JPH08168912A - 穴あけ工具 - Google Patents

穴あけ工具

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Publication number
JPH08168912A
JPH08168912A JP33436594A JP33436594A JPH08168912A JP H08168912 A JPH08168912 A JP H08168912A JP 33436594 A JP33436594 A JP 33436594A JP 33436594 A JP33436594 A JP 33436594A JP H08168912 A JPH08168912 A JP H08168912A
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JP
Japan
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blade
drill
chamfering
margin
tip
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Pending
Application number
JP33436594A
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English (en)
Inventor
Yoshitomo Mizuki
叔知 水木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dijet Industrial Co Ltd
Original Assignee
Dijet Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被切削物に下穴加工と穴の仕上げ加工と穴の
面取り加工とを同時に行なうにあたり、油がドリル軸先
端部のドリル刃にうまく供給されて、上記の加工が安定
して行なえる穴あけ工具を提供する。 【構成】 ドリル軸10の先端部にドリル刃12が設け
られ、このドリル刃の外周縁12aと溝11を介してリ
ーマ刃14aを有するマージン14が設けられた穴あけ
工具において、ドリル軸の先端より所要間隔を介した後
部側に半径方向外方に傾斜して径が大きくなった面取り
刃18を設けるにあたり、面取り刃18をドリル刃の外
周縁とリーマ刃を有するマージンの何れか一方の延長線
上にだけ連続して形成し、面取り刃が設けられていない
他方の半径方向の高さが面取り刃が設けられたものより
低くなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被切削物を切削して
穴加工を行なう穴あけ工具に係り、特に、金属等の被切
削物に対して下穴加工とリーマ加工等の穴の仕上げ加工
と穴の面取り加工とが同時に効率よく行なえると共に、
ドリル軸の先端部に設けられたドリル刃に油が安定して
供給されて、この加工時にドリル刃が欠けたり、ドリル
軸が折れたりすることのない穴あけ工具に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属等の被切削物を切削して
穴加工を行なうにあたっては、一般にドリルによって下
穴加工を行なった後、リーマによってその穴の仕上げ加
工を行ない、さらに必要に応じて上記の穴に面取り加工
を行なうようにしていた。
【0003】しかし、このように下穴加工と、穴の仕上
げ加工と、穴の面取り加工とをそれぞれ別々に行なうこ
とは非常に面倒であり、作業効率が悪くなるという問題
があった。
【0004】このため、近年においては、実開平3−4
0013号公報等に示されるようにドリル軸の先端部に
ドリル刃を設けると共に、このドリル軸の外周部分にリ
ーマ加工を行なうリーマ刃を有するマージンやガイドパ
ッドを設け、下穴加工と同時に穴の仕上げ加工を行なう
ようにした穴あけ工具や、特開平5−301109号公
報に示されるように、ドリル刃の外周縁やリーマ刃と連
続するようにして、それぞれ半径方向外方に傾斜して径
が大きくなった段部を設け、これらの段部の中でドリル
軸の前方側に位置する段部に面取りを行なう面取り刃を
設け、この面取り刃によって穴に面取り加工を行なうよ
うにしたものが開発された。
【0005】しかし、上記のようないずれの穴あけ工具
においても、ドリル刃等によって被切削物を切削する
と、切削された被切削物の切りくずが、ドリル軸に設け
られた切りくずを排出させる溝に詰まることがあり、こ
の溝を通して切削油等の油をドリル軸の先端部における
ドリル刃にうまく供給することができなくなり、ドリル
刃による被切削物の切削がうまく行なえなくなったり、
ドリル刃が次第に過熱されて、切削された被切削物の切
りくずがドリル刃の近傍に溶着して固まり、これにより
ドリル刃による被切削物の切削がさらに低下し、ドリル
刃が欠けたり、またドリル軸の回転に大きな負荷が加わ
ってドリル軸が折れたりする等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、金属等の
被切削物に下穴加工とリーマ加工等の穴の仕上げ加工と
さらに穴の面取り加工とを同時に行なうようになった穴
あけ工具における上記のような問題を解決することを課
題とするものである。
【0007】すなわち、この発明の穴あけ工具において
は、被切削物に対して下穴加工と穴の仕上げ加工とさら
に穴の面取り加工とを同時に行なうにあたり、ドリル刃
等によって切削された被切削物の切りくずが、ドリル軸
に設けられた切りくずを排出させる溝に詰まって、切削
油等の油がドリル軸先端部のドリル刃に供給されなくな
るということがなく、常に切削油等の油がドリル軸先端
部のドリル刃に安定して供給され、従来の穴あけ工具の
ように、切削された被切削物の切りくずがドリル刃の近
傍に溶着して固まり、これによって被切削物の切削がう
まく行なえなくなったり、ドリル刃が欠けたり、またド
リル軸の回転に大きな負荷が加わってドリル軸が折れた
りするということがなく、被切削物に対する下穴加工と
穴の仕上げ加工と穴の面取り加工とが同時に安定して行
なえるようにすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明における第1の
穴あけ工具においては、上記のような課題を解決するた
め、ドリル軸の先端部にドリル刃が設けられ、このドリ
ル刃の外周縁と溝を介してリーマ加工を行なうリーマ刃
を有するマージンが設けられると共に、ドリル軸の先端
より所要間隔を介した後部側に半径方向外方に傾斜して
径が大きくなった面取り刃が設けられた穴あけ工具にお
いて、上記面取り刃をドリル刃の外周縁とリーマ刃を有
するマージンの何れか一方の延長線上にだけ連続して形
成し、面取り刃が設けられていない他方の半径方向の高
さが面取り刃が設けられたものより低くなるようにし
た。
【0009】また、この発明における第2の穴あけ工具
においては、ドリル軸の先端部にドリル刃が設けられ、
このドリル刃の外周縁と、リーマ加工を行なうリーマ刃
を有するマージンと、ガイドパッドとがそれぞれ溝を介
して設けられると共に、ドリル軸の先端より所要間隔を
介した後部側に半径方向外方に傾斜して径が大きくなっ
た面取り刃が形成されてなる穴あけ工具において、上記
面取り刃をドリル刃の外周縁とリーマ刃を有するマージ
ンとガイドパッドとの何れか一つの延長線上にだけ連続
して形成し、面取り刃が設けられていない他の2つの半
径方向の高さが面取り刃が設けられたものより低くなる
ようにした。
【0010】ここで、上記の第1及び第2の穴あけ工具
においては、ドリル刃によって切削された被切削物の切
りくずが当たるドリル刃の回転方向前方側における溝内
の当たり面と、リーマ刃を有するマージンの回転方向後
方側の端部との間、あるいはガイドパッドの回転方向後
方側の端部との間をそれぞれ切欠し、油通過用の空間部
を当たり面を有する上記溝に沿って連続して形成するこ
とが好ましい。
【0011】なお、上記の第1及び第2の穴あけ工具に
おいては、ドリル刃の外周縁と、リーマ加工を行なうリ
ーマ刃が設けられたマージンと、ガイドパッドとの間に
おける各溝がドリル軸の軸方向に直線的に伸びたもので
あっても、ドリル軸の軸方向に螺旋状にねじれて形成さ
れたものであってもよい。
【0012】また、上記のように油通過用の空間部を形
成するにあたっては、この空間部の大きさが単に逃げ面
を形成する程度の切欠きでは十分な量の油をドリル軸の
先端部におけるドリル刃に導くことができないため、こ
の空間部の大きさを当たり面を有する上記溝の10%以
上の大きさにすることが好ましい。
【0013】
【作用】この発明における第1の穴あけ工具において
は、ドリル軸を回転させ、その先端部におけるドリル刃
によって被切削物を穿孔して穴加工を行なうと共に、こ
のように穿孔された穴の周囲の壁面をリーマ刃によって
僅かに削り、マージンによってバニシングして仕上げ、
また第2の穴あけ工具においては、上記のようにマージ
ンによってバニシングした後、さらにガイドパッドによ
ってバニシングして仕上げ、このように仕上げられた穴
に上記の面取り刃によって面取り加工を行なうようにな
っている。
【0014】ここで、ドリル軸の先端より所要間隔を介
した後部側に半径方向外方に傾斜して径が大きくなった
面取り刃を設けるにあたり、この発明における第1の穴
あけ工具においては、面取り刃をドリル刃の外周縁とリ
ーマ刃を有するマージンの何れか一つの延長線上にだけ
連続して形成し、また第2の穴あけ工具においては、ド
リル刃の外周縁とリーマ刃を有するマージンとガイドパ
ッドとの何れか一つの延長線上にだけ連続して形成し、
面取り刃が設けられていない他の部分における半径方向
の高さを面取り刃が設けられた方より低くしているた
め、切削油等の油をドリル軸に供給してその先端部にお
けるドリル刃に送る際に、この油が面取り刃が設けられ
ていない部分を通してドリル軸の各溝にスムーズに導か
れ、この各溝を通して油が切削を行なうドリル軸の先端
部におけるドリル刃に十分に供給されるようになる。
【0015】このため、この油によりドリル刃による被
切削物の切削が円滑に行なわれると共に、ドリル刃が冷
却されて、切削時におけるドリル刃の過熱が抑制され、
ドリル刃の近傍に被切削物の切りくずが溶着するという
ことがなくなる。
【0016】さらに、上記の第1及び第2の穴あけ工具
において、ドリル刃によって切削された被切削物の切り
くずが当たるドリル刃の回転方向前方側における溝内の
当たり面と、リーマ刃を有するマージンの回転方向後方
側の端部との間、あるいはガイドパッドの回転方向後方
側の端部との間をそれぞれ切欠し、油通過用の空間部を
当たり面を有する上記溝に沿って連続して形成すると、
ドリル刃によって切削された被切削物の切りくずが上記
当たり面に当たって規制され、切りくずが上記の空間部
に侵入することが少なく、切削油等の油がこの空間部を
通して切削を行なうドリル軸の先端部におけるドリル刃
に供給され、ドリル刃による被切削物の切削がより円滑
に行なわれると共に、ドリル刃が冷却されて、切削時に
おけるドリル刃の過熱が抑制され、ドリル刃の近傍に被
切削物の切りくずが溶着するということがなくなる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る穴あけ工具を
添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0018】(実施例1)この実施例における穴あけ工
具においては、図1の(A),(B)に示すように、ド
リル軸10の軸方向に沿って一対の直線状になった大き
な溝11aを対向するように設け、この一対の溝11a
よりそれぞれドリル軸10の回転方向後方におけるドリ
ル軸10の先端部に先端角が所定の角度になったドリル
刃12を設け、各ドリル刃12より回転方向後方側のド
リル軸10の先端面にはそれぞれ各逃げ面13aとシン
ニングされたシンニング部13bとを形成している。
【0019】また、各ドリル刃12の外周縁12aより
それぞれドリル軸10の回転方向後方側の位置に、ドリ
ル軸10の軸方向に沿った直線状の溝11bを介してリ
ーマ加工を行なうリーマ刃14aを有するマージン14
を上記ドリル刃12の外周縁12aより少し半径方向外
方に突出するようにして設けている。
【0020】そして、ドリル軸10の先端より所要間隔
を介した後部側の位置において、上記リーマ刃14aを
有する各マージン14の延長線上に、リーマ刃14aよ
り半径方向外方に傾斜して径が大きくなった面取り刃1
8を設ける一方、ドリル刃12の外周縁12aはそのま
まの状態で軸方向に伸ばしており、面取り刃18の外周
縁18aにおける半径方向の高さがドリル刃12の外周
縁12aよりかなり高くなるようにしている。なお、面
取り刃18の外周縁18aと対応する部分において、上
記ドリル刃12の外周縁12における半径方向の高さを
さらに低くすることも可能である。
【0021】また、この実施例の穴あけ工具において
は、上記のように各マージン14及び各マージン14に
連続して形成された各面取り刃18と次のドリル刃12
との間の上記の溝11a内において、この次のドリル刃
12によって切削された被切削物の切りくずが当たる当
たり面16と、上記マージン14及び面取り刃18の外
周縁18aにおける回転方向後方側の端部との間を大き
く切欠して、油通過用の空間部17を上記溝11aに沿
ってドリル軸10の軸方向に連続して形成している。
【0022】そして、この実施例の穴あけ工具におい
て、被切削物に下穴加工と穴の仕上げ加工と穴の面取り
加工とを行なうにあたっては、上記ドリル軸10を回転
させると共に、切削油等の油をドリル軸10に供給し
て、この油をドリル軸10先端部のドリル刃12に送る
ようにし、ドリル軸10の先端部におけるドリル刃12
により被切削物を切削して下穴を穿孔すると共に、この
ドリル刃12の外周縁12aより大きい回転半径のリー
マ刃14aによって穿孔された下穴周囲の壁面を僅かに
切削し、このようにリーマ刃14aによって切削された
穴の壁面を上記マージン14によりバニシングして穴の
仕上げを行い、さらにこのマージン14に連続して形成
された上記の面取り刃18によって穴に面取り加工を行
なうようになっている。
【0023】ここで、上記のように切削油等の油をドリ
ル軸10に供給した場合、面取り刃18が各マージン1
4の延長線上にだけ設けられ、この面取り刃18が回転
する部分における空間が大きくなるため、ドリル軸10
に供給された油がこの空間を通してドリル軸10の軸方
向に伸びた上記の各溝11a,11bに十分に供給さ
れ、この溝11a,11bを通して油がドリル軸10の
先端部におけるドリル刃12に十分に供給されるように
なる。
【0024】また、この実施例のものにおいては、ドリ
ル刃12によって切削された被切削物の切りくずが当た
る当たり面16を有する溝11aに沿って、油通過用の
空間部17をドリル軸10の軸方向に連続して形成して
いるため、ドリル刃12によって切削された被切削物の
切りくずは上記溝11a内の当たり面16に当たって、
ドリル刃12と当たり面16との間の溝11a内におい
て丸くなり、この切りくずが上記の空間部17に侵入す
ることが少なく、この溝11a内を通して排出されるよ
うになる。
【0025】このため、上記のように面取り刃18が回
転する部分における空間を通して供給された切削油等の
油は切りくずによって邪魔されることなく、この空間部
17を通してドリル刃12に導かれるようになり、さら
にドリル刃12の外周縁12aをドリル軸10の軸方向
に沿って全体的にリーマ刃14aを有するマージン14
より低くしているため、リーマ刃14aにより切削され
てバニシングされた穴の壁面とドリル刃12の外周縁1
2aとの間に隙間が生じ、この隙間を通して油がドリル
軸10先端部のドリル刃12に導かれるようになる。
【0026】そして、このように切削油等の油がドリル
刃12に十分に導かれると、この油によってドリル刃1
2による被切削物の切削が円滑に行なわれるようになる
と共にドリル刃12が冷却されて、切削時におけるドリ
ル刃12の過熱も抑制され、ドリル刃12の近傍に被切
削物の切りくずが溶着するということがなくなる。
【0027】この結果、この実施例の穴あけ工具を用い
た場合、ドリル刃12による被切削物の切削が円滑に行
なわれて、ドリル刃12が欠けたり、ドリル軸10の回
転に大きな負荷が加わってドリル軸10が折れたりする
ということがなく、被切削物に対する下穴加工と穴の仕
上げ加工と穴の面取り加工とが同時に効率よく安定して
行なえるようになった。
【0028】なお、この実施例のものにおいては、面取
り刃18をリーマ刃14aを有する各マージン14の延
長線上に設けるようにしたが、各マージン14にかえて
各ドリル刃12における外周縁12aの延長線上に設け
るようにしてもよく、このようにした場合も同様の結果
が得られた。
【0029】(実施例2)この実施例における穴あけ工
具においても、図2の(A),(B)に示すように、ド
リル軸10の軸方向に沿って一対の直線状になった大き
な溝11aを対向するように設け、この一対の溝11a
よりそれぞれドリル軸10の回転方向後方におけるドリ
ル軸10の先端部にドリル刃12を設け、各ドリル刃1
2より回転方向後方側のドリル軸10の先端面にそれぞ
れ各逃げ面13aとシンニングされたシンニング部13
bとを形成している。
【0030】そして、この実施例における穴あけ工具に
おいては、各ドリル刃12の外周縁12aよりそれぞれ
ドリル軸10の回転方向後方側の位置に、ドリル軸10
の軸方向に沿った直線状の溝11bを介してリーマ加工
を行なうリーマ刃14aを有するマージン14を設ける
と共に、この各マージン14よりそれぞれドリル軸10
の回転方向後方側の位置に、ドリル軸10の軸方向に沿
った直線状の溝11cを介してバニシングを行なうガイ
ドパッド15を設けている。
【0031】ここで、この実施例の穴あけ工具において
は、リーマ刃14aが設けられたマージン14及びガイ
ドパッド15の回転半径をドリル刃12の外周縁12a
の回転半径より若干大きくし、上記ドリル刃12の外周
縁12aがドリル軸10の軸方向に沿って全体的に上記
マージン14及びガイドパッド15より低くなるように
している。
【0032】そして、上記のドリル軸10の先端より所
要間隔を介した後部側の位置において、各ガイドパッド
15の延長線上に、ガイドパッド15より半径方向外方
に傾斜して径が大きくなった面取り刃18を設ける一
方、ドリル刃12の外周縁12aやリーマ刃14aが設
けられたマージン14はそのままの状態で軸方向に伸ば
し、面取り刃18の外周縁18aにおける半径方向の高
さがドリル刃12の外周縁12aやリーマ刃14aが設
けられたマージン14よりかなり高くなるようにしてい
る。なお、この場合も、上記実施例1の場合と同様に、
面取り刃18の外周縁18aと対応する部分において、
上記ドリル刃12の外周縁12やリーマ刃14aが設け
られたマージン14の半径方向の高さをさらに低くする
ことも可能である。
【0033】また、この実施例の穴あけ工具において
も、上記の各ガイドパッド15及び各ガイドパッド15
に連続して形成された各面取り刃18と次のドリル刃1
2との間における上記の溝11a内において、この次の
ドリル刃12によって切削された被切削物の切りくずが
当たる当たり面16と、上記ガイドパッド15及び面取
り刃18の外周縁18aにおける回転方向後方側の端部
との間を切欠して、油通過用の空間部17を上記溝11
aに沿ってドリル軸10の軸方向に連続して形成してい
る。
【0034】そして、この実施例の穴あけ工具により被
切削物に下穴加工と穴の仕上げ加工と穴の面取り加工と
を行なうにあたっても、上記ドリル軸10を回転させる
と共に、切削油等の油をドリル軸10に供給して、この
油をドリル軸10先端部のドリル刃12に送るように
し、回転するドリル軸10の先端部に設けられたドリル
刃12によって被切削物を切削して下穴を穿孔すると共
に、このドリル刃12の外周縁12aより大きい回転半
径のリーマ刃14aによって穿孔された下穴周囲の壁面
を僅かに切削し、このようにリーマ刃14aによって切
削された穴の壁面を上記マージン14によってバニシン
グし、さらに上記ガイドパッド15によりバニシングし
て穴の仕上げ加工を行なった後、このガイドパッド15
に連続して形成された上記の面取り刃18によって穴に
面取り加工を行なうようになっている。
【0035】ここで、上記のように切削油等の油をドリ
ル軸10に供給した場合、面取り刃18が各ガイドパッ
ド15の延長線上にだけ設けられ、この面取り刃18が
回転する部分における空間が大きくなるため、ドリル軸
10に供給された油がこの空間を通してドリル軸10の
軸方向に伸びた上記の各溝11a,11b,11cに十
分に供給され、この溝11a,11b,11cを通して
油がドリル軸10の先端部におけるドリル刃12に十分
に供給されるようになる。
【0036】また、この実施例のものにおいても、ドリ
ル刃12によって切削された被切削物の切りくずが当た
る当たり面16を有する溝11aに沿って、油通過用の
空間部17をドリル軸10の軸方向に連続して形成して
いるため、ドリル刃12によって切削された被切削物の
切りくずは上記溝11aの当たり面16に当たって、ド
リル刃12と当たり面16との間の溝11a内において
丸くなり、この切りくずが上記の空間部17に侵入する
ことが少なく、この溝11a内を通して排出されるよう
になる。
【0037】このため、上記のように面取り刃18が回
転する部分における空間を通して供給された切削油等の
油は切りくずによって邪魔されることなく、上記の空間
部17を通してドリル刃12に導かれるようになり、さ
らにドリル刃12の外周縁12aをドリル軸10の軸方
向に沿って全体的にリーマ刃14aを有するマージン1
4やガイドパッド15より低くしているため、バニシン
グされた穴の壁面とドリル刃12の外周縁12aとの間
に隙間が生じ、この隙間を通して油がドリル軸10先端
部のドリル刃12に導かれるようになる。
【0038】そして、このように切削油等の油がドリル
刃12に十分に導かれると、この油によってドリル刃1
2による被切削物の切削が円滑に行なわれるようになる
と共に、ドリル刃12が冷却されて切削時におけるドリ
ル刃12の過熱も抑制され、ドリル刃12の近傍に被切
削物の切りくずが溶着するということがなくなる。
【0039】この結果、この実施例の穴あけ工具を用い
た場合も、ドリル刃12による被切削物の切削が円滑に
行なわれて、ドリル刃12が欠けたり、ドリル軸10の
回転に大きな負荷が加わってドリル軸10が折れたりす
るということがなく、被切削物に対する下穴加工と穴の
仕上げ加工と穴の面取り加工とが同時に効率よく安定し
て行なえるようになった。
【0040】なお、この実施例のものにおいては、面取
り刃18を各ガイドパッド15の延長線上に設けるよう
にしたが、各ガイドパッド15にかえて面取り刃18を
各ドリル刃12における外周縁12a又はリーマ刃14
aを有する各マージン14の延長線上に設けるようにし
てもよく、このようにした場合も同様の結果が得られ
た。
【0041】ここで、上記実施例1,2においては、ド
リル刃12の外周縁12aやリーマ刃14aを有するマ
ージン14やガイドパッド15の半径方向の高さが、面
取り刃18を設けた部分を除いてドリル軸10に沿って
一定になった穴あけ工具について説明したが、被切削物
に段付きの穴を形成するために、ドリル刃12の外周縁
12a,リーマ刃14aを有するマージン14及びガイ
ドパッド15の半径方向の高さを途中で変更させること
も可能である。
【0042】例えば、図3の(A),(B)に示す穴あ
け工具のように、ドリル軸10の先端から所要間隔を介
した後部側の適当な位置において、ドリル刃12の外周
縁12a,リーマ刃14aを有するマージン14及びガ
イドパッド15の半径方向の高さを高くした段部19
a,19b,19cを設け、この段部19a,19b,
19cよりさらに後部側の適当な位置において、上記ド
リル刃12の外周縁12aにおける段部19aの延長線
上に、この段部19aより半径方向外方に傾斜して径が
大きくなった面取り刃18を設ける一方、リーマ刃14
aを有するマージン14やガイドパッド15における段
部19b,19cをそのままの状態で軸方向に伸ばし、
面取り刃18の外周縁18aにおける半径方向の高さが
これらの段部19b,19cよりかなり高くなるように
することも可能である。なお、面取り刃18を設ける位
置は、ドリル刃12の外周縁12aにおける段部19a
の位置に限られず、リーマ刃14aを有するマージン1
4における段部19bやガイドパッド15における段部
19cのいずれに設けるようにしてもよい。
【0043】また、上記の各実施例の穴あけ工具におい
ては、ドリル軸10における各溝11a,11b,11
cをドリル軸10の軸方向に直線状に形成したが、これ
らの溝11a,11b,11cをドリル軸10に螺旋状
に形成することも可能であり、この場合であっても同様
の効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る穴
あけ工具においては、ドリル軸の先端より所要間隔を介
した後部側に半径方向外方に傾斜して径が大きくなった
面取り刃を設けるにあたり、面取り刃をドリル刃の外周
縁,リーマ刃を有するマージン,ガイドパッドの何れか
一つの延長線上にだけ連続して形成し、面取り刃が設け
られていない部分における半径方向の高さを面取り刃が
設けられた方より低くしているため、切削油等の油をド
リル軸に供給してその先端部におけるドリル刃に送る際
に、この油が面取り刃が設けられていない部分を通して
ドリル軸の各溝にスムーズに導かれ、この各溝を通して
油が切削を行なうドリル軸の先端部におけるドリル刃に
十分に供給されるようになった。
【0045】この結果、この発明に係る穴あけ工具にお
いては、ドリル刃に切削油等の油が十分に供給され、ド
リル刃による被切削物の切削が円滑に行なわれると共
に、ドリル刃が冷却されて切削時におけるドリル刃の過
熱が抑制され、ドリル刃の近傍に被切削物の切りくずが
溶着するということがなくなり、従来の穴あけ工具のよ
うにドリル刃が欠けたり、ドリル軸の回転に大きな負荷
が加わってドリル軸が折れたりするということがなく、
被切削物に対する下穴加工と穴の仕上げ加工と穴の面取
り加工とが同時に効率よく安定して行なえるようになっ
た。
【0046】また、この発明に係る穴あけ工具におい
て、ドリル刃によって切削された被切削物の切りくずが
当たる溝内の当たり面の部分を切欠して、油通過用の空
間部を当たり面を有する上記溝に沿って連続して形成す
ると、ドリル刃によって切削された被切削物の切りくず
が上記当たり面に当たって規制され、切りくずが空間部
に侵入することが少なく、切削油等の油がこの空間部を
通して切削を行なうドリル軸の先端部におけるドリル刃
により安定して供給されるようになり、被切削物に対す
る下穴加工と穴の仕上げ加工と穴の面取り加工とが同時
に効率よくより安定して行なえるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の穴あけ工具の側面図及び
先端部の概略正面図である。
【図2】この発明の実施例2の穴あけ工具の側面図及び
先端部の概略正面図である。
【図3】ドリル刃の外周縁,リーマ刃を有するマージン
及びガイドパッドに段部を設けた他の実施例の穴あけ工
具の側面図及び先端部の概略正面図である。
【符号の説明】
10 ドリル軸 11a,11b,11c 溝 12 ドリル刃 12a ドリル刃の外周縁 14 マージン 14a リーマ刃 15 ガイドパッド 16 当たり面 17 空間部 18 面取り刃

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリル軸の先端部にドリル刃が設けら
    れ、このドリル刃の外周縁と溝を介してリーマ加工を行
    なうリーマ刃を有するマージンが設けられると共に、ド
    リル軸の先端より所要間隔を介した後部側に半径方向外
    方に傾斜して径が大きくなった面取り刃が設けられた穴
    あけ工具において、上記面取り刃がドリル刃の外周縁と
    リーマ刃を有するマージンの何れか一方の延長線上にだ
    け連続して形成され、面取り刃が設けられていない他方
    の半径方向の高さが面取り刃が設けられたものより低く
    なっていることを特徴とする穴あけ工具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の穴あけ工具において、
    上記ドリル刃によって切削された被切削物の切りくずが
    当たるドリル刃より回転方向前方側の溝内における当た
    り面と、上記マージンの回転方向後方側の端部との間に
    おいて、切欠された油通過用の空間部が当たり面を有す
    る上記溝に沿って連続して形成されていることを特徴と
    する穴あけ工具。
  3. 【請求項3】 ドリル軸の先端部にドリル刃が設けら
    れ、このドリル刃の外周縁と、リーマ加工を行なうリー
    マ刃を有するマージンと、ガイドパッドとがそれぞれ溝
    を介して設けられると共に、ドリル軸の先端より所要間
    隔を介した後部側に半径方向外方に傾斜して径が大きく
    なった面取り刃が形成されてなる穴あけ工具において、
    上記面取り刃がドリル刃の外周縁とリーマ刃を有するマ
    ージンとガイドパッドとの何れか一つの延長線上にだけ
    連続して形成され、面取り刃が設けられていない他の2
    つの半径方向の高さが面取り刃が設けられたものより低
    くなっていることを特徴とする穴あけ工具。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の穴あけ工具において、
    上記ドリル刃によって切削された被切削物の切りくずが
    当たるドリル刃より回転方向前方側の溝内における当た
    り面と、上記ガイドパッドの回転方向後方側の端部との
    間において、切欠された油通過用の空間部が当たり面を
    有する上記溝に沿って連続して形成されていることを特
    徴とする穴あけ工具。
JP33436594A 1994-12-16 1994-12-16 穴あけ工具 Pending JPH08168912A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002036016A (ja) * 2000-07-19 2002-02-05 Dijet Ind Co Ltd 段付き穴明け工具
WO2006132068A1 (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Unitac, Incorporated 深孔加工用ドリルヘッド
JP2016068195A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 富士重工業株式会社 ドリルおよび切削加工物の製造方法

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