JPH08160220A - 光学多層膜フィルタ - Google Patents

光学多層膜フィルタ

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Publication number
JPH08160220A
JPH08160220A JP6330005A JP33000594A JPH08160220A JP H08160220 A JPH08160220 A JP H08160220A JP 6330005 A JP6330005 A JP 6330005A JP 33000594 A JP33000594 A JP 33000594A JP H08160220 A JPH08160220 A JP H08160220A
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JP
Japan
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layer
film thickness
optical
filter
layers
Prior art date
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Pending
Application number
JP6330005A
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English (en)
Inventor
Akuramu Hosein
アクラム ホセイン
Tsutomu Watanabe
勉 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜厚のばらつきの影響が小さく、半値幅の狭
いバンドパス特性を得ることができる光学多層膜フィル
タを提供する。 【構成】 BK−7基板上に、SiO2 層とTiO2
を交互に積層した43層構造とする。中心層22層目が
光学膜厚λ/2のTiO2 層(2H)であり、中心から
下半分では、光学膜厚λ/4のSiO2 層(L)と光学
膜厚λ/4のTiO2 層(H)の10対(L・H)10
うち、下から2番目の対と4番目の対に2H層が挿入さ
れている。中心から上半分については、H層とL層の1
0対(H・L)10のうち上から2番目の対と4番目の対
に2H層が挿入されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半値幅の狭いバンド
パスフィルタ特性を得る光学多層膜フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】光学多層膜フィルタは、屈折率の異なる
光学媒質を基板に多層に積層して各境界面での反射光の
干渉を利用して所定の光学特性を得るものである。これ
は、単層膜では得られない所望の光学特性を得る手法と
して、従来より広く用いられている。光学多層膜フィル
タの設計原理を簡単に説明すれば次のようになる。
【0003】図4に示すように、屈折率n0 の透明基板
に、無吸収の屈折率nの光学媒質層を厚みdだけ形成し
たとする。この媒質層に垂直に波長λの光が入射させた
とき、二つの境界面での反射特性を考慮して、次式数1
のように特性マトリクスが定義される。但し、数1にお
いて、δ=2πnd/λであり、ndは光学膜厚と呼ば
れる。また、iはimaginary である。
【0004】
【数1】
【0005】この特性マトリクスを用いて、反射率R及
び透過率Tは、次式数2にように表される。
【0006】
【数2】
【0007】数1において、例えば、光学膜厚がnd=
λ/4の場合、cos δ=0,sin δ=1であり、したが
って、m11=m22=0,m12=1/n,m21=nであ
る。また、nd=λ/2の場合、cos δ=−1,sin δ
=0であり、したがって、m11=m22=−1,m12=m
21=0である。これらを数2に代入すれば、それぞれの
場合に、大きな反射率,大きな透過率が得られることが
分かる。
【0008】更に、図5に示すような光学多層膜とした
場合には、各層の特性マトリクスを図示のように、M1
,M2 ,…,Mk として、全体の特性マトリクスM
は、次式数3で表される。
【0009】
【数3】
【0010】上の数3を用いれば、波長λを固定して、
光学膜厚ndを選ぶことにより、所望のエッジフィルタ
が設計できることになる。従来、光学多層膜によりバン
ドパスフィルタを得るには、ロウパスフィルタとハイパ
スフィルタの2枚のエッジフィルタを直列につなぐ方法
が一般に用いられている。また、半値幅の極めて小さい
バンドパスフィルタを得るには、基板の片面にロウパス
フィルタ部とハイパスフィルタ部を順次積層する方法が
用いられる。
【0011】例えば図6は、半値幅の極めて狭いバンド
パスフィルタの設計例である。ここで、光学膜厚nd=
λ/4のSiO2 層(屈折率=1.42)をLで示し、
nd=λ/4のTiO2 層(屈折率=2.2)をHで示
している。これらの2倍の光学膜厚のものは、それぞれ
2L,2Hと示す。基板はBK−7である。図示のよう
に基板上に、L層とH層の対が繰り返し10対積層さ
れ、この上にL,2H,Lの3層が形成され、更にその
上にH層とL層の対が繰り返し10対積層されて、全体
で43層の多層膜となっている。即ち22層目の中心層
のみが光学膜厚λ/2であり、その上下に中心層を挟ん
で対称的に光学膜厚λ/4のL,H層が積層されてい
る。
【0012】図7は、図6の多層膜フィルタの設計透過
特性であり、極めて急峻な傾きを持ち半値幅の狭いバン
ドパス特性が得られる。しかし図7は、設計特性であ
り、実際にこの多層膜フィルタを製造すると、透過率は
最高でも10%程度しか得られず、透過率特性の傾きも
それ程急峻にならないことがわかった。その理由は、コ
ンピュータシミュレーションによると、図6の設計の場
合、その特性が光学膜厚のばらつきに極めて敏感である
ことが明らかになった。
【0013】シミュレーション結果を簡単に説明すれ
ば、次の通りである。まず22層目の中心層2Hの光学
膜厚のばらつきΔndの影響については、他の層のばら
つきを0として見積もったとき、Δnd=±0.004
3×λ/4で透過率がほぼ0になる。21層目及び23
層目については、±0.00333×λ/4で透過率が
ほぼ0になる。以下、中心層から離れるにつれて、光学
膜厚のばらつきの影響は一定比率(係数1.55)で小
さくなることが明らかになった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の設
計手法で光学多層膜によるバンドパスフィルタを作る
と、膜厚のばらつきの影響が大きく、半値幅の狭い所望
の透過率特性が得られないという問題があった。
【0015】この発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、膜厚のばらつきの影響が小さく、半値幅の狭いバン
ドパス特性を得ることができる光学多層膜フィルタを提
供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、透明基板上
に、屈折率の異なる光学膜厚λ/4の光学媒質層を交互
に多層に積層してバンドパスフィルタ特性を得る光学多
層膜フィルタにおいて、多層構造の所定の複数層位置に
光学膜厚λ/2の層を混在させたことを特徴としてい
る。この発明において好ましくは、透明基板上に中心層
を挟んで対称的に屈折率の異なる光学膜厚λ/4の光学
媒質層を交互に多層に積層してバンドパスフィルタ特性
を得る光学多層膜フィルタにおいて、多層構造の中心層
の光学膜厚をλ/2とし、その上下の対称的な層位置に
光学膜厚λ/2の層を混在させたことを特徴としてい
る。
【0017】
【作用】この発明によると、例えば多層膜構造の中心層
を挟んで対称的に屈折率の異なる光学膜厚λ/4の光学
媒質層を交互に多層に積層して得られるバンドパスフィ
ルタの基本構成に対して、中心層の上下の適当な位置に
光学膜厚λ/2の層を混在させることにより、優れたバ
ンドパスフィルタ特性が得られる。即ちこの発明による
と、設計透過率特性としては裾の広がったものとなる
が、基本構成の場合に比べて、光学膜厚のばらつきの影
響は1/10以下に下がり、ばらつきを10倍以上とし
ても透過率30%程度が得られる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例を
説明する。図1は、この発明の一実施例にかかる多層膜
フィルタの構成を図6に対応させて示す。BK−7基板
に、SiO2 層とTiO2 層を交互に積層した43層構
造とする基本構成は、図6と同様である。L,Hについ
ても、図6と同様、それぞれSiO2 層とTiO2 層の
光学膜厚λ/4の層を示し、2L,2Hは同じく光学膜
厚λ/2の層を示している。
【0019】図1から明らかなように、43層の中心層
22層目が2H層であり、この他に、4,8,36,4
0層目に2H層が挿入されている。つまり図6の構成と
比較すると、中心から下半分では、L層とH層の10対
(L・H)10のうち、下から2番目の対と4番目の対に
2H層が用いられている。同様に中心から上半分につい
ては、H層とL層の10対(H・L)10のうち上から2
番目の対と4番目の対に2H層が用いられている。
【0020】図2は、図1のような多層膜構造としたと
きの設計透過率特性である。従来の図6と比較して明ら
かなように、透過率0〜2%程度の裾の部分で傾きが緩
くなっている。実際のフィルタは、使用波長に合わせた
膜厚制御を行いながら、イオンアシストなしで、BK−
7基板にSiO2 層とTiO2 層を交互に蒸着すること
により得られる。
【0021】図3は、実際に得られた近赤外フィルタ
(a)と可視域フィルタ(b)の透過率特性を示す。い
ずれも、透過率約60%が得られている。設計値に比べ
て透過率が低いのは、成膜時チャンバ内温度や酸素圧の
影響、膜圧のばらつきの影響等が考えられる。半値幅
は、(a)の近赤外フィルタの場合で4.5nm、
(b)の可視域フィルタの場合で2.5nmであった。
【0022】また光学膜厚のばらつきの影響について
は、図6で説明した従来方式で透過率0になるばらつき
の10倍のばらつきの場合にも、透過率30%が確保さ
れることが明らかになった。透過率30%は通常の用途
には十分であり、膜厚のばらつきの影響が格段に低減さ
れることが分かる。したがってまた、バンドパスフィル
タの製造歩留まりが大きく向上する。
【0023】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、多
層膜構造の中心層を挟んで対称的に屈折率の異なる光学
膜厚λ/4の光学媒質層を交互に多層に積層して得られ
るバンドパスフィルタの基本構成に対して、中心層の上
下に適当に光学膜厚λ/2の層を混在させることによ
り、膜厚のばらつきの影響が小さく、半値幅の狭い優れ
た透過率特性を示す多層膜フィルタが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例にかかるバンドパスフィ
ルタの構成を示す。
【図2】 同実施例のフィルタの設計透過率特性を示
す。
【図3】 同実施例の具体例のフィルタ特性を示す。
【図4】 多層膜フィルタ設計の原理を説明する為の図
である。
【図5】 多層膜フィルタ設計の原理を説明する為の図
である。
【図6】 バンドパスフィルタの設計例を示す。
【図7】 図6のフィルタの設計透過率特性を示す。
【符号の説明】
L…SiO2 層(nd=λ/4)、H…TiO2 層(n
d=λ/4)、2L…SiO2 層(nd=λ/2)、2
H…TiO2 層(nd=λ/2)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、屈折率の異なる光学膜厚
    λ/4の光学媒質層を交互に多層に積層してバンドパス
    フィルタ特性を得る光学多層膜フィルタにおいて、 多層構造の所定の複数層位置に光学膜厚λ/2の層を混
    在させたことを特徴とする光学多層膜フィルタ。
JP6330005A 1994-12-05 1994-12-05 光学多層膜フィルタ Pending JPH08160220A (ja)

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JP6330005A JPH08160220A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 光学多層膜フィルタ

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001318222A (ja) * 2001-04-26 2001-11-16 Ohara Inc 光フィルター用ガラスセラミックスおよび光フイルター
US6410466B1 (en) 1999-08-10 2002-06-25 Kabushiki Kaisha Ohara Glass-ceramics for a light filter
US6461733B1 (en) 1999-08-30 2002-10-08 Kabushiki Kaisha Ohara Glass for a light filter and light filter
WO2013105374A1 (ja) * 2012-01-13 2013-07-18 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 狭帯域バンドパスフィルター

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