平行であり、上部はステム14に連結
されている。従って、このステム14の上下動によっ
て、ゲート15が昇降される。この図例では、ステム1
4の下端部には螺子付きのスタッド16が形成されてい
る。一方、ゲート15上部を横に貫通した円筒孔19内
に嵌挿されるシリンダ18には、雌螺子を有する螺子孔
17が形成されており、この孔17に対してスタッド1
6が螺合される。スタッド16はステム14の円筒部2
1に連結されている。なお、この円筒部21はゲート1
5上面の開口20内に挿着される。また、ステム14に
は、その円筒部21の上側に円錐台部22が形成され
る。この円錐台部22はストッパとして作用し、ボンネ
ット(図示せず)の下面と接触することによって、ステ
ム14の上昇が制限される。
【0022】ステム14の鉛直方向の動きは種々の方法
によって行なわれる。この実施例においては、ステム1
4はヨークナット(図示せず)に螺合され、このヨーク
ナットの回動によって、ステム14がその長手方向に動
かされ、その動作に伴ってゲート15が上下する。な
お、ステム14とゲート15との連結方法は、このほか
にもいろいろあり、例えば図3等において改良例を後述
する。
【0023】図示のように、バルブ本体11にはバルブ
室12側へ突出する突出部23,24が対向状に形成さ
れている。なお、この突出部23,24はバルブ本体1
1に形成された流路25,26の内側(バルブ室12
側)端部を囲繞するように形成されている。一方、ゲー
ト15にはフローポート15aが貫通状に形成されてい
る。このフローポート15aは、ゲート15が上昇した
ときに流路25,26と整合し、バルブを開状態にしう
るように設定されるている。
【0024】突出部23,24には、流路25,26に
面して環状の段溝27が同心状に形成される。図1と図
3の実施例においては、この段溝27に金属製のバルブ
シート28が取り付けられる。なお、このバルブシート
28はバルブ本体11に嵌着される大径部29を有し、
外側の環状端面をゲート15のバルブ面に接し、通常流
通流体に対して金属対金属の一次シールを形成する。一
次シールの金属端面は流路25,26内の流体のバルブ
室12内への漏れを防ぎ、かつゲート15の上下動を案
内する。
【0025】図8A、図9Aおよび図9Bの実施例にお
いては、段溝27に同じく金属製の少し短いバルブシー
ト本体128が取り付けられている。バルブシート本体
128はその少し小径の管状部129に螺合してリング
状のシート面部材131を有する。この金属製シート面
部材131の内側鍔面はバルブシート本体128の管状
部129の外端面132に係合され、この外端面132
との間に金属対金属の接面を形成する。なお、管状部1
29とシート面部材131との間に形成された環状空間
138内に弾性シール部材133を装着し、管状部12
9とシート面部材131との間のシールをより確実にで
きる。環状空間138は管状部129の外周角部の円錐
台面139によって形成される。シート面部材131の
端面134はゲート15と係合し、両者の間に通常金属
対金属のいわゆる一次シールを形成する。
【0026】図8Bに示したシート面部材135は、図
8Aのシート面部材131に代えて使用できるものであ
る。このシート面部材135の端面には環状溝136が
形成されている。そして、この溝136内にゴム、テフ
ロン等の弾性材で形成された弾性シールリング137が
装着され、シート面部材135,ゲート15およひの弾
性シールリング137の間に良好なシールが形成され
る。この方法を使用すると、ゲートに対する金属対金属
シールの場合に必要とされるほどの加工精度は不要であ
り、さらに低圧使用の場合においては、この一次シール
に加えて後述する二次シールアセンブリを使用しなくて
もよくなりコストをかなり低く抑えることができる。図
8A,図8Bはこのように二次シールアセンブリを省い
た簡略な構成を参考までに示している。もちろん図8B
に示した弾性シールリング137付の一次シールの構造
を後述の図9A、図9Bの構成に採用することができ
る。
【0027】なお、図1、図3に示したような一つの部
材より成る一次のバルブシート28に代えて、図8A、
図9A等に示したようにバルブ本体11に嵌着されたバ
ルブシート本体128に螺合して、シート面部材131
を着脱可能に用いた場合には、ゲート15とシール接触
するその端面134が万一摩耗しても、シート面部材1
31のみをバルブシート本体128との螺合部から外し
て容易に交換することができる。この一次シール部の交
換容易な構成は、前記同一人の先願に対する一つの改良
である。
【0028】次に二次シールについて説明する。図1、
図9Aに示すように、一次シールに増補される二次シー
ルにはその接圧をバルブの閉鎖時に強化するシールサポ
ートリング31が、一次シールのバルブシート28の管
状部30の回り(図1)、もしくはバルブシート本体1
28のシート面部材131の回り(図9A)に配設され
る。シールサポートリング31は、鍔付リング状に形成
され、ゲート15側の端部には内向きの開放溝37を有
するので、その形状は断面L字形である。さらに、シー
ルサボートリング31は、その側部に1対の軸方向延出
部32,33を有し、これらの延出部32,33は、そ
れぞれ、ゲート15の両側面に沿って延びている(図2
参照)。各延出部32,33は円筒状の短いピン34を
有する。このピン34は各延出部32,33のゲート1
5に沿う内側の平坦面に固定されている。他方、ゲート
15はその両側面にカムエッジ35を有する。各カムエ
ッジ35はゲートの下端部に位置する垂直部分35aと
その上方に位置する傾斜部分35bより成る。ピン34
はカムエッジ35との係合によって従動し、シールサポ
ートリング31をゲート15の方へ移動させる。ステム
14の降下によって、ゲート15が図示の閉鎖位置へと
降下するとき、ピン34はカムエッジ35にそってその
垂直部分35aと係合した位置から傾斜部分35bと係
合する位置へと移動し、両方のシールサポートリング3
1がゲート側へ引き寄せられる。本願と同一発明者によ
る先願米国特許第4,377,273号においては、本
願の片面型カムエッジに対して、二次シールをゲートに
対して離接するためのフロントエッジおよびバックエッ
ジを有する両面型の溝が設けられていた。この変更は本
発明が二次シールの接圧を緩和しさらには解除すること
の可能な作動装置を新たに設けたことに関連している。
【0029】さらに、図1、図9Aを参照するとシール
サポートリング31の開放溝37内に二次シールアセン
ブリが取り付けられている。この二次シールアセンブリ
はシールサポートリング31と一次のバルブシート28
またはシート面部材131との間に摺動可能に支持され
た金属製のシール保持体36を有する。この二次シール
アセンブリの構成は、弾性リングを内・外周から硬質リ
ングではさんだ同一人の先願における単純なシール素子
と異なり、二次シールの接圧をゲートの開閉移動時に緩
和可能にするものである。
【0030】シール保持体36は内溝を有する段付環状
リングで断面L字形である。さらに、このシール保持体
36は、ゲート側の端面の環状溝にプレス嵌め等によっ
て取り付けられた環状の弾性二次シール部材36aを有
している。またシール保持体36の内溝には図3と図9
Bに示すように、スライド可能に配設された断面長方形
のスペースリング38と圧縮可能な弾性シールリング3
9を備えている。この弾性シールリング39は圧縮変形
可能なので、スペースリング38を介して圧縮される
と、シールリング39は周りの壁面に密接して十分な内
部シールを形成する。弾性シールリング39としては、
例えば、圧縮性の弾性材で形成された断面円形の0リン
グが使用できる。図10に示す実施例においては、弾性
シールリング39は断面が長方形に近い圧縮性の弾性リ
ングであり、隅角部にはみ出し防止部材50を包含して
いる。
【0031】さらに好ましい実施例においては、シール
保持体36用の圧力緩和(relief)装置が設けら
れている。図1、図9Aの実施例においては、この圧力
緩和装置はシールサポートリング31とスペースリング
38との間に配設されたバネ部材40を含む。このバネ
部材40には流体圧を考慮して選定されたバネ定数のも
のが使用されるので、シール保持体36がゲート15に
圧接されて二次シールが形成されると、絶えず適度の接
圧がゲートとの間に維持される。しかし上流側(図1,
図9Aにおける流路26側)の流体圧によってシール保
持体36(さらに特定すれば弾性シールリング39)に
所定の以上の圧力が加わった場合、バネ部材40は圧縮
される。このバネ部材40が大きく圧縮されると、シー
ル保持体36はゲート15から離れ、弾性シール部材3
6aの破壊を防止する。
【0032】バネ部材40のバネ定数は、シール保持体
36,弾性シールリング39および二次シール部材36
aの構成材料、およびそれらの限界圧力に対する耐圧性
に基づいて定められる。このバネ定数の選択は、当業者
がこの発明の開示に基づいて定めうる設計上の問題であ
る。
【0033】バネ部材40を複数のバネで形成し、二次
シールの作動条件に合せて任意にそのバネ定数を変更で
きるようにしてもよい。図示の実施例においては、バネ
部材40は所定のレベルの圧力に呼応しうるバネ定数を
有するさらバネである。なお、これはOリングシールで
あってもよい。
【0034】したがって、図1,図9Aに示す実施例に
おいては、このバネ部材40の存在によって上流側の流
体圧力に対する緩衝機能と、その圧力が異常に高いとき
シール保持体36をゲートから速やかに引き離すための
解除機能とを備えている。
【0035】さらに、この発明のゲートバルブにはゲー
ト15の両側面に直接、刻設された既述のカムエッジ3
5に代えて、別体のカムウェッジを用いる形式の協働カ
ム装置を用いることができる。この協働カム装置は図4
に示すようにゲートの両側面に近い上下方向の係合溝1
26にそって摺動可能に嵌入されたカムウェッジ60を
有する。このカムウェッジはバルブが開くときには、ゲ
ートが上へ動く前に少し上動するように設定されている
ので、シールサポートリング31のピン34に対するカ
ムエッジの規制が緩み、二次シールが緩解されてからゲ
ートが図示上方へ動くことにる。図3と図9Bにこのカ
ムウェッジ60を備えたゲートバルブを示してある。こ
れらの図の説明において使用する「垂直」および「水
平」の語は、図3もしくは図9Bに図示のバルブに対す
るものである。図においては、バルブはその上部から上
方へ延びるステム14と共に直立した状態で示してあ
る。図5、図6に示すように、カムウェッジ60は長方
形に形成され、その下部には切り込み62が形成されて
いる。この切り込み62によって片面型のカムエッジ3
5が左右対称に形成される。なおこのカムエッジ35は
図1、図9Aのようにゲート15の両側面に直接、設け
たカムエッジ35と形状および機能ともほぼ同じであ
る。そして、このカムエッジ35は下部の垂直部分35
aと上部の傾斜部分35bとから成る。図1、図9Aの
項で説明したように、カムエッジ35はピン34とカム
係合されているので、ステム14の降下によって、ゲー
ト15が閉鎖位置へと降下すると、ピン34はカムエッ
ジ35にそってその垂直部分35aから傾斜部分35b
へと移動する。その結果、ピン34と一体の各シールサ
ポートリング31がゲート15側へ移動され、二次シー
ルの接圧が強化される。
【0036】カムウェッジ60は1対向するタブ64を
有する。このタブ64はそれぞれ外側へ延び、ゲート1
5に形成された係合溝126に摺動可能に係合される。
これによって、カムウェッジ60はゲート15に支持さ
れ、かつ縦方向に相対動可能となる(図3,図9B,図
4参照)。カムウェッジ60の上部には、断面長方形の
水平のスロット68が形成される。以下に詳述するよう
に、このスロット68はステム14の下端の直交部材1
16を嵌めるように形成されている。
【0037】図3、図9Bに示すように、ステム14の
下部には水平断面長方形の延出部121が形成され、さ
らにこの延出部121の下端には直方体の直交部材11
6が固定されているので、両者によって逆T字形ブロッ
クが形成される。また、この実施例においては、図示の
ように直交部材116の左右水平方向の幅は、延出部1
21の水平方向の幅より広く、かつゲート15の水平方
向の幅より狭く設定されている。紙面直角方向について
は、直交部材116の水平方向の長さは延出部121の
水平方向の長さより長く、かつゲート15の水平方向の
長さとほぼ等しく設定されている。直交部材116の長
さ方向の各端部はカムウェッジ60のスロット68(図
6)内に摺動可能に係合しうるように形成されている
が、これらの端部とスロット68との間の垂直方向の遊
びは最小に抑えられている。
【0038】ゲート15には縦(上下)方向のスロット
120と横(水平)方向のスロット117(図3,図9
B参照)とが形成されている。そして、これらのスロッ
ト120,117内には、それぞれステム14の延出部
121および直交部材116が係合されている。この場
合において、スロット120は、延出部121を摺動可
能に保持し、かつステム14に対するゲート15の横
(図示左右)方向の遊びが最小となるように形成され
る。しかし、ゲート15に設けたスロット117の縦
(上下)方向の寸法はステム下端の直交部材116の縦
(上下)方向の寸法よりも大きく設定されているので、
ゲート15の縦方向の動作を伴わずに、ステム14はそ
の差に該当する所定寸法(図示125)だけ縦方向に動
作可能で、このときステム14にゲート両側のカムウェ
ッジ60が従動する。
【0040】なお、この実施例においては、ステム14
をゲート15とカムウェッジ60に組み合せるために、
ステム14の延出部121の水平方向(紙面直角)の長
さをゲート15の同じ水平方向のスロット120より短
く設定し、両者の間に空所を形成しておく必要がある。
その理由は、ステム14をゲート15の片側に寄せてお
いてゲートの他側にウェッジ60を装着するためであ
る。この空所は図4に空白部分として示されている。ス
テムの延出部121の水平方向(図示左右)の幅につい
てはこのような寸法差は必要でない。またステムとゲー
トとカムウェッジは上記とは別の形態で互いに組み合せ
ることも可能である。
【0041】このように構成されたカムウェッジ60を
使用すると、ゲートバルブ10が閉鎖位置(図3,図9
B)にあるときは、すでにカムウェッジ60の降下によ
って、そのカムエッジがピン34を案内することによっ
てシールサポートリング31がゲート15に引き寄せら
れ、二次シールが作用している。ゲートバルブ10を開
く場合、一定の距離(図示125)だけステム14を上
昇させる間、すでに述べたようにゲート15は上昇せず
にカムウェッジ60のみが引き上げられる。このカムウ
ェッジ60の先行動作によって、ゲート15が上昇を開
始する前に、カムウェッジ60のエッジ35がその上方
傾斜部35b(図6)に沿ってピン34を少し解放する
ため二次シールの接圧解除が行なわれ、ゲート面と摺れ
ることによる弾性二次シール部材36aの摩耗が有効に
防止される。
【0042】なお、ステム14によって、ゲート15を
降下させてバルブを閉鎖するときには、ゲート15に対
する一次シール部材28,131の摩擦抵抗によって、
ゲート15は図3、図9Bに示す高い位置で止まろうと
する。また、ゲート15の下方にストッパ(図示しな
い)を設け、このストッパによってゲート15の下降が
制限されるようにしておけば、ステム14の上昇に際し
て、前述のカムウェッジ60の先行動作を実施すること
ができ、二次シール部材36aの摩耗を防止できる。
【0043】図6においては、図1,3,9Aおよび図
9Bに示されたカムエッジ35とは特に上部の形を変え
たカムエッジを破線で示してある。すなわちこのカムエ
ッジ35には従来の傾斜部35bの途中で方向を上向き
にした上部垂直部分35c(破線部分)が示されてい
る。この上部垂直部分35cはゲート15のバルブ面に
平行に形成されているので、ピン34が上部垂直部分3
5cと係合することによって、シールサポートリング3
1のゲート15側への動きが改変前のカムエッジより少
なくなり、従って二次シールがある程度以上強く締まる
ことはない。
【0044】図7は図4〜図6のカムウェッジ60の幅
を変えたカムウェッジを示す。なお、このカムウェッジ
60は、ゲート両側の対向する二次シールを均等に作用
させるために、ゲート15をそれらの中央に定位させる
ものである。図7の場合のカムウェッジ60の水平断面
形状は、基本的には図4のカムウェッジ60の水平断面
形状と同一であるが次の点であ異なる。すなわち、カム
ウェッジ60をゲート15に装着した場合、タブ64と
係合溝126との間、およびカムウェッジ60とゲート
15との間に隙間が形成され、カムウェッジ60がゲー
ト15に対して矢印66の方向に少し動きうる点であ
る。
【0045】したがって、横方向に動くための隙間を有
するカムウェッジ60がゲート15に取り付けられてい
ると(図7参照)、このカムウェッジ60の遊動によっ
て、ゲート15と対向する二次シールとの間の芯ずれが
自ずと補整され、ゲート15の両面に均等な二次シール
が形成される。
【0046】このように図3、図9Bに示した実施例で
は、カムウェッジ60に関連したシール作動機構によっ
て、ゲートを閉位置から開位置へ動かすのに先立って二
次シールの接圧を緩和することができ、またゲートと両
側のシールとの間の芯ずれを自ずと補整しうるので、シ
ールサポートリング31と二次シール保持体36との間
に緩衝用バネ部材を強いて設けなくてもよい。
【0047】図11の実施例においては、図3、図9B
と異なり、ステム下端の直交部材116は隙間なくゲー
ト15におけるスロット117′内に係合されるととも
に、図1、図9Aの場合と同様なバネ部材40が使用さ
れている。隙間がないので、スロット117′の上下幅
と直交部材116の厚さはほぼ同一である。なお、この
実施例においても、図9Aおよび図9Bの場合と同様に
複合型の一次シート128,131が使用できる。
【0048】図11に示す実施例では、バネ部材40が
弾性限界を越えて圧縮されないように、シールサポート
リング31のゲート15側へ移動が制限される。このシ
ールサポートリング31の移動の制限は、シールサポー
トリング31の軸方向長さが図9A,図9Bのものより
長く、従ってその内端面153がゲート15に接触する
ことによって行なわれる。また、シールサポートリング
31がゲート15の面を摩損しないように、シールサポ
ートリング31の内端面153がゲート15と接触した
後、ゲート15がそれ以上降下しないようにステム14
の降下が調整されている。すなわちゲート15の降下は
ステム14の降下を適切に停止することによって制限さ
れる。そしてこのステム14の降下停止は、ステム14
の外側部にストップナット154を取り付け、これをボ
ンネット156に対してハンドル157の位置を規制す
るステムナット155の上にハンドルを正しく固定する
ように螺着することによって果たされる。ストップナッ
ト154のステムナット155に対する螺着停止位置の
調節は、カムウェッジ60のカムエッジ35によってピ
ン34を介してシールサポートリング31がゲート15
側へ引き寄せられ、その内端面153とゲート15の面
とが接触するのに一致して行なう必要がある。ステム1
4の降下が制限されることによって、カムウェッジ6
0、シールサポートリング31、ゲート15およびステ
ム14に過負荷が加えられることも防止される。
【0049】次にシールサポートリングのない簡略なシ
ールアセンブリを用いた実施例を図9C,9D,9Eに
ついて説明する。
【0050】図9Cにおいて、バルブシート148の管
状部149には、リング状の二次シール保持体140が
軸方向に摺動可能に係合されている。二次シール保持体
140の端面142には、プレス嵌め等によって環状の
弾性二次シール部材140aが取り付けられている。二
次シール保持体140は、内側の溝150にO−リング
140bを有する。なお、このO−リング140bは管
状部149の外周面に対してシールを形成する。図9C
の実施例においては、バルブシート148のショルダ1
44と二次シール保持体140との間にはバネ部材14
1が配設される。また、図9Dの実施例では、バルブシ
ート148の外周にリング状の凸部152が形成され
て、二次シール保持体140との間にバネ部材141収
納用のポケット145が形成される。このバネ部材14
1によって、弾性二次シール部材140a端面142が
ゲート15に接触される。また、上流側からの加圧流体
によって、二次シール面に強い圧力が加えられると、バ
ネ部材141が圧縮され、二次シール保持体140がゲ
ート15から離れるため、その弾性二次シール部材14
0aが破損することはない。しかし所定内の流体圧では
バネ部材141が有効に作用して二次シールを維持す
る。
【0051】図9C,9Dの実施例において、二次シー
ル保持体140には、ゲート15の両側面に沿って延び
るゲートガイド143(図9E参照)が形成されてい
る。これらは二次シール保持体140の回転防止とゲー
ト15の横振れを防止する。
【0052】バネ部材141には通常さらバネが用いら
れるが、弾性O−リング等であってもよい。
【0053】以上、数種の実施例に基づいてこの発明を
説明してきたが、発明の範囲を逸脱しない限り、細部の
構成を互に組み変えて実施することもできよう。例え
ば、ゲートと別体のカムウェッジ60を図1,9Aのよ
うなバネ部材40のある実施例に適用することによっ
て、バルブを開くようにゲートを動かすときに、ゲート
15と二次シール部材との接圧を一層有効に緩和し解除
することもできる。さらに、図3,図9Bの実施例にバ
ネ部材を適用して、流体の圧力が所定以上の値に達した
場合、二次シール装置36が有効に後退されるようにし
てもよい。また、図9Cの実施例において、2部材複合
型のバルブシート機構を使用することもできる。
【0054】
【発明の効果】この発明は、バルブ本体内をバルブ開閉
のために移動するゲートに対して、その両側より流体の
流路内端周囲に配設された一次シール部材と弾性二次シ
ール部材とを同心状に接触させてバルブ内の液封を保つ
形式のゲートバルブで、主として二次シールの接圧を緩
和し、さらには解除することの可能な作動装置をゲート
に対して設けたことを特徴とする。この作動装置の第1
の素子として、弾性二次シール部材の環状保持体の背後
にバネ部材を設けて、常に二次シール部材をゲートの方
へ付勢するようにしたので、前記保持体にこのバネ部材
を介して接しかつゲートがバルブ開閉の各位置へ動くと
きゲートの側面に形成されたカムによってゲートに接離
する方向に相対移動されるシールサポートリングの位置
にかかわらずまた二次シール保持体の端面に加わる流体
圧力の若干の変動にかかわらず、弾性二次シールのゲー
トに対する接圧が適度の範囲におさまり、流体圧や機械
的の力によって弾性シール部材が損傷されるのを防止す
る。次にこの形式のバルブではゲートがバルブ閉鎖位置
へ動くとき、前記シールサポートリングがカムによって
ゲート側へ引き寄せられて弾性二次シール部材がゲート
にに強く圧接されてシール効果が強化される。しかし従
来はこの強圧状態でゲートがバルブを開く方へ起動され
たので、弾性二次シールは特にこの時期に摩耗を受ける
ことが多かった。この発明では前記作動装置の第2の構
成として、従来、ゲートの側面に直接設けられたカム
を、ゲートの両側部の係合溝に摺動可能に取付けられた
カムウェッジに形成するとともに、これらのカムウェッ
ジをバルブステムの端部に形成された直交部材にステム
の軸方向に遊隙なく結合し、ゲートはこの直交部材と軸
方向に隙間を有するスロットを介して連結したので、こ
の構成の作動装置を介してゲートがステムに引かれて閉
位置から開位置へ向かって動かされると、ゲートに先立
ってカムウェッジが動き、そのカムに案内されてシール
サポートリングがゲートから離れる方向に緩解され、こ
れに伴ってゲートに対する弾性二次シールの接圧が緩和
され、さらにカムの形状によってはゲートの動きにつれ
て二次シールの接圧解除も可能である。この新規な作動
装置の付設によってこの発明のゲートバルブでは二次シ
ールの摩損が十分に防止される。
【0055】なお、この発明では、一次シール部材を2
部材複合型とし、摩耗を受けやすいゲート側の部材のみ
を現地でも交換容易にし、さらに主として流体圧が比較
的低い場合には、従来の協働カム装置(シールサポート
リングおよびゲート上のカム)を省略した簡単な構成の
シール装置を提供することによって多くの利点を業界に
与えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるゲートバルブの縦断面図であ
る。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】カムウェッジを有するゲートバルブの縦断面図
である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5はカムウェッジの平面図である。
【図6】図6はカムウェッジの正面図である。
【図7】図7は別のカムウェッジを使用した場合におけ
る図3に類似の断面図である。
【図8A】一次シール体を2部材で形成した例を示す説
明図である。
【図8B】図8Aの部分拡大図である。
【図9A】図1に図8Aの構造を組み合わせた別のゲー
トバルブの縦断面図である。
【図9B】図3に図8Aの構造を組み合わせたゲートバ
ルブの縦断面図である。
【図9C】図1から協働カム装置を省いたゲートバルブ
の縦断面図である。
【図9D】さらに簡単なシール部材の部分拡大図であ
る。
【図9E】図9Dのシール部材の斜視図である。
【図10】非突出シールリングの断面図である。
【図11】ゲートとステムとの連結部分を改変したゲー
トバルブの縦断面図である。
【符号の説明】
10 ゲートバルブ 11 バルブ本体 12 バルブ室 14 ステム 15 ゲート 15a フローポート 27 段 溝 28、148 バルブシート 30、130 管状部分 31 シールサポートリング 32、33 延出部 34 ピン 35 カムエッジ 35a 下方垂直部分 35b 傾斜部分 35c 上部垂直部分 36 二次シール保持体 36a 二次シール部材 38 スペースリング 39 弾性シールリング 40 バネ部材 50 はみ出し防止部材 60 カムウェッジ 116 直交部材 125 隙間 126 係合溝 128 シート本体 131 シート面部材 133 弾性シールリング 154 ストップナット 156 ボンネット
【手続補正書】
【提出日】平成3年4月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ゲートバルブ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はゲートバルブに関し、
さらに詳しくは二次シールの接圧を緩和し解除する作動
装置を備えたゲートバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】ゲートバルブは多年にわたって一般的に
利用されており、例えば石油工業における石油および/
またはガス設備のようなさまざまな設備に採用されてい
る。しかしながら、このような従来のゲートバルブはほ
んの数千psiの圧力を伴う設備用に設計されたもので
あり、今日ではエネルギ供給源の枯渇により30,00
0psi(2,110kg/cm)或いはそれ以上の
範囲の非常な高圧下で石油やガスを探索し生産する必要
が生じてきた。このような高圧の利用によりバルブの密
封性や安全性をより高める必要性がでてきた。
【0003】従来のゲートバルブは通常、入口流路と出
口流路とこれらの間にバルブ室とを有するバルブ本体お
よびゲートから構成されている。貫通口を有するゲート
はバルブ室内に取り付けられた両側のバルブシートの間
に設けられ、バルブステムに取り付けられている。バル
ブ室はバルブ本体に固定されたボンネットにより閉ざさ
れている。バルブステムはゲートを流路を通る流れが塞
がれる閉位置と流路を通る流れが開通される開位置との
間で移動させるための往復動装置に取り付けられてボン
ネット内を往復動する。このようなバルブはアメリカ合
衆国第3,538,938号および第3,696,83
1号に示されている。
【0004】次にバルブ内におけるシールエレメントと
しては、アメリカ合衆国特許第2,957,492号お
よび第3,348,567号に示さるような0リングや
アメリカ合衆国特許第4,264,054号に示される
ような非突出(non extrusion)シールを
利用してバルブシートとバルブ本体との間をシールする
ことも周知となっている。また、アメリカ合衆国特許第
3,696,831号に示されるようにゲートに接する
バルブシートの端部に0リングシールを設けることも周
知となっている。アメリカ合衆国特許第3,057,6
30号および第3,758,072号には高弾性0リン
グと例えば商標名“テフロン”として知られるポリ弗
エチレンポリマー或いは“ナイロン”その他の低摩擦性
プラスチックリングとの組合わせによるシールリングの
形成が教示されている。さらにアメリカ合衆国特許第
3,103,366号にはポリ四弗化エチレンからなる
変形可能なプラスチックを内部に有する例えば薄いアル
ミニウムのような金属製のリングを用いて金属牲リング
が僅かな溝隙間の変化にそれ自身が適合しかつ加圧時に
おけるプラスチックリングの隙間からの突出を防止する
構成が教示されている。
【0005】さらに、流体の高圧に耐えるため、ゲート
に対して金属による一次シールと弾性材による二次シー
ルとを併用するものがある。すなわち、バルブ内におい
て流路を取り巻く金属製のシートがゲートに対する金属
対金属の一次シールを形成し、さらにゲートが閉位置に
移るときに弾性シールがゲート側に動いてゲートに対す
る二次シールを形成するようにした複合シール構造が、
本願と同一発明者によるアメリカ合衆国4,377,2
73号に示されている。この先行技術に示された二次シ
ール素子はゲート側の部分をその内外周面から硬質リン
グで狭まれた1個の弾性リングであり、この弾性二次シ
ール素子をゲートの側面のカムみぞに案内されるピンを
有するシールサポートリングによって、ゲートが開位置
から閉位置へ移動するときにゲートの方へ引き寄せ、ゲ
ートが閉位置から開位置へ移動するときには、二次シー
ル素子をゲートから解放しようとする構造である。しか
しここに示された構造のみでは二次シールのゲートに対
する接圧がゲートの開位置、閉位置によって極端に変
り、弾性二次シール素子を傷付けたり、逆に二次シール
が全く作用しなくなる欠点があった。また流体の圧力が
比較的低い場合には、一次シールを必ずしも金属対金属
シールに限定する必要がない
【0006】
【発明が解決しようとする課題】アメリカ合衆国特許第
4,377,273号において論じられているように、
ゲートバルブを用いた場合にしばしば遭遇する問題の一
つは、ゲートとバルブシートとの間に適正にシールが形
成されない場合があることである。このようにシールが
不適当であると、ゲートバルブはシール部からの漏れを
しばしば生じがちとなる。この本願と同一発明者による
アメリカ合衆国特許第4,377,273号において
は、さらにゲートバルブ用の適当なシールとして、両面
型の二方向カムを用いてシール部材のゲートへの接触を
積極的に強化したり、あるいは軽減しようとした弾性材
による二次シールの構成が開示されている。このように
してアメリカ合衆国特許第4,377,273号に開示
された構成は多くの用途において利点をもたらすものと
思われるが、さらに一次シールおよび二次シールの構成
に改良を要する点があることも見い出されている。特に
二次シールの形成に際してゲートの両面間に大きな圧力
差が生じた場合やゲートの下流側に位置している二次シ
ールの場合のような高圧条件下では、しばしば二次シー
ルがかなりの力でゲートに圧接されている時に、ゲート
が開く方向に移動されることによって弾性二次シール面
に対して引きずりが生じ、弾性二次シールの摩耗が著し
く進むこととなる。またゲートに付加的な摩擦抗力が生
ずることによってバルブを開くのに必要とされる力も増
すこととなる。このような場合にはゲートがシール面を
横切ってほぼ直線的に動くのに先立って、二次シールを
適度に解除することが可能であるのが望ましく、あわせ
て一次シール部材のゲートに対する摺動抵抗も軽減する
よう考慮することが必要である
【0007】すなわち、二次シール部材がゲートから完
全に引き下がる必要はなく、ゲートがバルブ開閉のため
に移動するときには、ゲートに対するシールの接圧を適
度に軽減し、シールを実質的に“不作動”状態としてバ
ルブを通る加圧流体がシールとゲートとの間をどららか
と言えば少し流れて摩耗が防止されるようにするのが望
ましい。
【0008】さらに、バルブ本体内がほぼ無圧状態で二
次シールが十分に作用しており、次いで、圧力が上流側
から加えられた場合のような高圧条件下では、流体はこ
のような作用状態のゲート上流側二次シールから漏れな
い限り本体内バルブ室へは侵入できない。上流側二次シ
ールは機械的に作用状態とされているので、流体の圧力
負荷が機械的な力を越えないかぎりシールの作用状態が
維持される。しかし場合によっては流体圧が突発的に
ールの機械的な力に打ち勝ってシール部から噴き出すほ
どに大きくなり、シール装置の弾性リングを壊してしま
うことがある。
【0009】従って上記のような条件下では加圧流体の
作用を受ける二次シールから接圧力を漸次軽減し解除す
る機構(例えばバネ手段)を設けて、流体圧が所定の値
に達すると流体の圧力によりシールがゲートからむしろ
引き離されて、流体が弾性シール部材を損傷することな
くシール部を通って例えばバルブ室側への流出を許容す
るのが望ましい。次に、弾性材を含む二次シールへ高い
流体圧が流路から直接に作用するのを緩衝するために流
路側に設けられる一次シールにおいては、従来のバルブ
シートは金属製の1つの管状部材として形成され、その
ゲートから遠い部分をバルブ本体に圧嵌されているので
その交換、特に現地での交換が難しくなっている。この
ような嵌着シートを外すには特殊な工具が必要であり、
バルブ本体の嵌合穴と一次シートの嵌合面は取外し時に
おける両者間のこじりにより傷ついてしまう。従って一
次シートと本体間の嵌合面を傷つけることなく摩耗しや
すいゲート側の部分のみを交換可能な一次バルブシート
の提供が望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のゲートバルブ
は、基本的にはバルブ本体と、ゲートと、一次シール用
バルブシートと、二次シール装置と、二次シール装置を
ゲートに対して移動させる協働カム装置とを有し、バル
ブ本体がその内部にボンネットにより封鎖されるバルブ
室を有するとともにこのバルブ室の両側において一直線
上に配置された一対の流路を有し、かつこれら流路の各
内端周囲にバルブ室側に開放された凹溝を形成してお
り、ゲートは前記一対の流路を連通させるフローポート
と同流路を閉じる無孔部分とを有して前記バルブ室内に
配設されるとともに、その一端をバルブステムに連結さ
れてバルブが開閉する各ゲート位置の間を前記流路を横
切る経路に沿って往復動可能であり、バルブシートは前
記流路の内端周囲に形成された各凹溝のゲートから遠い
部分に嵌着される部分とそれよりゲート側に位置する管
状のシート部分とを有し、バルブが開閉する前記各ゲー
ト位置にあるゲートに管状シート部分の端面を接して一
次シールを形成し、二次シール装置はバルブシートの管
状シート部分の周面上に摺動可能に設けられる二次シー
ルアセンブリを有し、協働カム装置がゲートの側面に形
成されたカムとこのカムに一部を係合して前記二次シー
ルアセンブリをバルブが閉鎖するときゲートの方へ移動
させるシールサポートリングとを含んでいるゲートバル
ブであって、従来の課題を解決するためゲートに対する
前記二次シールアセンブリによる二次シールの接圧を緩
和しさらには解除することの可能な作動装置をゲートに
対して設けていることを特徴とする。本発明において一
次シール用バルブシートとゲートとの接面は少なくとも
一方が非金属部材で形成されている
【0011】さらに前記二次シールアセンブリは前記バ
ルブシートの管状部分を取り巻くシールサポートリング
の開放溝内に前記管状部分に対して、摺動可能に配設さ
れたリング状のシール保持体と、その内溝に前記管状部
分に接して保持される弾性シールリングと、このシール
リングに隣接するスペースリングとを有し、さらにシー
ル保持体がゲートに隣接するその端面に形成された環状
溝内に弾性二次シール部材をゲートに接触可能に配設し
ている。
【0012】ここで本発明のゲートバルブは、その特徴
とする作動装置としてまず第1に、所定のバネ定数を有
するバネ部材を付勢部材として有する。このバネ部材は
シールサポートリングとスペースリングとの間に配設さ
れ、シールサポートリングが前記協働カム装置によって
ゲートに対して移動するとき、前記弾性二次シール部材
を付勢するとともに、場合によってはゲートとの間に生
ずる接圧を緩和する。従ってこのバネ部材の強さすなわ
ちバネ定数は、ゲートバルブに流通される所定範囲の流
体圧力のもとで、バネ部材が圧力に対抗して適度に伸縮
し、弾性二次シール部材とゲートとの間に生じる接圧を
緩和可能に選定されている。
【0013】次にゲートバルブは作動装置の第2要素と
して、協働カム装置を改良している。協働カム装置はシ
ールサポートリングにおけるゲート側面に沿う延出部内
面に突設されたピンと、このピンに係合可能にゲート側
面に設けられるカムエッジとを有するが、本発明ではこ
のカムェッジがゲートの両側部に沿って設けられた係合
溝に摺動可能に取付けられる各カムウェッジに形成され
ており、これらのカムウェッジはバルブステムの端部に
形成された直交部材に少なくともステムの軸方向に遊隙
なく結合され、ゲートはこの直交部材と軸方向に若干の
隙間を有するスロットを介して連結されている。この構
成の作動装置を介してゲートがステムに引かれて閉位置
から開位置に向かって動かされるとき、ゲートに先立っ
てカムウェッジが前記の隙間分だけ動き、先ずカムエッ
ジからシールサポートリングのピンが緩解され、続いて
ゲートに対する二次シールの接圧が解除される。
【0014】また本発明のゲートバルブにおいては、前
記バルブシートをバルブ本体に嵌着される部分とゲート
に接して一次シールを形成する部分との2部分複合型に
構成することができ、これによってとかく摩耗を生じや
すい一次シール形成部分のみの交換を可能とする。
【0015】最後に、本発明のゲートバルブは流体圧力
がさほど高くない場合に適用するものとして、シール装
置を簡単にしたものを含む。この形式は、二次シールの
ゲートの接圧を緩和する作動装置としてバネ部材を有す
るが、協働カム装置を持たない。そのバルブシートはバ
ルブ本体の流路内端に形成された環状の段溝の一部に嵌
着される部分とそれよりゲート側に延出した管状部とを
有し、バルブを開閉する各ゲート位置にあるゲートに管
状部の端面を接して少なくとも一方を非金属部材とした
一次シールを形成する。通常、バルブシートのゲートと
の接面に弾性材を用いることが多い。二次シール装置が
バルブシートの前記管状部の周囲に軸方向に摺動可能に
取り付けられる二次シールアセンブリを有していて、こ
の二次シールアセンブリがバルブシートの管状部の外周
面に軸方向摺動可能に嵌合された環状の二次シール保持
体と、この保持体のゲート側端面に形成された環状溝に
圧嵌された弾性二次シール部材と、二次シール保持体
(140)の内周面に形成された環状溝に装着されて前
記管状部に接する弾性リングとより成り、かつ二次シー
ルアセンブリをゲートの方へ押圧するための環状バネ部
材がバルブシートの有するショルダと二次シール保持体
の反ゲート側端面との間に配設されていることを特徴と
する。なお、この場合前記二次シール保持体がそのゲー
ト側端面にゲートの側面に沿って延出された1対のゲー
トガイドを有することも可能である。
【0016】
【作用】本発明が先行技術の有する課題を解決するため
に改良したゲートバルブの特徴は前述したとおりである
が、このゲートバルブはバルブステムの内端部に連結さ
れた両面平行型のゲートをハンドル操作によって、バル
ブ本体内でバルブの閉位置と開位置との間で移動させ
る。このときバルブ本体両側の流路の内端周囲に形成さ
れた環状の段溝内に配設される一次のバルブシートはゲ
ートのバルブ面にそれぞれの内端面を接して少なくとも
一方を非金属とする一次シールを常時形成している。こ
の一次バルブシートとゲートとの接面は一般的な機械的
嵌合公差に基づいて対面されているが、ゲートが開閉動
するとき互いに摺接するので、バルブシート内端面は長
期使用によって摩耗することがある。本発明ではバルブ
シートを2分割型に改良して、摩耗部に近い半部を現地
でも取り替え可能にすることが多い
【0017】次に一次バルブシートの外周面を摺動する
二次シール装置におけるシール保持体はバルブシート面
との間に弾性シールリングを有するほか、ゲート側端面
に環状の二次シール部材を有する。この二次シール部材
は弾性材で、通常金属対金属の一次シールによってほ
ぼシールされた流路における流体を、さらに弾性材によ
るゲートとの密着性によって一層完全にシールし、バル
ブ室を経由した流体の上流側から下流側への漏れを防
ぐ。しかしこのゲートとの間に二次シールを形成する弾
性二次シール部材は、バルブの開閉に伴うゲート面との
摺擦によって金属または耐摩性非金属材料以上に損傷を
受け易い。そこで本発明ではゲート側面に直接または間
接に設けたカムに従動して流路方向に動くシールサポー
トリングを用いてシール保持体を移動可能とし、主とし
てゲートがバルブを閉じたときシール保持体の有する
弾性二次シール部材を十分にゲートに圧接するようにし
ている
【0018】本発明では弾性二次シール部材とゲートと
の間の極端な圧接を緩和するために、シールサポートリ
ングと二次シール保持体との間にバネ部材を新たに設け
て、二次シールの接圧が弾性シール材を圧損するほど強
くならず、また圧接解除時にもシール性が適度に残存さ
れるように構成した。またゲートを開位置へ移すとき
接解除の遅れを解消するために、ゲートの側面に別体
のカムウェッジを相対動可能に装着し、このウェッジに
カムを設け、ゲートをバルブ閉位置から開位置へ動かす
とき、バルブステムがゲートの動きに先立ってカムウェ
ッジを若干移動させるように3つの部材間の係合構造を
改善した。従ってカムウェッジの先行動作に伴ってシー
ルサポートリングがゲートから離れる方向に動き、弾性
二次シール部材もゲートから離脱しようとする。しかし
本発明では前記バネ部材の存在によって二次シール部材
はゲートから完全に離脱されず、適度の接圧のもとにシ
ール性を残して後退され、この間にゲートは閉位置から
開位置へ弾性二次シール部材を磨損することなく移動さ
れる。
【0019】
【実施例の説明】本発明のゲートバルブはゲートと主と
して剛性材で接する一次シールのほかに、主として弾性
材で接する二次シールアセンブリを備えている。このゲ
ートバルブは既に述べた米国特許第4,377,273
号において開示されたゲートバルブと同様、ステム昇降
型のものである。なお、同一発明者の先願であるこの米
国特許第4,377,273号(以下、単に同一人の先
願とも言う。)は、以下の説明において随時比較参照す
るが、本発明はこの先行技術の不十分な点をさらに改良
したものである。
【0020】図1、図8Aおよび図9Aについて説明す
る。ゲートバルブ10はバルブ本体11を有し、このバ
ルブ本体11の内部にバルブ室12が形成されている。
ゲートバルブ10の上部にはボンネット(図示せず)が
取り付けられ、このボンネットによってバルブ室12の
上端が封鎖されるとともに、バルブ本体11およびステ
ム14との間がシールされる。
【0021】ゲートバルブ10はバルブ室12内に配設
されたゲート15を有する。一般に、このゲート15は
断面長方形であり、そのバルブシート28,131に接
する両面は互いに平行であり、上部はステム14に連結
されている。従って、このステム14の上下動によっ
て、ゲート15が昇降される。この図例では、ステム1
4の下端部には螺子付きのスタッド16が形成されてい
る。一方、ゲート15上部を横に貫通した円筒孔19内
に嵌挿されるシリンダ18には、雌螺子を有する螺子孔
17が形成されており、この孔17に対してスタッド1
6が螺合される。スタッド16はステム14の円筒部2
1に連結されている。なお、この円筒部21はゲート1
5上面の開口20内に挿着される。また、ステム14に
は、その円筒部21の上側に円錐台部22が形成され
る。この円錐台部22はストッパとして作用し、ボンネ
ット(図示せず)の下面と接触することによって、ステ
ム14の上昇が制限される。
【0022】ステム14の鉛直方向の動きは種々の方法
によって行なわれる。この実施例においては、ステム1
4はヨークナット(図示せず)に螺合され、このヨーク
ナットの回動によって、ステム14がその長手方向に動
かされ、その動作に伴ってゲート15が上下する。な
お、ステム14とゲート15との連結方法は、このほか
にもいろいろあり、例えば図3等において改良例を後述
する。
【0023】図示のように、バルブ本体11にはバルブ
室12側へ突出する突出部23,24が対向状に形成さ
れている。なお、この突出部23,24はバルブ本体1
1に形成された流路25,26の内側(バルブ室12
側)端部を囲繞するように形成されている。一方、ゲー
ト15にはフローポート15aが貫通状に形成されてい
る。このフローポート15aは、ゲート15が上昇した
ときに流路25,26と整合し、バルブを開状態にしう
るように設定されるている。
【0024】突出部23,24には、流路25,26に
面して環状の段溝27が同心状に形成される。図1と図
3の実施例においては、この段溝27に一次シール用
バルブシート28が取り付けられる。なお、このバルブ
シート28は一体型でバルブ本体11に嵌着される大径
部29を有し、ここから延出する管状部の端面をゲート
15のバルブ面に接し、通常流通流体に対して少なくと
も一方が非金属の一次シールを形成する。一次シール
端面は流路25,26内の流体のバルブ室12内への漏
れを防ぎ、かつゲート15の上下動を案内する。
【0025】図8A、図9Aおよび図9Bの実施例にお
いては、段溝27に上記一体型より少し短いバルブシー
ト本体128が取り付けられている。バルブシート本体
128はその少し小径の管状部129に螺合してリング
状のシート面部材131を有する。このゲート側シート
面部材131の内側鍔面はバルブシート本体128の管
状部129の外端面132に係合され、この外端面13
2との間に十分な密封接面を形成する。なお、管状部1
29とシート面部材131との間に形成された環状空間
138内に弾性シール部材133を装着し、管状部12
9とシート面部材131との間のシールをより確実にで
きる。環状空間138は管状部129の外周角部の円錐
台面139によって形成される。シート面部材131の
端面134はゲート15と係合し、両者の間に少なくと
も一方が非金属である一次シールを形成する。
【0026】図8Bに示したシート面部材135は、図
8Aのシート面部材131に代えて使用できるものであ
る。このシート面部材135の端面には環状溝136が
形成されている。そして、この溝136内にゴム、テフ
ロン等の弾性材で形成された弾性シールリング137が
装着され、シート面部材135とゲート15との間に
性シールリング137を介して良好なシールが形成され
る。この方法を使用すると、ゲートに対する金属対金属
シールの場合に必要とされるほどの加工精度は不要であ
り、さらに低圧使用の場合においては、コストをかなり
低く抑えることができる。図8A,図8Bはこのように
二次シールアセンブリを省いた簡略な構成を参考までに
示している。もちろん図8Bに示した弾性シールリング
137付の一次シールの構造を後述の図9A、図9Bの
構成に採用することができる。
【0027】なお、図1、図3に示したような一つの部
材より成る一次のバルブシート28に代えて、図8A、
図9A等に示したようにバルブ本体11に嵌着されたバ
ルブシート本体128に螺合して、シート面部材131
を着脱可能に用いた場合には、ゲート15とシール接触
するその端面134が万一摩耗しても、シート面部材1
31のみをバルブシート本体128との螺合部から外し
て容易に交換することができるので、シート面部材13
1全体を耐摩性の非金属材料または弾性材で造ることが
できる
【0028】次に二次シールについて説明する。図1、
図9Aに示すように、一次シールに増補される二次シー
ルにはその接圧をバルブの閉鎖時に強化するシールサポ
ートリング31が、一次シールのバルブシート28の管
状部30の回り(図1)、もしくはバルブシート本体1
28のシート面部材131の回り(図9A)に配設され
る。シールサポートリング31は、鍔付リング状に形成
され、ゲート15側の端部には内向きの開放溝37を有
するので、その形状は断面L字形である。さらに、シー
ルサポートリング31は、その側部に1対の軸方向延出
部32,33を有し、これらの延出部32,33は、そ
れぞれ、ゲート15の両側面に沿って延びている(図2
参照)。各延出部32,33は円筒状の短いピン34を
有する。このピン34は各延出部32,33のゲート1
5に沿う内側の平坦面に固定されている。他方、ゲート
15はその両側面にカムエッジ35を有する。各カムエ
ッジ35はゲートの下端部に位置する垂直部分35aと
その上方に位置する傾斜部分35bより成る。ピン34
はカムエッジ35との係合によって従動し、シールサポ
ートリング31をゲート15の方へ移動させる。ステム
14の降下によって、ゲート15が図示の閉鎖位置へと
降下するとき、ピン34はカムエッジ35にそってその
垂直部分35aと係合した位置から傾斜部分35bと係
合する位置へと移動し、両方のシールサポートリング3
1がゲート側へ引き寄せられる。本願と同一発明者によ
る先願米国特許第4,377,273号においては、本
願の片面型カムエッジに対して、二次シールをゲートに
対して離接するためのフロントエッジおよびバックエッ
ジを有する両面型の溝が設けられていた。この変更は本
発明が二次シールの接圧を緩和しさらには解除すること
の可能な作動装置を新たに設けたことに関連している。
【0029】さらに、図1、図9Aを参照するとシール
サポートリング31の開放溝37内に二次シールアセン
ブリが取り付けられている。この二次シールアセンブリ
はシールサポートリング31と一次のバルブシート28
またはシート面部材131との間に摺動可能に支持され
た金属製のシール保持体36を有する。この二次シール
アセンブリの構成は、弾性リングを内・外周から硬質リ
ングではさんだ同一人の先願における単純なシール素子
と異なり、二次シールの接圧をゲートの開閉移動時に緩
和可能にするものである。
【0030】シール保持体36は内溝を有する段付環状
リングで断面L字形である。さらに、このシール保持体
36は、ゲート側の端面の環状溝にプレス嵌め等によっ
て取り付けられた環状の弾性二次シール部材36aを有
している。またシール保持体36の内溝には図3と図9
Bに示すように、スライド可能に配設された断面長方形
のスペースリング38と圧縮可能な弾性シールリング3
9を備えている。この弾性シールリング39は圧縮変形
可能なので、スペースリング38を介して圧縮される
と、シールリング39は周りの壁面に密接して十分な内
部シールを形成する。弾性シールリング39としては、
例えば、圧縮性の弾性材で形成された断面円形の0リン
グが使用できる。図10に示す実施例においては、弾性
シールリング39は断面が長方形に近い圧縮性の弾性リ
ングであり、隅角部にはみ出し防止部材50を包含して
いる。
【0031】さらに好ましい実施例においては、シール
保持体36用の圧力緩和(relief)装置が設けら
れている。図1、図9Aの実施例においては、この圧力
緩和装置はシールサポートリング31とスペースリング
38との間に配設されたバネ部材40を含む。このバネ
部材40には流体圧を考慮して選定されたバネ定数のも
のが使用されるので、シール保持体36がゲート15に
圧接されて二次シールが形成されると、絶えず適度の接
圧がゲートとの間に維持される。しかし上流側(図1,
図9Aにおける流路26側)の流体圧によってシール保
持体36(さらに特定すれば弾性シールリング39)に
所定の以上の圧力が加わった場合、バネ部材40は圧縮
される。このバネ部材40が大きく圧縮されると、シー
ル保持体36はゲート15から離れ、弾性シール部材3
6aの破壊を防止する。
【0032】バネ部材40のバネ定数は、シール保持体
36,弾性シールリング39および二次シール部材36
aの構成材料、およびそれらの限界圧力に対する耐圧性
に基づいて定められる。このバネ定数の選択は、当業者
がこの発明の開示に基づいて定めうる設計上の問題であ
る。
【0033】バネ部材40を複数のバネで形成し、二次
シールの作動条件に合せて任意にそのバネ定数を変更で
きるようにしてもよい。図示の実施例においては、バネ
部材40は所定のレベルの圧力に呼応しうるバネ定数を
有するさらバネである。なお、これは圧縮性の高いリン
グシールであってもよい。
【0034】したがって、図1,図9Aに示す実施例に
おいては、このバネ部材40の存在によって上流側の流
体圧力に対する緩衝機能と、その圧力が異常に高いとき
シール保持体36をゲートから速やかに引き離すための
解除機能とを備えている。
【0035】さらに、この発明のゲートバルブにはゲー
ト15の両側面に直接、刻設された既述のカムエッジ3
5に代えて、別体のカムウェッジを用いる形式の協働カ
ム装置を用いることができる。この協働カム装置は図4
に示すようにゲートの両側面に近い上下方向の係合溝1
26に沿って摺動可能に嵌入されたカムウェッジ60を
有する。このカムウェッジはバルブが開くときには、ゲ
ートが上へ動く前に少し上動するように設定されている
ので、シールサポートリング31のピン34に対するカ
ムエッジの規制が緩み、二次シールが緩解されてからゲ
ートが図示上方へ動くことにる。図3と図9Bにこのカ
ムウェッジ60を備えたゲートバルブを示してある。こ
れらの図の説明において使用する「垂直」および「水
平」の語は、図3もしくは図9Bに図示のバルブに対す
るものである。図においては、バルブはその上部から上
方へ延びるステム14と共に直立した状態で示してあ
る。図5、図6に示すように、カムウェッジ60は長方
形に形成され、その下部には切り込み62が形成されて
いる。この切り込み62によって片面型のカムエッジ3
5が左右対称に形成される。なおこのカムエッジ35は
図1、図9Aのようにゲート15の両側面に直接、設け
たカムエッジ35と形状および機能ともほぼ同じであ
る。そして、このカムエッジ35は下部の垂直部分35
aと上部の傾斜部分35bとから成る。図1、図9Aの
項で説明したように、カムエッジ35はピン34とカム
係合されているので、ステム14の降下によって、ゲー
ト15が閉鎖位置へと降下すると、ピン34はカムエッ
ジ35にそってその垂直部分35aから傾斜部分35b
へと移動する。その結果、ピン34と一体の各シールサ
ポートリング31がゲート15側へ移動され、二次シー
ルの接圧が強化される。
【0036】カムウェッジ60はその両端にタブ64を
有する。このタブ64はそれぞれ外側へ延び、ゲート1
5に形成された係合溝126に摺動可能に係合される。
これによって、カムウェッジ60はゲート15に支持さ
れ、かつ縦方向に相対動可能となる(図3,図9B,図
4参照)。カムウェッジ60の上部には、断面長方形の
水平のスロット68が形成される。以下に詳述するよう
に、このスロット68はステム14の下端の直交部材1
16を嵌めるように形成されている。
【0037】図3、図9Bに示すように、ステム14の
下部には水平断面長方形の延出部121が形成され、さ
らにこの延出部121の下端には直方体の直交部材11
6が固定されているので、両者によって逆T字形ブロッ
クが形成される。また、この実施例においては、図示の
ように直交部材116の左右水平方向の幅は、延出部1
21の水平方向の幅より広く、かつゲート15の水平方
向の幅より狭く設定されている。紙面直角方向について
は、直交部材116の水平方向の長さは延出部121の
水平方向の長さより長く、かつゲート15の水平方向の
長さとほぼ等しく設定されている。直交部材116の長
さ方向の各端部はカムウェッジ60のスロット68(図
6)内に摺動可能に係合しうるように形成されている
が、これらの端部とスロット68との間の垂直方向の遊
びは最小に抑えられている。
【0038】ゲート15には縦(上下)方向のスロット
120と横(水平)方向のスロット117(図3,図9
B参照)とが形成されている。そして、これらのスロッ
ト120,117内には、それぞれステム14の延出部
121および直交部材116が係合されている。この場
合において、スロット120は、延出部121を摺動可
能に保持し、かつステム14に対するゲート15の横
(図示左右)方向の遊びが最小となるように形成され
る。しかし、ゲート15に設けたスロット117の縦
(上下)方向の寸法はステム下端の直交部材116の縦
(上下)方向の寸法よりも大きく設定されているので、
ゲート15の縦方向の動作を伴わずに、ステム14はそ
の差に該当する所定寸法(図示125)だけ縦方向に動
作可能で、このときステム14にゲート両側のカムウェ
ッジ60が従動する。
【0040】なお、この実施例においては、ステム14
をゲート15とカムウェッジ60に組み合せるために、
ステム14の延出部121の水平方向(紙面直角)の長
さをゲート15の同じ水平方向のスロット120より短
く設定し、両者の間に空所を形成しておく必要がある。
その理由は、ステム14をゲート15の片側に寄せてお
いてゲートの他側にウェッジ60を装着するためであ
る。この空所は図4に空白部分として示されている。ス
テムの延出部121の水平方向(図示左右)の幅につい
てはこのような寸法差は必要でない。またステムとゲー
トとカムウェッジは上記とは別の形態で互いに組み合せ
ることも可能である。
【0041】このように構成されたカムウェッジ60を
使用すると、ゲートバルブ10が閉鎖位置(図3,図9
B)にあるときは、すでにカムウェッジ60の降下によ
って、そのカムエッジがピン34を案内することによっ
てシールサポートリング31がゲート15に引き寄せら
れ、二次シールが作用している。ゲートバルブ10を開
く場合、一定の距離(図示125)だけステム14を上
昇させる間、すでに述べたようにゲート15は上昇せず
にカムウェッジ60のみが引き上げられる。このカムウ
ェッジ60の先行動作によって、ゲート15が上昇を開
始する前に、カムウェッジ60のエッジ35がその上方
傾斜部35b(図6)に沿ってピン34を少し解放する
ため二次シールの接圧解除が行なわれ、ゲート面と摺れ
ることによる弾性二次シール部材36aの摩耗が有効に
防止される。
【0042】なお、ステム14によって、ゲート15を
降下させてバルブを閉鎖するときには、ゲート15に対
する一次シール部材28,131の摩擦抵抗によって、
ゲート15は図3、図9Bに示す高い位置で止まろうと
する。また、ゲート15の下方にストッパ(図示しな
い)を設け、このストッパによってゲート15の下降が
制限されるようにしておけば、ステム14の上昇に際し
て、前述のカムウェッジ60の先行動作を確実に実施す
ることができ、二次シール部材36aの摩耗を防止でき
る。
【0043】図6においては、図1,3,9Aおよび図
9Bに示されたカムエッジ35とは特に上部の形を変え
たカムエッジを破線で示してある。すなわちこのカムエ
ッジ35には従来の傾斜部35bの途中で方向を上向き
にした上部垂直部分35c(破線部分)が示されてい
る。この上部垂直部分35cはゲート15のバルブ面に
平行に形成されているので、ピン34が上部垂直部分3
5cと係合することによって、シールサポートリング3
1のゲート15側への動きが改変前のカムエッジより少
なくなり、従って二次シールがある程度以上強く締まる
ことはない。
【0044】図7は図4〜図6のカムウェッジ60の幅
を変えたカムウェッジを示す。なお、このカムウェッジ
60は、ゲート両側の対向する二次シールを均等に作用
させるために、ゲート15をそれらの中央に定位させる
ものである。図7の場合のカムウエッジ60の水平断面
形状は、基本的には図4のカムウェッジ60の水平断面
形状と同一であるが次の点であ異なる。すなわち、カム
ウェッジ60をゲート15に装着した場合、タブ64と
係合溝126との間、従ってカムウェッジ60とゲート
15との間に隙間が形成され、カムウェッジ60がゲー
ト15に対して矢印66の方向に少し動きうる点であ
る。
【0045】したがって、横方向に動くための隙間を有
するカムウェッジ60がゲート15に取り付けられてい
ると(図7参照)、このカムウェッジ60の遊動によっ
て、ゲート15と対向する二次シールとの間の芯ずれが
自ずと補整され、ゲート15の両面に均等な二次シール
が形成される。
【0046】このように図3、図9Bに示した実施例で
は、カムウェッジ60に関連したシール作動機構によっ
て、ゲートを閉位置から開位置へ動かすのに先立って二
次シールの接圧を緩和することができ、またゲートと両
側のシールとの間の芯ずれを自ずと補整しうるので、シ
ールサポートリング31と二次シール保持体36との間
に緩衝用バネ部材を強いて設けなくてもよい。
【0047】図11の実施例においては、図3、図9B
と異なり、ステム下端の直交部材116は隙間なくゲー
ト15におけるスロット117´内に係合されるととも
に、図1、図9Aの場合と同様なバネ部材40が使用さ
れている。隙間がないので、スロット117´の上下幅
と直交部材116の厚さはほぼ同一である。なお、この
実施例においても、図9Aおよび図9Bの場合と同様に
複合型の一次シート128,131が使用できる。
【0048】図11に示す実施例では、バネ部材40が
弾性限界を越えて圧縮されないように、シールサポート
リング31のゲート15側へ移動が制限される。このシ
ールサポートリング31の移動の制限は、シールサポー
トリング31の軸方向長さが図9A,図9Bのものより
長く、従ってその内端面153がゲート15に接触する
ことによって行なわれる。また、シールサポートリング
31がゲート15の面を摩損しないように、シールサポ
ートリング31の内端面153がゲート15と接触した
後、ゲート15がそれ以上降下しないようにステム14
の降下が調整されている。すなわちゲート15の降下は
ステム14の降下を適切に停止することによって制限さ
れる。そしてこのステム14の降下停止は、ステム14
の外側部にストップナット154を取り付け、これをボ
ンネット156に対してハンドル157の位置を規制す
るステムナット155の上にハンドルを正しく固定する
ように螺着することによって果たされる。ストップナッ
ト154のステムナット155に対する螺着停止位置の
調節は、カムウェッジ60のカムエッジ35によってピ
ン34を介してシールサポートリング31がゲート15
側へ引き寄せられ、その内端面153とゲート15の面
とが接触するのに一致して行なう必要がある。ステム1
4の降下が制限されることによって、カムウェッジ6
0、シールサポートリング31、ゲート15およびステ
ム14に過負荷が加えられることも防止される。
【0049】次にシールサポートリングのない簡略なシ
ールアセンブリを用いた実施例を図9C,9D,9Eに
ついて説明する。
【0050】図9Cにおいて、バルブシート148の管
状部149には、リング状の二次シール保持体140が
軸方向に摺動可能に係合されている。二次シール保持体
140の端面142には、プレス嵌め等によって環状の
弾性二次シール部材140aが取り付けられている。二
次シール保持体140は、内側の溝150に0−リング
140bを有する。なお、この0−リング140bは管
状部149の外周面に対してシールを形成する。図9C
の実施例においては、バルブシート148のショルダ1
44と二次シール保持体140との間にはバネ部材14
1が配設される。また、図9Dの実施例では、バルブシ
ート148の外周にリング状の凸部152が形成され
て、二次シール保持体140との間にバネ部材141収
納用のポケット145が形成される。このバネ部材14
1によって、弾性二次シール部材140a端面142が
ゲート15に接触される。また、上流側からの加圧流体
によって、二次シール面に強い圧力が加えられると、バ
ネ部材141が圧縮され、二次シール保持体140がゲ
ート15から離れるため、その弾性二次シール部材14
0aが破損することはない。しかし所定内の流体圧では
バネ部材141が有効に作用して二次シールを維持す
る。
【0051】図9C,9Dの実施例において、二次シー
ル保持体140には、ゲート15の両側面に沿って延び
るゲートガイド143(図9E参照)が形成されてい
る。これらは二次シール保持体140の回転防止とゲー
ト15の横振れを防止する。
【0052】バネ部材141には通常さらバネが用いら
れるが、弾性0−リング等であってもよい。
【0053】以上、数種の実施例に基づいてこの発明を
説明してきたが、発明の範囲を逸脱しない限り、細部の
構成を互に組み変えて実施することもできよう。例え
ば、ゲートと別体のカムウェッジ60を図1,9Aのよ
うなバネ部材40のある実施例に適用することによっ
て、バルブを開くようにゲートを動かすときに、ゲート
15と二次シール部材との接圧を一層有効に緩和し解除
することもできる。さらに、図3,図9Bの実施例にバ
ネ部材を適用して、流体の圧力が所定以上の値に達した
場合、二次シール装置36が有効に後退されるようにし
てもよい。また、図9Cの実施例において、2部材複合
型のバルブシート機構を使用することもできる。なお、
本発明においては全実施例を通じてバルブシートとゲー
トとの間のいわゆる一次シールを金属対金属シールに限
定することなく、むしろバルブシートとゲートとの少な
くとも一方(もしくは双方)が非金属材料を有している
ことを基本的要素とみなしているものである。ここに言
う非金属材料は必ずしも弾性材料に限定されず、耐摩
性、低摩擦性のものが望ましい。
【0054】
【発明の効果】この発明は、バルブ本体内をバルブ開閉
のために移動するゲートに対して、その両側より流体の
流路内端周囲に配設された環状の一次シール部材と弾性
二次シール部材とを同心状に接触させてバルブ内の液封
を保つ形式のゲートバルブで、主として二次シールの接
圧を緩和し、さらには解除することの可能な作動装置を
ゲートに対して設けたことを特徴とする。この作動装置
の第1の素子として、弾性二次シール部材の環状保持体
の背後にバネ部材を設けて、常に二次シール部材をゲー
トの方へ付勢するようにしたので、前記保持体にこのバ
ネ部材を介して接しかつゲートがバルブ開閉の各位置へ
動くときゲートの側面に形成されたカムによってゲート
に接離する方向に相対移動されるシールサポートリング
の位置にかかわらずまた二次シール保持体の端面に加わ
る流体圧力の若干の変動にかかわらず、弾性二次シール
のゲートに対する接圧が適度の範囲におさまり、流体圧
や機械的の力によって弾性二次シール部材が損傷される
のを防止する。次にこの形式のバルブではゲートがバル
ブ閉鎖位置へ動くとき、前記シールサポートリングがカ
ムによってゲート側へ引き寄せられて弾性二次シール部
材がゲート強く圧接されてシール効果が強化される。
しかし従来はこの強圧状態でゲートがバルブを開く方へ
起動されたので、弾性二次シールは特にこの時期に摩耗
を受けることが多かった。この発明では二次シールに対
する前記作動装置の第2の構成として、従来、ゲートの
側面に直接設けられたカムを、ゲートの両側部の係合溝
に摺動可能に取付けられたカムウェッジに形成するとと
もに、これらのカムウェッジをバルブステムの端部に形
成された直交部材にステムの軸方向に遊隙なく結合し、
ゲートはこの直交部材と軸方向に隙間を有するスロット
を介して連結したので、この構成の作動装置を介してゲ
ートがステムに引かれて閉位置から開位置へ向かって動
かされると、ゲートに先立ってカムウェッジが動き、そ
のカムに案内されてシールサポートリングがゲートから
離れる方向に緩解され、これに伴ってゲートに対する弾
性二次シールの接圧が緩和され、さらにカムの形状によ
ってはゲートの動きにつれて二次シールの接圧解除も可
能である。この新規な作動装置の付設によってこの発明
のゲートバルブでは二次シールの摩損が十分に防止され
る。
【0055】なお、この発明では、一次シール部材を2
部材複合型とし、摩耗を受けやすいゲート側の部材のみ
を現地でも交換容易にし、要すればこの部位に非金属材
料を適用してゲートとの摩擦性を低減し、さらに主とし
て流体圧が比較的低い場合には、従来の協働カム装置
(シールサポートリングおよびゲート上のカム)を省略
した簡単な構成のシール装置を提供することによって多
くの利点を業界に与えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるゲートバルブの縦断面図であ
る。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】カムウェッジを有するゲートバルブの縦断面図
である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5はカムウェッジの平面図である。
【図6】図6はカムウェッジの正面図である。
【図7】図7は別のカムウェッジを使用した場合におけ
る図3に類似の断面図である。
【図8A】一次シール体を2部材で形成した例を示す説
明図である。
【図8B】図8Aの部分拡大図である。
【図9A】図1に図8Aの構造を組み合わせた別のゲー
トバルブの縦断面図である。
【図9B】図3に図8Aの構造を組み合わせたゲートバ
ルブの縦断面図である。
【図9C】図1から協働カム装置を省いたゲートバルブ
の縦断面図である。
【図9D】さらに簡単なシール部材の部分拡大図であ
る。
【図9E】図9Dのシール部材の斜視図である。
【図10】非突出シールリングの断面図である。
【図11】ゲートとステムとの連結部分を改変したゲー
トバルブの縦断面図である。
【符号の説明】 10 ゲートバルブ 11 バルブ本体 12 バルブ室 14 ステム 15 ゲート 15a フローポート 27 段 溝 28、148 バルブシート 30、130 管状部分 31 シールサポートリング 32、33 延出部 34 ピン 35 カムエッジ 35a 下方垂直部分 35b 傾斜部分 35c 上部垂直部分 36 二次シール保持体 36a 二次シール部材 38 スペースリング 39 弾性シールリング 40 バネ部材 50 はみ出し防止部材 60 カムウェッジ 116 直交部材 125 隙間 126 係合溝 128 シート本体 131 シート面部材 133 弾性シールリング 154 ストップナット 156 ボンネット ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月20日
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるゲートバルブの縦断面図であ
る。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】カムウェッジを有するゲートバルブの縦断面図
である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図5はカムウェッジの平面図である。
【図6】図6はカムウェッジの正面図である。
【図7】図7は別のカムウェッジを使用した場合におけ
る図3に類似の断面図である。
【図8】一次シール体を2部材で形成した例を示す説明
図である。
【図9】図8の部分拡大図である。
【図10】図1に図8の構造を組合わせた別のゲートバ
ルブの縦断面図である。
【図11】図3に図8の構造を組み合わせたゲートバル
ブの縦断面図である。
【図12】図1から協働カム装置を省いたゲートバルブ
の縦断面図である。
【図13】さらに簡単なシール部材の部分拡大図であ
る。
【図14】図13のシール部材の斜視図である。
【図15】非突出シールリングの断面図である。
【図16】ゲートとステムとの連結部材を改変したゲー
トバルブの縦断面図である。
【符号の説明】 10 ゲートバルブ 11 バルブ本体 12 バルブ室 14 ステム 15 ゲート 15a フローポート 27 段溝 28,148 バルブシート 30,130 管状部分 31 シールサポートリング 32,33 延出部 34 ピン 35 カムエッジ 35a 下方垂直部分 35b 傾斜部分 35c 上部垂直部分 36 二次シール保持体 36a 二次シール部材 38 スペースリング 39 弾性シールリング 40 バネ部材 50 はみ出し防止部材 60 カムウェッジ 116 直交部材 125 隙間 126 係合溝 128 シート本体 131 シート面部材 133 弾性シールリング 154 ストップナイト 156 ボンネット
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図13】
【図14】
【図15】
【図3】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図16】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブ本体と、ゲートと、一次シール用
    バルブシートと、二次シール装置と、二次シール装置を
    ゲートに対して移動させる協働カム装置とを有し、バル
    ブ本体がその内部にボンネットにより封鎖されるバルブ
    室を有するとともにこのバルブ室の両側において一直線
    上に配置された一対の流路を有し、かつこれら流路の各
    内端周囲にバルブ室側に開放された凹溝を形成してお
    り、ゲートは前記一対の流路を連通させるフローポート
    と同流路を閉じる無孔部分とを有して前記バルブ室内に
    配設されるとともに、その一端をバルブステムに連結さ
    れてバルブが開閉する各ゲート位置の間を前記流路を横
    切る経路に沿って往復動可能であり、バルブシートは前
    記流路の内端周囲に形成された各凹溝のゲートから遠い
    部分に嵌着される部分とそれよりゲート側に位置する管
    状のシート部分とを有し、バルブが開閉する前記各ゲー
    ト位置にあるゲートに管状シート部分の端面を接して一
    次シールを形成し、二次シール装置はバルブシートの管
    状部分の周面上に摺動可能に設けられる二次シールアセ
    ンブリを有し、協働カム装置がゲートの側面に形成され
    たカムとこのカムに一部を係合して前記二次シールアセ
    ンブリをバルブが閉鎖するときゲートの方へ移動させる
    シールサポートリングとを含んでいるゲートバルブであ
    って、ゲートに対する前記二次シールアセンブリによる
    二次シールの接圧を緩和しさらには解除することの可能
    な作動装置をゲートに対して設けていることを特徴とす
    るゲートバルブ。
  2. 【請求項2】 前記二次シールアセンブリが前記バルブ
    シート(28,128)の管状部分(30,130)を
    取り巻くシールサポートリング(31)の開放溝(3
    7)内に前記管状部分(30,130)に対して摺動可
    能に配設されたリング状のシール保持体(36)と、そ
    の内溝に前記管状部分(30,130)に接して保持さ
    れる弾性シールリング(39)と、このシールリング
    (39)に隣接するスペースリング(38)とを有し、
    さらにシール保持体(36)がゲート(15)に隣接す
    るその端面に形成された環状溝内に弾性二次シール部材
    (36a)をゲートに接触可能に配設している特許請求
    の範囲第1項記載のゲートバルブ。
  3. 【請求項3】 前記作動装置が所定のバネ定数を有する
    バネ部材(40)を付勢部材として有し、このバネ部材
    はシールサポートリング(31)とスペースリング(3
    8)との間に配設され、シールサポートリング(31)
    が前記協働カム装置によってゲートに対して移動すると
    き、前記弾性二次シール部材(36a)とゲートとの間
    に生ずる接圧を緩和するように構成された特許請求の範
    囲第2項記載のゲートバルブ。
  4. 【請求項4】 前記バルブシートが流路(25,26)
    内端周囲に位置する各環状溝の一部に嵌着される部分と
    やや小径の管状部(129)とを一体としたシート本体
    (128)とこれに着脱可能に取付けられた同軸のシー
    ト面部材(131)とより成り、このシート面部材がそ
    の環状端面(134)をゲートに接して一次シールを形
    成し、かつシート面部材の外周面上に前記シールサポー
    トリング(31)および前記二次シールアセンブリが摺
    動可能に配設されている特許請求の範囲第2項記載のゲ
    ートバルブ。
  5. 【請求項5】 前記バルブシートはそのシート本体(1
    28)とシート面部材(131)とを螺合により着脱可
    能に結合しており、かつシート本体とシート面部材とが
    互いに接する軸直角面はシール面をなしている特許請求
    の範囲第4項記載のゲートバルブ。
  6. 【請求項6】 前記協働カム装置におけるシールサポー
    トリング(31)は、ゲートの両側面に沿って並列状に
    延びる延出部(32,33)を有し、各延出部はその内
    面にピン(34)を突設しており、一方、ゲートの側面
    に形成されるカムは、各ピン(34)に係合する片面型
    のカムエッジ(35)を有し、各カムエッジ(35)は
    少なくとも下方垂直部分(35a)とその上方に続く傾
    斜部分(35b)とを有し、ゲートが閉位置に向けて下
    方へ動くとき、各ピン(34)が傾斜部分(35b)に
    案内されることによって、ゲートの上流側および下流側
    のシールサポートリング(31)がゲートへ向けて移動
    され、このサポートリング(31)よりゲートに近い前
    記弾性二次シール部材(36a)とゲートの両面との間
    にそれぞれ二次シールが形成され、かつこの二次シール
    の接圧が前記バネ部材(40)によって緩和される特許
    請求の範囲第3項記載のゲートバルブ。
  7. 【請求項7】 前記協働カム装置が、シールサポートリ
    ング(31)におけるゲート側面に沿う延出部(32,
    33)内面に突設されたピン(34)と、このピン(3
    4)に係合可能にゲート側面に設けられるカムエッジ
    (35)とを有し、このカムエッジ(35)がゲートの
    両側部に沿って設けられた係合溝(126)に摺動可能
    に取付けられる各カムウェッジ(60)に形成されてお
    り、これらのカムウェッジ(60)はバルブステム(1
    4)の端部に形成された直交部材(116)に少なくと
    もステムの軸方向に遊隙なく結合され、ゲートはこの直
    交部材(116)と軸方向に隙間(125)を有するス
    ロット(117)を介して連結され、この構成の作動装
    置を介してゲートがステム(14)に引かれて閉位置か
    ら開位置に向かって動かされるとき、ゲートに先立って
    カムウェッジ(60)が前記の隙間分だけ動き、先ずカ
    ムエッジ(35)からシールサポートリング(31)の
    ピン(34)が緩解され、続いてゲートに対する二次シ
    ールの接圧が解除される構成の特許請求の範囲第2項記
    載のゲートバルブ。
  8. 【請求項8】 バルブ本体と、ゲートと、一次シール用
    バルブシートと、二次シール装置とを有し、バルブ本体
    がその内部のバルブ室の両側に一対の流路を一直線上に
    配置し、各流路の内端周囲にバルブ室側に開放された段
    溝を形成しており、ゲートが前記一対の流路を連通させ
    るフローポートを有してバルブ室内に配設されかつバル
    ブステムに連結されてバルブを開閉する各ゲート位置の
    間を往復動可能であり、バルブシートが環状溝の一部に
    嵌着される部分とそれよりゲート側に延出した管状部と
    を有し、バルブを開閉する前記各ゲート位置にあるゲー
    トに管状部の端面を接して一次シールを形成し、二次シ
    ール装置がバルブシートの前記管状部の周囲に軸方向に
    摺動可能に取り付けられる二次シールアセンブリを有し
    ているゲートバルブであって、二次シールアセンブリが
    バルブシート(148)の管状部(149)の外周面に
    軸方向摺動可能に嵌合された環状の二次シール保持体
    (140)と、この保持体(140)のゲート側端面に
    形成された環状溝に圧嵌された弾性二次シール部材(1
    40a)と、二次シール保持体(140)の内周面に形
    成された環状溝(150)に装着されて管状部(14
    9)に接する弾性リング(140b)とより成り、かつ
    二次シールアセンブリをゲートの方へ押圧するための環
    状バネ部材(141)がバルブシート(148)の有す
    るショルダ(144)と二次シール保持体(140)の
    反ゲート側端面との間に配設されている特許請求の範囲
    第1項記載のゲートバルブ。
  9. 【請求項9】 (a)内部にバルブ室を有しかつこのバ
    ルブ室の両側に一直線状で配置された一対の流路を有
    し、これらの流路の各々の内端周囲には溝を形成してな
    るバルブ本体と、 (b)非穴あきセクションと貫通流路を有するセクショ
    ンとを有して前記バルブ室内に配設され、バルブが開い
    て前記貫通流路が前記バルブ室の前記流路と整列する位
    置とバルブが閉じて前記非穴あきセクションが前記バル
    ブ室の前記流路と整列する位置との間を前記バルブ室内
    で可動なゲートと、 (c)前記流路の前記内端周囲の前記溝の各々に設けら
    れ、前記閉止部材が相対した状態で開位置と閉位置との
    間を移動するリング状シートから各々構成されて、前記
    ゲートがその閉位置にあるときに前記リング状シートに
    対し一次シールを形成するようにしたバルブシートとか
    らなり、前記バルブシートが前記バルブ本体にプレスば
    めされるシート本体部材とこのシート本体部材に対し着
    脱自在に取り付けられかつ前記ゲートに対する当接面を
    有して該ゲートに対するシールを形成するシート面部材
    とにより構成されていることを特徴とするゲートバル
    ブ。
  10. 【請求項10】 前記一次シールが弾性を有しているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第9項記載のゲートバル
    ブ。
  11. 【請求項11】 前記一次シールが金属対金属シールで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第9項記載のゲー
    トバルブ。
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