JPH08160023A - 超音波検査装置 - Google Patents

超音波検査装置

Info

Publication number
JPH08160023A
JPH08160023A JP6305120A JP30512094A JPH08160023A JP H08160023 A JPH08160023 A JP H08160023A JP 6305120 A JP6305120 A JP 6305120A JP 30512094 A JP30512094 A JP 30512094A JP H08160023 A JPH08160023 A JP H08160023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
delay
circuit
elements
pattern
vibrating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6305120A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Takishita
芳彦 瀧下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP6305120A priority Critical patent/JPH08160023A/ja
Publication of JPH08160023A publication Critical patent/JPH08160023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡素な構成で高密度の画像を得ることができ
る超音波検査装置を提供すること。 【構成】 振動素子選択回路12は制御部18の指令に
よりアレイ探触子Sの振動素子1〜N中の所定数を選択
する。送信遅延回路10は制御部18の指令で入力され
るパルス信号を2つの遅延パターンの一方で遅延させ
る。受信遅延回路13は前記2つの遅延パターンとは異
なる1つの遅延パターンを有する。1つのパルスを一方
の遅延パターンで遅延させて選択された振動素子を励振
させ送信を行い、反射波を受信遅延回路13の遅延パタ
ーンで加算する。次のパルスを他方の遅延パターンで遅
延させて同様に送受信を行う。これにより、走査ピッチ
を振動素子間ピッチの1/2とし、高密度の画像を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の圧電体より成る
振動素子を一列に配列して構成されたアレイ探触子を用
いて被検体を超音波ビームで走査する被検体の超音波検
査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波検査による非破壊検査は多くの分
野で使用されている。特に、圧電体を振動素子として用
い、これら振動素子を多数所定方向に配列して構成され
るアレイ探触子による超音波検査は、当該アレイ探触子
の配列方向の超音波走査を電子的に行なうことができる
ので、迅速な検査が可能である。即ち、複数の隣接する
振動素子を選択し、これらをそれぞれ所定の時間遅延さ
せて励振させると、その遅延の態様に応じた超音波ビー
ムを発生させることができる。そこで、複数の振動素子
の選択を1つずつずらせてゆき、各選択毎に上記の遅延
の態様で振動素子を励振させると、発生した超音波ビー
ムは振動素子の配列方向に順次移動してゆくことにな
り、結局、超音波ビームによる走査が行われることにな
る。上記の各選択は電子的に行われるので、走査速度は
機械的な走査に比較してはるかに早くなる。
【0003】ところで、超音波検査装置では、超音波走
査の密度をあげて画像の質の向上が要望されている。し
かし、上記の手段による走査(電子走査)では、走査の
ピッチが各振動素子の配列間隔に限定されて、それ以上
ピッチ間隔を小さくして走査密度を高めることはできな
い。このため、走査ピッチを小さくするための種々の方
法が提案されている。これらの方法のうち、特開平1−
104251号公報で提案されている方法の原理を図に
より説明する。
【0004】図6は従来の走査方法の原理を示す図であ
る。この図で、Aはアレイ探触子を示し、その振動素子
1〜8が図示されている。Sは焦点位置の移動を判り易
く示すために付されたスケールである。(I)〜(IV)
は超音波ビームの発生順番(走査順番)を示す。まず、
走査順番(I)では、振動素子1〜6が選択され、これ
らを所定の遅延時間で励振させることにより、破線で示
す送信ビームが発生する。この場合の焦点は、スケール
S上では「3」位置である。次いで、その反射波である
受信ビーム(実線)を受信することになるが、この受信
は振動素子1〜5で行われる。この場合の焦点は、スケ
ールS上では「2.5」位置である。今、送信波の指向
特性をX、受信波の指向特性をYとすると、送受波の総
合指向特性Zは、Z=X・Yとなり、その中心は両者の
中間点となる。したがって、上記の例では、中間点はス
ケール上に矢印F1 で示す「2.75」位置となる。受
信された各信号は、所定の遅延パターンで遅延された後
に加算される。以下、送信ビームは破線で、受信ビーム
は実線で表す。
【0005】走査順番(II)では、送信の振動素子はそ
のままとし、受信は振動素子2〜6で行う。この結果、
中心は矢印F2 で示す「3.25」位置となる。走査順
番(III)では、送信を1つずらせて振動素子2〜7で
行い、受信の振動素子はそのままにしておく。これによ
り、中心は矢印F3 で示す「3.75」位置となる。
又、走査順番(IV)では、送信の振動素子はそのままと
し、受信は振動素子3〜7で行う。この結果、中心は矢
印F4 で示す「4.25」位置となる。このような方法
により、通常の方法では、スケールS上で「1」であっ
た走査ピッチが、「0.5」に小さくされ、画像の密度
を2倍に向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法は、送
信時に6個の振動素子を選択し、受信時に5個の振動素
子を選択する方法である。したがって、送信時の振動素
子の選択回路と、受信時の振動素子の選択回路はそれぞ
れ独立して設けねばならず、又、それらの選択回路で行
われる制御も別個のものとなる。このため、回路の構成
が複雑になるという問題があった。
【0007】ところで、画像の質の向上とは全く別の目
的(走査時間の短縮)で、超音波ビームをずらせる手段
が特公昭56−20017号公報で提案されている。こ
れを図7により説明する。図7は従来の超音波検査装置
の一部のブロック図である。この図で、Aはアレイ探触
子であり、多数の振動素子のうちの5つの振動素子1〜
5が示されている。Dは受信遅延回路、1A、1Bは加
算器、TA 、TB は各加算器1A、1Bの出力端子であ
る。受信遅延回路Dでは、各振動素子に対して2つの遅
延素子が配置される。各遅延素子の遅延時間がτA1〜τ
A5、τB1〜τB5で示されている。
【0008】この装置の動作の概略を説明する。各振動
素子1〜5が励振されて1つの超音波ビームが発生した
とき、その反射波(受信波)の受信を、この装置では次
のように行う。即ち、遅延回路Dの各振動素子に接続さ
れる一方の各遅延素子の遅延時間τA1〜τA5を、発生し
た超音波ビームの点FA の音圧を受信するように調整
し、同じく、他方の各遅延素子の遅延時間τB1〜τ
B5を、発生した超音波ビームの点FB の音圧を受信する
ように調整しておく。そうすると、加算器1Aでは、実
線で示す経路で点FA の音圧が受信され、同じく、加算
器1Bでは、破線で示す経路で点FB の音圧が受信され
る。このような手段により、1つの超音波ビームから2
つの個所の受信信号を同時に得ることができ、走査速度
は2倍となる。
【0009】このような手段を、画像密度の向上に利用
しようとしても、遅延回路および加算器が、図示実線と
破線の2系統となり、かつ、同時に得られた端子TA
Bからの出力を処理するための回路又はメモリが必要
となり、結局、図6に示す従来例と同様、全体構成が複
雑となるという問題が存在し、前述の従来技術の課題の
解決にはならない。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、簡素な構成で高密度の画像を得ることがで
きる超音波検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、多数の振動素子を所定方向に配列したア
レイ探触子を備え、隣接する複数の前記振動素子を選択
してそれらを励振させて超音波ビームを発生させ、前記
振動素子の選択を1つずつずらして順次超音波ビームを
発生させてゆくことにより、前記所定方向に超音波ビー
ムの走査を行う超音波検査装置において、複数の前記振
動素子を選択する振動素子選択回路と、この振動素子選
択回路で選択された各振動素子を励振させるパルスを第
1の遅延パターン又は第2の遅延パターンで遅延させる
送信遅延回路と、この送信遅延回路の前記第1の遅延パ
ターンと前記第2の遅延パターンとを切り換える切換制
御手段と、超音波ビームの反射波を前記振動素子選択回
路で選択された各振動素子で受信する受信遅延回路とを
設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】振動素子選択回路は、予め定められた数の隣接
する振動素子を選択する。又、切換制御手段は送信遅延
回路に対して信号を出力し、その遅延パターンを第1の
遅延パターンへ切り換える。この状態で、振動素子を励
振するパルスが出力されると、このパルスは送信遅延回
路で第1の遅延パターンに従って遅延されて、選択され
ている各振動素子に順次印加され、それらを次々に励振
させて超音波ビーム発生させる。発生した超音波ビーム
は被検体に放射され、その反射波は再び上記各振動素子
へ戻り、受信され加算される。この加算値が超音波デー
タとして処理される。
【0013】次に、振動素子選択回路により選択された
振動素子はそのままとして、切換制御手段は送信遅延回
路の遅延パターンを第2の遅延パターンへ切り換え、こ
の状態でパルスが出力され、各振動素子はこれにより励
振されて超音波ビームを発生させ、その反射波は受信遅
延回路で受信、加算され、超音波データとして出力され
る。
【0014】上記の処理において、受信した超音波デー
タの被検体における位置は遅延パターンに応じて異な
り、したがって、同一の選択された振動素子の励振によ
り位置のずれた2つの超音波データを得ることができ、
通常の手段の超音波走査に比較して2倍の密度の超音波
データを得ることができる。しかも、選択される振動素
子は送信時も受信時も同一であり、かつ、回路構成は送
信側も受信側も1系統であり、構成が著しく簡素化され
る。又、遅延パターンの切り換えは、パルスを処理する
送信側で行うので、簡素な構成で高周波の超音波信号に
も対応することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。図1は本発明の実施例に係る超音波検査装置のブ
ロック図である。この図で、Sは図6、図7に示すもの
と同様のアレイ探触子である。10は送信遅延回路であ
り、入力したパルス信号に対して2つの異なる遅延パタ
ーン(第1の遅延パターンと第2の遅延パターン)に従
って遅延を与える機能を有する。この送信遅延回路10
については、図2および図3によりさらに説明する。1
1は入力されたパルス信号に応じて振動素子を励振する
パルスを出力するパルサ回路、12は励振させるべき振
動素子を選択する振動素子選択回路、13は選択された
振動素子で受信した反射波の信号を所定の遅延パターン
で遅延させて加算する受信遅延回路、14は増幅器であ
る。15はブラウン管等の表示器、16、17は表示器
15の掃引を行うX軸偏向回路およびY軸偏向回路であ
る。18はマイクロコンピュータで構成される制御部で
あり、送信遅延回路10、振動素子選択回路12、X軸
偏向回路16、およびY軸偏向回路17の動作を制御す
る。
【0016】図2は図1に示す送信遅延回路10のブロ
ック図である。この図で、図1に示す部分と同一部分に
は同一符号が付してある。10D1 〜10D6 は遅延素
子を示し、それぞれ図示されていない2つの遅延線で構
成されている。これら2つの遅延線は、制御部18の指
令により電子的に切り換え可能となっている。pは制御
部18からの指令により図示しないパルス発生手段から
出力されるパルス信号を示す。
【0017】図3は図2に示す各遅延素子10D1 〜1
0D6 の各遅延線の遅延時間を説明する図である。この
図で、(a)は各遅延素子10D1 〜10D6 における
一方の遅延線の遅延時間を示し、(b)は各遅延素子1
0D1 〜10D6 における他方の遅延線の遅延時間を示
す。即ち、遅延素子10D1 の一方の遅延線は(a)に
示す遅延時間τ6 、他方の遅延線の遅延時間は(b)に
示す遅延時間τ1 である。同様に、遅延素子10D2
一方の遅延線は(a)に示す遅延時間τ5 、他方の遅延
線の遅延時間は(b)に示す遅延時間τ2 、遅延素子1
0D3 の一方の遅延線は(a)に示す遅延時間τ4 、他
方の遅延線の遅延時間は(b)に示す遅延時間τ3 、遅
延素子10D4 の一方の遅延線は(a)に示す遅延時間
τ3 、他方の遅延線の遅延時間は(b)に示す遅延時間
τ4 、遅延素子10D5 の一方の遅延線は(a)に示す
遅延時間τ2 、他方の遅延線の遅延時間は(b)に示す
遅延時間τ5 、遅延素子10D6 の一方の遅延線は
(a)に示す遅延時間τ1 、他方の遅延線の遅延時間は
(b)に示す遅延時間τ6 である。各遅延素子10D1
〜10D6 における一方の各遅延線の遅延時間により、
(a)に示すように第1の遅延パターンPDAが構成さ
れ、各遅延素子10D1 〜10D6 における他方の遅延
線の遅延時間により、(b)に示すように第2の遅延パ
ターンPDBが構成される。
【0018】次に、本実施例の動作を図4を参照して説
明する。図4は本実施例の走査方法の原理を示す図であ
る。この図で、図6と同じく、Aはアレイ探触子、1〜
8はその振動素子、Sはスケール、(I)〜(IV)は超
音波ビームの発生順番(走査順番)を示す。
【0019】先ず、制御部18の指令信号により、振動
素子選択回路12は指示された振動素子を選択し、これ
らをパルサ回路11に接続する。ここで、図4に示す例
に従い、振動素子1〜6が選択され、パルサ回路11に
接続されるものとする。次に、制御部18は、送信遅延
回路10に指令信号を出力して、各遅延素子10D1
10D6 における一方の遅延線をパルス信号pの出力線
に接続する切り換えを行う。これにより、送信遅延回路
10は第1の遅延パターンPDAを備えることとなる。こ
の状態で、制御部18の指令によりパルス信号pが出力
されると、このパルス信号pは送信遅延回路10の各遅
延素子10D1 〜10D6 の切り換えられている遅延線
に入力し、各々それらの遅延時間に従って各遅延素子1
0D1 〜10D6 からパルス信号がパルサ回路11へ出
力される。パルサ回路11は入力されたパルス信号に従
って、振動素子選択回路12を介して既に選択されてい
る対応する振動素子を励振する。図4の(I)で示す送
信波(破線)は、第1の遅延パターンPDAに従って順次
励振された振動素子1〜6により発生する超音波ビーム
を示す。
【0020】この図から明らかなように、第1の遅延パ
ターンPDAは超音波ビームの指向特性を中心(振動素子
3と振動素子4の中間)から角度θだけずれた方向に傾
ける態様の遅延パターンである。
【0021】この超音波ビームの被検体からの反射波
は、振動素子1〜6により受信され、その受信信号(ア
ナログ信号)は振動素子選択回路12を介して受信遅延
回路13に入力される。受信遅延回路13には、所定の
遅延パターンが設定されている。図4に示す例では、こ
の遅延パターンは、振動素子1、6からの信号に対し同
一の遅延時間τ16、振動素子2、5からの信号に対し同
一の遅延時間τ25、振動素子3、4からの信号に対し同
一の遅延時間τ34が、τ16<τ25<τ34の関係で設定さ
れている。それ故、当該反射波の受信(実線)は図4に
(I)で示す態様(左右対称)でなされる。
【0022】受信遅延回路13では、上記の遅延時間を
もって各振動素子1〜6からの受信信号が加算され、加
算された信号が超音波データとして出力され、増幅器1
4で増幅されて表示器15へ入力される。この場合の超
音波ビームの総合指向特性は、図4の(I)で示す位置
1 となる。即ち、以上の動作により、位置F1 の超音
波データが採取されたこととなる。
【0023】次に、制御部18は、振動素子の選択はそ
のままの状態で送信遅延回路10に指令信号を出力し、
各遅延素子10D1 〜10D6 における他方の遅延線を
パルス信号pの出力線に接続する切り換えを行う。これ
により、送信遅延回路10は第2の遅延パターンPDB
備えることとなる。この状態で、さきの場合と同じく、
パルス信号pが出力されると、このパルス信号pは送信
遅延回路10の各遅延素子10D1 〜10D6 の切り換
えられている遅延線に入力し、パルサ回路11からはそ
れらの遅延時間に従ったパルスが出力され、各振動素子
1〜6を励振する。図4の(II)で示す送信波(破線)
は、第2の遅延パターンPDBに従って順次励振された振
動素子1〜6により発生する超音波ビームを示す。
【0024】この図から明らかなように、第2の遅延パ
ターンPDBは、超音波ビームの指向特性を中心から、図
4の(I)で示す場合とは逆方向に角度θだけ傾ける態
様の遅延パターンである。即ち、各遅延素子D1 〜D6
の他方の各遅延線の遅延時間は、上記一方の各遅延線の
遅延時間とは逆転した関係(第2の遅延パターンPDB
第1の遅延パターンPDAを逆転した関係)になってい
る。
【0025】ここで、受信遅延回路13の遅延パターン
は同じであるので、この場合の超音波の指向特性は、図
4の(II)で示す位置F2 となる。即ち、この位置F2
の超音波データが採取されたこととなり、最初のパルス
信号pにより位置F1 (スケール上では2.75)の走
査が行われ、次のパルス信号pにより位置F2 (3.2
5)の走査が行われことになるので、同じ選択された振
動素子で2つの異なる位置の超音波データを得ることが
でき、通常の走査における隣接する振動素子間の走査ピ
ッチ(スケール上では1)の走査に比較して、1/2
(スケール上で、〔F1 −F2 〕)の走査ピッチで走査
を行うことができる。
【0026】次に、制御部18は振動素子選択回路12
に指令を出力し、振動素子の選択を1つずらせて、振動
素子2〜7を選択し、この状態で再び上記と同じ動作を
行う。この状態で出力される最初のパルス信号pによ
り、図4の(III)に示すように位置F3 の走査が行わ
れ、次のパルス信号pにより、図4の(IV)に示すよう
に位置F4 の走査が行われる。以下、振動素子選択回路
12により振動素子を1つずつずらしながら同様の動作
が繰り返され電子走査が実行される。
【0027】このように、本実施例では、遅延パターン
を切り換えて走査を行うようにしたので、振動素子選択
回路12で選択される振動素子の数は同一とすることが
でき、これにより図6に示すように、送信側の振動素子
と受信側の振動素子の数が異なることによる回路構成の
複雑化を避けることができ、又、前述の特公昭56−2
0017号公報に記載の装置のように受信側を2系統と
することも避けることができ、簡素な構成で高密度の画
像を得ることができる。
【0028】さらに、本実施例は、遅延パターンの切り
換えを送信側で行うようにしたので、超音波ビームに高
周波を用いる場合にも、以下の理由で簡素な構成でこれ
に対応することができる。前述の特公昭56−2001
7号公報に記載の装置は人体の超音波診断に用いられる
装置であり、人体の約80%が水であることから、当該
装置は比較的低い周波数(3.5〜7.5MHz)で用
いられる。これに対して、人体ではない物体が被検体で
ある場合、近年、画像の高分解能化を達成するため高周
波(10〜50MHz)化が進められている。このよう
な高周波では、受信遅延回路13により受信信号の位相
を合わせる場合、遅延制御は数ナノ秒(nsec)の精
度が要求され、かつ、周波数帯域が充分確保されていな
いと必要な高周波成分が減衰してしまうため、受信信号
の高周波の周波数成分を減衰させないようにすることが
要求される。このような条件下で、仮に、受信遅延回路
13で遅延線の切り換えを行おうとすると、その切り換
え(高周波のアナログ信号の切り換え)に高速、高精度
の装置を必要とする。しかし、本実施例では、受信遅延
回路13での切り換えは行わず、送信遅延回路10で遅
延線の切り換えを行うようにしたので、高周波のアナロ
グ信号を処理する受信側とは異なり、単にパルスを処理
するだけの送信側での切り換えを行うこととなり、この
ため、通常の切換装置で充分に達成することができる。
又、その切り換えのための制御も制御部18を構成する
マイクロコンピュータで容易、かつ、正確に行うことが
できる。
【0029】図5は図1に示す送信遅延回路10の他の
具体例を示すブロック図である。この図で、図1に示す
部分と同一部分には同一符号が付してある。10D10
10D60は特定の1つの遅延線より成る遅延素子、10
Sはスイッチング回路である。スイッチング回路10S
は、図5に四角で示されるスイッチング素子(電子的ス
イッチ)10S1A〜10S6A、および丸で示されるスイ
ッチング素子(電子的スイッチ)10S1B〜10S6B
備えている。スイッチング素子10S1A〜10S6Aは制
御部18の指令により同時に、遅延素子10D10〜10
60をそれぞれパルサ回路11に切り換え接続し、スイ
ッチング素子10S1B〜10S6Bは制御部18の指令に
より同時に、遅延素子10D10〜10D60をそれぞれパ
ルサ回路11に切り換え接続する。各遅延素子10D10
〜10D60の各遅延線の遅延時間は、例えば図3の
(a)に示す遅延パターンPDAに従って設定されてい
る。
【0030】制御部18がスイッチング素子10S1A
10S6Aの切換指令を出力すると、これらスイッチング
素子10S1A〜10S6Aは遅延素子10D10〜10D60
をパルサ回路11に接続し、この状態でパルス信号pが
出力されると、パルサ回路11の入力線E1 〜E6 には
それぞれ時間τ1 〜τ6 だけ遅延されてパルス信号pが
現れ、パルサ回路11に入力される。即ち、スイッチン
グ素子10S1A〜10S6Aの切換えにより、遅延パター
ンPDAが構成されたことになる。同じく、制御部18が
スイッチング素子10S1B〜10S6Bの切換指令を出力
すると、これらスイッチング素子10S1B〜10S6B
遅延素子10D10〜10D60をパルサ回路11に接続
し、この状態でパルス信号pが出力されると、パルサ回
路11の入力線E1 〜E6 には、上記の順序とは逆転し
て、それぞれ時間τ6 〜τ1 だけ遅延されてパルス信号
pが現れ、パルサ回路11に入力される。即ち、スイッ
チング素子10S1B〜10S6Bの切換えにより、遅延パ
ターンPDBが構成されたことになり、図2に示す遅延線
の切り換えと等価になる。この送信遅延回路を用いた以
後の動作および効果は、図2に示す送信遅延回路を用い
た場合と同じである。
【0031】なお、本実施例の説明では、送信遅延回路
の2つの遅延パターンが互いに逆転関係にある例につい
て説明したが、必ずしも逆転関係に設定する必要はな
い。しかし、その場合には、図5に示す送信遅延回路は
使用できない。
【0032】又、上記実施例の説明では、図4に示すよ
うに、送信および受信とも遅延を行う例について説明し
た。しかし、本発明はこれに限ることはなく、次のよう
な態様でも適用可能である。即ち、送信側では、選択さ
れた各振動素子に対してほぼ等間隔の時間差をもって遅
延を与えて一方向に傾く平行超音波ビームを作成し、こ
の平行超音波ビームの反射波を各振動素子で同時に(遅
延時間差なく)受信する。これにより、総合指向性は両
者の中間となる。次に、同じ各振動素子に対してさきの
時間差とは逆の関係でほぼ等間隔の時間差をもって遅延
を与えて他の方向に傾く平行超音波ビームを作成し、こ
の平行超音波ビームの反射波を各振動素子で同時に(遅
延時間差なく)受信する。この場合も総合指向性は両者
の中間となる。この態様では、受信側の遅延回路(受信
遅延回路)は不要となり、構成が著しく簡素化される。
【0033】さらに、送信側では、選択された各振動素
子に対して、超音波ビームが一方に集束する遅延を与
え、この超音波ビームの反射波を各振動素子で同時に
(遅延時間差なく)受信する。これにより、総合指向性
は両者の中間となる。次に、同じ各振動素子に対してさ
きの時間差とは逆の関係で他方に集束する遅延を与え、
この超音波ビームの反射波を各振動素子で同時に(遅延
時間差なく)受信する。この場合も総合指向性は両者の
中間となる。この態様でも、受信側の遅延回路(受信遅
延回路)は不要となり、構成が著しく簡素化される。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、遅延パ
ターンを第1の遅延パターンと第2の遅延パターンとに
切り換えて走査を行うようにしたので、振動素子選択回
路で選択される振動素子の数を同一とすることができ、
これにより従来装置のように、送信側の振動素子と受信
側の振動素子の数が異なることによる回路構成の複雑化
を避けることができ、簡素な構成で高密度の画像を得る
ことができる。又、本発明は、遅延パターンの切り換え
を送信側で行うようにしたので、高周波を用いる場合に
も、簡素な構成でこれに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る超音波検査装置のブロッ
ク図である。
【図2】図1に示す送信遅延回路のブロック図である。
【図3】図2に示す送信遅延回路の遅延パターンを示す
図である。
【図4】図1に示す装置の走査方法の原理を示す図であ
る。
【図5】図1に示す送信遅延回路の他の具体例のブロッ
ク図である。
【図6】従来の走査方法の原理を示す図である。
【図7】従来の超音波検査装置の一部のブロック図であ
る。
【符号の説明】
1〜N 振動素子 10 送信遅延回路 11 パルサ回路 12 振動素子選択回路 13 受信遅延回路 15 表示器 18 制御部 S アレイ探触子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の振動素子を所定方向に配列したア
    レイ探触子を備え、隣接する複数の前記振動素子を選択
    してそれらを励振させて超音波ビームを発生させ、前記
    振動素子の選択を1つずつずらして順次超音波ビームを
    発生させてゆくことにより、前記所定方向に超音波ビー
    ムの走査を行う超音波検査装置において、複数の前記振
    動素子を選択する振動素子選択回路と、この振動素子選
    択回路で選択された各振動素子を励振させるパルスを第
    1の遅延パターン又は第2の遅延パターンで遅延させる
    送信遅延回路と、この送信遅延回路の前記第1の遅延パ
    ターンと前記第2の遅延パターンとを切り換える切換制
    御手段と、超音波ビームの反射波を前記振動素子選択回
    路で選択された各振動素子で受信する受信遅延回路とを
    設けたことを特徴とする超音波検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記送信遅延回路
    は、前記振動素子選択回路で選択される振動素子と同数
    の各遅延素子のそれぞれに備えられ前記第1の遅延パタ
    ーンに従って設定された遅延時間を有する遅延線と、前
    記第2の遅延パターンに従って設定された遅延時間を有
    する他の遅延線とで構成されていることを特徴とする超
    音波検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記送信遅延回路
    は、前記振動素子選択回路で選択される振動素子と同数
    で、かつ、所定の遅延パターンに従って遅延時間が設定
    された各遅延素子と、これら各遅延素子と送信回路の各
    出力線との間に介在して前記各遅延素子と前記各出力線
    との接続を前記所定の遅延パターンに従って接続する第
    1のスイッチング素子群と、前記各遅延素子と前記出力
    線との接続を前記所定の遅延パターンを逆転した遅延パ
    ターンに従って接続する第2のスイッチング素子群とで
    構成されていることを特徴とする超音波検査装置。
JP6305120A 1994-12-08 1994-12-08 超音波検査装置 Pending JPH08160023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6305120A JPH08160023A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 超音波検査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6305120A JPH08160023A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 超音波検査装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08160023A true JPH08160023A (ja) 1996-06-21

Family

ID=17941349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6305120A Pending JPH08160023A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 超音波検査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08160023A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100280197B1 (ko) 초음파영상화시스템의초음파신호집속방법및장치
EP0642036B1 (en) Ultrasonic diagnostic equipment
JP4039643B2 (ja) 超音波ビーム形成装置
US5186175A (en) Ultrasonic diagnostic apparatus
JPH0155429B2 (ja)
EP0396761B1 (en) Ultrasonic wave inspecting apparatus
US4837754A (en) Ultrasonic wave phase matching apparatus
JP2723464B2 (ja) 超音波診断装置
JPH08160023A (ja) 超音波検査装置
JP3215023B2 (ja) 超音波診断装置
JPH0113546B2 (ja)
JPH0614927A (ja) 超音波診断装置
JPS6238984B2 (ja)
JPH08266540A (ja) 超音波診断装置
JPH02228952A (ja) 超音波診断装置
JPS6221537B2 (ja)
JP2000312676A (ja) 超音波診断装置
JPS6124012B2 (ja)
WO2000077514A1 (en) Ultrasound scanner with beam former
JP2569024B2 (ja) 超音波診断装置
JPH03248059A (ja) 超音波検査装置
JPS624990B2 (ja)
JPH0479943A (ja) 超音波診断装置
JPS58183147A (ja) 超音波診断装置
JPH01126952A (ja) 超音波診断装置