JPH08157795A - アクリル系粘着剤組成物 - Google Patents

アクリル系粘着剤組成物

Info

Publication number
JPH08157795A
JPH08157795A JP29990794A JP29990794A JPH08157795A JP H08157795 A JPH08157795 A JP H08157795A JP 29990794 A JP29990794 A JP 29990794A JP 29990794 A JP29990794 A JP 29990794A JP H08157795 A JPH08157795 A JP H08157795A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
weight
sensitive adhesive
acrylate
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29990794A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamaro Kakehi
鷹麿 筧
Masakatsu Tagami
昌克 田上
Makoto Miura
誠 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP29990794A priority Critical patent/JPH08157795A/ja
Publication of JPH08157795A publication Critical patent/JPH08157795A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱接着性及び耐湿接着性の優れたアクリル系
粘着剤組成物を提供することにある。 【構成】(A)炭素数1〜12のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレートを主成分とする重量平均分
子量(Mw)50万以上で、かつ重量平均分子量と数平
均分子量の比(Mw/Mn)が4.0以下のアクリル系
共重合体、(B)多官能性化合物、有機金属化合物およ
び金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の
架橋剤および(C)有機ホスファイト系化合物からなる
アクリル系粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱接着性及び耐湿接
着性の優れたアクリル系粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、ディスプレー用の液晶表示板
が多くの分野で使用されており、その様な液晶表示板の
ほとんどは、外側に露出されるガラスセルの内側に、ポ
リビニルアルコール等からなる偏光板や、延伸ポリカー
ボネート等からなる位相差板を積層させたものである。
【0003】上記液晶表示板に偏光板や位相差板を固定
させる方法として、上記偏光板または位相差板の両面も
しくは片面に粘着剤層を設け、これをガラスセルに圧着
する方法が一般的であり、この際用いられる粘着剤は、
良好な透明性および充分な接着性を有するものが用いら
れてきた。
【0004】しかし、最近では使用時あるいは保管時の
熱や湿気等により、粘着剤層中に気泡が発生したり、貼
付部分の端部から剥離するといった問題点があり、更
に、貼付後に長期間高温条件下において保管した場合、
空気接触している貼付部分の端部で、酸化劣化による凝
集破壊が起きるといった新たな問題点も発生してきてい
る。
【0005】上記の耐湿接着性の問題点に対して、粘着
剤中に予めエポキシ基を有するシラン化合物を添加して
おくことにより、耐湿接着性の良好な粘着剤が得られる
ことが開示されている(特開平5−45517号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記粘
着剤を偏光板や位相差板に貼付した偏光板粘着シートや
位相差板粘着シートを長期間保管した後に、ガラスセル
等のガラス板上に貼付した場合、上記シラン化合物の劣
化のため、製造初期の接着性が充分得られにくいといっ
た問題点があった。
【0007】本発明の目的は、耐熱接着性及び耐湿接着
性の優れたアクリル系粘着剤組成物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明で用いられるアク
リル系共重合体(A)は、アルキル(メタ)アクリレー
トを主成分として含有する混合ビニルモノマーを共重合
することにより得られる。
【0009】上記アルキル(メタ)アクリレートは、炭
素数1〜12のアルキル基を有するものであり、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アク
リレート、ペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル
(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これ
らは単独で用いてもよいし、また2種類以上併用しても
よい。
【0010】上記アルキル(メタ)アクリレートの含有
量は、少なくなると得られるアクリル系粘着剤の凝集力
が高くなり、貼付時に空気を巻き込み易くなり、また多
くなるとアクリル系粘着剤の凝集力が低くなり、充分な
耐熱耐久性が得られにくくなるため、混合ビニルモノマ
ー合計量中、好ましくは60〜99.5重量%、より好
ましくは70〜99重量%である。
【0011】上記混合ビニルモノマー中には、凝集力成
分として極性基を有するビニルモノマーやその他のビニ
ルモノマーが添加されてもよく、上記極性基を有するビ
ニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、イタコン酸、
クロトン酸の他、カルボキシエチル(メタ)アクリレー
ト、カルボキシプロピル(メタ)アクリレート等のカル
ボキシアルキル(メタ)アクリレート等のカルボキシル
基含有ビニルモノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
カプロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニルモ
ノマー、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロ
ラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)
アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の窒
素含有ビニルモノマー等が挙げられ、これらは単独で用
いてもよいし、また2種類以上併用してもよい。
【0012】上記その他のビニルモノマーとしては、例
えば、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、スチレン、テトラフルフリルアクリレート、イソ
ボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】上記ビニルモノマーおよびその他のビニル
モノマーの合計含有量は、少なくなるとアクリル系粘着
剤の凝集力が低くなり、充分な耐熱耐久性が得られにく
くなり、また多くなるとアクリル系粘着剤の凝集力が高
くなり、貼付時に空気を巻き込み易くなったり、低温に
おける初期接着性が充分に得られにくくなるため、混合
ビニルモノマー合計量中、好ましくは0.5〜40重量
%であり、より好ましくは1〜30重量%である。
【0014】上記アクリル系共重合体を得る方法とし
て、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等の熱重
合や光重合等が挙げられ、熱重合には熱重合開始剤が、
光重合には光重合開始剤がそれぞれ用いられる。
【0015】上記熱重合開始剤としては、例えば、ベン
ゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビス−イソブチ
ロニトリル等が挙げられ、また、上記光重合開始剤とし
ては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン[チバガイ
ギー社製、商品名「ダロキュアー2959」]、2−ヒ
ドロキシ−2,2−ジメチルアセトフェノン[チバガイ
ギー社製、商品名「ダロキュアー1173」]等のアセ
トフェノン系、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン
プロピルエーテル等のベンゾインエーテル系、ベンジル
ジメチルエーテルケタール等のケタール系等が挙げられ
る。
【0016】上記熱重合開始剤および光重合開始剤の添
加量は、少なくなると重合が完結せずモノマー臭気の強
い重合体となり、また多くなるとラジカル発生量が多く
なり、分子量低下により充分な凝集力が得られにくくな
るため、混合ビニルモノマー合計量100重量部に対
し、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは
0.01〜3重量部である。
【0017】上記アクリル系共重合体を重合する際に、
重合反応のばらつきを抑えると同時に得られるポリマー
の分子量を適切に調節する目的で連鎖移動剤が添加され
てもよく、例えば、n−ドデシルメルカプタン、2−メ
ルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸、β
−メルカプトプロピオン酸オクチル、β−メルカプトプ
ロピオン酸メトキシブチル、トリメチロールプロパント
リス(β−チオプロピオネート)、チオグリコール酸ブ
チル、プロパンチオール類、ブタンチオール類、チオホ
スファイト類等のチオール化合物や四塩化炭素などのハ
ロゲン化合物等が挙げられ、これらは単独で用いてもよ
いし、また2種類以上併用してもよい。
【0018】上述の方法で得られるアクリル系共重合体
の重量平均分子量(Mw)は、一般にゲル浸透クロマト
グラフ法(以下「GPC」とする)で測定されるが、小
さくなると凝集力が低下し、充分な耐熱性が得られにく
くなるため、50万以上であり、好ましくは60万以
上、より好ましくは70万以上である。
【0019】また、同様にGPCで測定される上記アク
リル系共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)の比(Mw/Mn)は、大きくなると低分子
量分が増加し、凝集力低下に伴い充分な耐熱性が得られ
にくくなるため、4.0以下であり、好ましくは3.5
以下、より好ましくは3.0以下である。
【0020】本発明のアクリル系粘着剤組成物は、上記
で得られるアクリル系共重合体(A)、架橋剤(B)お
よび有機ホスファイト系化合物(C)からなる。
【0021】上記架橋剤(B)は、上記アクリル系共重
合体(A)を架橋し、凝集力を上げることにより、耐熱
性を向上させる目的で添加され、多官能性化合物、有機
金属化合物および金属塩が挙げられる。
【0022】上記多官能性化合物としては、例えば、ト
ルイレンジイソシアナート(TDI)、水素化トルイレ
ンジイソシアナート、ナフチレン−1,5−ジイソシア
ナート、ジフェニルメタンジイソシアナート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)、
イソホロンジイソシアナート(IPDI)、キシレンジ
イソシアナート(XDI)、トリメチロールプロパン変
成TDI、トリフェニルメタントリイソシアネート、メ
チレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート
等の多官能性イソシアネート系化合物、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシ
レンジアミン、1,3ビス(N,N’−ジグリシジルア
ミノメチル)シクロヘキサン等の多官能性エポキシ系化
合物、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−
アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ジフェニル
メタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシア
ミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジ
ニルプロピオネート、ビスイソフタロイル−1−(2−
メチルアジリジン)等の多官能性アジリジン系化合物、
アミノ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、これらは単独
で用いてもよいし、また2種類以上併用してもよい。
【0023】上記有機金属化合物としては、例えば、ア
ルミニウム、鉄、銅、錫、亜鉛、チタン、ニッケル、ア
ンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコ
ニウム等の2価以上の金属のアセチルアセトンやアセト
酢酸エステル等のキレート化合物が挙げられ、これらは
単独で用いてもよいし、また2種類以上併用してもよ
い。
【0024】上記金属塩としては、例えば、塩化第二
銅、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸アルミニウ
ム、硫酸銅、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩
化マグネシウム、酢酸クロム、酢酸銅等が挙げられ、こ
れらは単独で用いてもよいし、また2種類以上併用して
もよい。
【0025】上記架橋剤(B)の添加量は、少なくなる
と架橋できず、充分な耐熱性が得られにくくなり、また
多くなると架橋密度が高くなり、充分な剥離強度が得ら
れにくくなるため、上記アクリル系共重合体の固形分1
00重量部に対して、0.001〜5重量部であり、好
ましくは0.01〜3重量部である。
【0026】上記有機ホスファイト系化合物(C)は、
下記一般式で表される化合物および該化合物の多量体か
らなる群より選ばれるものであり、
【0027】
【化2】
【0028】(但し、R1 、R2 、R3 は共に、脂肪族
系、脂環族系および芳香族系からなる群より選ばれる
基)、市販品としては、例えば、トリオクチルホスファ
イト(堺化学社製、商品名「Chelex MD」)、
トリ−2,4−ジ−tertブチルフェニルホスファイ
ト(旭電化社製、商品名「アデカスタブ2112」)等
が挙げられる。
【0029】上記有機ホスファイト系化合物(C)の添
加量は、少なくなると長期間高温条件下で保管された場
合の貼付部端部における酸化劣化を充分に抑えられず、
また多くなると高温条件において発泡し易くなり、高温
高湿下でガラスから剥がれ易くなるため、上記アクリル
系共重合体100重量部に対して、0.01〜5重量部
であり、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0030】本発明で用いられるアクリル系粘着剤組成
物には、必要に応じて、他の物性を損なわない範囲で、
粘着付与樹脂、粘度調整剤、充填剤、他の酸化防止剤、
紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
【0031】上記粘着付与樹脂としては、例えば、C5
系及びC9系(水添)石油樹脂、(水添)ロジン樹脂、
(水添)ロジンエステル樹脂、(水添)テルペン樹脂、
(水添)テルペンフェノール樹脂、(水添)クマロン・
インデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエステ
ル樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂等が
挙げられ、特に軟化点が120℃以上のものが高温下で
の接着耐久性を低下させないという点で好ましく、また
100℃以下のものを用いる場合は上記理由により注意
が必要である。これらは単独で用いてもよいし、また2
種類以上併用してもよい。
【0032】上記粘着付与樹脂は、少なくなると充分な
粘着物性が得られにくく、また多くなると本発明で用い
られるアクリル系粘着剤組成物中で未架橋成分として残
り、充分な凝集力が得られにくくなるため、上記アクリ
ル系共重合体100重量部に対し、好ましくは1〜40
重量部、より好ましくは、3〜30重量部である。
【0033】上記粘度調整剤は、光重合の際の塗工厚み
の制御を行う目的で添加され、例えば、アクリルゴム、
ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴ
ム、ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン(S
IS)等のエラストマー、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リスチレン等の熱可塑性樹脂、アエロジル等が挙げられ
る。
【0034】
【作用】本発明のアクリル系粘着剤組成物は、GPCに
よる重量平均分子量(Mw)が50万以上で、かつ重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw
/Mn)で与えられる分子量分布が4.0以下であるた
め、常温での粘着力を充分に保持したまま、充分な凝集
力を有し、更に高温時の弾性率の低下が抑えられてい
る。このため、高温高湿条件下において発泡や剥離とい
った問題のない粘着剤となったと考えられる。また、有
機ホスファイト系の酸化防止剤が添加されることによ
り、高温条件下に長期間放置された場合においても、貼
付部端部において酸化劣化がなく、凝集力低下による剥
離といった問題のない粘着剤となったと考えられる。
【0035】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。尚、
以下「部」とあるのは「重量部」を意味する。 (アクリル系共重合体の作成)表1の配合組成に従っ
て、温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素ガス導入管およ
び滴下ロートを備えた5つ口のセパラブルフラスコ中
に、2−エチルヘキシルアクリレート(以下「2EH
A」とする)、n−ブチルアクリレート(以下「BA」
とする)、アクリル酸(以下「AAc」とする)、ヒド
ロキシエチルメタクリレート(以下「HEMA」とす
る)、n−ドデシルメルカプタン(以下「DDM」とす
る)および酢酸エチルを添加し、攪拌することにより均
一に混合した後、昇温しながら窒素ガスで30分間パー
ジすることにより系内の溶存酸素を除去した。次いで、
70℃に保持した状態で、0.03部の過酸化ベンゾイ
ル(以下「BPO」とする)を3部の酢酸エチルに溶解
した開始剤溶液を滴下ロートにより滴下した後、窒素雰
囲気下で15時間反応させた。反応後、酢酸エチルで希
釈し、固形分40重量%のアクリル系共重合体A、Bお
よびCを得た。
【0036】(実施例1〜2、および比較例1〜3)表
2の固形分換算の配合組成に従って、上記アクリル系共
重合体に、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス
(1−アジリジンカルボキシアミド)(日本触媒社製、
商品名「HDU」、以下「HDU」とする)、トリメチ
ロールプロパン変成TDI(日本ポリウレタン社製、商
品名「コロネートL」、以下「コロネートL」とす
る)、トリオクチルホスファイト(堺化学社製、商品名
「Chelex MD」、以下「Chelex MD」
とする)、トリ−2,4−ジ−tertブチルフェニル
ホスファイト(旭電化社製、商品名「アデカスタブ21
12」、以下「アデカスタブ2112」とする)を添加
することによりアクリル系粘着剤組成物を得た。次い
で、上記アクリル系粘着剤組成物を、離型処理した38
μmポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「離型
PETフィルム」とする)に塗工し、110℃のオーブ
ン中で5分間乾燥することにより、厚さ25μmの粘着
剤フィルムを得た。更に、上記粘着剤フィルムと厚さ1
50μmの延伸ポリビニルアルコール系偏光板(サンリ
ッツ社製、商品名「LLC2 −9218」)とをラミネ
ーターで貼り合わせることにより偏光板粘着シートを得
た。
【0037】評価項目及び評価法を以下に示す。 (重量平均分子量および数平均分子量の測定)ゲル浸透
クロマトグラフ法(GPC)を用いて、上記アクリル系
共重合体A、BおよびCのポリスチレン換算の重量平均
分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた結
果を表1に示した。上記GPC測定装置は、示差屈折計
検出器(島津製作所(株)社製、商品名「RID−6
A」)並びに分離カラム(昭和電工(株)社製、商品名
「GPC KF−805」×2本、「GPC KF−8
04」×1本及び「GPC KF−801」×1本、計
4本)を用い、その使用上の指定条件に従い測定した。
【0038】(耐熱接着性試験)上記各偏光板粘着シー
トを1週間放置した後、75mm×150mmの大きさ
に切断した後、上記PETフィルムを剥離した後、その
粘着面と100mm×200mmのガラス製被着体を気
泡が入らないようにラミネーターで貼り合わせ、試験片
を得た。各試験片をガラススタンドに立て、80℃の恒
温槽中に500時間放置した後の発泡による外観変化を
目視で観察した結果を表2に示す。但し、評価基準は粘
着剤層中に10μm以上の気泡が認められない場合を
「1」、20〜40μmの気泡が少量認められる場合を
「2」、更に、20〜40μmの気泡が多量に認められ
る場合を「3」とした。
【0039】(耐湿接着性試験)上記各試験片をガラス
スタンドに立て、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒
湿槽中に500時間放置した後の剥離による外観変化を
目視で観察した結果を表2に示す。但し、評価基準はガ
ラス板からの剥離が認められない場合を「1」、端部に
0.5mm以下の剥離が認められる場合を「2」、更に
端部付近に0.5mmを越える剥離が認められる場合を
「3」とした。また、上記目視による外観変化の観察
後、剥離した際の凝集破壊の有無を観察した結果も表2
に示す。
【0040】(ゲル分率の測定)上記粘着剤フィルム上
の粘着剤層のゲル分率は、粘着剤を所定量W(g)採
り、テトラヒドロフラン中に浸漬し、振とう後24時間
放置した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過
した不溶成分の重量Wa(g)とした場合に、 ・ ゲル分率(%) = 100×(Wa/W) で求められ、塗工乾燥直後の粘着剤のゲル分率を初期値
とし、表1に示す。また、上記粘着剤フィルムをガラス
板上に転写した後、上記離型PETフィルムを剥離する
ことにより粘着剤表面を空気中に暴露した後、ガラスス
タンドに立て、温度90℃の恒温槽中で500時間放置
することにより酸化劣化を促進させた後、上記ガラス板
上の粘着剤を剥ぎ取り、同様の方法で暴露後のゲル分率
を測定した結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明のアクリル系粘着剤組成物の構成
は上記の通りであり、ガラス板に接着した後の耐熱接着
性、耐湿接着性が向上したものとなっている。このた
め、本発明のアクリル系粘着剤組成物を用いた偏光板粘
着シートをガラスセルに貼付した場合、高温高湿条件下
でも発泡や剥離といった問題が起こらないばかりでな
く、酸化劣化による粘着剤のゲル分率低下がほとんどな
いので、液晶表示板に好適に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭素数1〜12のアルキル基を有す
    るアルキル(メタ)アクリレートを主成分とする重量平
    均分子量(Mw)50万以上で、かつ重量平均分子量と
    数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.0以下のアクリ
    ル系共重合体100重量部、(B)多官能性化合物、有
    機金属化合物および金属塩からなる群より選ばれる少な
    くとも1種以上の架橋剤0.001〜5重量部並びに
    (C)下記一般式で表される化合物および該化合物の多
    量体からなる群より選ばれる有機ホスファイト系化合物
    0.01〜5重量部 【化1】 (但し、R1 、R2 、R3 は共に、脂肪族系、脂環族系
    および芳香族系からなる群より選ばれる基)からなるア
    クリル系粘着剤組成物。
JP29990794A 1994-12-02 1994-12-02 アクリル系粘着剤組成物 Pending JPH08157795A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29990794A JPH08157795A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 アクリル系粘着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29990794A JPH08157795A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 アクリル系粘着剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08157795A true JPH08157795A (ja) 1996-06-18

Family

ID=17878375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29990794A Pending JPH08157795A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 アクリル系粘着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08157795A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002030264A (ja) * 2000-07-18 2002-01-31 Lintec Corp 粘着剤組成物及びそれを用いた粘着性光学部材
WO2005090507A1 (en) * 2004-03-23 2005-09-29 Jsr Corporation Curable liquid resin adhesive composition
WO2006088099A1 (ja) * 2005-02-16 2006-08-24 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. 光学部材用粘着剤、光学部材用粘着剤の製造方法
US7897801B2 (en) 2003-05-12 2011-03-01 Invista North America S.A R.L. Process for the preparation of dinitriles
US7919646B2 (en) 2006-07-14 2011-04-05 Invista North America S.A R.L. Hydrocyanation of 2-pentenenitrile
US7973174B2 (en) 2005-10-18 2011-07-05 Invista North America S.A.R.L. Process of making 3-aminopentanenitrile
US7977502B2 (en) 2008-01-15 2011-07-12 Invista North America S.A R.L. Process for making and refining 3-pentenenitrile, and for refining 2-methyl-3-butenenitrile
US8088943B2 (en) 2008-01-15 2012-01-03 Invista North America S.A R.L. Hydrocyanation of pentenenitriles
US8101790B2 (en) 2007-06-13 2012-01-24 Invista North America S.A.R.L. Process for improving adiponitrile quality
JP2012063775A (ja) * 2005-04-28 2012-03-29 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 粘着剤層付き光学積層体の製造方法
US8178711B2 (en) 2006-03-17 2012-05-15 Invista North America S.A R.L. Method for the purification of triorganophosphites by treatment with a basic additive
US8247621B2 (en) 2008-10-14 2012-08-21 Invista North America S.A.R.L. Process for making 2-secondary-alkyl-4,5-di-(normal-alkyl)phenols
US8338636B2 (en) 2009-08-07 2012-12-25 Invista North America S.A R.L. Hydrogenation and esterification to form diesters
US8373001B2 (en) 2003-02-10 2013-02-12 Invista North America S.A R.L. Method of producing dinitrile compounds
KR20140112388A (ko) 2013-03-13 2014-09-23 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층이 형성된 편광 필름 및 화상 표시 장치
WO2015102086A1 (ja) * 2014-01-06 2015-07-09 日東電工株式会社 アクリル系粘着剤組成物、アクリル系粘着剤層、粘着剤層付き基材フィルム、積層体、及び画像表示装置
JP5952470B1 (ja) * 2015-07-23 2016-07-13 三菱樹脂株式会社 導電部材用粘着剤組成物

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002030264A (ja) * 2000-07-18 2002-01-31 Lintec Corp 粘着剤組成物及びそれを用いた粘着性光学部材
US8373001B2 (en) 2003-02-10 2013-02-12 Invista North America S.A R.L. Method of producing dinitrile compounds
US7897801B2 (en) 2003-05-12 2011-03-01 Invista North America S.A R.L. Process for the preparation of dinitriles
WO2005090507A1 (en) * 2004-03-23 2005-09-29 Jsr Corporation Curable liquid resin adhesive composition
WO2006088099A1 (ja) * 2005-02-16 2006-08-24 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. 光学部材用粘着剤、光学部材用粘着剤の製造方法
JP2012063775A (ja) * 2005-04-28 2012-03-29 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 粘着剤層付き光学積層体の製造方法
US7973174B2 (en) 2005-10-18 2011-07-05 Invista North America S.A.R.L. Process of making 3-aminopentanenitrile
US8178711B2 (en) 2006-03-17 2012-05-15 Invista North America S.A R.L. Method for the purification of triorganophosphites by treatment with a basic additive
US7919646B2 (en) 2006-07-14 2011-04-05 Invista North America S.A R.L. Hydrocyanation of 2-pentenenitrile
US8394981B2 (en) 2006-07-14 2013-03-12 Invista North America S.A R.L. Hydrocyanation of 2-pentenenitrile
US8101790B2 (en) 2007-06-13 2012-01-24 Invista North America S.A.R.L. Process for improving adiponitrile quality
US8088943B2 (en) 2008-01-15 2012-01-03 Invista North America S.A R.L. Hydrocyanation of pentenenitriles
US7977502B2 (en) 2008-01-15 2011-07-12 Invista North America S.A R.L. Process for making and refining 3-pentenenitrile, and for refining 2-methyl-3-butenenitrile
US8247621B2 (en) 2008-10-14 2012-08-21 Invista North America S.A.R.L. Process for making 2-secondary-alkyl-4,5-di-(normal-alkyl)phenols
US8338636B2 (en) 2009-08-07 2012-12-25 Invista North America S.A R.L. Hydrogenation and esterification to form diesters
KR20140112388A (ko) 2013-03-13 2014-09-23 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층이 형성된 편광 필름 및 화상 표시 장치
WO2015102086A1 (ja) * 2014-01-06 2015-07-09 日東電工株式会社 アクリル系粘着剤組成物、アクリル系粘着剤層、粘着剤層付き基材フィルム、積層体、及び画像表示装置
JP2015145494A (ja) * 2014-01-06 2015-08-13 日東電工株式会社 アクリル系粘着剤組成物、アクリル系粘着剤層、粘着剤層付き基材フィルム、積層体、及び画像表示装置
TWI643924B (zh) * 2014-01-06 2018-12-11 日商日東電工股份有限公司 丙烯酸系黏著劑組合物、丙烯酸系黏著劑層、附黏著劑層之基材膜、積層體、及圖像顯示裝置
US10253220B2 (en) 2014-01-06 2019-04-09 Nitto Denko Corporation Acrylic pressure-sensitive adhesive composition, acrylic pressure-sensitive adhesive layer, pressure-sensitive adhesive layer-attached substrate film, laminate, and image display device
JP5952470B1 (ja) * 2015-07-23 2016-07-13 三菱樹脂株式会社 導電部材用粘着剤組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4521520B2 (ja) 低極性フィルム用粘着剤
JPH08157795A (ja) アクリル系粘着剤組成物
US20160185083A1 (en) Pressure-sensitive-adhesive-layer-attached polarizing film, and image display device
TWI516563B (zh) Adhesive composition
JP4753196B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物及び該粘着剤組成物を用いた光学部材用粘着シート
JP4913937B2 (ja) 感圧性接着シ―ト類と機能性フイルムの固定方法
JP2001240830A (ja) 粘着剤組成物および表面保護フィルム
JP2002327160A (ja) 粘着剤組成物及び該組成物を用いたディスプレイ用粘着シート
JP5687420B2 (ja) 溶剤系光学部材用粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着剤付光学部材
TWI753019B (zh) 光學用黏著劑層、光學用黏著劑層之製造方法、附黏著劑層之光學薄膜及影像顯示裝置
KR20150123162A (ko) 점착제 조성물, 점착제층, 점착 시트 및 터치패널용 적층체
JP2011241377A (ja) 光学部材用の粘接着剤組成物、粘接着剤層、粘接着剤層が設けられた光学部材、光学部材付画像表示装置、および画像表示装置の製造方法
WO2018062288A1 (ja) 光学用粘着剤層、光学用粘着剤層の製造方法、粘着剤層付光学フィルム、及び、画像表示装置
JP5961610B2 (ja) 粘着シート
US20160209566A1 (en) Double-sided pressure-sensitive-adhesive-layer-attached polarizing film, method for producing thereof, and image display device
JP5622427B2 (ja) 光学部材用粘着剤組成物、光学部材用粘着剤層、粘着型光学部材及び画像表示装置
JPH09113724A (ja) 粘着型偏光板
JPH09302321A (ja) アクリル系粘着剤組成物
JPH10168407A (ja) アクリル系粘着剤組成物
JPH0980230A (ja) 偏光板固定構造物
KR20120038633A (ko) 점착제 조성물, 이를 포함하는 편광판 및 액정표시장치
JPH08122524A (ja) 偏光板粘着シート
JP5567885B2 (ja) 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JPH07331209A (ja) アクリル系粘着剤組成物
WO2018062289A1 (ja) 光学用粘着剤層、光学用粘着剤層の製造方法、粘着剤層付光学フィルム、及び、画像表示装置