JPH08157870A - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 （ａ）化１の一般式(１）で示されるベタイ
ン系両性界面活性剤、（ｂ）陰イオン界面活性剤、
（ｃ）非イオン界面活性剤を含有し、（ａ）成分が
（ｂ）成分に対して重量比で（ａ）：（ｂ）＝１：１０
以上の配合量であり、且つ、（ｂ）成分と（ｃ）成分の
比が重量比で（ｂ）：（ｃ）＝３：１〜１：１０の範囲
である事を特徴とする、組成物中の水の量が５０重量％
以下の衣料用液体洗浄剤組成物。 【効果】 良好な洗浄力を示し、しかも均一な液性を示
し、衣料の洗浄に用いられる。 【化１】 （Ｒ：炭素数１０〜１６のアルキル基またはアルケニル
基）

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液体洗浄剤組成物に関
し、さらに詳しく言えば洗浄力が良好であり、しかも均
一な液性を示す濃厚な衣料用の液体洗浄剤組成物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、衣料用洗剤の分野においては、省
資源・環境への低負荷化（ゴミの量の削減）あるいは運
送費用の低減化を目的とし洗剤容器の小型化が図られ、
これに伴い洗剤組成物の濃厚化が課題となってきてお
り、少量で高い洗浄力を発現する洗浄剤組成物の提供が
望まれている。

【０００３】一方で、特開昭５２−３８５０７号公報、
特開昭５２−３８５０８号公報、特開平１−２７２５０
３号公報、特開平２−５１５９８号公報、特開平２−２
１２６００号公報、特開平５−２１４３６５号公報に食
器、毛髪、皮膚を対象とした洗浄剤用の洗浄基剤として
両性界面活性剤が記載されており、両性界面活性剤は食
器、毛髪、皮膚を対象とした洗浄剤においては良好な泡
立ち性能を有し、しかも手肌にマイルドな洗浄基剤とし
て非常に有効な基剤である。しかしながら両性界面活性
剤は、衣料用の液体洗浄剤にはほとんど用いられていな
いのが現状である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は良好な洗浄性
能を示し、しかも均一な液性を示す液体洗浄剤組成物を
提供する事を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の両
性界面活性剤と陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性
剤を特定の比率で混合することにより良好な洗浄性能を
示し、且つ均一な液性を示す液体洗浄剤組成物が得られ
る事を見出し、本発明を完成するに至った。

【０００６】すなわち、本発明の液体洗浄剤組成物は、
組成物中の水の量が５０重量％以下の液体洗浄剤組成物
であって、下記の（ａ），（ｂ）および（ｃ）成分を含
有し、（ａ）成分が（ｂ）成分に対して重量比で
（ａ）：（ｂ）＝１：１０以上の配合量であり、且つ、
（ｂ）成分と（ｃ）成分の比が重量比で（ｂ）：（ｃ）
＝３：１〜１：１０の範囲である事を特徴とする。 （ａ）化２の一般式（１）で示されるベタイン系両性界
面活性剤。

【０００７】

【化２】 （Ｒ：炭素数１０〜１６のアルキル基またはアルケニル
基） （ｂ）陰イオン界面活性剤。 （ｃ）非イオン界面活性剤。

【０００８】

【発明の実施態様】本発明の液体洗浄剤組成物に用いら
れる（ａ）成分のベタイン系両性界面活性剤は下記の化
３の一般式（１）で示される炭素数１０〜１６のアルキ
ル基またはアルケニル基を有するアルキルジメチルまた
はアルケニルジメチルアミノ酢酸ベタインであり、アル
キル基またはアルケニル基は直鎖または分岐鎖のいずれ
であっても良い。

【０００９】

【化３】 （Ｒ：炭素数１０〜１６のアルキル基またはアルケニル
基）

【００１０】（ａ）成分のベタイン系両性界面活性剤
は、本発明の液体洗浄剤組成物中に１〜１０重量％配合
するのが好適であり、より好ましくは３〜８重量％であ
る。

【００１１】本発明の（ｂ）成分の陰イオン界面活性剤
としては特に限定されるものではなく以下のものが挙げ
られる。 １）炭素数８〜１６のアルキル基を有する直鎖または分
岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩 ２）炭素数１０〜２０のアルキル硫酸もしくはアルケニ
ル硫酸塩

【００１２】３）炭素数１０〜２０のオレフィンスルホ
ン酸塩 ４）炭素数１０〜２０のアルカンスルホン酸塩 ５）炭素数１０〜２０の直鎖または分岐鎖のアルキル基
もしくはアルケニル基を有し、平均０．５〜８モルのエ
チレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドあるい
はブチレンオキサイドあるいはエチレンオキサイド／プ
ロピレンオキサイド＝０．１／９．９〜９．９／０．１
の比で付加したアルキルエーテル硫酸塩またはアルケニ
ルエーテル硫酸塩

【００１３】６）炭素数１０〜２０の直鎖または分岐鎖
のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均０．５
〜８モルのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキ
サイドあるいはブチレンオキサイドあるいはエチレンオ
キサイド／プロピレンオキサイド＝０．１／９．９〜
９．９／０．１の比で付加したアルキルエーテルカルボ
ン酸塩

【００１４】７）炭素数１０〜２０のアルキルグリセリ
ルエーテルスルホン酸塩のようなアルキル多価アルコー
ルエーテル硫酸塩 ８）炭素数１０〜２０の高級脂肪酸塩 ９）炭素数８〜２０の飽和あるいは不飽和α−スルホ脂
肪酸塩またはそのメチル、エチルまたはプロピルエステ
ル

【００１５】これらのうち上記１）及び５）が好まし
い。これら陰イオン界面活性剤の塩としてはナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン
塩などが用いられる

【００１６】本発明の（ｃ）成分に用いられる非イオン
界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、次
のものが挙げられる。 １）炭素数８〜１８の１級または２級アルコールにエチ
レンオキサイド（ＥＯ）及び／又はプロピレンオキサイ
ド（ＰＯ）を平均６〜１８モル付加したポリオキシアル
キレンアルキルまたはアルケニルエーテル、

【００１７】２）炭素数８〜２２の脂肪酸にエチレンオ
キサイド（ＥＯ）及び／又はプロピレンオキサイド（Ｐ
Ｏ）を平均６〜１８モル付加したポリオキシアルキレン
アルキルまたはアルケニル脂肪酸エステルまたはその低
級アルコールエーテル、

【００１８】３）平均炭素数６〜１２のアルキル基を有
しエチレンオキサイドを平均６〜２０モル付加したポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、 ４）プロピレンオキサイドとプロピレングリコールとの
縮合物にエチレンオキサイドを付加したもの（プルロニ
ック型界面活性剤）、 ５）プロピレンオキサイドとエチレンジアミンとの縮合
物にエチレンオキサイドを付加したもの（テトロニック
型界面活性剤）、

【００１９】６）平均炭素数１０〜２０の脂肪酸と蔗糖
とのエステル、 ７）平均炭素数１０〜２０の脂肪酸グリセリンモノエス
テル、 ８）炭素数１０〜２０のアルキル基またはアルケニル基
を有するアルキルまたはアルケニルアミンオキサイド、

【００２０】９）炭素数８〜２０のアルキルポリグリコ
シド これらのアルキル基またはアルケニル基は直鎖または分
岐鎖の何れであっても良い。これらのうち上記１）また
は２）の非イオン界面活性剤が好ましい。

【００２１】本発明の液体洗浄剤組成物において、
（ａ）成分は（ｂ）成分に対し重量比で（ａ）：（ｂ）
＝１：１０以上の配合量であり、好ましくは（ａ）：
（ｂ）＝１：８〜１：１、さらに好ましくは（ａ）：
（ｂ）＝１：６〜１：２の範囲である。（ａ）成分が
（ｂ）成分に対して重量比で１／１０未満の場合は、充
分な洗浄性能が得られず好ましくない。

【００２２】本発明の液体洗浄剤組成物において、
（ｂ）成分と（ｃ）成分の比は重量比で（ｂ）：（ｃ）
＝３：１〜１：１０の範囲であり、好ましくは（ｂ）：
（ｃ）＝２．５：１〜１：５、更に好ましくは（ｂ）：
（ｃ）＝２．５〜１：３の範囲である。（ｂ）成分の
（ｃ）成分に対する比が重量比で（ｂ）：（ｃ）＝３：
１を超えると均一な液性を得ることが困難となり、一
方、（ｂ）成分の（ｃ）成分に対する比が重量比で
（ｂ）：（ｃ）＝１：１０の範囲を下回ると（ａ）成分
との相乗効果が十分に発現せず充分な洗浄性能が得られ
ず好ましくない。

【００２３】本発明の液体洗浄剤組成物には、必要に応
じ更に以下の成分を配合することができる。 １）モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミンなどのアルカノールアミン類。 ２）短鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、低級アルコー
ル、多価アルコールなどのハイドロトロープ剤。

【００２４】３）安息香酸ナトリウム，イソチアゾロン
型化合物などの防腐剤。 ４）クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ
トリ酢酸塩などのキレートビルダー剤。 ５）プロテアーゼ，アミラーゼ，セルラーゼ，リパーゼ
などの酵素。 ６）シリコーンなどの泡コントロール剤。 ７）蛍光剤、香料、酸化防止剤等。

【００２５】

【発明の効果】本発明の液体洗浄剤組成物は良好な洗浄
力を示し、しかも均一な液性を示し、衣料用の液体洗浄
剤組成物として用いられる。

【００２６】

【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 〔洗浄力の試験法〕ＵＳ．Ｔｅｓｔｉｎｇ社のＴｅｒｇ
−Ｏ−Ｔｏｍｅｔｅｒを洗浄装置として使用し、これに
汚染布を１０枚とセバム布、清浄メリヤス布を入れ、浴
比３０倍に合わせ、１２０ｒｐｍ、２５℃で１０分間洗
浄する。洗浄液は、液体洗浄剤を０．０８３％の濃度に
溶解したもの９００ｍＬを用い、すすぎは９００ｍＬの
水で３分間行う。使用水は３度ＤＨのものを用いた。洗
浄力は次式数１で算出した。

【００２７】

【数１】 Ｋ／Ｓ＝（１−Ｒ／１００）² ／（２Ｒ／１００） Ｒは反射率（％）

【００２８】〔汚染布の作成法〕スイスＥＭＰＡ社にて
市販している汚染布、Ｎｏ．１０１とＮｏ．１０４をそ
れぞれ５ｃｍ×５ｃｍに切り、これを試験布とした。 〔液の均一性の評価方法〕液体洗浄剤組成物を調製後、
１００ｍｌのガラス瓶に入れて密栓し、２５℃で２４時
間放置後の外観を以下の基準で目視にて判定する。 ○：均一透明溶液 ×：白濁もしくは分離

【００２９】実施例・比較例１〜１９ 表１〜表３に示した組成の液体洗浄剤組成物を調製して
洗浄力あるいは更に液の安定性を評価した。実施例１〜
比較例８までは中性の液体洗浄剤組成物の配合剤であ
り、実施例９〜比較例１９はアルカリ性の液体洗浄剤の
配合例である。

【００３０】表中の記載の詳細は以下の通りである。 Ｄｉａｄｏｌ １３（ＥＯ）₃ＳＯ₃Ｎａ：Ｄｉｄｏｌ
１３にエチレンオキシドを平均３モル付加させたアルキ
ルエーテル硫酸塩 Ｄｏｂａｎｏｌ ２３（ＥＯ）₁₅（ＰＯ）₃ Ｈ：Ｄｏｂ
ａｎｏｌ ２３にエチレンオキサイドを平均１５モル付
加した後、プロピレンオキサイドを平均３モル付加した
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエー
テル Ｄｉａｄｏｌ １３：炭素数１３を主成分とする直鎖・
分岐混合アルコール（直鎖率６０％）（三菱化学（株）
製） Ｄｏｂａｎｏｌ ２３：炭素数１２〜１３を主成分と
し、α−メチル分岐を含有する合成高級アルコール（直
鎖率８０％）（三菱化学（株）製） ＬＡＳモノエタノールアミン：直鎖アルキル（Ｃ₁₁〜Ｃ
₁₃）ベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン 酵素：アルカリプロテアーゼ 蛍光剤：チノパールＣＢＸ（チバ・ガイギー社製）：ホ
ワイテックスＳＡ（住友化学（株）製）＝１：１混合物

【００３１】

【表１】 表１： 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 6 7 8 ラウリルジメチルアミノ 5 − 6 5 − 1.2 5 6 酢酸ベタイン ヤシアルキルジメチル − 6 − − − − − − アミノ酢酸ベタイン Diadol 13(EO)₃SO₃Na 18 18 30 10 20 20 3 3 ラウリン酸(EO)₁₅CH₃ 18 − 12 − 20 20 40 − Dobanol 23(EO)₁₅(PO)₃H − 24 − 30 − − − 50 その他の成分 パラトルエンスルホン酸 6 3 3 − 6 6 6 6 ナトリウム エタノール 3 − − − 3 3 3 3 プロピレングリコール − 4 6 6 − − − − クエン酸ナトリウム 2 − − − 2 2 2 2 酵素 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 香料 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 蛍光剤 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 水 47 44 42 48 48 46.8 40 29 (a):(b)重量比 1:3.6 1:3 1:5 1:2 − 1:17 1:0.6 1:0.5 (b):(c)重量比 1:1 1:1.3 1:0.4 1:3 1:1 1:1 1:13 1:17 EMPA 104洗浄力 35 36 35 37 21 23 23 25

【００３２】

【表２】 表２： 実 施 例 9 10 11 12 13 14 ラウリルジメチルアミノ 5 6 5 − 5 5 酢酸ベタイン ヤシアルキルジメチル − − − 5 − − アミノ酢酸ベタイン Diadol 13(EO)₃SO₃Na 10 22 − − − − LASモノエタノールアミン − − 28 30 33 10 Diadol 13(EO)₆(PO)₂H − 22 25 − 20 40 Dobanol 23(EO)₇(PO)₁H 30 − − 15 − − その他の成分 ジエタノールアミン 11 11 10 10 10 10 パラトルエンスルホン酸 − − 8.5 8.5 8.5 8.5 モノエタノールアミン プロピレングリコール 6 6 5 5 5 5 クエン酸モノエタノールアミン − − − 7 − − エタノール 3 3 − − − − 香料 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 酵素 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 水 34.2 29.2 17.7 18.7 17.7 20.7 (a):(b)重量比 1:2 1:3.7 1:5.6 1:6 1:6.6 1:2 (b):(c)重量比 1:3 1:1 1:0.9 1:0.5 1:0.6 1:4 EMPA 104洗浄力 54 55 55 56 54 56 液の均一性 ○ ○ ○ ○ ○ ○

【００３３】

【表３】 表３： 比 較 例 15 16 17 18 19 ラウリルジメチルアミノ − 2 5 5 5 酢酸ベタイン ヤシアルキルジメチル − − − − − アミノ酢酸ベタイン Diadol 13(EO)₃SO₃Na 22 22 − 3 − LASモノエタノールアミン − − 45 − 32 Diadol 13(EO)₆(PO)₂H 22 22 10 40 10 Dobanol 23(EO)₇(PO)₁H − − − − − その他の成分 ジエタノールアミン 11 11 11 10 11 パラトルエンスルホン酸 − − 8.5 − 8.5 モノエタノールアミン プロピレングリコール 6 6 5 6 5 クエン酸モノエタノールアミン − − − − 7 エタノール 3 3 − 3 − 香料 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 酵素 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 水 35.2 33.2 14.7 32.2 20.7 (a):(b)重量比 − 1:11 1:9 1:0.6 1:6.4 (b):(c)重量比 1:1 1:1 1:0.2 1:13 1:0.3 EMPA 101洗浄力 45 47 54 47 54 液の均一性 ○ ○ × ○ ×

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成７年３月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３２】

【表２】 表２： 実 施 例 9 10 11 12 13 14 ラウリルジメチルアミノ 5 6 5 − 5 5 酢酸ベタイン ヤシアルキルジメチル − − − 5 − − アミノ酢酸ベタイン Diadol 13(EO)₃SO₃Na 10 22 − − − − LASモノエタノールアミン − − 28 30 33 10 Diadol 13(EO)₆(PO)₂H − 22 25 − 20 40 Dobanol 23(EO)₇(PO)₁H 30 − − 15 − − その他の成分 ジエタノールアミン 11 11 10 10 10 10 パラトルエンスルホン酸 − − 8.5 8.5 8.5 8.5 モノエタノールアミン プロピレングリコール 6 6 5 5 5 5 クエン酸モノエタノールアミン − − − 7 − − エタノール 3 3 − − − − 香料 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 酵素 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 水 34.2 29.2 17.7 18.7 17.7 20.7 (a):(b)重量比 1:2 1:3.7 1:5.6 1:6 1:6.6 1:2 (b):(c)重量比 1:3 1:1 1:0.9 1:0.5 1:0.6 1:4 EMPA 101洗浄力 54 55 55 56 54 56 液の均一性 ○ ○ ○ ○ ○ ○

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深野 和明 東京都墨田区本所１丁目３番７号 ライオ ン株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）化１の一般式(１）で示されるベ
   タイン系両性界面活性剤 【化１】 （Ｒ：炭素数１０〜１６のアルキル基またはアルケニル
   基） （ｂ）陰イオン界面活性剤 （ｃ）非イオン界面活性剤 を含有し、（ａ）成分が（ｂ）成分に対して重量比で
   （ａ）：（ｂ）＝１：１０以上の配合量であり、且つ、
   （ｂ）成分と（ｃ）成分の比が重量比で（ｂ）：（ｃ）
   ＝３：１〜１：１０の範囲である事を特徴とする、組成
   物中の水の量が５０重量％以下の液体洗浄剤組成物。